JP2007017636A - 静電潜像担持体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体である。該静電潜像担持体を用いた画像形成方法、該静電潜像担持体を搭載した画像形成装置、及びプロセスカートリッジである。
【選択図】 図4
Description
例えば、特許文献1には、感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが提案されている。しかし、前記コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層は耐摩耗特性については改善されているが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、また、近年要求される高寿命感光体としての耐久性に対しては不十分である。
<1> 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体である。
<2> 硬化性シロキサン樹脂と、非架橋電荷輸送性物質との質量比(硬化性シロキサン樹脂/非架橋電荷輸送性物質)が、6/4〜3/7である前記<1>に記載の静電潜像担持体である。
<3> 非架橋電荷輸送性物質が、下記構造式(1)で表される化合物を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<4> 保護層が、微粒子を含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<5> 微粒子が、コロイダルシリカ、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である前記<4>に記載の静電潜像担持体である。
<6> 保護層の厚みが、1〜15μmである前記<1>から<5>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<7> 感光層が、単層型感光層である前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<8> 感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である前記<1>から<6>のいずれかに記載の静電潜像担持体である。
<9> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置である。
<10> 画像形成装置が、静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する前記<9>に記載の画像形成装置である。
<11> 静電潜像形成手段が、帯電器と、露光器とを有し、該帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<12> 帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段によって非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する前記<11>に記載の画像形成装置である。
<13> 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する前記<9>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> 画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である前記<9>から<13>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<15> 画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する前記<9>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<16> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体が、前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法である。
<17> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記保護層は、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記硬化性シロキサン樹脂は、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなり、更に必要に応じて触媒、架橋剤、オルガノシリカゾル、シランカップリング剤、アクリルポリマー等の重合体などを含んでなる。
前記架橋は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱架橋が好ましい。
前記アルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、などが挙げられる。なお、これらの化合物に、エポキシ基、メタクリロイル基、又はビニル基を導入したものも使用可能である。
前記アルコキシシリル基を有する化合物の部分加水分解縮合物は、前記アルコキシシリル基を有する化合物に所定量の水、触媒等を添加して反応させる公知の方法により製造可能である。
得られる硬化性シロキサン系樹脂は、非常に高密度な三次元架橋構造を形成することから、耐摩耗性が著しく向上することが知られており、保護層のバインダー樹脂とすることで、電子写真感光体の大幅な長寿命化が達成できる。
前記硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質としては、例えば、下記構造式(1)で表される化合物が、硬化性シロキサン樹脂との相溶性が良好であり、電子写真特性にも優れている点から好適に用いられる。
前記縮合多環式炭化水素基としては、環を形成する炭素数が18個以下のものが好ましく、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、等が挙げられる。
前記非縮合炭素環式基としては、例えば、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル、ジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基;ビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、ポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基;9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾール等の1価基が挙げられる。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)下記構造式で表される置換基である。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。なお、R2及びR3は、互いに連結して環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(6)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等である。
(7)下記構造式で表されるアルキレン、ビニレンで連結された置換又は無置換のアリール基である。
前記置換アルキル基としては、アルキル基にフッ素原子、水酸基、シアノ基、アルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、更にアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基等を表す。具体的にはトリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、テトラヒドロフルフリル基、等が挙げられる。
前記非架橋電荷輸送性物質の含有量が6/4よりも少ない場合には、露光部の電位低下が不十分となってしまい、特に低温環境下においては、画像濃度低下などの異常画像の要因となってしまうことがある。一方、前記非架橋電荷輸送性物質の含有量が3/7よりも多い場合には、硬化性シロキサン樹脂の硬化が不十分となってしまうことに起因すると思われる耐摩耗性の低下が見られることがある。
前記微粒子としては、有機微粒子、又は無機微粒子が挙げられる。
前記有機微粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂微粒子;シリコ−ン樹脂微粒子、グアナミンホルムアルデヒド樹脂微粒子、などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;コロイダルシリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐摩耗性向上のためには、無機微粒子が好ましく、電子写真特性とのバランスがよい、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムが特に好ましい。
前記微粒子の前記保護層における含有量は、0.1〜30質量%が好ましい。
前記保護層は、前記各成分を含む保護層形成塗工液を用いて浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて感光層上に形成される。特に、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が有利である。
前記保護層形成塗工液に用いられる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記静電潜像担持体は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層と、該積層型感光層上に保護層とを設けてなり、更に必要に応じて、保護層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
前記複層型感光層は、上述したように、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、その他の層を有してなる。
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、前記積層型感光層と同様な材料を用いることができる。
前記支持体としては、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電体又は導電処理をした絶縁体が好適であり、例えば、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属、又はそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属、あるいはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの;樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙、などが挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体としては、本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器を用いることが好ましい。
前記帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記中間転写体の体積抵抗は数Ωcm以上103Ωcm以下であることが好ましい。体積抵抗を数Ωcm以上103Ωcm以下とすることにより、中間転写体自身の帯電を防ぐとともに、電荷付与手段により付与された電荷が該中間転写体上に残留しにくくなるので、二次転写時の転写ムラを防止できる。また、二次転写時の転写バイアス印加を容易にできる。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば、和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために二次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
前記弾性ベルトは、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることができる。
表面層材料としては、弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくしてクリーニング性、二次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の少なくとも1種の組み合わせを使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を少なくとも1種、又は粒径が異なるものの組み合わせを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
前記ベルトの製造方法は限定されるものではなく、例えば、回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、液体塗料を噴霧し膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型,外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け,加硫研磨を行う方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することが一般的である。
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹、等の天然繊維;ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維,ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維等の合成繊維;炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等の無機繊維;鉄繊維、銅繊維等の金属繊維、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら材料を単独又は組み合わせて、織布状又は糸状としたものも用いられる。
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよいし、糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方、織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
前記芯体層を設ける製造方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
前記弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図6の画像形成装置は、本発明の前記静電潜像担持体(電子写真感光体)を用いた画像形成装置であり、ドラム状の感光体10と、帯電チャージャ3と、転写前チャージャ7と、転写チャージャ111と、分離チャージャ111と、クリーニング前チャージャ113と、から構成されている。
前記感光体10の形状は、ドラム状の形状に限定されるものではなく、例えば、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。また、各種チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド ステート チャージャ)、接触配置、又はギャップテープや端部に段差を設けるなどの手段によって静電潜像担時体との間にギャップを有して近接配置された帯電ローラを始めとする公知の手段を用いることができる。
転写手段としては、一般には上記の帯電器が使用できるが、図示するような転写チャージャと分離チャージャとを併用したものが効果的である。
かかる光源等は、図6に示される工程の他に、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光を照射することができる。
このような静電潜像担持体(電子写真感光体)に当接するクリーニング手段は、トナー除去性能は高いが、当然のことながら、電子写真感光体に機械的ハザードを与え、電子写真感光体表面層の摩耗を引き起こす。
本発明の静電潜像担持体は、保護層の耐摩耗性が著しく高いため、表面に当接するクリーニング手段を有する画像形成装置においても、安定して良好な画像を出力することができる。
感光体ドラム156の図8中左側には、リボルバ現像ユニット250が配設されている。これは、回転するドラム状の筺体の中にイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器を有しており、回転によって各現像器を感光体ドラム156に対向する現像位置に順次移動させる。なお、イエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器は、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを付着せしめて静電潜像を現像するものである。感光体ドラム156上には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の静電潜像が順次形成され、これらはリボルバ現像ユニット250の各現像器によって順次現像されてイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像となる。
搬送ベルト164は、転写ユニットから受け取った記録媒体160を定着装置165内に送り込む。
定着装置165は、送り込まれた記録媒体160を加熱ローラとバックアップローラとの当接によって形成された定着ニップに挟み込みながら搬送する。
記録媒体160上のフルカラー画像は、加熱ローラからの加熱や、定着ニップ内での加圧力の影響を受けて記録媒体160上に定着せしめられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図9中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。
なお、タンデム画像形成装置100においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録媒体の両面に画像形成を行うために該記録媒体を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、その他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記感光体101としては、上述した本発明の前記静電潜像担持体を用いる。
前記露光器103としては、高解像度で書き込みを行うことのできる光源が用いられる。
前記帯電器102としては、任意の帯電部材が用いられる。
これにより、静電潜像担持体やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行うことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセス部材と静電潜像担持体が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
−静電潜像担持体の作製−
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)15質量部、及びメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)10質量部をメチルエチルケトン150質量部に溶解した。これに、酸化チタン粉末(タイペールCR−EL、石原産業社製)90質量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層塗工液を作製した。これを直径30mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法によって塗工し、130℃にて20分間乾燥し、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
得られた電荷輸送層塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗工法によって塗工し、110℃にて20分間乾燥し、厚み20μmの電荷輸送層を形成した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した保護層塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液の調製>
メチルトリメトキシシラン3質量部、フェニルトリメトキシシラン4質量部をフラスコに入れ、氷水で0℃近傍に冷却した後、1質量%の酢酸水溶液3質量部を1時間かけて滴下し、その後、攪拌しつつ6時間かけて25℃まで昇温した。この溶液に、シクロヘキサノン18質量部、エタノール18質量部を加え攪拌した。次いで、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質7質量部を添加して溶解した。更に、トリス(2,4ペンタンジオナト)アルミニウム(III)を0.5質量部、及びアセチルアセトン0.15質量部を加えて、保護層塗工液を調製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した保護層塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液>
硬化性シロキサン樹脂(NSC1274、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の電子写真感光体を作製した。
<保護層塗工液>
コロイダルシリカを含む硬化性シロキサン樹脂(NSC1500N、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例1において、保護層塗工液を以下のようにして調製した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の静電潜像担持体を作製した。
<保護層塗工液>
コロイダルシリカを含む硬化性シロキサン樹脂(NSC2319、日本精化社製)10質量部、及び上記構造式(C)で表される非架橋電荷輸送性物質7質量部をシクロヘキサノン18質量部、及びエタノール18質量部の混合溶媒に溶解して保護層塗工液を調製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の添加量を4質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例6の静電潜像担持体を作製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の添加量を20質量部に変更した以外は、実施例3と同様にして、実施例7の静電潜像担持体を作製した。
−静電潜像担持体の作製−
実施例3において、上記構造式(C)で表される非架橋性電荷輸送物質の代わりに下記構造式(F−2)で表される架橋性電荷輸送物質を用いた以外は、実施例3と同様にして、比較例1の静電潜像担持体を作製した。
得られた各静電潜像担持体をフルカラー複合機(Imagio Color5100、株式会社リコー製)の改造機(画像露光光源を655nmの半導体レーザーに交換し、更に潤滑剤塗布手段を除去、クリーニングブレード当接圧を2倍にして、感光体の摩耗に対して負荷を加えたもの)に搭載して、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節した後、600dpi相当の書き込みによって、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を5万枚行い、ランニング試験前後の感光層の厚みの差から、摩耗量を測定した。結果を表1に示す。なお、感光層の厚みは、渦電流式厚み計フィッシャースコープMMS(フィッシャー社製)を用いて測定した。
また、ランニング試験後の感光体を10℃の環境下、100枚のランニング試験、耐久画像出力を実施し、画像品質について評価を行った。結果を表1に示す。
以上の結果を総合的に判断して、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
○:良好
△:やや不良(実使用可能なレベル)
×:不良(実使用不能なレベル)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
107 クリーニング手段
110 ベルト式画像定着装置
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 保護層
207 中間層
210 画像定着装置
220 加熱ローラ
230 加圧ローラ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (17)
- 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層及び保護層をこの順に有してなり、該保護層が、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなる硬化性シロキサン樹脂と、該硬化性シロキサン樹脂と架橋していない非架橋電荷輸送性物質とを含むことを特徴とする静電潜像担持体。
- 硬化性シロキサン樹脂と、非架橋電荷輸送性物質との質量比(硬化性シロキサン樹脂/非架橋電荷輸送性物質)が、6/4〜3/7である請求項1に記載の静電潜像担持体。
- 非架橋電荷輸送性物質が、下記構造式(1)で表される化合物を含有する請求項1から2のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 保護層が、微粒子を含有する請求項1から3のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 微粒子が、コロイダルシリカ、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項4に記載の静電潜像担持体。
- 保護層の厚みが、1〜15μmである請求項1から5のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 感光層が、単層型感光層である請求項1から6のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 感光層が、支持体上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層である請求項1から6のいずれかに記載の静電潜像担持体。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置。 - 画像形成装置が、静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有する請求項9に記載の画像形成装置。
- 静電潜像形成手段が、帯電器と、露光器とを有し、該帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する請求項9から10のいずれかに記載の画像形成装置。
- 帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段によって非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電する請求項11に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する請求項9から12のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である請求項9から13のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する請求項9から14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法。 - 請求項1から8のいずれかに記載の静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段から選択される少なくとも1つの手段を一体に有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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