JP2004239940A - 像担持体およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

像担持体およびこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面が削れていっても、潜像のリークを可及的により確実に抑制するとともに潜像の形成を確実に行うことのできる像担持体を提供する。
【解決手段】像担持体2は、基材2aの表面に電荷注入層2bが塗布されて形成されている。電荷注入層2bは、誘電性樹脂2cに多数の導電性微粒子2dが独立分散されて構成されている。導電性微粒子2dは、樹脂微粒子2d1に金属2d2をコーティングされて形成されている。これにより、誘電性樹脂2cの比重と導電性微粒子2dの比重との差が小さくなり、膜厚方向の導電性微粒子2dの濃度むらが抑制される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書込装置の書込電極により静電潜像が形成される像担持体およびこれを用いた画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、一般的に帯電装置により感光体の表面を一様帯電し、この一様帯電された感光体の表面にレーザ光あるいはLEDランプ光等の露光装置の光を露光することにより、感光体の表面に静電潜像を書き込むようになっている。そして、感光体の表面の静電潜像を現像装置で現像して感光体の表面に現像剤像を形成し、この現像剤像を転写装置によって紙等の転写材に転写して、画像を形成している。
このような従来の一般的な画像形成装置では、静電潜像の書込装置である露光装置がレーザ光発生装置あるいはLEDランプ光発生装置等によって構成されているため、画像形成装置が大型でかつ複雑な構成となっている。
【0003】
そこで、静電潜像の書込装置として、電極により像担持体の表面に静電潜像を書き込むことで、レーザ光やLEDランプ光を用いずに装置をより小型にしかつより簡単な構成にした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この特許文献1に開示されている画像形成装置は、複数の書込電極を可撓性の基材にドラム状の像担持体の回転軸方向に並べて配置した状態で支持し、これらの書込電極を基材の弾性力で像担持体の電荷注入層の表面に軽い押圧力で当接させている。そして、画像情報の入力信号により対応する書込電極に所定の電圧を供給して像担持体の電荷注入層の表面に帯電することで、像担持体に静電潜像を形成するようにしている。その場合、基材の弾性力で書込電極が像担持体に軽い押圧力で当接することで、像担持体に対する書込電極の当接を安定させて、書込電極による像担持体への潜像の書込を安定して確実に行うようにしている。
【0004】
ところで、特許文献1に開示の画像形成装置では、書込電極によって静電潜像が書き込まれる像担持体は、樹脂に多数の導電性微粒子を独立分散させて混合してなる表層部を有している。これらの導電性微粒子に書込電極から電荷が注入されることで、静電潜像が像担持体に形成される。
【特許文献1】
特開2002−225332号公報(段落番号[0020]、[0022]、[0027]、[0035]、[図1]〜[図4])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の特許文献1に開示の像担持体の表層部における多数の導電性微粒子として金属微粒子を用いると、この金属微粒子の比重と誘電層を構成する誘電性樹脂の比重との差が大きくなる。したがって、図7に示すように、導電性微粒子が像担持体の表面側では少なく、像担持体の中心に近い側では多くなり、像担持体の膜厚方向に、導電性微粒子の濃度むらが生じてしまう。このように導電性微粒子の濃度むらが生じている像担持体を用いて画像形成を行うと、像担持体の表面が削れるにつれて、次のような問題が生じる。すなわち、
(1) 像担持体の表面が削れていくことで、導電性微粒子の濃度が大きくなるので、静電潜像のリークが起こりやすくなる。
(2) 同様の理由で、画像濃度が変わりやすくなる。
【0006】
また、金属微粒子と樹脂と溶剤を混合させた塗液を基材の上に塗布して製造される像担持体では、金属微粒子の比重と樹脂の比重とが違いすぎるため、次のような問題が生じる。すなわち、
(3) 塗液内の金属微粒子の分散状態を一定の状態(つまり、塗液内の金属微粒子の分散が保持された状態)にすることが非常に難しい。
(4) (3)により、像担持体の製造上の問題が生じて、像担持体を製造する際の歩留まりが良好でない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、表面が削れていっても、潜像のリークを可及的により確実に抑制するとともに潜像の形成を確実に行うことのできる像担持体を提供することである。
本発明の目的は、製造を容易にして歩留まりを向上させることのできる像担持体を提供することである。
更に、本発明の更に他の目的は、電荷注入による像の書込において、高品質の画像を得ることのできる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1の発明の像担持体は、誘電性樹脂に導電性微粒子が独立分散されて形成され、電荷注入により静電潜像が形成される誘電層を有する像担持体において、前記導電性微粒子が樹脂の微粒子の表面に金属層がコーティングされた微粒子であることを特徴としている。
更に、請求項2の発明の画像形成装置は、請求項1記載の像担持体と、書込電圧が印加されて前記像担持体に前記静電潜像を書き込む書込電極を有する書込装置と、前記像担持体の前記静電潜像を現像剤で現像する現像装置とを少なくとも備えていることを特徴としている。
【0009】
【発明の作用および効果】
このように構成された請求項1の発明の像担持体によれば、前記静電潜像が形成される誘電層の誘電性樹脂内に独立分散された導電性微粒子を、樹脂の微粒子の表面に金属層をコーティングした微粒子で構成しているので、導電性微粒子の比重と誘電層の誘電性樹脂の比重との差が小さくなる。したがって、像担持体の誘電層の膜厚方向において導電性微粒子の濃度むらが抑制され、導電性微粒子は誘電層の膜厚方向に比較的均一に分散されるようになる。このように、膜厚方向における導電性微粒子の濃度むらが抑制されることにより、像担持体に良好な静電潜像を形成することが可能となる。
【0010】
特に、像担持体の使用により、像担持体の表面が削れていっても、導電性微粒子の分散が大きく変化することはなく、均一に維持されるようになる。したがって、像担持体の表面が削れても、静電潜像のリークが抑制され、画像濃度がほとんど変化しなくなる。これにより、長期にわたって最適な画像形成を行うことができるようになる。
また、像担持体の表面が削れても、導電性微粒子の分散がほぼ均一に維持されることから、像担持体の製造が容易になるとともに、像担持体を製造する際の歩留まりを向上することができる。
【0011】
更に、請求項2の発明の画像形成装置によれば、請求項1の発明の像担持体を用いることで良好な静電潜像を形成することができることから、良好な現像剤像形成を行うことができる。これにより、高品質の画像を長期にわたって得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の実施の形態の一例の基本構成を模式的に示す図、図2は図1に示す画像形成装置の部分斜視図、図3は、書込電極と像担持体との当接部を示す部分断面図、図4は図1における矢印IV方向からみた像担持体の部分拡大図、図5はこの例の一部を模式的に示す部分図である。
【0013】
図1および図2に示すように、この例の本発明に係る画像形成装置1は、進行(回動)可能に設けられ静電潜像および現像剤像が形成される像担持体2と、像担持体2に接触してこの像担持体2に静電潜像を書き込む書込装置3と、像担持体2上の静電潜像を現像剤担持体である現像ローラ4aに担持・搬送された現像剤(不図示)で現像する現像装置4と、この現像装置4で現像された像担持体2上の現像剤像を紙等の転写材5に転写ローラ6aで転写する転写装置6と、像担持体2上の転写残りトナーを除去して像担持体2上をクリーニングするクリーニングブレード7aを有するクリーナ7とを少なくとも備えている。
以下の説明においては、像担持体2は接地されているものとして説明するが、これは説明の便宜上であって、本発明は像担持体2が接地されることに限定されるものではない。
【0014】
像担持体2は図示しないモータによって駆動されることで、図1に矢印で示すように時計方向に回転するようになっている。
この像担持体2は、中心部近くに位置し、接地されているアルミニウム等の導電性材料からなる基材2aと、この基材2aの外周に形成された電荷注入層2bとからドラム状に形成されている。なお、像担持体2はベルト状に形成することもできる。
【0015】
図4および図5(a)に示すように、電荷注入層2bは、誘電性樹脂2c全体内に多数の導電性微粒子2dが相互に電気的に独立分散されて構成されている。したがって、図5(a)に示す像担持体2は、基材2aの外周面に、導電性微粒子2eの層からなる単層型の像担持体2である。
誘電性樹脂2cはコンデンサー内部の役目を果たし、電荷をスポットに導電性微粒子2dに載せる機能を有する必要があるので、所定の電気抵抗(例えば、1015Ω以下等)に設定されることが好ましい。この電荷注入層2bに用いられる誘電性樹脂2cとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン)等の誘電性樹脂が用いられている。
【0016】
多数の導電性微粒子2dは電荷注入層2bの表層部では、例えば、電気的に独立分散して配置された局所的導電性部分からなる、海に浮かんだ島のような導電性の海島構造を構成している。各導電性微粒子2dの表面はこの導電性微粒子2d以外の他の部分、すなわち誘電性樹脂2cの表面と面一またはほぼ面一にされている。
その場合、像担持体2の表面を研磨することで導電性微粒子2dが剥き出しになり、後述する書込電極3b(書込ヘッド3d)がこれらの導電性微粒子2dに接触して静電潜像を書き込む際の接触抵抗が小さくなり、良好な静電潜像を形成することができる。
【0017】
一方、導電性微粒子2dの材質は、電気抵抗が電荷注入層2bより小さい抵抗領域(例えば、最大1010Ω程度以下等)の材料が用いられる。その場合、導電性微粒子2dの電気抵抗が大き過ぎると、書込に時定数遅れの影響が出て潜像書込不良が起こるので、導電性微粒子2dの電気抵抗は、プロセススピードが速いほど小さい方が好ましい。
【0018】
図5(b)に示すように、導電性微粒子2dは、樹脂微粒子2dの表面に金属2dをコーティングして形成されている。樹脂微粒子2dとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン)等の樹脂微粒子を用いることができる。その場合、樹脂微粒子2dの樹脂は、電荷注入層2bの誘電性樹脂2cと同じものを用いることが、誘電性樹脂2cと導電微粒子2dとの比重の差を簡単にかつ効率よく小さくすることができるので好ましい。
【0019】
また、樹脂微粒子2dの表面にコーティングする金属2dとしては、Au、Pt、W、Ta、Cu、Ni、Mo、Ag、Ti、Al等の金属を用いることができる。
樹脂微粒子2dの表面に金属2dをコーティングする方法としては、例えば蒸着、めっき、スプレーコート等の、樹脂微粒子2dの表面に金属2dをコーティングすることが可能な方法であれば、どのようなコーティング方法も採用することができる。
【0020】
このように樹脂微粒子2dの表面に金属2dをコーティングして形成され導電性微粒子2dの平均粒径は、0.5μm〜10μmに設定されている。この平均粒径は、コールターカウンターTA−II 型(コールター社製)を用い、100μmのアパチャーチューブで粒径別相対重量分布を測定することにより求められる。
このように樹脂微粒子2dの表面に金属2dがコーティングされた導電性微粒子2dとして、市販のミクロパールAU{積水化学工業(株)製}を用いることもできる。
【0021】
図1および図2に示すように、書込装置3は、FPC(Flexible Print Circuitの略、以下FPCと称す)あるいはPET(ポリエチレンテレフタレートの略、以下PETと称す)等の絶縁性が高くかつ比較的柔らかく弾性のある可撓性の基材3aと、基材3aに支持されかつこの基材3aの撓みによる弱い弾性復元力で像担持体2上に軽く押圧されて当接し、静電潜像を書き込む複数の書込電極3bと、基材3aの書込電極3bと反対側の端部側を画像形成装置本体(不図示)に固定支持している固定支持部3cと、基材3aに支持された書込電極3bを作動制御するドライバIC(以下、単にドライバともいう)8とからなっている。
【0022】
基材3aは像担持体2の軸方向(幅方向)に像担持体2の電荷注入層2bの軸方向長さとほぼ同じ長さの矩形の板状に形成されている。この基材3aは、図1において左方から像担持体2の進行方向(回転方向;図1に矢印で示す時計方向)と同方向に延びるようにして設けられている。なお、基材3aは、逆に図1において右方から像担持体2の進行方向と対向して延びるようにして設けることもできる。
【0023】
図2に示すように、書込電極3bは2列に配置されているとともに、各列毎に複数の書込電極3bを像担持体2の軸方向(幅方向)に配列した場合の配列パターンを有している。この配列パターンでは、複数の書込電極3bが像担持体2の軸方向(像担持体2と直交する方向)に整列して配置した列が像担持体2の進行方向に2列に設定されているとともに、各列の書込電極3bが互いに千鳥状に配置されている。そして、図3に示すように基材3aの固定支持側と反対の自由端側(像担持体2の進行方向下流側)の1列目の複数の書込電極3bにより1列目の書込ヘッド3dが構成されるとともに、基材3aの固定支持側(像担持体2の進行方向上流側)の2列目の複数の書込電極3bにより2列目の書込ヘッド3dが構成されている。また、これらの2列の書込ヘッド3d,3dにより、書込ヘッド部3dが構成されている。
そして、各書込電極3b,3bは基材3aから像担持体2の方へ突出する凸部に形成されており、この凸部の先端は可撓性の基材3aの弾性により小さい押圧力で像担持体2に当接している。
【0024】
図4に二点鎖線で示すように、基材3aの自由端側の1列目の書込電極3bおよび基材3aの固定支持側の2列目の書込電極3bにおいて、互いに隣接する各書込電極3b,3bどうしが像担持体2の軸方向と直交する方向(つまり、像担持体2の移動方向)にオーバーラップするように配列されている。このような書込電極3bの配列パターンでは、像担持体2の導電性微粒子2dの表面に、書込電極3bからの電荷注入で書き込まれない非帯電部は形成されなく、像担持体2の導電性微粒子2dの表面の全面が帯電または除電可能となっている。
【0025】
更に、所定数のドライバ8が基材3aの上面に像担持体2の軸方向(基材3aの幅方向;像担持体2の進行方向と直交方向)に整列されて設けられている(図2に、基材3aの上面に設けられた1個のドライバ8のみが図示されている)。そして、図2に示すように隣接する所定数の書込電極3b,3bを1つのドライバ8に接続した組が複数組、像担持体2の軸方向に配列されている。その場合、各ドライバ8と対応する各書込電極3bとが基材3a上に形成された断面矩形状の薄い平板状の例えば銅(Cu)箔等からなる導電パターン9により各書込電極3b毎独立して電気的に接続されているとともに、図示しないが、同様に各ドライバ8が基材3a上に形成された、導電パターン9と同様の導電パターンにより電気的に接続されている。これらの導電パターン9は例えばエッチング等の従来の薄膜パターン形成方法で形成することができる。
【0026】
そして、潜像書込時に、ラインデータ、書込タイミング信号および高圧電力が導電パターンを介して各ドライバ8に供給されるようになっており、更に、各ドライバ8から対応する各列の書込ヘッド3d,3dの各書込電極3b,3bにそれぞれ所定の電圧V,Vが導電パターン9を介して選択的に供給されるようになっている。
各書込電極3bへのこれらの所定電圧の選択的供給については、前述の特許文献1に開示されている選択的供給と同じであるとともに、本発明に直接関係しないので、ここではその説明は省略する。
なお、ドライバ8は基材3aの下面あるいは基材3aの上下両面に設けることもできる。
【0027】
書込装置3による像担持体2への潜像書込は、導電性微粒子2dと書込電極3bとの間での電荷の注入により行われるとともに、この電荷の注入は、多数の導電性微粒子2dに書込電極3bが接触することにより行われるようになっている。その場合、電荷の注入は、電荷が書込電極3bから導電性微粒子2dに注入される場合と電荷が導電性微粒子2dから書込電極3bに注入される場合とがあり、前者の場合には像担持体2が帯電され、また後者の場合には像担持体2が除電されることは言うまでもない。
【0028】
導電性微粒子2dに用いられる導電性微粒子の大きさと書込電極3bの大きさとは潜像形成に大いに関係している。すなわち、書込電極3bの電荷注入層2bへの接触面積が導電性微粒子の断面積より大きいと、電荷が注入される電荷注入層2bの部分が導電性微粒子であることから、書込電極3bの接触部分の導電性微粒子は確実に電荷注入されるので、像担持体2に書き込まれる静電潜像は確実に再現することができ、潜像書込の精度が向上する。
そして、書込装置3の各書込電極3bが導電性微粒子2dに接触して、これらの書込電極3bと導電性微粒子2dとの間で電荷注入が支配的に行われるようになっている。
【0029】
なお、書込電極3bの凸部の形状は円柱形状に限定されることなく、球の一部、円錐、截頭円錐台、楕円柱(横断面が楕円の柱体)、楕円錐(横断面が楕円の錐体)、截頭楕円錐台(横断面が楕円の截頭錐体)、長円柱(横断面が長円の柱体)、長円錐(横断面が長円の錐体)、截頭長円錐台(横断面が長円の截頭錐体)、三角柱、三角錐、截頭三角錐台、四角柱、四角錐、截頭四角錐台、5角以上の多角柱、5角以上の多角錐、および5角以上の截頭多角錐台等の形状に形成することもできる。
【0030】
また、書込電極3bの材質は導電性であることが条件であり、その場合、電気抵抗が所定の抵抗領域(例えば、1010Ω以下等)に設定される。電気抵抗が大き過ぎると、前述の導電性微粒子2dの場合と同様に、書込電極3bでの時定数遅れの影響による潜像書込不良が起こるので、電気抵抗は、プロセススピードが速いほど小さい方が好ましい。
【0031】
このように構成された像担持体2によれば、静電潜像が形成される電荷注入層2bの誘電性樹脂2c内に独立分散された導電性微粒子2dを、樹脂微粒子2dの表面に金属2dをコーティングした微粒子で構成しているので、導電性微粒子2dの比重と電荷注入層2bの誘電性樹脂2cの比重との差が小さくなる。したがって、像担持体2の電荷注入層2bの膜厚方向において導電性微粒子2dの濃度むらが抑制され、図5に示すように導電性微粒子2dは電荷注入層2bの膜厚方向に比較的均一に分散されるようになる。このように、膜厚方向における導電性微粒子2dの濃度むらが抑制されることにより、像担持体2に良好な静電潜像を形成することが可能となる。
【0032】
また、像担持体2の使用により、像担持体2の表面が削れていっても、導電性微粒子2dの分散が大きく変化することはなく、均一に維持されるようになる。したがって、像担持体2の表面が削れても、静電潜像のリークが抑制され、画像濃度がほとんど変化しなくなる。これにより、長期にわたって最適な画像形成を行うことができるようになる。
また、像担持体2の表面が削れても、導電性微粒子2dの分散がほぼ均一に維持されることから、像担持体2の製造が容易になるとともに、像担持体2を製造する際の歩留まりを向上することができる。
【0033】
次に、本発明に属する実施例の像担持体2および本発明に属さない比較例の像担持体2を作成し、これらの実施例および比較例を用いて行った画像形成の実験について説明する。
作成した像担持体2は、実施例が10個であり、また比較例が10個である。各実施例および各比較例の各電荷注入層2bを構成する誘電性樹脂2cとして、各実施例および各比較例ともポリカーボネート樹脂(以下、単にPCともいう)を用い、このPCの直径φ30mmのドラム外周面に、各実施例ではPCに表1に示す導電性微粒子2dを混合して独立分散させたもの、また、各比較例ではPCに表2に示す導電性微粒子2dを混合して独立分散させたものを、それぞれディップ法により塗布して像担持体2の基材2aの表面に電荷注入層2bを形成することで、各実施例および各比較例とも単層型のドラムからなる像担持体2を作成した。その場合、導電性微粒子2dに用いられる樹脂微粒子2dは、各実施例および各比較例とも共通で、ポリエステル樹脂にPtがメッキされている平均粒径3μmの樹脂微粒子を用いた。また、樹脂微粒子2dの表面にコーティングされて導電性微粒子2dの表層を構成する金属2dは、各実施例については表1に示す金属を、また、各比較例については表2に示す金属を用いた。更に、ドラム幅(像担持体2の進行方向と直交する方向の長さ)はいずれもA4相当とした。
【0034】
なお、表1および表2において混合比は、誘電性樹脂2cの質量を1とした場合の導電性微粒子2dの質量の比であり、各実施例および各比較例とも共通で、0.30に設定した。また、誘電性樹脂2cと導電性微粒子2dとが独立分散された塗布膜の膜厚の測定は、ダイヤルゲージにより接触方式測定方法により測定した。すなわち、ダイヤルゲージで塗布膜形成前の像担持体2の基材の外径および塗布膜形成後の像担持体2の外径をそれぞれ測定し、測定した塗布膜形成後の像担持体2の外径から塗布膜形成前の像担持体2の基材の外径を差し引いた値の2分の1の値を膜厚とした。
【0035】
【表1】
Figure 2004239940
【0036】
【表2】
Figure 2004239940
【0037】
表1に示すように、実施例1ないし5の像担持体2には、それぞれ導電性微粒子2dとして、樹脂微粒子2dの表面にNiの金属2dをコーティングした微粒子を用いた。実施例1の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は0.7μm、塗布膜厚は20μmである。また、実施例2の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は19μmである。更に、実施例3の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は15μmである。更に、実施例4の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。更に、実施例5の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。
【0038】
実施例6ないし10の像担持体2には、それぞれ導電性微粒子2dとして、樹脂微粒子2dの表面にPtの金属2dをコーティングした微粒子を用いた。実施例6の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は0.7μm、塗布膜厚は20μmである。また、実施例7の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は19μmである。更に、実施例8の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は15μmである。更に、実施例9の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。更に、実施例10の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。
【0039】
表2に示すように、比較例1ないし5の像担持体2には、それぞれ導電性微粒子2dとしてNiのみの微粒子を用いた。比較例1の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は0.7μm、塗布膜厚は20μmである。また、比較例2の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は20μmである。更に、比較例3の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は23μmである。更に、比較例4の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は16μmである。更に、比較例5の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。
【0040】
比較例6ないし10の像担持体2には、それぞれ導電性微粒子2dとしてPtのみの微粒子を用いた。比較例6の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は0.7μm、塗布膜厚は20μmである。また、比較例7の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は20μmである。更に、比較例8の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は1.5μm、塗布膜厚は23μmである。更に、比較例9の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は16μmである。更に、比較例10の像担持体2では、導電性微粒子2dの平均径は3.0μm、塗布膜厚は20μmである。
【0041】
画像形成の実験に用いた書込装置3は、書込ヘッド3dが像担持体2の進行方向にヘッド間距離42μmを置いて2列配置され、かつこれらの書込ヘッド3dの印字幅(像担持体2の進行方向と直交する方向の印字領域の長さ)が180mmに設定したものである。2列の書込ヘッド3d,3dにおける各書込電極3b,3bの個々の書込部幅は42μmである。
【0042】
そして、画像形成の実験は、各書込ヘッド3d,3dを像担持体に当接させ、かつこの像担持体を周速100mm/secで等速で回転させた状態で、各書込ヘッド3d,3dの各書込電極3b,3bに高圧パルスの書込電圧を書込像に対応して選択的に印加することで、像担持体2に静電潜像を形成する。書込像として、縦万線画像パターンおよび横万線画像パターンを採用した。この静電潜像を、現像装置4により非磁性一成分トナーを用いて現像し、像担持体2にトナー像を形成し、このトナー像を転写装置6の転写ローラ6a上に搬送される転写材5としてのA4普通紙に転写させて画像を形成した。また、印字枚数10000枚の簡易耐久試験を行った。
【0043】
そして、10000枚を印字した際のA4紙上に形成された画像のトナー像の画像データについて、目視により画像欠陥を観察しかつ検討することで、画像欠陥による画像の良否を判断した。具体的には、10000枚の印字後は、像担持体2の膜厚が減少するにつれて静電潜像のリークが起こりやすくなるが、リークが起こると、印字画像上に火花放電による画像欠陥が生じるため、この画像欠陥を目視で観察した。目視の観察により、画像欠陥が観察されない場合には良であると判断し、1カ所でも画像欠陥が観察された場合には不良であると判断した。判断結果を表1および表2に示す。
【0044】
表1および表2に示すように、実施例1ないし10の像担持体2では、いずれも画像欠陥のない良好な画像が得られた。また、比較例1ないし10の像担持体2では、画像欠陥が生じて本試験の判断基準では好ましくない画像が得られることが確認された。
【0045】
なお、前述の例では、導電性微粒子2dが像担持体2の誘電樹脂2cの層全体に独立分散されて、像担持体2が基材2aの外周面に導電性微粒子2dの層からなる単層型の像担持体として構成されるものとしているが、本発明は、これに限定されるものではなく、導電性微粒子2dは、例えば図6に示すように像担持体2の誘電樹脂2cそ層の表層部の誘電性樹脂2cに独立分散されるようにすることもできる。これにより、誘電性樹脂2cに多数の導電性微粒子2dが独立分散された電荷注入層とされた表層部を有する像担持体2が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の実施の形態の一例の基本構成を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の部分斜視図である。
【図3】書込電極と像担持体との当接部を示す部分断面図である。
【図4】図1における矢印IV方向からみた像担持体の部分拡大図である。
【図5】(a)はこの例の一部を模式的に示す部分断面図、(b)は導電性微粒子を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の例の一部を模式的に示す、図5(a)と同様の部分断面図である。
【図7】従来の帯電書込における像担持体の問題点を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…像担持体、2a…基材、2b…電荷注入層、2c,2c…誘電性樹脂、2d…導電性微粒子、2d…樹脂微粒子、2d…金属、3…書込装置、3a…基材、3b,3b,3b…書込電極、3d…書込ヘッド部、3d,3d…書込ヘッド、4…現像装置、5…転写材、6…転写装置、7…クリーナ、8…ドライバIC、9…導電パターン

Claims (2)

  1. 誘電性樹脂に導電性微粒子が独立分散されて形成され、電荷注入により静電潜像が形成される誘電層を有する像担持体において、
    前記導電性微粒子は樹脂の微粒子の表面に金属層がコーティングされた微粒子であることを特徴とする像担持体。
  2. 請求項1記載の像担持体と、書込電圧が印加されて前記像担持体に前記静電潜像を書き込む書込電極を有する書込装置と、前記像担持体の前記静電潜像を現像剤で現像する現像装置とを少なくとも備えていることを特徴とする画像形成装置。
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JP2009186917A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Sharp Corp 電子写真感光体

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