JP6236809B2 - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性支持体上に中間層および感光層が設けられた電子写真感光体と、これを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジに関し、詳しくは低温低湿から高温高湿の環境下での繰り返し使用において特性の変化が少なく、残留電位上昇や黒ポチ画像発生も少ない電子写真感光体、これを用いた画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、高速でかつ印字品質が高いため、複写機及びレーザービームプリンター等の分野において利用されている。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる感光体として、有機の光導電材料を用いた有機感光体(OPC)の開発が進められ、次第に普及してきた。
また、感光体の構成も、電荷移動型錯体や電荷発生材料を結着樹脂中に分散した単層型の感光体から、電荷発生層と電荷輸送層とを分離した機能分離型の感光体へと変遷しており、性能も向上している。
また、感光層の接着性向上、感光層の塗工性改善、帯電性改善、支持体からの不要な電荷注入の阻止、支持体上の欠陥被覆等のために、感光体の構成層として中間層を設けることも行われている。
例えば現在、機能分離型感光体において、導電性支持体上に先ず中間層を形成し、その中間層上に電荷発生層、電荷輸送層を形成した構成のものが主流となっている。これまで、中間層に用いられている樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼインなどの水溶性樹脂、ナイロン樹脂等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂などが知られている。
さらに、樹脂を熱で硬化し三次元網目構造を形成し、耐溶剤性を高めることも行われてきた。
中でも、メラミン樹脂、アルキド/メラミン樹脂系、アクリル/メラミン樹脂やフェノール樹脂系、共重合ポリアミドなどの樹脂が、塗工液安定性に優れているため使用されている。さらに、中間層の樹脂中に無機顔料である金属酸化物を分散した感光体が提案されている。可干渉光の書き込みを行う際に中間層表面において正反射があると正反射光が干渉し、画像に干渉縞模様の濃度ムラが発生する。
しかし、白色顔料として金属酸化物を中間層中に含有させることで、中間層表面の正反射を防ぎ、干渉縞の発生を抑制することができる。
また、帯電工程において感光体表面に電荷を付与した際、支持体側には逆電荷が誘起される。
この場合、中間層の電気抵抗が低すぎると、中間層が支持体から感光層への電荷注入をブロックすることができず、支持体から感光層への電荷注入が起きた箇所が帯電不十分となり黒ポチのような画像欠陥となる。
一方、中間層の抵抗が高すぎると、露光の際、電荷発生層で発生した正負の電荷のうち支持体側へ逃げるべき電荷が中間層で阻まれ、中間層表面で残留電位が上昇してしまう。
そのため、比較的電気を通しにくい樹脂に導電体である金属酸化物を添加し、その添加割合の調整や、膜厚の調整によって電気抵抗を調整して、支持体から感光層への電荷注入の抑制と残留電位の上昇をある程度抑制しているが、この対策手法だけでは改善に限界がある。
また感光体を繰り返し使用した場合、帯電工程において、中間層中にトラップされた電荷等により、感光体に電荷を与えても感光体表面電位がすぐに上昇せず、感光体にある電荷量が流れたあと通常の帯電が始まる帯電立ち上がり遅れが発生する。
帯電立ち上がり遅れがある感光体を用いて画像形成を行った場合、本来充分な帯電電位が得られるはずの条件で帯電プロセスがなされても、像露光までに所望の表面電位が得られず画像の濃度ムラなどが生じてしまう。
金属酸化物を含有させた中間層の場合には、上記のような電気特性の安定性や黒ポチ、などの異常画像を防ぐために、含有される金属酸化物を選んだり、金属酸化物に表面処理を施したり、中間層に各種添加剤を添加することが行われている。
例えば、中間層中に表面を有機ケイ素化合物で表面処理した金属酸化物を含有させることにより、感光体の残留電位上昇を抑制する手法、または黒ポチ画像の発生を抑制する手法、あるいは残留電位上昇と黒ポチ画像発生の両方を抑制する手法に関して提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。 )。
また、不飽和結合を有するカップリング剤、金属酸化物、及び結着剤を含有する中間層とする構成により、感光体の残留電位上昇を抑制するとともに、塗工液の保存安定性を良好とする手法に関して提案されている(例えば、特許文献4参照。 )。
あるいは、ポリオール被覆酸化チタン粒子とバインダー樹脂を含有させた構成の中間層とすることにより、高温高湿から低温低湿にわたる広範囲の環境下における電子写真感光体の電気特性及び画像特性を改善する手法が提案されている(例えば、特許文献5参照。 )。
また、中間層に酸化ジルコニウムを20質量%以上含有させることで環境安定性と画像欠陥を低減させる手法に関して提案されている(例えば、特許文献6参照。 )。
また中間層に白色の金属酸化物または金属フッ素化物を含有し、かつ電荷発生層又は中間層にポリアルキレングリコールを含有することで、残留電位が小さく、疲労による帯電立ち上がり遅れを生じない手法に関して提案されている(例えば、特許文献7参照。 )。
しかしながらこれらの方法を用いた場合でも残留電位上昇と黒ポチ画像を抑制できても、感光体の繰り返し使用により帯電立ち上がり遅れを生じてしまう等、帯電立ち上がり遅れがなくかつ残留電位上昇及び黒ポチ画像を少なくする方法はなかった。 特に高温高湿環境下での黒ポチ画像を少なくすること、また、低温低湿環境下で残留電位の上昇を抑えることは困難であった。
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、導電性支持体上に順次中間層と感光層を設けてなる電子写真感光体において、繰り返し使用においても特性の変化が少なく、また低温低湿環境下での残留電位上昇、及び高温高湿下での黒ポチ画像発生の少ない電子写真感光体を提供するとともに、この電子写真感光体を用いた電子写真方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、前記課題は中間層用に少なくとも無機顔料の酸化チタンが水酸化アルミニウムで表面処理されたものを用い、吸水比率([30℃、相対湿度90%の環境下に1時間放置した時の吸水量(g)]/[無機顔料の比表面積(m)]で定義)を適正な範囲に保ち、酸化チタンの含有率を適正な範囲に保ち、更に中間層中の無機顔料の体積比率を適正な範囲に保ち、かつ中間層の体積抵抗率を適正な範囲に保つことにより感光体の繰り返し使用による特性の変化が少なく、低温低湿下での残留電位上昇、及び高温高湿下での黒ポチ画像発生の少ない電子写真感光体が提供できることを見いだした。
前記吸水率が0.01以上では高温高湿環境下では無機顔料の吸水に伴い中間層の体積抵抗が著しく低下し、画像に黒ポチが発生してくる。無機顔料中の酸化チタンの含有率が70重量%以下では不純物の影響で、繰り返し使用により残留電位上昇を引き起こし、95重量%以上になると中間層中の体積抵抗率が著しく低下し、繰り返しの使用で画像品質が低下し黒ポチ、かぶり等が発生してくる。また、電界強度2.5×10V/cmにおける中間層の体積抵抗が5×1011Ωcm以下では基盤からの異常電流により黒ポチや地かぶり等が発生し、1×1013Ωcm以上では感度低下、残留電位上昇を引き起こす。
而して、上記課題は、以下の(1)〜(5)に記載の本発明により解決される。
(1)導電性支持体上に中間層と感光層を有する感光体において、前記中間層が水酸化アルミニウム処理された酸化チタンとバインダー樹脂とを含有し、前記中間層中の無機顔料の体積比率が30%以上50%以下であり、無機顔料中の酸化チタン含有率が70重量%以上95重量%以下であり、かつ、吸水比率([30℃、相対湿度90%の環境下に1時間放置した時の吸水量(g)]/[無機顔料の比表面積(m)]で定義)が0.01以下であり、中間層が電界強度2.5×10V/cmに於ける体積抵抗率が1.0×1011Ωcm以上、1.0×1013以下であることを特徴とする電子写真感光体。
(2)前記水酸化アルミニウム処理された酸化チタンが、更にシロキサン処理される事を特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体。
(3)前記バインダー樹脂が共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(4)電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および転写手段を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体が、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(5)電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段および転写手段から選ばれる少なくとも一つの手段とを含んで一体に支持され、電子写真方式の画像形成装置本体に着脱自在とされたプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、繰り返し使用においても帯電立ち上がり遅れが少なく、また、低温低湿環境下での残留電位上昇及び高温高湿下での黒ポチ画像発生の少ない電子写真感光体、これを用いた電子写真方式の画像形成装置およびプロセスカートリッジが提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明における電子写真感光体の一構成例を示す概略断面図である。 本発明における電子写真感光体の別の構成例を示す概略断面図である。 本発明における電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の電子写真感光体についてさらに説明する。
ここで、図1は本発明における電子写真感光体の一構成例を示す概略断面図である。図1において、導電性支持体1上に、中間層2、感光層3が順次設けられている。図2は本発明における電子写真感光体の別の構成例を示す概略断面図である。図2の構成例では、導電性支持体1上に、中間層2、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層3aと電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層3bとからなる感光層3が積層された構成をとっている。なお、上記図1〜図2は例であって、本発明の電子写真感光体はこれらの構成に限定されるものではない。
≪中間層、用いる材料≫
[(1);酸化チタン微粒子の水酸化アルミニウムによる処理]
本発明において使用される水酸化アルミニウム処理酸化チタン微粒子は、例えば次のようにして製造することができる。例えば塩化アルミニウム等のアルミニウム塩の水溶液中に平均1次粒径が10nmから20nm程度のルチル型酸化チタン微粒子を分散させておき、その中に苛性ソーダ等のアルカリを加えて、水酸化アルミニウムを酸化チタン微粒子の表面に析出させる。次いでその酸化チタン微粒子を500℃程度で強熱することにより水酸化アルミニウム処理酸化チタンを得る。本発明では無機顔料中の酸化チタン含有率が70%から95%程度に設定するのが好ましい。無機顔料の酸化チタンの含有率が70重量%以下では不純物の影響で、繰り返し使用により残留電位上昇を引き起こし、95重量%以上になると中間層中の体積抵抗率が著しく低下し、繰り返しの使用で画像品質が低下し黒ポチ、かぶり等が発生してくる。
無機顔料中の酸化チタン含有率はJIS K5116記載の方法で行うことができる。
本発明の無機顔料は上記方法で作成することもできるが、市販された無機顔料として好ましい製品としては石原産業製のTTO−55(A)等がある。吸水比率が異なる製品としてはTTO−51(A)等があるが、本発明の範囲に入らない為好ましいものではない。
更に表面処理として水酸化アルミニウム処理に加えてにシロキサン処理を実施した方が効果があることが確認されている。
[(2)吸水比率:([30℃、相対湿度90%の環境下に1時間放置した時の吸水量(g)]/[無機顔料の比表面積(m)]で定義)]
吸水量(一定の無機顔料を室温30℃、相対湿度90%の環境下に1時間放置、その重量(w1)を測定する。その無機顔料を90℃の乾燥炉で1時間放置し、その重量(w2)を測定する。w1−w2を吸水量とした。
比表面積(無機顔料の比表面積を簡易BET法による窒素ガスの吸着により求めた値とする。)
ここで吸水比率は0.01以下が好ましく、0.01以上では、高温高湿環境下で中間層に含有される無機顔料の吸水により中間層の体積低効率が低下し、画像上に黒ポチ、カブリ等が発生する。
このような吸水率は、例えば原料液を作製前の状態ですり鉢等で細かくすることで調整することができる。
[(3)体積抵抗率]
中間層の体積抵抗率は、アルミニウム基盤上に中間層をシートコーターを用いて成膜し、100℃で10分乾燥させた。中間層膜厚を1μmとした。続いて、中間層上に金電極を蒸着させ、アルミニウム基盤と金電極間の体積抵抗率を(HP社製ハイレジスタンスメーター4339A)で計測した。 本発明では電界強度2.5×10V/cmにおける中間層の体積抵抗率が1.0×1011Ωcm以上、1.0×1013Ωcm以下が好ましい。1.0×1011Ωcm以下では所定の帯電特性を得ることができず、濃度ムラ等発生しやすくなり、また基盤からの異常電流により黒ポチや地かぶり等が発生する。1.0×1013Ωcm以上では感度低下、残留電位上昇を引き起こす。
[(4)無機顔料の体積比率]
無機顔料と結着樹脂との体積比率は、無機顔料と結着樹脂の比重より換算した混合体積比率で表し、詳細には酸化チタン含有率70重量%以上の無機顔料の比重は4.2g/cmとし、ポリアミド樹脂の比重は1.12g/cmとして重量を体積換算した値を用いて算出する。体積比率が30%未満では中間層の特性が結着樹脂の特性に左右され、特に温湿度の変化及び繰り返し使用において残留電位が大きく変化し、画像のムラ等が発生しやすくなる。また、50%以上では中間層の層中に空隙が多くなり、例えば、電荷発生層との接着性が低下し、さらに3/1を越えると空気が溜まるようになり、これが感光層の塗布乾燥時において気泡の原因となって塗布欠陥となってしまう。
体積比率算出方法
無機顔料の重量より換算した無機顔料体積Vf
樹脂の重量より換算した樹脂体積Vr
無機顔料比率=Vf/(Vf+Vr)×100
中間層の結着樹脂としてはスチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。樹脂の中ではポリアミド樹脂が繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、中間層用液安定性、成膜性、の点で好ましく、更に好ましくは、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、12ナイロンの3種類又は4種類の共重合させた共重合ポリアミドが環境に対する安定性で好ましい。
本発明における中間層の膜厚は、0.1〜50μmの範囲に設定することが望ましく、さらに望ましくは1〜8μmの範囲である。
中間層の膜厚が0.1μmよりも薄くなると、中間層としての機能が不充分で、前露光疲労に対する効果が少なくなり、逆に、中間層の膜厚が50μmを越えると塗膜面の平滑性が失われ、8μmを越えると感光体の感度が低下し、かつ前露光疲労に対する効果は維持されても、環境変動に対する効果がなくなる。
[支持体]
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチックまたは紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒導電性支持体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<感光層>
[電荷発生層]
次に、本発明の電子写真感光体を構成する感光層について説明する。
感光層は前記単層型構成でも電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型構成でもよいが、機能分離型構成を例として以下説明する。
すなわち、電荷発生層は、電荷発生物質を主成分として形成される層であり、必要に応じて結着樹脂を用いることもある。
電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。
アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。
これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に必要に応じて用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらの結着樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて低分子電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層に併用できる電荷輸送物質には電子輸送物質と正孔輸送物質がある。電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下の電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾ−ル誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法が挙げられる。
前者の方法としては、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法などが用いられ、上述した無機系材料、有機系材料を用いて良好に形成することができる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならば結着樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。
塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート法、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
[電荷輸送層]
一方、電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。発明において、結着樹脂成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、また、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送物質として用いることのできる材料は、上述の低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質が挙げられる。
電荷輸送物質の使用量は高分子化合物100質量部に対して20〜200質量部、好ましくは50〜100質量部程度である。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
本発明における電荷輸送層の膜厚は10μm〜30μmの範囲に設定することが望ましく、更に望ましくは15μm〜25μmの範囲である。広く用いられている電荷輸送層の膜厚は25μm〜30μmであるが、25μm以下の膜厚ではホール輸送過程での電荷の拡散が減少するので解像度が向上する。また、繰り返し使用することによる電荷輸送層の削れにより15μmの膜厚になっても正常な画像が維持できる。
[画像形成方法、画像形成装置]
次に、本発明の電子写真方式の画像形成装置について説明する。
図3は本発明における電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図3に示すように、本発明の電子写真方式の画像形成装置は、前記電子写真感光体(感光体)101、帯電手段(帯電装置)102、露光手段(画像露光系)103、現像手段(現像装置)104、転写手段(転写装置)105を具備して構成されている。本構成例では、感光体101へ潤滑剤202を供給する潤滑剤供給手段201を備えている。
上記電子写真方式の画像形成装置を用いて画像形成を行う場合、先ず帯電装置(ここではロール形状の接触帯電装置)102により(±)400〜1400Vの電圧が感光体101に印加されて感光体が帯電する。帯電により感光体101に電荷が付与(荷電)された後、画像露光系103により潜像形成が行われる。
原稿像がCCD(電荷結合素子)で読み取られ、読み取られた原稿像は400〜780nmのLDやLEDのデジタル信号に変換されて、感光体上に結像される。結像によって感光層では電荷分離が行われ、感光体101に潜像が形成される。
原稿に応じた潜像形成が行われた感光体101は、現像装置104により現像剤で現像されて、原稿像が顕像化(トナー像化)される。
次に、感光体101上のトナー像は、転写装置105により給紙されるコピー用紙109に転写された後、定着装置108に送られてハードコピー化される。
一方、転写後の感光体101は、クリーニング装置106(クリーニングブラシ106b及び弾性ゴムクリーニングブレード106aで構成)により、残留したトナー像が清掃され清浄化される。
クリーニング後の感光体にはトナー像を形成された後の潜像(原稿像)が多少なりとも保持されているため、消去し均一化するために除電装置(一般に赤色光が使用される)107で除電され、次の潜像形成の準備を終え一連の複写プロセスが終了する。
本発明の電子写真感光体を電子写真方式の画像形成装置に搭載して用いれば、繰り返し使用に対しても帯電立ち上がり遅れや残留電位の上昇が少なく、また、高温高湿環境下で形成される画像上に黒ポチなどの異常画像の発生が少ない。
また、繰り返し使用においても電子写真感光体の劣化が少ないため、幅広い環境下で長期間に亘って安定した高品質の画像が得られる。
また、上記に示すような電子写真方式の画像形成装置は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
[プロセスカートリッジ]
プロセスカートリッジとは、電子写真感光体(感光体)を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段および転写手段から選ばれる少なくとも一つの手段を含んで一体に支持され、電子写真方式の画像形成装置本体に着脱自在とされた1つの装置(部品)である。 プロセスカートリッジとすることによって、画像形成装置をコンパクトに構成することができるほか、簡単でかつ着実なメンテナンス作業が可能となり、さらに部品の交換を容易とすることが可能であり、幅広い環境下で、長期間に亘り残留電位の上昇や画像上に黒ポチの発生がなく品質の高い優れた画像が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、「部」は全て「質量部」を表す。
[実施例1]
以下の手順でアルミニウム支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成して実施例1の電子写真感光体(感光体)を作製した。
〔中間層の形成〕
[中間層用塗工液]
無機顔料として吸水比率が0・003(上記で定義された吸水量が0.135g、比表面積が45m)とし、無機顔料中の酸化チタン含有率93%とし、無機顔料9.88g、バインダー樹脂として共重合ポリアミド:アミランCM8000(東レ製)6.16g、とし、分散溶媒としてメタノール70mlとプロパノール30ml、分散メディアとして0.6φ:ジルコニアボールPTZ50mlを200mlのマヨネーズ瓶に入れ、ペイントシェーカーで15時間分散処理を行った。分散後に容器にメタノール35mlとプロパノール15mlを加えて1時間ほど攪拌させて、分散メディアをろ過して中間層用塗工液を作成した。
この中間層用塗工液を、φ30mm、厚さ0.8mmおよびφ24mm、厚さ0.8mmのアルミニウム支持体に浸漬塗工法によって塗布し、135℃で20分間乾燥して、厚み2μmの中間層を形成した。得られた中間層の無機顔料体積比率は、
無機顔料体積Vf=9・88/4.2=2.35
樹脂体積Vr=6.16/1.12=5.50
無機顔料体積比=2.35/(2.35+5.50)=30%である。
この時の中間層の体積抵抗率は3.5×1011Ωcmであった。
〔電荷発生剤の生成〕
電荷発生剤として使用するチタニルフタロシアニンの製法を示す。1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。
滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。 反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。 粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗いを繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。 得られたこのウェットケーキ2gをテトラヒドロフラン20gに投入し、4時間攪拌を行なった。 これにメタノール100gを追加して、1時間攪拌を行なった後、濾過を行ない、乾燥して、本発明のチタニルフタロシアニン粉末を得た。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、かつ7.4〜9.4°の範囲にピークを有さず、かつ26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。
〔電荷発生層の形成〕
得られたチタニルフタロシアニン顔料 15gとポリビニルブチラール(エスレックBX−1:積水化学社製 )8g、メチルエチルケトン 500gをビーズミリング分散により顔料の平均粒径が0.2μmになるように調製し電荷発生層用塗工液を浸漬塗布した。
〔電荷輸送層の形成〕
ポリカーボネート(ユーピロンZ200:三菱ガス化学社製) 10重量部下記構造式(1)の電荷輸送物質 8部テトラヒドロフラン 80部を溶解させた。続いて、電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に塗布し、125℃で20分間乾燥して膜厚23μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。 膜厚の測定は、渦電流式接触膜厚計 フィッシャースコープMMS(株式会社フィッシャーインストルメンツ製)を用いてドラム中心位置、ドラム円周6点の膜厚を計測した。
[実施例2]
実施例1記載の中間層用無機顔料重量を、18.89g(無機顔料体積比率:45%)に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は1.9×1011Ω・cmであった。
[実施例3]
実施例1記載の中間層用無機顔料重量を、23.11g(無機顔料体積比率:50%)に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は1.0×1011Ω・cmであった。
[実施例4]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0・002(上記で定義された吸水量が0.060g、比表面積が30m)であり、水酸化アルミニウム表面処理された無機顔料(酸化チタン)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は1.2×1011Ω・cmであった。
[実施例5]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0・009(上記で定義された吸水量が0.540g、比表面積が60m)の水酸化アルミニウム表面処理された無機顔料(酸化チタン)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は3.5×1011Ω・cmであった。
[実施例6]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、水酸化アルミニウム表面処理された含有率70%の無機顔料(酸化チタン)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は、3.0×1011Ω・cmであった。
[実施例7]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、水酸化アルミニウム表面処理された含有率95%の無機顔料(酸化チタン)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は、1.0×1011Ω・cmであった。
[実施例8]
実施例2における無機顔料を、吸水比率が0・001(上記で定義された吸水量が0.040g、比表面積が40m)であり、水酸化アルミニウムおよびジメチルシリコーン表面処理された酸化チタン(石原産業製のTTO−55(S))に変え、かつその含有率を90%とした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。この時の中間層の体積抵抗率は7.0×1011Ωcmであった。
[実施例9]
実施例8における無機顔料を、吸水比率が0・001(上記で定義された吸水量が0.040g、比表面積が40m)であり、水酸化アルミニウムおよびジメチルシリコーン表面処理された無機顔料(石原産業製の酸化チタン、TTO−55(S))に変え、その含有率を70%とした以外は、実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。この時の中間層の体積抵抗率は3.9×1012Ωcmであった。
[実施例10]
実施例8における無機顔料を、吸水比率が0・0002(上記で定義された吸水量が0.022g、比表面積が90m)であり、酸化チタン テイカ社製のSMT100−SAS)に変え、またその含有率を80%、無機顔料体積比率を30%とした以外は、実施例8と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は、9.0×1012Ω・cmであった。
[実施例11]
実施例2において、バインダー樹脂を、共重合ポリアミド:アミランCM8000(東レ製)に変えて、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50大日本インキ化学工業社製)とメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合したものを6.16gとし、分散溶媒としてメタノール70mlとプロパノール30mlをメチルエチルケトン100mlとした以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。この時の中間層の体積抵抗率は5.5×1011Ω・cmであった。
[比較例1]
実施例2記載の中間層用無機顔料重量を、7.70g(無機顔料体積比率:25%)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は5.0×1011Ω・cmであった。
[比較例2]
実施例2記載の中間層用無機顔料重量を、28.27g(無機顔料体積比率:55%)に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は8.9×1010Ω・cmであった。
[比較例3]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンからなる無機顔料の含有率を60%に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は、8.5×1011Ω・cmであった。
[比較例4]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンからなる無機顔料の含有率97%に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は、8.5×1011Ω・cmであった。
[比較例5]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0.014(上記で定義された吸水量が1.120g、比表面積が80m)であり、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンからなる無機顔料に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は2.0×1012Ω・cmであった。
[比較例6]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0.024(上記で定義された吸水量が2.040g、比表面積が85m)であり、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンの無機顔料の重量を9.88g(無機顔料体積比率:30%)とした以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は5.0×1012Ω・cmであった。
[比較例7]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0.024(上記で定義された吸水量が2.040g、比表面積が85m)であり、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンの無機顔料に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は1.2×1012Ω・cmであった。
[比較例8]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0.024(上記で定義された吸水量が2.040g、比表面積が85m)の、水酸化アルミニウム表面処理された酸化チタンの無機顔料の重量を23.11g(無機顔料体積比率:50%)にした以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は6.0×1011Ω・cmであった。
[比較例9]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、吸水比率が0.008(上記で定義された吸水量が0.480g、比表面積が60m)であり水酸化アルミニウム表面処理を施さない未処理の酸化チタン(石原産業製の酸化チタン、TTO−55(N))からなる無機顔料に変え、その含有率を98%とした以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は6.0×1010Ω・cmであった。
[比較例10]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、石原産業社製のCR−ELに変えることによって、吸水比率が0.002(上記で定義された吸水量が0.008g、比表面積が40m)で、酸化チタン含有率99%の、水酸化アルミニウム表面処理を施さない未処理の無機顔料に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は3.5×1010Ω・cmであった。
[比較例11]
実施例2記載の中間層用無機顔料を、テイカ社製のJMT150−ADに変えることによって、吸水比率が0.028(上記で定義された吸水量が2.44g、比表面積が800m)の酸化チタン含有率90%の、水酸化アルミニウム表面処理を施さない未処理の無機顔料に変えた以外は実施例2と同様に電子写真感光体を製作した。このときの中間層の体積抵抗率は6.0×1010Ω・cmであった。
これら結果を、下記に実施例/比較例の一覧表として示す。
[初期及び疲労試験後の静電特性の評価]
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例、比較例で作製された電子写真感光体を温度23℃、湿度50%の環境下(N/N)、温度10℃、湿度15%の環境下(L/L)、温度30℃、湿度80%の環境下(H/H)で、スコロトロン方式で感光体への放電電流25μAを流した時の感光体の表面電位(V0)を計測する。その後、表面電位が−700Vになるように放電電流を調節し、波長780nmの半導体レーザーで照射した、表面電位が1/2(−350V)に減衰した時の露光エネルギー量:半減露光エネルギー量(E1/2)を計測した。また、1.0μJ/cmの露光エネルギーを照射した時の感光体表面電位を残留電位(VL)とし、初期と1000サイクル疲労後に測定した。疲労試験後の電位偏差として
(初期電位V0)−(疲労試験後V0)=ΔV0とし、同様にVLについても、
(初期電位VL)−(疲労試験後VL)=ΔVLの電位変化を算出した。ここでΔV0、ΔVLは±50(V)以内が好ましい。
(画像評価)
図3に示されるような電子写真方式の画像形成装置(株式会社リコー製imagio MP C2200)に搭載し、帯電電位を800(−V)に、現像バイアスを700(−V)になるように調整した後、白色画像を印字する。印字された白色画像をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社:VHX−2000)を用い、1cmの範囲を拡大して黒点/チリを観察し、直径30μm以上の黒点/チリの数をカウントする。ここで黒点/チリが10個以下を良品(○)、11個以上を不良品(×)として判定した。
結果を表2、表3に示す。
表2及び表3にから分かるように、実施例1〜実施例11では、無機顔料の吸水率、無機顔料中の酸化チタンの含有量、中間層における無機顔料の体積比率、及び中間層の体積抵抗率が本発明の請求範囲にあり、N/N、L/L、H/Hそれぞれの環境下における初期電気特性、疲労試験後の電気特性の偏差、感度の環境依存性、及び画像評価(黒点/チリ)が優れていることが分かる。
比較例1では、無機顔料の体積比率が本願の請求範囲より小さく、特にΔV0(L/L)で−52(V)、ΔVL(L/L)で63(V)と疲労試験における偏差が大きくなっている。
比較例2では、無機顔料の体積比率が本発明の範囲より大きく、また体積抵抗率も請求範囲より低くなっている。電気特性は問題ないが、N/N、L/Lでの画像評価(黒点/チリ)が悪くなっている。
比較例3では、無機顔料中の酸化チタンの含有量が本願請求範囲より少ない場合であり、ΔV0(L/L)で−55(V)、ΔVL(L/L)で72(V)と疲労試験における偏差が大きくなっている。
比較例4では、無機顔料中の酸化チタンの含有量が本願請求範囲より多く、体積抵抗率が本発明の範囲より低い場合で、電気特性では問題ないがいずれの環境下でも画像評価(黒点/チリ)が悪くなっている。
比較例5〜比較例8は吸水率が本発明の範囲を外れる場合であるが、いずれも、電気特性は問題ないが、L/Lでの画像評価(黒点/チリ)が悪くなっている。
比較例9、比較例10は無機顔料として水酸化アルミニウム処理を施さない無機顔料を用いた場合であるが、体積抵抗率が本願請求範囲より低く、電気特性では問題ないがいずれの環境下でも画像評価(黒点/チリ)が悪くなっている。
比較例11はオクチルシランにより表面処理された無機顔料を用いた場合であるが、体積抵抗率が本発明の範囲より低い場合で、比較例9、比較例10同様に電気特性では問題ないがいずれの環境下でも画像評価(黒点/チリ)が悪くなっている。
1 導電性支持体
2 中間層
3 感光層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
101 電子写真感光体
102 帯電手段(帯電装置)
103 露光手段(画像露光系)
104 現像手段(現像装置)
105 転写手段(転写装置)
106 クリーニング装置
106a ゴムクリーニングブレード
106b クリーニングブラシ
108 定着装置
109 コピー用紙
201 潤滑剤供給手段
202 潤滑剤
特開2003−57862号公報 特開2003−66636号公報 特開2002−196522号公報 特開平11−15184号公報 特開平10−228125号公報 特開平11−202518号公報 特開平05−165241号公報

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に、中間層と、電荷輸送層、及び電荷発生層を有する感光層とを有する電子写真感光体において、
    前記中間層が水酸化アルミニウム処理された酸化チタンとバインダー樹脂とを含有し、前記中間層中の水酸化アルミニウム処理された酸化チタンの体積含有比率が40.5体積%以上50体積%以下であり、前記水酸化アルミニウム処理された酸化チタン中の酸化チタン含有率が70重量%以上95重量%以下であり、かつ、吸水比率([30℃、相対湿度90%の環境下に1時間放置した時の吸水量(g)]/[無機顔料の比表面積(m)]で定義)が0.01以下であり、前記中間層は、電界強度2.5×10V/cmに於ける体積抵抗率が1.0×1011Ωcm以上1.0×1013Ωcm以下であり、
    前記電荷輸送層が少なくとも下記の構造式(1)の化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記水酸化アルミニウム処理された酸化チタンが、更にシロキサン処理されたものであることを特徴とする請求項1の記載の電子写真感光体。
  3. 前記バインダー樹脂が共重合ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段、および転写手段を有する電子写真方式の画像形成装置において、前記電子写真感光体が、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段および転写手段から選ばれる少なくとも一つの手段とを含んで一体に支持され、画像形形成装置本体に着脱自在とされたプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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