JP2001337469A - 単層型電子写真感光体 - Google Patents

単層型電子写真感光体

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JP2001337469A
JP2001337469A JP2000159535A JP2000159535A JP2001337469A JP 2001337469 A JP2001337469 A JP 2001337469A JP 2000159535 A JP2000159535 A JP 2000159535A JP 2000159535 A JP2000159535 A JP 2000159535A JP 2001337469 A JP2001337469 A JP 2001337469A
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JP2000159535A
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Akiyoshi Urano
彰良 浦野
Masanori Uchida
真紀 内田
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Kyocera Mita Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】オーバーコートを施さないで、アイソパーに浸
漬させても感光体表面の外観変化がなく、耐アイソパー
性に優れ(電荷輸送剤のアイソパーへの溶出が極めて少
ない)、且つ実用感度を有する単層型電子写真感光体を
提供することである。 【解決手段】導電性基体上に少なくとも電荷発生剤、ホ
ール輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂から構成さ
れる感光層を形成し、ホール輸送剤としてスチルベン誘
導体、及び電子輸送剤としてナフトキノン誘導体を含有
することを特徴とした単層型電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式複写
機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の画像形
成装置に用いられる電子写真感光体に関するものであ
る。より詳細には、湿式現像方式を利用した画像形成装
置に使用可能な単層型の有機感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カールソンプロセスを利用した電子写真
現像方式は、乾式現像方式と湿式現像方式に大別され
る。乾式現像方式を用いた画像形成装置は、複写機、プ
リンタ等、現在広く一般的に使用されているが、湿式現
像方式を用いた画像形成装置は、古くから開発されてい
るにもかかわらず、特殊な分野でしか使用されていない
のが現状である。
【0003】しかしながら、湿式現像方式を利用した画
像形成装置は、一般に、アイソパーと呼ばれる炭化水素
系溶媒中にトナーが分散されており、トナー粒径を1μ
m以下にまですることが可能であるため、得られる画像
は非常に高画質となる。このため、近年の高画質が求め
られるフルカラープリンターの市場拡大にともない、再
び脚光を浴びてきている。
【0004】湿式現像方式を利用した画像形成装置は、
前述のようにアイソパーと呼ばれる溶媒を現像液として
使用するため、感光体ドラムの全部または一部が、この
溶媒中に浸漬される。このため、アイソパー中に感光体
成分が溶出しないセレン、アモルファスシリコン等の無
機感光体が使用されているのが一般的である。
【0005】一方、有機感光体は、従来の無機感光体に
比べて製造が容易であり、コストが安く、電荷輸送剤、
電荷発生剤、結着樹脂等の感光体材料の選択肢が多様
で、機能設計の自由度が高いという利点を有することか
ら、近年、広く用いられている。
【0006】有機感光体には、電荷輸送剤(ホール輸送
剤、電子輸送剤)を電荷発生剤とともに同一の感光層中
に分散させた単層型感光体と、電荷発生剤を含有する電
荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層し
た積層型感光体とがある。
【0007】特に、構造が簡単で製造が容易であるこ
と、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制できること、層間
の界面が少なく、光学的特性を向上できること等によ
り、単層型感光体が非常に脚光を浴びている。単層型感
光体は正負いずれの帯電型にも使用することができる
が、感光体構成材料の特性により、一般的には正帯電型
が現在のところ主流となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般の
有機感光体を、湿式現像方式を利用した画像形成装置に
使用する場合、前述のように感光体ドラムの全部または
一部が前記アイソパー中に浸漬されるため、感光体表面
にヒビ割れ等の外観変化が発生し、電荷輸送剤(ホール
輸送剤、電子輸送剤)等の低分子量物質がアイソパー中
に溶出し、帯電が低下したり、感度が悪化するといった
現象が発生し、良好な画像が得られ難くなる。
【0009】そこで、有機感光体の表面にさらにシリコ
ン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
でオーバーコート(表面保護層)を施した有機感光体を
使用することにより耐アイソパー性が発現し、電荷輸送
剤の溶出を防ぐことが提案されている。しかし、オーバ
ーコートを施すことにより感度が著しく悪化し、また製
造コストが高くなるという大きな問題が新たに生じる。
【0010】一方、オーバーコートを施さない方法とし
ては、バインダー樹脂自体に電荷輸送能を付与(CTポ
リマー)し、電荷輸送剤の含有率をゼロ、もしくは減少
させることにより、耐アイソパー性を発現させることが
提案されているが、CTポリマーの分子設計は非常に困
難で、電子写真感光体としての実用感度にはほど遠い。
【0011】そこで、本発明の目的は、オーバーコート
を施さないで、アイソパーに浸漬させても感光体表面の
外観変化がなく、耐アイソパー性に優れ(電荷輸送剤の
アイソパーへの溶出が極めて少ない)、且つ実用感度を
有する単層型電子写真感光体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、上記目的を達成するために、導電性基体上に少な
くとも電荷発生剤、ホール輸送剤、電子輸送剤及びバイ
ンダー樹脂から構成される感光層を形成し、その感光層
中の、バインダー樹脂重量に対する、ホール輸送剤含有
量[WHTM(wt%)]及び電子輸送剤含有量[W
ETM(wt%)]が、式(A)且つ式(B)の関係を満
足し、且つ、ホール輸送剤として一般式(1)で示され
るスチルベン誘導体、及び電子輸送剤として、一般式
(2)で示されるナフトキノン誘導体を含有する単層型
電子写真感光体が、高感度で、かつ耐アイソパー性が極
めて高く、含有しているホール輸送剤、電子輸送剤がア
イソパーに極めて溶出し難い事実を見出した。
【0013】式(A):0.6≦WHTM/WETM≦1.0 式(B):0.6≦(WHTM+WETM)/100≦1.0
【0014】更に、バインダー樹脂として、一般式
(3)で示されるジヒドロキシ化合物を用いたポリエス
テル樹脂を含有することにより、耐アイソパー性がより
向上する事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【発明の実施形態】電子写真感光体には、前述のように
単層型と積層型があり、単層型であっても正帯電型と負
帯電型がある。本発明の電子写真感光体は、単層型電子
写真感光体に関するもので、特に耐アイソパー性に優れ
るため、前述の湿式現像方式を用いた画像形成装置に使
用可能である。
【0016】単層型電子写真感光体は、導電性基体上に
単一の感光層を設けたものである。この感光層は、電荷
発生剤、ホール輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂等
を適当な溶媒に溶解または分散させ、得られた塗布液を
導電性基体上に塗布し、乾燥させることで形成される。
【0017】次に、本発明の単層型電子写真感光体に用
いられる種々の材料について詳細に説明する。
【0018】<電荷発生剤>本発明の単層型電子写真感
光体に用いられる電荷発生剤としては、例えば、種々の
フタロシアニン系化合物、多環ナフトキノン系化合物、
アゾ系化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、
キナクリドン系化合物、アズレニウム塩系化合物、スク
エアリウム系化合物、シアニン系化合物、ピリリウム系
化合物、チオピリリウム系化合物、キサンテン系化合
物、ナフトキノンイムン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素、セレン、テルル、アモルファスシリ
コン、硫化カドミウム等があげられ、単独または2種類
以上をブレンドして使用することができる。
【0019】特に、デジタル画像形成装置において、レ
ーザを光源とする場合、小型・安価・簡便さ等の点か
ら、多くは半導体レーザ、LEDが使用される。従っ
て、少なくとも700〜850nmの波長領域に感度を
有する有機感光体が必要である。前記要求を満たす、有
機感光体に使用される電荷発生剤としてフタロシアニン
系化合物が実用化されている。
【0020】一般的にフタロシニン系化合物は、中心金
属を有さないメタルフリーフタロシニンと、近年研究開
発が活発に行われているチタニルフタロシアニン、及
び、アルミニウムフタロシアニン、バナジウムフタロシ
ニン、カドミウムフタロシアニン、アンチモンフタロシ
ニン、クロムフタロシニン、銅4−フタロシニン、ゲル
マニウムフタロシニン、鉄フタロシニン、クロロアルミ
ニウムフタロシニン、クロロインジウムフタロシアニ
ン、クロロガリウムフタロシニン、マグネシウムフタロ
シニン、ジアルキルフタロシニン、テトラメチルフタロ
シニン、テトラフェニルフタロシニン等の中心金属を有
する金属フタロシアニンとに分類され、α型、β型、γ
型、δ型、ε型、σ型、x型、τ型等の結晶型のものが
あっていずれも使用可能である。
【0021】上記電荷発生剤は、バインダー樹脂重量に
対して0.1〜50重量%、更には0.5〜30重量%
含有させることが好ましい。
【0022】<ホール輸送剤>本発明の単層型電子写真
感光体に使用されるホール輸送剤の全含有量は、耐アイ
ソパー性を満足させるため、請求項1の式(A)且つ式
(B)を満足する必要がある。
【0023】式(A):0.6≦WHTM/WETM≦1.0 式(B):0.6≦(WHTM+WETM)/100≦1.0 (WHTM:ホール輸送剤含有量、WETM:電子輸送剤含有
量)
【0024】式(A)且つ式(B)を満足すると耐アイ
ソパー性が向上する理由は定かでないが、ホール輸送剤
と電子輸送剤との相互作用、及び総含有量が耐アイソパ
ー性に大きな影響を及ぼすためと推測される。
【0025】本発明の単層型電子写真感光体の耐アイソ
パー性及び光感度を更に向上させるためには、ホール輸
送剤自体のアイソパーに対する溶解性が小さく、且つ少
ない含有量でホール輸送性が高いことが好ましい。この
条件を満足するホール輸送剤として、一般式(1)で表
わされるスチルベン誘導体が好適に使用される。
【0026】また、ホール輸送剤として、該スチルベン
誘導体を使用する場合、少なくとも1種類以上含有すれ
ばよい。すなわち該スチルベン誘導体とともに他のホー
ル輸送剤を含有していてもよい。
【0027】<電子輸送剤>本発明の単層型電子写真感
光体に使用される上記の電子輸送剤の全含有量は、ホー
ル輸送剤含有量の場合と同様に、耐アイソパー性を満足
させるため、請求項1の式(A)且つ式(B)を満足す
る必要がある。
【0028】本発明の単層型電子写真感光体の耐アイソ
パー性及び光感度を更に向上させるためには、ホール輸
送剤の場合と同様、電子輸送剤自体のアイソパーに対す
る溶解性が小さく、且つ少ない含有量で電子輸送性が高
いことが好ましい。この条件を満足する電子輸送剤とし
て、一般式(2)で表わされるナフトキノン誘導体が好
適に使用される。
【0029】また、電子輸送剤として、該ナフトキノン
誘導体を使用する場合、少なくとも1種類以上含有すれ
ばよい。すなわち該ナフトキノン誘導体とともに、他の
電子輸送剤を含有していてもよい。
【0030】上記の耐アイソパー性が更に向上する理由
として、一般式(1)、(2)で示される電荷輸送剤自
体がアイソパーに対して溶解性が小さいこと、且つ電荷
輸送性が高いため少ない含有量で感光体の光感度が十分
に確保されること以外に、一般式(1)で示されるホー
ル輸送剤と一般式(2)で示される電子輸送剤は、両者
の間で電荷輸送錯体を形成するため、アイソパーへ溶出
し難くなっている可能性も考えられる。
【0031】<結着樹脂>前記各成分を分散させるため
の結着樹脂は、従来から感光層に使用されている種々の
樹脂を使用することができる。例えば、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合
体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキド樹
脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その
他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレ
タン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可
能である。
【0032】本発明の単層型電子写真感光体の耐アイソ
パー性を更に向上させるためには、電荷輸送剤が分子分
散しているバインダー樹脂の極性が高いことが好まし
い。これは、アイソパーの極性が低いためバインダー樹
脂の極性が高い方が、感光体表面とアイソパーの相互作
用が小さくなり、耐アイソパー性が向上すると考えられ
る。この条件を満足するバインダー樹脂としては、特に
一般式(3)で示されるジヒドロキシ化合物を用いた実
質的に線状の重合体であるポリエステル樹脂が好適に使
用される。
【0033】また、バインダー樹脂として、前記ポリエ
ステル樹脂を使用する場合、少なくと1種類以上含有す
ればよい。すなわちポリエステル樹脂とともに、前記例
のバインダー樹脂をブレンド、共重合等により含有して
いてもよい。
【0034】一般式(3)で示されるジヒドロキシ化合
物を用いた実質的に線状の重合体であるポリエステル樹
脂、及び前記例のバインダー樹脂の重量平均分子量は
5,000〜200,000、更には15,000〜1
00,000が好ましい。分子量が大きいほど感光体生
産効率が低下し、分子量が小さいほど耐アイソパー性が
低下する傾向がある。
【0035】本発明の単層型電子写真感光体には、前記
各成分のほかに、電子写真特性に悪影響を与えない範囲
で、従来公知の種々の添加剤、例えば、酸化防止剤、ラ
ジカル補足剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の
劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増
粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等
を配合することができる。また、感光層の感度を向上さ
せるために、例えば、テルフェニル、ハロナフトナフト
キノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生
剤と併用してもよい。
【0036】本発明の単層型電子写真感光体における感
光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μ
mである。
【0037】本発明の単層型電子写真感光体において
は、導電性基体と感光層との間に、感光体の特性を阻害
しない範囲でバリア層が形成されていてもよい。
【0038】上記感光層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ、
例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナ
ジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニ
ッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮
等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされ
たプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、
酸化インジウム等で被覆されたガラス等があげられる。
【0039】導電性基体の形状は、使用する画像形成装
置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれで
あってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは
基体の表面が導電性を有していればよい。また、導電性
基体は使用に際して十分な機械的強度を有するものが好
ましい。
【0040】前記感光層を塗布の方法により形成する場
合には、前記例示のホール輸送剤、電荷発生剤、電子受
容体、結着樹脂等を適当な溶剤とともに、公知の方法、
例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイン
トシエーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して分
散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾燥さ
せればよい。
【0041】上記分散液を作製するための溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の
アルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサ
ン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等の
エステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これ
らの溶剤は単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
【0042】更に、ホール輸送剤、電荷発生剤、電子受
容体の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために、
界面活性剤、レベリング剤等を使用してもよい。
【0043】
【実施例】以下、実施例、比較例をあげて本発明を説明
する。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例
であって、本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。
【0044】<実施例1〜7><比較例1〜21>電荷
発生材料としてX型無金属フタロシアニン(CGM)4
重量部、一般式(1)で示されるホール輸送剤(HTM
−1)、一般式(2)で示される電子輸送剤(ETM−
1)、及びバインダー樹脂として一般式(4)で示され
るジヒドロキシ化合物を用いた重量平均分子量20,0
00のポリエステル樹脂(1,1−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)フェニル]−シクロヘキサンと2,
6−ナフタレンジカルボン酸の共重合体、mol共重合
比1:1、Resin−1)100重量部、及びテトラ
ヒドロフラン800重量部を、ボールミル中で24時間
分散あるいは溶解させ、単層型感光層用塗布液を調合し
た。そして、この塗布液を、支持体としてのアルミニウ
ム素管上にディップコート法にて塗布し、110℃、3
0分間の熱風乾燥を行い、膜厚25μmの単一感光層を
有する単層型感光体を作製した。
【0045】なお、実施例1〜7、比較例1〜21のホ
ール輸送剤(HTM−1)含有量、及び電子輸送剤(E
TM−1)含有量については表1に示した。
【0046】(CGM)
【化4】
【0047】(HTM−1)
【化5】
【0048】(ETM−1)
【化6】
【0049】(Resin−1)
【化7】
【0050】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
評価結果を表1に示した。
【0051】<初期感度試験>ジェンテック(GENT
EC)社製のドラム感度試験機(商品名ジェンテックシ
ンシア30M)を用いて、各実施例、比較例の電子写真
感光体に印加電圧を加えて、その表面を+700Vに帯
電させた。次に、上記試験機の露光光源であるハロゲン
ランプの白色光からバンドパスフィルターを用いて取り
出した波長780nmの単色光(半値幅20nm,光強
度20μW)を、上記帯電状態の感光体の表面に露光
(露光時間100msec)した。そして、露光開始時
点から500msec経過した時点での表面電位を露光
後電位VL(V)として測定した。すなわち、露光後電
位が小さいほど感光体は高感度である。VLについて
は、100V以下を可、100Vより大きい場合を不可
とした。
【0052】<耐アイソパー試験>上記塗布液を使用し
て、アルミ蒸着シート上に同様の方法で膜厚25μmの
単層型感光体を作製し、5cm×5cmの試験片を得
た。次に、上記試験片を100gのアイソパーG50g
中に密閉系にて、暗所、25℃で1週間浸漬させた。一
方、UV測定におけるホール輸送剤及び電子輸送剤を所
定濃度にてアイソパーG中に強制溶解させ、各々のピー
ク波長での、濃度−吸光度検量線を作製した。そして、
試験片を浸漬したアイソパーGのUV測定を行い、前記
検量線を用いてホール輸送剤及び電子輸送剤のピーク波
長での吸光度から、溶出量を算出した。溶出量が少ない
ほど感光体の耐アイソパー性は高い。ホール輸送剤溶出
量については0.5×10-3mol/l以下を可、電子
輸送剤溶出量については3×10-3mol/l以下を可
とした。
【0053】感光体表面の外観変化は、実施例、比較例
の電子写真感光体をアイソパーGに、25℃、暗所にて
1週間浸漬させ、取り出した後、アイソパーGを自然乾
燥させ、感光体表面を目視により観察した。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果より、HTM−1含有量及びE
TM−1含有量が、式(A)且つ式(B)の関係を満足
することにより、所望の感度が得られ、且つ、感光体表
面の外観変化がなく、電荷輸送剤量の溶出量が少ないこ
とが明確である。
【0056】<比較例22、23>ホール輸送剤とし
て、HTM−2、HTM−3を使用した以外は、実施例
6と同様にして単層型感光体を作製した。
【0057】<比較例24、25>電子輸送剤として、
ETM−2、ETM−3を使用した以外は、実施例6と
同様にして単層型感光体を作製した。
【0058】<比較例26、27>バインダー樹脂とし
て、重量平均分子量20,000のポリカーボネート樹
脂(Resin−2、Resin−3)を各々単独で使
用した以外は、実施例6と同様に単層型感光体を作製し
た。
【0059】(HTM−2)
【化8】
【0060】(HTM−3)
【化9】
【0061】(ETM−2)
【化10】
【0062】(ETM−3)
【化11】
【0063】(Resin−2)
【化12】
【0064】(Resin−3)
【化13】
【0065】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記の各試験を行って、その特性を評価した。
評価結果を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】表2の結果より、ホール輸送剤として一般
式(1)で示されるスチルベン誘導体、電子輸送剤とし
て一般式(2)で示されるナフトキノン誘導体以外の化
合物を使用するとアイソパーGへの溶出量が増大した。
また、ポリカーボネート樹脂を使用した場合は、一般式
(4)で示されるジヒドロキシ化合物を用いたポリエス
テル樹脂を使用した場合よりもホール輸送剤の溶出量は
増大した。
【0068】
【発明の効果】本発明の単層型電子写真感光体はオーバ
ーコトを施さないで、アイソパーに浸漬させても感光体
表面の外観変化がなく、耐アイソパー性に優れ(電荷輸
送剤のアイソパーへの溶出が極めて少ない)ているた
め、コストが安く、湿式現像方式を利用した画像形成装
置への適用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/12 G03G 9/12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に少なくとも電荷発生剤、ホ
    ール輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂から構成さ
    れる感光層を形成し、前記感光層中のバインダー樹脂重
    量に対する、ホール輸送剤含有量[WHTM(wt%)]
    及び電子輸送剤含有量[WETM(wt%)]が、式
    (A)且つ式(B)の関係を満足し、且つ、ホール輸送
    剤として一般式(1)で示されるスチルベン誘導体、及
    び電子輸送剤として一般式(2)で示されるナフトキノ
    ン誘導体を含有することを特徴とした単層型電子写真感
    光体。 式(A):0.6≦WHTM/WETM≦1.0 式(B):0.6≦(WHTM+WETM)/100≦1.0 一般式(1): 【化1】 (一般式(1)中、R1およびR3は同一または異なっ
    て、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有して
    もよいアリール基、置換基を有してもよい、アラルキル
    基またはアルコキシ基を示し、R2およびR4は同一また
    は異なって、水素原子、置換基を有してもよい、アルキ
    ル基またはアルコキシ基を示す。但し、R2およびR4
    置換位置がパラ位の場合、R2およびR4は水素原子であ
    る。) 一般式(2): 【化2】 (一般式(2)中、R5はハロゲン原子、置換基を有し
    てもよい、アルキル基またはアリール基を示し、R6
    置換基を有してもよい、アルキル基またはアリール基、
    または基:−O−R6aを示す。R6aは、置換基を有して
    もよい、アルキル基またはアリール基を示す。)
  2. 【請求項2】前記バインダー樹脂として、一般式(3)
    で示されるジヒドロキシ化合物を用いた実質的に線状の
    重合体であるポリエステル樹脂を含有することを特徴と
    した請求項1記載の単層型電子写真感光体。 一般式(3): 【化3】 (一般式(3)中、R7は炭素数2〜4のアルキレン
    基、R8、R9、R10及びR1 1は同一または異なって、水
    素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基または
    アラルキル基を示す。nは2以上の整数である。)
  3. 【請求項3】前記バインダー樹脂の重量平均分子量が1
    5,000〜100,000であることを特徴とした請
    求項1記載の単層型電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記電荷発生剤として、フタロシアニン系
    化合物を含有することを特徴とした請求項1記載の単層
    型電子写真感光体。
  5. 【請求項5】アイソパーを使用した湿式現像方式を用い
    た画像形成装置に搭載されることを特徴とした請求項1
    記載の単層型電子写真感光体。
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