JP2003186221A - 電子写真感光体と、該感光体を用いる画像形成方法、該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体と、該感光体を用いる画像形成方法、該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003186221A
JP2003186221A JP2001381441A JP2001381441A JP2003186221A JP 2003186221 A JP2003186221 A JP 2003186221A JP 2001381441 A JP2001381441 A JP 2001381441A JP 2001381441 A JP2001381441 A JP 2001381441A JP 2003186221 A JP2003186221 A JP 2003186221A
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Akihiko Itami
明彦 伊丹
Masanari Asano
真生 浅野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用しても高画質で安定した画像が
得られ、且つクリーニングブレードのめくれが発生しに
くい電子写真感光体、該感光体を用いる画像形成方法、
該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカートリッ
ジを提供。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成する
層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキル
基を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴と
する電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体
(以下、単に感光体とも云う)に関し、詳しくは特定の
構造を有する樹脂を含有する表面を形成する層を有し、
且つクリーニングブレードのめくれが発生しにくい感光
体、該感光体を用いる画像形成方法、該感光体を有する
画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電性化
合物を有する感光体が広く用いられている。この感光体
は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が
開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択出来るこ
と、製造コストが安いこと等が無機導電性化合物を用い
た感光体に対して有利である。しかし、この感光体の表
面は機械的耐久性に弱く、多数枚の画像形成を行うと感
光体表面が劣化したり、傷が発生したりして繰り返し使
用しても高品質の画像が得られないという問題があっ
た。
【0003】上記のような問題を解決するため、これま
で種々のことが検討されてきた。例えば、感光体の表面
を形成する層のバインダー樹脂にビスフェノールZ型ポ
リカーボネート樹脂を用いることにより、表面の摩耗特
性、トナーフィルミング特性が改善されることが報告さ
れている。又、特開平6−118681号公報ではコロ
イダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂を感光体の表面保
護層として用いると、表面の摩耗特性が改善されること
が報告されている。
【0004】しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ート樹脂を用いた感光体では、まだ摩耗特性が不十分で
あり、十分な耐久性が得られていない。一方、コロイダ
ルシリカ含有硬化性シリコン樹脂を保護層として設けた
感光体では、摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時
の電子写真特性に問題が生じ、画像カブリや画像ボケが
発生しやすく、問題解決には至っていない。
【0005】又、感光体を製造時、塗膜の平滑性を得る
ためにシリコンオイル等をレベリング剤として塗布液中
に添加する技術が広く知られている。シリコンオイルを
添加することにより感光体とクリーニングブレードとの
摩擦係数が低下することは、従来より良く知られたこと
であるが、レベリング剤として用いるシリコンオイルで
は塗膜の表層にシリコンオイルが配向してしまうため、
摩擦係数を低下させる効果は一時的なものとなり、長期
間にわたり摩擦係数を低下させるには不十分であった。
又、十分な効果を得るため多量のシリコンオイルを塗布
液中に添加すると、かえって塗布性を悪くしたり、感光
体表面へのシリコンオイルの配向量が過剰になり、画像
にカブリが発生しやすくなったりして、前記問題に関し
てはいまだ満足出来るレベルに達していないのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用しても高画質で安定した画像が得られ、且つク
リーニングブレードのめくれが発生しにくい感光体、該
感光体を用いる画像形成方法、該感光体を有する画像形
成装置及びプロセスカートリッジの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意努力した結果、感光体の表面を形成
する層に4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アル
キル基を有するポリアリレート樹脂を含有させると大幅
に耐久性を伸ばすことが出来、且つクリーニングブレー
ドのめくれが発生しにくいことを見出した。即ち、本発
明の課題は下記構成を採ることにより達成される。
【0008】1.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成す
る層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキ
ル基を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴
とする電子写真感光体。
【0009】2.前記ポリアリレート樹脂が、芳香族ポ
リアリレート樹脂であることを特徴とする前記1項に記
載の電子写真感光体。
【0010】3.前記鎖状のフッ化アルキル基が、8個
以上の炭素原子を有することを特徴とする前記1項に記
載の電子写真感光体。
【0011】4.前記鎖状のフッ化アルキル基が、ポリ
アリレート樹脂のモノマー単位中の側鎖、又はポリマー
の末端の基であることを特徴とする前記1項に記載の電
子写真感光体。
【0012】5.前記鎖状のフッ化アルキル基をモノマ
ー単位の側鎖として有するポリアリレート樹脂のモノマ
ー単位が、前記一般式(1)で示されることを特徴とす
る前記4項に記載の電子写真感光体。
【0013】6.前記鎖状のフッ化アルキル基が、ポリ
アリレート樹脂のポリマーの末端の基であり、且つ前記
一般式(2)で示されることを特徴とする前記4項に記
載の電子写真感光体。
【0014】7.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成す
る層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキ
ル基を有するポリアリレート樹脂とフッ素原子含有化合
物とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0015】8.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成す
る層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキ
ル基を有するポリアリレート樹脂と酸化防止剤とを含有
することを特徴とする電子写真感光体。
【0016】9.前記表面を形成する層が感光層である
ことを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載の
電子写真感光体。
【0017】10.前記表面を形成する層が保護層であ
ることを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0018】11.電子写真感光体上に、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
子写真画像形成方法において、該電子写真感光体に前記
1〜10項のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用
いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0019】12.電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの各手段を有する電子
写真画像形成装置において、該電子写真感光体に前記1
〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有する
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0020】13.電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの各手段を有する電子
写真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジに
おいて、前記1〜10項のいずれか1項に記載の感光体
と帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器のいずれ
か1つとを一体に有しており、且つ該電子写真画像形成
装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とする
プロセスカートリッジ。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、導電性支持体上に感光層を有する感光体において、
該感光体の表面を形成する層が4個以上の炭素原子を有
する鎖状のフッ化アルキル基を有するポリアリレート樹
脂を含有することを特徴とする感光体である。
【0022】又、本発明は、上記感光体を用いる画像形
成方法、該感光体を有する画像形成装置及びプロセスカ
ートリッジである。
【0023】本発明に係るポリアリレート樹脂は、ビス
フェノール成分と芳香族ジカルボン酸成分とのポリエス
テルから主としてなる樹脂である。かかる樹脂としては
前記一般式(1)で表される繰り返し単位を全体の50
モル%以上、好ましくは75モル%以上、特に好ましく
は100モル%含有するものが、電子写真特性及び耐久
性が良好で、繰り返し使用しても高画質で安定した画像
が得られ、且つクリーニングブレードのめくれが発生し
にくく好ましい。
【0024】前記一般式(1)中、R1〜R6は各々水素
原子、置換或いは無置換のアルキル基、置換或いは無置
換のアリール基、置換或いは無置換の鎖状のフッ化アル
キル基又はこれらの基を結合することにより形成される
基を示し、R1及びR2の少なくとも一方は4個以上の炭
素原子を有する鎖状のフッ化アルキル基を含む。Ar 1
は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基であるが、炭素数
6〜10であるとより好ましい。具体的には、m−フェ
ニレン基、p−フェニレン基、ナフチレン基を挙げるこ
とが出来、これらの中ではm−フェニレン基、p−フェ
ニレン基がより好ましい。
【0025】又、本発明に係る鎖状のフッ化アルキル基
が有する炭素原子は、4個以上であるが、8個以上であ
ることがより好ましい。炭素原子が4個未満であると、
感光体の表面潤滑性を十分得られないことがある。かか
る鎖状のフッ化アルキル基は、ポリアリレート樹脂のモ
ノマー単位中の側鎖として存在してもよいし、ポリマー
の末端の基として存在してもよく、又、側鎖と末端の両
方に存在してもよい。
【0026】鎖状のフッ化アルキル基がポリアリレート
樹脂のモノマー単位中に存在する場合、該モノマー単位
は前記一般式(1)で示されることが好ましい。
【0027】以下に鎖状のフッ化アルキル基を含むR1
及びR2の好ましい具体例を示すが、これらに限定され
るものでは無い。又、式中のpは1又は0を示し、qは
3以上の整数を示す。
【0028】
【化3】
【0029】次に、鎖状のフッ化アルキル基を含まない
1及びR2の好ましい具体例を示すが、これらに限定さ
れるものでは無い。
【0030】
【化4】
【0031】前記一般式(1)で示されるモノマー単位
の内、特に好ましいものとしては下記一般式で示される
モノマー単位が挙げられる。
【0032】
【化5】
【0033】鎖状のフッ化アルキル基がポリアリレート
樹脂のポリマーの末端の基として存在する場合、そのモ
ノマー単位は下記一般式(3)で示されることが好まし
い。
【0034】
【化6】
【0035】式中、R7及びR8は各々水素原子、置換或
いは無置換のアルキル基、置換或いは無置換のアリール
基、置換或いは無置換の鎖状のフッ化アルキル基又はR
7及びR8基が結合することにより形成される基を示し、
7及びR8の少なくとも一方は4個以上の炭素原子を有
する鎖状のフッ化アルキル基を含む。
【0036】前記一般式(3)で示されるモノマー単位
の好ましい具体例としては、上記一般式(3)で挙げら
れたものの他に、下記のモノマー単位等が挙げられる。
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】本発明におけるポリマーの末端の基は前記
一般式(2)で示されることが好ましい。
【0040】式中、Ar2は置換或いは無置換のアリー
レン基を示し、Rは置換或いは無置換のアルキレン基、
酸素原子、硫黄原子、−SO2−、>C=O、−C(=
O)−O−、−NHCO−又はこれらの基を結合するこ
とにより形成される基を示し、Rfは4個以上の炭素原
子を有する鎖状のフッ化アルキル基を示し、mは0又は
1を示す。
【0041】以下に、Ar2の好ましい具体例を示す
が、これらに限定されるものではない。
【0042】
【化9】
【0043】式中、Yは−CH3、−Cl、−Br、−
F、−I、−CN、−CF3、−N2又は−H等を示す。
【0044】次に、Rの好ましい具体例を示すが、これ
らに限定されるものではない。 −CH2−、−CH2CH2−、−OCH2−、−OCH2
CH2−、−COCH2−、−COCH2CH2−、−CO
OCH2−、−COOCH2CH2−、−OCOCH2−、
−OCOCH2CH2−、−CONHCH2−、−CON
HCH2CH2−、−NHCOCH2−、−NHCOCH2
CH2−、−O−、−CO−、−COO−、−OCO
−、−NHCO−、−S−、−SO2−。
【0045】次に、Rfの好ましい具体例を示すが、こ
れらに限定されるものではない。
【0046】
【化10】
【0047】更に、前記一般式(2)で示される末端基
の好ましい具体例を示すが、これらに限定されるもので
はない。
【0048】
【化11】
【0049】鎖状のフッ素アルキル基をポリマーの末端
基として有する本発明に係るポリアリレート樹脂のうち
特に好ましいモノマーとしては、下記の式で示される樹
脂が挙げられる。
【0050】
【化12】
【0051】式中、Xは
【0052】
【化13】
【0053】を示し、rは重合度を示す。本発明で用い
られるポリアリレート樹脂はホモポリマーでもコポリマ
ーでもよく、又、重量平均分子量は1,000〜10
0,000であることが好ましく、10,000〜8
0,000であることがより好ましい。
【0054】モノマー単位の側鎖に鎖状のフッ化アルキ
ル基を有する本発明に係るポリアリレート樹脂は、例え
ば、前記R1及びR2を有するケトン、R1COR2と過剰
量のフェノールに、塩酸や硫酸等の強酸縮合剤と塩化第
2鉄、塩化カルシウム、ホウ酸及び硫化水素等の触媒と
を加え縮合させて、鎖状のフッ化アルキル基を有するビ
スフェノールを得、次いで、このビスフェノールを水酸
化ナトリウム及びアンモニウム化合物と共にメチレンク
ロライド中に混合し、ホスゲンを通じることにより合成
することが出来る。
【0055】又、ポリマーの末端に鎖状のフッ化アルキ
ル基を有する本発明に係るポリアリレート樹脂は、例え
ば下記のようにして合成することが出来る。
【0056】ポリアリレート樹脂及び下記化合物Aを、
ジクロロメタン及び下記化合物Bを混合した水酸化ナト
リウム水溶液に混合した後、ホスゲンを通じることによ
り本発明に係るポリアリレート樹脂である下記化合物C
が得られる。
【0057】
【化14】
【0058】以下に、本発明に用いられるポリアリール
樹脂の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0059】
【化15】
【0060】本発明の感光体の表面を形成する層には、
ポリアリレート樹脂とフッ素原子含有化合物とを含有す
ることを特徴としている。フッ素原子含有化合物として
は、例えば、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレ
ン、六フッ化エチレンプロピレン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、二フッ化塩化エチレン、パーフロロアク
リレート或いはパーフロロメタクリレート等をモノマー
とする重合体及びこれらの共重合体等の微粒子が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらの中
では四フッ化エチレンの重合体及び共重合体の微粒子が
好ましい。この微粒子の質量平均粒径は0.01〜5μ
mであることが好ましく、0.03〜3μmであること
がより好ましい。尚、表面を形成する層に含有されるフ
ッ素原子含有化合物の量は、表面を形成する層の固形分
100質量部に対して5〜100質量部が好ましい。
【0061】又.本発明の感光体の表面を形成する層に
は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤
としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、
チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止
剤等を挙げることが出来る。
【0062】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば、特開平1−118137号公
報(P7〜P14)に記載の化合物が挙げられるが本発
明はこれに限定されるものではない。
【0063】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば、特開平1−118138号公報
(P7〜P9)に記載の化合物も挙げられるが本発明は
これに限定されるものではない。
【0064】又、製品化されている酸化防止剤として
は、例えば、「イルガノックス1076」、「イルガノ
ックス1010」、「イルガノックス1098」、「イ
ルガノックス245」、「イルガノックス1330」、
「イルガノックス3114」、「イルガノックス107
6」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフ
ェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノールLS
2626」、「サノールLS765」、「サノールLS
770」、「サノールLS744」、「チヌビン14
4」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、
「マークLA67」、「マークLA62」、「マークL
A68」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン
系、「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−
D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マー
クPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マーク
PEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−
10」以上ホスファイト系を挙げることが出来る。これ
らの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダードアミン
系酸化防止剤が好ましい。
【0065】尚、表面を形成する層に含有される酸化防
止剤の量は、表面を形成する層の固形分100質量部に
対して0.1〜10質量部が好ましい。
【0066】感光体の層構成は、特に限定はないが、電
荷発生層、電荷輸送層から成る積層構成、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型)の単層構成等の感光層と、その上に保護層
を塗設した層構成とすることが好ましい。又、前記電荷
発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各
層が複数の層から構成されていてもよい。
【0067】本発明に係る表面を形成する層は、表面を
形成する層が電荷輸送層の場合は電荷輸送層、電荷発生
層の場合は電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層
の場合は電荷発生・輸送層からなる感光層が該当する。
【0068】又、本発明に係る表面を形成する層は、電
荷輸送層、電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層
等の感光層の上に形成した保護層でもよい。
【0069】長期にわたり高画質で安定した画像を得る
には、感光層の上に保護層を設けることが好ましい。
【0070】この場合、前記感光層と保護層の間に接着
層を設けても良い。保護層の膜厚は、0.1〜7μmが
好ましく、0.5〜3μmがより好ましい。
【0071】
【発明の実施の形態】次に、感光体の表面を形成する層
について詳細に説明する。
【0072】図1は、本発明の感光体の層構成の一例を
示す断面図である。図1中、50は感光体、1は導電性
支持体、2は中間層、3は電荷発生層、4は電荷輸送
層、5は保護層、6はポリアリレート樹脂を示す。
【0073】図1の(a)は、感光体の表面を形成する
層が、ポリアリレート樹脂を含有する電荷輸送層からな
る感光体を示す。
【0074】図1の(b)は、感光体の表面を形成する
層が、ポリアリレート樹脂を含有する電荷発生層からな
る感光体を示す。
【0075】図1の(c)は、感光体の表面を形成する
層が、ポリアリレート樹脂を含有する保護層からなる感
光体を示す。
【0076】感光層に用いられる電荷発生化合物として
は、例えば、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、ア
ゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔
料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン
染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテ
ン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等を挙
げることが出来、これらの電荷発生化合物は単独で又は
適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
【0077】感光層に用いられる電荷輸送化合物として
は、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘
導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリ
アゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘
導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導
体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化
合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘
導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、
ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾ
フラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、
アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアント
ラセン等を挙げることが出来、これらの電荷輸送化合物
は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0078】単層構成或いは積層構成の感光層に用いら
れるバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタク
リル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニ
ル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリ
コン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、
フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール等を挙げることが出来る。
【0079】電荷発生層は、バインダー樹脂を適当な溶
剤に溶解した溶液中に前記の電荷発生化合物を溶解或い
は分散し、その溶液を塗布乾燥することによって形成さ
れる。電荷発生化合物とバインダー樹脂との割合は質量
比で1:10〜10:1が好ましい。又、電荷発生層の
膜厚は5μm以下が好ましく、0.05〜2μmがより
好ましい。
【0080】又、電荷輸送層は、前記の電荷輸送化合物
とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗
布乾燥することによって形成される。電荷輸送化合物と
バインダー樹脂との混合割合は質量比で10:1〜1:
10が好ましい。
【0081】電荷輸送層の膜厚は5〜50μmが好まし
く、10〜40μmがより好ましい。又、電荷輸送層が
複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は
10μm以下が好ましく、且つ、電荷輸送層の上層の下
に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ま
しい。
【0082】感光体を形成するための導電性支持体とし
ては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。これらの中で好ましい導電性支持体の材料
としては、アルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステン
レス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状
またはドラム状に成形加工したものである。中でもコス
ト及び加工性等に優れたアルミニウムがより好ましく用
いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状
のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0083】導電性支持体の粗面化状態は、十点平均表
面粗さRzで、0.3μmより大きく、2.5μmを超
えないものが好ましい。更に好ましくは0.6μm以上
2.0μm以下である。
【0084】十点平均表面粗さRzが0.3μm以下の
場合は、接着性が不十分であり、又、レーザー光源を露
光光源に用いた時、画像でモアレが発生し実用的でな
い。又、Rzが2.5μmより大きい場合は、加工のス
ジが画像に現れるという問題が発生する。
【0085】導電性支持体の粗面化の方法としては、ア
ルミニウム等の金属素管の場合は、金属表面を鏡面研磨
した後、ダイヤモンドバイト等で細かく溝を付ける方法
や、サンドブラストにより金属素管表面を粗面化する方
法などが好ましいが本発明はこれらの方法に限定される
ものではない。
【0086】又、支持体の形状はドラム状でもシート状
でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適し
た形状であることが好ましい。
【0087】感光体の製造に用いられる溶媒又は分散媒
としては、特に限定されないが、例えば、n−ブチルア
ミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジ
アミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロ
ヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,
2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキ
ソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノ
ール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジ
メチルスルホキシド、メチルセロソルブ等を挙げること
が出来る。これらの中では、ジクロロメタン、1,2−
ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用い
られる。又、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることも出来る。
【0088】感光体を製造するための塗布加工方法とし
ては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の
塗布加工法が用いられるが、感光層の表面を形成する層
側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、
均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規
制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗
布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗
布については例えば特開平3−90250号及び特開平
3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量
規制型塗布については例えば特開昭58−189061
号公報に詳細に記載されている。
【0089】感光体は全層が塗布形成された後、50℃
以上好ましくは、60〜200℃の温度で加熱乾燥する
ことが好ましい。この加熱乾燥により、残存塗布溶媒を
少なくすると共に、硬化する層を硬化させることが出来
る。
【0090】更に、導電性支持体と感光層の間に、バリ
ヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
【0091】中間層用の材料としては、例えば、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェ
ノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化
ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミ
ニウム、或いは特開平9−68870号公報の如く金属
アルコキシド、有機金属キレート化合物、シランカップ
リング剤による硬化型樹脂等を挙げることが出来る。中
間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜
5μmがより好ましい。
【0092】更に、導電性支持体と中間層との間に導電
性支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すことや、特
に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干渉縞の
発生を防止することなどを目的とした導電層を設けるこ
とが出来る。この導電層は、例えば、カーボンブラッ
ク、金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当
なバインダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成
することが出来る。導電層の膜厚は5〜40μmが好ま
しく、10〜30μmがより好ましい。
【0093】本発明の感光体は、複写機、レーザープリ
ンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンタ
ー等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更
には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印
刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るも
のである。
【0094】次に、画像形成方法、画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジについて詳細に説明する。
【0095】図2は、本発明の感光体を有する画像形成
装置の一例を示す断面図である。図2において50は像
担持体である感光体ドラム(感光体)で、接地されて時
計方向に駆動回転される。52は帯電手段としてのスコ
ロトロンの帯電器で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0096】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0097】その静電潜像は次いで現像器54で現像さ
れる。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとか
ら成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、
マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリ
ーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は
現像剤攪拌搬送部材543、544、搬送量規制部材5
42等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて
現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規
制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適
用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によ
っても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2
の範囲である。
【0098】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図1のように現像位置上部に設けて行う。
【0099】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0100】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写器)58
が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写され
る。
【0101】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離電極(分離器)59によって除
電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して定
着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラ
ー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排
紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前
記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後
感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー
像の形成に備える。
【0102】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0103】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0104】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0105】感光体は下記のごとくして作製した。 《感光体1》 〈導電性支持体1〉ドラム状アルミニウム製導電性支持
体(アルミニウムシリンダー)を洗浄して「導電性支持
体1」とした。 〈中間層1〉下記の材料を溶解して中間層用塗布液を調
製した。この塗布液を前記「導電性支持体1」上に浸漬
塗布法で塗布し、110℃で30分乾燥して膜厚1.0
μmの「中間層1」を形成した。
【0106】 チタンキレート化合物「TC−750」 30質量部 (松本製薬株式会社製) シランカップリング剤「KBM−503」 17質量部 (信越化学社株式会社製) 2−プロパノール 150質量部 〈電荷発生層1〉下記の材料を混合し、サンドミルで1
0時間分散、溶解して電荷発生層用塗布液を調製した。
この塗布液を前記「中間層1」上に浸漬塗布法で塗布
し、95℃で30分乾燥して膜厚0.5μmの「電荷発
生層1」を形成した。
【0107】 Y型チタニルフタロシアニン 60質量部 シリコーン樹脂溶液「KR5240:15%キシレン−ブタノール溶液」 (信越化学社株式会社製) 700質量部 メチルエチルケトン 2000質量部 〈電荷輸送層1〉下記の材料を溶解して電荷輸送層塗布
液を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層1」上に
浸漬塗布法で塗布し、95℃で30分乾燥して膜厚20
μmの「電荷輸送層1」を形成した。
【0108】 4−メトキシ−4′−(4メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 200質量部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂 「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学株式会社製) 300質量部 1,2−ジクロロエタン 2000質量部 〈保護層1〉下記の材料を溶解して保護層用塗布液を作
製した。
【0109】 4−メトキシ−4′−(4メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 300質量部 ポリアリレート樹脂(例示化合物P−1) 500質量部 酸化防止剤「サノールLS2626」(三共株式会社製) 17質量部 モノクロロベンゼン 10000質量部 ジクロロメタン 500質量部 この溶液を「電荷輸送層1」の上に円形量規制型塗布法
で塗布し、110℃、1時間の加熱乾燥を行い、膜厚1
μmの「保護層1」を形成し、「感光体1」を作製し
た。
【0110】《感光体2》「感光体1」の「保護層1」
で用いたポリアリレート樹脂(例示化合物P−1)をポ
リアリレート樹脂(例示化合物P−2)に代えた以外は
「感光体1」と同様にして「感光体2」を作製した。
【0111】《感光体3》「感光体1」の「保護層1」
で用いたポリアリレート樹脂(例示化合物P−1)をポ
リアリレート樹脂(例示化合物P−3)に代えた以外は
「感光体1」と同様にして「感光体3」を作製した。
【0112】《感光体4》「感光体1」の「保護層1」
で用いたポリアリレート樹脂(例示化合物P−1)をポ
リアリレート樹脂(例示化合物P−4)に代えた以外は
「感光体1」と同様にして「感光体4」を作製した。
【0113】《感光体5》「感光体1」の「保護層1」
で用いたポリアリレート樹脂(例示化合物P−1)をポ
リアリレート樹脂(例示化合物P−5)に代えた以外は
「感光体1」と同様にして「感光体5」を作製した。
【0114】《感光体6》 〈保護層6〉下記の材料を溶解、分散して保護層用塗布
液を作製した。
【0115】 4−メトキシ−4′−(4メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 250質量部 ポリアリレート樹脂(例示化合物P−1) 500質量部 四フッ化エチレン樹脂(質量平均粒径0.5μm) 200質量部 モノクロロベンゼン 10000質量部 ジクロロメタン 500質量部 この溶液を「電荷輸送層1」の上に円形量規制型塗布法
で塗布し、110℃、1時間の加熱乾燥を行い、膜厚1
μmの「保護層6」を形成し、「感光体6」を作製し
た。
【0116】《感光体7》 〈導電性支持体7〉ドラム状アルミニウム製導電性支持
体(アルミニウムシリンダー)を洗浄して「導電性支持
体7」とした。 〈中間層7〉下記の材料を溶解して中間層用塗布液を調
製した。この塗布液を前記「導電性支持体7」上に浸漬
塗布法で塗布し、乾燥して膜厚1.0μmの「中間層
7」を形成した。
【0117】 チタンキレート化合物「TC−750」(松本製薬株式会社製) 30質量部 シランカップリング剤「KBM−503」 17質量部 (信越化学社株式会社製) 2−プロパノール 150質量部 〈電荷発生層7〉下記の材料を混合し、サンドミルで1
0時間分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この塗
布液を前記「中間層7」上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥
して膜厚0.5μmの「電荷発生層7」を形成した。
【0118】 Y型チタニルフタロシアニン 60質量部 シリコーン樹脂溶液「KR5240:15%キシレン−ブタノール溶液」 (信越化学社株式会社製) 700質量部 メチルエチルケトン 2000質量部 〈電荷輸送層7〉下記の材料を溶解して電荷輸送層塗布
液を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層7」上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥して膜厚20μmの「電荷輸
送層7」を形成し、「感光体7」を作製した。
【0119】 4−メトキシ−4′−(4メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 375質量部 ポリアリレート樹脂(例示化合物P−1) 500質量部 酸化防止剤「イルガノックス1010」 18質量部 (チバガイギー株式会社製) モノクロロベンゼン 10000質量部 ジクロロメタン 500質量部 《感光体8》「感光体1」の「保護層1」で用いたポリ
アリレート樹脂(例示化合物P−1)をポリアリレート
樹脂(比較化合物P−10)に代えた以外は「感光体
1」と同様にして「感光体8」を作製した。
【0120】
【化16】
【0121】〈評価〉感光体の膜厚減耗量の評価は、実
写前と実写終了後の各感光体の膜厚を5点測定し、その
平均膜厚を求め、実写前と後の平均膜厚の差を膜厚減耗
量とした。
【0122】実写の評価は、実施例で作製した「感光体
1〜8」を複写機「Konica7050」(コニカ株
式会社製)に順次搭載し、初期帯電電位を−650Vに
設定し、露光量を適正化して、高温高湿(30℃、80
%RH)の条件下で10万枚の実写コピーを行った。
【0123】感光体とクリーニングブレードの摩擦係数
の評価は、下記の測定方法で実写コピーの初期(1枚目
コピー後)と10万枚コピー後を測定して行った。
【0124】実写画像の評価は、10万枚実写コピー後
の画像濃度、カブリ、画像むらについて目視にて評価を
行った。又、クリーニングブレードめくれの評価は、1
0万枚実写コピー中にクリーニングブレードめくれ発生
の有無で行った。
【0125】評価結果を表1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】評価結果から、本発明の「感光体1〜7」
は、常温常湿の条件下で、膜厚減耗量は非常に少なく、
又、高温高湿の条件下で、10万枚実写コピーを行って
も摩擦係数が小さく、画像評価でも画像濃度、カブリ、
画像むらに問題が無く、且つクリーニングブレードめく
れも発生せず、繰り返し使用しても高画質で安定した画
像が得られることが判った。
【0128】一方、通常のポリアリレート樹脂を用いて
作製した比較例の「感光体8」は、膜厚減耗量が多く、
又、10万枚実写コピーを行った後では摩擦係数が高く
なり、画像むら及びクリーニングブレードのめくれが発
生し、問題が生じることが判った。
【0129】〈摩擦係数の測定方法〉摩擦係数の測定
は、表面性試験装置「HEIDON−14」(新東科学
株式会社製)を用い、下記の条件で複写機「Konic
a 7050」で用いられているクリーニングブレード
と感光体の摩擦係数を測定する。
【0130】 ブレード硬度:70° 反発弾性 :55% 自由長 :8mm 厚さ :2mm 当接角 :20° 線速 :10mm/sec 加重範囲 :5g/cm〜30g/cm 測定環境 :高温高湿(30℃、80%RH)
【0131】
【発明の効果】 本発明の電子写真感光体、該感光体を
用いる画像形成方法、該感光体を有する画像形成装置及
びプロセスカートリッジは、繰り返し使用しても高画質
で安定した画像が得られ、且つクリーニングブレードの
めくれが発生しにくい優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の層構成の一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の感光体を有する画像形成装置の一例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 中間層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 5 保護層 6 ポリアリレート樹脂 50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 57 給紙ローラー 58 転写電極(転写器) 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成する
    層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキル
    基を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴と
    する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記ポリアリレート樹脂が、芳香族ポリ
    アリレート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記鎖状のフッ化アルキル基が、8個以
    上の炭素原子を有することを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記鎖状のフッ化アルキル基が、ポリア
    リレート樹脂のモノマー単位中の側鎖、又はポリマーの
    末端の基であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記鎖状のフッ化アルキル基をモノマー
    単位の側鎖として有するポリアリレート樹脂のモノマー
    単位が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする
    請求項4に記載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1〜R6は各々水素原子、置換或いは無置換の
    アルキル基、置換或いは無置換のアリール基、置換或い
    は無置換の鎖状のフッ化アルキル基又はこれらの基を結
    合することにより形成される基を示し、R1及びR2の少
    なくとも一方は4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ
    化アルキル基を含む。Ar1は炭素数6〜12の芳香族
    炭化水素基である。)
  6. 【請求項6】 前記鎖状のフッ化アルキル基が、ポリア
    リレート樹脂のポリマーの末端の基であり、且つ下記一
    般式(2)で示されることを特徴とする請求項4に記載
    の電子写真感光体。 【化2】 (式中、Ar2は置換或いは無置換のアリーレン基を示
    し、Rは置換或いは無置換のアルキレン基、酸素原子、
    硫黄原子、−SO2−、>C=O、−C(=O)−O
    −、−NHCO−又はこれらの基を結合することにより
    形成される基を示し、Rfは4個以上の炭素原子を有す
    る鎖状のフッ化アルキル基を示し、mは0又は1を示
    す。)
  7. 【請求項7】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成する
    層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキル
    基を有するポリアリレート樹脂とフッ素原子含有化合物
    とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、該電子写真感光体の表面を形成する
    層が4個以上の炭素原子を有する鎖状のフッ化アルキル
    基を有するポリアリレート樹脂と酸化防止剤とを含有す
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記表面を形成する層が感光層であるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記表面を形成する層が保護層である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 電子写真感光体上に、少なくとも帯
    電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
    子写真画像形成方法において、該電子写真感光体に請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用
    いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  12. 【請求項12】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングの各手段を有する電子写真
    画像形成装置において、該電子写真感光体に請求項1〜
    10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を有するこ
    とを特徴とする電子写真画像形成装置。
  13. 【請求項13】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングの各手段を有する電子写真
    画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおい
    て、請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光体と帯
    電器、像露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1
    つとを一体に有しており、且つ該電子写真画像形成装置
    に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロ
    セスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8367757B2 (en) 2008-01-17 2013-02-05 National Institute Of Advanced Industrial Science Technology Polymer composite material, optical material including the same, and thermoplastic aromatic polymer

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