JP2001125296A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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JP2001125296A JP30678899A JP30678899A JP2001125296A JP 2001125296 A JP2001125296 A JP 2001125296A JP 30678899 A JP30678899 A JP 30678899A JP 30678899 A JP30678899 A JP 30678899A JP 2001125296 A JP2001125296 A JP 2001125296A
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Satoru Uchino
哲 内野
Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Takeo Oshiba
武雄 大柴
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は感光層との接着性が良好で、表面硬
度が高く、耐摩耗性、耐傷性が高く、繰り返し使用時の
電子写真特性が高温高湿下でも安定な、従って、良好な
画像が繰り返し得られる電子写真感光体(以下感光体と
も云う)及び該感光体の製造方法を提供する事にあり、
又、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真
画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するこ
とにある。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が電荷
輸送性能を有する構造単位を含み、且つ架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂、及び炭素に結合したアルコキシ基
を有する電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする
電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体(以
下、単に感光体とも云う)と、該感光体を用いた電子写
真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセス
カートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電物質
を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機
感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した
材料を開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択でき
ること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して
有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多
数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷が発生
することである。
【0003】一般にカールソン法の電子写真画像形成方
法においては、感光体は一様に帯電された後、露光によ
って画像様に電荷が消去され静電潜像が形成される。次
に前記感光体の静電潜像はトナーによって現像、可視化
され、次いでそのトナーは紙などに転写された後、感光
体はその上に残留するトナーをクリーニングブレード等
により除去され、必要により残留電荷の消去露光を受け
た後、次の画像形成に移る。
【0004】このように、電子写真感光体の表面は、帯
電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器などによ
り、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それ
らに対する耐久性が要求され、特に摺擦による感光体表
面の磨耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝
撃等による膜剥がれに対する耐久性については、無機感
光体並みの強度が強く求められている。
【0005】上記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで以下のことが検討されてきた。
【0006】硬化性シロキサン樹脂の表面層では耐摩耗
特性は改善されるが、シロキサン系樹脂は有機電子写真
感光体の感光層に用いられるバインダー樹脂との接着性
に劣り、表面層として使用した場合には、長期の繰り返
し使用によって受ける外力によるストレスにより感光層
からの剥がれが発生するといった問題がある。特に感光
体が紙との分離性を確保する目的で、分離爪の当接位置
に通常部より大きな外力がかかるため、特に膜剥がれが
発生し易く、当接位置での黒スジ故障の原因となる。
【0007】この問題に対して、感光層とシロキサン樹
脂層の間に接着層を設けるなどして接着性を改良するな
どの手段がとられてきた。しかしながら、接着層と感光
層、接着層とシロキサン系樹脂層の間の界面の電荷の注
入性に問題があり、接着性を確保しても十分な電気特性
が得られない問題があった。
【0008】又、シロキサン系樹脂を表面層に有する電
子写真感光体は高温高湿条件下において、カブリの発生
や画像ボケが発生しやすい傾向にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することの出来る表面硬度が高く、耐摩
耗性、耐傷性が高く、繰り返し使用時の電子写真特性が
高温高湿下でも安定な、従って、良好な画像が繰り返し
得られる電子写真感光体及び該感光体の製造方法を提供
する事にあり、又、該感光体を用いた電子写真画像形成
方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッ
ジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
解決のため鋭意努力した結果、種々のアルコール溶媒
下、有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合
物を含有する組成物を塗布、乾燥して感光体の表面樹脂
層とする事により、耐摩耗特性や電気特性を損なうこと
なく、接着性が著しく向上することを見出した。
【0011】一方、ケトン系溶媒下において、アルコー
ル溶媒と同様の実験を行ったところ、接着性の向上は確
認されなかった。しかしながら、ケトン系溶媒下におい
ても電荷輸送性化合物として炭素に結合したアルコキシ
基を有する電荷輸送性化合物を加えると、接着性が著し
く向上した。これらのことから、前記のアルコール溶媒
系では水酸基を有する電荷輸送性化合物がアルコールに
よりアルコキシ化され、これが樹脂層に含まれることに
より、接着性が向上することが明らかとなった。また、
この効果は他の溶媒下においても炭素に結合したアルコ
キシ基を有する電荷輸送性化合物を加えることにより、
同様な効果が認められた。これらの結果より、接着層を
用いることなく、良好な接着性を得ることが出来、電気
特性と接着性を同時に満足できる有機電子写真感光体の
実現が可能となった。
【0012】即ち、本発明の目的は以下の構成により達
成される。
【0013】1.導電性支持体上に少なくとも感光層、
樹脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が電
荷輸送性能を有する構造単位を含み、且つ架橋構造を有
するシロキサン系樹脂、及び炭素に結合したアルコキシ
基を有する電荷輸送性化合物を含有することを特徴とす
る電子写真感光体。
【0014】2.前記炭素に結合したアルコキシ基を有
する電荷輸送性化合物が1〜3個の水酸基を有すること
を特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
【0015】3.導電性支持体上に少なくとも感光層、
樹脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が炭
素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有す
る構造単位を含み、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0016】4.前記架橋構造を有するシロキサン系樹
脂が下記式で表される構造を含むシロキサン系樹脂であ
ることを特徴とする前記3記載の電子写真感光体。
【0017】
【化2】
【0018】(式中、Xは炭素に結合したアルコキシ基
を有する電荷輸送性能付与基であって、該付与基を構成
する炭素原子又は珪素原子を介して式中のYと結合する
基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以
上の原子又は基である。) 5.前記炭素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送
性能を有する構造単位がトリフェニルアミン骨格を有す
ることを特徴とする前記3又は4記載の電子写真感光
体。
【0019】6.導電性支持体上に少なくとも感光層、
樹脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が炭
素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有す
る構造単位を含み、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂、及び炭素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸
送性化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
体。
【0020】7.前記架橋構造を有するシロキサン系樹
脂が下記一般式(1)および(2)に示した2官能およ
び3官能の有機ケイ素化合物を用いて形成されたことを
特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真
感光体。
【0021】一般式(1) R12Si(Z)2 一般式(2) R3Si(Z)3 (式中のZは加水分解性基であり、メトキシ基、エトキ
シ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ
基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられ、同一ケイ
素原子に結合する複数のZは互いに同一の加水分解性基
でもよく、異なる加水分解性基でも良い。R1、R2、R
3はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基、ビニル基、アミノ基、γ−グリシドキシプロピ
ル基、γ−メタクリロオキシプロピル基、Cn2n+12
4−を表す。nは1〜5を表す。) 8.前記樹脂層がコロイダルシリカを含有することを特
徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感
光体。
【0022】9.前記樹脂層が、更に酸化防止剤を含有
することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載
の電子写真感光体。
【0023】10.前記樹脂層が電子写真感光体の表面
層であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に
記載の電子写真感光体。
【0024】11.前記1〜10の前記樹脂層が有機ケ
イ素化合物と少なくとも水酸基を有する電荷輸送性化合
物を含有するアルコール溶媒を単独または2種以上混合
した塗布液組成物を用いて形成されたことを特徴とする
電子写真感光体の製造方法。
【0025】12.前記1〜10の前記樹脂層が有機ケ
イ素化合物と少なくとも水酸基及びアルコキシ基を有す
る電荷輸送性化合物を含有する非アルコール溶媒を単独
または2種以上混合した塗布液組成物を用いて形成され
たことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0026】13.電子写真感光体上に、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
子写真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に前記
1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用い
ることを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0027】14.電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写
真画像形成装置に於いて、該電子写真感光体に前記1〜
10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いるこ
とを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0028】15.少なくとも帯電、像露光、現像、ク
リーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に用い
られるプロセスカートリッジが前記1〜10のいずれか
1項に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像
器、クリーニング器、のいずれか1つとを一体に組み合
わせて有しており、該電子写真画像形成装置に出し入れ
自由に設計されていることを特徴とするプロセスカート
リッジ。
【0029】以下、本発明について詳細に説明する。
【0030】本発明において、架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂中のシロキサン系樹脂は公知の方法により、
水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を
用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式
(3)で示される。
【0031】一般式(3) RnSi(Z)4-n (式中、Rは式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有
機基を表し、Zは水酸基又は加水分解性基を表す。nは
0〜3の整数) 上記一般式中のZは加水分解性基であり、メトキシ基、
エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルア
ミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
Rに示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキ
ル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のア
リール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ
−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピ
ルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピ
ル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の
含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メ
ルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロ
ピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等
の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリ
フロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオ
ロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シ
アノ置換アルキル基等を挙げることができる。Rnのn
が2又は3の時はこれら同一ケイ素原子に結合する複数
の有機基は互いに同一でも良く、異なっていても良い。
【0032】又、本発明のシロキサン系樹脂を製造する
に際し、前記一般式(3)で示される有機ケイ素化合物
を2種以上用いる場合はそれぞれの有機ケイ素化合物の
Rは同一でも良く、異なっていてもよい。
【0033】架橋構造を有するシロキサン系樹脂の原料
として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケ
イ素原子に結合している加水分解性基の数(4−n)の
nが3のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制
される。nが0、1又は2のときは高分子化反応が起こ
りやすく、特に1或いは0では高度に架橋反応を進める
ことが可能である。従って、これらをコントロールする
ことにより得られる塗布層液の保存性や塗布膜の硬度等
を制御することが出来る。
【0034】本発明の前記シロキサン系樹脂の原料とし
ては前記一般式(1)及び一般式(2)の化合物、若し
くはこれらの加水分解生成物を用いることが好ましい。
【0035】一般式(1) R12Si(Z)2 一般式(2) R3Si(Z)3 (式中のZは加水分解性基であり、メトキシ基、エトキ
シ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ
基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられ、同一ケイ
素原子に結合する複数のZは互いに同一の加水分解性基
でもよく、異なる加水分解性基でも良い。R1、R2、R
3はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリ
ール基、ビニル基、アミノ基、γ−グリシドキシプロピ
ル基、γ−メタクリロオキシプロピル基、Cn2n+12
4−を表す。nは1〜5を表す。) 特に前記一般式(1)の化合物1モルに対して前記一般
式(2)の化合物が0.1〜2.5モルであることが好
ましい。このような条件で本発明のシロキサン系樹脂層
を形成すると膜強度が強く、高耐久のシロキサン系樹脂
層が得られる。
【0036】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0037】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を意味する。
【0038】又、前記シロキサン系樹脂は該樹脂中に水
酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含
ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂
としてもよい。
【0039】本発明の前記樹脂層に炭素に結合したアル
コキシ基を有する電荷輸送性化合物を含有させる方法の
1つはアルコキシ基を有する電荷輸送性化合物を前記有
機ケイ素化合物と共に溶媒中に存在させ、この塗布液組
成物を塗布、乾燥することによって達成される。
【0040】又、本発明の前記樹脂層に炭素に結合した
アルコキシ基を有する電荷輸送性化合物を含有させる別
の方法は、水酸基を有する電荷輸送性化合物を前記有機
ケイ素化合物と共にアルコール溶媒中に存在させ、酸の
存在下に該アルコール塗布液組成物を塗布、乾燥するこ
とによって達成される。
【0041】本発明の炭素に結合したアルコキシ基を有
する電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構
造を有するシロキサン系樹脂とは前記アルコキシ基を有
する電荷輸送性化合物が該アルコキシ基以外に水酸基を
1個以上有していれば該水酸基と有機ケイ素化合物との
反応により該架橋構造を有するシロキサン系樹脂の構造
中にアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有する構造単
位を組み込むことができる。
【0042】一方、水酸基を有する電荷輸送性化合物を
前記有機ケイ素化合物と共にアルコール溶媒中に存在さ
せる塗布液組成物の塗布、乾燥を行う系では水酸基を有
する電荷輸送性化合物の該有機ケイ素化合物との反応と
水酸基を有する電荷輸送性化合物のアルコール溶媒中で
のアルコキシ化反応が同時に進行し、該電荷輸送性化合
物として水酸基を2個以上有する電荷輸送性化合物を用
いると前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂の構造中
にアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有する構造単位
を組み込むことができる。
【0043】又、上記樹脂層の中には前記アルコール塗
布液組成物の組成、塗布、乾燥条件により、前記架橋構
造を有するシロキサン系樹脂の構造中に組み込まれない
未反応の炭素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送
性化合物が残ることにもなる。
【0044】本発明における炭素に結合したアルコキシ
基を有する電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ
架橋構造を有するシロキサン系樹脂とは電子或いは正孔
のドリフト移動特性を有する炭素に結合したアルコキシ
基を有する化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単
位、又は電荷輸送性能付与基とも云う)をシロキサン系
樹脂中に化学構造として組み込ませた樹脂である。具体
的には本発明の炭素に結合したアルコキシ基を有する電
荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有
するシロキサン系樹脂とは一般的に電荷輸送物質として
用いられ、且つ炭素に結合したアルコキシ基を有してい
る化合物(以後アルコキシ基を有する電荷輸送性化合物
又はアルコキシ基を有するCTMとも云う)をシロキサ
ン系樹脂中に化学構造として有しているものである。
【0045】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
(=電荷輸送性能付与基)とは電子或いは正孔のドリフ
ト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−O
f−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公
知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる
構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現する
こともできる。
【0046】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により電荷輸送性能付与基を形成することの
できる電荷輸送性化合物について説明する。
【0047】例えば正孔輸送型CTMとしては、キサゾ
ール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、
イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミ
ダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラ
ゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベ
ンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベ
ンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニル
ピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造
を有する化合物。
【0048】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を有する
化合物。
【0049】本発明において、電荷輸送性能付与基は、
その化合物構造が炭素に結合したアルコキシ基を有する
ことの条件以外は前記の如き通常用いられる電荷輸送性
化合物の残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭
素原子又は珪素原子を介して下記式中のYで示される連
結原子又は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹
脂中に含有される。
【0050】
【化3】
【0051】(式中、Xは炭素に結合したアルコキシ基
を有する電荷輸送性能付与基であって、該付与基を構成
する炭素原子又は珪素原子を介して式中のYと結合する
基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以
上の原子又は基である。) 但し、Yが3価以上の原子の時は前記隣接する結合原子
SiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記シロキサ
ン系樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は
他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0052】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0053】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。) 電荷輸送性能付与基Xは上式中では1価の基として示さ
れているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性
化合物(以後反応性電荷輸送性化合物とも云う)が2つ
以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で
2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単に
ペンダント基として接合していてもよい。
【0054】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト
基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機
珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹
脂中に電荷輸送性能付与基を部分構造として取り込む連
結基である。
【0055】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0056】本発明のアルコール溶媒と共に用いられる
前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられ
る構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合
物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と
結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で
示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下
記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、
且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0057】X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0058】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する
炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、
アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく
用いられる。
【0059】
【化4】
【0060】
【化5】
【0061】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。
【0062】例示化合物T−1の合成
【0063】
【化6】
【0064】ステップA 温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっく
り冷却した。
【0065】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。
【0066】ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。
【0067】次に、ケトン溶媒等の非アルコール系溶媒
中で用いられる炭素原子に結合したアルコキシ基を有す
る電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
【0068】これらの中には水酸基を有する電荷輸送性
化合物の他に、下記一般式に示すメルカプト基やアミン
基を有する電荷輸送性化合物も用いることができる。
【0069】X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:炭素原子に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送
性能付与基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0070】X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:炭素原子に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送
性能付与基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0071】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0072】非アルコール溶媒中で好ましく用いられる
炭素原子に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送性化
合物の代表的なものを挙げれば下記のごときものがあ
る。
【0073】
【化7】
【0074】前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂の
形成原料:前記一般式(1)〜(3)(以下(1)〜
(3)という)の化合物総量(A)に対し、またコロイ
ダルシリカ(B)成分の添加量は(A)+(B)+
(C)成分の総質量100部に対し(B)を0.01〜
50質量部を用いることが好ましい。
【0075】また前記有機ケイ素化合物と反応して樹脂
層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物
(C)添加量は、前記(A)+(B)+(C)成分の総
質量100部に対し(C)を1〜500質量部を用いる
ことが好ましい。(A)成分が前記の範囲内の場合はシ
ロキサン系樹脂層は架橋密度が十分存在し、前記シロキ
サン系樹脂層の膜強度は強く、弾力性に富んでいる。
(B)成分のコロイダルシリカも前記の範囲内の場合は
シロキサン系樹脂層の膜強度は強く、クリーニングブレ
ードの摩擦による摩耗も少ない。一方、(C)成分が前
記の範囲内の場合は前記シロキサン系樹脂層の電荷輸送
能が十分に保持され、感度の低下、残電の上昇等が生じ
ない。
【0076】本発明に於ける電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は
予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリ
ゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結
合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加
水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を
促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網
目構造を形成する事もできる。
【0077】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有
する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成する
ことができる。
【0078】本発明のシロキサン系樹脂を含有する樹脂
層を形成するための溶媒としては前記したようにアルコ
ール系溶媒と非アルコール系溶媒が用いられるが、これ
らの溶媒として好ましい溶媒を下記に例示する。
【0079】アルコール系溶媒としては炭素数1〜4の
アルコール、即ちメタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、is
o−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノールが好ましく用いられる。
【0080】非アルコール系溶媒としてはエチルメチル
ケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン系の溶媒が好ましく用いられる。
【0081】前記アルコール系溶媒中で水酸基を有する
電荷輸送性化合物のアルコキシ化反応を促進するために
は酸触媒を用いることが好ましい。そのための酸触媒と
してはリン酸、酢酸、塩酸、硝酸、硫酸等の酸を用いる
のが好ましい。
【0082】前記酸触媒の溶媒組成物中への添加量はp
H3.0〜6.0に調整されたものを10〜40質量%
で添加することが好ましい。
【0083】また前記シロキサン樹脂の3次元網目構造
を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜
硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ
金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウ
ム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機
酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテ
ート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカ
プチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチル
チンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン
酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げ
られる。
【0084】また本発明中の樹脂層にはヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファ
イト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、
環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0085】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基が
アルコキシに変成されていても良い)。
【0086】又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造
式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0087】
【化8】
【0088】(式中のR51は水素原子又は1価の有機
基、R52、R53、R54、R55はアルキル基、R56は水素
原子、水酸基又は1価の有機基を示す。) ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤として
は、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)
記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定される
ものではない。
【0089】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0090】以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙
げる。
【0091】
【化9】
【0092】
【化10】
【0093】
【化11】
【0094】
【化12】
【0095】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール
系、「サノールLS2626」、「サノールLS76
5」、「サノールLS2626」、「サノールLS77
0」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、
「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マー
クLA67」、「マークLA62」、「マークLA6
8」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系、
「スミライザーTPS」、「スミライザーTP−D」以
上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPE
P−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP
−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」
以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒ
ンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が
好ましい。酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物の
総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いるこ
とが好ましい。
【0096】本発明の感光体の層構成はとくに限定は無
いが、負帯電感光体においては導電性支持体上には下引
層(UCL)、その上に機能分離した感光層の電荷発生
層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)を順に設けた上
に本発明の樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましい。
正帯電感光体では前記負帯電感光体層構成の内、電荷発
生層(CGL)と電荷輸送層(CTL層)の順を逆にし
た構成を取ることが好ましい。単層構造の感光体では導
電性支持体上には下引層(UCL)の上に感光層(電荷
発生+電荷輸送)の上に本発明の樹脂層を塗設した構成
を採用しても良い。
【0097】又、本発明の樹脂層は前記感光層を兼ねた
構成を取ることも可能である。即ち、前記機能分離感光
体の表面層が電荷輸送層或いは電荷発生層である場合、
該電荷輸送層或いは電荷発生層を本発明の樹脂層とする
事もできる。又、単層構造の感光体の感光層を本発明の
樹脂層としても良い。
【0098】本発明の樹脂層は該樹脂層の特徴を生かす
ため感光体の表面層として構成されるのが最も好ましい
が、該感光体を電子写真画像形成装置に組み込んだ時の
画像形成スタート時のスベリ特性等を改良する目的で該
樹脂層の上に更に表面層を設けることもできる。
【0099】本発明に於ける感光層に含有される電荷発
生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。
【0100】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0101】単層構成の感光層及び積層構成の場合の電
荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有され
るバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテ
ート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マ
レイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、
エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール
樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙
げられる。
【0102】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:10〜1
0:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下
が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0103】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は質量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0104】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0105】本発明のシロキサン系樹脂層は、樹脂層が
電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、
好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層
型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別
層の樹脂層として設けるのがよい。この場合、前記感光
層と本発明の樹脂層の間に接着層を設けても良い。
【0106】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0107】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0108】本発明に用いられる導電性支持体の粗面化
状態は、十点平均表面粗さRzで、0.3μmより大き
く、2.5μmを超えないものが好ましい。更に好まし
くは0.6μm以上2.0μm以下である。
【0109】十点平均表面粗さRzが0.3μm以下の
場合は、接着性が不十分であり、またレーザー光源を露
光光源に用いた時、画像でモアレが発生し実用的でな
い。またRzが2.5μmより大きい場合は、加工のス
ジが画像に現れるという問題が発生する。
【0110】導電性支持体の粗面化の方法としては、ア
ルミニウム等の金属素管の場合は、金属表面を鏡面研磨
した後、ダイヤモンドバイト等で細かく溝を付ける方法
や、サンドブラストにより金属素管表面を粗面化する方
法などが好ましいが本発明はこれらの方法に限定される
ものではない。
【0111】また、支持体の形状はドラム状でもシート
状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適
した形状であることが好ましい。
【0112】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0113】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の樹脂層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、
前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−1
89061号公報に詳細に記載されている。
【0114】本発明の感光体は前記樹脂層が塗布形成さ
れた後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度
で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹脂層を十分に
硬化させることができる。
【0115】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ま
しい。
【0116】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0117】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0118】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0119】図1は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0120】図1に於いて10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0121】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0122】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14
が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内
蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によ
って行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとし
てそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0123】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0124】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0125】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0126】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0127】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0128】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0129】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0130】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0131】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0132】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0133】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0134】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0135】(1)感光体1の作製 下記のごとくして感光体を作製した。
【0136】 〈下引き層〉 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503:信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml この下引き層を乾燥膜厚0.5μmとなるように塗布し
た。
【0137】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−41−1211MP:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。
【0138】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン) 200g ポリカーボネート(TS−2050:帝人化成社製) 300g ジクロロメタン 2000g を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0139】 〈樹脂層〉 メチルトリメトキシシラン 59g ジメトキシジメチルシラン 32g 化合物(T−1) 26g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 1.3g t−ブタノール 72g エタノール 47g 3%酢酸 21g コロイダルシリカ(メタノールシリカゾル、30%メタノール溶液: 日産化学社製) 50g アルミニウムキレート(アルミキレートA(W):川研ケミカル社製) 1g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥
膜厚2.5μmの樹脂層を形成し、110℃、1時間の
加熱硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層
を形成し、感光体1を作製した。
【0140】(2)感光体2の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをエ
タノールに代えた他は感光体1の作製と同様にして感光
体2を作製した。
【0141】(3)感光体3の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをi
so−プロパノールに代えた他は感光体1の作製と同様
にして感光体3を作製した。
【0142】(4)感光体4の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをn
−ブタノールに代えた他は感光体1の作製と同様にして
感光体4を作製した。
【0143】(5)感光体5の作製 感光体1の作製において、コロイダルシリカをメタノー
ルシリカゾルからMEK−ST(30%メチルエチルケ
トン溶液:日産化学)に代えた他は感光体1の作製と同
様にして感光体5を作製した。
【0144】(6)感光体6の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをエ
タノールに、コロイダルシリカをメタノールシリカゾル
からMEK−ST(30%メチルエチルケトン溶液:日
産化学)に代えた他は感光体1の作製と同様にして感光
体6を作製した。
【0145】(7)感光体7の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをi
so−プロパノールに、コロイダルシリカをメタノール
シリカゾルからMEK−ST(30%メチルエチルケト
ン溶液:日産化学)に代えた他は感光体1の作製と同様
にして感光体7を作製した。
【0146】(8)感光体8の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノールをn
−ブタノールに、コロイダルシリカをメタノールシリカ
ゾルからMEK−ST(30%メチルエチルケトン溶
液:日産化学)に代えた他は感光体1の作製と同様にし
て感光体8を作製した。
【0147】(9)感光体9の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをエチルメチルケトンに、コロイダルシリカ
をメタノールシリカゾルからMEK−ST(30%メチ
ルエチルケトン溶液:日産化学)に代え、化合物(T−
1)の炭素に結合したアルコキシ基を有する化合物の混
合物(T−2〜T−4)1gを加え、その他は感光体1
の作製と同様にして感光体9を作製した。
【0148】(10)感光体10の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをメチルイソプロピルケトンに、コロイダル
シリカをメタノールシリカゾルからMEK−ST(30
%メチルエチルケトン溶液:日産化学)に代え、化合物
(T−1)の炭素に結合したアルコキシ基を有する化合
物の混合物(T−2〜T−4)1gを加え、その他は感
光体1の作製と同様にして感光体10を作製した。
【0149】(11)感光体11の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをメチルイソブチルケトンに、コロイダルシ
リカをメタノールシリカゾルからMEK−ST(30%
メチルエチルケトン溶液:日産化学)に代え、化合物
(T−1)の炭素に結合したアルコキシ基を有する化合
物の混合物(T−2〜T−3)1gを加え、その他は感
光体1の作製と同様にして感光体11を作製した。
【0150】(12)感光体12の作製 感光体1の作製において、コロイダルシリカを加えず、
その他は感光体1の作製と同様にして感光体12を作製
した。
【0151】(13)感光体13の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをn−ペンタノールに代え、その他は感光体
1の作製と同様にして感光体13を作製した。
【0152】(14)感光体14の作製 感光体1の作製において、酸化防止剤を加えず、その他
は感光体1の作製と同様にして感光体14を作製した。
【0153】(15)感光体15の作製 感光体1の作製において、ジメトキシジメチルシランの
代わりにメチルトリメトキシシランを36g加え、その
他は感光体1の作製と同様にして感光体15を作製し
た。
【0154】(16)感光体16の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをエチルメチルケトンに、コロイダルシリカ
をメタノールシリカゾルからMEK−ST(30%メチ
ルエチルケトン溶液:日産化学)に代えた他は感光体1
の作製と同様にして感光体16を作製した。
【0155】(17)感光体17の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをメチルイソプロピルケトンに、コロイダル
シリカをメタノールシリカゾルからMEK−ST(30
%メチルエチルケトン溶液:日産化学)に代えた他は感
光体1の作製と同様にして感光体17を作製した。
【0156】(18)感光体18の作製 感光体1の作製において、樹脂層のt−ブタノール及び
エタノールをメチルイソブチルケトンに、コロイダルシ
リカをメタノールシリカゾルからMEK−ST(30%
メチルエチルケトン溶液:日産化学)に代えた他は感光
体1の作製と同様にして感光体18を作製した。
【0157】〈評価〉 1.電位評価/実写評価 評価は本感光体をコニカ社製デジタル複写機Konic
a7060(レーザー露光、反転現像、爪分離、ブレー
ドクリーニングプロセスを有する)を改造し、露光量を
適正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−750V
に設定し、高温高湿環境(HH:38℃、80%)で3
万の連続コピー後、1時間休止し、続いての低温低湿環
境(LL:10℃、20%)で3万の連続コピー実写評
価を行った。
【0158】評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔
写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分に
あるオリジナル画像をA4で複写を行い、1000枚毎
にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を評価した。
画像濃度はベタ黒画像の濃度をマクベス社製RD−91
8を使用し絶対反射濃度で測定した。カブリについては
ベタ白画像を使用し目視で確認した。また、現像ボケの
有無も目視で評価を行った。
【0159】 画像濃度 ◎:1.2以上:良好 :1.2未満〜0.8:実用上問題ないレベル ×:0.8未満:実用上問題となるレベル 画像ボケの発生 ◎:6万枚中5枚以下の発生 ○:6万枚中6枚〜20枚の発生 ×:6万枚中20枚以上の発生 膜剥がれ、傷の発生はコピー画像の黒筋、白筋の発生と
感光体表面の傷観察とを対応させて評価した。
【0160】 ◎:6万枚の1枚も黒筋、白筋の発生無し ○:6万枚中1枚〜10枚の黒筋又は白筋発生 ×:6万枚中10枚以上の黒筋又は白筋発生。
【0161】2.接着性評価 評価は感光体上に1mm角の碁盤目を形成し、100個
の碁盤目のうち粘着テープの剥離により除去される碁盤
目の数を数えて接着性の指標とした。
【0162】上記評価結果を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】表1から明らかなように、炭素に結合した
アルコキシ基を有する電荷輸送性化合物、あるいは該電
荷輸送性構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹
脂層は、そのアルコキシ体の発生方法に関わらず高い接
着性を示し、高い耐傷性を有するのに対し、本発明外の
ものでは膜剥がれや表面の傷による黒筋、白筋の画像欠
陥が発生し、本発明の効果が顕著に示されている。
【0165】
【発明の効果】実施例から明らかなように、本発明は高
温高湿と低温低湿条件下のそれぞれに於いて、それぞれ
3万コピーの耐久試験に於いてもシロキサン系樹脂層が
良好な接着性を示し、連続して画像欠陥のない良好な画
像が得られている。一方本発明の条件から外れたシロキ
サン系樹脂層では感光層への接着性と共に画像評価に於
いても、耐久性が十分でなく、厳しい環境条件下では長
期の使用に対し効果を持続できないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置
の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 プロセスカートリッジ
フロントページの続き (72)発明者 伊丹 明彦 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 BA12 BA57 BA58 BA60 BB33 BB44 BB57 CA06 EA12 EA14 FA27

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が電荷
    輸送性能を有する構造単位を含み、且つ架橋構造を有す
    るシロキサン系樹脂、及び炭素に結合したアルコキシ基
    を有する電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする
    電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記炭素に結合したアルコキシ基を有す
    る電荷輸送性化合物が1〜3個の水酸基を有することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が炭素
    に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有する
    構造単位を含み、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
    脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂
    が下記式で表される構造を含むシロキサン系樹脂である
    ことを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。 【化1】 (式中、Xは炭素に結合したアルコキシ基を有する電荷
    輸送性能付与基であって、該付与基を構成する炭素原子
    又は珪素原子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接
    する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は
    基である。)
  5. 【請求項5】 前記炭素に結合したアルコキシ基を有す
    る電荷輸送性能を有する構造単位がトリフェニルアミン
    骨格を有することを特徴とする請求項3又は4記載の電
    子写真感光体。
  6. 【請求項6】 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹
    脂層を有する電子写真感光体において、該樹脂層が炭素
    に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送性能を有する
    構造単位を含み、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹
    脂、及び炭素に結合したアルコキシ基を有する電荷輸送
    性化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂
    が下記一般式(1)および(2)に示した2官能および
    3官能の有機ケイ素化合物を用いて形成されたことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真
    感光体。 一般式(1) R12Si(Z)2 一般式(2) R3Si(Z)3 (式中のZは加水分解性基であり、メトキシ基、エトキ
    シ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ
    基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブ
    トキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられ、同一ケイ
    素原子に結合する複数のZは互いに同一の加水分解性基
    でもよく、異なる加水分解性基でも良い。R1、R2、R
    3はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、ビニル基、アミノ基、γ−グリシドキシプロピ
    ル基、γ−メタクリロオキシプロピル基、Cn2n+12
    4−を表す。nは1〜5を表す。)
  8. 【請求項8】 前記樹脂層がコロイダルシリカを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記樹脂層が、更に酸化防止剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載
    の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記樹脂層が電子写真感光体の表面層
    であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に
    記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の前記樹脂層が有機ケ
    イ素化合物と少なくとも水酸基を有する電荷輸送性化合
    物を含有するアルコール溶媒を単独または2種以上混合
    した塗布液組成物を用いて形成されたことを特徴とする
    電子写真感光体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10の前記樹脂層が有機ケ
    イ素化合物と少なくとも水酸基及びアルコキシ基を有す
    る電荷輸送性化合物を含有する非アルコール溶媒を単独
    または2種以上混合した塗布液組成物を用いて形成され
    たことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  13. 【請求項13】 電子写真感光体上に、少なくとも帯
    電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
    子写真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用
    いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  14. 【請求項14】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画
    像形成装置に於いて、該電子写真感光体に請求項1〜1
    0のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いること
    を特徴とする電子写真画像形成装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも帯電、像露光、現像、クリ
    ーニングの手段を有する電子写真画像形成装置に用いら
    れるプロセスカートリッジが請求項1〜10のいずれか
    1項に記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像
    器、クリーニング器、のいずれか1つとを一体に組み合
    わせて有しており、該電子写真画像形成装置に出し入れ
    自由に設計されていることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
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