JP2001265014A - 感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

感光体、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2001265014A JP2001006970A JP2001006970A JP2001265014A JP 2001265014 A JP2001265014 A JP 2001265014A JP 2001006970 A JP2001006970 A JP 2001006970A JP 2001006970 A JP2001006970 A JP 2001006970A JP 2001265014 A JP2001265014 A JP 2001265014A
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Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Toshio Fukagai
俊夫 深貝
Junichi Yamazaki
純一 山崎
Katsuhiko Tani
克彦 谷
Chikayuki Iwata
周行 岩田
Takuji Kato
拓司 加藤
Yoshio Watanabe
好夫 渡邉
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可干渉光の感光体中での多重反射により発生
する濃淡縞画像が発生しない感光体及びそれを用いた高
品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供する。 【解決手段】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向
にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲
線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数
1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)
により導出したパワースペクトルから、下式(数3)に
より計算したI(S)が6.0×10-3以上であること
を特徴とする感光体。 【数1】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である) 【数2】 【数3】 上記感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉
光を用いることを特徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度で、高精細
かつ高解像度の画像形成を行うことのできる感光体、そ
れを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカ
ートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報の高精度な再現性の要求
のため、より高精細でより高解像度の画像形成が強く求
められている。画像形成が高解像度の場合、画像情報以
外に感光体そのものの情報が、形成する画像に出やす
い。特に、書き込み光にレーザー等の可干渉光を用いた
画像形成プロセスは、複写機、プリンター、FAX等の
デジタル画像を形成する電子写真の分野で広く用いられ
ているが、書き込み光に可干渉光を用いる電子写真プロ
セスでは可干渉光の感光体中での干渉により、画像に濃
淡縞が生じてしまう問題が生じやすい。
【0003】この濃淡縞は、感光体が2nd=mλ
(n:電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、
λ:書き込み光の波長、m:整数)の関係を満たすとき
に書き込み光が強められて発生することが知られてい
る。即ち、例えばλ=780nm、n=2.0とする
と、電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一
組の濃淡縞が発生することになる。濃淡縞を完全になく
すためには、電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全域に
ついて0.195μm以下とする必要があるが、そのよ
うな感光体を作成することは経済性の面で大変困難であ
るため、濃淡縞の抑制について種々の方法が提案されて
いる。
【0004】例えば、特開昭57−165845号公報
では、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、
アルミニウム基体上に光吸収層を設けて、アルミニウム
基体での鏡面反射をなくすことにより、濃淡縞の発生を
防ぐ感光体が開示されている。この手法は、a−Siの
ように感光体の層構成がアルミニウム基体/電荷輸送層
/電荷発生層である感光体には大変有効であるが、多く
の有機感光体で見られるようなアルミニウム基体/電荷
発生層/電荷輸送層の構成の感光体では効果は少なかっ
た。
【0005】また、特開平7−295269号公報で
は、アルミニウム基体/下引層/電荷発生層/電荷輸送
層の層構成の感光体において、アルミニウム基体表面に
光吸収層を設けて濃淡縞を防止する感光体が開示されて
いるが、完全には濃淡縞を抑えることができなかった。
また、特公平7−27262号公報には、円筒状支持体
の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピーク
に副ピークが重畳された凸状形状である支持体を用いた
感光体と、前記主ピークの1周期の大きさより小さい径
で可干渉光を露光するための光学系を備えた電子写真装
置が開示されている。この電子写真装置は、より限定さ
れた一部の感光体については濃淡縞がかなり抑制される
場合があるものの、円筒状支持体の中心軸を含む面で切
断した凸部の断面形状が、主ピークに副ピークが重畳さ
れた凸状形状である支持体を用いた感光体であっても濃
淡縞の発生する感光体は数多くあった。
【0006】さらに、基体の表面粗さのパラメータを規
定した感光体(例えば特開平10−301311号公
報)も提案されている。この感光体は、電子写真装置の
解像度が低い場合には、濃淡縞を抑えられる場合もある
が、電子写真装置の解像度が高くなると、従来から用い
られている表面粗さのパラメータ(最大高さ(Rma
x)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均粗さ(Ra)
等)で基体の表面粗さを規定しても濃淡縞は完全になく
すための条件を定めることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決し、可干渉光による感光体中での多重反
射により発生する濃淡縞画像の発生がない感光体、それ
を用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置、画像
形成方法及びプロセスカートリッジを提供することをそ
の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の感
光体、種々の電子写真装置について、書き込み光の感光
体中での多重反射によると思われる濃淡縞画像の発生し
ているもの、発生していないものに関し詳細に観察を重
ねた結果、感光体の感光層の基体側界面の状態が濃淡縞
画像の発生と相関があるらしいことを知見した。ところ
が、これらの感光体の感光層の基体側界面の状態を、例
えばJIS法に従って表面粗さのパラメータである最大
高さ(Rmax)、十点平均粗さ(Rz)、中心線平均
粗さ(Ra)を測定しても、ほとんど差がなかったり、
傾向が逆転してしまったりする場合がかなりあった。ま
た、感光層の基体側界面を制御するには感光体の基体の
表面状態を制御することが極めて有効であることが分か
ったが、基体表面を従来からある表面粗さのパラメータ
で制御することでは、好ましい基体表面状態を規定する
ことはできなかった。また、同じ感光体を用いても、画
像形成装置によって濃淡縞の発生状況が変化し、特に書
き込み光のスポット径によって大きく変化することが分
かったが、どのような関係で濃淡縞の発生状況が変化す
るのか明らかではなかった。
【0009】本発明者らは、濃淡縞画像の発生メカニズ
ムについて再度考察を重ね、感光層の基体側界面に、適
切な凹凸を設けることで微細な濃淡縞を発生させても、
その濃淡縞の間隔が十分狭ければ、結果として濃淡縞の
発生を肉眼で確認できなくなると言う考えに基づき、感
光体の基体側界面をどのように制御すれば濃淡縞画像の
問題のない感光体を提供できるか鋭意検討を重ねた結
果、感光体の基体側界面には微細な凹凸があり、その断
面曲線に着目するとこれらの微細な凹凸は多数の波が重
畳して構成されていることを見出し、感光体の基体側界
面を前述のような好ましい状態にするにはそれら全ての
波のパワーを一定以上にすればよいことを確認し、本発
明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明によれば、下記の感光体、そ
れを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカ
ートリッジが提供される。 (1)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体におい
て、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向にΔt
[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数13)に
従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数14)によ
り導出したパワースペクトルSから、下式(数5)によ
り計算したI(S)が6.0×10-3以上であることを
特徴とする感光体。
【数13】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数14】
【数15】 (2)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(1)の感光体。 (3)基体上に少なくとも下引層を介して感光層を設け
た感光体において、下引層表面の断面曲線を水平方向に
Δt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線
の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1
6)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数1
7)により導出したパワースペクトルSから、下式(数
18)により計算したI(S)が6.0×10-3以上で
あることを特徴とする感光体。
【数16】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数17】
【数18】 (4)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(3)の感光体。 (5)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体におい
て、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間
隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群に対し下式(数19)に従い離散的
なフーリエ変換を行い、下式(数20)により導出した
パワースペクトルSから、下式(数21)により計算し
たI(S)が12.0×10-3以上であることを特徴と
する感光体。
【数19】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数20】
【数21】 (6)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(5)の感光体。 (7)基体上に少なくとも感光層を設けた感光体におい
て、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間
隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群に対し下式(数22)に従い離散的
なフーリエ変化を行い、下式(数23)により導出した
パワースペクトルSから、下式(数24)により計算し
たI’(S)が6.0×10-3以上であることを特徴と
する感光体。
【数22】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数23】
【数24】 (ここでjはN・Δt/j≧φ/2を満たす最大の整
数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径
[μm]である) (8)基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を積
層した積層型の感光体であって、該下引層と該電荷発生
層の合計の膜厚が15μm以下であることを特徴とする
上記(1)〜(7)の感光体。 (9)基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸送層を積
層した積層型の感光体であって、該下引層と該電荷発生
層の合計の膜厚が15μm以下であることを特徴とする
上記(1)〜(8)の感光体。 (9)該感光層の膜厚が15μm以下であることを特徴
とする上記(1)〜(8)の感光体。 (10)上記(1)〜(9)の感光体を用いるととも
に、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とす
る画像形成装置。 (11)書き込み光のスポット径が80μm以下である
ことを特徴とする上記(10)の画像形成装置。 (12)書き込み光の波長が700μm以下であること
を特徴とする上記(10)〜(11)に記載の画像形成
装置。 (13)多値方式による階調再現方法により書き込み画
像を感光体に出力させることを特徴とする上記(10)
〜(12)の画像形成装置。 (14)書き込み画像の解像度が600dpi以上であ
ることを特徴とする上記(10)〜(13)の画像形成
装置。 (15)上記(1)〜(9)の感光体を用いるととも
に、書き込み光として可干渉光を用いることを特徴とす
る画像形成方法。 (16)スポット径が80μm以下の書き込み光を用い
ることを特徴とする上記(15)の画像形成方法。 (17)波長が700μm以下の書き込み光を用いるこ
とを特徴とする上記(15)〜(16)に記載の画像形
成方法。 (18)多値方式による階調再現方法により書き込み画
像を感光体に出力させることを特徴とする上記(15)
〜(17)の画像形成方法。 (19)書き込み画像の解像度が600dpi以上であ
ることを特徴とする(15)〜(18)の画像形成方
法。 (20)上記(1)〜(9)の感光体を搭載したことを
特徴とするプロセスカートリッジ。
【0011】感光体の基体側界面において全体の波のパ
ワーが大きいということは、感光体の基体側界面全体が
大きく変動していることを意味し、即ち十分に荒れてい
ることになり、発生する濃淡縞の間隔を非常に狭くでき
るため、濃淡縞は肉眼で判読できなくすることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の感光体は、基体上に少なくとも電荷発生物質及び
電荷輸送物質を含有した感光層を設けた構成であり、必
要により下引層、保護層を設けることもできる。本発明
の感光体は、電荷発生層と電荷輸送層を別々に積層した
積層型、電荷発生物質と電荷輸送物質が混合されている
単層型、いずれの感光体においても優れた性能を示す。
本発明における感光層の基体側界面の断面曲線は、感光
層の形成によって感光層より基体側の層あるいは基体が
溶解、変形等が起こらない限り、感光層が積層される層
の表面あるいは基体の断面曲線に代用できる。即ち、感
光体が下引層を有する場合には、下引層表面の断面曲線
を代用することができ、感光体が下引層を有していない
場合には、基体表面の断面曲線を代用することができ
る。
【0013】本発明における断面曲線の測定方法として
は、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的
方法等、再現性が良く、測定精度の高く、簡便な方法で
あればどのような方法であっても良いが、光学的方法、
物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも物理的方法
で触芯式による測定方法が、再現性、測定精度の点で最
も好ましい。
【0014】本発明の第1の感光体は、基体上に少なく
とも感光層を設けた感光体において、感光層の基体側界
面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個
サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデ
ータ群に対し下式(数25)に従い離散的なフーリエ変
換を行い、下式(数26)により導出したパワースペク
トルSから、下式(数27)により計算したI(S)が
6.0×10-3以上であることを特徴とする感光体であ
る。
【数25】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数26】
【数27】 サンプリング方向は基本的には任意の方向とすることが
できるが、通常は主走査方向か副走査方向のいずれか一
方が好ましく、ドラム状感光体の場合は主走査方向(長
手方向)とすることが好ましい。
【0015】感光体の基体側界面全体の波の強さは、水
平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした
断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式
(数28)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式
(数29)により導出したパワースペクトルSから、下
式(数30)により計算したI(S)により代用でき
る。
【数28】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数29】
【数30】
【0016】I(S)の値は6.0×10-3以上、好ま
しくは8.0×10-3以上、より好ましくは10.0×
10-3以上、さらに好ましくは12.0×10-3以上で
ある。I(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界
面全体の波の強さが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる
部分が存在しやすく、濃淡縞画像として問題となりやす
い。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、I(S)の値は
大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大
きい鋭い突起のような波が多数存在することになるた
め、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料
が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発
生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値とし
ては100.0×10-3以下、好ましくは80.0×1
-3以下、より好ましくは60.0×10-3以下であ
る。
【0017】感光層の基体側界面の断面曲線の水平方向
をt[μm]としたとき、表面粗さx(t)[μm]
は、不規則変動量であるが、どのような不規則変動も種
々の周波数の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成し
て得られる。つまり、これはフーリエ変換により表現で
きる。
【数31】
【数32】 (上記式中、kは波数[μm-1;1μmの長さ当たりの
波の数]、フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x
(t)に含まれる波数k[すなわち波長で言うとλ=1
/k[μm]]の波の振幅を表している。|X(k)|
2は、波数kの成分波のエネルギーを表している。)
【0018】次に波数kとその成分波のエネルギー|X
(k)|2の分布関係(スペクトル)の考察を行う。
【数33】 S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波
数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワ
ースペクトルと定義する。しかしながら実際は、断面曲
線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳では
なく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2
でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。この
ため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対
して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分
大きいTをとり、下式(数34)を計算すれば、実質的
には、T→∞の極限をとったものと一致する。
【数34】
【0019】フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を
用いるために以下のような変更を行う。
【数35】 (ここで、n、mは整数、ただし、Nは、表面粗さのサ
ンプリング点数で、N=2の形で表される整数の必要
がある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サ
ンプリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係があ
る。)
【0020】断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎ
ると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくな
ったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測
定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必
要がある。本発明の感光体において、Δtは0.01〜
50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μ
m、より好ましくは0.10〜30.00μmである。
サンプリング数Nが無限大であればΔtは小さいほど正
確に断面曲線を再現できるため好ましいのであるが、Δ
tが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての
波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大き
さにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり
計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さく
することになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δ
tが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係す
る多くの波を抽出することができなくなり、好ましくな
い。サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ、大
きいほどよいが、実用的には、2048以上、好ましく
は4096以上、より好ましくは8192以上であるこ
とが誤差を小さくできる上で好ましい。
【0021】本発明者らは、本発明の感光体における感
光層の基体側界面のサンプリング点数N及びΔtの各組
み合わせについてそれぞれパワースペクトルを求め検討
した結果、本発明の実施例に用いられているサンプリン
グ間隔Δt=0.31[μm]のとき、N=4096で
は、パワースペクトルは十分に収束していることを確認
した。
【0022】具体的な離散的なフーリエ変換でのパワー
スペクトル導出には、下式(数36)に従う以下の計算
を行う。
【数36】
【0023】本発明では、感光層の基体側界面を構成す
る全ての波の総和、即ち感光層の基体側界面全体のパワ
ーと関係するI(S)を、下式(数37)により算出し
た。測定範囲における感光層の基体側界面の断面曲線全
体のパワーは、パワースペクトルの総和(数38)で表
すことができる。しかし、この値は、測定範囲のみのパ
ワーであるため、測定条件が変化してしまう。パワース
ペクトルの各成分の総和を測定点数Nで規格化したI
(S)は、断面曲線全体のパワーを表す普遍的な値であ
る。
【数37】
【数38】 この積分値もΔt=0.31[μm]のときは、N=4
096ならば、数%誤差内に収束していることを確認し
た。
【0024】別の見方をすれば、感光層の基体側界面の
表面粗さの測定値のサンプリング間隔(実空間)Δt
[μm]、パワースペクトルのサンプリング間隔(逆空
間)Δn=1/(N・Δt)[μm-1]となるが、これ
は、断面曲線の高さx(t)の定義域が、T=N・Δt
の区間であることによるためで、逆空間でのΔn=1/
(N・Δt)間隔のサンプル値のフーリエスペクトルに
より、原信号x(t)が再現することを意味しており、
ここで再現できる断面曲線の変動周期は、[シャノン
(Shannon)のサンプリング定理によると]、2
Δt程度である。現在考察している現象に関しては、こ
の程度以上の変動周期の表面粗さが関与しており、Δt
=0.31[μm]のサンプリング間隔で十分である
が、現象によってはさらに細かい周期の変動を考察対象
とする必要がある。この時は、それに応じて、サンプリ
ング間隔を短くすればよい。
【0025】感光層の基体側界面の断面曲線のI(S)
を制御するためには、基体表面の断面曲線を制御するこ
とが極めて有効である。これは、感光体が下引層を有し
ていない場合は当然であるが、下引層を有している場合
には、基体に下引層を積層した後、感光層が積層される
のであるが、下引層が極端に厚いものでない限り、基体
表面の凹凸の多くは、下引層表面にも強く反映されてい
るためであり、下引層の組成、積層方法等を制御するよ
りも基体表面の断面曲線を制御する方が感光層の基体表
面側の断面曲線に及ぼす影響が極めて強く、かつ容易で
あることによる。
【0026】また、本発明の第2の感光体は、基体上に
少なくとも下引層を介して感光層を設けた感光体におい
て、下引層表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の
間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群に対し下式(数39)に従い離散的
なフーリエ変換を行い、下式(数40)により導出した
パワースペクトルSから、下式(数41)により計算し
たI(S)が6.0×10-3以上であることを特徴とす
る感光体である。
【数39】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数40】
【数41】 前述のように、基体上に少なくとも下引層を介して感光
層を設けた感光体においては、下引層の上に感光層を積
層する際に、下引層の溶解あるいは変形が生じない限
り、基本的には下引層表面の断面曲線とほぼ同じになる
ため、下引層表面の断面曲線のI(S)の値は6.0×
10-3以上、好ましくは8.0×10-3以上、より好ま
しくは10.0×10-3以上、さらに好ましくは12.
0×10-3以上である。下引層表面の断面曲線のI
(S)の値が6.0×10-3未満では基体側界面全体の
波の強さが弱いため、濃淡縞の間隔が広くなる部分が存
在しやすく、濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡
縞画像の抑制のみの目的では、下引層表面の断面曲線の
I(S)の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりす
ぎると振幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在する
ことになるため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺
に感光体材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の
異常画像が発生しやすいため、画像形成装置にもよる
が、上限値としては100.0×10-3以下、80.0
×10-3以下、60.0×10-3以下である。
【0027】また、本発明の第3の感光体は、基体上に
少なくとも感光層を設けた感光体において、基体表面の
断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サン
プリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ
群に対し下式(数42)に従い離散的なフーリエ変換を
行い、下式(数43)により導出したパワースペクトル
Sから、下式(数44)により計算したI(S)が1
2.0×10-3以上であることを特徴とする感光体であ
る。
【数42】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である)
【数43】
【数44】 感光体が下引層を有していない場合は、感光層を基体上
に積層する際に、基体の溶解あるいは変形が起こらない
限り、感光層の基体側界面の断面曲線は、基体表面の断
面曲線となり、たとえ感光体が下引層を有していても、
下引層の組成あるいは下引層の積層方法を制御するより
も基体表面の断面曲線を制御する方が容易で再現性がよ
い。本発明の感光体の基体表面の断面曲線のI(S)の
値は12.0×10-3以上、好ましくは14.0×10
-3以上、より好ましくは16.0×10-3以上である。
基体表面の断面曲線のI(S)の値が12.0×10-3
未満では濃淡縞の間隔が広くなる部分が存在しやすく、
濃淡縞画像として問題となりやすい。濃淡縞画像の抑制
のみの目的では、基体表面の断面曲線のI(S)の値は
大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振幅の大
きい鋭い突起のような波が多数存在することになるた
め、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体材料
が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像が発
生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値とし
ては150.0×10-3以下、125.0×10-3
下、100.0×10-3以下である。
【0028】また、本発明者らは、感光体の基体表面の
表面状態と書き込み光のスポット径の関係が、濃淡縞画
像発生に関与しているおり、特に感光体が基体上に下引
層を介して感光層を積層した構成のものにおいては顕著
であることを見出した。前述のように感光体の基体表面
には、微細な凹凸があり、その微細な凹凸は多数の波が
重畳されて構成されている。これら多数の波のうち、書
き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波が濃淡縞
画像の発生に関わっていることを見出した。
【0029】書き込み光のスポット径の1/2以上の波
長の波全体のエネルギーが高いということは、感光体の
表面が書き込み光のスポット径の1/2以上の波長の波
によって大きく変動していることを意味している。感光
体の基体表面を構成する波の内、書き込み光のスポット
径の1/2以上の波長の波が濃淡縞画像の発生に関与
し、書き込み光のスポット径の1/2未満の波長の波が
関与しない理由は定かではないが、明らかに相関が認め
られるため、書き込み光の書き込み工程における光学的
な何らかの作用が働いているものと思われる。従って、
書き込み光のスポット径をφ[μm]とした場合、本発
明の感光体の基体の断面曲線を構成する波のうち、φ/
2以上の波長の波のパワースペクトルから計算したI’
(S)が重要である。
【0030】従って、本発明の感光体の基体表面の断面
曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリ
ングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に
対し下式(数45)に従い離散的なフーリエ変化を行
い、下式(数46)及び(数47)により導出したI’
(S)は、6.0×10-3以上、好ましくは8.0×1
-3以上、より好ましくは10.0×10-3以上、さら
に好ましくは12.0×10-3以上である。I’(S)
が6.0×10-3未満では濃淡縞画像として問題となり
やすい。濃淡縞画像の抑制のみの目的では、I’(S)
の値は大きいほど良いが、あまり大きくなりすぎると振
幅の大きい鋭い突起のような波が多数存在することにな
るため、短絡による放電破壊や鋭い突起の周辺に感光体
材料が凝集しやすくなり、濃淡縞画像とは別の異常画像
が発生しやすいため、画像形成装置にもよるが、上限値
としては100.0×10-3以下、80.0×10-3
下、60.0×10-3以下である。
【数45】 (ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
【数46】
【数47】 (ここでjはN・Δt/j≧φ/2 を満たす最大の整
数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径
[μm]である)
【0031】このように基体断面曲線を構成する波長が
φ/2以上の波のI’(S)は6.0×10-3以上とし
た本発明の感光体において、下引層を有している場合に
は、下引層と電荷発生層の合計の膜厚は、好ましくは1
5μm以下、より好ましくは12μm以下、さらに好ま
しくは8μm以下である。下引層と電荷発生層の合計の
膜厚が15μmを超えると基体表面の凹凸が電荷輸送層
の底面の状態に反映され難くなるため、濃淡縞画像が発
生しやすくなる。
【0032】本発明の感光体の感光層の厚みは、感光体
の用いられる画像形成装置の求める静電特性、解像度に
応じて適宜選定されるが、高解像度が求められる15μ
m以下、好ましくは14μm以下の場合に効果が高い。
感光層の厚みが15μm以下の感光体は、高解像度であ
る反面、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳して画
像形成しやすいため、従来の感光体では濃淡縞による異
常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体で
はほとんど起きることはない。
【0033】本発明の感光体の基体としては、銅、アル
ミニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等
の金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム
状あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸
化錫、酸化インジウム等の導電性物質をプラスチックフ
ィルム等に真空蒸着、無電解メッキ、貼りあわせ等によ
って付着させたベルトあるいはシートを例示することが
できる。本発明の基体表面は、感光層との接着性を向上
させるために下引層の積層、陽極酸化皮膜形成、切削、
ブラスト等により表面加工が施されていることが好まし
い。また前述のように、濃淡縞の異常画像を抑制するた
めには基体表面は十分荒れていることが好ましく、基体
の組成、作成条件等を制御したり、物理的、電気化学的
等の方法により荒らしたりすることが好ましい。中でも
切削、ブラスト等の物理的加工方法が荒らす効果が高く
好ましい。
【0034】本発明の感光体の下引層としては樹脂、あ
るいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性
基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化
金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とす
るものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸
化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入
防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ま
しい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビ
ニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可
塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッ
ド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、
これらの中の一種あるいは複数種の混合物を例示するこ
とができる。
【0035】本発明の感光体に用いる電荷発生剤として
は、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリス
アゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウ
ム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリ
レン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾー
ル系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔
料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、
セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の
無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種ある
いは複数種を、結着樹脂を用いて電荷輸送層を形成す
る。
【0036】本発明の電子写真感光体に用いる電荷輸送
材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘
導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタ
ロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合
物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒド
ラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジ
スチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、ト
リフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、
アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等
の一種あるいは複数種を混合して使用することができ
る。
【0037】上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形
成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であ
り、それ自体公知の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,光硬
化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適
当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、
(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシア
ネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化
性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の
光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは複数種と結着
樹脂の混合を挙げることができるが、特にこれらのもの
に限定されるものではない。
【0038】本発明の感光体は、複写機、プリンター、
FAX等の画像形成装置及びこれらにおける画像形成方
法に用いることにより極めて高画質の画像形成が可能と
なる。
【0039】本発明の感光体はプロセスカートリッジに
組み込んで用いることができる。プロセスカートリッジ
とは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像
手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ
1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形
状等は従来公知の各種のものとすることができる。
【0040】本発明の感光体を用いた画像形成装置ない
し画像形成方法は、書き込み光が非干渉光、可干渉光、
いずれにおいても高画質の画像形成が可能であるが、特
に可干渉光を用いた場合においても濃淡縞の異常画像を
発生させることないため、高解像度、高精細な画像品質
の優れた画像形成が可能となる。
【0041】本発明の感光体を用いた画像形成装置ない
し画像形成方法は、いかなる書き込み光のスポット径に
対して高画質の画像形成が可能であり、求められる画像
の解像度に応じて書き込み光のスポット径は適宜選択さ
れるものであるが、好ましくは80μm以下、より好ま
しくは70μm以下、さらに好ましくは5〜60μmで
あることが好ましい。書き込み光のスポット径が80μ
m以下の画像形成装置ないし画像形成方法は、高解像度
の画像形成を行うことができるため、感光体固有の情報
も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすく、従来
の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法では
濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本
発明の感光体を用いた画像形成装置ないし画像形成方法
ではほとんど起きることはない。
【0042】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法
で用いる書き込み光の波長は、特に制限はないが、70
0nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましく
は400〜600nmとすることができる。このような
短波長の書き込み光を用いても、本発明の画像形成装置
ないし画像形成方法によれば、スジ状画像、濃淡縞の異
常画像を発生させることなく、高解像度、高精細な画像
品質の優れた画像形成が可能となる。
【0043】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法
における書き込み画像の階調再現方法としては、特に制
限はなく、種々の方式を用いることができる。従来装置
ないし方法では、多値方式による階調再現方法を用いた
場合、画素の濃度が多段階に設定されるため、濃淡縞が
目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調あるいは
パルス幅変調とパワー変調を組み合わせたとき、その傾
向が極めて高くなっていた。しかし、本発明の感光体を
用いた画像形成装置ないし画像形成方法では、このよう
な多値方式による階調再現方法であっても、濃淡縞が発
生することはなく、高解像度、高精細な画像品質の優れ
た画像形成が可能となる。
【0044】本発明の画像形成装置ないし画像形成方法
における書き込み画像の解像度は、制限されるものでは
ないが、600dpi以上、特に1000dpi以上の
高解像度のときにおいても優れた画像品質の優れた画像
形成が可能である。このような高解像度の書き込み画像
では、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画
像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成
装置ないし画像形成装置ではスジ状画像、濃淡縞による
異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の感光体
を用いた画像形成装置ないし画像形成方法ではほとんど
起きることはない。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0046】実施例1 アルミニウムドラムの表面を新品のダイヤモンドバイト
を用いた切削機により切削して、直径90mm、長さ3
52mm、厚さ2mmのアルミニウムドラムを同一切削
条件で4本作製した。このアルミニウムドラム表面を表
面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、い
ずれも図1のような断面曲線を有していた。この断面曲
線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリ
ングし、離散的なフーリエ変換を行い、図2に示すパワ
ースペクトルを作成した。I(S)を計算したところ2
1.8×10-3であった。次に、アクリル樹脂(アクリ
ディックA−460−60(大日本インキ化学工業
製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミン
L−121−60(大日本インキ化学工業製))10重
量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに
酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90
重量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗
布液を作製した。切削により表面を粗面化したアルミニ
ウムドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定
で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方
向を維持したまま乾燥室に移動させ、140℃で20分
乾燥し、厚さ3.5μmの下引層をアルミニウムドラム
上に形成した。この下引層表面を表面粗さ計サーフコム
1400Aにて測定したところ、図3のような断面曲線
を有していた。この断面曲線からΔt=0.31μm
で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ
変換を行い、図4に示すパワースペクトルを作成した。
I(S)を計算したところ17.4×10-3であった。
次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化学
製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶
解し、これに下記構造式(化1)のトリスアゾ顔料10
重量部を加えてボールミルで48時間分散した。
【化1】 次に、シクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分
散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得
られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミ
ニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同
様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。さらに、下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量
部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300
(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF
−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重
量部の塩化メチレンに溶解した。こうして得られた電荷
輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミ
ニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同
様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷
輸送層を形成した。
【化2】 上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が780n
m、書き込み画像の解像度が400dpiで、パルス幅
変調とパワー変調を組み合わせ256階調の書き込みが
可能なimagio color 2800(リコー
製)に搭載した。全面均一の白黒ハーフトーン画像を出
力したところ、均一な白黒ハーフトーン画像が得られ、
濃淡縞の異常画像は認められなかった。また、カラーの
風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得
られた。
【0047】実施例2 実施例1において、下引層の厚みを7.0μmとしたこ
と以外は同様にして感光体を作製した。下引層表面の断
面曲線を実施例1と同様に測定したところ、図5のよう
になり、実施例1と同様に下引層表面の断面曲線のパワ
ースペクトル(図6)を作成し、I(S)を計算したと
ころ15.4×10-3であった。実施例1と同じ全面均
一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画
像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。ま
た、実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピー
したところ、高品質の画像が得られた。
【0048】比較例1 実施例1で用いたバイトで、アルミニウムドラムを50
0本切削後、実施例1と同様にして感光体を作製し、画
像を出力した。次に、実施例1と同様に感光体のアルミ
ニウムドラム表面の断面曲線(図7)を測定した。ま
た、実施例1と同様にアルミニウムドラム表面の断面曲
線のパワースペクトル(図8)を作成し、I(S)を計
算したところ11.1×10-3であった。下引層の断面
曲線についても実施例1と同様に下引層の断面曲線のI
(S)を計算したところ5.6×10-3であった。実施
例1と同じ全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した
ところ、画像端部付近に濃淡の乱れが生じているように
見えた。実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコ
ピーしたところ、凝視すると画像端部付近が僅かに濃淡
の乱れが生じているように見えた。
【0049】実施例3 実施例1において、imagio color 280
0(リコー製)を改造し、書き込み画像の解像度を12
00dpiとしたこと以外は実施例1と同様にして面均
一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画
像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。ま
た、実施例1で用いたカラーの風景写真をカラーコピー
したところ、高品質の画像が得られた。
【0050】比較例2 比較例1で作製した感光体を用いたこと以外は実施例3
と同様に白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像
端部付近に帯状の4組の薄い濃淡縞が認められ、また、
感光体の円周の長さに相当する約280mm間隔で、木
目状の薄い濃淡縞が認められた。また、実施例1で用い
たカラーの風景写真をコピーしたところ、画像端部付近
に薄い帯状の異常画像が観測され、さらに全面均一の白
黒ハーフトーン画像で木目状の濃淡縞が認められたのと
ほぼ同じ高さの場所の色合いが部分的にやや不自然であ
った。比較例1及び2で用いた感光体のアルミニウムド
ラム表面の断面曲線は、主ピークに副ピークが重畳され
た形状であったが、濃淡縞の異常画像を抑えることがで
きていなかった。本明細書で述べてきたように、断面曲
線のパワースペクトルの積分値を適切な値になるように
することが重要であることが、本結果により確認され
た。
【0051】実施例4 実施例3において、電荷輸送層の厚みを14.5μmと
したこと以外は同様にして感光体を作製し、この感光体
を用いて実施例3と同様に全面均一の白黒ハーフトーン
画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の
異常画像は発生しなかった。また、実施例1で用いたカ
ラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画
像が得られた。
【0052】比較例3 比較例2において、電荷輸送層の厚みを14.5μmと
したこと以外は同様にして感光体を作製し、この感光体
を用いて比較例2と同様に白黒ハーフトーン画像を出力
したところ、画像端部付近に帯状の5組の濃淡縞が認め
られ、また、感光体の円周の長さに相当する約280m
m間隔で木目状の濃淡縞が認められた。また、実施例1
で用いたカラーの風景写真をコピーしたところ、画像端
部付近に帯状の異常画像が明らかに観測され、さらに全
面均一の白黒ハーフトーン画像で木目状の濃淡縞が認め
られたのとほぼ同じ高さの場所の色合いが部分的に不自
然であった。
【0053】実施例5〜10、比較例4〜5 実施例3で用いたダイヤモンドバイトと同じ型の新品の
ダイヤモンドバイトを用い、実施例3と同じ大きさのア
ルミニウムドラムを500本作製した。その中から無作
為にアルミニウムドラムを選び出し、アルミニウムドラ
ム表面の断面曲線を実施例3と同様に測定し、I(S)
を求めた。これらのアルミニウムドラムを用いたこと以
外は実施例3と同様にして感光体を作製した。これらの
感光体を用い、実施例3と同様の画像形成装置を作製
し、全面均一の白黒ハーフトーンを出力して濃淡縞の異
常画像の有無を評価した。その評価結果を表1に示す。
評価基準としては、異常なし:4、凝視すると濃淡縞が
分かってくるレベル:3、薄く濃淡縞が分かるレベル:
2、明らかに濃淡縞が分かるレベル:1、とした。
【0054】
【表1】
【0055】実施例11 特別表面加工を施していない直径90mm、長さ352
mm、厚さ2mmのアルミニウムドラム上に実施例1の
下引層塗工液を、スプレーガンを用いたスプレー塗工法
により塗工し、アルミニウムドラムを乾燥室に移動さ
せ、140℃で20分乾燥し、厚さ4.0μmの下引層
をアルミニウムドラム上に形成した。下引層の断面曲線
を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。これ
らの断面曲線からΔt=2500/4096μmで、N
=4096個サンプリングし、I(S)及び十点平均粗
さ(Rz)を求めた。それ以外は実施例1と同様にして
感光体を作製し、その感光体を実施例1で用いた画像形
成装置に搭載して全面均一の白黒ハーフトーン画像を出
力した。
【0056】実施例12、13、比較例6、7 実施例11において、スプレーガンの移動速度及び下引
層塗工液の吐出量を種々変化させて特別表面加工を施し
ていない直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmの
アルミニウムドラム上に下引層塗工液をスプレー塗工
し、アルミニウムドラムを乾燥室に移動させ、140℃
で20分乾燥し、厚さ4.0μmの下引層をアルミニウ
ムドラム上に形成した。下引層の断面曲線を表面粗さ計
サーフコム1400Aにて測定した。それ以外は実施例
11と同様にして感光体を3本作製し、それぞれの感光
体を実施例11の画像形成装置に搭載して全面均一の白
黒ハーフトーン画像を出力した。各感光体の下引層の十
点表面粗さとI(S)、画像評価の結果を下表に示し
た。下引層の十点平均粗さと画像評価の結果とは全く相
関性がなかったが、I(S)が6.0×10−3以上の
画像形成装置は高画質な画像形成が可能であった。
【0057】
【表2】
【0058】実施例14 アルミニウムドラムの表面をダイヤモンドバイトにより
切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2mm
のアルミニウムドラムを4本作製した。このアルミニウ
ムドラム表面を表面粗さ計サーフコム1400Aにて測
定したところ、図9のような断面曲線を有していた。こ
の断面曲線からΔt=0.31μmで、N=4096個
サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、図10
に示すパワースペクトルを作成した。書き込み光のスポ
ット径が70μmの場合、4096×0.31/j≧7
0/2を満たす最大の整数jは36であるので、この条
件を満たすI’(S)を計算したところ7.3×10-3
であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−4
60−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60
(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチ
ルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末
(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボ
ールミルで12時間分散し、下引層塗布液を作製した。
切削により表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記
下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げ
て塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したま
ま、乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ
3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成し
た。次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化
学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に
溶解し、これに実施例1で用いたトリスアゾ顔料10重
量部を加えてボールミルで48時間分散した。次に、シ
クロヘキサノン210重量部を加え、10時間分散を行
った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌し
ながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた
電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウム
ドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同様に乾
燥を行い約0.2μmの電荷発生層を形成した。さら
に、下記構造式(化3)の電荷輸送材料1重量部、ビス
フェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコーン
オイル(KF−50(信越化学工業製))0.02重量
部を10重量部のテトラヒドロフランに溶解した。
【化3】 こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発
生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、12
0℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層
上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作
製した。上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が
780nm、書き込み光のスポット径が70μmのim
agio color 2800(リコー製)に搭載し
た。実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像
を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常
画像は認められなかった。また、実施例1と同様にカラ
ーの風景写真をカラーコピーしたところ、高品質の画像
が得られた。
【0059】実施例15 実施例14において、ダイヤモンドバイトを新品に交換
したこと以外は同様にしてアルミニウムドラムを作製し
た。このアルミニウムドラムの断面曲線を測定し、j=
36でのI’(S)を計算したところ13.9×10-3
であった。このアルミニウムドラムを用いて、下引層の
厚みを7.0μmとしたこと以外は実施例1と同様にし
て感光体を作製した。実施例1と同様に全面均一の白黒
ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像が得ら
れ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、実施例
1と同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたとこ
ろ、高品質の画像が得られた。
【0060】実施例16 実施例15の感光体において、下引層の厚みを15.8
μmとしたこと以外は実施例2と同様にして感光体を作
製した。この感光体のアルミニウムドラムの断面曲線を
測定し、j=36でのI’(S)を計算したところ1
4.0×10-3であった。実施例1と同様に全面均一の
白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端部付近
に帯状の乱れが生じているように見えた。また、実施例
14と同じカラーの風景写真をカラーコピーしたが、高
品質の画像が得られた。
【0061】比較例8 実施例14で用いたバイトで、アルミニウムドラムを4
00本切削後、実施例14と同様にして感光体を作製し
た。この感光体のアルミニウムドラムの断面曲線は図1
1に示すように、主ピークに副ピークが重畳された形状
を示していた。断面曲線のパワースペクトル(図12)
を作成し、j=36でのI’(S)を計算したところ
3.9×10-3であった。実施例1と同様に全面均一の
白黒ハーフトーン画像を出力したところ、明らかに画像
端部付近に帯状の濃淡の乱れが生じ、木目状の濃淡縞が
観測された。実施例1と同様にカラーの風景写真をカラ
ーコピーしたが、画像端部付近が不自然であった。
【0062】実施例17 実施例15で用いたバイトで、アルミニウムドラムを1
20本切削後、実施例1と同様にして感光体を作製し
た。書き込み光のスポット径を50μmとした場合、j
=50であるので、j=50でのアルミニウムドラム表
面の断面曲線のI’(S)を計算したところ6.9×1
-3であった。上記で作製した感光体を、imagio
color 2800(リコー製)を改造し、書き込
み光のスポット径を50μmとした画像形成装置に搭載
し、実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像
を出力したところ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常
画像は発生しなかった。また、実施例1と同様にカラー
の風景写真をカラーコピーしたが、高品質の画像が得ら
れた。
【0063】実施例18 実施例17で用いたバイトで、アルミニウムドラムを切
削した。書き込み光のスポット径を50μmとし、j=
50でのアルミニウムドラム表面の断面曲線のI’
(S)を計算したところ7.1×10-3であった。この
アルミニウムドラムを用い、電荷輸送層の膜厚を14.
5μmとしたこと以外は実施例14と同様にして感光体
を作製した。この感光体を、imagiocolor
2800(リコー製)を改造し、書き込み光のスポット
径を50μmとした画像形成装置に搭載した。実施例1
と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したと
ころ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認めら
れなかった。また、実施例1と同様にカラーの風景写真
をカラーコピーしたところ、高品質の画像が得られた。
【0064】実施例19 直径90mm、長さ352mm、厚さ2mmのアルミニ
ウムドラム表面をホーニング加工による粗面化を行っ
た。粗面化終了後、アルミニウムドラムの断面曲線を表
面粗さ計サーフコム1400Aにて測定した。断面曲線
からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリン
グし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトル
を作成し、I(S)を計算したところ18.1×10-3
であった。次に、アクリル樹脂(アクリディックA−4
60−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60
(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチ
ルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末
(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボ
ールミルで120時間分散し、下引層塗布液を作製し
た。次に、粗面化の加工時間の長い側を上方にして、ア
ルミニウムドラムを下引層塗布液に浸漬した後、アルミ
ニウムドラムを引き上げ、130℃で20分間乾燥して
下引層を約4.8μm積層した。下引層の断面曲線をア
ルミニウムドラムの断面曲線の場合と同様に測定し、I
(S)を求めたところ10.9×10-3であった。次
に、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC
製))2重量部を、メチルエチルケトン200重量部に
溶解し、これに下記構造式(化4)のビスアゾ顔料10
重量部を加えてボールミルで40時間分散した。
【化4】 さらに、シクロヘキサノン200重量部を加え、10時
間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるよ
うに攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうし
て得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したア
ルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下
引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を
形成した。次に、下記構造式(化5)の電荷輸送材料1
重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量
部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業
製))0.02重量部を10重量部のテトラヒドロフラ
ンに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、
下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸
漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行
い、電荷発生層上に厚さ約14μmの電荷輸送層を形成
し、感光体を作製した。
【化5】 上記で作製した感光体を、imagio color
2800を改造して、書き込み光の波長を655nm、
書き込み画像の解像度を1200dpiとした画像形成
装置に搭載し、実施例1と同様に全面均一の白黒ハーフ
トーン画像を出力したところ、均一な画像が得られ、濃
淡縞の異常画像は認められなかった。また、実施例1と
同様にカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、高
品質の画像が得られた。
【0065】実施例20〜23、比較例9,10 実施例19と同様に6本の直径90mm、長さ352m
m、厚さ2mmのアルミニウムドラム表面をホーニング
加工による粗面化を行った。次に、実施例19で用いた
下引層塗布液をスプレー塗工法により、種々のスプレー
ガン移動速度、下引層塗布液の吐出量で塗布し、130
℃で20分間乾燥して下引層を約4.5μm設けた。次
に、実施例19と同様に電荷発生層、電荷輸送層を積層
して感光体を6本作製した。上記で作製した感光体を、
imagio color 2800を改造して、書き
込み光の波長を504nm、書き込み画像の解像度を1
200dpiとした画像形成装置に搭載し、実施例1と
同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。各
感光体の下引層の断面曲線のI(S)及び画像評価結果
を下表に示した。
【表3】
【0066】
【発明の効果】請求項1〜8の発明によれば、濃淡縞の
異常画像のない高品質の画像形成が可能な感光体を提供
することができる。請求項9の発明によれば、高解像度
でありながら濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成
が可能な感光体を提供することができる。請求項10の
発明によれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形
成が可能な画像形成装置を提供することができる。請求
項11及び12の発明によれば、高解像度でありながら
濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像
形成装置を提供することができる。請求項13の発明に
よれば、高階調性で、濃淡縞の異常画像のない高品質の
画像形成が可能な画像形成装置を提供することができ
る。請求項14の発明によれば、高解像度でありながら
濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像
形成装置を提供することができる。請求項15の発明に
よれば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可
能な画像形成方法を提供することができる。請求項16
及び17の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞
の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方
法を提供することができる。請求項18の発明によれ
ば、高階調性で、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像
形成が可能な画像形成方法を提供することができる。請
求項19の発明によれば、高解像度でありながら濃淡縞
の異常画像のない高品質の画像形成が可能な画像形成方
法を提供することができる。請求項20の発明によれ
ば、濃淡縞の異常画像のない高品質の画像形成が可能な
画像形成装置ないし画像形成方法に利用可能なプロセス
カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の感光体のアルミニウムドラム表面の
断面曲線を示す図である。
【図2】図1の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図3】実施例1の下引層表面の断面曲線を示す図であ
る。
【図4】図3の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図5】実施例2の下引層表面の断面曲線を示す図であ
る。
【図6】図5の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図7】比較例1の感光体のアルミニウムドラム表面の
断面曲線を示す図である。
【図8】図7の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図9】実施例14の感光体のアルミニウムドラム表面
の断面曲線を示す図である。
【図10】図9の断面曲線から求めたパワースペクトル
を示す図である。
【図11】比較例8の感光体のアルミニウムドラム表面
の断面曲線を示す図である。
【図12】図11の断面曲線から求めたパワースペクト
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 純一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 谷 克彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岩田 周行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 拓司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邉 好夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、感光層の基体側界面の断面曲線を水平方向
    にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲
    線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数
    1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)
    により導出したパワースペクトルSから、下式(数3)
    により計算したI(S)が6.0×10-3以上であるこ
    とを特徴とする感光体。 【数1】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である) 【数2】 【数3】
  2. 【請求項2】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    感光体。
  3. 【請求項3】 基体上に少なくとも下引層を介して感光
    層を設けた感光体において、下引層表面の断面曲線を水
    平方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした
    断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式
    (数4)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数
    5)により導出したパワースペクトルSから、下式(数
    6)により計算したI(S)が6.0×10-3以上であ
    ることを特徴とする感光体。 【数4】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である) 【数5】 【数6】
  4. 【請求項4】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項3に記載の
    感光体。
  5. 【請求項5】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μ
    m]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx
    (t)[μm]のデータ群に対し下式(数7)に従い離
    散的なフーリエ変換を行い、下式(数8)により導出し
    たパワースペクトルSから、下式(数9)により計算し
    たI(S)が12.0×10-3以上であることを特徴と
    する感光体。 【数7】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である) 【数8】 【数9】
  6. 【請求項6】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項5に記載の
    感光体。
  7. 【請求項7】 基体上に少なくとも感光層を設けた感光
    体において、基体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μ
    m]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx
    (t)[μm]のデータ群に対し下式(数10)に従い
    離散的なフーリエ変化を行い、下式(数11)により導
    出したパワースペクトルSから、下式(数12)により
    計算したI’(S)が6.0×10-3以上であることを
    特徴とする感光体。 【数10】 (ここで、n、mは整数、N=2、pは整数である) 【数11】 【数12】 (ここでjはN・Δt/j≧φ/2 を満たす最大の整
    数、φは画像形成のためのス書き込み光のスポット径
    [μm]である)
  8. 【請求項8】 基体上に下引層、電荷発生層及び電荷輸
    送層を積層した積層型の感光体であって、該下引層と該
    電荷発生層の合計の膜厚が15μm以下であることを特
    徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光体。
  9. 【請求項9】 該感光層の膜厚が15μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の感
    光体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を
    用いることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 書き込み光のスポット径が80μm以
    下であることを特徴とする請求項10の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 書き込み光の波長が700μm以下で
    あることを特徴とする請求項10又は11に記載の画像
    形成装置。
  13. 【請求項13】 多値方式による階調再現方法により書
    き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求
    項10〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 書き込み画像の解像度が600dpi
    以上であることを特徴とする請求項10〜13のいずれ
    か一項に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜9のいずれか一項に記載の
    感光体を用いるとともに、書き込み光として可干渉光を
    用いることを特徴とする画像形成方法。
  16. 【請求項16】 スポット径が80μm以下の書き込み
    光を用いることを特徴とする請求項15の画像形成方
    法。
  17. 【請求項17】 波長が700μm以下の書き込み光を
    用いることを特徴とする請求項15又は16に記載の画
    像形成方法。
  18. 【請求項18】 多値方式による階調再現方法により書
    き込み画像を感光体に出力させることを特徴とする請求
    項15〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 書き込み画像の解像度が600dpi
    以上であることを特徴とする請求項15〜18のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の感光体を搭載したことを特徴とするプロセスカートリ
    ッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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