JP2002244318A - 電子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法及びこの分散液を用いた電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法及びこの分散液を用いた電子写真感光体

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JP2002244318A
JP2002244318A JP2001043886A JP2001043886A JP2002244318A JP 2002244318 A JP2002244318 A JP 2002244318A JP 2001043886 A JP2001043886 A JP 2001043886A JP 2001043886 A JP2001043886 A JP 2001043886A JP 2002244318 A JP2002244318 A JP 2002244318A
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Kazuyuki Suruga
和行 駿河
Makoto Okaji
誠 岡地
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分散性や経時安定性が良好で、塗工性に優れた
電子写真感光体製造用顔料分散液を製造し、この分散液
を用いて高感度で繰り返し特性の優れた電子写真感光体
を提供すること。 【解決手段】少なくとも1種類以上のバインダーを溶解
した有機溶媒中に電荷発生物質用顔料を分散してなる電
子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法において、該
顔料分散液が最終濃度よりも高い固形分濃度で、かつ分
散すべき電荷発生物質用顔料全量を全バインダー量の1
〜40重量%のバインダーを溶解した有機溶媒中に分散
する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた一次分
散液に残りのバインダーを溶解した有機溶媒を加えて分
散する二次分散工程を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
するものであり、詳しくは電子写真感光体製造用顔料分
散液の製造方法とそれを用いた高感度で繰り返し特性の
優れた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の利用は複写機の分
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真
感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。さらに、
セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術において使用され
る感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事
が要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対
して帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所で
の漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって
帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4)光
照射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】このような点を改良するために電荷発生機
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
【0008】このうち、電荷発生機能を担当する物質と
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもフタロシアニン顔料は近赤外光に対して高感度な
特性が期待できることからレーザープリンター用感光体
材料としての実用化も進んでいる。フタロシアニン顔料
は、中心金属の種類により吸収スペクトルや光導電性が
異なるだけでなく、同じ中心金属を有するフタロシアニ
ンでも、結晶形によってこれらの諸特性に差が生じ、特
定の結晶形が電子写真感光体に選択されていることが報
告されている。
【0009】ところで、導電性支持体上に有機系の素材
を塗工する際、樹脂など溶媒に可溶な構成物質は、溶媒
に溶解させて塗布することができるが、顔料など一般に
溶媒に不溶な構成物質についてはこのままでは塗布でき
ないため、分散という手法が必要である。ここで述べる
分散とは、顔料などを溶媒中で微粒子化して沈降物がな
く懸濁状態にすることであり、また分散の安定性とは微
粒子径が均一でかつ溶媒中で長時間にわたり安定に保存
されていることを意味する。
【0010】顔料などの分散性が悪化すると、塗工面が
荒れ、電子写真感光体としてはピンホールや濃度ムラな
どの画像故障の原因となる。また、分散粒子が経時によ
って沈降して分散液の濃度が均一でなくなることによ
り、同一塗液を塗布しても得られた感光体間や同一感光
体の部位によって画像濃度にムラが生じたり、分散液が
増粘して塗布量の変動を引き起こすなど、生産性の低下
にもつながる。
【0011】良好な顔料分散液を得るには、顔料の分子
構造の一部を変えたり、異種の構造を持つ顔料を混合し
たりして凝集状態をコントロールする方法や、顔料の表
面に溶媒に可溶な樹脂を吸着させる方法などがある。し
かしこれらの手法では、元の顔料の電子写真的な性質、
つまり感度や繰り返し特性などが変化してしまい、感光
体として要求される基本的な性質や高い耐久性等を十分
に満足するものは得られない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
性や経時安定性が良好で、塗工性に優れた電子写真感光
体製造用顔料分散液を製造し、この分散液を用いて高感
度で繰り返し特性の優れた電子写真感光体を提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討をした結果、少なくとも1
種類以上のバインダーを溶解した有機溶媒中に電荷発生
物質用顔料を分散してなる電子写真感光体製造用顔料分
散液の製造方法において、該顔料分散液が最終濃度より
も高い固形分濃度で、かつ分散すべき電荷発生物質用顔
料全量を全バインダー量の1〜40重量%のバインダー
を溶解した有機溶媒中に分散する一次分散工程と、該一
次分散工程により得られた一次分散液に残りのバインダ
ーを溶解した有機溶媒を加えて分散する二次分散工程を
有すること、並びに該顔料分散液を電子写真感光体に用
いることが有効であることを見いだし、本発明に至った
ものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体の形態
は、その何れを用いることもできる。例えば、導電性支
持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー
からなる感光層を設けたものがある。また、導電性支持
体上に、電荷発生物質とバインダーからなる電荷発生層
と、電荷輸送物質とバインダーからなる電荷輸送層を設
けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と電荷
輸送層はどちらが上層となっても構わない。
【0015】本発明の電子写真感光体の構成中には、感
光層と導電性支持体の間に、感光層から導電性支持体へ
の電荷の注入をコントロールするための下引き層(ブロ
ッキング層)を必要に応じ設け、また感光層表面には感
光体の耐久性を向上させるために表面保護層を設けても
構わない。また、積層型感光体の場合は電荷発生層と電
荷輸送層との間に中間層を設けることもできる。
【0016】以下、本発明の各構成要素について詳細に
説明する。
【0017】本発明に係わる導電性支持体としては、周
知の電子写真感光体に採用されているものをはじめ種々
のものが使用できる。具体的には、例えば金、銀、白
金、チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、導電処理を
した金属酸化物等のドラム、シート、ベルト、あるいは
これらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。
【0018】さらに、金属粉末、金属酸化物、カーボン
ブラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機
塩、イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当
なバインダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋
め込んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、
紙等で構成されるドラム、シート、ベルト等、またこの
ような導電性物質を含有し導電性となったプラスチッ
ク、セラミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙
げられる。
【0019】下引き層は、バインダー樹脂単独、あるい
はバインダー樹脂と無機顔料等との混合で構成される。
バインダー樹脂としては、ポリアミド系樹脂、エポキシ
系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、無機顔
料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム
等が挙げられる。
【0020】下引き層は導電性支持体の表面化度や、低
温低湿時の電子写真特性に従ってその膜厚が決定される
が、0.1から30μmで用いられる。
【0021】感光層は少なくともバインダーを溶解した
有機溶剤に電荷発生物質用顔料を分散することにより得
られた顔料分散液から形成され、該分散液は最終濃度よ
りも高い固形分濃度で、かつ分散すべき電荷発生物質用
顔料全量を全バインダー量の1〜40重量%のバインダ
ーを溶解した有機溶媒中に分散する一次分散工程と、こ
れに残りのバインダーを溶解した有機溶媒を加えて分散
する二次分散工程により製造される。最終固形分濃度に
するのは二次分散工程の前でもよく、二次分散工程中ま
たは終了後に最終固形分濃度に合わせてもよい。一次分
散工程において使用されるバインダーは全バインダー量
の1〜40重量%であり、好ましくは10〜35重量%
であり、より好ましくは15〜30重量%である。この
ような方法で電荷発生物質用顔料を分散することによ
り、分散安定性が良好で、経時で分散粒子が沈降しない
電子写真感光体製造用塗液を得ることができる。
【0022】本発明で使用される電荷発生物質用顔料と
しては、モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔
料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベン顔料及びチアゾー
ルアゾ顔料などに代表されるアゾ系顔料、ペリレン酸無
水物及びペリレン酸イミドなどに代表されるペリレン系
顔料、アントラキノン誘導体、アントアニトロン誘導
体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導
体、ビオラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導
体などに代表されるアントラキノン系または多環キノン
系顔料、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、
無金属フタロシアニン、無金属ナフタロシアニンなどに
代表されるフタロシアニン系顔料などが挙げられる。こ
れらの中で、フタロシアニン系顔料を用いると、780
nm前後の長波長光に対して高い感度を与え、繰り返し
特性の優れた電子写真感光体を提供するだけでなく、本
発明の製造方法により分散性や経時安定性が特に良好な
顔料分散液が得られるため最も好ましい。
【0023】フタロシアニン系顔料の中でもチタニルオ
キシフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含有する
フタロシアニン組成物が特に感度、繰り返し特性の優れ
た電子写真感光体を与えるため好ましい。該フタロシア
ニン組成物の中でもCuKα1.541オンク゛ストロームのX
線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が27.3°
に最大ピークを示すフタロシアニン組成物が好ましく、
前記ブラッグ角が7.0°、9.0°、14.1°、1
8.0°、23.7°、27.3°にピークを有するフ
タロシアニン組成物が特に好ましい。
【0024】本発明で用いられるフタロシアニン組成物
は、既に提案した特願平11−122309号等に記載
されている方法で製造することができる。
【0025】本発明で用いられるバインダーとしては、
アセタール樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニル系共重合
樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ウレタン
樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、
アセタール樹脂、ブチラール樹脂を用いることにより、
顔料分散液が非常に高い分散性を示し、塗布性も良好に
なる。さらに、その分散液を用いて電子写真感光体を作
製することにより、帯電性、感度、繰り返し安定性が良
好になる。そのため、本発明においてはバインダーとし
てアセタール樹脂またはブチラール樹脂を用いるのが特
に好ましい。これらの樹脂は単独、あるいは2種以上混
合して用いることができる。
【0026】アセタール樹脂の中では下記一般式(1)
で示される樹脂が好ましく、ブチラール樹脂の中では下
記一般式(2)または(3)で示される樹脂が好まし
い。下記一般式(2)で示されるブチラール樹脂の中で
はブチラール基が60〜68mol%でかつアセチル基
が3mol%以下の樹脂が特に好ましい。
【0027】
【化1】
【0028】式(1)中、l、m、nは整数を示す。
【0029】
【化2】
【0030】式(2)中、p、q、rは整数を示す。
【0031】
【化3】
【0032】式(3)中、s、t、u、vは整数を示
す。
【0033】本発明において電荷発生物質用顔料の分散
に使用される溶媒としては、水、あるいは有機溶媒が挙
げられ、単独、あるいは2種以上の混合溶媒として使用
される。水は、重水でもよいし、あるいは水と重水の混
合液であってもよい。有機溶媒としては、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系
溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、
酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソー
ル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−
ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブ
ロモベンゼン、ヨードベンゼン、α−クロロナフタレン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエ
ン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレ
ン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン等の炭化水
素系溶媒を挙げることができる。特にその中でも、ケト
ン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が好まし
い。
【0034】感光層中では電荷発生物質用顔料100重
量部に対し、バインダーは10〜500重量部、好まし
くは50〜150重量部の範囲で用いられる。樹脂の比
率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また樹脂
の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。
【0035】本発明において、電荷発生物質用顔料の分
散に使用する装置は、ボールミル、ペイントコンディシ
ョナー、ダイノミル、及びアトライター等の分散メディ
アを用いる分散機である。分散メディアの材質として
は、ソーダガラス、低アルカリガラス、イットリア含有
ジルコニアが好ましく、直径数mmのビーズ状のものが
よく使われる。本発明の製造方法によれば、分散性が良
好で塗布性に優れた電子写真感光体製造用塗液を得るこ
とができる。
【0036】本発明において感光層に電荷輸送物質を含
有させる場合、用いられる電荷輸送物質には正孔移動物
質と電子移動物質がある。正孔移動物質としては、例え
ば特公昭34−5466号公報等に示されているオキサ
ジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示されて
いるトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公
報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−423
80号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭56
−123544号公報等に示されているオキサジアゾー
ル類、特公昭58−32372号公報等に示されている
トリアリールアミン類、特開昭58−198043号公
報等に示されているスチルベン類等が挙げられる。一
方、電子移動物質としては、例えばクロラニル、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−
テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,
5−ジオキシド等が挙げられる。これらの電荷輸送物質
は、単独または2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0037】これらの電荷輸送物質の中で、ヒドラゾン
類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度を有し、優
れた電子写真感光体を提供するため好ましい。前記ヒド
ラゾン類の中では、特開平1−100555号公報、同
2−10367号公報、同2−51163号公報、同2
−96767号公報、同2−183260号公報、同2
−184856号公報、同2−184858号公報、同
2−184859号公報、同2−226160号公報、
同5−188609号公報、同7−140686号公報
に記載のヒドラゾン化合物が特に好ましい。また前記ス
チルベン類の中では、特開平2−51162号公報、同
2−184857号公報、同3−75660号公報、同
4−177358号公報、同6−194851号公報、
同7−120945号公報、同7−140683号公
報、同10−78671号公報、同10−90923号
公報に記載のスチルベン化合物が特に好ましい。
【0038】また、さらに増感効果を増大させる増感剤
として、ある種の電子吸引性化合物を添加することもで
きる。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラ
キノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−
クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノ
ン類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、
9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5
−ジニトロベンゾフェノン、あるいは3,3′,5,
5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水
フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、
テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデ
ンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリ
ル、あるいは4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベン
ザルマロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフ
タリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタ
リド、あるいは3−(α−シアノ−p−ニトロベンザ
ル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタ
リド類等を挙げることができる。
【0039】積層型感光体では少なくともこれら電荷輸
送物質とバインダーとの混合で電荷輸送層が構成され
る。電荷輸送層に用いられるバインダーとしては、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレートに代表されるアク
リル樹脂、ビスフェノールAやZに代表される骨格を持
つポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、
ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポ
リアミド、ポリイミド等を用いることができる。これら
のバインダーは単独、あるいは2種以上用いることがで
きる。
【0040】電荷輸送層に含有されるこれらのバインダ
ーは、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜20
00重量部が好ましく、1〜500重量部がより好まし
い。バインダーの比率が高すぎると感度が低下し、ま
た、バインダーの比率が低くなりすぎると繰り返し特性
の悪化や塗膜の欠損を招くおそれがある。
【0041】本発明において、感光層に電荷輸送層を有
する場合、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質及びバ
インダーは溶媒に溶解させて使用する。使用される溶媒
としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ
酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系
溶媒、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−
ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジ
クロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メ
チル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロ
エチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フ
ルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、α
−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘ
キサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ク
メン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。特にそ
の中でも、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒
が好ましい。
【0042】本発明の電子写真感光体は、構成材料の有
機化合物の酸化による劣化を防止するために、2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、DL−α−ト
コフェロール等の酸化防止剤を感光層に添加するのが好
ましい。これらの酸化防止剤を添加することによって、
繰り返し特性の優れた電子写真感光体が得られる。
【0043】本発明の電子写真感光体は電子写真感光体
製造用塗液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リ
バースロール塗布、ロッドバー塗布、及びスプレー塗布
の様な公知の方法で導電性支持体上に塗布乾燥すること
により得られる。また、特にドラムに塗工する場合に
は、浸漬(ディップ)塗布方法等が用いられる。
【0044】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0045】実施例1 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
5重量部をメタノール100重量部に溶解させ、酸化チ
タン(ルチル型、堺化学工業製;R−310)5重量部
を混合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナ
ー装置により直径1mmのジルコニアビーズと共に5時
間分散した。こうして得た酸化チタン分散液を、アプリ
ケーターにて金属アルミニウム薄板(JIS規格 #1
050)上に塗布して乾燥し、膜厚0.5μmの下引き
層を形成した。
【0046】ブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)
25重量部を1,3−ジオキソラン3000重量部に溶
解し、この溶液中に、既に提案した特願平11−122
309号に記載されている方法に従って製造して得られ
たフタロシアニン組成物90重量部、無金属フタロシア
ニン(大日本インキ化学工業製;8120)60重量部
を加えて、レッドデビル社製のペイントコンディショナ
ー装置により直径1mmのガラスビーズと共に4時間分
散して、一次分散液を得た。次に二次分散として、この
一次分散液にブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)
75重量部を1,3−ジオキソラン9000重量部に溶
解して得られた溶液を加え、さらにペイントコンディシ
ョナー装置により30分間分散して顔料分散液を作製し
た。得られた分散液を、アプリケーターにて前記下引き
層上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層
を形成した。前記分散液を1週間放置した後の、分散粒
子の沈降の様子を表1に与える。
【0047】次に、(4)で示されるスチルベン化合物
100重量部、ポリカーボネート(三菱ガス化学製;Z
−400)100重量部、DL−α−トコフェロール
(理研ビタミン製;E1000)1重量部を、テトラヒ
ドロフラン2000重量部に溶解させて、この溶液をア
プリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥し、
乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0048】
【化4】
【0049】このように作製した電子写真感光体を、室
温暗所で一昼夜保管した後、ドラム状アルミ素管に貼り
つけ、市販の事務用複写機に装着し、画像を形成させ、
その画像に故障がないか調査した。得られた複写画像の
様子を表1に与える。さらに静電記録試験装置(川口電
機製作所製;EPA−8200)を用いて、感光体を−
5.0kVの帯電圧で帯電した後、2luxのタングス
テン光を照射して、感光体の半減露光量E1/2を測定し
た。結果を表2に与える。
【0050】次に、前記電子写真感光体をアルミニウム
製のドラム素管に貼り付け、ドラム感光体評価装置(ジ
ェンテック製;シンシア90)を用いて、プロセス速度
190mm/秒、帯電電圧−7.0kV、露光光波長7
80nm、露光光強度2μW/cm2の条件で、帯電、
露光、除電の10000回の繰り返しを行い、その前後
で、感光体の帯電電位及び残留電位を測定した。これら
の結果を表2に示す。
【0051】実施例2 ブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)35重量部を
1,3−ジオキソラン3000重量部に溶解し、この溶
液中に、既に提案した特願平11−122309号に記
載されている方法に従って製造して得られたフタロシア
ニン組成物150重量部を加えて、レッドデビル社製の
ペイントコンディショナー装置により直径1mmのガラ
スビーズと共に4時間分散して、一次分散液を得た。次
に二次分散として、この一次分散液にブチラール樹脂
(積水化学製;BL−2)65重量部を1,3−ジオキ
ソラン9000重量部に溶解して得られた溶液を加え、
さらにペイントコンディショナー装置により30分間分
散して顔料分散液を作製した。得られた分散液を用いて
実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測
定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0052】実施例3 ブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)10重量部を
1,3−ジオキソラン3000重量部に溶解し、この溶
液中に、既に提案した特願平11−122309号に記
載されている方法に従って製造して得られたフタロシア
ニン組成物150重量部を加えて、レッドデビル社製の
ペイントコンディショナー装置により直径1mmのガラ
スビーズと共に4時間分散して、一次分散液を得た。次
に二次分散として、この一次分散液にブチラール樹脂
(積水化学製;BL−2)90重量部を1,3−ジオキ
ソラン9000重量部に溶解して得られた溶液を加え、
さらにペイントコンディショナー装置により30分間分
散して顔料分散液を作製した。得られた分散液を用いて
実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測
定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0053】比較例1 ブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)50重量部を
1,3−ジオキソラン3000重量部に溶解し、この溶
液中に、既に提案した特願平11−122309号に記
載されている方法に従って製造して得られたフタロシア
ニン組成物150重量部を加えて、レッドデビル社製の
ペイントコンディショナー装置により直径1mmのガラ
スビーズと共に4時間分散して、一次分散液を得た。次
に二次分散として、この一次分散液にブチラール樹脂
(積水化学製;BL−2)50重量部を1,3−ジオキ
ソラン9000重量部に溶解して得られた溶液を加え、
さらにペイントコンディショナー装置により30分間分
散して顔料分散液を作製した。得られた分散液を用いて
実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測
定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0054】比較例2 ブチラール樹脂(積水化学製;BL−2)100重量部
を1,3−ジオキソラン3000重量部に溶解し、この
溶液中に、既に提案した特願平11−122309号に
記載されている方法に従って製造して得られたフタロシ
アニン組成物150重量部を加えて、レッドデビル社製
のペイントコンディショナー装置により直径1mmのガ
ラスビーズと共に4時間分散して、一次分散液を得た。
次に二次分散として、この一次分散液に1,3−ジオキ
ソラン9000重量部を加え、さらにペイントコンディ
ショナー装置により30分間分散して顔料分散液を作製
した。得られた分散液を用いて実施例1と同様に感光体
を作製し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1
及び表2に示す。
【0055】比較例3 1,3−ジオキソラン3000重量部中に、既に提案し
た特願平11−122309号に記載されている方法に
従って製造して得られたフタロシアニン組成物150重
量部を加えて、レッドデビル社製のペイントコンディシ
ョナー装置により直径1mmのガラスビーズと共に4時
間分散して、一次分散液を得た。次に二次分散として、
この一次分散液にブチラール樹脂(積水化学製;BL−
2)100重量部を1,3−ジオキソラン9000重量
部に溶解して得られた溶液を加え、さらにペイントコン
ディショナー装置により30分間分散して顔料分散液を
作製した。得られた分散液を用いて実施例1と同様に感
光体を作製し、実施例1と同様の測定を行った。結果を
表1及び表2に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】比較例1〜3では、フタロシアニン組成物
から作製した分散液の分散安定性が悪く、経時で分散粒
子が沈降し、電荷発生層の塗布面にムラ、筋が発生し
た。さらに、電子写真感光体を複写機に装着し、画像を
形成させた際に、濃度ムラの他にもピンホールが発生す
るなど、画像故障が見られた。また、比較例1〜3で
は、電子写真感光体の感度及び繰り返し安定性に劣り、
繰り返しにより帯電電位が低下し、残留電位が大きく上
昇する。このように繰り返し安定性が劣っていると、コ
ピー実写評価では、繰り返しにより実写画像のコントラ
ストが低下すると共に画像カブリが発生する。それに対
して、実施例1〜3では、フタロシアニン組成物から作
製した分散液の分散安定性が良好で、経時における分散
粒子の沈降もほとんど見られず、塗布性が良好であっ
た。さらに、電子写真感光体の感度が高く、繰り返し特
性も良好で、複写機に装着して画像を形成させた際の画
像故障も全く見られなかった。これらの中で、顔料分散
液の一次分散工程において用いたバインダーが全バイン
ダー量の15〜30重量%である実施例1では分散液の
分散粒子の沈降が全く見られず、電子写真感光体の感度
及び繰り返し特性が特に優れている。
【0059】実施例4ブチラール樹脂(積水化学製;B
M−2)25重量部をメチルエチルケトン3000重量
部に溶解し、この溶液中に、既に提案した特願平11−
122309号に記載されている方法に従って製造して
得られたフタロシアニン組成物150重量部を加えて、
レッドデビル社製のペイントコンディショナー装置によ
り直径1mmのガラスビーズと共に4時間分散して、一
次分散液を得た。次に二次分散として、この一次分散液
にブチラール樹脂(積水化学製;BM−2)75重量部
をメチルエチルケトン9000重量部に溶解して得られ
た溶液を加え、さらにペイントコンディショナー装置に
より30分間分散して顔料分散液を作製した。得られた
分散液を、アプリケーターにて前記金属アルミニウム薄
板(JIS規格#1050)上に塗布して乾燥し、膜厚
約0.3μmの電荷発生層を形成した。前記分散液を1
週間放置した後の、分散粒子の沈降の様子を表3に与え
る。
【0060】次に、(5)で示されるヒドラゾン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製;パ
ンライトK−1300)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾール1重量部を、テトラヒ
ドロフラン2000重量部に溶解させて、この溶液をア
プリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥し、
乾燥膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。
【0061】
【化5】
【0062】このようにして作製した電子写真感光体
を、室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測
定を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0063】実施例5〜9 ブチラール樹脂(積水化学製;BM−2)をそれぞれブ
チラール樹脂(積水化学製;BM−S),ブチラール樹
脂(電気化学工業製;6000C),アセタール樹脂
(積水化学製;KS−1),ポリエステル(東洋紡製;
バイロン220)、ポリカーボネート(三菱ガス化学
製;Z−200)に変更した以外は、実施例4と同様に
感光体を作製し、実施例1と同様の測定を行った。結果
を表3及び表4に示す。
【0064】比較例4〜7 実施例4〜7の顔料分散液の分散において、一次分散工
程でバインダーを全量溶解し、二次分散工程で溶剤のみ
を加える以外は実施例4と同様に感光体を作製し、実施
例1と同様の測定を行った。結果を表3及び表4に示
す。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】比較例4〜7では、フタロシアニン組成物
から作製した分散液の分散安定性が悪く、経時で分散粒
子が沈降し、電荷発生層の塗布面にムラ、筋が発生し
た。さらに、電子写真感光体を複写機に装着し、画像を
形成させた際に、濃度ムラの他にもピンホールが発生す
るなど、画像故障が見られた。また、比較例4〜7で
は、電子写真感光体の感度及び繰り返し安定性に劣り、
繰り返しにより帯電電位が低下し、残留電位が大きく上
昇する。このように繰り返し安定性が劣っていると、コ
ピー実写評価では、繰り返しにより実写画像のコントラ
ストが低下すると共に画像カブリが発生する。それに対
して、実施例4〜9では、フタロシアニン組成物から作
製した分散液の分散安定性が良好で、経時における分散
粒子の沈降もほとんど見られず、塗布性が良好であっ
た。さらに、電子写真感光体の感度が高く、繰り返し特
性も良好で、複写機に装着して画像を形成させた際の画
像故障も全く見られなかった。これらの中で、顔料分散
液のバインダーとしてブチラール樹脂を用いた実施例4
〜6及びアセタール樹脂を用いた実施例7では分散液の
分散粒子の沈降が全く見られず、電子写真感光体の感度
及び繰り返し特性が特に優れている。
【0068】実施例10 ブチラール樹脂(電気化学工業製;5000A)20重
量部を1,2−ジメトキシエタン3000重量部に溶解
し、この溶液中に、既に提案した特願平11−1223
09号に記載されている方法に従って製造して得られた
フタロシアニン組成物150重量部を加えて、レッドデ
ビル社製のペイントコンディショナー装置により直径1
mmのガラスビーズと共に4時間分散して、一次分散液
を得た。次に二次分散として、この一次分散液にブチラ
ール樹脂(電気化学工業製;5000A)80重量部を
1,2−ジメトキシエタン9000重量部に溶解して得
られた溶液を加え、さらにペイントコンディショナー装
置により30分間分散して顔料分散液を作製した。得ら
れた分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエス
テル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生
層を形成した。前記分散液を1週間放置した後の、分散
粒子の沈降の様子を表5に与える。
【0069】次に、(4)で示されるスチルベン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製;パ
ンライトK−1300)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾール1重量部を、テトラヒ
ドロフラン2000重量部に溶解させて、この溶液をア
プリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥し、
乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0070】このようにして作製した電子写真感光体
を、室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測
定を行った。結果を表5及び表6に示す。
【0071】実施例11〜14 前記フタロシアニン組成物をそれぞれチタニルオキシフ
タロシアニン(山陽色素製;T−22S)、無金属フタ
ロシアニン(東洋インキ製造製;TPA−891)、下
記(6)で示されるビスアゾ顔料、ペリレン顔料(大日
精化工業製;DPA−1)に変更した以外は、実施例1
0と同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測定を行
った。結果を表5及び表6に示す。
【0072】
【化6】
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】実施例10〜14では、顔料分散液の分散
安定性が良好で、経時における分散粒子の沈降もほとん
ど見られず、塗布性が良好であった。さらに、電子写真
感光体の感度が高く、繰り返し特性も良好で、複写機に
装着して画像を形成させても微小黒点が少し見られる程
度で全く問題ない。これらの中で、電荷発生物質用顔料
としてフタロシアニン顔料を用いた実施例10〜12で
は分散液の分散粒子の沈降が全く見られず、電子写真感
光体の感度及び繰り返し特性が特に優れており、複写機
に装着して画像を形成させても微小黒点が全く見られな
いため、特に好ましい。その中でもチタニルオキシフタ
ロシアニンと無金属フタロシアニンを含有するフタロシ
アニン組成物を用いた実施例10が最も良好な特性を示
している。
【0076】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、分散性や経時安定性が良好で、塗工性に優れた電子
写真感光体製造用顔料分散液を製造し、この分散液を用
いて高感度で繰り返し特性の優れた電子写真感光体を提
供することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類以上のバインダーを溶
    解した有機溶媒中に電荷発生物質用顔料を分散してなる
    電子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法において、
    該顔料分散液が最終濃度よりも高い固形分濃度で、かつ
    分散すべき電荷発生物質用顔料全量を全バインダー量の
    1〜40重量%のバインダーを溶解した有機溶媒中に分
    散する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた一次
    分散液に残りのバインダーを溶解した有機溶媒を加えて
    分散する二次分散工程を有することを特徴とする電子写
    真感光体製造用顔料分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一次分散工程において使用されるバ
    インダーが全バインダー量の15〜30重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体製造用顔
    料分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記バインダーとしてアセタール樹脂を
    使用することを特徴とする請求項1または2記載の電子
    写真感光体製造用顔料分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記バインダーとしてブチラール樹脂を
    使用することを特徴とする請求項1または2記載の電子
    写真感光体製造用顔料分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電荷発生物質用顔料がフタロシアニ
    ン顔料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の電子写真感光体製造用顔料分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電荷発生物質用顔料がチタニルオキ
    シフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含有するフ
    タロシアニン組成物であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の電子写真感光体製造用顔料分散液
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電荷発生物質用顔料がチタニルオキ
    シフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含有するフ
    タロシアニン組成物であり、かつ該組成物がCuKα
    1.541オンク゛ストロームのX線に対するブラッグ角(2θ
    ±0.2°)が27.3°にピークを有することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体
    製造用顔料分散液の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電荷発生物質用顔料がチタニルオキ
    シフタロシアニンと無金属フタロシアニンを含有するフ
    タロシアニン組成物であり、かつ該組成物がCuKα
    1.541オンク゛ストロームのX線に対するブラッグ角(2θ
    ±0.2°)が7.0°、9.0°、14.1°、1
    8.0°、23.7°、27.3°にピークを有するこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体製造用顔料分散液の製造方法。
  9. 【請求項9】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該感光層が少なくとも請求項1〜8
    のいずれかに記載の電子写真感光体製造用顔料分散液を
    用いて形成されていることを特徴とする電子写真感光
    体。
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