JP2001125288A - 電子写真感光体製造用塗布液 - Google Patents

電子写真感光体製造用塗布液

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JP2001125288A
JP2001125288A JP30181499A JP30181499A JP2001125288A JP 2001125288 A JP2001125288 A JP 2001125288A JP 30181499 A JP30181499 A JP 30181499A JP 30181499 A JP30181499 A JP 30181499A JP 2001125288 A JP2001125288 A JP 2001125288A
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JP30181499A
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Hideya Arisue
英也 有末
Tamotsu Horiuchi
保 堀内
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗布液保存時の安定性に優れた電子写真感光体
製造用塗布液を提供すること。 【解決手段】少なくともビスフェノールA型ポリカーボ
ネート樹脂及び電荷移動物質をテトラヒドロフランに溶
解してなる電子写真感光体製造用塗布液において、アミ
ド基、スルホン基、スルホキシド基から選ばれる一つの
官能基を分子内に有する化合物を含有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体にお
ける感光層を形成するための電子写真感光体製造用塗布
液に関するものであり、詳しくは、塗布液保存時の安定
性に優れた電子写真感光体製造用塗布液に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】有機光導電性化合物を主成分とする感光
層を有する電子写真感光体は、製造が比較的容易である
こと、安価であること、取り扱いが容易であることなど
多くの利点を有し、近年多くの注目を集めている。この
ような有機光導電性化合物としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールが良く知られており、これと2,4,7−
トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸とから形成
される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有する電子
写真感光体が特公昭50−10469号公報に記載され
ている。しかしながら、この感光体は感度、成膜性、お
よび耐久性において必ずしも満足できるものではない。
【0003】これに対し、ヒドラゾン系化合物やピラゾ
リン系化合物に代表される低分子量の有機光導電性化合
物を適当なバインダー樹脂と組み合わせる事により、成
膜性については大幅な改善が図られたが、感度や耐久性
に関してはまだまだ十分とは言えない。このようなこと
から、近年、電荷発生機能と電荷移動機能を別個の物質
に分担させるようにした、機能分離型感光体が提案され
た。この構成において、特に高い電荷発生能力を有する
有機顔料を電荷発生物質として用い、これとヒドラゾン
系化合物やスチルベン系化合物などの高い電荷移動能力
を持つ電荷移動物質を組み合わせることにより帯電特性
や感度が大きく改善され、セレン等の無機感光体に近い
感度を有するものも出現している。その結果、複写機や
光プリンター等の分野に、これらのタイプの有機光導電
性化合物を主成分とする電子写真感光体が大きく進出し
ている。
【0004】これら有機感光体の製造方法としては、製
造コストが低い塗布法が主に用いられている。塗布法に
おいては、有機光導電性化合物をバインダー樹脂と共に
溶媒中に分散あるいは溶解した感光層塗布液を、導電性
支持体上に塗布、乾燥することにより感光体を形成す
る。一般的に機能分離型感光体では、感光層表面はトナ
ーや転写紙、クリーニング部材等に接するため耐磨耗性
が要求され、表面に位置する感光層を構成するバインダ
ー樹脂として機械的強度が高いポリカーボネート樹脂が
用いられることが多い。このようなポリカーボネート樹
脂として、一般的で安価なビスフェノールA型ポリカー
ボネート樹脂が広く用いられている。
【0005】機能分離型感光体においては電荷移動物質
を含有する感光層の膜厚は比較的厚い傾向にあるため、
感光層塗布液の粘度をある程度高くしなければならず、
バインダー樹脂濃度を高くすることが必要である。バイ
ンダー樹脂としてビスフェノールA型ポリカーボネート
樹脂を用いる場合には、溶解する溶媒として該樹脂の溶
解能が高く塗布液の保存安定性が良い溶媒を用いなけれ
ばならない。このような溶媒として、有機溶剤の中で主
にクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用い
られてきた。
【0006】しかし、近年の環境問題対策の観点からハ
ロゲン元素を含む有機溶剤の使用規制が唱えられるよう
になり、ハロゲン化炭化水素も制限を受けるようになっ
てきた。そこで、電子写真感光体の感光層塗布液の溶媒
として、ハロゲン化炭化水素の代替品としてテトラヒド
ロフランが用いられることが多くなってきた。しかし、
テトラヒドロフランではビスフェノールA型ポリカーボ
ネート樹脂の溶解安定化の能力が低いため、塗布液保管
中に溶解したビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂
が結晶化して塗布液中に析出し塗布液寿命が著しく短く
なり、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が使用
できない。このため、機能分離型感光体において、電荷
移動物質を含有する感光層塗布液の溶媒としてテトラヒ
ドロフランを用いる場合には、バインダー樹脂としてテ
トラヒドロフランに易溶で安定な、高価な特殊ポリカー
ボネート樹脂を用いなければならず、感光体製造コスト
が著しく上昇する要因になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真感光体感光層を形成するための、塗布液保存時の安
定性に優れた電子写真感光体製造用塗布液を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討を行った結果、少なくとも
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂及び電荷移動
物質をテトラヒドロフランに溶解してなる電子写真感光
体製造用塗布液において、アミド基、スルホン基、スル
ホキシド基から選ばれる一つの官能基を分子内に有する
化合物を含有することにより、保存時の安定性に優れた
塗布液が得られることを見い出した。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要素について
詳細に説明する。
【0010】本発明では、電子写真感光体製造用塗布液
を導電性支持体上に塗布することにより感光層を形成す
る。感光層の形態としては、電荷発生物質と電荷移動物
質を分散混合した機能分離単層型、電荷発生物質と電荷
移動物質を分離した機能分離積層型などにより構成され
る。本発明は何れの系にも適用させることが可能である
が、電荷発生物質と電荷移動物質の性能を最大限に生か
し易い機能分離積層型感光体の系における電荷移動層形
成用塗布液において用いられるのが好ましい。
【0011】電荷移動層形成用塗布液は、少なくともバ
インダー樹脂と有機電荷移動物質、必要に応じて添加剤
等を溶媒中に溶解して構成される。本発明で使用される
バインダー樹脂としては少なくともビスフェノールA型
ポリカーボネート樹脂を用いる。ビスフェノールA型ポ
リカーボネート樹脂とは、下記化学式(1)の繰り返し
単位で示されるポリ(4,4′−イソプロピリデンジフ
ェニル)カーボネートの事である。
【0012】
【化1】
【0013】また本発明の電荷移動層形成用塗布液に
は、必要に応じてポリスチレン樹脂、ポリメチルメタク
リレートに代表されるアクリル樹脂、ビフェニルやビス
フェノールZ骨格を持つ特殊ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂等を更に加え用いることができる。
【0014】本発明で使用される有機電荷移動物質には
正孔移動物質と電子移動物質がある。前者の例として
は、例えば特公昭34−5466号公報に示されている
オキサジアゾール類、特公昭45−555号公報に示さ
れているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188
号公報に示されているピラゾリン類、特公昭55−42
380号公報に示されているヒドラゾン類、特開昭56
−123544号公報に示されているオキサジアゾール
類、特公昭58−32372号公報に示されているトリ
アリールアミン類、特開昭58−198043号公報に
示されているスチルベン類等をあげることができる。一
方、電子輸送物質としては、例えばクロラニル、テトラ
シアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンなどがあ
る。これらの電荷移動物質は単独または2種以上組み合
わせて用いることが出来る。
【0015】これらの電荷移動物質のなかで、ヒドラゾ
ン類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度をもち、
優れた感光体を提供するため好ましい。ヒドラゾン類の
中では、特開平1−100555号公報、同2−103
67号公報、同2−51163号公報、同2−9676
7号公報、同2−183260号公報、同2−1848
56号公報、同2−184858号公報、同2−184
859号公報、同2−226160号公報、同5−18
8609号公報、同7−140686号公報に記載の化
合物が特に好ましい。またスチルベン類の中では、特開
平2−51162号公報、同2−184857号公報、
同3−75660号公報、同4−177358号公報、
同6−194851号公報、同7−120945号公
報、同7−140683号公報、同10−78671号
公報、同10−90923号公報に記載の化合物が特に
好ましい。
【0016】本発明で使用される溶媒としては少なくと
もテトラヒドロフランを用い、必要に応じてトルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素、1,3−ジオキソラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、
酢酸ブチル等のエステル系、等の有機溶剤を更に加え用
いることができる。
【0017】本発明の電荷移動層形成用塗布液には、ビ
スフェノールA型ポリカーボネート樹脂の溶解安定化の
ためにアミド基、スルホン基、スルホキシド基から選ば
れる一つの官能基を分子内に有する化合物を含有する。
上記化合物としては、ホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジ−n−ブチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリ
ド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ−n−ブチルア
セトアミド、N−アセチル−ジフェニルアミン、プロピ
オンアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチル
プロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミ
ド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、2−ピロリド
ン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジフ
ェニルスルホン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、
ジフェニルスルホキシド等が挙げられるがこれらに限定
されるわけではない。
【0018】さらに、構成有機化合物を酸化による劣化
から保護するために、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、DL−α−トコフェロール等の酸化防止剤を
添加してもよい。また塗布膜の成膜性、可撓性、機械的
強度を向上させるために周知のレベリング剤や可塑剤等
を添加してもよい。
【0019】電荷移動層形成用塗布液中のバインダー樹
脂と有機電荷移動物質の構成比は、1/5〜5/1の範
囲で用いられる。アミド基、スルホン基、スルホキシド
基から選ばれる一つの官能基を分子内に有する化合物の
含有量は、少ないと十分な効果を得にくく多すぎると感
光体としたときの電子写真特性に悪影響を与えるので、
ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂に対し5重量
%以上、50重量%以下が好ましい。溶媒がテトラヒド
ロフラン単独の場合、ビスフェノールA型ポリカーボネ
ート樹脂の溶解量は、テトラヒドロフランに対し最大で
20重量%であるので、アミド基、スルホン基、スルホ
キシド基から選ばれる一つの官能基を分子内に有する化
合物の含有量は、テトラヒドロフランに対し最大で10
重量%である。
【0020】本発明により形成される機能分離積層型感
光体では、少なくとも有機電荷発生物質と必要に応じて
バインダーを含有する電荷発生層形成用塗布液を、必要
に応じて下引き層を塗布した導電性支持体上に塗布する
ことにより電荷発生層を形成し、さらに、上記電荷移動
層形成用塗布液を電荷発生層上に塗布することにより電
荷移動層を形成する。電荷発生層の厚さは、0.1から
20μmが好ましく、電荷移動層の厚さは、5から10
0μmが好ましい。
【0021】電荷発生層形成用塗布液を製造する際は、
有機電荷発生物質が溶媒に不溶な成分である時は、ボー
ルミル、サンドグラインドミル、ペイントコンディショ
ナー、ダイノミル、及びアトライター等の分散機により
溶媒中に分散して用いる。用いられる溶媒としては、
1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル系、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル
等のエステル系、等の有機溶剤の単独または2種以上の
混合溶剤、または必要に応じてシクロヘキサノン等の溶
剤を更に加え使用することができる。
【0022】各層の塗布方法としては回転塗布、ブレー
ド塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ロッドバー
塗布、及びスプレー塗布の様な公知の方法を用いること
が出来、特にドラム状支持体に塗工する場合には、浸漬
(ディップ)塗布方法等が用いられる。塗膜乾燥工程で
は、自然乾燥や加熱乾燥が用いられる。
【0023】感光体が形成される導電性支持体としては
周知の電子写真感光体に採用されているものが何れも使
用できる。具体的には例えば、アルミニウム、銅等の金
属ドラムまたはシート、あるいはこれらの金属箔のラミ
ネート物、蒸着物等が挙げられる。更に、金属粉末、カ
ーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解物等の導電性物
質を適当なバインダーとともに塗布して導電処理を施し
たプラスチックフィルム、プラスチックドラム、紙等が
挙げられる。また、金属粉末、カーボンブラック、炭素
繊維等の導電性物質を含有し、導電性となったプラスチ
ックのシートやドラムが挙げられる。
【0024】感光体の構成中には、感光層と導電性支持
体の間に、感光層と導電性支持体の間の電荷の注入をコ
ントロールする目的や、感光層と導電性支持体との接着
性を高める目的や、画像欠陥を防止する目的のために下
引き層を必要に応じて設け、また感光層表面には感光体
の耐磨耗性やガスバリヤ性を向上させるために表面層を
設けても構わない。
【0025】下引き層は、バインダー樹脂単独あるい
は、バインダー樹脂と無機顔料等との混合で構成され
る。バインダー樹脂としてはポリアミド、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、無機顔料としては酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
【0026】電荷発生層に使用される有機電荷発生物質
としては、モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ
顔料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料および
チアゾールアゾ顔料等に代表されるアゾ系顔料、ペリレ
ン無水物及びペリレン酸イミド等に代表されるペリレン
系顔料、アントラキノン誘導体、アンスアンスロン誘導
体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導
体、ビオラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導
体等に代表されるアントラキノン系または多環キノン系
顔料、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、無
金属フタロシアニン、無金属ナフタロシアニンなどに代
表されるフタロシアニン系顔料、ポルフィリン誘導体等
の顔料と、メチルバイオレットに代表されるトリフェニ
ルメタン染料、キニザリン等のキノン染料やピリリウム
塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリウム塩等の染料が挙
げられる。
【0027】これらの中で、フタロシアニン系顔料は特
にキャリア発生効率が高く、高い感度を与え優れた感光
体を提供するため好ましい。フタロシアニン系顔料の例
としては、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、チ
タン、ガリウム、ゲルマニウム、バナジウム等の金属、
又はその酸化物、塩化物、水酸化物等の配位したフタロ
シアニン類やそれらの混晶体、ナフタロシアニン類等が
挙げられる。これらの中で、チタニルフタロシアニン
(チタニルオキシフタロシアニン)を用いたものは特に
好ましい。
【0028】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
【0029】チタニルフタロシアニンを例にとると、特
開昭61−217050号公報では、X線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.6°、
10.2°、22.3°、25.3°、28.6°に主
たる回折ピークを有するα形チタニルフタロシアニン、
特開昭62−67094号公報には9.3°、10.6
°、13.2°、15.1°、15.7°、16.1
°、20.8°、23.3°、26.3°、27.1°
に主たる回折ピークを有するβ形チタニルフタロシアニ
ン、特開昭64−17066号公報には9.5°、9.
7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1
°、27.3°に主たる回折ピークを有するY形チタニ
ルフタロシアニンが報告されており、全てのチタニルフ
タロシアニンが使用できるが、Y形に代表される、X線
回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)
が27.2°に主要なピークを示すチタニルフタロシア
ニンは、特に高い感度を与え優れた感光体を提供するた
め好ましい。
【0030】電荷発生層に使用されるバインダー樹脂と
してはスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メ
タアクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や
共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール
樹脂、ホルマール樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
イミド樹脂等やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化
性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。バインダーは電
荷発生物質100重量部に対し1から1000重量部、
好ましくは1から400重量部の範囲で用いられる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0032】実施例1 ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(帝人化成
製;パンライトC−1400)6.0重量部、ポリエス
テル樹脂(東洋紡製;バイロン290)4.0重量部、
下記化学式(2)で示されるスチルベン化合物10.0
重量部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.
1重量部を、テトラヒドロフラン80.0重量部に溶解
し、更にN,N−ジメチルホルムアミド1.0重量部を
加えた。この電荷移動層形成用塗液を密閉容器に入れ室
温暗中で保存し液の様子の変化を調べた。結果を表1に
示す。
【0033】
【化2】
【0034】次に、アルコール可溶性ナイロン(東レ
製;CM−8000)5重量部を、メタノール60重量
部と1,3−ジオキソラン40重量部の混合溶剤に溶解
させ、それに酸化チタン(石原産業製;TTO−S−
1)5重量部を混合し、直径1mmのジルコニアビーズ
と共にサンドグラインドミルを用いて5時間分散して下
引き層形成用塗液を作製した。この下引き層形成用塗布
液にアルミニウムドラム素管を浸漬塗布し、自然乾燥し
て乾燥膜厚0.5μmの下引き層を形成した。
【0035】続いて、CuKα線を用いたX線回折スペ
クトルが図1に示す結晶形を持つチタニルフタロシアニ
ン顔料1重量部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂(G
OODYEAR製;Pliolite S−5D)1重量部をテ
トラヒドロフラン100重量部に混合し、直径1mmの
低アルカリガラスビーズと共にサンドグラインドミルを
用いて2時間分散した。こうして得た電荷発生層形成用
塗液を前記下引き層上に浸漬塗布し、自然乾燥して乾燥
膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0036】更に、前記電荷移動層形成用塗液を前記電
荷発生層上に浸漬塗布し、115℃で2時間加熱乾燥し
て乾燥膜厚25μmの電荷移動層を形成した。
【0037】このように作製した電子写真感光体を室温
暗所で一昼夜保管した後、室温23℃、相対湿度55%
の条件下において、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク製;シンシア90)を用いて、プロセス速度:190
mm/秒、帯電電圧:−7.0kV、露光光波長:78
0nm、露光光強度:2μW/cm2、光除電:タング
ステンランプアレイ、の条件で、帯電、露光、除電プロ
セスを行い半減露光量を測定した。また、このプロセス
を10000回繰り返して行ない、その前後で、感光体
の帯電電位及び残留電位を測定した。これらの結果を表
2に示す。
【0038】実施例2〜11 電荷移動層形成用塗液に添加化合物として、N,N−ジ
メチルホルムアミド1重量部を添加する代わりに表1に
示す化合物を表1に示す添加量で添加した以外は実施例
1と同様に電荷移動層形成用塗液及び電子写真感光体を
作製し、実施例1と同様の測定、評価を行った。結果を
表1、2に示す。
【0039】比較例1〜5 電荷移動層形成用塗液に添加化合物として、N,N−ジ
メチルホルムアミド1重量部を添加する代わりに表3に
示す化合物を表3に示す添加量で添加(比較例1は無添
加)した以外は実施例1と同様に電荷移動層形成用塗液
及び電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の測定、
評価を行った。結果を表3、4に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】実施例1、2、5〜11は本発明の特許請
求の範囲の請求項1、2、3に該当し、実施例3、4は
本発明の特許請求の範囲の請求項1、2に該当し、比較
例1〜5よりも優れた特性を示す。実施例1、2、と実
施例3、4は両群とも優れた特性を示すが、両群を比較
すると実施例1、2の方がより優れている。
【0045】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、塗布液保存時の安定性に優れた電子写真感光体製造
用塗布液を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折スペクトル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともビスフェノールA型ポリカー
    ボネート樹脂及び電荷移動物質をテトラヒドロフランに
    溶解してなる電子写真感光体製造用塗布液において、ア
    ミド基、スルホン基、スルホキシド基から選ばれる一つ
    の官能基を分子内に有する化合物を含有することを特徴
    とする電子写真感光体製造用塗布液。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体製造用塗布液が、機能分
    離積層型電子写真感光体の電荷移動層形成用塗布液であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体製造
    用塗布液。
  3. 【請求項3】 アミド基、スルホン基、スルホキシド基
    から選ばれる一つの官能基を分子内に有する化合物の含
    有量が、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂に対
    し5重量%以上、50重量%以下であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の電子写真感光体製造用
    塗布液。
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