JPH1184697A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1184697A
JPH1184697A JP24683397A JP24683397A JPH1184697A JP H1184697 A JPH1184697 A JP H1184697A JP 24683397 A JP24683397 A JP 24683397A JP 24683397 A JP24683397 A JP 24683397A JP H1184697 A JPH1184697 A JP H1184697A
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JP
Japan
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phthalocyanine pigment
weight
parts
photoreceptor
resin
Prior art date
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Application number
JP24683397A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Suruga
和行 駿河
Hideya Arisue
英也 有末
Makoto Okaji
誠 岡地
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真プロセスにより画像形成を行う際に、
高感度で繰り返し安定性が優れ、さらに1回転目から良
好な帯電性を示す電子写真感光体を提供する。 【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質
としてフタロシアニン顔料を含む電荷発生層、電荷移動
物質を含む電荷移動層を順次積層してなる電子写真感光
体において、前記電荷発生層が下記一般式(1)で表さ
れるペリレン系化合物を含有し、前記フタロシアニン顔
料と前記ペリレン系化合物の重量比が20:1〜1:1
であることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアリール基を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等電子写真プロセスにより画像形成を行う際に用いら
れる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の感光体としては、
セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコン等の無機
光導電体を主成分とする感光層を有するものが広く知ら
れていた。しかし、これらは感度、熱安定性、耐湿性、
耐久性等において必ずしも満足し得るものではなく、ま
た特にセレン及び硫化カドミウムはその毒性のために製
造上、取扱上にも制約があった。
【0003】一方、有機光導電性体を主成分とする感光
層を有する電子写真感光体は、製造が比較的容易である
こと、安価であること、取扱が容易であること、また一
般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れている等多く
の利点を有し、近年多くの注目を集めている。その中で
も、電荷発生層及び電荷輸送層を積層した積層型電子写
真感光体は、より高感度な感光体が得られること、材料
の選択範囲が広く安全性の高い感光体が得られること、
また塗布の生産性が高く比較的コスト面でも有利なこと
から、現在では感光体の主流となっており、大量に生産
されている。
【0004】最近では、より高画質な画像を得るため
や、入力画像を記憶したり自由に編集したりするため
に、画像形成のためのデジタル化が急速に進行してい
る。これまで、デジタル的に画像形成するものとして
は、ワープロやレーザープリンター等に限られていた
が、従来アナログ的な画像形成が主流であった普通の複
写機の分野にもデジタル化が進行している。
【0005】この様なデジタル的画像形成を行う場合、
コンピュータ情報を直接使うにしても、原稿から情報を
入力するにしても、感光体に対しては光信号として入力
されるわけであるが、このようなデジタル信号の光入力
には、主としてレーザー光やLED光が用いられる。こ
れらの入力光の発信波長は780nmや660nmの近
赤外光やそれに近い単一波長の長波長光であるため、デ
ジタル的画像形成に使用される感光体にとっては、長波
長に対して感度をもつことが要求されている。
【0006】フタロシアニン顔料は近赤外領域に良好な
感度を有するものが多いことから、デジタル記録用の感
光体として使用することの要求が高まっている。例え
ば、特開昭59−155851号公報に示されるβ型イ
ンジウムフタロシアニンを用いた感光体、特開昭61−
28557号公報に示されるバナジルフタロシアニンを
用いた感光体、特開平2−233769号公報に示され
るX型無金属フタロシアニンを用いた感光体、特公平5
−55860号公報に示されるチタニルフタロシアニン
を用いた感光体等が開示されている。
【0007】しかし、このようなフタロシアニン顔料を
電荷発生物質として用いた電子写真感光体は、1回転目
のプロセスにおける現像段階での帯電性が悪く、2回転
目からようやく帯電性が安定するという欠点があった。
この現象は、帯電、露光といった画像形成プロセス後の
放置時間と関係しており、放置時間が長いほど1回転目
の帯電性が悪い傾向が見られる。このことから、この現
象は電荷発生層中のフタロシアニン顔料の熱励起により
発生した電荷または導電性支持体から電荷発生層へ注入
された電荷の蓄積によるものと考えられる。
【0008】近年はマイクロコンピュータの性能が向上
しており、データ転送時間や画像処理時間が速くなって
きたため、感光体の1回転目から画像形成に使い、1枚
目のコピー、プリントを速くしたいという要求が出てき
ている。ところが、フタロシアニン顔料を電荷発生物質
として用いた感光体は、前述したように、1回転目のプ
ロセスにおける現像段階での帯電性が悪くなるため、1
回転目のプロセスによる画像は地肌が汚れてしまい、良
好な画像が得られなくなる。これを改善した例として、
感光層中にフタロシアニン化合物とアゾ化合物を含有さ
せた感光体が特開平9−127711号公報で提案され
ているが、まだ十分な特性が得られたとは言えない。
【0009】特開平8−320584号公報及び特開平
9−15883号公報では、電子写真感光体の電荷保持
能力を向上させる目的で、電荷発生層中にフタロシアニ
ン化合物とペリレン−3,4,9,10−テトラカルボ
ン酸−ビス(フェネチルイミド)を含有させることが提
案されているが、1回転目のプロセスにおける現像段階
での帯電性の点では十分な特性が得られていない。した
がって、1回転目のプロセスにおける現像段階での帯電
性が十分に良好な電子写真感光体が望まれているのが現
状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真プロセスにより画像形成を行う際に、高感度で繰り
返し安定性が優れ、さらに1回転目から良好な帯電性を
示す電子写真感光体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成するために種々の検討をした結果、導電性支持体上
に少なくとも電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を
含む電荷発生層、電荷移動物質を含む電荷移動層を順次
積層してなる電子写真感光体において、前記電荷発生層
が下記一般式(1)で表されるペリレン系化合物を含有
させ、前記フタロシアニン顔料と前記ペリレン系化合物
の重量比を20:1〜1:1とすることが有効であるこ
とを見いだし本発明に至ったものである。
【0012】
【化2】
【0013】式中、Rは置換基を有していてもよいアリ
ール基を示す。その置換基としては、アルキル基、アル
コキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン等がある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、導電性支持体上に少な
くとも電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を含む電
荷発生層、電荷移動物質を含む電荷移動層を順次積層し
てなる電子写真感光体において、前記電荷発生層が前記
一般式(1)で表されるペリレン系化合物を含有し、前
記フタロシアニン顔料と前記ペリレン系化合物の重量比
が20:1〜1:1であることを特徴とする電子写真感
光体である。
【0015】本発明に係わるフタロシアニン顔料として
は無金属フタロシアニン、銅、インジウム、チタン、ガ
リウム、バナジウム等の金属、又はその酸化物、塩化
物、水酸化物等の配位したフタロシアニン類が使用され
る。これらの中で、τ型無金属フタロシアニンまたはチ
タニルフタロシアニン(チタニルオキシフタロシアニ
ン)を用いた電子写真感光体は高い感度を与え、かつ1
回転目の帯電性が良好になるため、特に好ましい。
【0016】次に、本発明に係わる前記一般式(1)で
示されるペリレン系化合物の具体例を表1及び表2に示
すが、これらによって限定されるものではない。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】本発明の電子写真感光体は、フタロシアニ
ン顔料と前記一般式(1)で示されるペリレン系化合物
を同時に含有させることにより得られ、優れた性能を有
する。前記フタロシアニン顔料と前記一般式(1)で示
されるペリレン系化合物の重量比は20:1〜1:1に
するが、その中でも4:1〜2:1にすると、非常に高
感度で繰り返し特性に優れ、かつ1回転目の帯電性が良
好な電子写真感光体が得られるため、特に好ましい。
【0020】以下、本発明の各構成要素について詳細に
説明する。
【0021】本発明に係わる導電性支持体としては、周
知の電子写真感光体に採用されているものをはじめ種々
のものが使用できる。具体的には、例えば金、銀、白
金、チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、導電処理を
した金属酸化物等のドラム、シート、ベルト、あるいは
これらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。
【0022】さらに、金属粉末、金属酸化物、カーボン
ブラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機
塩、イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当
なバインダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋
め込んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、
紙等で構成されるドラム、シート、ベルト等、またこの
ような導電性物質を含有し導電性となったプラスチッ
ク、セラミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙
げられる。
【0023】本発明の電子写真感光体の構成中には、感
光層と導電性支持体の間に、感光層から導電性支持体へ
の電荷の注入をコントロールするためのブロッキング層
を必要に応じ設け、また感光層表面には感光体の耐久性
を向上させるために表面保護層を設けても構わない。
【0024】ブロッキング層は、バインダー樹脂単独、
あるいはバインダー樹脂と無機顔料等との混合で構成さ
れる。バインダー樹脂としては、ポリアミド系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコ
ニウム等が挙げられる。
【0025】ブロッキング層は導電性支持体の表面化度
や、低温低湿時の電子写真特性に従ってその膜厚が決定
されるが、0.1〜30μmで用いられる。
【0026】本発明に係わる電荷発生層は、少なくとも
前記フタロシアニン顔料と前記一般式(1)で示される
ペリレン系化合物とにバインダー樹脂を混合して電荷発
生層が構成される。バインダー樹脂としては、スチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メ
タアクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体樹
脂や共重合体樹脂、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ホルマール樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられ
る。
【0027】電荷発生層中では電荷発生物質100重量
部に対し、バインダー樹脂は1〜1000重量部、好ま
しくは1〜500重量部の範囲で用いられる。電荷発生
層の厚さは、0.1〜20μmが好ましい。
【0028】本発明において電荷移動層に含有させる電
荷移動物質には正孔移動物質と電子移動物質がある。正
孔移動物質としては、例えば特公昭34−5466号公
報等に示されているオキサジアゾール類、特公昭45−
555号公報等に示されているトリフェニルメタン類、
特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリ
ン類、特公昭55−42380号公報等に示されている
ヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報等に示
されているオキサジアゾール類、特公昭58−3237
2号公報等に示されているトリアリールアミン類、特開
昭58−198043号公報等に示されているスチリル
類等が挙げられる。一方、電子移動物質としては、例え
ばクロラニル、テトラシアノエチレン、ジフェノキノ
ン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロキサントン、1,3,7−ト
リニトロジベンゾチオフェン等が挙げられる。これらの
電荷移動物質は、単独または2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0029】これらの電荷移動物質の中で、ヒドラゾン
類、スチリル類等は高い電荷(正孔)移動度を有し、優
れた電子写真感光体を提供するため好ましい。例えばヒ
ドラゾン類の場合であれば、前述の特公昭55−423
80号公報をはじめとして、特開平1−100555号
公報、同2−10367号公報、同2−51163号公
報、同2−96767号公報、同2−183260号公
報、同2−184856号公報、同2−184858号
公報、同2−184859号公報、同2−226160
号公報、同5−188609号公報等に記載のヒドラゾ
ン化合物を使用することができる。
【0030】本発明の電子写真感光体においては、少な
くともこれら電荷移動物質とバインダー樹脂の混合で電
荷移動層が構成される。電荷移動層に用いられるバイン
ダー樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタ
クリレートに代表されるアクリル樹脂、ビスフェノール
AやZに代表される骨格を持つポリカーボネート樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。
【0031】電荷移動層中では電荷移動物質100重量
部に対し、バインダー樹脂は10〜400重量部の範囲
で用いられる。電荷移動層の厚さは、5〜100μmが
好ましい。
【0032】本発明の電子写真感光体は、構成材料の有
機化合物の酸化による劣化を防止するために、2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、DL−α−ト
コフェロール、tert−ブチルヒドロキノン、下記化
3及び下記化4に示す化合物等の酸化防止剤を添加する
のが好ましい。これらの酸化防止剤を添加することによ
って、繰り返し特性の優れた電子写真感光体が得られ
る。また成膜性、可とう性、機械的強度を向上させるた
めに周知の可塑剤等を使用してもよい。
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】本発明の電子写真感光体を製造する際は、
感光層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解し、その塗
布液を塗布して作製するが、顔料等の溶媒に不溶な成分
を用いる時は、ボールミル、ペイントコンディショナ
ー、ダイノミル、及びアトライター等の分散機により分
散して用いる。感光層に使用するバインダー樹脂、その
他の添加剤は顔料等の分散時あるいは分散後に添加する
ことができる。このようにして作製した塗布液を回転塗
布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、
ロッドバー塗布、及びスプレー塗布の様な公知の方法で
導電性支持体上に塗布乾燥して電子写真感光体が得られ
る。また、特にドラムに塗工する場合には、浸漬(ディ
ップ)塗布方法等が用いられる。
【0036】本発明に用いられる溶剤としては、クロロ
ホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系、メチルセロソルブ、ジメチルセロソルブ、
メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系等を、単
独または2種以上の混合溶剤または必要に応じてアルコ
ール類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等の溶剤をさらに加え使用することができる。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0038】実施例1 τ型無金属フタロシアニン顔料(東洋インキ製;TPA
−891)100重量部、例示化合物P−10で示され
るペリレン系化合物5重量部、塩化ビニル系共重合樹脂
(日本ゼオン製;MR−110)100重量部をメチル
エチルケトン10000重量部に混合し、レッドデビル
社製のペイントコンディショナー装置により直径1mm
の低アルカリガラスビーズ(小原光学製;ハイビーD・
20)と共に12時間分散した。こうして得た顔料分散
液を金属アルミニウム薄板(JIS規格 #1050)
上に、アプリケーターにて塗布し、膜厚約0.2μmの
電荷発生層を形成した。
【0039】次に、下記構造を有するヒドラゾン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製;パ
ンライトC−1400)100重量部、DL−α−トコ
フェロール(理研ビタミン製;E1000)1重量部
を、ジクロロメタン2000重量部に溶解させて、前記
電荷発生層上に、この溶液をアプリケーターにて塗布
し、乾燥膜厚25μmの電荷移動層を形成した。
【0040】
【化5】
【0041】このように作製した電子写真感光体を、室
温暗所で一昼夜保管した後、静電記録試験装置(川口電
機製作所製;SP−428)を用いて、感光体を−5.
0kVの帯電圧で帯電した後、2luxのタングステン
光を照射して、感光体の半減露光量E1/2を測定した。
結果を表3に与える。
【0042】次に、前記電子写真感光体をアルミニウム
製のドラム素管に貼り付け、ドラム感光体評価装置(ジ
ェンテック製;シンシア90)を用いて、室温23℃、
相対湿度55%の条件下において、帯電、除電の100
00回の繰り返しを行った前後で、感光体の帯電電位の
変化量を測定した。変化量の値が負の場合は帯電電位が
小さくなったことを示し、正の場合は大きくなったこと
を示す。さらに、1時間放置後の最初の1回転目及び2
回転目の帯電電位を測定した。これらの結果を表3に与
える。
【0043】
【表3】
【0044】実施例2〜7 例示化合物P−10で示されるペリレン系化合物を6重
量部、10重量部、30重量部、50重量部、95重量
部、100重量部とした以外は実施例1と同様に感光体
を作製し、実施例1と同様の測定条件で感光体の半減露
光量、繰り返し特性及び1時間放置後の帯電電位の測定
を行った。結果を表4に与える。
【0045】比較例1〜4 例示化合物化P−10で示されるペリレン系化合物を0
重量部、4重量部、105重量部、150重量部とした
以外は実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同
様の測定条件で感光体の半減露光量、繰り返し特性及び
1時間放置後の帯電電位の測定を行った。結果を表4に
与える。
【0046】
【表4】
【0047】比較例1及び比較例2では感度及び繰り返
し特性が良好であるが、2回転目の帯電性に比べて1回
転目の帯電性が非常に悪い。また、比較例3及び比較例
4では感度はあまり悪くないが、繰り返し特性及び1回
転目の帯電性が非常に悪い。それに対して、表3及び表
4から明らかなように、実施例1〜7では感度、繰り返
し特性ともに優れ、1回転目の帯電性も良好であるのが
分かる。その中でも、τ型無金属フタロシアニン顔料と
例示化合物P−10で示されるペリレン系化合物の重量
比が4:1〜2:1である実施例4及び実施例5では、
1回転目の帯電性が特に優れている。
【0048】実施例8 特願平9−154707号に記載の合成法によりチタニ
ルフタロシアニン顔料を合成した。このチタニルフタロ
シアニン顔料はCuKα1.541オンク゛ストロームのX線に
対するブラッグ角(2θ±0.2°)が27.4°に主
たるピークを有し、他のピークの強度比(他のピークの
強度/27.4°のピーク強度)は最大で0.13であ
る。次に、前記チタニルフタロシアニン顔料10重量
部、例示化合物P−5で示されるペリレン系化合物3重
量部、ポリエステル樹脂(東洋紡製;V220)10重
量部、水10重量部をジクロロメタン250重量部に混
合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー装
置により直径1mmの低アルカリガラスビーズ(小原光
学製;ハイビーD・20)と共に5時間分散した。さら
にメチルエチルケトン750重量部を加えて2時間分散
した。
【0049】こうして得た顔料分散液を金属アルミニウ
ム薄板(JIS規格 #1050)上に、アプリケータ
ーにて塗布し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。次に、下記構造を有するスチリル化合物100重量
部、ポリアリレート樹脂(ユニチカ製;U−ポリマー)
100重量部、DL−α−トコフェロール(理研ビタミ
ン製;E1000)1重量部を、ジクロロメタン200
0重量部に溶解させて、前記電荷発生層上に、この溶液
をアプリケーターにて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷
移動層を形成した。
【0050】
【化6】
【0051】このように作製した電子写真感光体を、室
温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定条件
で感光体の半減露光量、繰り返し特性及び1時間放置後
の帯電電位の測定を行った。結果を表5に与える。
【0052】実施例9 例示化合物P−5で示されるペリレン系化合物の代わり
に例示化合物化P−3で示されるペリレン系化合物を用
いた以外は実施例8と同様に感光体を作製し、実施例1
と同様の測定条件で感光体の半減露光量、繰り返し特性
及び1時間放置後の帯電電位の測定を行った。結果を表
5に与える。
【0053】比較例5〜6 例示化合物P−5で示されるペリレン系化合物の代わり
に、下記化7で示されるペリレン系化合物、下記化8で
示されるペリレン系化合物を用いた以外は実施例8と同
様に感光体を作製し、実施例1と同様の測定条件で感光
体の半減露光量、繰り返し特性及び1時間放置後の帯電
電位の測定を行った。結果を表5に与える。
【0054】
【化7】
【0055】
【化8】
【0056】
【表5】
【0057】比較例5及び比較例6では感度及び繰り返
し特性はあまり悪くないが、2回転目の帯電性に比べて
1回転目の帯電性が非常に悪い。それに対して、表5か
ら明らかなように、実施例8及び実施例9では感度、繰
り返し特性ともに優れ、1回転目の帯電性も良好である
のが分かる。その中でも、例示化合物P−3で示される
ペリレン系化合物を用いた場合より例示化合物P−5で
示されるペリレン系化合物を用いた場合の方が、1回転
目の帯電性がやや良好になっている。
【0058】実施例10 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
1重量部をメタノール100重量部に溶解させ、酸化チ
タン(ルチル型、堺化学製;R−310)9重量部を混
合し、レッドデビル社製のペイントコンディショナー装
置により直径1mmのジルコニアビーズ(ニッカトー
製;YTZ)と共に5時間分散した。こうして得た酸化
チタン分散液を金属アルミニウム薄板(JIS規格 #
1050)上に、浸漬塗布方法により塗布し、膜厚0.
5μmの下引き層を形成した。
【0059】次に、X型無金属フタロシアニン顔料(山
陽色素製;GD−3250)10重量部、例示化合物P
−16で示されるペリレン系化合物5重量部、ブチラー
ル樹脂(積水化学製;BM−S)8重量部をテトラヒド
ロフラン1000重量部に混合し、レッドデビル社製の
ペイントコンディショナー装置により直径1mmの低ア
ルカリガラスビーズ(小原光学製;ハイビーD・20)
と共に12時間分散した。こうして得た顔料分散液を金
属アルミニウム薄板(JIS規格 #1050)上に、
浸漬塗布方法により塗布し、膜厚約0.2μmの電荷発
生層を形成した。
【0060】次に、下記構造を有するブタジエン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
製;Z−400)100重量部、DL−α−トコフェロ
ール(理研ビタミン製;E1000)1重量部を、ジク
ロロメタン2000重量部に溶解させて、前記電荷発生
層上に、この溶液を浸漬塗布方法により塗布し、乾燥膜
厚30μmの電荷移動層を形成した。
【0061】
【化9】
【0062】このように作製した電子写真感光体を、室
温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定条件
で感光体の半減露光量、繰り返し特性及び1時間放置後
の帯電電位の測定を行った。結果を表6に与える。
【0063】実施例11 前記X型無金属フタロシアニン顔料の代わりにτ型無金
属フタロシアニン顔料(東洋インキ製;TPA−89
1)を用いた以外は実施例10と同様に感光体を作製
し、実施例1と同様の測定条件で感光体の半減露光量、
繰り返し特性及び1時間放置後の帯電電位の測定を行っ
た。結果を表6に与える。
【0064】比較例7〜8 例示化合物P−16で示されるペリレン系化合物の代わ
りに、前記化8で示されるペリレン系化合物、下記化1
0で示されるビスアゾ顔料を用いた以外は実施例10と
同様に感光体を作製し、実施例1と同様の測定条件で感
光体の半減露光量、繰り返し特性及び1時間放置後の帯
電電位の測定を行った。結果を表6に与える。
【0065】
【化10】
【0066】
【表6】
【0067】比較例7及び比較例8では感度及び繰り返
し特性は良好であるが、2回転目の帯電性に比べて1回
転目の帯電性が非常に悪い。それに対して、表6から明
らかなように、実施例10及び11では感度、繰り返し
特性ともに優れ、1回転目の帯電性も良好であるのが分
かる。その中でも、電荷発生物質として前記X型無金属
フタロシアニン顔料を用いた場合より前記τ型無金属フ
タロシアニン顔料を用いた場合の方が、感度及び1回転
目の帯電性がやや良好になっている。比較例8は帯電、
除電の5000回の繰り返し後では実施例10及び実施
例11と特に大きな差は見られなかったが、10000
回の繰り返し後になると表6に示したように1回転目の
帯電性が悪くなってしまう。
【0068】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、電子写真プロセスにより画像形成を行う際に、高感
度で繰り返し安定性が優れ、さらに1回転目から良好な
帯電性を示す電子写真感光体を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生物
    質としてフタロシアニン顔料を含む電荷発生層、電荷移
    動物質を含む電荷移動層を順次積層してなる電子写真感
    光体において、前記電荷発生層が下記一般式(1)で表
    されるペリレン系化合物を含有し、前記フタロシアニン
    顔料と前記ペリレン系化合物の重量比が20:1〜1:
    1であることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、Rは置換基を有していてもよいアリール基を示
    す。)
  2. 【請求項2】 前記フタロシアニン顔料がτ型無金属フ
    タロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記フタロシアニン顔料がチタニルフタ
    ロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1記載の
    電子写真感光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009115944A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びカラー画像形成装置

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JP2009115944A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びカラー画像形成装置

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