JP2000047406A - 光導電体、有機顔料分散液及びそれを用いた光導電体の製造方法、及び電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents

光導電体、有機顔料分散液及びそれを用いた光導電体の製造方法、及び電子写真方法及び電子写真装置

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JP2000047406A
JP2000047406A JP10225179A JP22517998A JP2000047406A JP 2000047406 A JP2000047406 A JP 2000047406A JP 10225179 A JP10225179 A JP 10225179A JP 22517998 A JP22517998 A JP 22517998A JP 2000047406 A JP2000047406 A JP 2000047406A
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electrophotographic
photoconductor
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titanyl phthalocyanine
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Minoru Umeda
実 梅田
Hiroyuki Kamimura
浩之 上村
Yasuo Hirano
泰男 平野
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で繰り返し使用での電位安定性に優
れ、異常画像のない、しかも製造時の塗工液の分散性の
優れた電子写真感光体、電子写真方法及び電子写真装置
を提供すること。 【解決手段】 少なくともチタニルフタロシアニンと下
記一般式(1)で表わされるビスアゾ顔料の1種を含有
してなる層を有することを特徴とする光導電体。 【化1】 (式中、Cp1、Cp2は互いに異なるカップラー残基を
表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体並
びにそれを用いた電子写真方法及び電子写真装置に関
し、詳しくは、高感度で異常画像が少なく、繰り返し使
用によっても感光体の帯電電位と残留電位の安定性に優
れ、また、製造における安定性に優れた電子写真感光体
並びにそれを用いた電子写真方法及び電子写真装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデ
ジタル信号に変換して、光によって情報記録を行なう光
プリンタは、そのプリント品質、信頼性において向上が
著しい。このデジタル記録技術はプリンタのみならず通
常の複写機にも応用され、いわゆるデジタル複写機が開
発されている。また、従来からあるアナログ複写にこの
デジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報
処理機能が付加されるため、今後その需要性が益々高ま
っていくと予想される。
【0003】光プリンタの光源としては、現在のところ
小型で安価で信頼性の高い半導体レーザ(LD)や、発
光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく
使われているLEDの発光波長は660nmであり、L
Dの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光
領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光
体の開発が望まれている。
【0004】電子写真感光体の感光波長域は、感光体に
使用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決ま
ってしまう。そのため、従来から各種アゾ顔料、多環キ
ノン系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料
等多くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、
チタニルフタロシアニン(以下、TiOPcと略記され
る)は600〜800nmの長波長光に対して高感度を
示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリンタ
やデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重要か
つ有用である。
【0005】機能分離型の電子写真用感光体の感光波長
領域は、電荷発生物質によって変わる。800nm付近
に高感度な電荷発生物質としては、無金属フタロシアニ
ン、銅フタロシアニン、アルミクロロフタロシアニン、
クロロインジウムフタロシアニン、マグネシウムフタロ
シアニン、亜鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニ
ン、バナジルフタロシアニン等のフタロシアニン化合物
が知られている。特に長波長に高感度なフタロシアニン
化合物としては、特開昭58−182639号公報に示
されるτ型及びη型無金属フタロシアニン、特開昭61
−109056号公報、特開昭62−134651号公
報、特開昭64−17066号公報、特開平1−172
459号公報、特開平2−289658号公報、特開平
3−128973号公報等に示されるチタニルフタロシ
アニン、特開平1−268763号公報、特開平3−2
69063号公報等に示されるバナジルフタロシアニン
がある。
【0006】レーザープリンタ及び複写機等の高性能化
に伴い、電子写真用感光体には益々の高感度化が要求さ
れ、上記フタロシアニン化合物を基に種々の改良が試み
られている。例えば、特開昭62−54266号公報に
示されるフタロシアニン化合物、ペリレン化合物及び正
孔輸送物質を結着樹脂中に分散させた感光体、特開昭6
3−313165号公報に示されるフタロシアニン化合
物と特定のジスアゾ化合物の混合物を電荷発生層とする
感光体、特開平3−1150号公報に示される特定のペ
リレン化合物とチタニルフタロシアニンを電荷発生物質
とし、特定のジアミン誘導体を電荷輸送物質とする感光
体、特開平3−37661号公報に示されるチタニルフ
タロシアニンと多環キノン化合物を別個又は混合した層
を設けた感光体、特開平3−157666号公報に示さ
れるチタニルフタロシアニンと特定のフタロシアニン化
合物の混合物を電荷発生物質とし、特定のヒドラゾン化
合物を電荷輸送物質とする感光体、特開平3−1960
49号公報に示される特定のジスアゾ化合物とチタニル
フタロシアニンを電荷発生物質とし、特定のスチルベン
化合物を電荷輸送物質とする感光体等が開示されてい
る。
【0007】一方、カールソンプロセス及び類似プロセ
スにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件と
しては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残
留電位、分光特性に代表される静電特性が優れているこ
とが要求される。とりわけ、高感度感光体については、
繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が感
光体の寿命特性を支配することが多くの感光体で経験的
に知られており、チタニルフタロシアニンもこの例外で
はない。したがって、チタニルフタロシアニンを用いた
感光体の繰り返し使用による安定性は未だ十分とはいえ
ず、その技術の完成が熱望されていた。
【0008】また、長期間の使用により原因は明らかで
はないが、画像上に白抜けや地汚れといった異常画像が
発生するという問題がある。このため、支持体と感光層
の間の中間層の材料が制約されたり、積層した2層の中
間層が必要になっていた。
【0009】さらに、製造時の塗工液の分散性が低いと
生産性が落ちるのみならず、電子写真感光体の静電特性
も不安定になり、また、画像における品質も低下すると
いう問題があった。チタニルフタロシアニンは多種類の
結晶形が存在し、かつ各々の結晶形も有機溶媒と接触す
ることなどにより、他の結晶形に変わることが多い。こ
のためチタニルフタロシアニンを含有する分散液の作製
において、その作製方法や、分散条件等の選択により、
分散性だけでなく作製された電子写真感光体の静電特性
にも大きな影響を与える。これは、励起子の解離による
電荷の発生が粒子の表面積や粒径等に依存することに起
因する。一方、破砕や分散の進行により粒子は微細化さ
れるが、過分散になると逆に粒子の凝集等が起こり、分
散性を低下させることになるため、単に分散時間を増加
させるだけでは、良好な分散状態、さらには要求される
静電特性を得ることは困難である。したがって、要求さ
れる静電特性を得るためには、分散方法やその条件の最
適化が必要である。フタロシアニンとビスアゾ顔料の混
合物を電子写真感光体に使用する文献としては、例えば
特開平3−37666号公報、特開平7−152163
号公報等が挙げられる。しかしながら、異常画像や塗工
液の分散性の関係については明らかにされていなかっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で繰り返し使用での電位安定性に優れ、異常画像のな
い、しかも製造時の塗工液の分散性の優れた電子写真感
光体、電子写真方法及び電子写真装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行ない、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明によれば、(1)「少なくとも
チタニルフタロシアニンと下記一般式(1)で表わされ
るビスアゾ顔料の1種を含有してなる層を有することを
特徴とする光導電体、
【0012】
【化2】 (式中、Cp1、Cp2は互いに異なるカップラー残基を
表わす。)」、(2)「導電性支持体上に少なくともチ
タニルフタロシアニンと前記一般式(1)で表わされる
ビスアゾ顔料の1種を含有してなる感光層を有すること
を特徴とする電子写真感光体」、(3)「導電性支持体
上に少なくともチタニルフタロシアニンと前記一般式
(1)で表わされるビスアゾ顔料の1種を含有してなる
電荷発生層と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送物
層を積層したことを特徴とする電子写真感光体」、
(4)「有機溶媒中に少なくともチタニルフタロシアニ
ンと前記一般式(1)で表わされるビスアゾ顔料の1種
を分散してなることを特徴とする有機顔料分散液」、
(5)「前記(4)項に記載の分散液を塗布・乾燥する
工程を経て作製される前記(1)乃至(3)項のうち何
れか1に記載の光導電体又は電子写真感光体の製造方
法」、(6)「電子写真感光体に、少なくとも帯電、画
像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行
なう電子写真方法において、該電子写真感光体が前記
(2)又は(3)項に記載の感光体であることを特徴と
する電子写真方法」、(7)「少なくとも帯電手段、画
像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、
除電手段及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装
置であって、該電子写真感光体が前記(2)又は(3)
項に記載の感光体であることを特徴とする電子写真装
置」が提供される。
【0013】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
で用いられるTiOPc顔料の基本構造は次の一般式
(2)で表わされる。
【0014】
【化3】 (式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン
を表わし、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の数字
を表わす。)
【0015】TiOPcには種々の結晶形が知られてお
り、特開昭59−49544号公報、特開昭59−16
6959公報、特開昭61−239248号公報、特開
昭62−67094号公報、特開昭63−366号公
報、特開昭63−116158号公報、特開昭63−1
96067号公報、特開昭64−17066号公報等に
各々結晶形の異なるTiOPcが開示されている。
【0016】本発明に使用されるTiOPcは、公知の
結晶形(無定形も含む)もの全てが使用できるが、とり
わけ、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)を用いた
X線回析スペクトルにおいて、(i)ブラッグ角2θの
主要ピークが少なくとも9.6°±0.2°、24.0
°±0.2°および27.2°±0.2°にある結晶形
を有するもの、(ii)ブラッグ角2θの主要ピークが少
なくとも7.5°±0.2°、25.3°±0.2°お
よび28.6°±0.2°にある結晶形を有するもの、
(iii)ブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.
3°±0.2°、13.1°±0.2°および26.2
°±0.2°にある結晶形を有するものが好ましく使用
される。目的とする結晶形(無定形も含む)を得る方法
は、合成過程において公知の方法による方法、洗浄・精
製過程で結晶を変える方法、特別に結晶変換工程を設け
る方法が挙げられ、どの方法によってもかまわない。
【0017】本発明で使用できる一般式(1)のビスア
ゾ顔料としては、以下のものが挙げられる。
【0018】
【化4】 (式中、Cp1、Cp2は互いに異なるカップラー残基を
表わす。) Cp1、Cp2は下記一般式(3)〜(13)で示すカッ
プラー残基を表わす。
【0019】
【化5】 (式中、R1、R2は水素原子、置換乃至無置換のアルキ
ル基、置換乃至無置換のアリール基、置換乃至無置換の
ヘテロ環基を表わし、R1、R2はそれらに結合する窒素
原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原
子、置換乃至無置換のアルキル基、置換乃至無置換のア
ルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置
換乃至無置換のアミノ基を表わし、nは0〜5の整数を
表わす。)
【0020】
【化6】 (式中、R4、R5は水素原子、置換乃至無置換のアルキ
ル基、置換乃至無置換のアラルキル基、置換乃至無置換
のアリール基、置換乃至無置換のスチリル基、置換乃至
無置換のヘテロ環基を表わし、R4、R5ははそれらに結
合する炭素原子とともに環を形成してもよい。R6はハ
ロゲン原子、置換乃至無置換のアルキル基、置換乃至無
置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ
ル基、置換乃至無置換のアミノ基を表わし、nは0〜5
の整数を表わす。)
【0021】
【化7】 (式中、R7、R8は水素原子、置換乃至無置換のアルキ
ル基、置換乃至無置換のアリール基、置換乃至無置換の
ヘテロ環基を表わし、R7、R8はそれらに結合する窒素
原子とともに環を形成してもよい。R9はハロゲン原
子、置換乃至無置換のアルキル基、置換乃至無置換のア
ルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、置
換乃至無置換のアミノ基を表わし、nは0〜4の整数を
表わす。R9は環を形成してもよい。)
【0022】
【化8】 (式中、R10、R11は水素原子、置換乃至無置換のアル
キル基、置換乃至無置換のアラルキル基、置換乃至無置
換のアリール基、置換乃至無置換のスチリル基、置換乃
至無置換のヘテロ環基を表わし、R10、R11はそれらに
結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。R12
ハロゲン原子、置換乃至無置換のアルキル基、置換乃至
無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキ
シル基、置換乃至無置換のアミノ基を表わし、nは0〜
4の整数を表わす。R12は環を形成してもよい。)
【0023】
【化9】 (式中、R13、R14は水素原子、置換乃至無置換のアル
キル基、置換乃至無置換のアリール基、置換乃至無置換
のヘテロ環基を表わし、R13、R14はそれらに結合する
窒素原子とともに環を形成してもよい。R15はハロゲン
原子、置換乃至無置換のアルキル基、置換乃至無置換の
アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、
置換乃至無置換のアミノ基を表わし、nは0〜6の整数
を表わす。)
【0024】
【化10】 (式中、R16、R17は水素原子、置換乃至無置換のアル
キル基、置換乃至無置換のアリール基、置換乃至無置換
のヘテロ環基を表わし、R16、R17はそれらに結合する
窒素原子とともに環を形成してもよい。Xは複素環又は
その置換体を表わす。)
【0025】
【化11】 (式中、R18は置換乃至無置換のアルキル基、カルバモ
イル基、カルボキシル基、又はそのエステルを表わし、
Ar1は炭化水素環基又はその置換体を表わす。)
【0026】
【化12】 (式中、R19は置換乃至無置換の炭化水素基を表わ
す。)
【0027】
【化13】 (式中、Yは芳香族炭化水素の2価の基、又は窒素原子
を環内に含むヘテロ環の2価の基を表わす。)
【0028】
【化14】 (式中、R20、R21はハロゲン原子、置換乃至無置換の
アルキル基、置換至 乃無置換のアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換乃至無換置のアミ
ノ基を表わし、m、nは0〜5の整数を表わす。)
【0029】
【化15】 (式中、R22、R23はハロゲン原子、置換乃至無置換の
アルキル基、置換乃置至無換のアルコキシ基、ニトロ
基、シアノ基、ヒドロキシル基、置換乃至無置ア換のミ
ノ基を表わし、mは0〜5の整数を、nは0〜4の整数
を表わす。)
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面によって説明
する。図1は、本発明に用いられる有機光導電層を表わ
す断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生
材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層(33)
が設けられている。図2及び図3は、本発明に用いられ
る有機光導電層の別の構成例を示す断面図であり、電荷
発生材料を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸
送材料を主成分とする電荷輸送層(37)とが、積層さ
れた構成をとっている。かかる構成の有機光導電層は、
このままの状態で電子写真用有機感光体として用いるこ
とができる他、導電性支持体(31)に対して対向電極
(図示せず)を設けて、光センサー、光電池等に用いる
こともできる。
【0031】導電性支持体(31)としては、体積抵抗
1010Ωcm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミ
ニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白
金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸
化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状
もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、或
いは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ス
テンレス等の板およびそれらを押し出し、引き抜き等の
工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理し
た管等を使用することができる。また、特開昭52−3
6016号公報に開示されたエンドレスニッケルベル
ト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(3
1)として用いることができる。
【0032】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性
支持体(31)として用いることができる。この導電性
粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、
銅、亜鉛、銀等の金属粉或いは導電性酸化スズ、ITO
等の金属酸化物粉体等が挙げられる。また、同時に用い
られる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロー
ス樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性
樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電
性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、
例えば例えばTHF(テトラヒドロフラン)、MDC
(ジクロロメタン)、MEK(メチルエチルケトン)、
トルエン等に分散して塗布することにより設けることが
できる。更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(商標
名)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チュ
ーブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導
電性支持体(31)として良好に用いることができる。
【0033】次に感光層について説明する。感光層は単
層でも積層でもよいが、説明の都合上、まず電荷発生層
(35)と電荷輸送層(37)で構成される場合から述
べる。電荷発生層(35)は、電荷発生材料として上述
したTiOPcと一般式(1)のアゾ顔料を主成分とす
る層である。電荷発生層(35)は、前記電荷発生材料
を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中に
分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥すること
により形成される。
【0034】本発明に使用されるTiOPcの結晶形
は、公知の結晶形(無定形を含む)すべてを用いること
ができ、且つ有用であるが、必ずしもそれに限定される
ものではない。また、一般式(1)のアゾ顔料は基本的
に無定形を示す傾向にあるが、必ずしもそれに限定され
るものではない。本発明に使用されるTiOPcと一般
式(1)のアゾ顔料の比は、TiOPcが1に対して一
般式(1)のアゾ顔料0.01〜100であり、好まし
くは0.1〜90である。これらの顔料の混合方法は、
TiOPcと一般式(1)のアゾ顔料を最初から同時
に、次に記す溶媒に分散してもよいし、或いは、まずT
iOPcを分散したところへ一般式(1)のアゾ顔料を
添加して混合してもよいし、また、順番が逆でもよい。
更に、TiOPcと一般式(1)のアゾ顔料を各々別々
に分散したものを後で混ぜ合わせてもよい。
【0035】分散媒としての非水溶媒には、公知のもの
が広く使用できる。例えばイソプロパノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モ
ノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレ
ン、リグロイン等が好ましく使用できる。これらの溶媒
は単独で又は混合して用いられる。これらの溶媒は、最
初から混合して使用してもよいし、また、これらの溶媒
を用いてTiOPc及び/又は一般式(1)のアゾ顔料
を分散した後に希釈溶媒を混合してもよい。
【0036】また、適宜使用してもよいバインダー樹脂
としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、
エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコ
ン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド等が挙げられ用いられる。バインダー
樹脂と顔料の比率は0/3〜3/1が好ましく、より好
ましくは0/2〜2/1である。バインダー樹脂は分散
前に添加してもよいし、或いは、TiOPc及び/又は
一般式(1)のアゾ顔料と溶媒のみで分散した後に添加
してもよい。また、分散の途中で添加することも可能で
ある。
【0037】分散のためのメディアの材質としては、ジ
ルコニア、ガラス、アルミナ、非酸化物、金属等が挙げ
られ用いられる。湿式分散によって分散液を得るための
分散手段としては、ボールミル、アトライター、サンド
ミル、振動ミル、円盤振動ミル、ペイントシェーカー、
ジェットミル等の公知の方法が挙げられ用いられる。た
だし、目的とする分散液の作製条件は、各分散条件によ
り異なるため、画一的に定義することはできない。その
理由としては、分散手段乃至その使用条件により粉砕
力、分散力、錬磨力等の比率が異なるためと考えること
ができるし、また、使用する溶媒種によっても分散条件
が異なることが挙げられる。塗布液の塗工法としては浸
漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコー
ト、スピナーコート、リングコート等の方法を用いるこ
とができる。
【0038】電荷発生層(35)には、上記のTiOP
cと一般式(1)のアゾ顔料の他にその他の電荷発生材
料を併用することも可能であり、その代表例として、ア
ゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリ
ドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸
系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン
系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられ
る。電荷発生層(35)の膜厚は0.01〜5μm程度
が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0039】電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質及び
結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷
発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。ま
た、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を
添加することもできる。
【0040】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えば、クロ
ルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフ
ェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオ
フェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等
の電子受容性物質が挙げられる。
【0041】正孔輸送物質としては、ポリ−N−カルバ
ゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチル
グルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ
ド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、
オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノア
リールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリア
リールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニル
スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタ
ン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルア
ントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼ
ン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジ
エン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、
エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これ
らの電荷輸送物質は、単独または2種以上混合して用い
られる。
【0042】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セル
ロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、または
熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0043】電荷輸送物質の量は、結着樹脂100重量
部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜15
0重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は、5
〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いら
れる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジク
ロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、
アセトンなどが用いられる。
【0044】本発明において、電荷輸送層(37)中に
可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一
般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま
使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重
量%程度が適当である。レベリング剤としてはジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等
のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル
基を有するポリマー、或いはオリゴマーが使用され、そ
の使用量は、結着樹脂に対して0〜1重量%程度が適当
である。
【0045】次に、感光層が単層構成(33)の場合に
ついて説明する。上述したTiOPcと一般式(1)の
アゾ顔料を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。
単層感光層は、電荷発生物質及び電荷輸送物質及び結着
樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾
燥することによって形成できる。更に、この感光層には
上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとして
もよく、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤
やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもでき
る。
【0046】結着樹脂としては、先に電荷輸送層(3
7)で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発
生層(35)で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよ
い。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は
5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜1
90重量部が好ましく、更に好ましくは50〜150重
量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を
必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、
ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒
を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やス
プレーコート、ビードコート等で塗工して形成できる。
単層感光層の膜厚は5〜100μm程度が適当である。
【0047】本発明に用いられる電子写真感光体には、
導電性支持体(31)と感光層との間に下引き層を設け
ることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とす
るが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤をで塗布す
ることを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の
高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシ
メチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレ
タン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成す
る硬化型樹脂などが挙げられる。また、下引き層にはモ
アレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シ
リカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末を加えても
よい。これらの下引き層は、前述の感光層の場合と同
様、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができ
る。
【0048】さらに、本発明における下引き層として、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロム
カップリング剤等を使用することもできる。この他、本
発明の下引き層にはAl23を陽極酸化にて設けたもの
や、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、S
iO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物
を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
この他にも公知のものを用いることができる。下引き層
の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0049】本発明の電子写真感光体には、感光層保護
の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもあ
る。保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、A
CS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素
化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリア
セタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリ
レート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテル
スルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、
ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホ
ン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共
重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層に
はその他、耐摩耗性を向上する目的で、ポリテトラフル
オロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂及びこ
れら樹脂に酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム等
の無機材料を分散したもの等を添加することができる。
【0050】保護層の形成法としては、通常の塗布法が
採用される。なお、保護層の厚さは、0.1〜10μm
程度が適当である。また、以上の他に真空薄膜作製法に
て形成したa−C、a−SiCなど公知の材料を保護層
として用いることができる。本発明においては、感光層
と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中
間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用い
る。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶
性ナイロン、水酸化ポリビニルブチラール、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が
採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程
度が適当である。
【0051】以下に、図面を用いて本発明の電子写真方
法並びに電子写真装置を詳しく説明する。図4は、本発
明の電子写真プロセス及び電子写真装置の1例を説明す
るための概略図であり、下記するような変形例も本発明
の範疇に属するものである。図4において、この電子写
真装置は、ドラム状の感光体(1)の上面に、近接しか
つ円周に沿って、反時計方向に、除電露光部(2)、帯
電チャージャ(3)、イレ−サ(4)、画像露光部
(5)、現像ユニット(6)、転写前チャージャ
(7)、転写チャージャ(10)、分離チャージャ(1
1)、分離爪(12)、クリーニング前チャージャ(1
3)、ファ−ブラシ(14)、クリーニンブラシ(1
5)を順次付設してなる。さらに転写紙(9)を、感光
体(1)と転写チャージャ(10)および分離チャージ
ャ(11)の間に送りこむための、レジストロ−ラ
(8)を付設している。感光体(1)は、ドラム状の導
電性支持体とその上面に密着した感光層からなり、反時
計方向に回転する。
【0052】上記の電子写真装置を使用した電子写真方
法においては、感光体(1)は、反時計方向に回転し
て、帯電チャージャ(3)で正または負に帯電され、さ
らにイレ−サ(4)によって、残留トナーが清掃された
後、画像露光部(5)からの露光によって、静電潜像を
感光体(1)上に形成する。転写手段には、一般に上記
の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャ
ージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的で
ある。
【0053】また画像露光部(5)および除電ランプ
(2)等で使用する光源としては、蛍光灯、タングステ
ンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発
光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エ
レクトロルミネッセンス(EL)等の発光手段を使用す
ることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射
するために、シャープカットフィルター、バンドパスフ
ィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフ
ィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなど
の各種フィルターを用いることもできる。かかる光源等
は、図4に図示した工程の他に、光照射を併用した転写
工程、除電工程、クリーニング工程、或いは前露光等の
工程を設けることにより、感光体に光が照射される際に
も用いることができる。
【0054】現像ユニット(6)において、感光体
(1)上にトナーを付着させて静電潜像を現像し、転写
前チャージャ(7)によって、トナー像の帯電状態を調
整した後、転写チャージャ(10)により転写紙(9)
にトナー像を転写し分離チャージャ(11)によって感
光体(1)と転写紙(9)との静電的付着状態を解消
し、分離爪(12)によって転写紙(9)を感光体
(1)から分離する。転写紙(9)の分離後、クリーニ
ング前チャージャ(13)ファーブラシ(14)および
クリーニンブラシ(15)により感光体(1)表面を清
掃する。このクリーニングは、クリーニングブラシ(1
5)だけで、残存するトナーを除去することにより行う
こともできる。
【0055】感光体に正または負の帯電を施して画像露
光を行った場合、感光体上には正または負の静電潜像が
形成される。これを、負または正に帯電した極性のトナ
ー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られる
し、逆に正または負に帯電した極性のトナーで現像すれ
ば、ネガ画像が得られる。かかる現像には、公知の方法
を適用することができ、また、除電手段にも公知の方法
が用いられる。
【0056】この例においては導電性支持体はドラム状
のものとして示されているが、シート状、エンドレスベ
ルト状のものを使用することができる。クリーニング前
チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体
帯電器(ソリッドステートチャージャ)、帯電ローラな
どをはじめとする公知の帯電手段を用いることができ
る。また転写チャージャおよび分離チャージャには、通
常上記の帯電手段を、使用することができるが、図4に
示すように、転写チャージャと分離チャージャを一体化
した帯電器は、効率的で好ましい。クリーニングブラシ
には、ファーブラシ、マグファーブラシなどをはじめと
する公知のものを使用することができる。
【0057】図5は、本発明の電子写真プロセスの別の
例を説明する概略図を示す。この例においてベルト状の
感光体(21)は、特定の不純物含有量が規定されたT
iOPc感光層を有しており、駆動ローラ(22a)、
(22b)により駆動され、帯電チャ−ジャ(23)に
よる帯電、像露光源(24)による画像露光、現像(図
示せず)、転写チャ−ジャ(25)による転写、クリー
ニング前露光部(26)によるクリーニング前露光、ク
リーニングブラシ(27)によるクリーニング、除電光
源(28)による除電からなる一連の画像操作が順次繰
り返し行われる。なお、この場合クリーニング前露光部
の露光は、感光体(21)の導電性支持体側より行われ
る。勿論この場合導電性支持体は、透光性である。
【0058】以上に図示した電子写真プロセスは、本発
明の実施態様を例示するものであって、もちろん他の実
施形態も可能である。例えば図5においてクリーニング
前露光は、感光層側から行うことができるし、また画像
露光部および除電露光部の露光を、導電性支持体側から
行うこともできる。
【0059】一方、光照射工程としては像露光、クリー
ニング前露光、除電露光が図示されているが、他に、転
写前露光、像露光のプレ露光およびその他公知の光照射
工程を設けて、感光体に本発明の光照射を行なうことも
できる。
【0060】以上に示すような本発明の画像形成手段
は、複写装置、ファクシミリ、プリンタなどの装置内に
固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリ
ッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセ
スカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、
露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除
電手段などを含んだ一つの装置(部品)である。プロセ
スカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な
例として図6に示すものが挙げられる。図6に示される
プロセスカートリッジは、感光体(16)の周囲に配置
された帯電チャージャ(17)、クリーニングブラシ
(18)、画像露光部(19)、現像ローラ(20)等
からなるコンパクトな構造を有する。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により制約を受けるもの
ではない。なお、実施例中の「部」はすべて重量部であ
る。 実施例1 内容積1リットルのパイレックスガラス性ボールミルポ
ットに部分安定化ジルコニウムボールを充填し、次に示
す各素材を投入後、常温で60時間転動分散し、分散液
を得た。 TiOPc顔料粉末 2部 ポリビニルブチラール 1.5部 2−ブタノン 200部 下記構造式の一般式(1)のアゾ顔料 1部
【0062】
【化16】
【0063】比較例1 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で60時間転動分散し、分散
液を得た。 TiOPc顔料粉末 2部 ポリビニルブチラール 1.5部 2−ブタノン 200部
【0064】実施例2 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で20時間転動分散し、分散
液を得た。 TiOPc顔料粉末 2部 ポリビニルブチラール 1.5部 テトラヒドロフラン 200部 下記構造式の一般式(1)のアゾ顔料 2部
【0065】
【化17】
【0066】比較例2 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で20時間転動分散し、分散
液を得た。 実施例2で用いた一般式(1)のアゾ顔料 2部 ポリビニルブチラール 0.5部 テトラヒドロフラン 200部
【0067】実施例3 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で5時間転動分散した。 TiOPc顔料粉末 3部 ポリビニルブチラール 1部 テトラヒドロフラン 100部 次いで、下記の素材を投入し、更に12時間分散を行な
い、目的の分散液を得た。 2−ブタノン 100部 下記構造式の一般式(1)のアゾ顔料 1部
【0068】
【化18】
【0069】実施例4 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で5時間転動分散した。 TiOPc顔料粉末 3部 ポリビニルブチラール 1部 テトラヒドロフラン 150部 下記構造式の一般式(1)のアゾ顔料 1.5部
【0070】
【化19】 次いで、下記の素材を投入し、更に12時間分散を行な
い、目的の分散液を得た。 TiOPc顔料粉末 2部 エチルセルソルブ 50部
【0071】実施例5 実施例1で用いたものと同じボールミルポットに、次に
示す各素材を投入後、常温で10時間転動分散し分散液
を得た。 ポリビニルブチラール 1部 テトラヒドロフラン 50部 下記構造式の一般式(1)のアゾ顔料 1.3部
【0072】
【化20】 これと同時に、実施例1で用いたものと同じボールミル
ポットに、次に示す各素材を投入後、常温で10時間転
動分散し分散液を得た。 TiOPc顔料粉末 2部 エチルセルソルブ 150部 次に、これらの分散物を混合し、更に10時間分散し、
分散液を得た。
【0073】以上のように作製した実施例1〜5、比較
例1〜2の各分散液を、内径5mm、長さ30cmのガ
ラス管に入れ、2日間放置した。そのとき生じた上澄み
部分の長さ(分散液が透明になった長さ)を測定した。
次に、作製した実施例1〜5、比較例1〜2の各分散液
を用い、アルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、ブレード塗工法で乾燥膜厚約0.3μmの
チタニルフタロシアニン及び/又は一般式(1)で表わ
されるビスアゾ顔料を分散した有機光導電層を形成し
た。このときの塗膜の状態を目視にて判定した。以上の
結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】次に、アルミニウム・シリンダー上に、下
記組成の下引き層塗工液、上記の実施例1〜5、及び比
較例1〜2の顔料分散液、及び下記組成の電荷輸送層塗
工液を順次塗布・乾燥し、乾燥膜厚が各々3.5μmの
下引き層、0.2μmの電荷発生層、24μmの電荷輸
送層を設け、積層感光体を作製した。これらを上記の実
施例1〜5、及び比較例1〜2の感光体と称することに
する。 ・下引き層塗工液 二酸化チタン粉末 15部 ポリビニルブチラール 3部 エポキシ樹脂 3部 2−ブタノン 150部 ・電荷輸送層塗工液 ポリカーボネート 10部 塩化メチレン 80部 下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0076】
【化21】
【0077】以上の各感光体を特開昭60−10016
7号公報に開示されている評価装置で、次のような測定
を行なった。コロナ放電電圧−5.7kVで帯電20秒
後の電位Vm(V)、暗減衰20秒後の電位V0(V)、
強度61xの白色光により電位V0を1/5に減衰させ
るのに必要な露光量E1/5(lx・s)を測定した。電
位保持率を次のように定義する。 電位保持率=V0/Vm 上記の各電子写真感光体を図4に示す電子写真プロセス
に装着し(ただし、画像露光光源を680nmに発光を
もつLDとした)、連続して1万枚の印刷を行ない、そ
のときの印刷画像を評価した。以上の結果を表2に示
す。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明より明らか
なように、本発明によれば、チタニルフタロシアニンと
特定の化学構造を有するアゾ顔料からなる混合分散液を
作製することで、分散安定かつ塗工安定性に優れた光導
電性顔料の分散液を作製することができる。また、本発
明によればチタニルフタロシアニンと特定の化学構造を
有するアゾ顔料からなる高感度な光導電層を形成するこ
とができる。更に、本発明によれば、チタニルフタロシ
アニンと特定の化学構造を有するアゾ顔料からなる光導
電層を有する光導電体を含む電子写真方法並びに電子写
真装置が提供されるため、異常画像の発生しない高品質
の印字システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構造を示す断面図である。
【図2】本発明の感光体の別の層構造を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の感光体の更に別の層構造を示す断面図
である。
【図4】本発明の電子写真方法及び電子写真装置の例を
説明する概略図の1例である。
【図5】本発明の電子写真方法及び電子写真装置の別の
例を説明する概略図の別の例である。
【図6】本発明の電子写真方法及び電子写真装置のさら
に別の例を説明する概略図の別の例である。
【符号の説明】
1 感光体 2 除電ランプ 3 帯電チャージャ 4 イレーサ 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャ 8 レジストロ−ラ 9 転写紙 10 転写チャージャ 11 分離チャージャ 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャ 14 ファ−ブラシ 15 クリーニングブラシ 16 感光体 17 帯電チャージャ 18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 21 感光体 22a 駆動ロ−ラ 22b 駆動ロ−ラ 23 帯電チャージャ 24 像露光源 25 転写チャージャ 26 クリーニング前露光部 27 クリーニンブラシ 28 除電光源 31 導電性支持体 33 感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 泰男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA34 AA35 BA39 BA44 BA53 EA12 FB07 FB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともチタニルフタロシアニンと下
    記一般式(1)で表わされるビスアゾ顔料の1種を含有
    してなる層を有することを特徴とする光導電体。 【化1】 (式中、Cp1、Cp2は互いに異なるカップラー残基を
    表わす。)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に少なくともチタニルフ
    タロシアニンと前記一般式(1)で表わされるビスアゾ
    顔料の1種を含有してなる感光層を有することを特徴と
    する電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に少なくともチタニルフ
    タロシアニンと前記一般式(1)で表わされるビスアゾ
    顔料の1種を含有してなる電荷発生層と、電荷輸送材料
    を主成分とする電荷輸送物層を積層したことを特徴とす
    る電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 有機溶媒中に少なくともチタニルフタロ
    シアニンと前記一般式(1)で表わされるビスアゾ顔料
    の1種を分散してなることを特徴とする有機顔料分散
    液。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載の分散液を塗布・乾
    燥する工程を経て作製される請求項1乃至3のうち何れ
    か1に記載の光導電体又は電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画
    像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行
    なう電子写真方法において、該電子写真感光体が前記請
    求項2又は3に記載の感光体であることを特徴とする電
    子写真方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現
    像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電
    子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該
    電子写真感光体が前記請求項2又は3に記載の感光体で
    あることを特徴とする電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7101647B2 (en) 2002-09-24 2006-09-05 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material
JP2010070596A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 有機顔料分散液、有機半導体層の形成方法、有機トランジスタの製造方法および有機トランジスタ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7101647B2 (en) 2002-09-24 2006-09-05 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material
JP2010070596A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Ricoh Co Ltd 有機顔料分散液、有機半導体層の形成方法、有機トランジスタの製造方法および有機トランジスタ

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