JP2002311626A - 接触帯電用電子写真感光体およびこの感光体を搭載した電子写真装置 - Google Patents

接触帯電用電子写真感光体およびこの感光体を搭載した電子写真装置

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JP2002311626A
JP2002311626A JP2001117934A JP2001117934A JP2002311626A JP 2002311626 A JP2002311626 A JP 2002311626A JP 2001117934 A JP2001117934 A JP 2001117934A JP 2001117934 A JP2001117934 A JP 2001117934A JP 2002311626 A JP2002311626 A JP 2002311626A
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JP2001117934A
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English (en)
Inventor
Mikio Yamazaki
幹夫 山崎
Masaru Kobashi
勝 小橋
Shinichiro Nishimaki
慎一郎 西牧
Naoyuki Senba
直幸 仙庭
Hidetaka Yahagi
秀隆 矢萩
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Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Imaging Device Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿環境下においても、黒点または地汚
れのない良好な画像品質を有する接触帯電用電子写真感
光体を提供すること。 【解決手段】 導電性基体上に下引層と感光層をこの順
に積層する感光体において、前記下引層の体積固有抵抗
率が1×1011Ωcm以上であって、前記感光層に含有
される有機顔料が、通過累積分布曲線で表わした際の8
4%通過粒径D84(nm)と16%通過粒径D16(n
m)とで定義される粒度分布パラメーターσg(nm)
が式(1)に示す関係を満たす粒度分布を有する接触帯電
用電子写真感光体とする。 【数4】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体およ
び電子写真装置に関するものであり、特に接触帯電方式
の電子写真感光体およびこの感光体を搭載した電子写真
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した画像形成方法
は、正規現像方式を採用するオフィス用複写機、反転現
像方式を採用するプリンタ、プロッターおよびこれらの
機能を複合させたディジタル画像複合機などのほか、近
年、個人向けの小型プリンタ、ファクス送受信機などの
多くの電子写真装置に適用されている。
【0003】特に、近年の電子写真装置は、発振波長が
450〜780nm程度の半導体レーザーあるいは発光
ダイオードを露光用光源として画像および文字などのデ
ィジタル信号を光信号に変換し、帯電している感光体上
に照射することによって感光体表面に静電潜像を形成
し、これをトナーによって可視化する反転現像方式と言
われる電子写真プロセスを採用したものが多くなってき
ている。
【0004】これらの電子写真装置に搭載される感光体
は、カールソンの発明(USP2297691)以来、
数多くの改良が積み重ねられてきている。最近では特に
有機材料を主要感光層材料とする有機系感光体が一般的
となっている。
【0005】このような有機感光体としては、アルミニ
ウムなどの導電性基体上に陽極酸化皮膜、有機樹脂膜な
どの下引層、フタロシアニン類、アゾ顔料などの光導電
性を有する有機顔料を含む電荷発生層、π電子共役系と
結合したアミン、ヒドラゾンなど自由電荷のホッピング
伝導に関与する部分構造を有する分子などからなる電荷
輸送材料を含む電荷輸送層、および必要に応じて保護層
をこの順に積層してなる機能分離型有機感光体がある。
また、下引層上に電荷発生および電荷輸送の機能を併せ
持つ感光層またはさらに保護層を積層してなる単層型感
光体も知られている。
【0006】前記した光導電性を有するフタロシアニン
類は他の電荷発生剤と比較して、特に半導体レーザーの
発振波長領域での吸光度が大きく、かつ、優れた電荷発
生能力を有するため感光層用材料として広く検討されて
いる。
【0007】現在、このようなフタロシアニンとして
は、中心金属に銅、アルミニウム、インジウム、バナジ
ウム、チタニウムなどを有する各種フタロシアニンが知
られている(詳細は特開昭53-89433号公報、U
SP3816118、特開昭57-148745号公
報、USP3825422等参照方)。
【0008】前記電子写真プロセスに含まれる感光体の
帯電工程において用いられる帯電方式には、コロトロ
ン、スコロトロン等のコロナ放電による非接触帯電方式
および導電性ゴムからなるローラや導電性繊維からなる
ブラシなどの帯電部材による接触帯電方式とがある。
【0009】後者の接触帯電方式は非接触帯電方式と比
較して大気中での放電距離が短いためにオゾンの発生が
少なく、電源電圧も低くてもよいので、放電によって生
じる帯電部材への汚れの沈着がなく、メンテナンスフリ
ーとなるだけでなく、さらに、感光体上での帯電位も均
一にできるメリットがある。接触帯電方式はこのような
特質を有するので、特に中型〜小型装置において、より
コンパクトで低コスト、低環境汚染の電子写真装置を設
計する上で欠かせない方式となっている。
【0010】一方、前記反転現像方式においては、暗部
電位が画像上の白地に対応し、明部電位が画像の黒地に
対応する点で正規現像方式は逆の対応関係となる。一般
的に画像においては、白地上の黒点、地かぶりなどの欠
陥部位は特に目に付き易いので問題とされ易い。このた
め、正規現像方式ではあまり問題とならない程度の導電
性基体上に凹凸などのような構造上の部位あるいは不純
物の析出などの材質の不均一性に関与する部位などで
も、反転現像方式では、前述の白地上の黒点、地かぶり
などの欠陥部位に対応し、画像品質的に問題になり易
い。こうした画像品質上の問題点(欠陥)は導電性基体
上の前記欠陥部において基体から感光層への電荷注入が
生じ、欠陥部において局所的な帯電位低下が引き起こさ
れることによって生じるものと考えられている。特に反
転現像方式と接触帯電方式を同時に採用する電子写真装
置においては、感光体と帯電部材が直接接触するために
前述したような欠陥発生の傾向が特に顕著である。
【0011】このような接触帯電方式を採用した電子写
真装置における前述のような問題点を改善するために
は、基体面の凹凸や材質の不均一性を緩和することを目
的として基体と感光層との間に下引層を設けることが一
般的に行われている。そのような下引層として、アルミ
ニウムの陽極酸化皮膜、ベーマイト皮膜などの無機系皮
膜の他、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ゼラチン、ポリウレタ
ン、ポリアミドなどの有機樹脂膜を用いるとよいことが
知られている。そのうち有機樹脂膜には、別途、基体か
らの過剰な露光光の反射を抑制することにより干渉縞な
どによる画像障害を防止したり、下引層の抵抗値を適正
に調整する目的で、さらに酸化チタン、酸化亜鉛などの
金属酸化物粒子を含有させることもある。
【0012】前記無機系皮膜については、特公平5-3
4964号公報に記載されているように、特に陽極酸化
皮膜が高温高湿環境下での電位安定性に優れていること
が知られている。
【0013】後者の有機樹脂膜では、特に共重合ナイロ
ン皮膜が浸漬塗工法により均一な膜厚が得られ、量産性
に優れ、かつ、安価であることから広く一般に用いられ
ている。
【0014】しかしながら陽極酸化皮膜は製造コストが
高いので、安価であることが普及の要件である個人用電
子写真装置向け感光体への適用に対してはコスト的に不
利となる。
【0015】一方、前記有機樹脂を主成分とする下引層
を備える感光体は、特に接触帯電方式で、反転現像方式
の電子写真装置に搭載した場合、高温高湿環境下での使
用において、地かぶりの発生が著しいうえ、帯電位変動
が大きくなる傾向があり、実用的にも問題がある。
【0016】このような問題に対しては、特公平7-4
3544号公報には20℃における飽和吸水率が10%
以下で、かつ、11あるいは12ナイロンの少なくとも
いずれかを30ないし70%含有する共重合ポリアミド
樹脂からなる下引層を適用することにより黒点、かぶり
を防止できるとの記載がある。
【0017】しかし、本発明者らの評価によれば、その
ようなポリアミド樹脂からなる下引層を有する感光体で
あっても、接触帯電方式で、反転現像方式を採用した電
子写真装置に搭載し、高温高湿環境下にて画像形成を行
なわせた場合には、画像品質上、前述のような黒点、か
ぶりの問題がないとは言い難いものであった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した点に鑑
み、本発明は、高温高湿環境下においても、黒点または
地汚れのない良好な画像品質を有する接触帯電用電子写
真感光体およびこの感光体を搭載する電子写真装置の提
供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
れば、前記目的は、導電性基体上に下引層と感光層をこ
の順に積層する電子写真感光体において、前記下引層の
体積固有抵抗率が1×1011Ωcm以上であって、前記
感光層に含有される有機顔料が、通過累積分布曲線で表
わした際の84%通過粒径D84(nm)と16%通過粒
径D16(nm)とで定義される粒度分布パラメーターσ
g(nm)が式(1)に示す関係を満たす粒度分布を有す
る接触帯電用電子写真感光体とすることにより、達成さ
れる。
【0020】
【数2】
【0021】請求項2記載の発明によれば、下引層が1
1あるいは12ナイロンのうち少なくともいずれか一方
を共重合単位として含む共重合ナイロンを主成分として
含有する請求項1に記載の接触帯電用電子写真感光体と
することが好ましい。
【0022】請求項3記載の発明によれば、下引層が酸
化チタンを含有する請求項1または2記載の接触帯電用
電子写真感光体とすることが望ましい。
【0023】請求項4記載の発明によれば、感光層が電
荷発生層と電荷輸送層とをこの順に積層した層である請
求項1ないし3のいずれか一項に記載の接触帯電用電子
写真感光体とすることが適切である。
【0024】請求項5記載の発明によれば、感光層が電
荷発生機能および電荷輸送機能を併せ持つ単層である請
求項1ないし3のいずれか一項に記載の接触帯電用電子
写真感光体とすることが好適である。
【0025】請求項6記載の発明によれば、前記目的
は、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電子写真
感光体と、接触帯電方式と反転現像方式とを含む電子写
真プロセスを備える電子写真装置とすることにより達成
される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる接触帯電
用電子写真感光体およびこの感光体を搭載した電子写真
装置について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は
以下説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0027】図1は本発明にかかる接触帯電用電子写真
感光体10の模式的断面図である。この接触帯電用電子
写真感光体10は、アルミニウム合金からなる導電性基
体(ドラム)1上に下引層2を形成後、感光層5とし
て、電荷発生層3と電荷輸送層4をこの順に積層するこ
とにより形成される。
【0028】図2は本発明にかかる単層型の感光層を備
える単層型接触帯電用電子写真感光体の模式的断面図を
示す。この感光体は導電性基体1上に下引層2と、電荷
発生機能と電荷輸送機能を併有する単層感光層5を備え
る。
【0029】図3に接触帯電法を用いた電子写真プロセ
スを含む電子写真装置20の概略図を示す。このプロセ
スは、導電性基体1とその外周面上に被覆された感光層
5からなる電子写真感光体10の周面上にローラ帯電部
材6、像露光手段8、現像器9、給紙ローラと給紙ガイ
ド11、転写帯電器(直接帯電型)12、クリーナ1
3、除電手段14が配置されている。画像形成の方法
は、まず、電子写真感光体10上に接触配置されている
帯電用部材6に電源7から供給される電圧を印加して感
光体10表面を帯電し、像露光手段8によって原稿に対
応した画像を感光体10に像露光し、静電潜像を形成す
る。次に、現像器9中のトナーを感光体10に付着させ
ることにより感光体10上の静電潜像を反転現像方式に
より現像(可視像化)する。さらに感光体10上に形成
されたトナー像を給紙ローラと給紙ガイド11を通して
供給された紙などの転写材上に転写帯電器12によって
転写し、クリーナ13によって、転写材に転写されずに
感光体10上に残った残トナーを回収する。なお、感光
層5内部に残留電荷が残るような場合には、除電手段1
4によって感光体10に適切な電圧を印加して除電また
は光を用いた除電をしたほうがよい。一方、トナー像が
形成された転写材は搬送部15によって図示しない定着
器に送られてトナー像が定着される。
【0030】この電子写真装置20において、像露光手
段8にかかる光源はハロゲン光、LED、レーザー光な
どを用いることができる。また必要に応じて他の補助プ
ロセスを加えてもよい。また、本発明にかかる接触によ
る帯電工程は帯電工程6だけでなく転写工程12でもお
こなわれる。
【0031】図3に示す帯電ローラ6として、例えば6
mmφの鉄、アルミニウム、ステンレス棒等からなる軸
(芯材)を、抵抗率108Ωcmの導電性シリコーンゴ
ムを弾性層として用いて12mmφとなるように被覆
し、さらに抵抗率1010Ωcmのポリアミド樹脂からな
る表面層を0.1μmの厚さで形成したものが用いられ
る。
【0032】前記弾性層を形成する樹脂成分としては、
前記の他にEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン−
ターポリマー)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ス
チレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルブ
タジエンゴム、ウレタンゴム等のゴムや、ブタジエン樹
脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン
−イソプレン−スチレン共重合体等のポリスチレン系、
ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、スチレン−
酢酸ビニル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体等の高分子材料を用いることができる。
【0033】前記表面層を形成する樹脂成分としては、
その他にポリウレタン、アクリル樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルアセタール、ポリアリレート、ポリ
カーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢
酸ビニル、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、ポ
リビニルアルコール、ブタジエン樹脂、フッ素樹脂、シ
リコーン樹脂等の高分子化合物を使用することができ
る。特に塗布法によって表面層を形成する場合はポリウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素
樹脂およびポリアミド樹脂等が塗布効率の面から好適で
ある。この表面層は省かれる場合もある。
【0034】この帯電ローラ6は感光体10に適切な圧
力(帯電ローラの軸に5N/cmを加重)で接触してお
り、高圧電源7からこの帯電ローラ6に1.0kVの直
流電圧にピーク間電圧2.0kVを重畳した脈流電圧が
印加され、感光体10の表面が帯電される。なお、接触
帯電に部材の形状としては前記のローラの他ブラシ状、
ブレード状のものを用いることもできる。この電子写真
装置20は、以上説明した電子写真プロセスにかかる部
材の他、これらの駆動部材、その他、必要な通常の構成
部材からなる。
【0035】このような電子写真装置20としては、複
写機だけでなくレーザービームプリンタ、ファクシミ
リ、電子写真製版システムなどがある。
【0036】前記図1に示す感光体にかかる導電性基体
1としては、前記アルミニウム合金製の円筒(ドラム)
の他に、導電性プラスチック製フィルムなどを用いるこ
とができる。ガラスやアクリル、ポリアミド、ポリエチ
レンテレフタレートなどの成型体、シート材などに電極
を付与したものも用いることができる。
【0037】下引層2は、層形成した際に、体積固有抵
抗率が1×1011Ωcm以上の値を有する有機樹脂膜が
好ましく、特に11あるいは12ナイロンの少なくとも
いづれか一方を含む共重合ナイロンが好適である。ま
た、量産性に優れる浸漬塗工法によって成膜するため、
有機溶剤に可溶であることが好ましい。さらにポリアミ
ド樹脂の一種であるナイロンは6ナイロン、66ナイロ
ンあるいは610ナイロンなどとの共重合体であること
が好ましい。本発明にかかるポリアミド樹脂の分子量と
しては10,000〜20,000が好適である。下引層
2の膜厚としては0.02〜10μm、より好ましくは
0.5〜2μmが好適である。
【0038】下引層2によっては、温度、湿度などの環
境の変動による影響を受け、画像特性の安定性が不十分
となる場合や、下引層2の下側に位置する導電性基体1
の表面状態によっては、露光光の反射が入射光と干渉し
あい、画像上に意図しない干渉縞を生じる場合がある。
これらの場合について、下引層2による画像特性の安定
性に対する環境変動の影響を抑制する目的あるいは露光
光を散乱させ干渉を防ぐ目的で、下引層2中に酸化チタ
ンなどの顔料粒子を含有させることが好ましい。このよ
うな酸化チタンを含有する下引層2を用いて、さらにそ
の上に、感光層5を塗布する場合、その塗布液への酸化
チタン汚染を低減することにより、塗布液中における顔
料粒子の分散安定性を図る目的で、ビニルフェノール樹
脂や、メラミン樹脂など熱硬化性の有機樹脂を下引層2
の層形成樹脂として用いることも好ましい。
【0039】接触帯電方式の電子写真装置20に搭載さ
れる電子写真感光体10に対して、前記各種有機樹脂を
下引層2として適用する場合、高温高湿環境下で地かぶ
りや黒点の無い良好な画像品質を達成するためには、前
記体積固有抵抗率に関する要件と、電荷発生層3に含ま
れる顔料粒子の粒度分布が前記式(1)の範囲内に制御さ
れるという粒度分布に関わる要件とを同時に満たさなけ
ればならない。これらの要件を満たさない感光体10を
接触帯電方式の装置20に装着して高温高湿環境下にて
画像を印刷した場合、著しい地汚れを生じる。具体的に
は、体積固有抵抗率が1×1011Ωcm未満であるポリ
アミド樹脂を下引層2とした感光体10や、この樹脂の
体積固有抵抗率を1×1011Ωcm以上とした感光体で
あっても、電荷発生剤顔料の粒度分布に関わる制約、す
なわち、前記式(1)に定義される条件を満たさない感光
体は、前記同様の条件にて画像を形成させたときに著し
い地かぶりを生じるのである。
【0040】電荷発生層3としては各種有機顔料を樹脂
バインダーと共に用いることができる。特に各種の結晶
形態を有する無金属フタロシアニンおよび中心金属とし
て銅、アルミニウム、インジウム、バナジウム、チタニ
ウムなどを有する各種フタロシアニン、各種ビスアゾ、
トリスアゾ顔料が好適である。これらの有機顔料は樹脂
バインダー中に平均粒子径50〜800nm、好ましく
は150〜300nmに調整され、樹脂バインダー中に
分散された状態で用いられる。
【0041】有機顔料の粒度分布は前記式(1)の制約を
満たさなくてはならないが、このような粒度分布はディ
スクタイプ、アニュラータイプあるいはピンつきアニュ
ラータイプのビーズミルなどを用いて、特定の運転条件
により粉砕・分散処理することによって、あるいは、ボ
ールミルとペイントシェーカー、サンドグラインドミル
との組み合わせなど、粗粉砕に関わる手法と微粉砕に関
わる手法との組み合わせによって粉砕、分散処理を行な
うことによって達成される。
【0042】また、かかる粒度分布は、樹脂バインダー
および分散溶剤の選定によっても影響を受けるが、樹脂
バインダーとしては各種のポリ塩化ビニル、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポ
リカーボネート、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂などの
なかから適切なものを選択することができる。
【0043】また、分散溶剤としては、各種有機溶剤お
よびイオン交換水、界面活性剤溶液などのなかから適切
なものを選択することができる。具体的には塩化メチレ
ン、1、2-ジクロルエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭
化水素、テトラヒドロフランなどエーテル系炭化水素、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類、酢酸エチル、エチルセロソルブなどのエス
テル類などを用いることができる。
【0044】塗布、乾燥後の電荷発生層3において、結
着樹脂比率が30重量部から70重量部となるように、
塗布液中での電荷発生剤と結着樹脂比率を調整すること
が望ましい。
【0045】とりわけ好ましい電荷発生層3の組成は結
着樹脂50重量部に対して、電荷発生剤50重量部であ
る。また、塗布液中の固形分比率は作業効率や、薄膜に
制御する観点から1〜4wt%、特に2〜3wt%が好
ましい。
【0046】前記有機顔料の粒度分布は作製した電荷発
生層塗布液を市販の動的光散乱式、レーザー回折式など
の粒度分析装置に直接導入することによって精度よく測
定することができる。
【0047】この方法とは別に、この電荷発生層塗布液
をガラス基板やシリコンウエハなどの平滑な表面上に極
めて薄く塗布し、これを乾燥し、次いでPt-Pd合金
などコーティングすることによって導電性を付与し、走
査型電子顕微鏡を用いて観察することによっても評価で
きる。
【0048】また、電荷発生層を適切な基板上に成膜し
た後に、ミクロトームなどを用いてこの基板の断面薄片
試料を作成し、この試料について透過電子顕微鏡観察を
行なうことによっても評価できる。
【0049】電子顕微鏡などによって得られた電荷発生
剤の顔料粒子の画像は、画像処理ソフトウエアにより画
像の濃淡について適切な閾値を設定して二値化処理を行
なった後に粒径測定を行い、粒度分布解析を行なうこと
が望ましい。
【0050】本発明における粒径とは不定形粒子の体積
を球に換算した場合の球の直径であって、一般に等体積
球相当径と呼ばれる量である。また、本発明における電
荷発生剤顔料の粒度分布は通過累積分布曲線によって表
わされる。
【0051】この通過累積分布曲線は、ある粒子の集団
について粒度分布が求められている時に、粒子の体積の
合計を100%として、横軸を等体積球相当径、縦軸を
特定粒径以下である粒子の体積比で表現したものであ
る。粒子の比重を一定とすると、縦軸は特定の粒径以下
を有する粒子の存在頻度あるいは個数に相当する(化学
工学協会編 化学工学便覧 改定4版 971〜973
頁1978丸善、竹内他解説化学工学 1982 培風
館)。
【0052】以上述べた電荷発生層用の組成物を適宜配
合して塗布液を作成し、前述の分散処理装置および手段
を用いてこの塗布液を処理することにより、顔料粒子の
粒径を所望の平均粒径および粒度分布に調整し、塗工に
用いる。電荷発生層膜厚としては0.1〜5μm、好ま
しくは0.2〜0.5μmが好適である。
【0053】電荷輸送層4は電荷輸送剤単体または、電
荷輸送剤を結着樹脂と共に適切な溶媒に溶解させた塗布
液を作成し、これを浸漬法、アプリケーターによる方法
等を用いて電荷発生層3上に塗布、乾燥することにより
形成する。電荷輸送剤は複写機、プリンタ、ファクス送
受信機などにおける感光体10の帯電方式に応じて適宜
正孔輸送性を有する物質または電子輸送性を有する物質
を用いる。これらの物質は公知の物質(例えば、Bor
senberger,P.M.and Weiss D.
S.ed “Organic Photorecepto
rs forImaging Systems”Marc
el Dekker Inc.1993のなかに例示され
ている)の中から適切なものを選んで用いることができ
る。正孔輸送材としては各種ヒドラゾン、スチリル、ジ
アミン、ブタジエン、インドール化合物あるいはこれら
の混合物、電子輸送材としては各種ベンゾキノン誘導
体、フェナントレンキノン誘導体、スチルベンキノン誘
導体がある。
【0054】電荷輸送材とともに電荷輸送層4を形成す
る結着樹脂としては、膜強度、耐摩耗性の観点から、ポ
リカーボネート系高分子が広く用いられている。これら
のポリカーボネート系高分子としては、ビスフェノール
A型、C型、Z型などがあり、また、これらを構成する
モノマー単位を含む共重合体やビスフェノールA−ビフ
ェニル系共重合体を用いてもよい。かかるポリカーボネ
ート高分子の最適分子量範囲は10,000〜100,0
00である。この他には、ポリエチレン、ポリフェニレ
ンエーテル、アクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リウレタン、エポキシ、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルブチラール、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、
セルロース樹脂およびこれらの共重合体を用いることも
できる。
【0055】電荷輸送層4の膜厚は感光体10の帯電特
性、耐摩耗性などを考慮すれば、3〜50μmの範囲と
なるよう形成することが好ましい。また、表面の平滑性
を得るため、シリコーンオイルを適宜添加してもよい。
必要に応じて電荷輸送層4上に表面保護層を設けてもよ
い。
【0056】
【実施例】以下、本発明にかかる接触帯電用電子写真感
光体における下引層の体積固有抵抗率と、電荷発生剤と
しての有機顔料の粒度分布とを変化させた感光体試料を
作成し、高温高湿環境下における画像品質を評価するこ
とにより、本発明による優れた効果について説明する。
【0057】(実施例1)ナイロン6/66/12共重
合体(共重合比率は30/34/36)を、メタノー
ル、ブタノール、塩化メチレンのそれぞれ4/4/2重
量部の混合溶媒に溶解し、この溶液に鏡面仕上げしたア
ルミニウム素管(ドラム)を浸漬塗布し、下引層を設け
た。このようにして設けた下引層塗膜を100℃、30
分間乾燥したところ、膜厚は約0.5μmであった。さ
らにこのドラム試料を50℃、0.1Paの減圧室にて
一週間保管後、下引層薄膜の体積固有抵抗率を減圧下で
測定したところ、5×1014Ωcmであった。
【0058】次に電荷発生層を形成するために、電荷発
生層用塗布液を下記のような条件により作成した。ポリ
ビニルブチラール樹脂1重量部をテトラヒドロフラン9
8重量部に溶解し、これにチタニルフタロシアニン2重
量部を加えたスラリー5lを、ビーズ径0.8μmのジ
ルコニアビーズをベッセル容量に対して85v/v%(容
積%)の嵩充填率で充填したディスクタイプのビーズミ
ルを用いて、処理液流量400ml、ディスク周速3m
/秒にて10パス分処理を行なった。次いで、ビーズ径
0.4μmのジルコニアビーズをベッセル容量に対して
85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイプのビー
ズミルを用いて処理液流量400ml、ディスク周速9
m/秒にて20パス分処理を行なった。この分散液5m
lを分取し、動的光散乱方式の粒度分析計にて粒度分布
測定を行なったところ、D84は240nm、D16は13
5nmであり、前記式(1)に定義される粒度分布パラメ
ーターσgは52.5nmとなって、式(1)の条件を満
たしていることが確認された。
【0059】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを浸漬塗布し、乾燥後の膜厚が約0.2μm
となるように引き上げた。続いて、100℃で15分乾
燥して電荷発生層を形成した。
【0060】この電荷発生層上に電荷輸送層を積層する
ために、電荷輸送剤として下記構造式(2)で示されるヒ
ドラゾン化合物9重量部、結着樹脂としてビスフェノー
ルA−ビフェニル系共重合のポリカーボネート樹脂(出
光興産製 タフゼットB−500)11重量部をテトラ
ヒドロフラン55重量部に溶解し、前記の電荷発生層塗
布液の場合と同様にミルによる分散処理を施して電荷輸
送層用塗布液を作製した。この塗布液に先に下引層およ
び電荷発生層を設けたアルミニウムドラムを浸漬塗布
し、続いて温度90℃で60分乾燥し、膜厚約15μm
の電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0061】
【化1】
【0062】(実施例2)実施例1で用いた下引層用の
塗膜形成樹脂である6/66/12共重合ナイロン樹脂
(共重合比率30/34/36)の代わりに、6/66
/11共重合ナイロン樹脂(共重合比率30/36/3
4)を用いる他は実施例1と同様にして感光体を作製し
た。実施例1と同様にしてこの感光体の下引層の体積固
有抵抗率を測定したところ、2×1013Ωcmであっ
た。
【0063】(実施例3)実施例1で用いた下引層用の
塗膜形成樹脂の代わりに、6/66/11/12共重合
ナイロン樹脂(共重合比率26/28/24/22)を
用いる他は実施例1と同様にして感光体を作製した。実
施例1と同様にしてこの感光体の下引層の体積固有抵抗
率を測定したところ、8×1011Ωcmであった。
【0064】(比較例1)比較のため体積固有抵抗率が
2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は実
施例1と同様にして感光体を作製した。
【0065】(比較例2)比較のため体積固有抵抗率が
8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は実
施例1と同様にして感光体を作製した。
【0066】上述した実施例1〜3と比較例1、2にお
いて作成した感光体の電子写真特性を次の方法で評価し
た。
【0067】感光体表面を暗所にてコロナ放電により−
600Vに帯電した後、帯電直後の表面電位V0を測定
した。続いてコロナ放電を中止し暗所で5秒間放置後、
表面電位V5を測定し、下記式(3)で定義される帯電
後5秒における電位保持率VK 5(%)を求めた。
【0068】
【数3】
【0069】次にハロゲンランプを光源とし、バンドパ
スフィルターを用いて780nmに分光した露光光を、
感光体表面での輻射密度が1.0μWcm-2となるよう
に照射する。この露光光を、表面電位が−600Vとな
った時点から5秒間照射し、表面電位が−100Vとな
るまで光減衰するのに要する露光量を感度E100(μJc
-2)として求めた。
【0070】以上のようにして測定された、前記実施例
1〜3および比較例1、2におけるそれぞれの感光体の
電子写真特性を、前記下引層の体積固有抵抗率と共に下
記表1に示す。
【0071】電子写真特性の評価を終えた前記実施例1
〜3と比較例1、2においてそれぞれ作成された感光体
を、市販の接触帯電方式のプリンタを改造して接触式、
非接触式の帯電部材を装着し、それぞれ画像形成を可能
にした電子写真装置に搭載して気温35℃、相対湿度8
0%の環境下で画像サンプルを採取した。帯電部材とし
て、接触帯電方式としてシリコーン樹脂製帯電ローラお
よび非接触帯電方式としてスコロトロンを用いた。
【0072】帯電ローラを用いた場合には外部電源から
DC-1.5kVを印加した場合および直流に加えてピ
ーク間電圧1.4kVの交流を重畳した場合の2種類の
場合について画像データを採取した。
【0073】また、スコロトロンを帯電部材として用い
た場合にはDC-1.5kVを印加した場合について画
像データを採取した。結果を表1にまとめて示す。
【0074】
【表1】表1 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが5
2.5nmである場合)
【0075】表1に示すように、前記式(1)に定義さ
れた粒度分布パラメーターσgが100nm以下の範囲
の一定値をとり、下引層の体積固有抵抗率が1×1011
Ωcm以上である実施例1〜3では、接触帯電方式の前
記帯電ローラを用いたプリンタ装置において良好な画像
特性が得られた。一方で、下引き層の体積固有抵抗率が
1×1011Ωcm未満である比較例1、2では、高温高
湿環境下において、著しい黒点、かぶりを生じた。しか
し、帯電部材として非接触方式のスコロトロンを用いた
プリンタ装置ではいずれの場合も良好な画像が得られ
た。
【0076】(実施例4)実施例1において、電荷発生
層塗布液の調製方法を次のようにしたほかは実施例1と
同様にして感光体を作製した。
【0077】ポリビニルブチラール樹脂1重量部をテト
ラヒドロフラン98重量部に溶解し、これにチタニルフ
タロシアニン2重量部を加えたスラリー5lを、ビーズ
径0.65μmのジルコニアビーズをベッセル容量に対
して85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイプの
ビーズミルを用いて、処理液流量400ml、ディスク
周速3m/秒にて10パス分処理を行なった。次いで、
ビーズ径0.4μmのジルコニアビーズをベッセル容量
に対して85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイ
プのビーズミルを用いて処理液流量400ml、ディス
ク周速9m/秒にて20パス分処理を行なった。
【0078】この分散液5mlを分取し、動的光散乱方
式の粒度分析計にて粒度分布測定を行なったところ、D
84は310nm、D16は130nmであり、前記式(1)
に定義される粒度分布パラメーターσgは90nmとな
って、式(1)の条件を満たしていることが確認された。
【0079】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを、乾燥後の膜厚が0.2μmとなるように
浸漬塗布し、続いて100℃で15分乾燥して電荷発生
層を設けた。
【0080】(実施例5)体積固有抵抗率が2×1013
Ωcmである6/66/11共重合ナイロン樹脂(共重
合比率30/36/34)を下引層用の塗膜形成樹脂と
して用いる他は実施例4と同様にして感光体を作製し
た。
【0081】(実施例6)体積固有抵抗率が8×1011
Ωcmである6/66/11/12共重合ナイロン樹脂
(共重合比率26/28/24/22)を下引層用の塗
膜形成樹脂として用いる他は実施例4と同様にして感光
体を作製した。
【0082】(比較例3)比較のため体積固有抵抗率が
2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は実
施例4と同様にして感光体を作製した。
【0083】(比較例4)比較のため体積固有抵抗率が
8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は実
施例4と同様にして感光体を作製した。
【0084】実施例4〜6および比較例3、4で作製し
た感光体を実施例1と同様の方法で評価した結果を表2
に示す。
【0085】
【表2】表2 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが90
nmである場合)
【0086】表2に示すように、前記式(1)に定義さ
れた粒度分布パラメーターσgを90nmに調整した電
荷発生層塗布液を用いた場合は、下引層の体積固有抵抗
率が1×1011Ωcm以上である実施例4〜6では、接
触帯電方式の前記帯電ローラを用いたプリンタ装置によ
れば、画像特性が良好であった。一方で、体積固有抵抗
率が1×1011Ωcm未満である比較例3、4では、高
温高湿環境下において、粒度分布パラメーターσgが5
2.5nmである比較例1,2の場合よりも、より著し
い黒点、かぶりを生じた。しかし、帯電部材として非接
触方式のスコロトロンを用いたプリンタ装置ではいずれ
の場合も良好な画像が得られた。
【0087】(比較例5)実施例1において、電荷発生
層塗布液の調製方法を次のようにしたほかは実施例1と
同様にして感光体を作製した。ポリビニルブチラール樹
脂1重量部をテトラヒドロフラン98重量部に溶解し、
これにチタニルフタロシアニン2重量部を加えたスラリ
ー5lを、ビーズ径0.5μmのジルコニアビーズをベ
ッセル容量に対して85v/v%の嵩充填率で充填したデ
ィスクタイプのビーズミルを用いて、処理液流量400
ml、ディスク周速9m/秒にて15パス分処理を行な
った。
【0088】この分散液5mlを分取し、動的光散乱方
式の粒度分析計にて粒度分布測定を行なったところ、D
84は370nm、D16は86nmであり、前記式(1)に
定義される粒度分布パラメーターσgは142nmとな
って、式(1)の条件を満たしていないことが確認され
た。
【0089】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを、乾燥後の膜厚が約0.2μmとなるよう
に浸漬塗布し、続いて100℃で15分乾燥して電荷発
生層を設けた。
【0090】(比較例6)体積固有抵抗率が2×1013
Ωcmである6/66/11共重合ナイロン樹脂(共重
合比率30/36/34)を用いる他は比較例5と同様
にして感光体を作製した。
【0091】(比較例7)体積固有抵抗率が8×1011
Ωcmである6/66/11/12共重合ナイロン樹脂
(共重合比率26/28/24/22)を用いる他は比
較例5と同様にして感光体を作製した。
【0092】(比較例8)比較のため体積固有抵抗率が
2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は比
較例5と同様にして感光体を作製した。
【0093】(比較例9)比較のため体積固有抵抗率が
8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイロ
ン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は比
較例5と同様にして感光体を作製した。
【0094】比較例5〜9で作製した感光体を実施例1
と同様の方法で評価した結果を表3に示す。
【0095】
【表3】表3 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが14
2nmである場合)
【0096】表3に示すように、前記式(1)に定義さ
れた粒度分布パラメーターσgが142nmであるよう
なチタニルフタロシアニンを含む電荷発生層塗布液を用
いた比較例5〜9では、接触帯電法の前記帯電ローラを
用いたプリンタ装置により画像形成をしたところ、下引
層の体積固有抵抗率に関わらず、高温高湿環境下におい
て著しい黒点、かぶりを生じた。しかし、非接触帯電方
式のスコロトロンを用いたプリンタ装置でも一様に軽微
なかぶりが見られた。
【0097】(実施例7)実施例1において、電荷発生
層塗布液の調製方法を次のようにしたほかは実施例1と
同様にして感光体を作製した。
【0098】ポリビニルブチラール樹脂1重量部をテト
ラヒドロフラン98重量部に溶解し、これに無金属フタ
ロシアニン2重量部を加えたスラリー5lをビーズ径
0.8μmのジルコニアビーズをベッセル容量に対して
85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイプのビー
ズミルを用いて、処理液流量400ml、ディスク周速
2m/秒にて20パス分処理を行なった。
【0099】次にこの分散液をビーズ径0.4mのジル
コニアビーズをベッセル容量に対して85v/v%の嵩充
填率で充填したディスクタイプのビーズミルを用いて、
処理液流量400ml、ディスク周速8.5m/秒にて
20パス分処理を行なった。この分散液5mlを分取
し、動的光散乱方式の粒度分析計にて粒度分布測定を行
なったところ、D84は320nm、D16は165nmで
あり、前記式(1)に定義される粒度分布パラメーターσ
gは77.5nmとなって、式(1)の条件を満たして
いることが確認された。
【0100】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを、乾燥後の膜厚が約0.2μmとなるよう
に浸漬塗布し、続いて100℃で15分乾燥して電荷発
生層を設けた。
【0101】(実施例8)体積固有抵抗率が2×1013
Ωcmである6/66/11共重合ナイロン樹脂(共重
合比率30/36/34)を下引層用の塗膜形成樹脂と
して用いる他は実施例7と同様にして感光体を作製し
た。
【0102】(実施例9)体積固有抵抗率が8×1011
Ωcmである6/66/11/12共重合ナイロン樹脂
(共重合比率26/28/24/22)を下引層用の塗
膜形成樹脂として用いる他は実施例7と同様にして感光
体を作製した。
【0103】(比較例10)比較のため体積固有抵抗率
が2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は
実施例7と同様にして感光体を作製した。
【0104】(比較例11)比較のため体積固有抵抗率
が8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は
実施例7と同様にして感光体を作製した。
【0105】実施例7〜9および比較例10〜11で作
製した感光体を実施例1と同様の方法で評価した結果を
表4に示す。
【0106】
【表4】表4 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが7
7.5nmである場合)
【0107】表1に比べて、電荷発生剤をチタニルフタ
ロシアニンから無金属フタロシアニンに替えた場合で
も、表4に示すように、前記式(1)に定義された粒度
分布パラメーターσgが100nm以下の範囲の一定値
をとり、下引層の体積固有抵抗率が1×1011Ωcm以
上である実施例7〜9では、接触帯電方式の前記帯電ロ
ーラを用いたプリンタ装置によれば、良好な画像特性が
得られた。一方で、体積固有抵抗率が1×1011Ωcm
未満である比較例10、11では、高温高湿環境下にお
いて、著しい黒点、かぶりを生じた。しかし、帯電部材
として非接触式のスコロトロンを用いたプリンタ装置で
はいずれの場合も良好な画像が得られた。
【0108】(実施例10)実施例1において、電荷発
生層塗布液の調製方法を次のようにしたほかは実施例1
と同様にして感光体を作製した。
【0109】ポリビニルブチラール樹脂1重量部をテト
ラヒドロフラン98重量部に溶解し、これに無金属フタ
ロシアニン2重量部を加えたスラリー5lをビーズ径
0.65μmのジルコニアビーズをベッセル容量に対し
て85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイプのビ
ーズミルを用いて、処理液流量400ml、ディスク周
速2m/秒にて20パス分処理を行なった。次にこの分
散液をビーズ径0.4μmのジルコニアビーズをベッセ
ル容量に対して85v/v%の嵩充填率で充填したディス
クタイプのビーズミルを用いて、処理液流量400m
l、ディスク周速8.5m/秒にて20パス分処理を行
なった。
【0110】この分散液5mlを分取し、動的光散乱方
式の粒度分析計にて粒度分布測定を行なったところ、D
84は362nm、D16は162nmであり、前記式(1)
に定義される粒度分布パラメーターσgは100nmと
なって、式(1)の条件を満たしていることが確認され
た。
【0111】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを、乾燥後の膜厚が約0.2μmとなるよう
に浸漬塗布し、続いて100℃で15分乾燥して電荷発
生層を設けた。
【0112】(実施例11)体積固有抵抗率が2×10
13Ωcmである6/66/11共重合ナイロン樹脂(共
重合比率30/36/34)を用いる他は実施例10と
同様にして感光体を作製した。
【0113】(実施例12)体積固有抵抗率が8×10
11Ωcmである6/66/11/12共重合ナイロン樹
脂(共重合比率26/28/24/22)を用いる他は
実施例10と同様にして感光体を作製した。
【0114】(比較例12)比較のため体積固有抵抗率
が2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は
実施例10と同様にして感光体を作製した。
【0115】(比較例13)比較のため体積固有抵抗率
が8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は
実施例10と同様にして感光体を作製した。
【0116】実施例10〜12および比較例12、13
で作製した感光体を実施例1と同様の方法で評価した結
果を表5に示す。
【0117】
【表5】表5 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが10
0nmである場合)
【0118】表1に比べて、電荷発生剤をチタニルフタ
ロシアニンから無金属フタロシアニンに替え、表5に示
すように、前記式(1)に定義された粒度分布パラメー
ターσgを100nmに調整した電荷発生層塗布液を用
いた場合、下引層の体積固有抵抗率が1×1011Ωcm
以上である実施例10〜12では、接触帯電方式前記帯
電ローラを用いたプリンタ装置によれば、画像特性が良
好であった。
【0119】一方で、体積固有抵抗率が1×1011Ωc
m未満である比較例12、13では高温高湿環境下にお
いて、粒度分布パラメーターσgが表4に示す77.5
nmの比較例10,11の場合よりも、より著しい黒
点、かぶりを生じた。しかし、帯電部材として非接触方
式のスコロトロンを用いたプリンタ装置はいずれの場合
も良好な画像が得られた。
【0120】(比較例14)実施例1において、電荷発
生層塗布液の調製方法を次のようにしたほかは実施例1
と同様にして感光体を作製した。
【0121】ポリビニルブチラール樹脂1重量部をテト
ラヒドロフラン98重量部に溶解し、これに無金属フタ
ロシアニン2重量部を加えたスラリー5lをビーズ径
0.5μmのジルコニアビーズをベッセル容量に対して
85v/v%の嵩充填率で充填したディスクタイプのビー
ズミルを用いて、処理液流量400ml、ディスク周速
8.5m/秒にて15パス分処理を行なった。
【0122】この分散液5mlを分取し、動的光散乱方
式の粒度分析計にて粒度分布測定を行なったところ、D
84は340nm、D16は77nmであり、前記式(1)に
定義される粒度分布パラメーターσgは131.5nm
となって、式(1)の条件を満たしていないことが確認
された。
【0123】この分散液に先に下引層を設けたアルミニ
ウムドラムを、乾燥後の膜厚が約0.2μmとなるよう
に浸漬塗布し、続いて100℃で15分乾燥して電荷発
生層を設けた。
【0124】(比較例15)体積固有抵抗率が2×10
13Ωcmである6/66/11共重合ナイロン樹脂(共
重合比率30/36/34)を用いる他は比較例14と
同様にして感光体を作製した。
【0125】(比較例16)体積固有抵抗率が8×10
11Ωcmである6/66/11/12共重合ナイロン樹
脂(共重合比率26/28/24/22)を用いる他は
比較例14と同様にして感光体を作製した。
【0126】(比較例17)比較のため体積固有抵抗率
が2×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/38/16)を用いる他は
比較例14と同様にして感光体を作製した。
【0127】(比較例18)比較のため体積固有抵抗率
が8×1010Ωcmである6/66/610共重合ナイ
ロン樹脂(共重合比率46/34/20)を用いる他は
比較例14と同様にして感光体を作製した。
【0128】比較例14〜18で作製した感光体を実施
例1と同様の方法で評価した結果を表6に示す。
【0129】
【表6】表6 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが13
1.5nmである場合)
【0130】表6に示すように、前記式(1)に定義さ
れた粒度分布パラメータσgが131.5nmであり、
無金属フタロシアニンを含む電荷発生層塗布液を用いた
比較例14〜18では、接触帯電方式の前記帯電ローラ
を用いたプリンタ装置により画像形成したところ、表3
の場合と同様に下引層の体積固有抵抗率に関わらず、高
温高湿環境下において著しい黒点、かぶりを生じた。し
かし、非接触帯電方式のスコロトロンを用いたプリンタ
装置でも一様に軽微なかぶりが見られた。
【0131】(実施例13)下引層を以下の様に変更す
る他は実施例1と同様にして感光体試料を作成した。
【0132】導電性基体であるアルミニウム円筒の外周
に、フェノール樹脂(丸善石油化学製マルカリンカMH
-2)3.0重量部、メラミン樹脂(三井東圧化学製ユ
ーバン20HS)3.0重量部、アミノシラン処理され
た酸化チタン微粒子4重量部をメタノール75重量部、
ブタノール15重量部に分散させて調製した塗布液を用
いて浸漬により塗膜を形成し、温度145℃で30分乾
燥し、膜厚約1.5μmの下引層を形成した。さらにこ
のドラム試料を50℃、0.1Paの減圧室にて一週間
保管後、このドラム試料の下引層薄膜の体積固有抵抗率
を減圧下で測定したところ、その抵抗値は1×1012Ω
cmであった。
【0133】(実施例14)酸化チタン微粒子の比率を
5重量部、フェノール樹脂とメラミン樹脂の比率をそれ
ぞれ2.5重量部に変更する他は実施例13と同様にし
て感光体試料を作成した。この様にして作製した感光体
試料の下引層の体積固有抵抗率を実施例13と同様にし
て測定したところ、体積固有抵抗率は3×1011Ωcm
であった。
【0134】(実施例15)酸化チタン微粒子の比率を
6重量部、フェノール樹脂とメラミン樹脂の比率をそれ
ぞれ2.0重量部に変更する他は実施例13と同様にし
て感光体試料を作成した。この様にして作製した感光体
試料の下引層の体積固有抵抗率を実施例13と同様にし
て測定したところ、体積固有抵抗率は1×1011Ωcm
であった。
【0135】(比較例19)酸化チタン微粒子の比率を
7重量部、フェノール樹脂とメラミン樹脂の比率をそれ
ぞれ1.5重量部に変更する他は実施例13と同様にし
て感光体試料を作成した。この様にして作製した感光体
試料の下引層の体積固有抵抗率を実施例13と同様にし
て測定したところ、体積固有抵抗率は8×1010Ωcm
であった。
【0136】(比較例20)酸化チタン微粒子の比率を
8重量部、フェノール樹脂とメラミン樹脂の比率をそれ
ぞれ1.0重量部に変更する他は実施例13と同様にし
て感光体試料を作成した。この様にして作製した感光体
試料の下引層の体積固有抵抗率を実施例13と同様にし
て測定したところ、体積固有抵抗率は1×1010Ωcm
であった。
【0137】実施例13〜15および比較例19、20
で作製した感光体を実施例1と同様の方法で評価した結
果を表7に示す。
【0138】
【表7】表7 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが5
2.5nmである場合)
【0139】表1に比べて、下引層の塗膜形成樹脂を変
更するとともに、含有する酸化チタン比率を変えて下引
層の体積固有抵抗率を調節したところ、表7に示すよう
に、前記式(1)に定義された粒度分布パラメーターσ
gが100nm以下の範囲の一定値をとり、下引層の体
積固有抵抗率が1×1011Ωcm以上である実施例13
〜15では、接触帯電方式の前記帯電ローラを用いたプ
リンタ装置によれば、良好な画像特性が得られた。一方
で、体積固有抵抗率が1×1011Ωcm未満である比較
例19、20では、高温高湿環境下において、著しい黒
点、かぶりを生じた。しかし、帯電部材として非接触方
式のスコロトロンを用いたプリンタ装置ではいずれの場
合も良好な画像が得られた。
【0140】(実施例16)電荷発生層を実施例4に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例13と同様
にして感光体試料を作成した。
【0141】(実施例17)電荷発生層を実施例4に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例14と同様
にして感光体試料を作成した。
【0142】(実施例18)電荷発生層を実施例4に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例15と同様
にして感光体試料を作成した。
【0143】(比較例21)電荷発生層を実施例4に記
載の方法と同様にして作製するほかは比較例19と同様
にして感光体試料を作成した。
【0144】(比較例22)電荷発生層を実施例4に記
載の方法と同様にして作製するほかは比較例20と同様
にして感光体試料を作成した。
【0145】実施例16〜18および比較例21、22
で作製した感光体を実施例1と同様の方法で評価した結
果を表8に示す。
【0146】
【表8】表8 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが90
nmである場合)
【0147】表1に比べて、電荷発生層塗布液の作製条
件を実施例4と同様に変え、下引層の塗膜形成樹脂を変
更するとともに、含有する酸化チタン比率を変えて下引
層の体積固有抵抗率を調節したところ、表8に示すよう
に、前記式(1)に定義された粒度分布パラメータσg
を90nmに調整した電荷発生層塗布液を用いた場合、
下引層の体積固有抵抗率が1×1011Ωcm以上である
実施例16〜18では、接触帯電方式の帯電ローラによ
るプリンタによれば、画像特性が良好であった。
【0148】一方で、体積固有抵抗率が1×1011Ωc
m未満である比較例21、22では高温高湿環境下にお
いて、粒度分布パラメータσgが52.5nmである比
較例19,20の場合よりも、より著しい黒点、かぶり
を生じた。しかし、帯電部材として非接触方式のスコロ
トロンを用いたプリンタ装置ではいずれの場合も良好な
画像が得られた。
【0149】(比較例23)電荷発生層を比較例5に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例13と同様
にして感光体試料を作成した。
【0150】(比較例24)電荷発生層を比較例5に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例14と同様
にして感光体試料を作成した。
【0151】(比較例25)電荷発生層を比較例5に記
載の方法と同様にして作製するほかは実施例15と同様
にして感光体試料を作成した。
【0152】(比較例26)電荷発生層を比較例5に記
載の方法と同様にして作製するほかは比較例19と同様
にして感光体試料を作成した。
【0153】(比較例27)電荷発生層を比較例5に記
載の方法と同様にして作製するほかは比較例20と同様
にして感光体試料を作成した。
【0154】比較例23〜27で作製した感光体を実施
例1と同様の方法で評価した結果を表9に示す。
【0155】
【表9】表9 電気特性と35℃、80%RHにおける
画像品質の比較(前記式(1)に定義されたσgが14
2nmである場合)
【0156】電荷発生層塗布液の作製条件を比較例5に
記載の方法と同様にして、下引層の塗膜形成樹脂を変更
するとともに、含有する酸化チタン比率を変えて下引層
の体積固有抵抗率を調節したところ、表9に示すよう
に、前記式(1)に定義された粒度分布パラメーターσg
が142nmであるような電荷発生層塗布液を用いた比
較例23〜27では、接触帯電方式の前記帯電ローラを
用いたプリンタ装置により画像形成をしたところ、表
3、表6と同様に下引層の体積固有抵抗率に関わらず、
高温高湿環境下において著しい黒点、かぶりを生じた。
しかし、非接触方式のスコロトロンを用いたプリンタ装
置でも一様に軽微なかぶりが見られた。以上の結果よ
り、下引層の体積固有抵抗率が1×1011Ωcm以上で
あり、かつ、感光層塗布液に含まれる電荷発生剤顔料粒
子の粒度分布が前記式(1)を満たすように制御されてい
る時に作製された感光体のみが接触帯電方式を採用する
装置に搭載され、高温高湿環境下に良好な画像特性を実
現できることがわかる。
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、導電性基体上に下引層
と感光層がこの順に積層される電子写真感光体におい
て、前記下引層の体積固有抵抗率が1×1011Ωcm以
上であって、前記感光層に含有される有機顔料が、通過
累積分布曲線で表わした際の84%通過粒径D84(n
m)と16%通過粒径D16(nm)とで定義される粒度
分布パラメーターσg(nm)が前記式(1)に示す関係
を満たす粒度分布を有する接触帯電用電子写真感光体お
よびこの感光体を搭載した電子写真装置としたので、高
温高湿環境下においても黒点、地かぶりの無い良好な画
像品質を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる接触帯電用電子写真感光体の模
式的断面図
【図2】本発明にかかる単層型接触帯電用電子写真感光
体の模式的断面図
【図3】本発明にかかる感光体を搭載する電子写真装置
の主要部の概略構成図
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 感光層 6 帯電ローラ 7 高圧電源 10 接触帯電用電子写真感光体 20 電子写真装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西牧 慎一郎 長野県松本市筑摩四丁目18番1号 富士電 機画像デバイス株式会社内 (72)発明者 仙庭 直幸 長野県松本市筑摩四丁目18番1号 富士電 機画像デバイス株式会社内 (72)発明者 矢萩 秀隆 長野県松本市筑摩四丁目18番1号 富士電 機画像デバイス株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA31 AA43 AA44 AA48 BB28 CA29 2H200 FA01 GA16 GA23 GA33 GA34 GA44 GA59 GB02 GB03 GB11 HA02 HA28 HB07 HB12 HB14 HB43 HB45 HB46 HB48 MA03 MA20 MB04 NA06 NA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に下引層と感光層をこの順
    に積層する電子写真感光体において、前記下引層の体積
    固有抵抗率が1×1011Ωcm以上であって、前記感光
    層に含有される有機顔料が、通過累積分布曲線で表わし
    た際の84%通過粒径D84(nm)と16%通過粒径D
    16(nm)とで定義される粒度分布パラメーターσg
    (nm)が式(1)に示す関係を満たす粒度分布を有する
    ことを特徴とする接触帯電用電子写真感光体。 【数1】
  2. 【請求項2】 下引層が11あるいは12ナイロンのう
    ち少なくともいずれか一方を共重合単位として含む共重
    合ナイロンを主成分とすることを特徴とする請求項1に
    記載の接触帯電用電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 下引層が酸化チタンを含有することを特
    徴とする請求項1または2記載の接触帯電用電子写真感
    光体。
  4. 【請求項4】 感光層が電荷発生層と電荷輸送層とをこ
    の順に積層した層であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか一項に記載の接触帯電用電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 感光層が電荷発生機能および電荷輸送機
    能を併せ持つ単層であることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか一項に記載の接触帯電用電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の電子写真感光体と、接触帯電方式と反転現像方式とを
    含む電子写真プロセスを備えることを特徴とする電子写
    真装置。
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