JP2003215830A - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP2003215830A
JP2003215830A JP2002011521A JP2002011521A JP2003215830A JP 2003215830 A JP2003215830 A JP 2003215830A JP 2002011521 A JP2002011521 A JP 2002011521A JP 2002011521 A JP2002011521 A JP 2002011521A JP 2003215830 A JP2003215830 A JP 2003215830A
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友子 ▲崎▼村
Tomoko Sakimura
Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、長期にわたり高画質で安定
した電子写真画像が得られる電子写真感光体、画像形成
方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジの提供
にある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が架橋
構造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオ
イルとシランカップリング剤とを反応して得られる変性
シリコンオイルを含有することを特徴とする電子写真感
光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】電子写真感光体(以下、単に
感光体とも云う)と、該感光体を用いた画像形成方法、
画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電物質
を含有する電子写真感光体が最も広く用いられている。
有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応
した材料を開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選
択できること、製造コストが安いことなどが他の感光体
に対して有利な点であるが、機械的強度が弱く、多数枚
の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷が発生する
ことが欠点である。
【0003】有機感光体の耐久性を向上するための課題
としてクリーニングブレード等の擦過による摩耗を抑制
することが強く求められてきた。そのためのアプローチ
として、感光体の表面に高強度の保護層を設置するなど
の技術が検討されてきた。これまで本研究者等は、機械
的な耐摩耗性と繰り返し使用時の電子写真特性を同時に
満足する電子写真感光体の保護層として、電荷輸送性能
付与基を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
層を感光体の保護層として提案してきた(特願平11−
70308号)。この保護層を有する感光体は従来の重
要な課題であった耐摩擦特性、及び繰り返し使用時の電
子写真特性(帯電、感度、残留電位特性等)が改善さ
れ、高耐久の有機電子写真感光体として十分に実用性を
有している。
【0004】しかし近年、高画質化のため現像剤トナー
の小粒径化(5μm以下)、文字画像だけでなく絵、写
真など画像濃淡の領域が広い原稿を忠実に再現する必要
の高まりから、トナーの転写性に優れた感光体表面が要
求されている。また同じく高画質かつ高耐久な電子写真
プロセスの必要性からトナー成分、紙粉などの画像異常
につながるフィルミングを低減し、長期の使用期間でも
清浄な表面を保つ感光体表面が要求されている。
【0005】さらに上記シロキサン保護層は、シロキサ
ン系樹脂特有の高次に架橋された樹脂が生成するために
弾性的挙動の強い膜となり、ブレードクリーニングを用
いたクリーニング装置を用いると、感光体とクリーニン
グブレード間のトルクが上昇し、トナーのクリーニング
性能やクリーニングブレードの捲れに対する安定性が低
下するといった問題が明らかとなっている。
【0006】これに対し、上記シロキサン樹脂層に反応
性シリコンオイルを添加することにより感光体とクリー
ニングブレードとの摩擦抵抗を下げることが提案されて
いる(特開2000−310869号)。しかし、より
長期の使用においてもクリーニングの安定性に優れ、更
に感光体の表面エネルギーが低くトナーの転写性に優れ
た表面を維持することが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長期
にわたり高画質で安定した電子写真画像が得られる電子
写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセ
スカートリッジの提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
解決のため鋭意努力した結果、架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂と特定の変性シリコンオイルを含有した層を
電子写真感光体の表面層に用いることにより、電子写真
感光体とクリーニングブレード等との摩擦抵抗を大幅に
低減することが可能となった。更に長期の使用において
も電子写真感光体の表面の潤滑性を維持し、多数枚の電
子写真画像形成に於いても良好なクリーニング性等が得
られることを見いだした。即ち、本発明の目的は下記の
構成のいずれかをとることにより達成される。
【0009】1.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が架
橋構造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコン
オイルとシランカップリング剤とを反応して得られる変
性シリコンオイルを含有することを特徴とする電子写真
感光体。
【0010】2.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が電
荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有
するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオイルとシ
ランカップリング剤とを反応して得られる変性シリコン
オイルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0011】3.導電性支持体上に感光層を有する電子
写真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が架
橋構造を有するシロキサン系樹脂、電荷輸送物質、及び
反応性シリコンオイルとシランカップリング剤とを反応
して得られる変性シリコンオイルを含有することを特徴
とする電子写真感光体。
【0012】4.前記反応性シリコンオイルが、側鎖に
官能基を有する反応性シリコンオイルであることを特徴
とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光
体。
【0013】5.前記反応性シリコンオイルが、アミノ
基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル
基、ヒドロキシアリール基、メルカプト基、メタクリル
基、活性水素基から選ばれる少なくとも1つの官能基を
有することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記
載の電子写真感光体。
【0014】6.前記シランカップリング剤が、反応性
シリコンオイルの官能基と反応しうる官能基を有するこ
とを特徴とする前記4又は5に記載の電子写真感光体。
【0015】7.前記シランカップリング剤が、下記一
般式から選ばれる少なくとも1つの化合物であることを
特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真
感光体。
【0016】一般式 ASiR11m(OR12n (式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基
を表し、OR12は水溶液中で、加水分解されてシラノー
ルを生成する基を表し、Aは反応性シリコンオイルの官
能基と反応し得る官能基である。mは1又は2、nは1
〜3の整数を表す。) 8.前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体
を用いて、少なくとも帯電、像露光、現像、ブレードク
リーニングの各工程を経て画像形成することを特徴とす
る画像形成方法。
【0017】9.前記8に画像形成方法を用いたことを
特徴とする画像形成装置。 10.前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光
体を用い、帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器
のいずれか1つとが一体に組み合わさっており、画像形
成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とす
るプロセスカートリッジ。
【0018】本発明の電子写真感光体において用いられ
る変性シリコンオイルは、(A)反応性シリコンオイル
と(B)該反応性シリコンオイルの官能基と反応して化
学結合を形成する官能基を有するシランカップリング剤
とを反応させることによって得られる。
【0019】以下本発明を詳細に説明する。 〈変性シリコンオイル〉本発明の変性シリコンオイルと
は反応性シリコンオイルとシランカップリング剤とを反
応して得られる変性シリコンオイルである。
【0020】上記反応性シリコンオイルとは低重合度の
ポリシロキサン化合物で、且つ反応性の官能基を有して
いる化合物を云い、本発明では常温(20℃)で、液状
の化合物を云う。
【0021】反応性基としてはアミノ基、エポキシ基、
カルボキシル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシア
リール基、メルカプト基、メタクリル基、活性水素基等
が挙げられる。
【0022】即ち、以下のような官能基を反応性基とし
て有するシリコンオイルが好ましい。
【0023】
【化1】
【0024】(上記式中、−R31−、−R32−はアルキ
レン基を表す。) 具体的な反応性シリコンオイルの例としてはアミノ基含
有ポリシロキサン、エポキシ基含有ポリシロキサン、カ
ルボキシル基含有ポリシロキサン、ヒドロキシアルキル
基含有ポリシロキサン、ヒドロキシアリール基含有ポリ
シロキサン、メルカプト基含有ポリシロキサン、メタク
リル基含有ポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポ
リシロキサンが好ましい。
【0025】一方、シランカップリング剤とは上記反応
性シリコンオイルの官能基と反応しうるシラン化合物を
云い、一般に下記化学式で表される。
【0026】ASiR11m(OR12n 式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を
表し、OR12は水溶液中で、加水分解されてシラノール
を生成する基を表し、Aは反応性シリコンオイルの官能
基と反応し得る官能基である。mは1又は2、nは1〜
3の整数を表す。
【0027】上記反応性シリコンオイルの官能基と反応
し得る官能基としては、エポキシ基、アミノ基、イソシ
アネート基、メタクリル基、メルカプト基、ビニル基、
ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0028】上記シランカップリング剤の好ましい例と
してはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−
メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2
−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
クロロプロピルトリメトキシシラン等を挙げることがで
きる。
【0029】本発明の変性シリコンオイルは次に述べる
架橋構造を有するシロキサン系樹脂又は電荷輸送性能を
有する構造単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂と共に電子写真感光体の表面層を形成することに
より、該電子写真感光体のクリーニングブレードとの摩
擦抵抗を大幅に低減することが可能となり、更に長期の
使用においても表面の潤滑性を維持し、多数枚の複写後
でも良好なクリーニング性が得られる。
【0030】特に前記変性シリコンが側鎖に官能基を有
する反応性シリコンオイルとシランカップリング剤から
合成されたものは、前記架橋構造を有するシロキサン系
樹脂が形成する表面層中で均一に分布して存在させるこ
とができ、長期に亘って電子写真感光体の表面潤滑性を
維持することができる。
【0031】前記表面層中の前記変性シリコンオイルの
含有量は架橋構造を有するシロキサン系樹脂、又は電荷
輸送性能を有する構造単位を有し且つ架橋構造を有する
シロキサン系樹脂に対して0.001〜20質量%が好
ましい。0.001質量%未満だと前記摩擦抵抗の低減
効果が小さく、20質量%より大きいと膜強度が低下す
る。
【0032】次に架橋構造を有するシロキサン系樹脂に
ついて詳細に記す。本発明において、架橋構造を有する
シロキサン系樹脂は公知の方法により、水酸基或いは加
水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造され
る。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(1)〜(4)
の化学式で示される。
【0033】
【化2】
【0034】(一般式(1)〜(4)中、R1〜R6は式
中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Z
は水酸基又は加水分解性基を表す。) 上記一般式中のZが加水分解性基の場合は、加水分解性
基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオ
キシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノ
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ
基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナ
フチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシ
プロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ
−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル
基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプ
ロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニ
ル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メル
カプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロ
プロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフ
ルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハ
ロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙
げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が
同一でも良く、異なっていてもよい。
【0035】本発明の架橋構造を有するシロキサン系樹
脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一
般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが
1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制され
る。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりや
すく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めること
が可能である。従って、これらをコントロールすること
により得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制
御することが出来る。
【0036】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0037】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を意味する。
【0038】又、前記シロキサン系樹脂は該樹脂中に水
酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含
ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂
としてもよい。
【0039】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂とは
電子或いは正孔のドリフト移動特性を有する化学構造
(=電荷輸送性能を有する構造単位、又は電荷輸送性能
付与基とも云う)をシロキサン系樹脂中に化学構造とし
て組み込ませた樹脂である。具体的には本発明の電荷輸
送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有する
シロキサン系樹脂とは一般的に電荷輸送物質として用い
られる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云
う)をシロキサン系樹脂中に化学構造として有してい
る。
【0040】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
(=電荷輸送性能付与基)とは電子或いは正孔のドリフ
ト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−O
f−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公
知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる
構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現する
こともできる。
【0041】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により電荷輸送性能付与基を形成することの
できる電荷輸送性化合物について説明する。
【0042】例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジ
ン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、
スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチア
ゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0043】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0044】本発明において、好ましい電荷輸送性能付
与基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の
残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又
は珪素原子を介して下記式中のYで示される連結原子又
は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含
有される。
【0045】
【化3】
【0046】(式中、Xは電荷輸送性能付与基であっ
て、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を介して
式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(Siと
C)を除いた2価以上の原子又は基である。) 但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外
のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれ
かの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と
連結した構造(基)を有する。
【0047】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0048】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。) 電荷輸送性能付与基Xは上式中では1価の基として示さ
れているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性
化合物(以後反応性電荷輸送性化合物とも云う)が2つ
以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で
2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単に
ペンダント基として接合していてもよい。
【0049】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト
基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機
珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹
脂中に電荷輸送性能付与基を部分構造として取り込む連
結基である。
【0050】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0051】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、表面層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよ
い。
【0052】X−(R7−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0053】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する
炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、
アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく
用いられる。 1.トリアリールアミン系化合物
【0054】
【化4】
【0055】2.ヒドラジン系化合物
【0056】
【化5】
【0057】3.スチルベン系化合物
【0058】
【化6】
【0059】4.ベンジジン系化合物
【0060】
【化7】
【0061】5.ブタジエン系化合物
【0062】
【化8】
【0063】6.その他の化合物
【0064】
【化9】
【0065】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。メルカプト基を有する
電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送
物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。
即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、
表面層を形成することが出来る下記一般式で示される電
荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限
定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカ
プト基を有している化合物であればよい。
【0066】X−(R8−SH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0067】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0068】
【化10】
【0069】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。アミノ基を有する電荷輸送性化合物
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ
基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性
有機ケイ素化合物と結合して、表面層を形成することが
出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げる
ことができるが、下記構造に限定されるものではなく、
電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物で
あればよい。
【0070】X−(R9−NR10H)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0071】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0072】
【化11】
【0073】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0074】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。ケイ素原子含有基を有する
電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質
である。この化合物は化合物中の珪素原子を介してシロ
キサン系樹脂中に部分構造として含有される。
【0075】 X−(−Y−Si(R113-a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能付与基であり、R11は水素原
子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示
し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Yは置換若
しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。a
は1〜3の整数を示し、nは整数を示す。) 前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂の形成原料:前
記一般式(1)から(4)(以下(1)〜(4)とい
う)組成比としては、有機珪素化合物(A)成分:
〔(1)+(2)〕1モルに対し、(B)成分:
〔(3)+(4)〕0.05〜1モルを用いることが好
ましい。
【0076】また本発明の変性シリコンオイル:(C)
成分の添加量は(A)+(B)+(C)+(D)成分の
総質量100部に対し(C)を0.001〜30質量部
を用いることが好ましい。
【0077】また前記有機ケイ素化合物と反応して表面
層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物
(D)添加量は、前記(A)+(B)+(C)+(D)
成分の総質量100部に対し(D)を1〜500質量部
を用いることが好ましい。(A)成分が前記の範囲より
少ない場合、表面層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足す
る。又、(A)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬
度は十分だが、脆い表面層となる。(C)成分の変性シ
リコンオイル成分も多すぎると表面層の膜強度が不十分
となり、少なすぎるとクリーニングブレードとの摩擦係
数が低下しない。一方、(D)成分が少ない場合は表面
層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生
じ、(D)成分が多い場合は、表面層の膜強度が弱くな
る傾向がみられる。
【0078】又、上記反応性電荷輸送性化合物の代わり
に、反応性を有しない電荷輸送物質を用いて、架橋構造
を有するシロキサン系樹脂、電荷輸送物質、及び変性シ
リコンオイルを含有する表面層を形成してもよい。
【0079】更に、上記表面層にはコロイダルシリカ:
(G)成分をシロキサン系樹脂の生成時に添加しても良
い。コロイダルシリカも又その表面に存在する水酸基が
シロキサン系樹脂と反応し、表面層の膜強度を強化す
る。前記コロイダルシリカ:(G)成分の添加量は表面
層全体の0.01〜15質量%が好ましい。
【0080】本発明に於ける電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は
予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリ
ゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結
合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加
水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を
促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網
目構造を形成する事もできる。
【0081】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有
する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成する
ことができる。
【0082】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0083】また本発明中の表面層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0084】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基
がアルコキシに変成されていても良い。) 又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造式で示される
有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0085】
【化12】
【0086】(式中のR51は水素原子又は1価の有機
基,R52、R53、R54、R55はアルキル基,R56は水素
原子、水酸基又は1価の有機基を示す。) ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤として
は、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)
記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定される
ものではない。
【0087】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。以下に、ヒンダードフェノール、
ヒンダードアミン構造を有する代表的な酸化防止剤の化
合物例を挙げる。
【0088】
【化13】
【0089】
【化14】
【0090】
【化15】
【0091】
【化16】
【0092】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、
「サノールLS2626」、「サノールLS765」
「サノールLS2626」、「サノールLS770」、
「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌ
ビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA
67」、「マークLA62」、「マークLA68」、
「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、「スミラ
イザーTPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエ
ーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−
8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−3
6」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上
ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒンダ
ードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ま
しい。
【0093】酸化防止剤の添加量としては表面層組成物
の総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いる
ことが好ましい。
【0094】本発明の表面層を有する電子写真感光体と
しては、有機感光体が好ましい。有機感光体とは電子写
真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸
送機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構
成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生
物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷
発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体
等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0095】有機感光体の層構成は、特に限定はない
が、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸
送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)
等の感光層とその上に必要により、保護層を塗設した構
成をとるのが好ましい。
【0096】導電性支持体 本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシー
ト状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置
をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の
方が好ましい。
【0097】円筒状導電性支持体とは回転することによ
りエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持
体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm
以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円
度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難に
なる。
【0098】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗
103Ωcm以下が好ましい。
【0099】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0100】中間層 本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤ
ー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0101】本発明においては導電性支持体と前記感光
層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を
防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層
(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材
料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの
2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引
き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく
できる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、こ
れら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μm
が好ましい。
【0102】又本発明に好ましく用いられる中間層はシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金
属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層
が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚
は、0.1〜2μmが好ましい。
【0103】又、本発明に好ましく用いられる中間層と
しては疎水化表面処理を行った酸化チタン微粒子(平均
粒径が0.01〜1μm)をポリアミド樹脂等のバイン
ダーに分散させた中間層が挙げられる。該中間層の膜厚
は、1〜15μmが好ましい。
【0104】感光層 本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生
機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感
光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電
荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した
構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることに
より繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御で
き、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやす
い。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(C
GL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取るこ
とが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が
負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好まし
い感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体
構成である。
【0105】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。そ
の他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他
添加剤を含有しても良い。
【0106】電荷発生物質(CGM)としては公知の電
荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフ
タロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニ
ウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り
返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGM
は複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位
構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を
有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙
げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θ
が27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシア
ニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイ
ミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣
化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができ
る。
【0107】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用
いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマ
ール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコー
ン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の
膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0108】電荷輸送層 電荷輸送層が有機感光体の表面層となる場合は、電荷輸
送層に本発明の重合体を含有させることが好ましい。
【0109】電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
該バインダー樹脂として、本発明の重合体を用い、その
他の物質として、酸化防止剤等の添加剤を必要により含
有させてることが好ましい。
【0110】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0111】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0112】電荷輸送層が表面層とならない場合は、電
荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えば
ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビ
ニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これ
らの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合
体樹脂とうが挙げられる。又、ポリ−N−ビニルカルバ
ゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。特にポリカ
ーボネート樹脂が電子写真特性(帯電性、感度等)を良
好に保つ上で好ましい。
【0113】表面層(保護層) 前記した架橋構造を有するシロキサン系樹脂、及び反応
性シリコンオイルとシランカップリング剤とを反応して
得られる変性シリコンオイルを含有する表面層を保護層
として、上記電荷輸送層上に積層する層構成が本発明の
電子写真感光体として、最も好ましい。
【0114】中間層、感光層、保護層等の層形成に用い
られる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジ
エチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールア
ミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、
N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、
ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イ
ソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルス
ルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明
はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が
好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは
2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0115】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないた
め、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は
円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗
布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお本発明
の樹脂層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが
最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば
特開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0116】次に、本発明の画像形成装置について説明
する。図1は本発明の画像形成方法の1例としての画像
形成装置の断面図である。
【0117】図1に於いて50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様
な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器5
2による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴
をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部
51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよ
い。
【0118】感光体への一様帯電の後、像露光手段とし
ての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行
われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダ
イオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー5
31、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路
を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、
静電潜像が形成される。
【0119】ここで本発明の反転現像プロセスとは帯電
器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行
われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を
現像工程(手段)により、顕像化する画像形成方法であ
る。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加され
る現像バイアス電位により現像されない。
【0120】その静電潜像は次いで現像手段としての現
像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナ
ーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が
設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して
回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。
現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、
搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は
攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供
給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現
像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及
び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜2
00mg/cm2の範囲である。
【0121】現像剤は、例えば前述のフェライトをコア
としてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャ
リアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料として
カーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低
分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸
化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤
は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと
搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム
50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に
応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。ま
た、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態
で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547
を図1のように現像位置上部に設けて行う。
【0122】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0123】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写電極(転写手段:転
写器)58が作動し、給紙された記録紙Pにトナーと反
対極性の帯電を与えてトナーを転写する。
【0124】次いで記録紙Pは分離電極(分離器)59
によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面により
分離して定着装置60に搬送され、熱ローラー601と
圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着
したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出され
る。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙
Pの通過後、一次作動を中止し、次なるトナー像の形成
に備える。図1では転写電極58にコロトロンの転写帯
電極を用いている。転写電極の設定条件としては、感光
体のプロセススピード(周速)等により異なり一概に規
定することはできないが、例えば、転写電流としては+
100〜+400μA、転写電圧としては+500〜+
2000Vを設定値とすることができる。
【0125】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブ
レード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、
再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯
電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0126】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0127】本発明の有機電子写真感光体は電子写真複
写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶
シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応す
るが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記
録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く
適用することができる。
【0128】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、本実施
例中の部とは質量部を表す。
【0129】合成例1(変性シリコンオイル(1)の合
成) エポキシ変性シリコンオイルX−22−163B(信越
化学工業株式会社製、官能基当量1760)1.76
部、3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.18
部、テトラヒドロフラン2部を室温で48時間撹拌し
た。NMRにより反応が完了していることを確認した。
【0130】合成例2(変性シリコンオイル(2)の合
成) アミノ変性シリコンオイルKF−8003(信越化学工
業株式会社製、官能基当量2000)2部、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン0.24部、テトラ
ヒドロフラン2部を室温で48時間撹拌した。NMRに
より反応が完了していることを確認した。
【0131】合成例3(変性シリコンオイル(3)の合
成) メチルハイドロジェンポリシロキサンKF−99(信越
化学工業株式会社製)2部、ビニルトリエトキシシラン
0.2.部、テトラヒドロフラン2部、触媒量の塩化白
金酸を室温で48時間撹拌した。NMRにより反応が完
了していることを確認した。
【0132】感光体1の作製 下記の様に感光体1を作製した。
【0133】 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記塗布液を用いてφ100mmの円筒形の導電性支持
体上に、乾燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0134】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、ブ ラッグ角2θ(±0.2)の27.2度に最大ピークを有するチタニルフタロシ アニン) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211M:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生
層を形成した。
【0135】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β−フェニルスチ リル)フェニル}−p−トルイジン) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0136】〈表面層(保護層)〉メチルトリメトキシ
シラン80部、ジメトキシジメチルシラン40部、イソ
プロパノール100部、2%酢酸25部を室温で2時間
撹拌して加水分解を行った。ここに合成例1の変性シリ
コンオイル(1)10部、反応性電荷輸送性化合物(例
示化合物T−1)30部、アルミキレートA(W)(川
研ケミカル社製)4部を添加し、表面層(保護層)用塗
布液を作製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円
形量規制型塗布装置により塗布して、110℃;90分
加熱硬化し、膜厚3.0μmの表面層(保護層)を形成
して感光体1を作製した。
【0137】感光体2の作製 感光体1の作製において、変性シリコンオイル(1)の
代わりに合成例2で得られた変性シリコンオイル(2)
を10部用いた他は感光体1の作製と同様にして感光体
2を作製した 感光体3の作製 感光体1の作製において、変性シリコンオイル(1)の
代わりに合成例3で得られた変性シリコンオイル(3)
を10部用いた他は感光体1の作製と同様にして感光体
3を作製した 感光体4の作製 感光体1の作製において、表面層(保護層)の反応性電
荷輸送性化合物(例示化合物T−1)の代わりに電荷輸
送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−{4−(β
−フェニルスチリル)フェニル}−p−トルイジン)を
用いた他は感光体1と同様にして感光体4を作製した。
【0138】感光体5の作製(比較例) 感光体1の作製において、変性シリコンオイル(1)の
代わりにエポキシ変性シリコンオイルX−22−163
B(信越化学工業株式会社製、官能基当量1760)を
10部用いた他は感光体1の作製と同様にして感光体5
を作製したところ、表面層の塗膜にはじきが発生した。
【0139】感光体6の作製 感光体1の作製において、変性シリコンオイル(1)を
用いなかった他は感光体1の作製と同様にして感光体6
を得た。
【0140】感光体7の作製 感光体1の作製において、表面層を設けない他は感光体
1の作製と同様にして感光体7を得た。
【0141】評価 評価機としてコニカ社製デジタル複写機Konica
「Sitios7075」(コロナ帯電、レーザ露光、
反転現像、静電転写、爪分離、ブレードクリーニング、
クリーニング補助ブラシローラー採用プロセスを有し、
プリント速度75枚/min)を用い、該複写機に感光
体1〜7を搭載し評価した。クリーニング性及び画像評
価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画
像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル
画像をA4中性紙に複写して行った。複写条件は最も厳
しいと思われる高温高湿環境(30℃、80%RH)に
て連続20万枚コピー行いハーフトーン、ベタ白画像、
ベタ黒画像を評価した。但し、コピー開始前に、感光体
表面にセッティングパウダーをまぶし、感光体とクリー
ニングブレードをなじませた後20万枚のコピーを行っ
た。評価項目及び評価基準を下記に示す。
【0142】評価項目及び評価基準 画像濃度(マクベス社製RD−918を使用して測定。
紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
初期と20万枚コピー後の両方で評価) ◎:初期と20万枚コピー後の両方共1.2以上:良好 ○:初期と20万枚コピー後の両方共1.0以上:実用
上問題ないレベル ×:初期と20万枚コピー後の少なくとも一方が1.0
未満:実用上問題となるレベル カブリ:ベタ白画像濃度で判定 マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、印字さ
れていないコピー用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対
画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次
に、画像形成がなされた評価用紙の白地部分を同様に2
0カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記
白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
【0143】 ◎:初期と20万枚コピー後の両方共0.005以下
(良好) ○:初期と20万枚コピー後の両方共0.01以下(実
用上問題ないレベル) ×:初期と20万枚コピー後の少なくとも一方が0.0
1より大(明らかに、実用上問題あり) 解像度(文字画像の判別容易性で判定) ○:初期と20万枚コピー後の解像度に差がない △:ハーフトーン画像で20万枚コピー後の解像度に軽
微な低下有り ×:20万枚コピー後の解像度に顕著な低下有り トナー転写率 下記式により転写率(%)を求めた。但し、転写率を求
める際には、クリーニングユニットから回収されたトナ
ーは現像器に戻さず、袋に取った。
【0144】転写率(%)={1−(回収トナーの質量
/消費トナーの質量)}×100 クリーニング性(10万及び20万枚コピー終了後にA
3紙に連続10枚複写を行い、ベタ白部でのクリーニン
グ不良の発生の有無で判定) ◎:20万枚までトナーのすり抜け発生なし ○:10万枚までトナーのすり抜け発生なし ×:10万枚未満でトナーのすり抜け発生 ブレード鳴き(感光体とクリーニングブレードの摩擦に
よる異常音) ◎:20万枚まで発生なし ○:ドラム停止時に軽微なブレード鳴き発生 ×:ブレード鳴き発生 クリーニングブレードの起動トルク測定 初期(s)及び20万枚コピー後(e)に、ドラムカー
トリッジを用い、複写機本体のドラム軸に連結したトル
クゲージ(MODEL 6BTG:TOHNICHI社
製)を回転させて起動トルクを測定した。測定は5回行
い、平均値を採用した。
【0145】感光体膜厚減耗量 減耗量は実写評価開始時と20万枚コピー終了時に測定
した感光層の平均膜厚の差分を求め、膜厚減耗量とし
た。
【0146】膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とす
る。
【0147】その他評価条件 尚、上記7075を用いたその他の評価条件は下記の条
件に設定した。
【0148】帯電条件 帯電器;スコロトロン帯電器、初期帯電電位を−750
V 露光条件 露光部電位を−50Vにする露光量に設定。
【0149】現像条件 DCバイアス;−550V 現像剤は、フェライトをコアとして絶縁性樹脂をコーテ
ィングしたキャリアとスチレンアクリル系樹脂を主材料
としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発
明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリ
カ、酸化チタン等を外添したトナーの現像剤を使用し
た。
【0150】転写条件 転写極;コロナ帯電方式 クリーニング条件 クリーニング部に硬度70°、反発弾性65%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧18(N/m)となるように重り荷重
方式で当接した。
【0151】評価結果を表1に示した。
【0152】
【表1】
【0153】表1から明らかなように、本発明の変性シ
リコンオイルを表面層に有する感光体1〜4は良好な画
像特性、トナー転写率、クリーニング特性を示してい
る。又、本発明の変性シリコンオイルの代りに、エポキ
シ変性シリコンオイルを用いた感光体5は表面層の塗布
はじき発生の為、評価に値する感光体が得られなかっ
た。又、表面層から変性シリコンオイルを除いた感光体
6はクリーニングブレードとの起動トルク値が高く、ブ
レード鳴きが発生し、クリーニング性も劣化している。
又、表面層を設けなかった感光体7は感光層の減耗量が
大きく、耐久性が低下しており、且つトナー転写率、解
像度等も本発明の感光体1〜4に比し劣っている。
【0154】
【発明の効果】実施例からも明らかなように、本発明の
構成を用いることにより、クリーニング性やブレード鳴
きが改良され、高耐久の電子写真感光体を提供すること
ができる。又、該電子写真感光体を用いた良好な画像を
達成できる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカ
ートリッジを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法の1例としての画像形成
装置の断面図。
【符号の説明】
50 感光体ドラム(又は感光体) 51 帯電前露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 541 現像スリーブ 543,544 現像剤攪拌搬送部材 547 電位センサー 57 給紙ローラー 58 転写電極 59 分離電極(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が架橋
    構造を有するシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオ
    イルとシランカップリング剤とを反応して得られる変性
    シリコンオイルを含有することを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が電荷
    輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有す
    るシロキサン系樹脂、及び反応性シリコンオイルとシラ
    ンカップリング剤とを反応して得られる変性シリコンオ
    イルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
    真感光体において、前記電子写真感光体の表面層が架橋
    構造を有するシロキサン系樹脂、電荷輸送物質、及び反
    応性シリコンオイルとシランカップリング剤とを反応し
    て得られる変性シリコンオイルを含有することを特徴と
    する電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記反応性シリコンオイルが、側鎖に官
    能基を有する反応性シリコンオイルであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光
    体。
  5. 【請求項5】 前記反応性シリコンオイルが、アミノ
    基、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシアルキル
    基、ヒドロキシアリール基、メルカプト基、メタクリル
    基、活性水素基から選ばれる少なくとも1つの官能基を
    有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記シランカップリング剤が、反応性シ
    リコンオイルの官能基と反応しうる官能基を有すること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記シランカップリング剤が、下記一般
    式から選ばれる少なくとも1つの化合物であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体。 一般式 ASiR11m(OR12n (式中、R11は炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基
    を表し、OR12は水溶液中で、加水分解されてシラノー
    ルを生成する基を表し、Aは反応性シリコンオイルの官
    能基と反応し得る官能基である。mは1又は2、nは1
    〜3の整数を表す。)
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電
    子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、像露光、現
    像、ブレードクリーニングの各工程を経て画像形成する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に画像形成方法を用いたことを
    特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    電子写真感光体を用い、帯電器、像露光器、現像器、ク
    リーニング器のいずれか1つとが一体に組み合わさって
    おり、画像形成装置に出し入れ自由に設計されているこ
    とを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4673685B2 (ja) * 2005-07-06 2011-04-20 株式会社リコー 静電潜像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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