JP4966885B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体に関する。本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンタ等の画像形成装置に好適に使用できる。
近年、電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)は、有機光導電材料を用いた有機感光体が、材料選択の高い自由度より感光体特性を様々に設計できる観点から、数多く提案され、実用化されている。有機感光体は感光層を備え、その感光層は、主として有機光導電材料を樹脂に分散させた層からなる。具体的には、電荷発生材料を樹脂に分散させた層(電荷発生層)と電荷輸送材料を樹脂に分散させた層(電荷輸送層)を積層させた構造や、電荷発生材料及び電荷輸送材料を樹脂に分散させた単層構造等が数多く提案されている。中でも、感光層として、電荷発生層の上に電荷輸送層を積層させた機能分離型の感光体は、電子写真特性や耐久性にすぐれ、広く実用化されている。
感光体は、主として、材料選択や光感度等の点で有利な、ホール輸送性の材料を使用する負帯電用として用いられる。しかし、負のコロナ放電時に、帯電器より、チャージ生成物(オゾン、NOx等)が多く発生する。チャージ生成物は、感光体表面へ吸着され、また電荷輸送能を劣化させるため、繰り返し使用時の電位を低下させる。その結果、画質が低下し、感光体の寿命が短くなる。また、最近の画像形成装置(複写機、プリンター等)は非常に小型化されており、そのため感光体ドラムまわりの排気手段も小さくなり、排気能力が十分確保できないことがある。従って、チャージ生成物(オゾン、NOx等)による感光体の劣化が問題となることが多いため、感光体の最表面層の電荷輸送層には、チャージ生成物に対して強い耐性を有することが望まれている。
従来、有機系の感光体では、これらチャージ生成物や、画像露光及び除電光による感光体の劣化を防止するため、電荷輸送層中に種々の添加剤を添加する方法により、繰り返し使用時の電位安定性及び画質安定性の向上が図られてきた。
また、気体の透過係数の小さなバインダー樹脂を含む保護層を感光体の最表面層に形成し、耐チャージ生成物特性の向上を図るという方法がある(特開2004−212910号公報:特許文献1)。
特開2004−212910号公報
しかし、上記公報の方法では、有機層の数が増えることで、初期感度が低下するという課題があった。また、保護層の製造工程が追加されるため、製造コストが上昇するという課題もあった。
本発明の発明者は、チャージ生成物による感光体の劣化を防止するために、白金ナノコロイド粒子を感光層に用いることで、初期感度低下や残留電位上昇なしで、チャージ生成物(オゾン,NOx等)耐性に優れた感光体を提供できることを見い出し本発明に至った。
白金ナノコロイド粒子は、強い抗酸化作用をもち、活性酸素による細胞の損傷を防ぐ等、ヒトの老化防止に効果があることが知られている。このような白金ナノコロイド粒子は、サプリメントや化粧品類等に広く使用されている。しかし、白金ナノコロイド粒子の感光層への使用は、これまで全く試みられていなかった。
かくして本発明によれば、導電性支持体上に、少なくとも、電荷を発生する電荷発生物質を有する電荷発生層と、電荷発生層より発生した電荷を受け入れて輸送する電荷輸送材料を有する電荷輸送層とを備え、前記電荷輸送層が、白金ナノコロイド粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体が提供される。
本発明によれば、白金ナノコロイド粒子を電荷輸送層に含有することで、より長期の繰り返しの使用に対しても、画像の劣化を防止できる。防止できる理由は、以下の作用によると発明者等は考えている。即ち、白金ナノコロイド粒子に由来する白金粒子は、電荷輸送材料のような感光体構成材料と外的攻撃物との反応(例えば、酸化反応)を抑制する作用が有る。そのため、チャージ生成物であるオゾン及びNOx等の活性種(外的攻撃物)が、感光体表面へ吸着しても、上記作用により画像劣化(HT白すじ、黒すじ)、電荷輸送能の劣化による繰り返し使用時の電位低下等を防止できる。
以下に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1に本発明の一実施の形態である感光体を示す。図中、1は導電性支持体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電荷輸送層、5は感光層を表す。図1の感光体は、感光層5が電荷発生層3及び電荷輸送層4の2層からなる機能分離型感光体である。下引き層2は形成してもしなくてもよい。
まず、本発明では、電荷輸送層には、白金ナノコロイド粒子が含まれる。白金ナノコロイド粒子は、感光体中で、酸化防止剤として機能していると考えられる。
本発明において、白金ナノコロイド粒子は、ナノメーターオーダーのコロイド次元の白金粒子であり、液体に分散させると比較的安定な分散状態(コロイド状態)となる粒子を意味する。また、白金ナノコロイド粒子は、電荷輸送層中において、コロイド状態で存在していてもよい。白金ナノコロイド粒子の平均粒子径は、ナノメーターオーダーである限り特に限定されないが、1〜10nmが挙げられる。マイクロオーダーの白金コロイド粒子を使用した場合、抗酸化作用が劣るため好ましくない。なお、マイクロオーダーのコロイド粒子に比べて、ナノメーターオーダーのコロイド粒子は、抗酸化作用が、数倍優れている。
更に、コロイド粒子を構成する白金原子の数は、例えば、数10〜数100個である。
白金ナノコロイド粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で黒点として観察された点を写真上で測定した値を意味する。
白金ナノコロイド粒子を含む感光体を電子写真プロセスに搭載し、繰り返し使用した際、白金ナノコロイド粒子の抗酸化作用により、チャージ生成物であるオゾン及びNOx等の活性種の感光体表面への吸着による画像劣化(HT白すじ、黒すじ)、電荷輸送能の劣化による繰り返し使用時の電位低下等を防ぐことができる。
特に、白金ナノコロイド粒子の優れている点は、その抗酸化作用が半永久的に持続することである。
一般的な酸化防止剤は、チャージ生成物であるオゾン及びNOx等の活性種に電荷輸送材料が酸化されるかわりに、電荷輸送材料の性能を保持させるために、酸化防止剤自身が酸化される。従って、一度酸化されて変質した酸化防止剤には、本来の酸化防止効果は既になく、かえって電荷輸送層中で不純物となり、感度低下等を引き起こす原因となる。
しかし、白金ナノコロイド粒子の抗酸化作用は完全に解明されたわけではないが、NOx等の活性種に対して触媒のようにはたらき、その活性種の酸化作用を失効させてしまうと推測される。従って白金ナノコロイド粒子自身がその反応に関与するわけではない。ゆえに白金ナノコロイド粒子の抗酸化作用は、半永久的に持続する。
白金ナノコロイド粒子の含有量は、電荷輸送材料100重量部に対して、0.001〜0.04重量部とすることができる。この範囲であれば、良好な画像を得ることができる。0.001重量部未満の場合、酸化防止作用が余り期待できない。逆に0.04重量部より多い場合、初期感度低下、残留電位の上昇、繰り返し安定性が劣ることがあり、良好な画像が得られないことがある。好ましい含有量は、0.004〜0.01重量部である。
白金ナノコロイド粒子を含むコロイドは、公知の方法により製造できる。例えば、燃焼法や沈殿法がある。
燃焼法は、白金イオン溶液を水素ガス中又はリン等へ添加し、燃焼させることで還元反応させて白金微粒子を得、その粒子を媒体中に投入することでコロイドを得る方法である。媒体は、必要に応じて、コロイドを安定化させるために、界面活性剤(保護コロイド)を含んでいてもよい。
沈殿法は、白金イオン溶液に還元剤を添加し、白金イオンを還元することにより白金のコロイドを得る方法である。
具体的には、特開2001−79383号公報、特開2001−122723号公報等に記載された方法を参照することで容易に調整できる。
以下、感光体の各構成を説明する。
導電性支持体1を構成する材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料、あるいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステル、フェノール樹脂、紙等の絶縁性物質が挙げられる。導電性支持体1の形状としては、フイルム状、シート状、管状、円筒状、円柱状等が挙げられる。
導電性支持体1と電荷発生層3との間には、下引き層2を導入してもよい。下引き層2としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等の有機材料からなる層が使用できる。中でも有機溶媒可溶性のポリアミド樹脂は、特に好ましい。その理由としては、下引き層2の上に感光層を形成する際に用いられる溶媒に対して溶解や膨潤等が起こらないこと、導電性支持体との接着性に優れること等が挙げられる。下引き層の膜厚は、0.1〜5μm程度が好ましい。厚くなりすぎると残留電位が高くなることがあり、薄くなりすぎると基板側からの電荷注入をブロックできなくなったり、基板キズの隠蔽効果がなくなったりすることがある。
また、必要に応じて、特に下引き層の体積抵抗率の設定、低温/低湿環境下での繰り返しエージング特性を改善するために、無機顔料を含んでいてもよい。無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、シリカ、酸化アンチモン等が挙げられる。無機顔料は、上記有機材料とボールミル、ダイノーミル、超音波発振機等の分散機を用いて予め分散させておいてもよい。下引き層中の無機顔料の割合は、30〜95重量%の範囲が好ましい。
下引き層は、一般的に、上記有機材料を溶剤に分散させて得られた塗液を用いる塗布法で形成できる。上記有機材料を分散しうる適当な溶剤としては、炭素数1〜4の低級アルコール及びこれらの混合液からなる群から選ばれたアルコールと、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びこれらの混合液からなる群から選ばれた溶剤との混合溶媒が挙げられる。塗液は、浸漬塗布装置等を用いて導電性基体表面に塗布できる。特に、環境保護を考えると、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
電荷発生層3は、光照射により電荷を発生する電荷発生材料を主成分とし、必要に応じて公知の結合剤、可塑剤、増感剤を含有する。
電荷発生材料としては、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物等のペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノン等の多環キノン系顔料、金属及び無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、及びカルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格又はジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等が挙げられる。
特に高い電荷発生能を有する電荷発生材料としては、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、フローレン環及びフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料が挙げられる。これら顔料を使用することで、高い感度を有する像担持体としての電荷発生層が得られる。更に、オキソチタニルフタロシアニンの内、X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に回折ピークを示す結晶型を有するものは、高い感度を有するためより好ましい。
電荷発生層中の電荷発生材料の割合は、30〜90重量%の範囲が好ましく、40〜60重量%がより好ましい。上記割合が多くなりすぎると電荷発生材料の分散が低下したり、分散液の寿命が低下したりすることがあり、少なくなりすぎると感度低下を起こすことがある。電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。厚くなりすぎると電荷保持性能が低下することがあり、薄くなりすぎると感度不足となることがある。
電荷発生層3は、電荷発生材料以外に、必要に応じて、バインダー樹脂、塗布性を改善するためのレベリング剤、酸化防止剤、増感剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。バインダー樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステル、セルロースエーテル等を使用できる。
レベリング剤としては、シリコンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用できる。レベリング剤は、バインダー樹脂と共に使用され、バインダー樹脂100重量部に対し、0〜1重量部使用できる。
電荷発生層3の形成方法としては、一般に真空蒸着、スパッタリング、CVD等の気相堆積法、塗布法等が挙げられる。この内、塗布法が簡便で、製造コストを抑制できるので好ましい。塗布法は、一般的に、上記電荷発生材料を溶剤に分散させて得られた塗液が使用される。塗液は、電荷発生材料をボールミル、サンドグラインダ、ペイントシェーカー、超音波分散機等によって粉砕し、溶剤に分散し、必要に応じてバインダー樹脂を加えることで得られる。得られた塗液は、導電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、スピンコータ等を用いた塗布法、キャスティング法、導電性支持体1がドラムの場合にはスプレー法、垂直型リング法、浸漬塗工法等によって塗布できる。
上記電荷発生物質を分散しうる適当な溶剤としては、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。上記溶剤の内、特に、環境保護を考えると、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
電荷発生層3上に設けられる電荷輸送層4は、電荷発生材料で発生した電荷を受け入れ、これを輸送する能力を有する電荷輸送材料と、必要に応じてバインダー樹脂とを含む。
電荷輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−g−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、
トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物等の電子供与性材料、あるいはフルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等の電子受容性材料が挙げられる。この中でも下記構造を有するブタジエン系化合物、スチリル系化合物、アミン化合物は材料自体のホール輸送能力が高いため、樹脂比率の高い状態においても、高感度を維持できるため、より好ましい。その一例を以下に示す。
ブタジエン系化合物としては下記一般式(a)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004966885
式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ置換基を有してもよいアリール基を示し、Ar1〜Ar4の少なくとも1つは置換基として置換アミノ基を有するアリール基である。nは0又は1を示す。
一般式(a)の定義中、アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル、ナフチル等が挙げられる。置換基としては、少なくとも1つが置換アミノ基であれば特に限定されない。例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。
置換アミノ基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、アラルキル基(例えばフェニルのような置換基を有する炭素数1〜4の低級アルキル基)、フェニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基(シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)で、1又は2置換されたアミノ基が挙げられる。
一般式(a)の代表的な具体例を以下に示すが、本発明にかかる化合物例はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004966885
Figure 0004966885
Figure 0004966885
スチリル系化合物としては下記一般式(b)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004966885
式中、Ar5は置換基を有してもよいアリール基を表し、Ar6は置換基を有してもよいベンゼン、ナフタレン、ビフェニレン、あるいはアントラセンに由来する2価の基を表す。R11は、水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表す。Xは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Yは置換基を有してもよいアリール基を表す。
一般式(b)の定義中、アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル、ナフチル等が挙げられる。アリール基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数1〜4の低級アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、フェニルビニル基が挙げられる。低級アルキル基及び低級アルコキシ基の低級とは、炭素数1〜4を意味する。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基が挙げられる。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)が挙げられる。
一般式(b)の代表的な具体例を以下に示すが、本発明にかかる化合物例はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004966885
Figure 0004966885
Figure 0004966885
Figure 0004966885
アミン系化合物としては下記一般式(c)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004966885
式中、R12〜R17は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基を表す。p、q、t、uは1〜5の整数、r、sは1〜4の整数を表す。
一般式(c)の定義中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4の低級アルコキシ基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基が挙げられる。
一般式(c)の代表的な具体例を以下に示すが、本発明にかかる化合物例はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004966885
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バインダー樹脂としては、電荷輸送材料と相溶性を有するものを選択することが好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、ポリアリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリルアミド等の熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂や、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。特に、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート及びポリフェニレンオキシド等の樹脂は、体積抵抗値が1013Ω以上であり、皮膜性、電気特性等にも優れている。また、熱硬化性樹脂は、部分的に架橋していてもよい。
上記バインダー樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上ブレンドして使用してもよい。2種以上ブレンドする場合、選択される樹脂は、高分子の構造単位が異なる樹脂同士であってもよいし、高分子の構造単位が同じで粘度平均分子量等が異なる樹脂同士であってもよい。2種以上ブレンドすることにより、機能分離した電荷輸送層の設計が可能となる。具体的には、ブレンドすることで、耐摩耗性、表面性、ガスバリア性、感度等の感光体として有利な特性をいくつか兼ね備えた電荷輸送層を得ることか可能となる。加えて、電荷輸送層形成用の塗液の塗工性の調節も容易になる。
バインダー樹脂には、一般式(1)で表される非対称ジオール構造単位を少なくとも1つを有するポリカーボネート樹脂を含むことが好ましい。ここで非対称ジオールとは、ビスフェノールの主鎖、主鎖の置換基、又は側鎖としての有機の基を有しており、かつビスフェノールの主鎖に対して180°回転したときに同じ形にならないジオールのことである。
Figure 0004966885
式中、R1とR2は、互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の炭素環基、置換もしくは未置換の複素環基であり、炭素環基及び複素環基は、R1とR2が結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R3〜R10は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基又は置換もしくは未置換の炭素環基である。n=10〜1000である。
一般式(1)の定義中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
脂肪族基としては、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低級アルコキシ基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基が挙げられる。
炭素環基としては、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基が挙げられる。
複素環基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含む、5員環基及び6員環基が挙げられる。具体的には、ピロール、イミダゾール、ピラゾリル、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、ピラン、チオフェン、イソチアゾール、イソオキサゾール等が挙げられる。
1〜R10の置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基等が挙げられる。これら置換基の具体例は、上記と同様である。
一般式(1)の代表的な具体例としては、下記化合物(1−1)〜(1−7)に代表される非対称ジオール化合物から合成されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。また、ポリカーボネート樹脂は、以下の非対称ジオール化合物の単独もしくは2種以上の共重合体、非対称ジオール化合物以外の構造を有するジオール化合物との共重合であってもよい。
Figure 0004966885
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また、一般式(1)で表される非対称ジオール構造単位の少なくとも1つを有するポリカーボネートは、ガス透過率が小さい。そのため、オゾンやNOx等電子写真感光体の特性を劣化させるガスの感光層への浸透を防ぐことができる。その結果、より長い繰り返し使用時にも画像劣化を防止できる。特に、化合物1−3から重合される構造単位を有するポリカーボネートは、ガスバリア性に優れている。また、これらの樹脂は電荷輸送材料との相溶性に優れ、耐久性にも優れている。
ポリカーボネート中、上記非対称ジオール構造単位の割合が、全構造単位に対して、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、100%であることが更に好ましい。
ポリカーボネートの粘度平均分子量は、感光体の電気特性、繰り返し安定性、耐刷性の面から20,000〜50,000であることが好ましい。粘度平均分子量が20,000未満の場合、耐刷性が低下することがある。50,000より大きい場合、初期感度の低下及び繰り返し使用時の残留電位の上昇が大きくなることがある。
粘度平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(商品名GPCシステム「プロミエンス」、島津製作所製)を用い、溶離液をTHFとし、流量を1mL/minとする条件により測定した値を意味する。
バインダー樹脂の量は、電荷輸送材料100重量部に対し、50〜300重量部が好ましく、100〜200重量部がより好ましい。50重量部未満では、帯電特性、膜の機械的強度が低下することがある。300重量部より多い場合、感度特性が低下することがある。100〜200重量部では、感度特性、帯電特性、機械的強度を良好にできる。
また、電荷輸送層4の膜厚は、約10〜約50μmが好ましく、約15〜約35μmがより好ましい。
レベリング剤としては、シリコンオイル類や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用できる。レベリング剤は、バインダー樹脂と共に使用され、バインダー樹脂100重量部に対し、0〜1重量部使用できる。
電荷輸送層の膜厚は、10〜50μmが好ましく、15〜30μmがより好ましい。厚くなりすぎると残留電位がアップし、解像度も低下することがあり、薄くなりすぎると寿命が低下することがある。
電荷輸送層4の形成方法は、電荷輸送材料を、必要であればバインダー樹脂と共に、適当な溶剤中に溶解(あるいは分散)させ、電荷発生層3が形成された導電性支持体1に塗布し、乾燥あるいは硬化させることで形成できる。電荷輸送層用の塗布液は、数種又は一種の電荷輸送材料、バインダー樹脂及び添加剤を計量し、所定量の有機溶媒に溶解させて作製する。
得られた塗液は、導電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、バーコータ、スピンコータ等を用いた塗布法、キャスティング法、導電性支持体1がドラムの場合にはスプレー法、垂直型リング法、浸漬塗工法等によって塗布できる。特に生産性やコストという観点から一般的に浸漬塗工法等が好ましい。
次に電荷輸送材料を溶解(又は分散)させる適当な溶剤には、電荷発生材料を分散しうる溶剤と実質的に異ならず、電荷発生材料に関して列挙した溶剤の中から選択できる。特に好ましい溶剤は、テトラヒドロフランである。
感光体の製造方法には、電荷輸送層4の乾燥工程が含まれていてもよい。感光体の乾燥温度としては、約50〜約140℃が適当であり、特に約80〜約130℃の範囲が好ましい。感光体の乾燥温度が約50℃未満では乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が約140℃を越えると、繰返し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる画像も劣化することがある。
上記感光体を使用できる画像形成装置は、特に限定されない。画像形成装置の一例を図2に示す。
図2は、画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
感光体21は、図示しない画像形成装置20本体に回転自在に支持され、図示しない駆動手段によって回転軸線22回りに矢符23方向に回転駆動される。駆動手段は、例えば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を感光体21の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、感光体21を所定の周速度で回転駆動させる。帯電器24、露光手段28、現像器25、転写器26およびクリーナ27は、この順序で、感光体21の外周面に沿って、矢符23で示される感光体21の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器24は、感光体21の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。本実施の形態では、帯電器24は、接触式の帯電ローラ24aと、帯電ローラ24aに電圧を印加するバイアス電源24bとによって実現される。帯電手段としてはチャージャーワイヤも使用できる。
露光手段28は、例えば半導体レーザなどを光源として備え、光源から出力されるレーザビームなどの光28aを、感光体21の帯電器24と現像器25との間に照射することによって、帯電された感光体21の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光28aは、主走査方向である感光体21の回転軸線22の延びる方向に繰返し走査され、これに伴って感光体21の表面に静電潜像が順次形成される。
現像器25は、露光によって感光体21の表面に形成される静電潜像を、現像剤によって現像する現像手段であり、感光体21を臨んで設けられ、感光体21の外周面にトナーを供給する現像ローラ25aと、現像ローラ25aを感光体21の回転軸線22と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持すると共にその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング25bとを備える。
転写器26は、現像によって感光体21の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符29方向から感光体21と転写器26との間に供給される記録媒体である転写紙30上に転写させる転写手段である。転写器26は、例えば、帯電手段を備え、転写紙30にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙30上に転写させる非接触式の転写手段である。
クリーナ27は、転写器26による転写動作後に感光体21の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、感光体21の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード27aと、クリーニングブレード27aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング27bとを備える。また、このクリーナ27は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
また、画像形成装置20には、感光体21と転写器26との間を通過した転写紙30が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器31が設けられる。定着器31は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ31aと、加熱ローラ31aに対向して設けられ、加熱ローラ31aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ31bとを備える。
この画像形成装置20による画像形成動作は、次のようにして行われる。まず、感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、感光体21の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、露光手段28から、感光体21の表面に対して画像情報に応じた光28aが照射される。感光体21は、この露光によって、光28aが照射された部分の表面電荷が除去され、光28aが照射された部分の表面電位と光28aが照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向下流側に設けられる現像器25から、静電潜像の形成された感光体21の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
感光体21に対する露光と同期して、感光体21と転写器26との間に、転写紙30が供給される。転写器26によって、供給された転写紙30にトナーと逆極性の電荷が与えられ、感光体21の表面に形成されたトナー像が、転写紙30上に転写される。
トナー像の転写された転写紙30は、搬送手段によって定着器31に搬送され、定着器31の加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙30に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙30は、搬送手段によって画像形成装置20の外部へ排紙される。
一方、転写器26によるトナー像の転写後も感光体21の表面上に残留するトナーは、クリーナ27によって感光体21の表面から剥離されて回収される。このようにしてトナーが除去された感光体21の表面の電荷は、除電ランプからの光によって除去され、感光体21の表面上の静電潜像が消失する。その後、感光体21はさらに回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰返されて連続的に画像が形成される。
以下に実施例及び比較例を用いて、本発明の実施の形態を更に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。すべての部は特に示す以外、重量基準である。
(実施例1)
導電性支持体1として、φ30mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒管を用いた。
これに、酸化チタン粒子(商品名:タイベークTTO55A、石原産業社製)4部、バインダー樹脂として共重合ナイロン樹脂(東レ社製:CM8000)6部を、メチルアルコール35部と1,3−ジオキソラン65部の混合溶媒に加えた。得られた混合物をペイントシェーカーにて8時間分散して下引き層用塗布液を得た。得られた下引き層用塗布液をタンクに満たし、タンクに上記アルミ製円筒状支持体を浸漬、引き上げることで、塗膜を得た。乾燥することで、塗膜から溶媒を除去して、1.0μmの下引き層を円筒管上に形成した。なお、下引き層中の酸化チタン粒子の含有量は40重量%,バインダー樹脂の含有量は60重量%となる。
次いで、電荷発生材料は、下記方法によって製造した。
o−フタロジニトリル40g、四塩化チタン18g、α−クロロナフタレン500mlを、窒素雰囲気下、200〜250℃で、3時間加熱撹拌して反応させた。次いで、100〜130℃まで放冷後、熱時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン200mlで洗浄してジクロロチタニウムフタロシアニン粗生成物を得た。
この粗生成物を、室温にてα−クロロナフタレン200ml、次いでメタノール200mlで洗浄後、更にメタノール500ml中で1時間熱懸洗を行った。濾過後、得られた粗生成物を、水500ml中で、pHが6〜7になるまで、熱懸洗を繰り返した。その後、乾燥してオキソチタニルフタロシアニン中間結晶を得た。更に、中間結晶を、メチルエチルケトンに混合し、ペイントコンディショナー装置(レッドレベル社製)により直径2mmのガラスビーズと共にミリング処理し、メタノールで洗浄した後、乾燥してチタニルフタロシアニン結晶を得た。得られた結晶のCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)を図3に示す。図3からわかるようにCuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)が9.4゜に最大回折ピークを示し、かつ少なくとも、7.4゜、9.7゜、27.3゜に明確なピークを有する上記チタニルフタロシアニン顔料2部とポリビニルブチラール樹脂(エスレックBMS:積水化学社製)1部とテトラヒドロフラン97部とをボールミル分散機で12時間分散して、分散液を調製した。分散液をタンクに満たし、前述の下引き層を設けたアルミドラムを浸漬、引き上げることで塗布し、乾燥し、厚さ約0.2μmの電荷発生層3を下引き層2上に形成した。
更に、テトラヒドロフラン1200部に、電荷輸送材料として化合物(a−2)に示されるブタジエン化合物100部と、バインダー樹脂としてビスフェノールAポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:商品名C−1400、粘度平均分子量25000〜30000)180部と、酸化防止剤として白金ナノコロイド(日本板硝子社製、白金ナノコロイド粒子を0.2重量%含む、コロイド粒子の平均径が3nm)5部(白金ナノコロイド粒子を0.01部)と、シリコーン系レベリング剤(KF−96:信越化学工業)0.036部とを混合することで電荷輸送層塗工用塗布液を調製した。前述の電荷発生層を設けたアルミドラムを浸漬、引き上げることで塗布し、130℃で1時間乾燥を行い、厚さ約25μmの電荷輸送層を形成した。この結果、図2に示すような積層機能分離型感光体が得られた。
(実施例2)
電荷輸送材料を化合物(b−8)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(実施例3)
電荷輸送材料を化合物(c−1)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(比較例1)
白金ナノコロイド粒子を使用しないこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(比較例2)
白金ナノコロイド粒子を使用しないこと以外は、実施例2と同様に感光体を形成した。
(比較例3)
白金ナノコロイド粒子を使用しないこと以外は、実施例3と同様に感光体を形成した。
(実施例4)
白金ナノコロイドを1部(白金ナノコロイド粒子を0.002部)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(実施例5)
白金ナノコロイドを15部(白金ナノコロイド粒子を0.03部)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(実施例6)
白金ナノコロイドを0.3部(白金ナノコロイド粒子を0.0006部)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(実施例7)
白金ナノコロイドを25部(白金ナノコロイド粒子を0.05部)としたこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
(実施例8)
ビスフェノールAポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:商品名C−1400、粘度平均分子量25000〜30000)を、以下の構造式で表されるポリカーボネート樹脂(帝人化成社製:TS−2020、粘度平均分子量35000〜40000)に変更したこと以外は、実施例1と同様に感光体を形成した。
Figure 0004966885
次に、上記のようにして作製した各感光体について、市販のデジタル複写機(AR−451:シャープ社製、感光体表面を負に帯電して電子写真プロセスを行なう負帯電型の画像形成装置)を表面電位が測定できるように改造した実験機に搭載した。次いで、初期及び20万枚の耐刷試験後に現像部での感光体表面電位、具体的には帯電電位を見るために、露光プロセスを除いた暗中での感光体表面電位(帯電電位)V0、感度VL、除電後の感光体表面電位(残留電位)Vrを測定した。なお表面電位計には、CATE751(商品名、ジェンテック社製)を用いた。
また、各感光体の初期及び20万枚複写後における画像を目視で観察した。画像に全く問題が無い場合は優とし、HT白すじ、HT黒すじ、カブリ等の欠陥が発生した場合はその現象を記載し、その他は良とした。
Figure 0004966885
表1から以下のことが明らかである。
・実施例1〜8、比較例1〜3より、電荷輸送層が白金ナノコロイド粒子を含有することで、耐チャージ生成物(オゾン、NOx)による、帯電特性の低下、残留電位の上昇、及び画質の劣化を防ぐことができた。
・実施例4及び実施例6より、白金ナノコロイド粒子の含有率が電荷輸送材料に対し0.001重量部未満であると、耐チャージ生成物能が低下する(画像のルーペによる詳細観察で白点が発見された)ものの実用レベルでは問題なかった。
・実施例5及び実施例7より、白金コロイドが0.04重量部より多く含有されると、初期感度の低下が若干見られたものの20万枚複写後においても初期の感度がそのままのレベルで維持され、また、高い抗酸化性を示した。
・実施例6より、ガスバリア性の高い非対称ポリカーボネート樹脂を含有することで、より高い耐チャージ生成物性を示した。
積層機能分離型感光体の模式的断面図である。 画像形成装置の概略側面図である。 実施例1に使用したチタニルフタロシアニン顔料のX線回折図である。
符号の説明
1 導電性支持体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 感光層
12、14、16、18 感光体
20 画像形成装置
22 回転軸線
23、29 矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写器
27 クリーナ
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 光
30 転写紙
31 定着器
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも、電荷を発生する電荷発生物質を有する電荷発生層と、電荷発生層より発生した電荷を受け入れて輸送する電荷輸送材料を有する電荷輸送層とを備え、前記電荷輸送層が、白金ナノコロイド粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記白金ナノコロイド粒子が、前記電荷輸送材料100重量部に対して、0.001〜0.04重量部含有される請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記白金ナノコロイド粒子が、1〜5nmのコロイド粒子を含む請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送層がバインダー樹脂を含み、前記バインダー樹脂が、下記一般式(1)
    Figure 0004966885
    (式中、R1とR2は、互いに異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、置換もしくは未置換の炭素環基、置換もしくは未置換の複素環基であり、炭素環基及び複素環基は、R1とR2が結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、R3〜R10は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基又は置換もしくは未置換の炭素環基であり、n=10〜1000である。)で表される非対称ジオールの構造単位の少なくとも1つを有するポリカーボネート樹脂を少なくとも含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記バインダー樹脂が、電荷輸送材料100重量部に対し、100〜200重量部配合されている請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ポリカーボネート樹脂が、20000〜50000の範囲の粘度平均分子量を有する請求項4又は5に記載の電子写真感光体。
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