JP5069479B2 - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真感光体及び画像形成装置に関する。特に、電気特性に優れるとともに、クラックの発生及びそれに起因した黒点の発生を効果的に抑制することができる電子写真感光体及びそのような電子写真感光体を搭載した画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置等に用いられる電子写真感光体として、結着樹脂、電荷発生剤、及び電荷輸送剤(正孔輸送剤、電子輸送剤)等からなる有機感光体(OPC)が使用されている。かかる有機感光体は、従来の無機感光体に比べて、製造が容易であるとともに、感光体材料の選択肢が多様であることから、構造設計の自由度が高いという利点がある。
一方、かかる有機感光体において使用される電荷輸送剤は、電子写真感光体に対して所定の電気特性を付与すべく、優れた電荷移動速度を有する必要がある。
そこで、優れた電荷移動速度を有する正孔輸送剤として、下記一般式(26)で表されるヒドラゾン化合物が開示されている(例えば、特許文献1)。
(一般式(26)中、R21及びR22は置換されてもよいアリール基であり、R21とR22は直接もしくは連結基を介して結合してもよく、R23は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基もしくは置換されていてもよいフェニル基であり、R24及びR25はアルキル基、アラルキル基もしくは置換されていてもよいアリール基であり、少なくとも一方は置換されていてもよいアリール基である。)
特開平3−48254号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1の正孔輸送剤は、確かに電荷移動速度に優れるものの、非常に高い結晶性を有しているため、感光層が基体から剥離しやすくなったり、クラックが発生しやすくなったりするという問題が見られた。
特に、人間の手に由来する皮脂や、駆動ローラのグリース等の油成分が電子写真感光体表面に対して付着した場合には、かかる付着箇所を基点としてクラックが発生しやすくなるという問題が見られた。そして、形成画像においては、かかるクラックに起因して、黒点が発生しやすくなるという問題が見られた。
したがって、電気特性に優れるとともに、クラックの発生及びそれに起因した黒点の発生を効果的に抑制することができる電子写真感光体が求められていた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、正孔輸送剤として、特定の構造を有するヒドラゾン化合物を用いるとともに、結着樹脂におけるI/O値を所定の範囲とすることによって、ヒドラゾン化合物の結晶性を制御して電子写真感光体の電気特性を効果的に向上させ、かつ、感光層表面の耐油性を向上させてクラックの発生についても効果的に抑制することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の目的は、電気特性に優れるとともに、クラックの発生及びそれに起因した黒点の発生を効果的に抑制することができる電子写真感光体及びそのような電子写真感光体を搭載した画像形成装置を提供することにある。
本発明によれば、基体上に、正孔輸送剤、電荷発生剤及び結着樹脂を含む感光層が設けられた電子写真感光体であって、正孔輸送剤が下記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物であるとともに、結着樹脂における無機性値を有機性値で割った値(I/O値)を0.36以上の値とし、結着樹脂として、下記一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂を含み、さらに、当該ポリカーボネート樹脂と、正孔輸送剤とが、同一層に含まれることを特徴とする電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。

(一般式(3)中、R 5 〜R 8 は、それぞれ独立しており、水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、Aは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH 2 ) 2 −、−SO−、−SO 2 −、−CR 9 10 −、−SiR 9 10 −、又はSiR 9 10 −O−(R 9 、R 10 はそれぞれ独立しており、水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、トリフルオロメチル基、又は、R 9 とR 10 とが環形成し、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有しても良い炭素数5〜12のシクロアルキリデン)であり、Bは単結合、−O−、又は−CO−である。)
(一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のフェノキシ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアラルキル基であり、Ar 1 は、非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数nは0または1である。)
すなわち、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物であれば、優れた正孔移動速度を有し、かつ、従来用いられているヒドラゾン化合物と比較して、その結晶性を十分に低下させることができることから、電子写真感光体の電気特性を効果的に向上させることができる。
一方、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物は、その結晶性を比較的低下させることができたものの、感光層表面に対して油成分が付着したような場合には、その結晶性に起因してクラックが発生しやすくなる傾向が見られる。
その点、本発明においては、結着樹脂におけるI/O値を所定の範囲に規定していることから、そのような場合であっても、クラックの発生を効果的に抑制し、形成画像における黒点の発生を防止することができる。
また、結着樹脂をこのように構成することにより、結着樹脂のI/O値を所定の範囲に調節することが容易になるとともに、感光層の機械的強度を向上させることができる。なお、添え字p及びqはモル比を示す。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(一般式(2)中、Ar 1 は、非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、であり、繰り返し数nは0または1である。)
このように構成することにより、特定の構造を有する正孔輸送剤の結晶性をより低下させることができる。
したがって、電気特性に優れた電子写真感光体を、より容易に製造することができるとともに、クラックの発生及びそれに起因した黒点の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が単層型であるとともに、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の含有量を、感光層における結着樹脂100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、特定の構造を有する正孔輸送剤間における電荷輸送を効率的にしつつ、単層型感光層中での分散性を向上させることができる。
したがって、電気特性をより向上させることができるとともに、クラックの発生をさらに効果的に抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が積層型であるとともに、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の含有量を、感光層に含まれる電荷輸送層における結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、特定の構造を有する正孔輸送剤間における電荷輸送をより効率的にしつつ、電荷輸送層中での分散性を向上させることができる。
したがって、電気特性をより向上させることができるとともに、クラックの発生をさらに効果的に抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、結着樹脂の粘度平均分子量を10,000〜60,000の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、油成分に対する安定性をより向上させることができるとともに、結着樹脂と特定の構造を有する正孔輸送剤との相溶性をさらに向上させることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が、添加剤として、下記一般式(4)で表される化合物を含むことが好ましい。
(一般式(4)中、R11〜R20はそれぞれ独立しており、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜30のアラルキル基、置換または非置換の炭素数3〜12のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基を示し、Rは、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキレン基、あるいは窒素原子を含む有機基であり、繰り返しrは0〜3の整数を示す。)
このように構成することにより、かかる特定の構造を有する添加剤が有する可塑剤としての効果と、所定のI/O値を有する結着樹脂の特性と、が相互作用して、感光層表面に対して油成分が付着した場合であっても、より効果的にクラックの発生を抑制することができる。
また、本発明の別の形態は、上述したいずれかの電子写真感光体を搭載した画像形成装置であって、電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電手段、現像手段及び転写手段が配置されているとともに、いずれかの手段が電子写真感光体に接触して配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
すなわち、クラックの発生は、感光層に対して機械的な外力が加わることによって促進される傾向がある。一方、本発明としての画像形成装置であれば、帯電手段等が電子写真感光体に接触して配置されて、感光層に対して機械的な外力が加わる構成であっても、効果的にクラックの発生を抑制することができる。
さらに、搭載された電子写真感光体が、優れた電気特性を有することから、黒点の発生を抑制した高品質な画像を、効率的に形成することができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、基体上に、正孔輸送剤、電荷発生剤及び結着樹脂を含む感光層が設けられた電子写真感光体であって、図1に示すように正孔輸送剤を一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物とするとともに、結着樹脂における無機性値を有機性値で割った値(I/O値)を0.36以上の値とし、結着樹脂として、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂を含み、さらに、当該ポリカーボネート樹脂と、正孔輸送剤とが、同一層に含まれることを特徴とする電子写真感光体である。
以下、主に単層型電子写真感光体を例にとって、第1の実施形態としての電子写真感光体について具体的に説明する。
1.基本的構成
図2(a)に示すように、単層型電子写真感光体10は、基体12上に単一の感光層14を設けたものである。
また、かかる感光層は、所定のI/O値を有する結着樹脂と、特定の構造を有する正孔輸送剤と、電荷発生剤と、を含むとともに、さらに必要に応じて電子輸送剤、レベリング剤またはシリル基含有化合物等の添加剤を含むことができる。
また、図2(b)に示すように、基体12と感光層14との間に、電子写真感光体の特性を阻害しない範囲でバリア層16が形成されている単層型電子写真感光体10´でもよい。
なお、電荷輸送剤として、さらに電子輸送剤を含有させることによって、電荷発生剤と正孔輸送剤との間における電荷輸送効率を、さらに向上させることができる。
また、基体としては、導電性を有する種々の材料を使用することができ、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属や、上述した金属が蒸着又はラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で被覆されたガラス、あるいはカーボンブッラク等の導電性微粒子を分散してなるプラスッチク材料等が挙げられる。
また、基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて、シート状、ドラム状等のいずれであってもよく、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよい。
2.感光層
(1)結着樹脂
(1)−1 I/O値
本発明の電子写真感光体における結着樹脂は、その無機性値を有機性値で割った値(I/O値)を0.36以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、結着樹脂のI/O値をかかる範囲に規定するとともに、後述する特定の構造を有する正孔輸送剤を使用することによって、感光層表面への油成分の付着等があった場合であっても、クラックの発生を効果的に抑制し、形成画像における黒点の発生を防止することができるためである。
すなわち、結着樹脂のI/O値をかかる範囲に規定して、結着樹脂の有機性値を比較的低い範囲とすることによって、感光層表面に油成分が付着した場合であっても、かかる油成分によって結着樹脂の状態が変化することを効果的に抑制することができるためである。したがって、感光層表面に油成分が付着した場合であっても、かかる油成分中に電荷輸送剤等のモノマー成分が溶出することを抑制し、クラックの発生を防止することができる。
一方、結着樹脂のI/O値が過度に大きくなると、感光層の機械的強度や導電性等の調節が困難となる場合がある。
したがって、結着樹脂のI/O値を0.36〜0.4の範囲内の値とすることがより好ましく、0.363〜0.39の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図1を用いて、結着樹脂のI/O値と、電子写真感光体におけるクラックの発生と、の関係を説明する。
図1には、横軸に、結着樹脂のI/O値(−)を採り、縦軸に、対応した結着樹脂を含む感光層を有した電子写真感光体におけるクラック発生箇所数(箇所)を採った特性曲線が示してある。
なお、このときの感光層には、特定の構造を有する正孔輸送剤として、後述する式(8)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−1)を含有させた。また、電子写真感光体の構成及びクラック発生箇所数の測定方法等については、後の実施例において詳述する。
特性曲線から理解されるように、結着樹脂のI/O値が増加するほど、クラック発生箇所数は減少する。より具体的には、結着樹脂のI/O値が0.35前後の値のときに、臨界的にクラック発生箇所数が減少していることがわかる。そして、結着樹脂のI/O値が0.36以上の範囲では、ほぼ完全にクラック発生箇所数を0箇所に抑えることができることがわかる。
したがって、特定の構造を有する正孔輸送剤を用いる条件下であれば、結着樹脂のI/O値を0.36以上の値とすることによって、臨界的にクラックの発生を抑制することができることがわかる。
ここで、I/O値の概念を詳細に説明するが、例えば、KUMAMOTO PHARMACEUTICAL BULLETIN,第1号、第1〜16項(1954年);化学の領域、第11巻、第10号、719〜725項(1957年);フレグランスジャーナル、第34号、第97〜111項(1979年);フレグランスジャーナル、第50号、第79〜82項(1981年);などの文献に詳細に説明されている。
すなわち、炭素(C)1個を有機性20とし、それを基準として、各極性基の無機性値及び有機性値を表1の如く定め、各極性基における無極性値の和(I値)と、有機性値の和(O値)を求めて、それぞれの比をI/O値としたものである。
なお、表1において、Rは、主にアルキル基を示し、φは、主にアルキル基もしくはアリール基を示している。かかる表から容易に理解されるように、I/O値が0に近いほど非極性(疎水性、有機性の大きな)の有機化合物であることを示し、I/O値が大きいほど極性(親水性、無機性の大きな)の有機化合物であることを示すと言える。
また、このようなI/O値は、化合物の性質を、共有結合性を表わす有機性基と、イオン結合性を表わす無機性基とに分け、すべての有機化合物を有機軸と無機軸と名付けた直行座標上の1点ずつに位置づけた指標ということができる。即ち、無機性値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力の大小を、水酸基を基準に数値化したものである。
具体的には、直鎖アルコールの沸点曲線と直鎖パラフィンの沸点曲線との距離を炭素数5の付近で取ると約100℃となるので、水酸基1個の影響力を数値で100と定め、この数値に基づいて、各種置換基あるいは各種結合などの沸点への影響力を数値化した値が、有機化合物が有している置換基の無機性値である。例えば、表1に示されている通り、−COOH基の無機性値は150であり、2重結合の無機性値は2である。従って、ある種の有機化合物の無機性値は、該有機化合物が有している各種置換基や結合等の無機性値の総和を意味する。
次いで、クラックの発生機構について説明する。
まず、感光層表面に、油成分が付着すると、感光層中のモノマー成分、特に正孔輸送剤や電子輸送剤からなる電荷輸送剤が、かかる油成分中に溶出し始める。
次いで、この電荷輸送剤が溶出した跡に、感光層の結着樹脂内に空孔が形成され、その空孔近傍に局所的な応力が生じてクラックが発生すると考えられる。つまり、クラックの発生とは、モノマー成分の溶出という現象と、空孔近傍の応力発生という現象と、の2つの現象の組合せと捉えることができる。
このようにクラック発生機構を捉えた場合、第1段階としてのモノマー成分の溶出と、第2段階としての空孔近傍の応力発生と、の少なくともどちらか一方について所定の対策を講じることで、効果的に耐クラック性を得ることができる。
本発明の場合、上述したように、結着樹脂のI/O値を所定の範囲に規定して、結着樹脂の油成分に対する安定性を向上させるとともに、従来のヒドラゾン化合物よりも有効に結晶化を抑制したヒドラゾン化合物を用いている。したがって、上述した第1段階としてのモノマー成分の溶出を抑制して、クラックの発生を抑制していることが理解できる。
なお、電荷輸送剤等のモノマー成分が結晶化しやすい場合、感光層中における分散性が低下するため、かかるモノマー成分が油成分に対して局所的に溶出し、クラックが発生しやすくなる傾向がある。
(1)−2 粘度平均分子量
また、結着樹脂の粘度平均分子量を10,000〜60,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、結着樹脂の粘度平均分子量をかかる範囲内の値とすることによって、油成分に対する安定性をより向上させることができるとともに、結着樹脂と特定の構造を有する正孔輸送剤との相溶性をさらに向上させることができるためである。
すなわち、結着樹脂の粘度平均分子量が10,000未満の値となると、感光層表面に対して油成分が著しく浸潤しやすくなって、クラックの発生を抑制することが困難となる場合があるためである。一方、結着樹脂の粘度平均分子量が60,000を超えた値となると、感光層用塗布液の粘度が著しく増加し、特定の構造を有する正孔輸送剤との相溶性が低下して、均一に分散させることが困難となる場合があるためである。
したがって、結着樹脂の粘度平均分子量を20,000〜50,000の範囲内の値とすることがより好ましく、30,000〜40,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、結着樹脂の粘度平均分子量は、オストワルド粘度計によって、極限粘度[η]を求め、Schnellの式によって、[η]=1.23×10-40.83より算出することができる。なお、[η]は、20℃で、塩化メチレン溶液を溶媒として、濃度(C)が6.0g/dm3となるように結着樹脂を溶解させて得られた結着樹脂樹脂溶液において測定することができる。
(1)−3 種類
また、結着樹脂として、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂を含むことを特徴とする。
この理由は、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂であれば、結着樹脂のI/O値を所定の範囲に調節することが容易となるとともに、感光層の機械的強度を向上させることができるためである。
すわわち、一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂であれば、そのI/O値を所定の範囲に調節することが容易であることから、油成分に対する安定性を効果的に向上させることができ、さらに、ポリカーボネート樹脂が元来有する優れた機械的強度をも効果的に発揮させることができるためである。
なお、一般式(3)中のp及びqは、共重合成分のモル比を表しており、例えば、pが15、qが85の場合は、モル比が15:85であることを表している。また、かかるモル比は、例えばNMRによって計測することができる。
(1)−4 具体例
また、上述した一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂の具体例としては、下記式(5)〜(7)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−1〜3)が挙げられる。
(2)正孔輸送剤
(2)−1 種類
本発明の電子写真感光体においては、正孔輸送剤として、上述した一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物を用いることを特徴とする。
この理由は、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物であれば、優れた正孔移動速度を有し、かつ、従来用いられているヒドラゾン化合物と比較して、その結晶性を十分に低下させることができることから、電子写真感光体の電気特性を効果的に向上させることができるためである。
一方、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物は、その結晶性を比較的低下させることができたものの、感光層表面に対して油成分が付着したような場合には、その結晶性に起因してクラックが発生しやすくなる傾向が見られる。
その点、本発明においては、上述したように、結着樹脂におけるI/O値を所定の範囲に規定していることから、そのような場合であっても、クラックの発生を効果的に抑制し、形成画像における黒点の発生を防止することができる。
また、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物が、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
この理由は、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物を、かかる構造に限定することによって、その正孔輸送剤の結晶性をより低下させることができるためである。
したがって、電気特性に優れた電子写真感光体を、より容易に製造することができるとともに、クラックの発生及びそれに起因した黒点の発生をより効果的に抑制することができるためである。
すなわち、一般式(2)に示すように、ヒドラゾン化合物の左側部分に記載されているエチレンまたはブタジエン構造を含む構成部位、及び右側部分に記載されているヒドラゾン構造を含む構成部位が、それぞれ中央部分に記載されているジフェニルアミンにおけるフェニル基のパラ位に位置することによって、分子の平面性や対称性が好適な状態となり、結晶性をさらに低下させることができるためである。
また、電子雲の広がりが好適な状態となって、正孔移動速度についてもさらに向上させることができるためである。
さらに、一般式(1)におけるR1〜R4を水素原子とすることによって、上述した効果をさらに向上させることができるためである。
(2)−2 具体例
また、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の具体例としては、下記式(8)〜(9)で表される化合物(HTM−1〜)を挙げることができる。また、下記式(10)〜(12)で表される化合物(HTM−3〜5)は、参考例である。
なお、これらの化合物は、全て一般式(2)で表される化合物に該当する。
(2)−3 含有量
また、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の含有量を、感光層における結着樹脂100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量を、かかる範囲内の値とすることによって、かかる正孔輸送剤間における電荷輸送を効率的にしつつ、感光層中での分散性を向上させることができるためである。
すなわち、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量が10重量部未満の値となると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量が100重量部を超えた値となると、かかる正孔輸送剤が過度に結晶化しやすくなって、クラックの発生を抑制することが困難となるばかりか、感光層としての適正な膜を形成することすら困難となる場合があるためである。
したがって、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量を20〜90重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図3を用いて、正孔輸送剤の含有量と、電子写真感光体におけるクラックの発生と、の関係を説明する。
図3には、横軸に、結着樹脂100重量部に対する正孔輸送剤の含有量(重量部)を採り、縦軸に、かかる正孔輸送剤を含む感光層を有した電子写真感光体におけるクラック発生箇所数(箇所)を採った特性曲線が示してある。
ここで、特性曲線Aは、一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物である式(8)で表される化合物(HTM−1)を、特性曲線Bは、アミン化合物である下記式(14)で表される化合物(HTM−7)を、それぞれ正孔輸送剤として用いた場合の特性曲線である。
また、マーカーCは、従来のヒドラゾン化合物である下記式(13)で表される化合物(HTM−6)を、正孔輸送剤として用いた場合のマーカーである。
なお、このときの感光層における結着樹脂としては、所定のI/O値を有する結着樹脂として、式(5)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−1)を用いた。また、電子写真感光体の構成及びクラック発生箇所数の測定方法等については、後の実施例において詳述する。また、クラック発生箇所数の最大値は10箇所である。
まず、特性曲線Aから理解されるように、正孔輸送剤として一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物を用いた場合には、その含有量の増加にともなって、クラック発生箇所数が僅かに増加するものの、正孔輸送剤の含有量が100重量部以下の範囲内であれば、クラック発生箇所数を1箇所以下に安定的に抑制できることがわかる。
一方、特性曲線Bから理解されるように、正孔輸送剤として一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物以外の化合物である式(14)で表されるアミン化合物(HTM−7)を用いた場合には、その含有量の増加にともなって、クラック発生箇所数が増加してしまうことがわかる。より具体的には、正孔輸送剤の含有量を60重量部としたときには、クラック発生箇所数が9箇所にまで増加してしまうことがわかる。
また、マーカーCから理解されるように、正孔輸送剤として一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物以外の別の化合物である式(13)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−6)を用いた場合には、その含有量が30重量部を超えた値となると、感光層中及び感光層表面において、結晶が析出してしまい、クラック発生箇所数を測定することができなかった。
このように、特定の構造を有する正孔輸送剤以外の正孔輸送剤では、その結晶性や、油成分への溶解性等の違いに起因して、所定のI/O値を有する結着樹脂と組み合わせて用いた場合であっても、効果的に相互作用を発揮することが困難となることがわかる。
なお、特性曲線Aに示すように、特定の構造を有する正孔輸送剤であれば、その含有量の変化に関わらず、クラックの発生を有効に抑制することができる。しかしながら、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量が過剰量であったり、過度に少ない場合には、共に用いられる所定のI/O値を有する結着樹脂の種類等によっては、それらの結着樹脂との相互作用を発揮することが困難となったり、感度不足や結晶化等の問題が発生しやすくなる場合がある。したがって、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量を、10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(3)電子輸送剤
(3)−1 種類
本発明に用いられる電子輸送剤としては、従来公知の電子輸送剤を用いることができる。
例えば、ジフェノキノン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(3)−2 具体例
これらの電子輸送剤の具体例として、下記式(15)〜(17)で表される化合物(ETM−1〜3)が挙げられる。
(3)−3 含有量
また、電子輸送剤の含有量を、結着樹脂100重量部に対して10から100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光体として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電子輸送剤の添加量を定めるにあたり、正孔輸送剤の添加量を考慮することが好ましい。より具体的には、電子輸送剤(全ETM)の添加割合(全ETM/全HTM)を、正孔輸送剤(全HTM)に対して、0.25〜1.3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる全ETM/全HTMの比率がかかる範囲外の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。
したがって、かかる全ETM/全HTMの比率を0.5〜1.25の範囲内の値とすることがより好ましい。
(4)電荷発生剤
(4)−1 種類
また、本発明の電子写真感光体に使用される電荷発生剤としては、従来公知の電荷発生剤を用いることができる。
例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体や、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンといった無機光導電剤等の一種単独又は二種以上の混合物が挙げられる。
(4)−2 具体例
また、これらの電荷発生剤のうち、具体的に、下記式(18)〜(21)で表されるフタロシアニン系顔料(CGM−A〜D)を使用することがより好ましい。
(4)−3 含有量
また、電荷発生剤の含有量を、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜40重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電荷発生剤の含有量が0.2重量部未満の値になると、量子収率を高める効果が不十分となり、電子写真感光体の感度、電気特性、安定性等を向上させることができなくなるためである。一方、電荷発生剤の含有量が40重量部を超えた値になると、可視光における赤色領域、近赤外領域、あるいは赤外領域に波長を有する光に対する吸光係数を大きくする効果が不十分となり、感光体の感度特性、電気特性、及び安定性等を向上させることができない場合があるためである。
したがって、電荷発生剤の含有量を0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(5)添加剤
(5)−1 種類
また、感光層が、添加剤として、一般式(4)で表される化合物を含むことが好ましい。
この理由は、感光層に対して、かかる特定の構造を有する添加剤を含有させることによって、かかる添加剤が有する可塑剤としての効果と、所定のI/O値を有する結着樹脂の特性と、が相互作用して、感光層表面に対して油成分が付着した場合であっても、より効果的にクラックの発生を抑制することができるためである。
すなわち、かかる特定の構造を有する添加剤であれば、たとえ油成分中に電荷輸送剤等のモノマー成分が溶出して、感光層中に空孔が形成されてしまった場合であっても、その可塑剤としての効果によって、空孔近傍において発生する応力を効果的に緩和して、クラックの発生を抑制することができるためである。
(5)−2 具体例
また、かかる特定の構造を有する添加剤としては、具体的に、下記式(22)〜(24)で表される化合物(P−1〜3)を使用することが好ましい。
(5)−3 含有量
また、特定の構造を有する添加剤の含有量としては、感光層の結着樹脂に対して、1.5〜14重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる含有量が1.5重量部未満の値となると、上述したような応力緩和作用を十分に発揮することができず、クラック発生を十分防止することができなくなるためである。一方、含有量が14重量部を超えた値となると、感光層のガラス転移点が過度に低下して、耐摩耗性が低下してしまう場合があるためである。また、結着樹脂内での分散性が低下して、結晶化する場合が見られるためである。
したがって、特定の構造を有する添加剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して2〜12重量部とすることがより好ましく、3〜10重量部とすることがさらに好ましい。
なお、その他の添加剤として、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種々の添加剤、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合することができる。また、感光層の感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
(6)厚さ
また、感光層の厚さは、5〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、感光層の厚さが5μm未満の値となると、感光層を均一に形成することが困難となったり、機械的強度が低下する場合があるためである。一方、感光層の厚さが100μmを超えた値となると、感光層が基体から剥離しやすくなる場合があるためである。
したがって感光層の厚さを10〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、15〜45μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(7)製造方法
単層型電子写真感光体の製造方法としては、特に制限されるものではないが、以下のような手順で実施することができる。
まず、溶剤に電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂、添加剤等を含有させて塗布液を作成する。このようにして得られた塗布液を、例えば、ディップコート法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラ塗布法等の塗布法を用いて導電性基材(アルミニウム素管)上に塗布する。
その後、例えば100℃、40分間の条件で熱風乾燥して、所定膜厚の感光層を有する単層型電子写真感光体を得ることができる。
なお、分散液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、1,4-ジオキサン、等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。このとき、さらに、電荷発生剤の分散性、感光層表面の平滑性を良くするために界面活性剤、レベリング剤等を含有させてもよい。
また、この感光層を形成する前に、基体上に中間層を形成しておくことも好ましい。
この中間層を形成するにあたり、結着樹脂、必要に応じて添加剤(有機微粉末または無機微粉末)を適当な分散媒とともに、公知の方法、例えばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合して塗布液を調整し、これを公知の手段、例えばブレード法、浸漬法、スプレー法により塗布して、熱処理を施し中間層を形成する。
また、添加剤は製造時の沈降等が問題とならない範囲であって、光散乱を生じさせて干渉縞の発生を防止する等の目的のために、各種添加剤(有機微粉末または無機微粉末)を少量添加することができる。
次いで、得られた塗布液を、公知の製造方法に準じて、例えば、支持基体(アルミニウム素管)上に、ディップコート法、スプレー塗布法、ビード塗布法、ブレード塗布法、ローラ塗布法等の塗布法を用いて塗布することができる。
その後、基体上の塗布液を乾燥する工程は、20〜200℃の温度で5分〜2時間の範囲で行うことが好ましい。
なお、かかる塗布液を作るための溶剤としては、種々の有機溶剤が使用可能であり、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
(8)積層型電子写真感光体
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が、図4に示すように、電荷発生剤を含む電荷発生層24と、電荷輸送剤及び結着樹脂を含む電荷輸送層22と、からなる積層型の感光層20であることも好ましい。
この積層型電子写真感光体20は、基体12上に、蒸着または塗布等の手段によって、電荷発生剤を含有する電荷発生層24を形成し、次いでこの電荷発生層24上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗布液を塗布し、それを乾燥させて電荷輸送層22を形成することによって作製することができる。
また、上述した構造とは逆に、図4(b)に示すように、基体12上に電荷輸送層22を形成し、その上に電荷発生層24を形成してもよい。ただし、電荷発生層24は、電荷輸送層22に比べて膜厚がごく薄いため、その保護のためには、図4(a)に示すように、電荷発生層24の上に電荷輸送層22を形成することがより好ましい。
また、単層型感光体の場合と同様に、基体上に中間層25を形成することも好ましい。
なお、かかる積層型の感光層を採用した場合、電荷発生剤や、電荷輸送剤等の感光性材料の選択肢が広がり、構造設計上の自由度を向上させることができるという利点がある。
また、積層型電子写真感光体は、電荷発生層及び電荷輸送層の形成順序、電荷輸送層に用いる電荷輸送剤の種類によって、正負いずれの帯電型となるかが選択される。例えば、基体上に電荷発生層を設け、その上に電荷輸送層を設け、電荷輸送層の電荷輸送剤として、特定の構造を有する正孔輸送剤を用いた場合には、負帯電型の電子写真感光体となる。この場合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。
また、電荷発生層形成用塗布液および電荷輸送層形成用塗布液は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤、結着樹脂などの所定の成分を、分散媒とともに、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて分散混合することによって、調製することができる。
この積層型感光層20において、感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)の厚さは、特に限定されないが、電荷発生層については、0.01〜5μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.1〜3μmの範囲内の値とすることがより好ましい。一方、電荷輸送層については、2〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
また、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量を、電荷輸送層における結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量をかかる範囲とすることにより、かかる正孔輸送剤間における電荷輸送をより効率的にしつつ、電荷輸送層中での分散性を向上させることができるためである。
すなわち、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量が10重量部未満の値となると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、かかる特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量が500重量部を超えた値となると、かかる正孔輸送剤が過度に結晶化しやすくなって、クラックの発生を抑制することが困難となるばかりか、感光層としての適正な膜を形成することすら困難となる場合があるためである。
したがって、特定の構造を有する正孔輸送剤の含有量を、電荷輸送層における結着樹脂100重量部に対して25〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、電荷輸送層に対して、さらに電子輸送剤を含有させる場合、電子輸送剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して5〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。
なお、電荷発生層における電荷発生剤の含有量は、電荷発生層における結着樹脂100重量部に対して5〜1000重量部の範囲内の値とすることが好ましく、30〜500重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態としての電子写真感光体を搭載した画像形成装置であって、電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電手段、現像手段及び転写手段が配置されているとともに、いずれかの手段が電子写真感光体に接触して配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
以下、第1の実施形態において記載した内容と異なる点を中心に、第2の実施形態としての画像形成装置について説明する。
第2の実施形態の画像形成装置は、例えば、図5に示すような複写機30として構成することができる。かかる複写機30は、画像形成ユニット31、排紙ユニット32、画像読取ユニット33、及び原稿給送ユニット34を備えている。また、画像形成ユニット31には、画像形成部31a及び給紙部31bがさらに備えられている。そして、図示された例では、原稿給送ユニット34は、原稿載置トレイ34a、原稿給送機構34b、及び原稿排出トレイ34cを有しており、原稿載置トレイ34a上に載置された原稿は、原稿給送機構34bによって画像読取位置Pに送られた後、原稿排出トレイ34cに排出される。
そして、原稿が原稿読取位置Pに送られた段階で、画像読取ユニット33において、光源33aからの光を利用して、原稿上の画像が読み取られる。すなわち、CCD等の光学素子33bを用いて、原稿上の画像に対応した画像信号が形成される。
一方、給紙部31bに積載された記録用紙(以下、単に用紙と呼ぶ。)Sは、一枚ずつ画像形成部31aに送られる。この画像形成部31aには、像担持体である感光体ドラム41が備えられており、さらに、この感光体ドラム41の周囲には、帯電器42、露光器43、現像器44、及び転写ローラ45が、感光体ドラム41の回転方向に沿って配置されている。
これらの構成部品のうち、感光体ドラム41は、図中、実線矢印で示す方向に回転駆動されて、帯電器42により、その表面が均一に帯電される。その後、前述の画像信号に基づいて、露光器43により感光体ドラム41に対して露光プロセスが実施され、この感光体ドラム41の表面において静電潜像が形成される。
この静電潜像に基づき、現像器44によりトナーを付着させて現像し、感光体ドラム41の表面にトナー像を形成する。そして、このトナー像は、感光体ドラム41と転写ローラ45とのニップ部に搬送される用紙Sに転写像として転写される。次いで、転写像が転写された用紙Sは、定着ユニット47に搬送されて、定着プロセスが行われる。
なお、感光体ドラム41として、第1の実施形態で説明した電子写真感光体を用いることを特徴とする。さらに、帯電手段、現像手段及び転写手段のうち、少なくともいずれか一つの手段が、感光体ドラム41に接触していることを特徴とする。例えば、転写手段であれば、転写ローラ45のような形態がこれに該当する。
また、定着後の用紙Sは、排紙ユニット32に送られることになるが、後処理(例えば、ステイプル処理等)を行う際には、用紙Sは中間トレイ32aに送られた後、後処理が行われる。その後、用紙Sは、画像形成装置の側面に設けられた排出トレイ部(図示せず)に排出される。一方、後処理を行わない場合には、用紙Sは中間トレイ32aの下側に設けられた排紙トレイ32bに排紙される。なお、中間トレイ32a及び排紙トレイ32bは、いわゆる胴内排紙部として構成されている。
ところで、クラックの発生は、感光層に対して機械的な外力が加わることによって促進される傾向がある。一方、本発明としての画像形成装置であれば、搭載された電子写真感光体が、優れた耐クラック性を有することから、帯電手段等が電子写真感光体に接触して配置されて、感光層に対して機械的な外力が加わる構成であっても、効果的にクラックの発生を抑制することができる。
さらに、搭載された電子写真感光体が、優れた電気特性を有することから、黒点の発生を抑制した高品質な画像を、効率的に形成することができる。
[実施例1]
1.電子写真感光体の製造
容器内に、電荷発生剤として、式(18)で表されるX型無金属フタロシアニン(CGM−A)を3重量部と、正孔輸送剤として式(8)で表される化合物(HTM−1)を60重量部と、電子輸送剤として式(15)で表される化合物(ETM−1)を30重量部と、結着樹脂として式(5)で表される粘度平均分子量が30,000のポリカーボネート樹脂(Resin−1)を100重量部と、溶媒としてテトラヒドロフランを800重量部と、を収容した。
次いで、ボールミルにて50時間混合分散して、単層型感光層用の塗布液を作成した。得られた塗布液を、長さ254mm、直径30mmの基体(アルミニウム素管)上に、ディップコート法にて塗布し、100℃、40分間の条件で熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光層を有する単層型電子写真感光体を得た。
2.電子写真感光体の評価
(1)クラック発生の評価
得られた電子写真感光体におけるクラック発生の評価を行った。
すなわち、得られた電子写真感光体表面における10箇所に対して、直接手で触れて、人体由来の脂を付着させて、3日間放置した。次いで、光学顕微鏡を用いて、各付着箇所におけるクラックの発生具合を確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表2に示す。
○:クラック発生箇所が0箇所である。
△:クラック発生箇所が1〜3箇所である。
×:クラック発生箇所が4箇所以上である。
(2)黒点発生の評価
また、得られた電子写真感光体における黒点発生の評価を行った。
すなわち、得られた電子写真感光体をプリンタ(京セラミタ製、DP−560)に装着し、40℃、90%Rhの環境条件で、A4紙(富士ゼロックス製上質PPC用紙)を5000枚連続印刷した。その後、6時間放置した後、A4紙の白紙原稿を印字して、そのA4紙上に発生した黒点の発生数を計数するとともに、下記基準に準じて評価した。得られた結果を表2に示す。
○:A4紙1枚あたりに黒点の発生が20個未満である。
△:A4紙1枚あたりに黒点の発生が20個以上、200個未満である。
×:A4紙1枚あたりに黒点の発生が200個以上である。
(3)電気特性の評価
また、得られた電子写真感光体の感度測定を以下の条件で測定した。
すなわち、ドラム感度試験機(GENTEC(株)製)を用いて、電子写真感光体の表面電位を+700Vに帯電させた状態で、ハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度0.6μJ/cm2)を電子写真感光体表面に対して50msec照射した。次いで、露光開始から0.35秒経過した時点での表面電位を明電位(V)として測定した。得られた結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例2では、電子写真感光体を製造する際に使用した結着樹脂を、式(6)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−2)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、電子写真感光体を製造する際に使用した結着樹脂を、式(7)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−3)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例4では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(9)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−2)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
参考例5]
参考例5では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(10)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−3)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
参考例6]
参考例6では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(11)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−4)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
参考例7]
参考例7では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(12)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−5)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例8では、電子写真感光体を製造する際に使用した電子輸送剤を、式(16)で表される化合物(ETM−2)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例9では、電子写真感光体を製造する際に使用した電子輸送剤を、式(17)で表される化合物(ETM−3)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例10]
実施例10では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤の含有量を30重量部としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例11]
実施例11では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤の含有量を90重量部としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
比較例1では、電子写真感光体を製造する際に使用した結着樹脂を、下記式(25)で表されるポリカーボネート樹脂(Resin−4)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例2では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(14)で表されるアミン化合物(HTM−7)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例3では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤の含有量を30重量部としたほかは、比較例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例4では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤の含有量を90重量部としたほかは、比較例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例5では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤を、式(13)で表されるヒドラゾン化合物(HTM−6)としたほかは、実施例1と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。なお、クラック発生については、感光層中及び感光層表面において、結晶が析出してしまい、評価することができなかった。
[比較例6]
比較例6では、電子写真感光体を製造する際に使用した正孔輸送剤の含有量を30重量部としたほかは、比較例5と同様に電子写真感光体を製造するとともに、評価した。得られた結果を表2に示す。
以上、詳述したように、本発明によれば、正孔輸送剤として、特定の構造を有するヒドラゾン化合物を用いるとともに、結着樹脂におけるI/O値を所定の範囲とすることによって、ヒドラゾン化合物の結晶性を制御して、電子写真感光体の電気特性を効果的に向上させ、かつ、感光層表面の耐油性を向上させて、クラックの発生についても効果的に抑制することができるようになった。
したがって、本発明の電子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置は、複写機やプリンタ等の各種画像形成装置における長寿命化、高速化等に寄与することが期待される。
結着樹脂のI/O値と、クラックの発生と、の関係を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、単層型電子写真感光体の基本構造及び変形構造を説明するために供する図である。 正孔輸送剤の含有量と、クラックの発生と、の関係を説明するために供する図である。 (a)〜(b)は、積層型電子写真感光体の基本構造及び変形構造を説明するために供する図である。 電子写真感光体を備えた画像形成装置を説明するために供する図である。
符号の説明
10:単層型感光体
12:導電性基体
14:感光層
16:バリア層
20:積層型感光体
22:電荷輸送層
24:電荷発生層
25:中間層
30:複写機
31:画像形成ユニット
31a:画像形成部
31b:給紙部
32:排紙ユニット
33:画像読取ユニット
33a:光源
33b:光学素子
34:原稿給送ユニット
34a:原稿載置トレイ
34b:原稿給送機構
34c:原稿排出トレイ
41:感光体ドラム
42:帯電器
43:露光源
44:現像器
45:転写ローラ

Claims (6)

  1. 基体上に、正孔輸送剤、電荷発生剤及び結着樹脂を含む感光層が設けられた電子写真感光体であって、
    前記正孔輸送剤が下記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物であるとともに、前記結着樹脂における無機性値を有機性値で割った値(I/O値)を0.36以上の値とし、
    前記結着樹脂として、下記一般式(3)で表されるポリカーボネート樹脂を含み、さらに、当該ポリカーボネート樹脂と、前記正孔輸送剤とが、同一層に含まれることを特徴とする電子写真感光体。

    (一般式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立しており、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜30のフェノキシ基、置換または非置換の炭素数1〜20のアラルキル基であり、Ar 1 は、非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数nは0または1である。)

    (一般式(3)中、R 5 〜R 8 は、それぞれ独立しており、水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、Aは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−(CH 2 ) 2 −、−SO−、−SO 2 −、−CR 9 10 −、−SiR 9 10 −、又はSiR 9 10 −O−(R 9 、R 10 はそれぞれ独立しており、水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、トリフルオロメチル基、又は、R 9 とR 10 とが環形成し、置換基として炭素数1〜7のアルキル基を有しても良い炭素数5〜12のシクロアルキリデン)であり、Bは単結合、−O−、又は−CO−である。)
  2. 前記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。

    (一般式(2)中、Ar 1 は、非置換の炭素数6〜30のアリール基であり、繰り返し数nは0または1である。)
  3. 前記感光層が単層型であるとともに、前記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の含有量を、前記感光層における結着樹脂100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層が積層型であるとともに、前記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物の含有量を、前記感光層に含まれる電荷輸送層における結着樹脂100重量部に対して10〜500重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記結着樹脂の粘度平均分子量を10,000〜60,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載した電子写真感光体を搭載した画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体の周囲に、少なくとも帯電手段、現像手段及び転写手段が配置されるとともに、いずれかの手段が前記電子写真感光体に接触して配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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