JP3908433B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体に関し、得に反転現像方法にては白抜け発生の要因となる残留電位の少ない、また繰返使用による感度変動の受けにくい感光体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。
【0003】
一方、カールソンプロセスおよび類似プロセスにおいてくり返し使用される電子写真感光体の条件としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。その他、レーザー光干渉による異常画像であるモアレ発生の少ない感光体が待望されている。
【0004】
特開昭63−298249にはモアレ防止目的で酸化チタンと電荷発生物質を含有する層を有する感光体が提示されている。しかしながら、該特許には電気特性値の記載がなく、使用した酸化チタンがアルミ表面処理したものであるため、我々の検討の結果、該特許の酸化チタンでは感度変動防止効果がなかった。
また特開昭61−117558は電荷発生層に無機化合物粉体を添加したものであるが目的が逆層感光体で耐摩耗性の向上のためであり本特許とは異なる。
【0005】
特開平05−249708は電荷発生層に酸化チタン含有したものであるが いずれも表面処理した酸化チタンを使用しているかアモルファス、アナタース等別結晶型である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の感光体の場合、電荷発生層は電荷発生材と樹脂が主成分として含有されることが多い。その場合、光照射後に電荷発生層に残留する電荷、すなわち負帯電感光体で電荷輸送層がホール輸送性の場合は電子が電荷発生層に残留し基盤電極側に移動しにくい。
そのためその箇所で残留電位が発生するなどの問題があった。また光干渉によるモアレ発生も問題となっている。
【0007】
本発明の目的は、特に反転現像方法にては白抜け発生の要因となる残留電位の少ない、さらにモアレなど光干渉の影響を受けにくい総合的に特性の良い感光体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は下記の構成よりなる。
(1)少なくとも導電性支持体、電荷発生層、電荷輸送層を有する積層感光体において電荷発生層中に純度が99重量%以上の高純度酸化チタンと電荷発生材とを含有してなることを特徴とする電子写真感光体。
(2)平均粒径0.1μm以下の酸化チタンであることを特徴とする前記(1)記載の電子写真感光体。
(3)電荷輸送層の塗工溶媒がテトラヒドロフランであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電子写真感光体。
かかる構成により上記問題点が改良された。
【0009】
以下、本発明の電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図であり、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが、積層されたものであり、図2はそれを逆層としたものである。
【0010】
導電性支持体31としては、体積抵抗1010 Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0011】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0012】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0013】
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0014】
電荷発生層35は、電荷発生材料として電荷発生材料及びバインダー樹脂を主成分とする層である。本発明ではこの層に純度99%以上の酸化チタン粒子を含有せしめるものである。これを添加すると残留電位が減少するという利点を有することがわかった。
【0015】
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラールに代表されるポリビニルアセタールは良好に使用される。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
【0016】
なお、電荷発生層における金属酸化物の量は電荷発生材に対し1〜80%、好ましくは10〜70%である。少なすぎると本特許の効果はなく多すぎると感度低下が生ずる。
【0017】
電荷発生材としては各種フタロシアニン顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。
【0018】
ここで用いられる溶剤としては、各種アルコール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0019】
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0020】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0021】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0022】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0023】
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0024】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。特に残留電位の発生し易いテトラヒドロフラン使用塗工の場合に残留電位の低下に有効であった。また、電荷輸送層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。
【0025】
本発明の感光体において電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1重量%が適当である。
【0026】
本発明の感光体においては、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0027】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0028】
本発明の感光体においては、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0029】
本発明の感光体においては感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0030】
次に図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに電子写真装置を詳しく説明する。
図3は、本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図であり、以下に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0031】
感光体1はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャー3、転写前チャージャー7、転写チャージャー10、分離チャージャー11、クリーニング前チャージャー13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
【0032】
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
【0033】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0034】
かかる光源等は、図3に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0035】
さて、現像ユニット6により感光体1上に現像されたトナーは、転写紙9に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体1上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ14およびブレード15により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0036】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明が実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
【0038】
実施例1
アルミニウム板上に下記組成の下引き層塗工液を塗布乾燥し約5ミクロンの下引き層を作製した。
◎下引き層塗工液
酸化チタン(商品名CR-EL,石原産業(株)製)粉末 40部
アルキド樹脂 6部
メラミン樹脂 4部
2−ブタノン 50部
【0039】
この上に下記電荷発生層塗工液で電荷発生層を塗布した。
◎電荷発生層塗工液
チタニルフタロシアニン粉末 1部
(X線回折図で2θ=27.2°にピークを有するもの)
無表面処理高純度酸化チタン(高純度品)
(商品名CR-EL,石原産業(株)製) 1部
2%ポリビニルブチラール樹脂メチルエチルケトン溶液 50部
メチルエチルケトン 60部
の組成で60分の振動ミリング機による分散後に
メチエチルケトン 100部
を追加しさらに30分追加分散した。
【0040】
この上に下記組成の電荷輸送層塗工液にて約15μm厚さの電荷輸送層を作製した。
◎電荷輸送層塗工液
ポリカーボネート 25部
下記構造式の電荷輸送物質 25部
【0041】
【化1】
テトラヒドロフラン 250部
シリコーンオイル 0.03部
【0042】
実施例2
実施例1における電荷発生層塗工液に加える酸化チタンを表1−1の種類に変更した。
【0043】
比較例1
実施例1において電荷発生層塗布液に酸化チタンを添加しないでチタニルフタロシアニン添加量を2部とし、電荷発生層の膜厚を約1/2とした。
【0044】
【表1】
【0045】
次にこうして得られた積層型電子写真感光体の可視域での感度を調べるためこの感光体に静電複写紙試験装置((株)川口電気製作所製)を用いて暗所で−6kvのコロナ放電を20秒間行って帯電させた後の電位Vm(V)を測定し,さらに20秒間暗所にて放置したのち表面電位V0(V)を測定した。ついで30秒間露光した後の露光後30秒後の残留電位V30(V)を調べた。また再度−800Vに帯電させた後780nmの単色光を感光体表面で5μW/cm2となる光量で照射し−800ボルトからの電位が1/5になるまでの露光量E1/5(μJ/cm2)を算出した。また同じ静電複写紙試験装置((株)川口電気製作所製)で、帯電させながら光を同時に照射して、帯電チャージャー電圧、光照射量を調整して、感光体を流れる電流が5.6μAの電流で表面電位が-800Vになるような条件下で15分間帯電、露光を続け、その後で上記のようにV m 、V 0 、V 30 、E 1/5 の測定を行い15分間疲労後の結果も示した。その結果を表1−2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表1−2の結果から酸化チタンを電荷発生層に添加することにより酸化チタンの種類によらず残留電位(V30)が低下している。これは電荷発生後に生じたマイナス電荷が速やかに電極側に抜けるようになったためと考えられるが定かでない。
【0048】
一方、酸化チタンの種類でいえば無表面処理(高純度品)の方が比較例の表面処理品に比べて残留電位が少ない。一方、小粒径酸化チタンは膜が透明なためか感度が高いという利点がある。しかし粒径が小さいためモアレ防止効果は劣る。それぞれ利点、欠点があるが残留電位防止効果は有する。
【0049】
このようにしてなる電子写真感光体をアルミドラム上に作製し図3に示す電子写真プロセスに装着し画像出しを行った。その結果、良質の画像が得られた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、特に反転現像方法にては白抜き発生の要因となる残留電位の少ない、さらにモアレなど光干渉の影響を受けにくい総合的に特性の良い感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構成例を示す断面図である。
【図2】図1を逆層とした構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の電子写真プロセスおよび電子写真装置を説明するための概略図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャー
5 画像露光部
6 現像ユニット
9 転写紙
Claims (3)
- 少なくとも導電性支持体、電荷発生層、電荷輸送層を有する積層感光体において電荷発生層中に純度が99重量%以上の高純度酸化チタンと電荷発生材とを含有してなることを特徴とする電子写真感光体。
- 平均粒径0.1μm以下の酸化チタンであることを特徴とする請求項1の電子写真感光体。
- 電荷輸送層の塗工溶媒がテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項1又は2の電子写真感光体。
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