JP4131596B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電潜像を形成させるための電子写真感光体及び該感光体を搭載したプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。詳しくは繰り返し使用による電位安定性が良好で、かつクリーニング性に優れ、耐傷、耐フィルミング性が良く、且つ減耗の少ない耐久性に優れた電子写真感光体、該感光体の製造方法、該感光体を搭載したプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体は有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある事である。
【0003】
電子写真感光体の表面には、帯電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等により、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。具体的には、摺擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾンや活性酸素等による感光体表面の劣化等に対する耐久性が要求される。
【0004】
上記のような感光体表面に要求される様々な特性を満たすため、これまで種々の事が検討されてきた。即ち、有機感光体の表面にBPZポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善される事が報告されている。一方、感光体表面保護層に硬化性シロキサン樹脂層を設けることが特開昭61−72256号、同61−51155号、特開平1−217364号、同1−200366号、同3−129360号、同3−155558号、同3−139655号、同5−40359号等で提案されている。更に、特開平6−118681号公報では感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが報告されている。しかし、BPZポリカーボネートバインダーを用いた感光体や硬化性シロキサンの表面層を有する感光体では、なお耐摩耗特性が不足しており、十分な耐久性を有していない。
【0005】
一方、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分である。
【0006】
この様な欠点を改善する方法として、特開平9−124943号公報や、特開平9−190004号公報では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層として有する感光体を提案している。しかし、この樹脂層は高湿環境下でカブリや画像ボケが発生しやすく十分な耐久性を有していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することにあり、表面硬度が高く、耐摩耗性が高く、繰り返し使用時の電子写真特性が高温高湿下でも安定な、従って、良好な画像が繰り返し使用に於いても得られる電子写真感光体とその製造方法を開発する事にあり、又、前記感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題解決のため鋭意努力した結果、本発明の目的は、下記構成の何れかをとることにより達成されることが判明した。
【0009】
1.導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、電子写真感光体の表面層が電荷輸送能を有する部分構造を含む硬化性シロキサン樹脂を含有する層であり、前記シロキサン樹脂が少なくとも下記(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分を反応させて得られる硬化性シロキサン樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
【0010】
(A)成分:下記一般式(1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮合物
(B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮合物
(C)成分:コロイダルシリカ
(D)成分:前記(A)、(B)、及び(C)成分の少なくともいずれか1つと反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物
【0011】
【化3】
Figure 0004131596
【0012】
(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、かつ該有機基の内、前記反応に用いられる(A)及び(B)成分の少なくとも1種の有機基がエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、水酸基の何れか1つを含んだ炭素数3以上の有機基を表す。Xは水酸基又は加水分解性基を表す。)
2.導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が電荷輸送能を有する硬化性シロキサン樹脂を含有する層であり、前記シロキサン樹脂が少なくとも前記(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分を反応させて得られる硬化性シロキサン樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
【0017】
.上記電荷輸送性化合物が−OH、−NHR7及び−SHの反応性基を有することを特徴とする上記1又は2に記載の電子写真感光体。
【0018】
(R7はH又は1価の有機基を表す。)
.上記電子写真感光体が酸化防止剤を含有することを特徴とする上記1〜3のいずれか 1 項に記載の電子写真感光体。
【0019】
.上記酸化防止剤がヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ化合物であることを特徴とする上記4に記載の電子写真感光体。
【0020】
.上記酸化防止剤を表面層に含有することを特徴とする上記4又は5に記載の電子写真感光体。
【0021】
.上記感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層から構成されたことを特徴とする上記1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0022】
.上記感光層が少なくとも電荷発生・輸送層から構成されたことを特徴とする上記1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0023】
.上記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法にいて、表面層の塗布後に50℃以上の温度で乾燥することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0024】
10.上記1〜の何れか1項に記載の電子写真感光体を用いて、帯電・像露光・現像・転写・分離・定着・クリーニングの工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
【0025】
11.電子写真感光体を用いて、帯電・像露光・現像・転写・分離・定着・クリーニングの工程を有する画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが、上記1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器・現像器・クリーニング器の少なくとも一つとを組み合わせて造られたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0026】
本発明者らは、シロキサン樹脂の構成成分として少なくとも前記(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分を適切な配分にした組成物を反応させて得られる硬化性シロキサン樹脂を感光層の表面層に用いること、即ち、前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる電荷輸送能を有する化合物(以下反応性電荷輸送性化合物とも云う)を適切な配分で加えることにより、帯電性・感度・残留電位に問題がなく、繰り返し使用による電位安定性が良好で、かつ下層感光層との接着性に優れ、高温高湿下の条件下で良好な画像が得られ、耐傷性が良く繰り返し使用による減耗の少ない感光体が得られること見いだし、本発明に至った。
【0027】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0028】
本発明の一般式(1)〜(4)で表される有機ケイ素化合物について説明する。一般式(1)〜(4)中のR1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。しかしながらR1〜R6有機基の内、前記反応に用いられる(A)及び(B)成分の少なくとも1つの有機基がエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、水酸基の何れか1つを含んだ炭素数3以上の有機基であることが必要である。
【0029】
次にXの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。これらの中で特に炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。
【0030】
また本発明の(A)成分の有機ケイ素化合物は、一般式(1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物の中で単独のもの1種でも良いし、2種以上の有機ケイ素化合物を組み合わせて使用しても良い。同じく、本発明の(B)成分の有機ケイ素化合物は、一般式(3)又は(4)で表される有機ケイ素化合物の中で単独のもの1種でも良いし、2種以上の有機ケイ素化合物を組み合わせて使用しても良い。
【0031】
また本発明のシロキサン樹脂は上記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化した加水分解縮合物を原料として用いても良い。
【0032】
次に、本発明の(C)成分のコロイダルシリカについて説明する。
【0033】
本発明で使用されるコロイダルシリカとしては粒子径が1〜500nmのものが好ましく使用できる。この粒子径は透過型電子顕微鏡観察によって観察し、画像解析によって測定された数平均一次粒子径を示す。このようなコロイダルシリカは水系媒体中で分散されて市販されている商品を使用する事が可能であり、又、「Chemistry and Technology of Silicones」 Walter Noll著(Academic Press.Inc.(1968))に記載の方法で製造することもできる。
【0034】
上記コロイダルシリカは有機ケイ素化合物の加水分解縮合時に添加しても良く、その前又は後で添加しても良い。
【0035】
上記硬化性樹脂中に電荷輸送能を有する部分構造を付与する方法としては上記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応し、樹脂層を形成することができる電荷輸送能を有する化合物を硬化性シロキサン樹脂の製造時に同時に存在させることにより達成される。
【0036】
上記有機ケイ素化合物又はコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物には、特に下記一般式(5)で表される水酸基(−OH)、メルカプト基(−SH)、アミノ基(−NHR7)を有する電荷輸送性化合物が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0037】
【化5】
Figure 0004131596
【0038】
(式中、Aは電荷輸送能を有する化合物残基を表し、ZはO、S又はNR7を表し、R7はH又は1価の有機基を表し、nは1以上の自然数を表す。)
本発明の一般式(5)で表される電荷輸送性化合物はそれ単独で電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す構造のものであって、一般的に電荷輸送物質として用いられている化合物を示す。例えば正孔輸送型としてはオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、トリアリールアミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン等の構造単位を含む化合物及びこれらの誘導体が挙げられる。一方、電子輸送型としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトタシアノエチレン、テトタシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、パーフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸等の構造単位を含む化合物及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。
【0039】
また本発明中の電荷輸送能の別の定義としては、通常のTime−Of−Flight法等の電荷輸送能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検出電流が得られるものとして表現することもできる。
【0040】
次に本発明の上記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物の具体例を挙げるが、本発明の上記化合物はこれに限定されるものではない。
【0041】
【化6】
Figure 0004131596
【0042】
【化7】
Figure 0004131596
【0043】
【化8】
Figure 0004131596
【0044】
【化9】
Figure 0004131596
【0045】
【化10】
Figure 0004131596
【0046】
【化11】
Figure 0004131596
【0047】
【化12】
Figure 0004131596
【0048】
前記シロキサン樹脂層組成物の組成比としては、(A)成分1モルに対し、(B)成分0.05〜1モルを用いることが好ましい。またコロイダルシリカの添加量は前記(A)と(B)成分の総重量100部に対し1〜30重量部を用いることが好ましい。また上記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(D)を加える場合は、前記(A)と(B)成分の総重量100部に対し1〜500重量部を用いることが好ましい。上記(A)成分が上記の範囲を超えて使用されると、(A)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(C)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)成分と同様の傾向がみられる。一方、(D)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(D)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0049】
本発明中の硬化性シロキサン樹脂とは予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。一般的には、シロキサン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させる。例えば、アルコキシシランからなる組成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカからなる組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成させることもできる。
【0050】
また上記の3次元網目構造を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0051】
また本発明中の樹脂層にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0052】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)
又、ヒンダードアミンとは下記構造式で示される化合物類を云う。
【0053】
【化13】
Figure 0004131596
【0054】
(上式中のR8はH又は1価の有機基,R9、R10、R11、R12はアルキル基,R13はH、OH又は1価の有機基を示す。)
酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダートフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダートアミン系、「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上ホスファイト系が挙げられる。特にはヒンダートフェノール、ヒンダートアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0055】
酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物の総重量100部に対し、0.1〜10重量部を用いることが好ましい。
【0056】
本発明の感光体の層構成は電荷発生物質と電荷輸送物質とがバインダー樹脂中に分散された単層構成でもよく、また電荷発生物質を含む電荷発生層層と電荷輸送物質を含む電荷輸送層が積層された構成でもよい。また電荷発生層や電荷輸送層の上に表面保護層を設けてもよい。また必要に応じて導電性支持体と感光層との間に中間層を設けてもよい。本発明のシロキサン樹脂を含有する層は感光体中の何れの層にも用いることができるが、本発明のシロキサン樹脂は、高温高湿下の条件下で画像流れ等の異常が無く、クリーニング性が良好で繰り返し使用による減耗の少ないことが特徴であるので、感光層の表面層に用いることが望ましい。
【0057】
本発明のシロキサン樹脂を表面層に形成するには、通常溶剤にシロキサン樹脂組成物を溶解して塗布により形成する。溶剤としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が使用される。
【0058】
本発明のシロキサン樹脂の加熱乾燥条件は使用する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ50〜200℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、より好ましくは80〜160℃の範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。
【0059】
本発明の感光層に用いられる電荷発生物質としては公知のどのようなものでの使用できるが、例えば以下のようなものが挙げられる。
【0060】
種々のフタロシアニン化合物、A型、B型及びY型のチタニルフタロシアニン、X型及びτ型の無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンに代表される他の金属フタロシアニン類、ナフタロシアニン類、またこれら2種のフタロシアニンの混晶が挙げられる。またアゾ化合物、ピリリウム化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、スクアリウム化合物、多環キノン化合物が挙げられる。これら電荷発生物質は単独で又は適当なバインダー樹脂中に分散して層形成が行われる。
【0061】
また本発明の感光層に用いられる電荷輸送物質としては公知のどのようなものでも使用でき、例えばトリアリールアミン化合物、トリアリールアミンスチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物が挙げられる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0062】
電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解に使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0063】
本発明の感光層の中で表面以外の感光層には以下の樹脂が使用できる。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂ならびに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。またこれらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0064】
本発明の感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対し50〜600重量部が好ましい。またバインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100重量部に対し10〜100重量部が好ましい。
【0065】
本発明の感光層の膜厚は、電荷発生層にて0.01〜10μm、電荷輸送層にて1〜50μmが好ましい。また感光層が単層構成の場合は1〜50μmが好ましい。また表面保護層を有する場合は0.1〜10μmが好ましい。
【0066】
本発明の感光層を支持する導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板・金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックフィルム・ドラムを使用することができる。
【0067】
本発明の中間層に用いられる材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂ならびに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。またシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂化合物が挙げられる。中間層の膜厚は、0.01〜2μmが好ましい。
【0068】
また本発明の感光体には、その他、感色性補正の染料や感光層に酸化防止剤等の添加剤を添加しても良い。
【0069】
本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、塗布液をデイップ塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等が用いることできる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、また均一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については特開平3−90250号、同3−269238号にその記載があり、前記円形量規制型塗布については特開昭58−189061号に詳細が記載されている。
【0070】
本発明の電子写真感光体は複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置に適用しえるものであるが、さらには電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用しえるものである。
【0071】
図1に本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の断面図を示す。
【0072】
図1において10は像担持体である感光体(ドラム)で、感光層をドラム状に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動される。12はスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電により与える。この帯電器12による帯電に先立ち、前画像での履歴を除去するのに、発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電を行っても良い。
【0073】
感光体への一様な帯電の後、像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズを経て反射ミラー132によって光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0074】
その静電潜像は次いで現像器14により現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のトナー、キャリアからなる現像剤を内蔵した現像器14が配置されていて、先ず1色の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は例えばフェライトをコアとしてその回りに絶縁性樹脂をコーテイングしたキャリアと、ポリエステルを主材料にして色に応じた顔料、荷電制御剤、シリカ、酸化チタンを加えたトナーからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段よって、現像スリーブ141上に100〜600ミクロンの厚みに規制されて現像域へと搬送され現像が行われる。この時、通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び交流のバイアスをかけて現像が行われる。
【0075】
カラー画像形成においては、1色目の顕在化が終わった後に2色目の画像形成工程に入り、再びスコロトロン帯電器12による一様な帯電が行われ、2色目の潜像形成が像露光器13により行われる。3、4色目の画像形成も2色目と同様に行われ、感光体ドラム10周面上に4色の顕像が形成される。一方、モノクロの電子写真装置では現像器14は単色トナー1種で構成され、1回の現像で画像形成する。
【0076】
記録紙Pは画像形成の後、転写のタイミングが整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へ給紙される。転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pを狭着して多色像が一括して転写される。
【0077】
次いで記録紙Pは転写ローラと圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電され、感光体ドラム10周面より分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってトナーを溶着した後、排紙ローラ21を介して装置外へ排出される。なお前記転写ローラと分離ブラシ19は記録紙Pの通過後、感光体ドラム10周面より退避して次なるトナー像形成に備える。
【0078】
一方、記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10はクリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃して再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成に備える。なお感光体上にトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する場合には、ブレード221はクリーニング後、直ちに感光体ドラム10周面より退避する。
【0079】
なお30は感光体・帯電器・転写、分離器・クリーニング器を一体化して着脱可能なカートリッジである。
【0080】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能な構成にしても良い。
【0081】
また、帯電器・現像器・像露光器・転写、分離器・クリーニング器の少なくとも一つを感光体と共に1体の支持してプロセスカートリッジを構成し、装置本体に対して着脱自在な単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段で着脱可能な構成にしても良い。
【0082】
像露光は複写機、プリンターとして使用する場合は原稿からの反射光又は透過光を感光体に照射することと或いはセンサーで原稿を読みとり信号化して、この信号に従ってレーザービームの照射、LEDアレイの駆動、液晶シャッタアレイの駆動を行い、感光体に光を照射することにより行われる。なおファクシミリのプリンター場合には像露光器は受信データをプリントするための露光を行うこととなる。
【0083】
【実施例】
本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、本実施例において「部」とは「重量部」を表す。
【0084】
実施例1
以下のようにして電子写真感光体を作製した。
【0085】
導電性支持体としての円筒形アルミドラム上に、ポリアミド樹脂「X1874M」(ダイセルヒュルス社製)6部をメタノール:n−ブタノール=4:1の混合溶媒200部に溶解した中間層液を浸漬塗布し、厚さ0.5μmの中間層を設けた。
【0086】
その上に、電荷発生物質としてCu−Kα特性X線回折におけるブラッグ角2θの最大ピークが27.3度を有するチタニルフタロシアニン6部、シリコン樹脂「KR−5240」(信越化学社製)7部、酢酸t−ブチル200部をサンドグラインダーを用いて分散した塗布液を浸漬塗布して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0087】
次いで電荷輸送物質として化学式(CT−1)200部、ヒンダートアミン化合物「サノールLS2626」(三共化学社製)5部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱瓦斯化学社製)300部を1,2−ジクロロエタン2000部に溶解した塗布液を、電荷発生層上に円形スライドホッパーにて塗布して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0088】
次に表面層塗布液として、メチルトリメトキシシラン20部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン33部、ジメチルジメトキシシラン10部、コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形分30重量%)8部に5%酢酸水溶液40部とイソプロパノール800部を加え、65〜70℃にて5時間加水分解反応させた。その後、硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテート0.4部を加えて溶解し表面層用組成物を形成した。
【0089】
次いで上記表面層用組成物を円形スライドホッパーにて塗布して、110℃;90分加熱硬化し、膜厚2.0μmの表面層を形成して実施例感光体1を作製した。
【0090】
【化14】
Figure 0004131596
【0091】
実施例2
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−3)80部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体2を作製した。
【0092】
実施例3
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−13)100部とヒンダートアミン化合物「サノールLS2626」(三共化学社製)5部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体3を作製した。
【0093】
実施例4
塗布液調製として、テトラメトキシシラン5部、メチルトリメトキシシラン20部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25部、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部、メチルフェニルジメトキシシラン15部、コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形分30重量%)10部に5%酢酸水溶液40部とイソプロパノール800部を加え、65〜70℃にて5時間加水分解反応させた。その後、硬化触媒としてジブチルチンジラウレート0.4部を加えて溶解し表面層用組成物を形成した。
【0094】
次に電荷輸送層までは実施例1と同様にして感光体を作製し、次いで上記表面層用組成物を円形スライドホッパーにて塗布して、110℃;90分加熱硬化し、膜厚2.0μmの表面層を形成して実施例感光体4を作製した。
【0095】
実施例5
実施例4における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−6)40部を加えた他は、実施例4と同様にして実施例感光体5を作製した。
【0096】
実施例6
実施例4における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−18)150部とヒンダートフェノール化合物「イルガノックス1010」(チバガイギー社製)10部を加えた他は、実施例4と同様にして実施例感光体6を作製した。
【0097】
実施例7
塗布液調製として、メチルトリメトキシシラン30部、フェニルトリメトキシシラン10部、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン10部、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン5部、トリメチルメトキシシラン5部、コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形分30重量%)12部に5%酢酸水溶液40部とイソプロパノール800部を加え、65〜70℃にて5時間加水分解反応させた。その後、硬化触媒としてオクテン酸亜鉛0.4部を加えて溶解し表面層用組成物を形成した。
【0098】
次に電荷輸送層までは実施例1と同様にして感光体を作製し、次いで上記表面層用組成物を円形スライドホッパーにて塗布して、110℃;90分加熱硬化し、膜厚2.0μmの表面層を形成して実施例感光体7を作製した。
【0099】
実施例8
実施例7における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−7)100部を加えた他は、実施例7と同様にして実施例感光体8を作製した。
【0100】
実施例9
実施例7における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−28)60部とホスファイト化合物「マーク2112」(アデカアーガス社製)2部を加えた他は、実施例7と同様にして実施例感光体9を作製した。
【0108】
実施例12
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−33)80部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体12を作製した。
【0109】
実施例13
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−35)100部とヒンダートアミン化合物「サノールLS2626」(三共化学社製)5部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体13を作製した。
【0110】
実施例14
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−38)80部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体14を作製した。
【0111】
実施例15
実施例1における表面層用組成物に反応性電荷輸送性化合物(例示HCT−40)100部とヒンダートアミン化合物「サノールLS2626」(三共化学社製)5部を加えた他は、実施例1と同様にして実施例感光体15を作製した。
【0112】
比較例1
実施例1においてコロイダルシリカを除いた他は、実施例1と同様にして比較例感光体1を作製した。
【0113】
比較例2
実施例1においてγーグリシドキシプロピルトリメトキシシランを除いた他は、実施例1と同様にして比較例感光体2を作製した。
【0114】
比較例3
実施例1においてジメチルジメトキシシランを除いた他は、実施例1と同様にして比較例感光体3を作製した。
【0115】
比較例4
実施例2においてコロイダルシリカを除いた他は、実施例2と同様にして比較例感光体4を作製した。
【0116】
比較例5
実施例2においてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを除いた他は、実施例2と同様にして比較例感光体5を作製した。
【0117】
比較例6
実施例2においてジメチルジメトキシシランを除いた他は、実施例2と同様にして比較例感光体6を作製した。
【0118】
比較例7
実施例1において表面層を設けない以外は、実施例1と同様にして比較例感光体7を作製した。
【0119】
得られた感光体を下記のように評価した。
【0120】
評価1
各実施例(2、3、5、6、8、9、12〜15)、比較例(1〜7)で得られた感光体をコニカ(株)社製デジタルコピー機「Konica7050」(スコロトロン帯電器、半導体レーザー露光器、モノクロ現像器、転写器、分離器、クリーニング器、PCL、定着器を備え帯電極、感光体、現像器、及びクリーニング器が一体となったカートリッジを装着した)を改造し露光量を適正化した評価機に装着し、初期帯電位を−650Vに設定して、高温高湿(HH)環境下(33℃;80%)にて3万回の実写試験及び低温低湿(LL)環境下(15℃;30%)にて3万回の実写試験を行い、実写試験での複写画像及び感光体表面の異物付着、傷を目視観察し、実写試験後の感光体の膜厚減耗量を測定した。結果を表1に示す。
【0121】
【表1】
Figure 0004131596
【0122】
表1に示されるように本発明の実施例とそれに対する比較例の間に明らかに違いがみられ、本発明の実施例はどの実施例も比較例に対して良好な結果を示している。
【0123】
評価2
実施例2、3、5、6、8、9、12、13、14及び15の感光体をさらに評価1と同じ評価機にて一般環境下(22℃;45%)にて5万回、次いで高温高湿環境下1万回の実写試験を行い、実写試験での複写画像及び感光体表面の異物付着、傷を観察した。その結果、実施例3、6、13及び15では実写試験終了までカブリ、濃度低下なく良好な画像を与える。実施例2、5、8、9、12及び14では一般環境下での複写画像に問題はないが、HH環境後半で帯電極下の画像に若干解像度低下が認められた。
【0124】
【発明の効果】
本発明により帯電性・感度・残留電位に問題がなく、繰り返し使用による電位安定性が良好で、かつ下層感光層との接着性に優れ、高温高湿下の条件下で良好な画像が得られ、耐傷性が良く繰り返し使用による減耗の少ない耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体)
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 スコロトロン帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジ

Claims (11)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が電荷輸送能を有する部分構造を含む硬化性シロキサン樹脂を含有する層であり、前記シロキサン樹脂が少なくとも下記(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分を反応させて得られる硬化性シロキサン樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
    (A)成分:下記一般式(1)又は(2)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮合物
    (B)成分:下記一般式(3)又は(4)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも1種またはその加水分解縮合物
    (C)成分:コロイダルシリカ
    (D)成分:前記(A)、(B)、及び(C)成分の少なくともいずれか1つと反応をしうる基を有する電荷輸送性化合物
    Figure 0004131596
    (式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、かつ該有機基の内、前記反応に用いられる(A)及び(B)成分の少なくとも1種の有機基がエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、水酸基の何れか1つを含んだ炭素数3以上の有機基を表す。Xは水酸基又は加水分解性基を表す。)
  2. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が電荷輸送能を有する硬化性シロキサン樹脂を含有する層であり、前記シロキサン樹脂が少なくとも前記(A)、(B)、(C)及び(D)の4成分を反応させて得られる硬化性シロキサン樹脂であることを特徴とする電子写真感光体。
  3. 上記電荷輸送性化合物が−OH、−NHR 7 及び−SHの反応性基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    (R 7 はH又は1価の有機基を表す。)
  4. 上記電子写真感光体が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか 1 項に記載の電子写真感光体。
  5. 上記酸化防止剤がヒンダートフェノール、ヒンダートアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ化合物であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 上記酸化防止剤を表面層に含有することを特徴とする請求項4又は5記載の電子写真感光体。
  7. 上記感光層が少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層から構成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 上記感光層が少なくとも電荷発生・輸送層から構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真感光体の製造方法において、表面層の塗布後に50℃以上の温度で乾燥することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の電子写真感光体を用いて、帯電・像露光・現像・転写・分離・定着・クリーニングの工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
  11. 電子写真感光体を用いて、帯電・像露光・現像・転写・分離・定着・クリーニングの工程を有する画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器・現像器・クリーニング器の少なくとも一つとを組み合わせて造られたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
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