JP3783489B2 - 電子写真感光体、該感光体の製造方法、該感光体を用いた電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機やプリンターの産業分野で用いられる電子写真感光体とその製造方法、該感光体を搭載した画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚のプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある事である。
【0003】
電子写真感光体の表面には帯電器、現像器、転写手段およびクリーニング器などにより電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
【0004】
具体的には摩擦による感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾン等の活性酸素、チッソ酸化物などによる表面の劣化などに対する耐久性が要求される。
【0005】
上記のような要求を満たすため、これまでバインダーの検討、無機微粒子の添加など様々な手段が検討されてきた。特に硬化性のシリコン樹脂を表面保護層として使用する試みは、この物がプラスチックレンズなどの保護層(ハードコート膜)として知られていることから多くの検討が成されていた。
【0006】
しかしながら、これら一般にこのハードコート膜に用いられるハードコート剤として通常に市販されている物は電子写真感光体に使用するには耐湿度性に難点があり、高温高湿度下で画像がボケるなどの欠点が指摘されてきた(特開昭61−72256号)。また低湿度下では、画像がボケることは無いものの、絶縁物からなる層を設けた事の常として繰り返し使用すると残留電位が上昇してくると言った欠陥があった。
【0007】
さらに、製造面を見ても、これらのハードコート材料は電子写真感光体に使用されているポリカーボネート樹脂等の樹脂とは親和性が悪く、多くは感光層の上にメチルメタアクリレート樹脂などの極性基を有するプライマー層と言われる接着層を設けて、その上に塗布するが、これは製造コストを考えると大きな問題となる。
【0008】
耐湿度性を上げるためには疎水性化合物の添加が考えられるが、例えば硬化性のシリコン樹脂(シリコン系ハードコード剤)の硬化前塗布液の多くは水を含むアルコール系であり、塗布液に対する溶解性が低く添加が難しい。また、該塗布液に溶解するような物は一般的に親水性であり、耐湿度性の向上には役に立たない。プライマー層を省くためにはポリカーボネート樹脂等の層との親和性を上げる必要があるが、例えば親和性が上がることが予想される芳香族基を有するシラノール化合物ではその重合性に難があり、グリシジル基などの極性基を一部に有するアルキルシラノール化合物では塗布膜の接着性を向上させるものの、親水性が増大し、感光体の耐湿度性を悪化させる。また芳香族性化合物の添加も考えられるが芳香族性のポリマーではアルコール系溶媒に溶けず、またモノマーでは膜物性を低下させる。
【0009】
この様な欠点を改善する方法として、特開平9−124943号公報や、特開平9−190004号公報では有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を、硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を、表面層として有する感光体を提案している。しかし、この樹脂層は高湿環境下でカブリや画像ボケが発生しやすく十分な耐久性を有していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題点を解決することの出来る他の樹脂との接着性が良好で、耐摩耗性が高く、繰り返し使用時の電子写真特性が高温高湿や低温低湿条件下でも安定であり、従って、繰り返し使用に於いても良好な画像が得られる電子写真感光体とその製造方法を提供する事にある。又、該感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題解決のため鋭意努力した結果、本発明の目的は、下記構成の何れかをとることにより達成されることを見出した。
【0012】
1.少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体において、該樹脂を含有する層の少なくとも一層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と下記一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されていることを特徴とする電子写真感光体。
【0013】
一般式(1)
A−(R 1 Z)k
式中、Aはその構造中に芳香環又は複素環を含む2価以上の基を表し、R 1 は炭素数1〜20の置換及び無置換のアルキレン基を表し、Zは水酸基、アミノ基、メルカプト基を表し、kは2〜10の整数を表す。
【0014】
2.前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)である事を特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
【0015】
一般式(2)
A−(CR2R3OH)k
式中、Aはその構造中に芳香環又は複素環を含む2価以上の基を表し、R2、R3は水素原子を表し、kは2〜10の整数を表す。
【0016】
3.少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体において、該樹脂を含有する層の少なくとも一層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と下記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されていることを特徴とする電子写真感光体。
【0017】
一般式(3)
B 1 −(R 1 Z) k
式中、B 1 は電荷輸送性化合物構造を含む2価以上の基を表し、R 1 は炭素数1〜20の置換及び無置換のアルキレン基を表し、Zは水酸基、アミノ基、メルカプト基を表し、kは2〜10の整数を表す。
【0018】
4.前記一般式(3)が下記一般式(4)である事を特徴とする前記3記載の電子写真感光体。
【0019】
一般式(4)
B1−(CR2R3OH)k
式中、B1はAr1(Ar2)NAr3基を表す。ここでAr1,Ar2,Ar3は1価以上の脂肪族基又は1価以上の芳香族基を表し、R2、R3は水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは2〜10の整数を表す。
【0020】
5.前記一般式(4)のAr 1 ,Ar 2 ,Ar 3 が1価以上の芳香族基である事を特徴とする前記4記載の電子写真感光体。
【0022】
6.前記一般式(1)〜(4)に於いて、kが2と、kが3以上の化合物の少なくとも1種を併用することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0024】
7.前記組成物がコロイダルシリカを含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0025】
8.前記組成物が縮合触媒を含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0026】
9.前記組成物が酸化防止剤を含有することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0027】
10.前記樹脂を含有する層が表面層であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0028】
11.少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂を含有する層の少なくとも1層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の少なくとも1つから形成された縮合物とから選ばれる少なくとも一方と前記一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0029】
12.少なくとも複数の樹脂層を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂を含有する層の少なくとも1層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と前記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0030】
13.前記1〜10のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
【0031】
14.電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが前記1〜10のいずれか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器の少なくとも1つとを一体に組み合わせて有しており、且つ前記電子写真画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0034】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0035】
本発明における「水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物」とは、代表的には下記一般式(5)で表される有機ケイ素化合物である。水酸基、又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物には、溶媒中に水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を溶解したときに溶解液中で生成する水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の縮合物(オリゴマー)を含む。これら組成物は塗布、硬化されることにより、3次元網目構造を形成したシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を形成する。
【0036】
一般式(5)
(R)n−Si−(X)4-n
式中、Rはケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。
【0037】
一般式(5)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特にはメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。特には炭素数6以下のアルコキシ基が好ましい。
【0038】
又一般式(5)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。但し、使用される一般式(5)で表される有機ケイ素化合物の少なくとも一種がnが0又は1の有機ケイ素化合物を使用することが好ましい。
【0039】
又一般式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(5)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0040】
本発明の樹脂層は上記有機ケイ素化合物又はその加水分解縮合物を含有する組成物にコロイダルシリカを含有させて形成されることが好ましい。コロイダルシリカとは分散媒中にコロイド状に分散した二酸化ケイ素粒子であるが、コロイダルシリカの添加は塗布液組成物調整のどの段階で加えても良い。コロイダルシリカは水性またはアルコール性のゾルの形で添加しても良いし、気相でつくられたエアロゾルを本発明の塗布液に直接分散しても良い。
【0041】
このほかチタニヤ、アルミナなどの金属酸化物をゾルまたは微粒子分散の形で添加しても良い。
【0042】
コロイダルシリカや4官能(n=0)或いは3官能(n=1)の前記有機ケイ素化合物は架橋構造を生じること等により、本発明の樹脂層膜に剛性を与える。2官能有機ケイ素化合物(n=2)の比率が多くなるとゴム弾性が増すとともに疎水性があがり、1官能有機ケイ素化合物(n=3)は高分子にはならないが未反応残存SiOH基と反応して疎水性を上げる働きがある。
【0043】
本発明の感光体は前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、或いは水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物から生成するシロキサン系樹脂中に前記一般式(1)で示された化合物が該有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合反応により含有した樹脂層を有する電子写真感光体である。
【0044】
又、本特許の他の発明では前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方とから生成するシロキサン系樹脂中に前記一般式(3)で示された化合物を該有機ケイ素化合物又は該縮合物等との縮合反応により含有させた樹脂層を有する電子写真感光体である。
【0045】
又、前記一般式(1)で示された化合物、或いは前記一般式(3)で示された化合物はコロイダルシリカの表面の水酸基との縮合反応により、前記シロキサン系樹脂層に取り込まれても良い。
【0046】
本発明にはコロイダルシリカ以外の他の金属水酸化物(例えばアルミ、チタン、ジルコニウムの各アルコキシドの加水分解物)を加えて複合化したシロキサン系セラミック樹脂層としても良い。
【0047】
本発明における他の形態に於いて、一般式(3)のB 1 は電荷輸送性化合物構造を含む2価以上の基である。ここでB 1 が電荷輸送性化合物構造を含むとは、一般式(3)中のZ基を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又は前記Z基を水素原子で置換した一般式の化合物が電荷輸送性能を有する事を意味する。
【0048】
尚、前記の電荷輸送性化合物とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定義できる。
【0049】
前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と前記一般式(1)〜一般式(4)の化合物(I)の組成物中の組成比としては、重量比で100:3〜50:100であることが好ましく、より好ましくは100:10〜50:100の間である。
【0050】
また本発明においては、コロイダルシリカ又は他の金属酸化物を添加しても良いが、コロイダルシリカ又は他の金属酸化物(J)を添加する場合は前記(H)+(I)成分の総重量100部に対し(J)を1〜30重量部を用いることが好ましい。
【0051】
前記(H)成分が前記の範囲内で使用されると、本発明の樹脂層の硬度が高く且つ弾力性がある。(J)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も(H)成分と同様の傾向がみられる。一方、(I)成分が前記の範囲内で使用されると感度や残電特性等の電子写真特性が良好であり、前記樹脂層の硬度が高い。
【0052】
また前記一般式(1)〜一般式(4)で表せる化合物を用いて樹脂層を形成する際に、該一般式(1)〜一般式(4)のk=2となる化合物とk=3以上となる化合物の少なくとも1種を組み合わせて用いることがより好ましい。k=2となる化合物とk=3以上となる化合物の重量比は任意に組み合わせることができるが、特にはk=2となる化合物100重量部に対し、k=3以上となる化合物1〜50重量部が好ましい。前記k=2となる化合物にk=3以上となる化合物を併用使用することにより、架橋密度が高くより強固で減耗性に優れ、またクリーニング性も良い樹脂層を得ることができる。
【0053】
本発明の組成物には、前記有機ケイ素化合物等や前記一般式(1)〜一般式(4)で表せる化合物の縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ましい。本発明に於ける縮合触媒とは縮合反応に接触的に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをするものの少なくともいずれか一方の作用をもつものであれば良い。
【0054】
具体的な縮合触媒としては酸、金属酸化物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリコンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0055】
前記一般式(1)中のAは有機基であって、その構造中に芳香環又は複素環を含む2価以上の基であるが、該有機基中の芳香環又は複素環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、インデン、アントラセン、フェナンスレン、フルオレン、ピレン等の芳香環、複素環としてはフラン、チオフェン、ピラン、チオピラン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン等の複素環が挙げられる。またこれらの基にはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有しても良く、またエーテル基、ケトン基、エステル基、アミド基等の官能基を有しても良い。またR1のアルキレン基としては特にメチレン基が好ましい。更に、前記一般式(1)の化合物の中では一般式(2)で示される化合物がより好ましい。
【0056】
次に以下に一般式(1)又は(2)で表される化合物例を挙げる。
【0057】
一般式(1)又は(2)に於いて、Zが水酸基(OH)である化合物としては例えば次のような化合物例が挙げられる。
【0058】
【化1】
【0059】
【化2】
【0060】
【化3】
【0061】
【化4】
【0062】
次に、一般式(1)に於いて、Zがアミノ基である化合物例を下記に挙げる。本発明でアミノ基としては第一アミン基:−NH2、又は第二アミン基:−NHR(Rは有機基、ハロゲン)が有機ケイ素化合物等との反応性を有することから好ましい。
【0063】
【化5】
【0064】
次に、一般式(1)に於いて、Zがメルカプト基(SH)である化合物例を下記に挙げる。
【0065】
【化6】
【0066】
一般式(3)又は(4)に於いて、B 1で示される基電荷輸送性化合物構造を有する基としては、正孔輸送型と電子輸送型がある。正孔輸送型はオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、トリアリールアミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン等の構造単位を含む基及びこれらの誘導体から派生する基が挙げられる。一方、電子輸送型としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトタシアノエチレン、テトタシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、パーフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸等の化学構造単位を含む基及びこれらの誘導体から派生する基が挙げられるが、これらの構造に限定されるものではない。
【0067】
以下に一般式(3)又は(4)で表される代表的な化合物例をあげるが、これらの中で電子写真感光体の特性向上に対して、より好ましい化合物は一般式(4)の化学構造を有する化合物である。
【0068】
まず、前記一般式(3)に於いて、Zが水酸基(OH)である化合物例を挙げる。
【0069】
【化7】
【0070】
【化8】
【0071】
【化9】
【0072】
【化10】
【0073】
【化11】
【0074】
上記の化合物の合成例について概略を述べる。
【0075】
合成例(1)
中間体の合成
トリフェニルアミン667.5gをオキシ塩化リン2.5kgに分散し、85〜100℃に加温後ジメチルホルムアミド1700mlをすこしづつ滴下した。滴下後、さらに95〜100℃で6時間加熱攪拌した。反応後、水12lに注ぎ、トルエン6lで抽出した。トルエン層を水で十分に洗った。これにシリカゲル(ワコーゲルBO 和光純薬)500gを加えて不純物を吸着除去し、濾過後トルエンを減圧下留去し粗品を得た。アセトニトリル/水=4/1の液にて再結晶して中間体の黄色結晶465gを得た。この中間体はN,N−ビス(4−ホルミルフェニル)アニリンと4,4′,4″−トリス(4−ホルミルフェニル)アミンとの混合物であり、液体クロマトにて分析した結果ではジアルデヒド体とトリアルデヒド体の混合物であった。
【0076】
合成例(2)
例示化合物(B−1)、例示化合物(B−2)の合成
上述した中間体450gをメタノール675mlに分散し、室温で水素化ホウ素ナトリウム45.0g(1.1mol比)をすこしづつ3〜5時間かけて添加した。温度は発熱するので水冷で45℃以下に保つ。均一溶液になったのを確認の後、一夜放置する。なお反応中はできるだけ光を当てない。反応液に水3.0l,NaCl80gを加え、酢酸エチル3.0〜3.5lで抽出した。抽出された有機層を食塩水(NaCl60g)3.0lで2回洗い、最後に水3.0lで洗った。酢酸エチル溶液をエバポレートした。dryup後、アセトニトリル400mlを加えて、再度エバポし、共沸で酢酸エチルを除いた。アセトニトリル1200mlで再結晶し、白色結晶358gを得た(収率78.7%)。この化合物を液体クロマトにて分析した結果、例示化合物(B−1)92重量%、例示化合物(B−2)8重量%の混合物であった。
【0077】
例示化合物(B−1)単品、例示化合物(B−2)単品の分離
前述の中間体(ジアルデヒド体とトリアルデヒド体の混合物)をカラム(シリカゲル:トルエン/酢酸エチルにて展開)にて精製し、それぞれの単品を得た。これを上述のように還元して例示化合物(B−1)単品、例示化合物(B−2)単品を得た。
【0078】
なお芳香族のアルデヒド化については通常のヴィルツマイヤー反応では収率が低い場合、イミダゾールと無水トリフルオロ酢酸を使用する方法(Tetrahedron,36(1980)2505)が知られており、トリフェニルアミンのトリアルデヒド化も同方法によって収率84%で得られたとの報告がある。1998年日本化学会、伊東彰浩(京都大学)
合成例(3)
中間体の合成
4−メチルトリフェニルアミン141.2gをオキシ塩化リン500gに分散し、75〜95℃に加温後ジメチルホルムアミド317gをすこしづつ滴下した。滴下後、さらに95〜100℃で6時間加熱攪拌した。反応後、水3lに注ぎ、トルエン2lで抽出した。トルエン層を水で十分に洗った。これにシリカゲル(ワコーゲルBO 和光純薬)200gを加えて不純物を吸着除去し、濾過後トルエンを減圧下留去し粗品を得た。アセトニトリル/水=4/1の液にて再結晶して中間体の黄色結晶95gを得た。収率54.8%
例示化合物(B−4)の合成
上述した中間体のうち(4−(N,N−ビス(4−ホルミルフェニル)アミノ)トルエン)63gをメタノール500mlに分散し、室温で水素化ホウ素ナトリウム6.5g(1.1mol比)をすこしづつ3〜5時間かけて添加した。温度は発熱するので水冷で45℃以下に保つ。均一溶液になったのを確認の後、一夜放置する。なお反応中はできるだけ光を当てない。反応液を減圧下濃縮し、これに水1.0l,NaCl20gを加え、酢酸エチル1.5lで抽出した。抽出された有機層を食塩水(NaCl20g)1.0lで2回洗い、最後に水1.0lで洗った。その後、酢酸エチル溶液をエバポレートした。dryup後、アセトニトリル50mlを加えて、再度エバポし、共沸で酢酸エチルを除いた。アセトニトリル100mlを加えて、再結晶し、白色の結晶(例示化合物B−4)を得た。51.0g(収率79%)。
【0079】
次に、一般式(3)に於いて、Zがアミノ基である化合物例を下記に挙げる。本発明でアミノ基としては第一アミン基(NH2)、又は第二アミン基(NHR:Rは有機基、ハロゲン)が有機ケイ素化合物等との反応性を有することから好ましい。
【0080】
【化12】
【0081】
次に、一般式(3)に於いて、Zがメルカプト基(SH)である化合物例を下記に挙げる。
【0082】
【化13】
【0083】
本発明に於いて、複数の樹脂を含有する層とは本発明の樹脂層と共に感光層や下引層等乾燥膜の層形成に樹脂が結着樹脂として機能している層を全て意味している。
【0084】
本発明の感光体の層構成はとくに限定は無いが、負帯電感光体においては導電性支持体上には下引層(UCL)、その上に機能分離した感光層の電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)を順に設けた上に本発明の樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましい。正帯電感光体では前記負帯電感光体層構成の内、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)の順を逆にした構成を取ることが好ましい。単層構造の感光体では導電性支持体上には下引層(UCL)の上に感光層(電荷発生+電荷輸送)の上に本発明の樹脂層を塗設した構成を採用しても良い。
【0085】
又、本発明の樹脂層は前記感光層を兼ねた構成を取ることも可能である。即ち、前記機能分離感光体の電荷輸送層或いは電荷発生層を本発明の樹脂層とする事もできる。又、単層構造の感光体の感光層を本発明の樹脂層としても良い。
【0086】
本発明の樹脂層は該樹脂層の特徴を生かすため感光体の表面層として構成されるのが最も好ましいが、該感光体を電子写真画像形成装置に組み込んだ時の画像形成スタート時のスベリ特性等を改良する目的で該樹脂層の上に更に表面層を設けることもできる。
【0087】
前記電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL層)及び単層構造感光体の感光層にはいずれも公知の技術を用いることができる。例えば電荷発生物質(CGM)としてはフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。電荷輸送物質としてはトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0088】
本発明における感光体の中で本発明の樹脂層を感光層として用いない時の感光層:即ち電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL層)及び単層構造感光体の感光層には以下の樹脂がバイインダー樹脂として使用できる。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0089】
バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、前記電荷発生層又は単層構造感光体の感光層ではバインダー樹脂100重量部に対し20〜600重量部が好ましい。又バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、前記電荷輸送層又は単層構造感光体の感光層ではバインダー樹脂100重量部に対し10〜200重量部が好ましい。
【0090】
本発明における感光体の各層の膜厚は電荷発生層では0.01〜10μm、電荷輸送層では1〜40μmが好ましい。又単層構成感光体の感光層の場合は1〜40μmが好ましい。又これら感光層の上に設ける樹脂層の各々は0.1〜5μmが好ましい。
【0091】
本発明の感光体に用いられる下引層(UCL)は導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に設けられるが、該下引層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。又シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂化合物が挙げられる。中間層の膜厚は、0.01〜10μmが好ましい。
【0092】
本発明の感光体を構成する為に必要な導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケルなどの金属板・金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックフィルム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックフィルム・ドラムを使用することができる。
【0093】
本発明が前述の問題(高湿度下の画像ボケ、繰り返し時の残留電位の上昇、コスト高になるプライマー層の必要性)を解決した原因について、発明者は次のように考えている。
【0094】
すなわち、一般式(1)で示される化合物や一般式(3)で示される化合物は芳香族成分又は複素環成分を多く含むゆえに感光層に使用されているポリカーボネート樹脂と親和性が良く、かつアルコール可溶性であるため、前記水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物有機(主成分シラノール)含有塗布液組成物に溶解する。そして塗布後は加熱により、塗膜中で一般式(1)又は一般式(3)で示される化合物が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物及び、又は水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の縮合物と反応し、疎水性のシロキサン樹脂を含有する樹脂層を形成すると推定され、この為該樹脂層を感光体の表面層に用いても高湿度下で安定した表面電位を保持し、画像ボケに対して著しい効果があり、かつこのシロキサン樹脂が芳香族成分を有するためプライマー層なしでもポリカーボネート樹脂等から形成されている他の層と十分な接着性があるものと推定される。
【0095】
また本発明中の樹脂層には酸化防止剤を添加することにより、高温高湿時のカブリの発生や画像ボケを効果的に防止することができる。
【0096】
ここで、酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0097】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系)
・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリルジアミン系、ジアリルアミン系)
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類)
・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類)
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えばヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を含んでいるものでも良い。
【0098】
前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0099】
ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜20重量%が好ましい。0.01重量%未満だと高温高湿時のカブリや画像ボケに効果がなく、20重量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する。
【0100】
又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜20重量%が好ましい。
【0101】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)。
【0102】
ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が好ましい。
【0103】
【化14】
【0104】
(式中のR13は水素原子又は1価の有機基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。)
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0105】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0106】
有機リン化合物としては、例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0107】
有機硫黄系化合物としては、例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0108】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール系として「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2626」、「サノールLS765」、「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテル系として「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」が挙げられる。
【0109】
本発明のシロキサン系樹脂を含有した層を形成するには、通常溶剤にシロキサン系樹脂組成物を溶解して塗布により形成する。溶剤としてはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が使用される。
【0110】
本発明のシロキサン系樹脂の加熱乾燥・架橋硬化条件としては使用する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ60〜160℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、より好ましくは90〜120℃の範囲で30分〜2時間の加熱が好ましい。
【0111】
電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解の使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;ピリジンやジエチルアミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0112】
本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、塗布液をデイップ塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等を用いることができる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するためにスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッパーがその代表例である)を用いるのが好ましい。尚前記スプレー塗布については特開平3−90250号、同3−269238号にその記載があり、前記円形量規制型塗布については特開昭58−189061号に詳細が記載されている。
【0113】
画像形成装置
本発明の電子写真感光体は複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置に適用しえるものであるが、さらには電子写真技術を応用したデイスプレー、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用しえるものである。
【0114】
図1に本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の断面図を示す。
【0115】
図1において10は像担持体である感光体(ここではドラム状をなすので、以下感光体ドラムという)であり、感光層をドラム状に塗布し、その上に本発明のシロキサン系樹脂が塗設され、接地されて時計方向に駆動される。12はスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電により与える。この帯電器12による帯電に先立ち、前画像での履歴を除去するのに発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電を行っても良い。
【0116】
感光体ドラムへの一様な帯電の後、像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズを経て反射ミラー132によって光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0117】
その静電潜像は次いで現像器14により現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー、マゼンダ、シアン、ブラック等のトナー、キャリアからなる現像剤を内蔵した現像器14が配置されていて、先ず1色の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は例えばフェライトをコアとしてその回りに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを主材料にして色に応じた顔料、荷電制御剤、シリカ、酸化チタンを加えたトナーからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段によって、現像スリーブ141上に100〜600μmの厚みに規制されて現像域へと搬送され現像が行われる。この時、通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び交流のバイアスをかけて現像が行われる。
【0118】
カラー画像形成においては、1色目の顕像化が終わった後に2色目の画像形成工程に入り、再びスコロトロン帯電器12による一様な帯電が行われ、2色目の潜像形成が像露光器13により行われる。3、4色目の画像形成も2色目と同様に行われ、感光体ドラム10周面上に4色の顕像が形成される。一方、モノクロの電子写真装置では現像器14は単色トナー1種で構成され、1回の現像で画像形成する。
【0119】
記録紙Pは画像形成の後、転写のタイミングが整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へ給紙される。転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pを狭着して多色像が一括して転写される。
【0120】
次いで記録紙Pは転写ローラと圧接状態とされた分離器19によって除電され、感光体ドラム10周面より分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってトナーを溶着した後、排紙ローラ21を介して装置外へ排出される。尚前記転写ローラ18と分離器19は記録紙Pの通過後、感光体ドラム10周面より退避して次なるトナー像形成に備える。
【0121】
一方、記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10はクリーニング器22のクリーニングブレード221とクリーニングローラ222の圧接により残留トナーを除去・清掃して再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成に備える。尚感光体上にトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成する場合には、クリーニングブレード221とクリーニングローラ222はクリーニング後、直ちに感光体ドラム10周面より退避する。
【0122】
尚30は感光体、帯電器、転写器、分離器、クリーニング器を一体化して着脱可能に設定されたプロセスカートリッジである。
【0123】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能な構成にしても良い。又帯電器、現像器、像露光器、転写、分離器、クリーニング器の少なくとも一つを感光体と共に1体に支持してプロセスカートリッジを構成し、装置本体に対して着脱自在な単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段で着脱可能な構成にしても良い。
【0124】
像露光は複写機、プリンターとして使用する場合は原稿からの反射光又は透過光を感光体に照射することと或いはセンサーで原稿を読みとり信号化して、この信号に従ってレーザービームの照射、LEDアレイの駆動、液晶シャッタアレイの駆動を行い、感光体に光を照射することにより行われる。尚ファクシミリのプリンターの場合には像露光器は受信データをプリントするための露光を行うこととなる。
【0125】
又、本発明の電子写真感光体は前記したように硬度の高い表面樹脂層を有することができるので、感光体表面への傷ができにくい。このような特性は感光体の表面傷が筋状、ムラ状に画像上に発生しやすい反転現像のプロセスに対して著しい効果が現れる。
【0126】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。尚、本実施例中の部とは重量部を表す。
【0127】
実施例1
下記のごとくして感光体を作製した。
【0128】
直径80mmのドラム状アルミニウム製導電性基体(アルミニウムシリンダー)上に下記の下引き層塗布液を調製し、乾燥膜厚1.0μmとなるように塗布し、下引き層を形成した。
【0129】
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。
この塗布液を前記下引き層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0130】
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0131】
〈樹脂層〉
一方、メチルトリメトキシシラン490gとジメチルジメトキシシラン260gをブタノール3.0lに溶かし、これに3%酢酸水溶液400mlを加え、60℃で2時間加熱攪拌する。室温で一夜放置後、メタノールシリカゾル(濃度30% 日産化学)400gをこれに加え、さらに例示化合物(B−1)208gを加え、硬化触媒としてジブチルスズジラウリレート30gを添加し攪拌溶解させた組成物を作った。この組成物を先述の電荷輸送層の上に乾燥膜厚1μmの樹脂層として塗布し、120℃で1時間乾燥させ感光体1を作製した。
【0132】
実施例2
前記組成物中の例示化合物(B−1)を例示化合物(B−2)に代えた他は実施例1と同様にして感光体2を作製した。
【0133】
実施例3
前記組成物中のメタノールシリカゾルを除いた他は実施例1と同様にして感光体3を作製した。
【0134】
実施例4〜10
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに下記表1のように例示化合物(B−1)と例示化合物(B−2)又は例示化合物(B−7)との混合物を用いた他は、実施例1と同様にして感光体4〜10を作製した。
【0135】
【表1】
【0136】
実施例11
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに合成例(2)で得られた例示化合物(B−1)/例示化合物(B−2)=92/8重量%の混合物を用いた他は、実施例1と同様にして感光体11を作製した。
【0137】
実施例12
実施例11の組成物からコロイダルシリカを除いた他は、実施例11と同様にして感光体12を作製した。
【0138】
実施例13
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに例示化合物(W−6)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体13を作製した。
【0139】
実施例14
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに例示化合物(V−1)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体14を作製した。
【0140】
実施例15〜21
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに例示化合物(A−1)、(A−5)、(A−7)、(A−10)、(A−13)、(AN−1)、(AS−1)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体15〜21を作製した。
【0141】
実施例22
実施例15の組成物からコロイダルシリカを除いた他は、実施例15と同様にして感光体22を作製した。
【0142】
実施例23〜26
実施例15の組成物における例示化合物(A−1)の代わりに表2のように例示化合物(A−1)又は例示化合物(A−5)と例示化合物(A−13)との混合物を用いた他は、実施例15と同様にして感光体23〜26を作製した。
【0143】
【表2】
【0144】
比較例1
実施例1の組成物の例示化合物(B−1)を4,4′−(ジメトキシメチル)トリフェニルアミンに代えた他は実施例1と同様にして感光体27を作製した。
【0145】
比較例2
実施例1の組成物中の例示化合物(B−1)を抜いたほかは実施例1と同様にして感光体28を作製した。
【0146】
比較例3
実施例1の組成物中の例示化合物(B−1)の代わりに4−ヒドロキシメチルトリフェニルアミンを用いた他は実施例1と同様にして感光体29を作製した。
【0147】
比較例4
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに4−ヒドロキシメチルトリフェニルアミンを用いて、コロイダルシリカを除いた他は、実施例1と同様にして感光体30を作製した。
【0148】
比較例5
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに下記化合物(C−1)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体31を作製した。
【0149】
比較例6
実施例1の組成物における例示化合物(B−1)の代わりに下記化合物(C−2)を用いた他は、実施例1と同様にして感光体32を作製した。
【0150】
【化15】
【0151】
評価
画像評価
画像評価は前記感光体1〜32の各感光体をKonica7050(コニカ社製デジタル複写機:帯電極性:負、反転現像、780nm半導体レーザー光源)に搭載し、初期帯電電位−650Vに設定し、露光量を各感光体の感度に合わせて調整した評価機に搭載し複写画像の評価を行った。
【0152】
評価は画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像ををA4で1枚間欠モードで、10℃相対湿度20%(LL)、20℃相対湿度60%(NN)、および33℃相対湿度70%(HH)の3環境下において順次各5万枚、計15万枚の画像評価を行った。画像評価のサンプリングは1枚目及び1000枚毎に行った。
【0153】
評価は複写画像の画質特にカブリ、画像濃度、画像流れ、その他画像欠陥に着目し評価を行った。又、及び感光体表面の傷や膜剥がれを観察し、複写試験後の感光体の膜厚減耗量を測定した。
【0154】
*膜厚測定法
感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、複写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
【0155】
電位安定性の評価
前記感光体1〜32の各感光体を前記画像評価した時のスタート時と15万枚複写後の感光体電位特性の評価を行った。未露光部電位VH、露光部電位VL、残留電位Vrを測定した。
【0156】
上記評価結果を表3、表4、表5に示す。
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
【表5】
【0160】
表3、表4より本発明の感光体はシロキサン系樹脂層が電荷輸送能の働きを示しているだけでなく、膜全体の強度と疎水性の向上が顕著であることを事を示している。例えば膜強度に対しては比較例3のモノヒドロキシ化合物より実施例のジヒロドキシ化合物、ないしトリヒロドキシ化合物の方が優れていることは明らかである。又、表5より電位特性も本発明の感光体は比較例感光体に対して優れていることは明らかである。
【0161】
【発明の効果】
本発明から明らかなように、本発明の樹脂層を有する電子写真感光体は十分な強度を有し、各種環境条件の下でも電位特性が安定しており、しかも画像も良好であるなど、顕著に優れた表面特性を有する。即ち本発明の感光体を用いて画像形成を行うために、該感光体を画像形成装置に組み込んで画像形成する場合には、非常に良好な画像が得られ、又装置自体の耐久性も向上するなど、実用に適したものであることが容易に伺える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体)
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離器
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 プロセスカートリッジ
Claims (14)
- 少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体において、該樹脂を含有する層の少なくとも一層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と下記一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されていることを特徴とする電子写真感光体。
一般式(1)
A−(R1Z)k
式中、Aはその構造中に芳香環又は複素環を含む2価以上の基を表し、R1は炭素数1〜20の置換及び無置換のアルキレン基を表し、Zは水酸基、アミノ基、メルカプト基を表し、kは2〜10の整数を表す。 - 前記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2)である事を特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
一般式(2)
A−(CR2R3OH)k
式中、Aはその構造中に芳香環又は複素環を含む2価以上の基を表し、R2、R3は水素原子を表し、kは2〜10の整数を表す。 - 少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体において、該樹脂を含有する層の少なくとも一層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と下記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されていることを特徴とする電子写真感光体。
一般式(3)
B1−(R1Z)k
式中、B1は電荷輸送性化合物構造を含む2価以上の基を表し、R1は炭素数1〜20の置換及び無置換のアルキレン基を表し、Zは水酸基、アミノ基、メルカプト基を表し、kは2〜10の整数を表す。 - 前記一般式(3)が下記一般式(4)である事を特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
一般式(4)
B1−(CR2R3OH)k
式中、B1はAr1(Ar2)NAr3基を表す。ここでAr1,Ar2,Ar3は1価以上の脂肪族基又は1価以上の芳香族基を表し、R2、R3は水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基を表し、kは2〜10の整数を表す。 - 前記一般式(4)のAr1,Ar2,Ar3が1価以上の芳香族基である事を特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
- 前記一般式(1)〜(4)に於いて、kが2と、kが3以上の化合物の少なくとも1種を併用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物がコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物が縮合触媒を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記組成物が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記樹脂を含有する層が表面層であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 少なくとも複数の樹脂を含有する層を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂を含有する層の少なくとも1層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の少なくとも1つから形成された縮合物とから選ばれる少なくとも一方と前記一般式(1)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 少なくとも複数の樹脂層を有する電子写真感光体の製造方法において、該樹脂を含有する層の少なくとも1層が水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有機ケイ素化合物から形成された縮合物の少なくとも一方と前記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を塗布、乾燥して形成されることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの工程を有し、反転現像法によって現像を行う工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体を用い、少なくとも帯電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に使用するプロセスカートリッジが請求項1〜10のいずれか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、クリーニング器の少なくとも1つとを一体に組み合わせて有しており、且つ前記電子写真画像形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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