JP2000258939A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2000258939A
JP2000258939A JP6451099A JP6451099A JP2000258939A JP 2000258939 A JP2000258939 A JP 2000258939A JP 6451099 A JP6451099 A JP 6451099A JP 6451099 A JP6451099 A JP 6451099A JP 2000258939 A JP2000258939 A JP 2000258939A
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electrophotographic photoreceptor
undercoat layer
titanium oxide
particles
resin
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JP6451099A
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Hideya Arisue
英也 有末
Tamotsu Horiuchi
保 堀内
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】帯電電位が高く高感度で、かつ繰り返し使用し
ても諸特性が変化せず、反転現像方式を用いる画像形成
において1回転目から良好な帯電性を示し、画像欠陥が
改良された電子写真感光体を提供する。 【解決手段】感光層中に電荷発生物質としてCuKα
1.541オンク゛ストロームのX線に対するブラッグ角(2θ
±0.2°)が9.5°、13.5°、14.2°、1
8.0°、24.0°、27.2°にピークを有するチ
タニルオキシフタロシアニンを含有し、下引き層中に1
次粒子の平均粒径が100nm以下の粒状粒子子あるい
は、1次粒子の長軸の平均長さが500nm以下、短軸
の平均長さが100nm以下で、アスペクト比野平均値
が2から10の棒状粒子である酸化チタン粒子を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等電子写真プロセスにより画像形成を行う際に用いら
れる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の利用は複写機の分
野に限らず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフ
ィルム等の、従来では写真技術が使われていた分野へ広
がり、またレーザーやLED、CRTを光源とする高速
プリンターへの応用も検討されている。また最近では光
導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記
録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され
始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真
感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつあ
る。これまで電子写真方式の感光体としては無機系の光
導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、シリコン等が知られており、広く研究され、かつ実
用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っ
ているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えば
セレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化
しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛
は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電
性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セ
レンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易である等の利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術に於て使用される
感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が
要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対し
て帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での
漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯
電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照
射後の残留電荷が少ないこと等である。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤等を選択することに
より、皮膜性や接着性、可撓性等機械的強度に優れた感
光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持
し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】このような点を改良するために電荷発生機
能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感
度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分
離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれ
の機能に適した材料を広い範囲から選択できることであ
り、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ること
から多くの研究が進められてきた。
【0008】このうち、電荷発生機能を担当する物質と
しては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム系染料、
アゾ顔料、ペリレン系顔料等の多種の物質が検討され、
中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、
高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、
実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料にお
いては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明ら
かになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適
の構造を探索しているのが実情であるが、先に掲げた感
光体として求められている基本的な性質や高い耐久性等
の要求を十分に満足するものは、未だ得られていない。
【0009】また、近年従来の白色光のかわりにレーザ
ー光を光源として、高速化、高画質化、ノンインパクト
化を長所としたレーザービームプリンター等が、情報処
理システムの進歩と相まって広く普及するに至り、その
要求に耐えうる材料の開発が要望されている。特にレー
ザー光の中でも近年コンパクトディスク、光ディスク等
への応用が増大し技術進歩が著しい半導体レーザーは、
コンパクトでかつ信頼性の高い光源材料としてプリンタ
ー分野でも積極的に応用されてきた。この場合の光源の
波長は780nm前後であることから、780nm前後
の長波長光に対して高感度な特性を有する感光体の開発
が強く望まれている。その中で、特に近赤外領域に光吸
収を有するフタロシアニン類を使用した感光体の開発が
盛んに行われている。
【0010】フタロシアニン類は、中心金属の種類によ
り吸収スペクトルや光導電性が異なるだけでなく、同じ
中心金属を有するフタロシアニンでも、結晶形によって
これらの諸特性に差が生じ、特定の結晶形が電子写真感
光体に選択されていることが報告されている。
【0011】金属フタロシアニンの中でチタニルオキシ
フタロシアニンを例にとると、特開昭61−21705
0号公報では、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角
(2θ±0.2°)が7.6°、10.2°、22.3
°、25.3°、28.6°に主たる回折ピークを有す
るα形チタニルオキシフタロシアニン、特開昭62−6
7094号公報には9.3°、10.6°、13.2
°、15.1°、15.7°、16.1°、20.8
°、23.3°、26.3°、27.1°に主たる回折
ピークを有するβ形チタニルオキシフタロシアニンが報
告されているが、これらは要求される高い特性を十分満
足していない。
【0012】チタニルオキシフタロシアニンにおいて、
X線回折スペクトルのブラッグ角(2θ±0.2°)が
27.2°にピークを有するものは高い特性を有すると
報告されているが、特開昭62−67094号公報に報
告されているII形チタニルオキシフタロシアニンは帯電
性に劣っており、感度も低い。特開昭64−17066
号公報に報告されている、9.5°、9.7°、11.
7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3
°に主たる回折ピークを有するY形チタニルオキシフタ
ロシアニンは、感度が不十分であることや分散液の経時
安定性等に問題がある。
【0013】さらに、これらのフタロシアニンを用いた
電子写真感光体は、画像形成プロセス1回転目の帯電操
作を経た後の現像段階での帯電性が悪く、2回転目から
ようやく帯電性が安定するという欠点があった。この現
象は、帯電、露光といった画像形成プロセス後の放置時
間と関係しており、放置時間が長いほど1回転目の帯電
性が悪い傾向が見られる。このことから、この現象は感
光層中の電荷発生物質の熱励起により発生した電荷また
は導電性支持体から感光層へ注入された電荷の蓄積によ
るものと考えられる。
【0014】近年は、情報処理装置の性能が向上にとも
ないデータ転送時間や画像処理時間が速くなってきたた
め、それに応じたコピー、プリントの速さを得るため
に、感光体の高感度化に加え、感光体の1回転目から画
像形成に使いたいという要求が出てきている。ところ
が、前述のような1回転目のプロセスにおける現像段階
での帯電性が悪い感光体においては、反転現像方式のデ
ジタル画像形成における1回転目のプロセスの画像は白
地部がかぶってしまい、良好な画像が得られなくなる。
そのため、1回転目のプロセスにおける現像段階での帯
電性を改善することが必要とされている。
【0015】また、有機系の光導電性物質を用いた電子
写真感光体は、帯電、露光、除電といったプロセスを繰
り返すことによる帯電電位や残留電位の変動が大きくな
るという欠点もある。このように繰り返し安定性が劣っ
ていると、コピー実写では、繰り返しにより実写画像の
コントラストが低下すると共に画像かぶりが発生する。
【0016】繰り返し安定性を改善するために、導電性
支持体と感光層の間に下引き層を設ける方法が提案され
ている。例えば、特開昭59−93453号公報、及び
特開昭63−298251号公報等には酸化チタン粒子
を分散した下引き層がそれぞれ開示されている。しか
し、これらを用いても前述の1回転目のプロセスにおけ
る現像段階での帯電性は改善できない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、帯電
電位が高く高感度で、かつ繰り返し使用しても諸特性が
変化せず安定した性能を発揮でき、さらに反転現像方式
を用いる画像形成において1回転目から良好な帯電性を
示し、画像欠陥が改良された電子写真感光体を提供する
ことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討をした結果、導電性支持体
上に、少なくとも酸化チタン粒子とバインダー樹脂を含
有する下引き層、感光層を順次積層して形成してなる電
子写真感光体において、感光層中に電荷発生物質として
CuKα1.541オンク゛ストロームのX線に対するブラッグ
角(2θ±0.2°)が9.5°、13.5°、14.
2°、18.0°、24.0°、27.2°にピークを
有するチタニルオキシフタロシアニンを少なくとも1種
含有し、下引き層に含まれる酸化チタン粒子が、1次粒
子の平均粒径が100nm以下の粒状粒子あるいは、1
次粒子の長軸の平均長さが500nm以下、短軸の平均
長さが100nm以下で、アスペクト比の平均値が2か
ら10の棒状粒子であることが有効であることを見いだ
し、本発明に至ったものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各構成要素につい
て詳細に説明する。
【0020】本発明に用いる導電性支持体としては、周
知の電子写真感光体に採用されているものをはじめ種々
のものが使用できる。具体的には、例えば金、銀、白
金、チタン、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、導電処理を
した金属酸化物等のドラム、シート、ベルト、あるいは
これらの薄膜のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。
【0021】さらに、金属粉末、金属酸化物、カーボン
ブラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機
塩、イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当
なバインダーと共に塗布しポリマーマトリックス中に埋
め込んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、
紙等で構成されるドラム、シート、ベルト等、またこの
ような導電性物質を含有し導電性となったプラスチッ
ク、セラミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙
げられる。
【0022】本発明の電子写真感光体は、感光層と導電
性支持体の間に少なくとも酸化チタン粒子とバインダー
樹脂を含有する下引き層を有する。
【0023】酸化チタン粒子は、他の白色顔料と較べ、
屈折率が大きく、物理的、化学的に安定で、隠ぺい力、
白色度に優れた顔料として印刷インキ、塗料、その他の
多方面の分野で使用されており、結晶型として、ルチル
型、アナタース型、ブルカイト型、アモルファスがあ
り、本発明では何れも使用できる。
【0024】本発明に用いる酸化チタン粒子の粒子形状
は、1次粒子の平均粒径が100nm以下の粒状粒子あ
るいは、1次粒子の長軸の平均長さが500nm以下、
短軸の平均長さが100nm以下で、アスペクト比(長
軸長/短軸長)の平均値が2から10の棒状粒子である
ことが必要である。ここで、粒状とは個々の1次粒子の
最大長さと最少長さの比(最大長さ/最少長さ)が2未
満で、擬似的に球形と見なせる形状のことである。粒子
の大きさや形状は透過型電子顕微鏡で容易に観察するこ
とができる。
【0025】酸化チタン粒子には表面処理を行っていな
い物や、分散性や分散安定性を改良するためアルミニウ
ムや珪素の酸化物、あるいはステアリン酸等の有機化合
物で表面処理したもがある。本発明ではそれら何れも使
用できるが、表面処理剤として少なくとも酸化ジルコニ
ウムを用いたものが好ましい。
【0026】本発明の下引き層に使用されるバインダー
樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル、メタアクリル酸エステル等によるビニル化合物の
重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニ
ルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエス
テル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂
等の各種ポリマーが挙げられるが、特にポリアミド樹
脂、中でもアルコール可溶性ナイロン樹脂が好ましい。
【0027】アルコール可溶性ナイロン樹脂はメタノー
ル、エタノール等の低級脂肪族アルコールにしか溶解せ
ず、したがって、これらの樹脂からなる下引き層上に感
光層を設ける場合の塗布用溶剤としては、低級アルコー
ル以外のものを使用すれば良く、溶剤選択の範囲が広く
なる。下引き層を溶解するような溶剤を用いて感光層を
塗布すると、下引き層と混合して特性が劣化したり、塗
布方法によっては塗布面が不均一になる等の不都合が生
じる。アルコール可溶性ナイロン樹脂は通常2つに大別
でき、1つはナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン11、ナイロン12等を共重合させたいわ
ゆる共重合体ナイロンと呼ばれるタイプ、もう1つはN
−アルコキシメチル変性ナイロン、N−アルコキシエチ
ル変性ナイロン等のようにナイロンを化学的に変性させ
た変性ナイロンと呼ばれるタイプである。本発明におい
て用いられるアルコール可溶性ナイロン樹脂は、これら
両者とも使用でき、優れた特性を示す。
【0028】また、本発明の下引き層にアルミン酸塩あ
るいはアルカリ金属のアルコキシドを含有することによ
り、反転現像方式のデジタル画像形成における1回転目
のプロセスにおける帯電性を更に改善することが出来
る。
【0029】アルミン酸塩は、オルトアルミン酸イオン
AlO3 3-やメタアルミン酸イオンAlO2 -とアルカリ
金属、アルカリ土類金属、Fe、Co、Znの各イオン
やアンモニウムイオン等との塩であり、具体的にはアル
ミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸マ
グネシウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸バリウ
ム、アルミン酸コバルト等が挙げられる。
【0030】アルカリ金属のアルコキシドとしては、リ
チウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド等が挙げられる。
【0031】本発明の下引き層における酸化チタンとバ
インダー樹脂の比率としては、酸化チタン100重量部
に対してバインダー樹脂は1から1000重量部、好ま
しくは1から300重量部の範囲で用いられる。下引き
層の膜厚は導電性支持体の表面粗さや電子写真特性に従
ってその膜厚が決定され、0.1〜30μmの範囲で用
いられる。アルミン酸塩あるいはアルカリ金属のアルコ
キシドを含有する場合、アルミン酸塩あるいはアルカリ
金属のアルコキシドは下引き層中、酸化チタン粒子とバ
インダー樹脂の合計100重量部に対し、0.01から
100重量部、好ましくは0.1から50重量部の範囲
で用いられる。
【0032】感光層は電荷発生物質である顔料等を分散
しバインダー中に埋め込んだ顔料分散単層型や、電荷発
生物質と電荷移動物質を分散混合しバインダー中に閉じ
込めた単層型、電荷発生物質と電荷移動物質を分離しバ
インダー中に封じた積層型などにより構成される。本発
明は何れの系にも適用させることが可能であるが、電荷
発生物質と電荷移動物質の性能を最大限に生かし易い機
能分離積層型感光体の系において用いられるのが好まし
い。
【0033】本発明の電子写真感光体における感光層に
は、電荷発生物質としては、CuKα1.541オンク゛スト
ロームのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が
9.5°、13.5°、14.2°、18.0°、2
4.0°、27.2°にピークを有するチタニルオキシ
フタロシアニンを含有する。
【0034】本発明の電荷発生物質として、上記チタニ
ルオキシフタロシアニンにさらに他の電荷発生物質を組
み合わせて使用してもよい。使用してもよい電荷発生物
質としては、トリフェニルメタン系染料、ザンセン系染
料、アクリジン系染料、チアジン系染料、ピリリウム系
染料、アズレニウム系染料、チイリウム系染料、シアニ
ン系染料、スクエアリウム系染料、ピロロピロール系染
料、多環キノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔
料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、アゾ
顔料、あるいはフタロシアニン類等が挙げられる。これ
らは、単独、あるいは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0035】機能分離型積層型感光体ではこれら電荷発
生物質と必要に応じバインダー樹脂の混合で電荷発生層
が構成される。バインダー樹脂としてはスチレン、酢酸
ビニル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル
等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹
脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹
脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト等やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂等が挙げられる。バインダーは電荷発生物
質100重量部に対し1から1000重量部、好ましく
は1から400重量部の範囲で用いられる。電荷発生層
の厚さは、0.1から20μmが好ましい。
【0036】本発明の感光層に使用される有機電荷移動
物質には正孔移動物質と電子移動物質がある。前者の例
としては、例えば特公昭34−5466号公報に示され
ているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報
に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4
188号公報に示されているピラゾリン類、特公昭55
−42380号公報に示されているヒドラゾン類、特開
昭56−123544号公報に示されているオキサジア
ゾール類、特公昭58−32372号公報に示されてい
るトリアリールアミン類、特開昭58−198043号
公報に示されているスチルベン類等をあげることができ
る。一方、電子移動物質としては、例えばクロラニル、
テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンなどが
ある。これらの電荷移動物質は単独または2種以上組み
合わせて用いることが出来る。
【0037】これらの電荷移動物質のなかで、ヒドラゾ
ン類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度をもち、
優れた感光体を提供するため好ましい。ヒドラゾン類の
中では、特開平1−100555号公報、同2−103
67号公報、同2−51163号公報、同2−9676
7号公報、同2−183260号公報、同2−1848
56号公報、同2−184858号公報、同2−184
859号公報、同2−226160号公報、同5−18
8609号公報、同7−140686号公報に記載の化
合物が特に好ましい。またスチルベン類の中では、特開
平2−51162号公報、同2−184857号公報、
同3−75660号公報、同4−177358号公報、
同6−194851号公報、同7−120945号公
報、同7−140683号公報、同10−78671号
公報、同10−90923号公報に記載の化合物が特に
好ましい。
【0038】機能分離型積層型感光体では少なくともこ
れら電荷移動物質とバインダー樹脂の混合で電荷移動層
が構成される。電荷移動層に用いられるバインダー樹脂
としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートに
代表されるアクリル樹脂、ビスフェノールAやZ骨格を
持つポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂等を用いることができる。電荷移動層内では有機電荷
移動物質100重量部に対し、バインダーは10から4
00重量部の範囲で用いられる。電荷移動層の厚さは、
5から100μmが好ましい。
【0039】本発明の感光層は構成有機化合物の酸化に
よる劣化を防止するために、2,6−ジ−tert−ブ
チル−p−クレゾール、DL−α−トコフェロール等の
酸化防止剤を添加してもよい。また成膜性、可撓性、機
械的強度を向上させるために周知の可塑剤を使用しても
よい。また、感光層表面には感光体の耐磨耗性やガスバ
リヤ性を向上させるために表面層を設けても構わない。
【0040】本発明の電子写真感光体の感光層製造時に
は、顔料の場合は溶剤に分散し、染料やバインダー及び
電荷移動物質は溶解させた塗布液を使用する。使用する
溶剤はクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン
等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン等のエーテル系、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系
などの溶剤の単独または2種以上の混合溶剤または必要
に応じてシクロヘキサノン等の溶剤を更に加え使用する
ことができる。また塗布方法としては回転塗布、ブレー
ド塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ロッドバー
塗布、及びスプレー塗布の様な公知の方法を用いること
が出来、特にドラム状支持体に塗工する場合には、浸漬
(ディップ)塗布方法等が用いられる。
【0041】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0042】実施例1 ポリビニルホルマール樹脂(電気化学工業製;デンカホ
ルマール#20)50重量部をメタノール300重量部
とトルエン700重量部との混合溶剤に溶解させ、それ
に1次粒子が平均粒径35nmの粒状粒子で、表面処理
されていない酸化チタン(テイカ製;MT−500B)
50重量部を混合し、直径1mmのジルコニアビーズと
共にサンドグラインドミルを用いて5時間分散した。こ
うして得た下引き層形成用塗液にアルミニウムドラム素
管を浸漬塗布し、乾燥膜厚1.0μmの下引き層を形成
した。
【0043】次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂(積水化学製;エスレックCN)10重量部をメチル
イソブチルケトン1000重量部に溶解させ、それに電
荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペク
トルが図1に示す結晶形を持つチタニルオキシフタロシ
アニン顔料10重量部を混合し、直径1mmの低アルカ
リガラスビーズと共にサンドグラインドミルを用いて1
時間分散した。こうして得た電荷発生層形成用塗液を前
記下引き層上に浸漬塗布し、乾燥膜厚約0.4μmの電
荷発生層を形成した。
【0044】次に、(1)で示されるスチルベン化合物
100重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化成製;パ
ンライトC−1400)100重量部、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾール1重量部を、ジクロロ
メタン1300重量部に溶解させた。この電荷移動層形
成用塗液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、乾燥膜厚2
5μmの電荷移動層を形成した。
【0045】
【化1】
【0046】このように作製した電子写真感光体を室温
暗所で一昼夜保管した後、室温23℃、相対湿度55%
の条件下において、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク製;シンシア90)を用いて、プロセス速度:190
mm/秒、帯電電圧:−7.0kV、露光光波長:78
0nm、露光光強度:2μW/cm2、光除電:タング
ステンランプアレイ、の条件で、帯電、露光、除電プロ
セスを行い半減露光量を測定した。また、このプロセス
を10000回繰り返して行ない、その前後で、感光体
の帯電電位及び残留電位を測定した。これらの結果を表
1に示す。
【0047】次に、この感光体を1時間放置し、再び帯
電、除電プロセスを行い1回転目及び2回転目の帯電電
位を測定した。結果を表2に示す。さらに、この感光体
を、プロセス速度が190mm/秒で、反転現像方式を
用い、感光体の1回転目から複写が行われる市販の複写
機に装着し、白地画像を複写した。得られた複写画像の
様子を表2に示す。
【0048】実施例2 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
50重量部をメタノール400重量部とジクロロメタン
600重量部との混合溶剤に溶解させ、それに1次粒子
の長軸の平均長さ75nm、短軸の平均長さ15nm、
アスペクト比の平均値5の棒状粒子で、酸化アルミニウ
ムとラウリン酸で表面処理されている酸化チタン(テイ
カ製;MT−100S)50重量部を混合し、直径1m
mのジルコニアビーズと共にサンドグラインドミルを用
いて5時間分散した。こうして得た下引き層形成用塗液
を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製
し、室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測
定、評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0049】実施例3 酸化チタンとして、1次粒子が平均粒径35nmの粒状
粒子で、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムで表面処
理されている酸化チタン(石原産業製;TTO−55
D)を用いた以外は実施例2と同様に下引き層形成用塗
液を作製した。この下引き層形成用塗液を用いた以外は
実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、室温暗所で
一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定、評価を行っ
た。結果を表1、2に示す。
【0050】実施例4 酸化チタンとして、1次粒子の長軸の平均長さ200n
m、短軸の平均長さ35nm、アスペクト比の平均値6
の棒状粒子で、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムで
表面処理されている酸化チタン(石原産業製;TTO−
M−1)を用いた以外は実施例2と同様に下引き層形成
用塗液を作製した。この下引き層形成用塗液を用いた以
外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、室温暗
所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定、評価を
行った。結果を表1、2に示す。
【0051】実施例5 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
50重量部をメタノール400重量部とジクロロメタン
600重量部との混合溶剤に溶解させ、それに酸化チタ
ン(石原産業製;TTO−M−1)50重量部とアルミ
ン酸ナトリウム10重量部を混合し、直径1mmのジル
コニアビーズと共にサンドグラインドミルを用いて5時
間分散した。こうして得た下引き層形成用塗液を用いた
以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、室温
暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定、評価
を行った。結果を表1、2に示す。
【0052】実施例6 アルミン酸ナトリウムの代わりにナトリウムエトキシド
を用いた以外は実施例5と同様に下引き層形成用塗液を
作製した。この下引き層形成用塗液を用いた以外は実施
例1と同様に電子写真感光体を作製し、室温暗所で一昼
夜保管した後、実施例1と同様の測定、評価を行った。
結果を表1、2に示す。
【0053】比較例1 電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペ
クトルが図2に示す結晶形(I形)を持つチタニルオキ
シフタロシアニン顔料を用いた以外は実施例1と同様に
電荷発生層形成用塗液を作製した。この電荷発生層形成
用塗液を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体
を作製し、室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同
様の測定、評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0054】比較例2 電荷発生物質として、CuKα線を用いたX線回折スペ
クトルが図3に示す結晶形(Y形)を持つチタニルオキ
シフタロシアニン顔料を用いた以外は実施例1と同様に
電荷発生層形成用塗液を作製した。この電荷発生層形成
用塗液を用いた以外は実施例4と同様に電子写真感光体
を作製し、室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同
様の測定、評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0055】比較例3 酸化チタンとして、1次粒子が平均粒径180nmの粒
状粒子で、表面処理されていない酸化チタン(テイカ
製;JA−1)を用いた以外は実施例2と同様に下引き
層形成用塗液を作製した。この下引き層形成用塗液を用
いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、
室温暗所で一昼夜保管した後、実施例1と同様の測定、
評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0056】比較例4 酸化チタンとして、1次粒子が平均粒径280nmの粒
状粒子で、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムで表面
処理されている酸化チタン(テイカ製;JR−603)
を用いた以外は実施例2と同様に下引き層形成用塗液を
作製した。この下引き層形成用塗液を用いた以外は実施
例1と同様に電子写真感光体を作製し、室温暗所で一昼
夜保管した後、実施例1と同様の測定、評価を行った。
結果を表1、2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】実施例1は本発明の特許請求の範囲の請求
項1に該当し、実施例2は本発明の特許請求の範囲の請
求項2に該当し、実施例3、4は本発明の特許請求の範
囲の請求項2、3に該当し、実施例5は本発明の特許請
求の範囲の請求項2、3、4に該当し、実施例6は本発
明の特許請求の範囲の請求項2、3、5に該当し、それ
ぞれ優れた特性を示す。また、実施例1より実施例2の
方が、実施例2より実施例3、4の方が優れており、実
施例5、6では反転現像方式を用いる画像形成にける1
回転目の帯電性を、更に改善することが出来る。
【0060】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、帯電電位が高く高感度で、かつ繰り返し使用しても
諸特性が変化せず安定した性能を発揮でき、さらに反転
現像方式を用いる画像形成において1回転目から良好な
帯電性を示し、画像欠陥が改良された電子写真感光体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折スペクトル。
【図2】比較例1で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折スペクトル。
【図3】比較例2で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折スペクトル。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、少なくとも酸化チタ
    ン粒子とバインダー樹脂を含有する下引き層、感光層を
    順次積層して形成してなる電子写真感光体において、感
    光層中に電荷発生物質としてCuKα1.541オンク゛スト
    ロームのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が
    9.5°、13.5°、14.2°、18.0°、2
    4.0°、27.2°にピークを有するチタニルオキシ
    フタロシアニンを少なくとも1種含有し、下引き層に含
    まれる酸化チタン粒子が、1次粒子の平均粒径が100
    nm以下の粒状粒子あるいは、1次粒子の長軸の平均長
    さが500nm以下、短軸の平均長さが100nm以下
    で、アスペクト比の平均値が2から10の棒状粒子であ
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 下引き層に含まれるバインダー樹脂がア
    ルコール可溶性ナイロン樹脂であることを特徴とする、
    請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 下引き層に含まれる酸化チタン粒子が、
    少なくとも酸化ジルコニウムで表面処理されている酸化
    チタン粒子であることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
  4. 【請求項4】 下引き層にアルミン酸塩を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 下引き層にアルカリ金属のアルコキシド
    を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感
    光体。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7662529B2 (en) 2005-10-14 2010-02-16 Fuji Electric Device Technology Co., Ltd. Electrophotographic photoconductor
US8323861B2 (en) 2006-05-18 2012-12-04 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus, and electrophotographic cartridge
US8394559B2 (en) 2006-05-19 2013-03-12 Mitsubishi Chemical Corporation Coating liquid for forming undercoat layer, photoreceptor having undercoat layer formed of the coating liquid, image-forming apparatus including the photoreceptor, and electrophotographic cartridge including the photoreceptor
US8404411B2 (en) 2006-05-18 2013-03-26 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus, and electrophotographic cartridge
US8420283B2 (en) 2006-05-18 2013-04-16 Mitsubishi Chemical Corporation Coating liquid for forming undercoat layer, method for preparing coating liquid for forming undercoat layer, electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus, and electrophotographic cartridge
US8906586B2 (en) 2006-05-18 2014-12-09 Mitsubishi Chemical Corporation Coating fluid for photosensitive-layer formation, process for producing the same, photoreceptor produced with the coating fluid, image-forming apparatus employing the photoreceptor, and electrophotographic cartridge employing the photoreceptor

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