JP2000310869A - 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Info

Publication number
JP2000310869A
JP2000310869A JP11969899A JP11969899A JP2000310869A JP 2000310869 A JP2000310869 A JP 2000310869A JP 11969899 A JP11969899 A JP 11969899A JP 11969899 A JP11969899 A JP 11969899A JP 2000310869 A JP2000310869 A JP 2000310869A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic
photosensitive member
group
layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11969899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3870606B2 (ja
Inventor
Akihiko Itami
明彦 伊丹
友男 ▲崎▼村
Tomoo Sakimura
Takeo Oshiba
武雄 大柴
Yoko Kitahara
洋子 北原
Masahiko Kurachi
雅彦 倉地
Kazuhisa Shida
和久 志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP11969899A priority Critical patent/JP3870606B2/ja
Publication of JP2000310869A publication Critical patent/JP2000310869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3870606B2 publication Critical patent/JP3870606B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、長期にわたり高画質で安定
した電子写真画像が得られる電子写真感光体、電子写真
感画像形成方法、電子写真感画像形成装置、及び該装置
に用いられプロセスカートリッジの提供にある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
る電子写真感光体に於いて、前記電子写真感光体の樹脂
層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオイ
ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】電子写真感光体(以下、単に
感光体とも云う)と、該感光体を用いた電子写真画像形
成方法、電子写真画像形成装置及び該装置に用いられる
プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電性物
質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有
機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応し
た材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択で
きること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対し
て有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、
多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発
生がある事である。
【0003】前記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々の事が検討されてきた。
【0004】例えば、機械的耐久性に関しては、有機感
光体の表面にビスフェノールZ型ポリカーボネートをバ
インダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の
摩耗特性、トナーフルミング特性が改善される事が報
告されている。又、特開平6−118681号公報では
感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化
性シリコン樹脂を用いることが報告されている。
【0005】しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ートバインダーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が
不足しており、十分な耐久性を有していない。一方、コ
ロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂の表面層では耐
摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特
性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、
やはりこれも耐久性が不十分である。
【0006】更に、上記欠点を改善する方法として、本
研究者等は電荷輸送性能付与基を有し、且つ架橋構造を
有するシロキサン系硬化樹脂層を感光体の表面層として
提案してきた(特願平11−70308号)。この表面
層を有する感光体は耐摩耗特性、及び耐環境特性(温度
や湿度に対する静電荷発生特性の変化)は改善される
が、しかしながら電荷輸送能を有する構造単位を組み込
んだ結果、特に高温高湿(以後HHとも云う)環境にお
いては従来のOPCとは異なりクリーニング時の感光体
とクリーニングブレードのトルクが上昇し、ブレードめ
くれ(反転)が発生しやすいことが判った。
【0007】又、従来より、塗膜の平滑性を得るために
はシリコンオイルなどの潤滑剤をレベリング剤として添
加する技術が広く知られている。その結果、感光体とク
リーニングブレードとの摩擦抵抗が下がることは、従来
より良く知られたことであるが、レベリング剤としての
シリコンオイルでは表層にシリコンオイルが配向し、効
果が一時的なものであり十分に満足するものではなかっ
た。又、十分な効果を得るため多量のシリコンオイルを
レベリング剤として塗布液に加えると、かえって塗布性
を悪くしたり、感光体表面へのシリコンオイルの配向量
が過剰になり、仕上がり画像に汚れが発生しやすくなっ
たり、転写紙がべたついたりする事があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
にわたり高画質で安定した電子写真画像が得られる電子
写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成
装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジの提
供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
解決のため鋭意努力した結果、電荷輸送性能を有する構
造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
は反応性シリコンオイル或いシラノールシリコンオイル
との溶解性に優れ、その結果これらシリコンオイルを添
加した樹脂層はクリーニングブレードとの摩擦抵抗を大
幅に低減することが可能となった。更に長期の使用にお
いても表面の潤滑性を維持し、多数枚の電子写真画像形
成に於いても良好なクリーニング性が得られることを見
いだした。即ち、本発明の目的は下記の構成のいずれか
をとることにより達成される。
【0010】1.導電性支持体上に感光層、樹脂層を有
する電子写真感光体に於いて、前記電子写真感光体の樹
脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋
構造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオ
イルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0011】2.導電性支持体上に感光層、樹脂層を有
する電子写真感光体に於いて、前記電子写真感光体の樹
脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋
構造を有するシロキサン系樹脂、及びシラノールシリコ
ンオイルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0012】3.前記反応性シリコンオイルがアミノ変
性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カル
ボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシ
ロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト
変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサンか
ら選ばれる少なくとも1つのポリシロキサンであること
を特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
【0013】4.導電性支持体上に感光層、樹脂層を有
する電子写真感光体に於いて、該電子写真感光体の樹脂
層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
造を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、該シ
ロキサン系樹脂が少なくとも下記(A)、(B)、
(C)及び(D)の4成分を反応させて得られることを
特徴とする電子写真感光体。
【0014】(A)成分:下記一般式(1)又は(2)
で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはそ
の加水分解縮合物 (B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有
機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
合物 (C)成分:反応性シリコンオイル (D)成分:前記(A)又は(B)成分のいずれか1つ
と反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、且つ、Zは水酸基又は
加水分解性基を表す。) 5.導電性支持体上に感光層、樹脂層を有する電子写真
感光体に於いて、該電子写真感光体の樹脂層が電荷輸送
性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシ
ロキサン系樹脂を含有する層であり、該シロキサン系樹
脂が少なくとも下記(A)、(B)、(C)及び(D)
の4成分を反応させて得られることを特徴とする電子写
真感光体。
【0017】(A)成分:下記一般式(1)又は(2)
で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはそ
の加水分解縮合物 (B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有
機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
合物 (C)成分:シラノールシリコンオイル (D)成分:前記(A)又は(B)成分のいずれか1つ
と反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、且つ、Zは水酸基又は
加水分解性基を表す。) 6.前記電荷輸送性化合物が−OH、−NHR7及び−
SHの反応性基を有することを特徴とする前記4又は5
記載の電子写真感光体。
【0020】(R7はH又は1価の有機基を表す。) 7.前記電子写真感光体が酸化防止剤を含有することを
特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真
感光体。
【0021】8.上記酸化防止剤がヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン部分構造を持つ化合物であること
を特徴とする前記8記載の電子写真感光体。
【0022】9.電子写真感光体上に、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
子写真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に前記
1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いる
ことを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0023】10.電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写
真画像形成装置に於いて、該電子写真感光体に前記1〜
8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いること
を特徴とする電子写真画像形成装置。
【0024】11.電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写
真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが前
記1〜8のいずれか1項に記載の感光体と帯電器、像露
光器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとを一体
に有しており、且つ該電子写真画像形成装置に出し入れ
自由に設計されていることを特徴とするプロセスカート
リッジ。
【0025】以下本発明を詳細に説明する。
【0026】〈反応性シリコンオイル〉反応性シリコン
オイルとは分子内に反応性をもつ有機基を含むシリコン
オイルを示し、その多くは反応性基を有するポリシロキ
サンである。ポリシロキサンは二官能基のアルコキシシ
ランの縮合反応により得られるが、ここで云う反応性基
はポリシロキサン主鎖形成に関与する二官能基のアルコ
キシシランや二官能基のシラノールとは異なり、下記一
般式に示すようにシリコンオイルの側鎖或いは末端に位
置する反応性基である。具体的には次のような構造で表
される。
【0027】
【化5】
【0028】(式中、R21〜R30はそれぞれ異なっても
良く、炭素数1〜10の置換若しくは未置換のアルキル
基、又は置換若しくは未置換のアリール基、又は反応性
基を表す。m、nは0〜200の整数を表す。但しR21
〜R30の少なくとも1つは反応性基を有する。) 前記反応性基としては樹脂層塗布液中、或いは塗膜形成
時、或いは熱処理時に化学反応によりシロキサン系樹脂
中の一部となる反応性基であれば特に限定されないが、
一般的にはアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カ
ルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノー
ル基等を含む有機残基が挙げられる。
【0029】更に、具体的には以下のような一般式の反
応性基が好ましい。
【0030】(1)アミノ変性:−R31−NH2,−R
31−NH−R32−NH2 (2)エポキシ変性:−R31−CH−CH2 (3)カルボキシ変性:−R31−COOH (4)カルビノール変性:−R31−OH (5)メタクリル変性:−R31−C(CH3)=CH2 (6)メルカプト変性:−R31−SH (7)フェノール変性:−R31−C64−OH (上記一般式中−R31−、−R32−はアルキレン基を表
す。) 〈シラノールシリコンオイル〉シラノールシリコンオイ
ルとはシラノールを含有するポリシロキサンを云う。
【0031】
【化6】
【0032】(式中、R41〜R48はそれぞれ異なっても
良く、炭素数1〜10の置換若しくは未置換のアルキル
基又は置換若しくは未置換のアリール基を表す。) 前記反応性シリコンオイル及びシラノールシリコンオイ
ルは次に述べる電荷輸送性能を有する構造単位を有し、
且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と反応し、該シ
ロキサン系樹脂中に組み込まれるものと推察され、その
結果これらシリコンオイルを添加した前記シロキサン系
樹脂の樹脂層はクリーニングブレードとの摩擦抵抗を大
幅に低減することが可能とり、更に長期の使用において
も表面の潤滑性を維持し、多数枚の複写後でも良好なク
リーニング性が得られる。
【0033】本発明で樹脂層が含有するとは上記の様に
反応性シリコンオイル又はシラノールシリコンオイルが
シロキサン系樹脂と反応しシロキサン系樹脂中に組み込
まれた状態が好ましいが、未反応の反応性シリコンオイ
ル及びシラノールシリコンオイルが本発明の電荷輸送性
能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロ
キサン系樹脂と相溶した状態でも良い。
【0034】特に、前記シラノールシリコンオイルは以
下の電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
造を有するシロキサン系樹脂との反応性に優れており、
良好な効果が得られやすい。
【0035】樹脂層中の前記反応性シリコンオイル又は
シラノールシリコンオイルの含有量は前記電荷輸送性能
を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂に対して0.001〜20重量%が好まし
い。0.001重量%未満だと前記摩擦抵抗の低減効果
が小さく、20重量%より大きいと膜強度が低下する。
【0036】次に電荷輸送性能を有する構造単位を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂について詳
細に記す。
【0037】本発明において、電荷輸送性能を有する構
造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
中のシロキサン系樹脂は公知の方法により、水酸基或い
は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造
される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(1)〜
(4)の化学式で示される。
【0038】
【化7】
【0039】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Zは水酸基又は加水分
解性基を表す。) 上記一般式中のZが加水分解性基の場合は、加水分解性
基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオ
キシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノ
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ
基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナ
フチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシ
プロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ
−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル
基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3ージヒドロキシプ
ロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニ
ル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メル
カプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロ
プロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフ
ルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハ
ロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙
げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が
同一でも良く、異なっていてもよい。
【0040】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂の
原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般に
はケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1の
とき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。
nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやす
く、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが
可能である。従って、これらをコントロールすることに
より得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御
することが出来る。
【0041】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0042】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を意味する。
【0043】又、前記シロキサン系樹脂は該樹脂中に水
酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含
ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂
としてもよい。
【0044】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電子或いは正孔のドリフト移動特性を有する化学構造
(=電荷輸送性能を有する構造単位、又は電荷輸送性能
付与基とも云う)をシロキサン系樹脂中に化学構造とし
て組み込ませた樹脂である。具体的には本発明の電荷輸
送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有する
シロキサン系樹脂とは一般的に電荷輸送物質として用い
られる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云
う)をシロキサン系樹脂中に化学構造として有してい
る。
【0045】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
(=電荷輸送性能付与基)とは電子或いは正孔のドリフ
ト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−O
f−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公
知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる
構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現する
こともできる。
【0046】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により電荷輸送性能付与基を形成することの
できる電荷輸送性化合物について説明する。
【0047】例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジ
ン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、
スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチア
ゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0048】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0049】本発明において、好ましい電荷輸送性能付
与基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の
残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又
は珪素原子を介して下記式中のYで示される連結原子又
は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含
有される。
【0050】
【化8】
【0051】(式中、Xは電荷輸送性能付与基であっ
て、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を介して
式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(Siと
C)を除いた2価以上の原子又は基である。) 但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外
のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれ
かの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と
連結した構造(基)を有する。
【0052】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0053】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。) 電荷輸送性能付与基Xは上式中では1価の基として示さ
れているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性
化合物(以後反応性電荷輸送性化合物とも云う)が2つ
以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で
2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単に
ペンダント基として接合していてもよい。
【0054】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト
基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機
珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹
脂中に電荷輸送性能付与基を部分構造として取り込む連
結基である。
【0055】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0056】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよ
い。
【0057】X−(R7−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0058】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する
炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、
アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく
用いられる。
【0059】1.トリアリールアミン系化合物
【0060】
【化9】
【0061】2.ヒドラジン系化合物
【0062】
【化10】
【0063】3.スチルベン系化合物
【0064】
【化11】
【0065】4.ベンジジン系化合物
【0066】
【化12】
【0067】5.ブタジエン系化合物
【0068】
【化13】
【0069】6.その他の化合物
【0070】
【化14】
【0071】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。
【0072】例示化合物T−1の合成
【0073】
【化15】
【0074】ステップA 温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっく
り冷却した。
【0075】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。
【0076】ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。
【0077】例示化合物S−1の合成
【0078】
【化16】
【0079】ステップA 温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、C
uを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、
化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温し
て20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により
化合物(3)7gを得た。
【0080】ステップB 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気に
し、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化
ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、D
MF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温し
て16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却
した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが
7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後
に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0081】ステップC アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100ml
コルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投
入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)
2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間
攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出
し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、
濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44g
を得た。
【0082】ステップD 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、ア
ルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサ
ン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温し
た。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml
溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌し
た。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド
8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。
その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル2
00mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。
洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムに
て乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを
得た。
【0083】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。
【0084】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物と
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカ
プト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬
化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成するこ
とが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙
げることができるが、下記構造に限定されるものではな
く、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している
化合物であればよい。
【0085】X−(R8−SH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0086】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0087】
【化17】
【0088】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。
【0089】アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であれば
よい。
【0090】X−(R9−NR10H)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0091】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0092】
【化18】
【0093】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0094】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。
【0095】ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合
物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化
合物は化合物中の珪素原子を介してシロキサン系樹脂中
に部分構造として含有される。
【0096】 X−(−Y−Si(R113-a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R11は水素原
子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示
し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Yは置換若
しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。a
は1〜3の整数を示し、nは整数を示す。) 前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂の形成原料:前
記一般式(1)から(4)(以下(1)〜(4)とい
う)組成比としては、有機珪素化合物(A)成分:
〔(1)+(2)〕1モルに対し、(B)成分:
〔(3)+(4)〕0.05〜1モルを用いることが好
ましい。
【0097】また反応性シリコンオイル又はシラノール
シリコンオイル:(C)成分の添加量は(A)+(B)
+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(C)を
0.001〜30重量部を用いることが好ましい。
【0098】また前記有機ケイ素化合物と反応して樹脂
層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物
(D)添加量は、前記(A)+(B)+(C)+(D)
成分の総重量100部に対し(D)を1〜500重量部
を用いることが好ましい。(A)成分が前記の範囲より
少ない場合はシロキサン系樹脂層は架橋密度が小さすぎ
硬度が不足する。又、(A)成分が多すぎると架橋密度
が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(C)
成分のシリコンオイル成分も多すぎると樹脂層の膜強度
が不十分となり、少なすぎるとクリーニングブレードと
の摩擦係数が低下しない。一方、(D)成分が少ない場
合はシロキサン系樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の
低下、残電の上昇を生じ、(D)成分が多い場合はシロ
キサン系樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0099】更に、上記樹脂層にはコロイダルシリカ:
(G)成分をシロキサン系樹脂の生成時に添加しても良
い。コロイダルシリカも又その表面に存在する水酸基が
シロキサン系樹脂と反応し、樹脂層の膜強度を強化す
る。前記コロイダルシリカ:(G)成分の添加量は樹脂
層全体の0.01〜15重量%が好ましい。
【0100】本発明に於ける電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は
予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリ
ゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結
合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加
水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を
促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網
目構造を形成する事もできる。
【0101】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有
する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成する
ことができる。
【0102】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0103】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0104】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基
がアルコキシに変成されていても良い。) 又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造式で示される
有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0105】
【化19】
【0106】(式中のR51は水素原子又は1価の有機
基,R52、R53、R54、R55はアルキル基,R56は水素
原子、水酸基又は1価の有機基を示す。) ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤として
は、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)
記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定される
ものではない。
【0107】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0108】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、
「サノールLS2626」、「サノールLS765」
「サノールLS2626」、「サノールLS770」、
「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌ
ビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA
67」、「マークLA62」、「マークLA68」、
「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、「スミラ
イザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエ
ーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−
8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−3
6」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上
ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ま
しい。酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物の総重
量100部に対し、0.1〜10重量部を用いることが
好ましい。
【0109】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発
生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層
が複数の層から構成されていてもよい。
【0110】本発明に於ける感光層に含有される電荷発
生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。
【0111】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0112】単層構成の感光層及び積層構成の場合の電
荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有され
るバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、
エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール
樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙
げられる。
【0113】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:10〜1
0:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下
が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0114】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は重量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0115】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0116】本発明のシロキサン系樹脂層は、樹脂層が
電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、
好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層
型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別
層の樹脂層として設けるのがよい。この場合、前記感光
層と本発明の樹脂層の間に接着層を設けても良い。
【0117】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0118】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0119】本発明に用いられる導電性支持体の粗面化
状態は、十点平均表面粗さRzで、0.3μmより大き
く、2.5μmを超えないものが好ましい。更に好まし
くは0.6μm以上2.0μm以下である。
【0120】十点平均表面粗さRzが0.3μm以下の
場合は、接着性が不十分であり、またレーザー光源を露
光光源に用いた時、画像でモアレが発生し実用的でな
い。またRzが2.5μmより大きい場合は、加工のス
ジが画像に現れるという問題が発生する。
【0121】導電性支持体の粗面化の方法としては、ア
ルミニウム等の金属素管の場合は、金属表面を鏡面研磨
した後、ダイヤモンドバイト等で細かく溝を付ける方法
や、サンドブラストにより金属素管表面を粗面化する方
法などが好ましいが本発明はこれらの方法に限定される
ものではない。
【0122】また、支持体の形状はドラム状でもシート
状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適
した形状であることが好ましい。
【0123】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0124】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の樹脂層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、
前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−1
89061号公報に詳細に記載されている。
【0125】本発明の感光体は前記樹脂層が塗布形成さ
れた後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度
で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹脂層を十分に
硬化させることができる。
【0126】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ま
しい。
【0127】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0128】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0129】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0130】図1は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0131】図1に於いて10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0132】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0133】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14
が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内
蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によ
って行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとし
てそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0134】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0135】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0136】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0137】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0138】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0139】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0140】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0141】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0142】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0143】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0144】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0145】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本実施
例中の部とは重量部を表す。
【0146】実施例1〜15 下記のごとくして感光体を作製した。
【0147】直径80mmのドラム状アルミニウム製導
電性基体(アルミニウムシリンダ−)上に下記の下引き
層塗布液を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗
布した。
【0148】 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30部 シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17部 2−プロパノール 150部 この下引き層上に、下記感光層塗布液を分散調液し、膜
厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0149】 〈電荷発生層〉 チタニルフタロシアニン 60部 シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700部 2−ブタノン 2000部 を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。
【0150】 〈電荷輸送層〉 4−メトキシ−4′−(4メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 200部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート (ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300部 1,2−ジクロロエタン 2000部 を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜
厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0151】〈樹脂層〉次に樹脂層塗布液として、メチ
ルトリメトキシシラン20部、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン33部、ジメチルジメトキシシラ
ン10部、コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形
分30重量%)8部に5%酢酸水溶液40部とイソプロ
パノール800部を加え、65〜70℃にて5時間加水
分解反応させた。その後、硬化触媒としてテトラメチル
アンモニウムアセテート0.4部を加えて溶解し樹脂層
用組成物を形製した。
【0152】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)6部及びヒンダードアミン系
酸化防止剤(LS−2626:三共社製)0.3部及び
表1の反応性シリコンオイル又はシラノールシリコノイ
ル1部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの樹
脂層として塗布して、110℃、2時間の加熱硬化を行
い、実施例1〜15の本発明の樹脂層を有する感光体を
作製した。
【0153】実施例16 実施例4において樹脂層中のジヒドロキジメチルトリフ
ェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチ
ル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様にして
本発明の樹脂層を有する感光体を作製した。
【0154】実施例17 実施例4において酸化防止剤を用いない他は全く同様に
して本発明の樹脂層を有する感光体を作製した。
【0155】実施例18 実施例4においてシリコンオイルの量を10重量部とし
た他は全く同様にして感光体を作製した。
【0156】比較例1 実施例1においてシリコンオイル(メチルフェニルシリ
コンオイル:KF−54:信越化学社製)を用いた以外
は全く同様にして感光体を作製した。
【0157】比較例2 実施例1においてシリコンオイルの代わりにフッ素オイ
ルを用いた以外は全く同様にして感光体を作製した。
【0158】〈評価〉評価は本感光体をコニカ社製デジ
タル複写機Konica7050を改造し、露光量を適
正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−650Vに
設定し、1万枚コピーの実写評価を行った。評価は30
℃、80%RHの条件下で初期(1枚目コピー後)と1
万枚コピー後の感光体とクリーニングブレードの摩擦係
数を下記の方法で測定し、同時に1万枚のコピー実写テ
ストの推移観察と1万枚コピー後の画像の濃度、カブ
リ、ムラについて目視評価を行った。また、1万枚コピ
ー実写テストの中でブレードめくれ発生の有無を評価し
た。結果を表1に示す。
【0159】摩擦係数の測定方法 摩擦係数の測定は表面性試験装置「HEIDON−1
4」を用いて通常のクリーニングブレードを装着し、以
下の条件にて測定した。
【0160】ブレード硬度:70° 反発弾性:55% 自由長:8mm 厚さ:2mm 当接角:20° 線速:10mm/sec 加重範囲:5g/cm〜30g/cm
【0161】
【表1】
【0162】
【発明の効果】実施例から明らかなように、本発明は高
温高湿の条件下でも1万コピーの耐久試験に於いても良
好な摩擦係数低減効果を示しており、効果的にクリーニ
ング性を向上させることができる。一方、通常のシリコ
ンオイルやフッ素オイルでは次第に摩擦力低減効果が失
われ、長期の使用では効果を持続できないことがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置
の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニン
グ器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 洋子 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 倉地 雅彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 (72)発明者 志田 和久 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA16 BA11 BA12 BA58 BB33 BB34 BB44 BB57 FA01 FA03 FA27 FC15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
    る電子写真感光体に於いて、前記電子写真感光体の樹脂
    層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
    造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオイ
    ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
    る電子写真感光体に於いて、前記電子写真感光体の樹脂
    層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
    造を有するシロキサン系樹脂、及びシラノールシリコン
    オイルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記反応性シリコンオイルがアミノ変性
    ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボ
    キシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロ
    キサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変
    性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサンから
    選ばれる少なくとも1つのポリシロキサンであることを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
    る電子写真感光体に於いて、該電子写真感光体の樹脂層
    が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造
    を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、該シロ
    キサン系樹脂が少なくとも下記(A)、(B)、(C)
    及び(D)の4成分を反応させて得られることを特徴と
    する電子写真感光体。 (A)成分:下記一般式(1)又は(2)で表される有
    機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
    合物 (B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有
    機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
    合物 (C)成分:反応性シリコンオイル (D)成分:前記(A)又は(B)成分のいずれか1つ
    と反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物 【化1】 (式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した
    形の有機基を表し、且つ、Zは水酸基又は加水分解性基
    を表す。)
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
    る電子写真感光体に於いて、該電子写真感光体の樹脂層
    が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造
    を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、該シロ
    キサン系樹脂が少なくとも下記(A)、(B)、(C)
    及び(D)の4成分を反応させて得られることを特徴と
    する電子写真感光体。 (A)成分:下記一般式(1)又は(2)で表される有
    機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
    合物 (B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有
    機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮
    合物 (C)成分:シラノールシリコンオイル (D)成分:前記(A)又は(B)成分のいずれか1つ
    と反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物 【化2】 (式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した
    形の有機基を表し、且つ、Zは水酸基又は加水分解性基
    を表す。)
  6. 【請求項6】 前記電荷輸送性化合物が−OH、−NH
    7及び−SHの反応性基を有することを特徴とする請
    求項4又は5記載の電子写真感光体。(R7はH又は1
    価の有機基を表す。)
  7. 【請求項7】 前記電子写真感光体が酸化防止剤を含有
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 上記酸化防止剤がヒンダードフェノー
    ル、ヒンダードアミン部分構造を持つ化合物であること
    を特徴とする請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体上に、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電子写
    真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に請求項1
    〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いるこ
    とを特徴とする電子写真画像形成方法。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画
    像形成装置に於いて、該電子写真感光体に請求項1〜8
    のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを
    特徴とする電子写真画像形成装置。
  11. 【請求項11】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画
    像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の感光体と帯電器、像露光
    器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとを一体に
    有しており、且つ該電子写真画像形成装置に出し入れ自
    由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリ
    ッジ。
JP11969899A 1999-04-27 1999-04-27 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Expired - Fee Related JP3870606B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11969899A JP3870606B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11969899A JP3870606B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000310869A true JP2000310869A (ja) 2000-11-07
JP3870606B2 JP3870606B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=14767866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11969899A Expired - Fee Related JP3870606B2 (ja) 1999-04-27 1999-04-27 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3870606B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004020649A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びその製造方法
JP2008020912A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Xerox Corp シラノールを含む光導電体
JP2012093403A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004020649A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体及びその製造方法
JP2008020912A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Xerox Corp シラノールを含む光導電体
JP2012093403A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3870606B2 (ja) 2007-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6203962B1 (en) Electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and processing cartridge and electrophotographic photoreceptor used therein
JP2000171990A (ja) 電子写真感光体とその製造方法及び前記感光体を用いたプロセスカ―トリッジと画像形成装置
JP2000284514A (ja) 電子写真感光体と該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4427867B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP2001034001A (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4058879B2 (ja) 電子写真感光体と、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3870606B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4026297B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体
JP4356228B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001013707A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001100441A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4169435B2 (ja) 有機感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4360008B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP3785851B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4148433B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2000284515A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2000305291A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2001100447A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4306684B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001013705A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001142242A (ja) 電子写真感光体とその製造方法、該感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001022106A (ja) 電子写真感光体用塗布液、電子写真感光体、その製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001125287A (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2003215830A (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001125296A (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050822

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060425

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20060613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061009

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees