JP2000221705A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2000221705A
JP2000221705A JP11022561A JP2256199A JP2000221705A JP 2000221705 A JP2000221705 A JP 2000221705A JP 11022561 A JP11022561 A JP 11022561A JP 2256199 A JP2256199 A JP 2256199A JP 2000221705 A JP2000221705 A JP 2000221705A
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xylene
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photosensitive layer
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JP11022561A
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Kazuyuki Suruga
和行 駿河
Nobuaki Hirota
展章 廣田
Hideki Nagamura
秀樹 長村
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真プロセス内で繰り返し使用するにあた
り、白色光並びに長波長光除電の両プロセスにおいて、
高感度で繰り返し安定性に優れ、かつ650〜800n
mの長波長領域にまで良好な分光感度を有する電子写真
感光体を提供すること。 【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも電荷発生物
質を含有する感光層を有する電子写真感光体において、
該感光層中にキシレン樹脂を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
するものであり、詳しくは高感度で繰り返し安定性に優
れた電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の利用は複写機の分
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真
感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。さらに、
セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術において使用され
る感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事
が要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対
して帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所で
の漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって
帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4)光
照射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】このような点を改良するために電荷発生機
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
【0008】しかしながら、機能分離型感光体として実
用化されているものは僅かであり、また帯電特性、感
度、残留電位、前露光特性、繰り返し使用特性等の電気
的特性や耐傷性、耐摩耗性等の機械的強度等の要求され
る多くの特性全てを満足しているとはいい難いのが現状
である。
【0009】特に、高感度でしかも繰り返し使用によっ
て、帯電電位及び残留電位の変化が小さく安定な電子写
真感光体が望まれているが、未だ十分満足できるものは
得られていない。繰り返し使用により感光体が変化する
要因には、コロナ帯電やロール帯電等に繰り返し曝され
る電気的な劣化と静電画像形成に必要な露光やクリーニ
ング後の余分な電荷を除去する除電光等による光劣化や
摩耗による感光層の膜厚の変化等が挙げられる。この中
で、光劣化は短波長光ほど大きく、静電画像形成時の露
光光や除電光では、紫外光減光フィルターや紫外光カッ
トフィルターが用いられているものもある。特に除電光
については、光劣化を抑えるために、余分な電荷を除去
できる必要最低限の光量で、かつ光劣化の小さい長波長
光であることが望ましい。そのため、複写機の中には、
コンパクトな赤色発光ダイオードアレイを用いたものや
赤色フィルターを用いたものが検討されている。しかし
ながら、長波長光で除電を行うためには、長波長領域に
までかなりの分光感度を有する電子写真感光体が必要で
あり、可視短波長領域から長波長領域まで十分な分光感
度を有し、かつ高感度である電子写真感光体を見いだす
ことは困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真プロセス内で繰り返し使用するにあたり、白色光並
びに長波長光除電の両プロセスにおいて、高感度で繰り
返し安定性に優れ、かつ650〜800nmの長波長領
域にまで良好な分光感度を有する電子写真感光体を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討をした結果、導電性支持体
上に、少なくとも電荷発生物質を含有する感光層を有す
る電子写真感光体において、該感光層中にキシレン樹脂
を含有させることが有効であることを見いだし、本発明
に至ったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子写真感光体に
おける各構成要素について詳細に説明する。本発明の電
子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも電荷発生
物質を含有する感光層を有する電子写真感光体であり、
この感光層にキシレン樹脂を含有する電子写真感光体で
ある。感光層にキシレン樹脂を含有させることにより、
650〜800nmの長波長領域にまで良好な分光感度
を有する電子写真感光体を得ることが可能になる。
【0013】本発明で使用されるキシレン樹脂は、m−
キシレンをホルムアルデヒドと酸性触媒の存在下で付加
縮合反応させることにより生成される淡色透明な水飴状
の熱硬化性樹脂であり、下記一般式(4)で示される構
成単位を有する樹脂で代表される。この樹脂は三菱ガス
化学製ニカノールとして入手することができる。
【0014】
【化4】
【0015】式(4)中、nは0〜3である。
【0016】本発明で使用されるキシレン樹脂の平均分
子量は250〜700程度であるが、その中でも平均分
子量が500〜650のキシレン樹脂を用いると、波長
が650〜800nmの長波長光に対する分光感度が非
常に高い電子写真感光体が得られるため、特に好まし
い。
【0017】本発明に係わるキシレン樹脂としては、m
−キシレンとホルムアルデヒドの付加縮合により得られ
る樹脂の他に、m−キシレンとホルムアルデヒドの付加
縮合樹脂をフェノール類、カルボン酸類、アルコール類
等で変性することにより得られる変性キシレン樹脂を使
用することもできる。m−キシレンとホルムアルデヒド
の付加縮合樹脂に含有されているメチロール基、ジメチ
レンエーテル結合、アセタール結合は高い反応性を示す
ため、フェノール類、カルボン酸類、アルコール類等で
変性することもある。
【0018】次に、キシレン樹脂以外の本発明の電子写
真感光体に係わる構成要素について説明する。
【0019】本発明に係わる感光層に含有する電荷発生
物質としては、モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩
アゾ顔料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料、
及びチアゾールアゾ顔料等に代表されるアゾ系顔料、ペ
リレン無水物及びペリレン酸イミド等に代表されるペリ
レン系顔料、アントラキノン誘導体、アンスアンスロン
誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘
導体、ビオラントロン誘導体、及びイソビオラントロン
誘導体等に代表されるアントラキノン系または多環キノ
ン系顔料、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニ
ン、無金属フタロシアニン、及び無金属ナフタロシアニ
ン等に代表されるフタロシアニン系顔料、ポルフィリン
誘導体等の顔料と、メチルバイオレットに代表されるト
リフェニルメタン染料、キニザリン等のキノン染料やピ
リリウム塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリリウム塩等
の染料が挙げられる。
【0020】これらの中で、特にキャリア発生効率の高
いものとして、ビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料を用いた
ものは、高い感度を与え、優れた感光体を提供するため
好ましい。その中でも、前記一般式(1)〜(3)で示
されるビスアゾ顔料を用いた電子写真感光体は、特に優
れた性能を有する。
【0021】本発明に係わる前記一般式(1)で示され
るビスアゾ顔料の具体例を化5から化9に示すが、これ
らに限定されるものではない。
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】本発明に係わる前記一般式(2)で示され
るビスアゾ顔料の具体例を化10から化14に示すが、
これらに限定されるものではない。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】本発明に係わる前記一般式(3)で示され
るビスアゾ顔料の具体例を化15から化19に示すが、
これらに限定されるものではない。
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】感光層中では電荷発生物質100重量部に
対し、キシレン樹脂は0.1〜1000重量部、好まし
くは1〜500重量部の範囲で用いられる。
【0040】本発明に係わる感光層には、電荷発生物質
とキシレン樹脂以外に、必要に応じてその他のバインダ
ー樹脂を併用しても構わない。その他のバインダー樹脂
としてはスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル
酸エステル、メタアクリル酸エステル等によるビニル化
合物の重合体樹脂や共重合体樹脂、シリコン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ホルマール樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。これ
らの樹脂は単独、あるいは2種以上混合して用いること
ができる。
【0041】本発明に係わる導電性支持体としては、周
知の電子写真感光体に採用されているものをはじめ種々
のものが使用できる。具体的には、例えば金、銀、白
金、チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、導電処理を
した金属酸化物等のドラム、シート、ベルト、あるいは
これらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。
【0042】さらに、金属粉末、金属酸化物、カーボン
ブラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機
塩、イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当
なバインダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋
め込んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、
紙等で構成されるドラム、シート、ベルト等、またこの
ような導電性物質を含有し導電性となったプラスチッ
ク、セラミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙
げられる。
【0043】本発明に係わる感光層は、上記のような導
電性支持体上に設けてなるが、電荷発生物質である顔料
等を分散し、本発明に係わるキシレン樹脂を包含するバ
インダー樹脂中に埋め込んだ顔料分散単層型や、電荷発
生物質と電荷移動物質を分散混合し、本発明に係わるキ
シレン樹脂を包含するバインダー樹脂中に閉じ込めた単
層型、電荷発生物質と本発明に係わるキシレン樹脂を包
含するバインダー樹脂とを含む電荷発生層と、電荷移動
物質を含む電荷移動層を積層した機能分離積層型等によ
り構成される。本発明は何れの系にも適用させることが
可能であるが、電荷発生物質と電荷移動物質の性能を最
大限に生かし易い機能分離積層型感光体の系において用
いられるのが好ましい。
【0044】本発明の電子写真感光体の構成中には、感
光層と導電性支持体の間に、感光層から導電性支持体へ
の電荷の注入をコントロールするためのブロッキング層
を必要に応じ設け、また感光層表面には感光体の耐久性
を向上させるために表面保護層を設けても構わない。
【0045】ブロッキング層は、バインダー樹脂単独、
あるいはバインダー樹脂と無機顔料等との混合で構成さ
れる。バインダー樹脂としては、ポリアミド系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム等が挙げられる。
【0046】本発明において感光層に電荷輸送物質を含
有させる場合、用いられる電荷輸送物質には正孔移動物
質と電子移動物質がある。正孔移動物質としては、例え
ば特公昭34−5466号公報等に示されているオキサ
ジアゾール類、特公昭45−555号公報等に示されて
いるトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公
報等に示されているピラゾリン類、特公昭55−423
80号公報等に示されているヒドラゾン類、特開昭56
−123544号公報等に示されているオキサジアゾー
ル類、特公昭58−32372号公報等に示されている
トリアリールアミン類、特開昭58−198043号公
報等に示されているスチルベン類等が挙げられる。一
方、電子移動物質としては、例えばクロラニル、テトラ
シアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,
7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−
テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,
5−ジオキシド等が挙げられる。これらの電荷輸送物質
は、単独または2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0047】これらの電荷輸送物質の中で、ヒドラゾン
類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度を有し、優
れた電子写真感光体を提供するため好ましい。前記ヒド
ラゾン類の中では、特開平1−100555号公報、同
2−10367号公報、同2−51163号公報、同2
−96767号公報、同2−183260号公報、同2
−184856号公報、同2−184858号公報、同
2−184859号公報、同2−226160号公報、
同5−188609号公報、同7−140686号公報
に記載のヒドラゾン化合物が特に好ましい。また前記ス
チルベン類の中では、特開平2−51162号公報、同
2−184857号公報、同3−75660号公報、同
4−177358号公報、同6−194851号公報、
同7−120945号公報、同7−140683号公
報、特願平8−232841号公報、同8−24039
9号公報に記載のスチルベン化合物が特に好ましい。
【0048】また、さらに増感効果を増大させる増感剤
として、ある種の電子吸引性化合物を添加することもで
きる。この電子吸引性化合物としては例えば、2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラ
キノン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−
クロロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノ
ン類、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類、
9−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5
−ジニトロベンゾフェノン、あるいは3,3′,5,
5′−テトラニトロベンゾフェノン等のケトン類、無水
フタル酸、4−クロロナフタル酸無水物等の酸無水物、
テレフタラルマロノニトリル、9−アントリルメチリデ
ンマロノニトリル、4−ニトロベンザルマロノニトリ
ル、あるいは4−(p−ニトロベンゾイルオキシ)ベン
ザルマロノニトリル等のシアノ化合物、3−ベンザルフ
タリド、3−(α−シアノ−p−ニトロベンザル)フタ
リド、あるいは3−(α−シアノ−p−ニトロベンザ
ル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド等のフタ
リド類等を挙げることができる。
【0049】積層型感光体では少なくともこれら電荷輸
送物質とバインダー樹脂との混合で電荷輸送層が構成さ
れる。電荷輸送層に用いられるバインダー樹脂として
は、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレートに代
表されるアクリル樹脂、ビスフェノールAやZに代表さ
れる骨格を持つポリカーボネート樹脂、ポリアリレート
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は
単独、あるいは2種以上用いることができる。
【0050】電荷輸送層に含有されるこれらのバインダ
ー樹脂は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜
2000重量部が好ましく、1〜500重量部がより好
ましい。
【0051】本発明の電子写真感光体は、構成材料の有
機化合物の酸化による劣化を防止するために、2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、DL−α−ト
コフェロール等の酸化防止剤を感光層に添加するのが好
ましい。これらの酸化防止剤を添加することによって、
繰り返し特性の優れた電子写真感光体が得られる。ま
た、成膜性、可とう性、機械的強度を向上させるために
周知の可塑剤等を使用してもよい。さらに、感光層表面
には感光体の耐久性を向上させるために表面保護層を設
けても構わない。
【0052】本発明の電子写真感光体を製造する際は、
感光層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解し、その塗
布液を塗布して作製するが、顔料等の溶媒に不溶な成分
を用いる時は、ボールミル、縦型ビーズミル、水平型ビ
ーズミル、ペイントコンディショナー、アトライター等
の分散機により分散して用いる。感光層に使用するバイ
ンダー樹脂、その他の添加剤は顔料等の分散時あるいは
分散後に添加することができる。このようにして作製し
た塗布液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバ
ースロール塗布、ロッドバー塗布、及びスプレー塗布の
様な公知の方法で導電性支持体上に塗布乾燥して電子写
真感光体が得られる。また、特にドラムに塗工する場合
には、浸漬(ディップ)塗布方法等が用いられる。
【0053】本発明の電子写真感光体では、顔料の場合
は溶媒に分散し、染料やバインダー樹脂及び電荷移動物
質は溶媒に溶解させて使用する。使用される溶媒として
は、水、あるいは有機溶媒が挙げられ、単独、あるいは
2種以上の混合溶媒として使用される。水は、重水でも
よいし、あるいは水と重水の混合液であってもよい。有
機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエス
テル系溶媒、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、
1,4−ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶
媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨ
ウ化メチル、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロ
ロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨー
ドベンゼン、α−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化
水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタ
ン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエ
ン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン等の炭化水素系溶媒を挙げることが
できる。
【0054】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0055】実施例1 例示化合物化7で示されるビスアゾ顔料7重量部、例示
化合物化12で示されるビスアゾ顔料3重量部、キシレ
ン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールH,平均分子量5
57)10重量部をメチルイソブチルケトン1000重
量部に混合し、レッドデビル社製のペイントコンディシ
ョナー装置により直径1mmのガラスビーズと共に1時
間分散した。得られた分散液を、アプリケーターにてア
ルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.
2μmの電荷発生層を形成した。
【0056】次に、(5)で示されるスチルベン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
製;Z−400)100重量部、DL−α−トコフェロ
ール(理研ビタミン製;E1000)1重量部を、ジク
ロロメタン2000重量部に溶解させて、この溶液をア
プリケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥し、
乾燥膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0057】
【化20】
【0058】このように作製した電子写真感光体を、室
温暗所で一昼夜保管した後、ドラム状アルミ素管に貼り
つけ、ドラム感光体評価装置(ジェンテック製;シンシ
ア90)を用いて、プロセス速度190mm/秒、帯電
電圧−7.0kV、露光光強度2μW/cm2の条件
で、露光光波長560nm及び680nmにおける分光
感度E1/2をそれぞれ測定した。さらに露光光波長を6
80nmとして、帯電、露光、光除電の10000回の
繰り返しを行い、その前後で、感光体の帯電電位及び残
留電位を測定した。光除電はタングステンランプアレイ
に赤色フィルター(東芝製;色ガラスフィルターVR−
1D)を装着して行った。これらの結果を表1及び表2
に示す。
【0059】実施例2〜4 キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールH)をそれ
ぞれキシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールG,平
均分子量606)、キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニ
カノールL,平均分子量410)、キシレン樹脂(三菱
ガス化学製;ニカノールM,平均分子量351)に変更
した以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、実施例
1と同様の測定を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0060】実施例5 キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールH)10重
量部をキシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールL)
8重量部、アクリル樹脂(三菱レーヨン製;BR−5
2)2重量部に変更した以外は、実施例1と同様に感光
体を作製し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表
1及び表2に示す。
【0061】実施例6 キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールH)10重
量部をキシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールL)
8重量部、ブチラール樹脂(積水化学製;BM−2)2
重量部に変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作
製し、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1及び
表2に示す。
【0062】比較例1〜4 キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールH)をそれ
ぞれアクリル樹脂(三菱レーヨン製;BR−52)、ブ
チラール樹脂(積水化学製;BM−2)、エポキシ樹脂
(新日本理化製;BPO−20E)、フェノール樹脂
(住友デュレツ製;MS−2)に変更した以外は、実施
例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測定を
行った。結果を表1及び表2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】比較例1〜4では、露光光波長560nm
及び680nmにおける分光感度が悪くなっており、さ
らに繰り返し安定性に劣り、繰り返しにより帯電電位が
低下し、残留電位が大きく上昇する。このように繰り返
し安定性が劣っていると、コピー実写評価では、繰り返
しにより実写画像のコントラストが低下すると共に画像
カブリが発生する。それに対して、実施例1〜6では、
露光光波長560nm及び680nmにおける分光感
度、繰り返し安定性ともに優れ、特に比較例に比べると
露光光波長680nmにおける分光感度が著しく上昇し
ているのが分かる。実施例1〜6の中でも分子量500
〜650のキシレン樹脂を用いた実施例1及び2では特
に高感度で繰り返し安定性に優れている。
【0066】実施例7 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
5重量部をメタノール100重量部に溶解させ、酸化チ
タン(ルチル型、堺化学製;R−310)5重量部を混
合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー装
置により直径1mmのジルコニアビーズと共に5時間分
散した。こうして得た酸化チタン分散液を、アプリケー
ターにて金属アルミニウム薄板(JIS規格 #105
0)上に塗布して乾燥し、膜厚0.5μmの下引き層を
形成した。
【0067】次に、例示化合物化16で示されるビスア
ゾ顔料1重量部、キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカ
ノールL)1重量部を酢酸エチル100重量部に混合
し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー装置
により直径1mmのガラスビーズと共に1時間分散し
た。得られた分散液を、アプリケーターにて前記下引き
層上に塗布して乾燥し、膜厚約0.4μmの電荷発生層
を形成した。
【0068】次に、(6)で示されるヒドラゾン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製;パ
ンライトK−1300)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾール1重量部を、ジクロロ
メタン2000重量部に溶解させて、この溶液をアプリ
ケーターにて前記電荷発生層上に塗布して乾燥し、乾燥
膜厚30μmの電荷輸送層を形成した。
【0069】
【化21】
【0070】このようにして作製した電子写真感光体
を、室温暗所で一昼夜保管した後、ドラム状アルミ素管
に貼りつけ、ドラム感光体評価装置(ジェンテック製;
シンシア90)を用いて、プロセス速度190mm/
秒、帯電電圧−7.0kV、露光光強度2μW/cm2
の条件で、露光光波長560nm及び750nmにおけ
る分光感度E1/2をそれぞれ測定した。さらに露光光波
長を750nmとして、帯電、露光、光除電の1000
0回の繰り返しを行い、その前後で、感光体の帯電電位
及び残留電位を測定した。光除電はタングステンランプ
アレイに赤色フィルター(東芝製;色ガラスフィルター
VR−1D)を装着して行った。これらの結果を表3及
び表4に示す。
【0071】実施例8〜12 例示化合物化16で示されるビスアゾ顔料をそれぞれ例
示化合物化11で示されるビスアゾ顔料、(7)で示さ
れるビスアゾ顔料、(8)で示されるビスアゾ顔料、無
金属フタロシアニン顔料(東洋インキ製;TPA−89
1)、ペリレン顔料(大日精化工業製;DPA−1)に
変更した以外は、実施例7と同様に感光体を作製し、実
施例7と同様の測定を行った。結果を表3及び表4に示
す。
【0072】
【化22】
【0073】
【化23】
【0074】比較例5〜8 キシレン樹脂(三菱ガス化学製;ニカノールL)をフェ
ノール樹脂(住友デュレツ製;MS−1)、フェノキシ
樹脂(ユニオンカーバイト製;PKHJ)、スチレン樹
脂(旭ダウ製;スタイロン683)、スチレン−アクリ
ル共重合樹脂(星光化学製;S−635)に変更した以
外は、実施例7と同様に感光体を作製し、実施例7と同
様の測定を行った。結果を表3及び表4に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】比較例5〜8では、露光光波長560nm
及び750nmにおける分光感度が悪くなっており、さ
らに繰り返し安定性に劣り、繰り返しにより帯電電位が
低下し、残留電位が大きく上昇する。このように繰り返
し安定性が劣っていると、コピー実写評価では、繰り返
しにより実写画像のコントラストが低下すると共に画像
カブリが発生する。それに対して、実施例7〜12で
は、露光光波長560nm及び750nmにおける分光
感度、繰り返し安定性ともに優れ、特に比較例に比べる
と露光光波長750nmにおける分光感度が著しく上昇
しているのが分かる。実施例7〜12の中でもアゾ顔料
を用いた実施例7〜10では比較的高感度で繰り返し安
定性に優れ、さらにその中でも前記一般式(1)〜
(3)で示されるビスアゾ顔料を用いた実施例7及び8
では特に高感度で繰り返し安定性に優れている。
【0078】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、電子写真プロセス内で繰り返し使用するにあたり、
白色光並びに長波長光除電の両プロセスにおいて、高感
度で繰り返し安定性に優れ、かつ650〜800nmの
長波長領域にまで良好な分光感度を有する電子写真感光
体を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも電荷発生
    物質を含有する感光層を有する電子写真感光体におい
    て、該感光層中にキシレン樹脂を含有することを特徴と
    する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記キシレン樹脂の平均分子量が500
    〜650であることを特徴とする請求項1記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 前記電荷発生物質がアゾ顔料であること
    を特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電荷発生物質が下記一般式(1)〜
    (3)で示されるビスアゾ顔料から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1または2記載の電
    子写真感光体。 【化1】 (式(1)中、Aは水素、置換されていてもよいアルキ
    ル基、アリール基、複素環基を示し、q及びrは0又は
    1であり、Cp1はカップラー残基を示す。) 【化2】 (式(2)中、E及びGは水素、置換されていてもよい
    アルキル基、アリール基、複素環基を示し、sは0又は
    1であり、Cp2はカップラー残基を示す。) 【化3】 (式(3)中、Jは置換されていてもよいピリジン環
    基、キノリン環基、フラン環基、チオフェン環基、ピロ
    ール環基を示し、tは0又は1であり、Cp3はカップ
    ラー残基を示す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009251181A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010204272A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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JP2009251181A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
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