JP2006178413A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的はカウンター現像方式で発生しやすいカブリや先端部濃度低下に基づく画像ムラの発生を防止して、画像濃度が高く、色再現性が良好な電子写真画像を作製できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる画像形成方法及び画像形成装置に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
電子写真用の感光体はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機感光体(以下、単に感光体とも云う)が開発されている。
近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異なる材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となっており、例えば、導電性支持体上に表面層に無機粒子を含有する感光体が広く用いられている(特許文献1)。
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
又、デジタル方式の画像形成方法では、オリジナルのプリント画像を作製する機会が増大し、高画質への要求が高まっいる。該電子写真画像の高画質化のために、有機感光体上にスポット径が小さい露光光源を用いて微細な潜像形成を行い、微細なドット画像をトナー画像に形成する技術が開発されている。
即ち、有機感光体上の潜像の現像方法としては、有機感光体に対設した現像スリーブを現像領域で、有機感光体の進行方向と平行に進行させる現像方式(以後、パラレル現像方式)と、カウンター方向に進行させる現像方式(以後、カウンター現像方式)が知られている(特許文献2)が、両者共、高密度のドット画像を形成するに際し、課題を十分に解決し得ていない。
前記、有機感光体に対設した現像スリーブを有機感光体の進行方向と平行に進行させるパラレル現像方式では、高濃度の画像の周辺の現像性が劣化し、濃度不足になりやすく、コントラストが高い写真画像等で、画質が劣化しやすい。
一方、カウンター方向に進行させる現像方式では、現像性が高く、高濃度のドット画像を形成できるが、しばしば、カブリが発生したり、先端部に濃度不足が発生しやすい。
上記のような現象は、単に現像剤の改善のみでは、十分に解決されず、有機感光体の特性によっても、これらの現象が強調されたり、改善されたりすることが見出されている。
即ち、有機感光体上に形成される静電潜像のコントラストや、有機感光体と現像剤の摩擦による逆帯電トナーの生成等にも関連していると推測される。
即ち、カウンター現像方式では、感光体とトナーの接触摩擦により、逆帯電性のトナーが生成しやすく、その結果、カブリやトナー飛散が発生したり、先端部濃度低下が発生したりしやすく、高精細の静電潜像をトナー画像として再現できない。従来、粒度分布を狭くした重合トナーを現像手段に用いることが提案されている(特許文献3)。しかしながら、ここで提案された粒度分布のトナーでは、カウンター現像方式では、逆帯電性トナーの発生を十分に抑制できず、高精細の静電潜像をトナー画像として再現できていないことが見いだされた。
又、トナーの遮蔽効果を大きくし、高濃度の画像を得ることを目的として、形状を扁平にしたトナーが知られている(特許文献4)。しかしながら、この扁平形状のトナーはキャリアとの付着性が高く、現像性が劣化しやすく、必ずしも高濃度画像を得ることができなかった。
特開平8−262752号公報 特開2001−125435号公報 特開2002−244336号公報 特開2003−29444号公報
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決して、即ち、カウンター現像方式で発生しやすい問題点を解決し、高精細のデジタル画像を安定して形成する画像形成方法に関するものであり、更に詳しくは、カウンター現像方式で発生しやすいカブリやトナー飛散を防止し、先端部濃度低下に基づく画像ムラの発生を防止して、画像濃度が高く、色再現性が良好な電子写真画像を作製できる画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明の上記のような課題、即ち、カウンター現像方式で発生しやすいカブリの発生やトナー飛散を防止し、部分的な濃度不足を解消し、均一で高精細の電子写真画像を得るために、現像剤の構成、有機感光体の構成及び現像方式との関連を検討した結果、現像性が優れたカウンター方式でのカブリの発生やトナー飛散を防止し、画像先端部の濃度不良を防止するためには、現像剤に用いるトナーに扁平トナーを採用し、表面層に無機粒子を含有する有機感光体と併用することが効果的であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下のような構成を有することにより達成される。
1.有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする画像形成方法。
2.有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする画像形成方法。
3.前記無機粒子の平均一次粒径が3〜150nmであることを特徴とする前記1又は2に記載の画像形成方法。
4.前記無機粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
5.前記金属酸化物がシリカ、アルミナ又はチタニアのいずれが一種であることを特徴とする前記4に記載の画像形成方法。
6.前記無機粒子が表面処理を施されていることを特徴とする前記4又は5に記載の画像形成方法。
7.前記有機感光体は導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型有機感光体であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
8.前記表面層が酸化防止剤を含むことを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
9.前記扁平トナーが重合トナーに扁平化処理を施して作製されたトナーであることを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
10.前記有機感光体と現像スリーブ間の現像ギャップ(Dsd)が0.2〜0.6mmであることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
11.前記有機感光体と現像スリーブ間の現像領域における磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd)が0.0〜0.8mmであることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
12.前記現像スリーブと有機感光体の周速比(Vs/Vopc)が1.2〜3.0であることを特徴とする前記1〜11に記載の画像形成方法。
13.有機感光体の表面電位V0と現像スリーブに付加される現像バイアスの直流成分Vdcの差│V0−Vdc│が100〜300V、該現像バイアスの直流成分Vdcが−300V〜−650V、該現像バイアスの交流成分Vacが0.5〜1.5kV、周波数3〜9kHz且つDuty45〜70%、矩形波であることを特徴とする前記10〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
14.前記1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いられることを特徴とする画像形成装置。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置を用いることにより、カウンター現像方式で発生しやすいカブリの発生や先端部の濃度不良を防止でき、色再現性が良好な電子写真画像を提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする。
又、本発明の画像形成方法は、円筒状の有機感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含有する現像剤を担持した円筒状の現像スリーブを有機感光体に接触配設し、該静電潜像をトナー画像に顕像化させる現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする。
本発明の画像形成方法は上記構成を有することにより、カウンター現像方式により発生しやすい、カブリの発生や先端部の濃度不良を防止でき、高画質のデジタル画像或いはカラー画像を提供することができる。
本発明の画像形成方法に用いられる扁平トナーは、重合法で製造される重合トナーを用いるのが良い。粉砕法の場合例えばスプレードライの如き熱処理を必要とする。重合トナーとは、トナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
本発明に係わる扁平トナーは、数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させた2次粒子を、加熱状態で加圧された隘路を循環させて扁平化処理を行い、製造することが出来る。
本発明に係わる扁平トナーの投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dは3.0〜8.0μmである。より好ましくは3.5〜7.0μmである。3.0μmより小さいと逆帯電性トナーが増加し、トナー飛散が発生しやすく、先端部濃度低下の発生が起きやすい。又、8.0μmより大きいと画像濃度の低下が発生しやすい。
本発明に係わる扁平トナーは、扁平トナーの平均厚さtと投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0であり、好ましくは2.2〜4.5が良い。
実際、このような扁平トナーを使用すると、電子写真法によりカラートナーを重ね合わせてカラー画像(印字率25%)を形成した場合、A−4版プリント1枚当たりのトナー消費量は多くても40mg、通常10〜30mgと顕著に少なくても高濃度の画像が得られ、トナー散りが無い高画質の画像を形成することが出来る。
扁平トナーの扁平度d/tが2.0未満であると感光体との接触摩擦により逆帯電性トナーが発生しやすく、画像濃度の低下や、先端部濃度低下が発生しやすい。5.0より大きいとキャリアとの付着性が低下し、トナー飛散を発生しやすい。
扁平トナーを上記の形状とすることにより、扁平トナーを用いて現像を行い像形成体(感光体)上に像形成を行うと、像形成体上の扁平トナーは扁平トナーの扁平部を像形成体上に向けて、より層状に付着するようになる。又、扁平トナーは像形成体上から中間転写体又は転写材へ転写時、或いは中間転写体から転写材へ転写時も、扁平トナーの扁平部を中間転写体上或いは転写材上に向けて層状に付着している。
扁平トナーの表面帯電状態は、略均一に帯電されており、この為、像形成体と扁平トナー端部とよりも扁平トナーの扁平な部分とのクーロン力が高くなるため、偏平部を付着させることになると考えられる。この様にして像形成体上、中間転写材上或いは転写材上に扁平トナーはその端部を寝かせて横方向に並び、扁平面どうしで重なりやすく層状になり、移動によっても安定したトナー画像が保たれると推定される。
(扁平トナーの厚さ、粒径の測定)
本発明の扁平トナーとは、板状のトナーであり、形状は楕円形状でも、三角形状でもよいが、後に記す扁平化処理を行なうと、楕円形状になることが多い。図7は本発明に関わる扁平トナーの一例を示す模式図であり、本発明にかかわる扁平トナーの円相当径dを図7を用いて説明する。扁平トナーの平面図及び側面図を図7に示したが、ここで、P1は本発明にかかわる扁平トナーを投影面積が最大となる方向から見た時の形状を表し、P2は該投影面積P1と同面積の円を表す。本発明にかかわる扁平トナーの円相当径dは該円P2の径(円相当径)を表し、tは該扁平トナーの上記投影方向に対して垂直な方向から見たときの最大厚みを表す。
扁平トナーの投影面積及び厚さは超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500((株)キーエンス)を用いて、ランダムに選択した30個のトナーを測定し、図7に示したように個々のトナー粒子の円相当径及び厚さ(最大高さ)を算出し、それらの算術平均を円相当径d及び厚さtとする。
本発明に係わる扁平トナーは重合法で作製することができる。懸濁重合法や、乳化重合法で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて2次粒子を作製し、その後有機溶媒、凝集剤及び重合触媒等を添加して重合を行い、重合率が80%まで進んだ溶液を、加熱された状態で加圧された隘路を循環させて粒子形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を完了させることにより製造することが出来る。
塩析/融着とは、重合工程によって生成された樹脂微粒子を凝集剤により塩析させ、余分な分散剤、界面活性剤等を除却すると同時に加熱融着により樹脂粒子の大きさを調整することを云う。
扁平化処理は、重合が100%完了してから行っても良いが、重合が80%まで進んた状態で行った方が形状が均一になりより好ましい。
塩析/融着の際に、樹脂粒子にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて行うことが出来る。
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された液を分散安定剤を含有した水系媒体中でホモミキサーやホモジナイザー等を使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌翼の有る撹拌機構付きの反応装置へ移し、加熱することで重合反応を80%まで進行させる。その後加熱された状態で加圧された隘路を循環させ形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を進め、重合を完了させる。重合完了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明に係わる扁平トナーを製造することが出来る。
図1は撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す斜視図である。図1において、撹拌槽の外周部に熱交換用のジャケット401を装着した縦型円筒状の撹拌槽402内の中心部に回転軸403を垂設し、該回転軸403に撹拌槽402の底面に近接させて配設された下段の撹拌翼404と、より上段に配設された撹拌翼405がある。上段の撹拌翼405は、下段に位置する撹拌翼404に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。交差角αは90度未満であることが好ましい。この交差角の下限は特に限定されるものでは無いが、5度以上、好ましくは10度以上あればよい。
重合法で作製する樹脂粒子の重合性単量体として使用されるものとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。これらの中でビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することが出来る。
又、重合法で作製する樹脂粒子の重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも出来る。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することが出来る。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることが出来る。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等の過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤等を挙げることが出来る。
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが出来る。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることが出来る。
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることが出来る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することが出来る。
本発明において優れた樹脂粒子としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することが出来る。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
本発明に係わる扁平トナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することも出来る。
本発明に係わる扁平トナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することが出来る。
カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることが出来る。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることが出来る。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることが出来る。上記染料及び顔料は単独或いは混合して用いることが出来る。着色剤の数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nmが好ましい。
着色剤の添加方法としては、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合して着色粒子とする方法等を用いることが出来る。尚、着色剤は重合体を作製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することが出来るものを使用することが出来る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均1次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
又、本発明に係わる扁平トナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子等の微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することが出来る。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することが出来るため、その効果が顕著にでるものと推定される。
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、扁平トナー中に0.1〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
塩析/融着させた2次粒子の扁平化は、アニュラー型連続湿式撹拌ミル、ピストン型高圧式均質化機或いはインラインスクリュウポンプ等で行うことが出来る。
図2はアニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例を示す要部断面図である。アニュラー型連続湿式撹拌ミルは、既に知られているミルの1種で、断面三角形のアニュラー型(環状)のステータ501内にほぼ同じ形状を有するロータ502が回転し、このステータ501とロータ502との間の幅の狭い間隙、即ち、破砕帯503にメディア504が充填されていて、ミルに供給される80%まで重合が進んだ2次粒子を含む溶液に機械的な衝撃力を与え、2次粒子の形状を扁平化する。前記溶液は、ミルの供給口505からポンプにてW型断面の前記破砕帯503を一巡し、上部のキャップセパレータ506でメディア504と分離されて、出口507から排出される。又、扁平化処理中の溶液の温度制御は、温水508をステータとロータに循環させることにより行われる。メディア504は、遠心力によって、W型の粉砕帯を順次に移動し、再度、入り口まで戻って循環する。粒子への圧力は加圧された隘路を循環することで粉砕帯の壁或いはメディアにより加えられる。メディアとしては、通常、0.5〜3mm径のジルコン、ガラス及びスチール等が用いられる。
かかるアニュラー型連続式湿式撹拌ミルを用いる2次粒子を含む溶液の扁平化処理温度は、2次粒子の樹脂のガラス転移点(Tg)の−5℃〜+40℃が好ましく、0℃〜+30℃がより好ましく、さらに好ましくは+10〜+30℃である。ガラス転移点よりも5℃以上低い温度で処理すると、重合体粒子の破砕が起こり、目的とする扁平化を行うことが困難となり好ましくない。他方、ガラス転移点よりも40℃以上高い温度で処理すると、2次粒子が相互に融着し、凝集塊を生じるとともに、扁平化された重合体粒子がその表面張力によって、再び、真球化するので、扁平化を効率よく行えず好ましくない。
〈現像剤〉
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径(本発明では体積基準のメディアン径D50を意味する)は15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積基準のメディアン径D50の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明に係わる有機感光体について記載する。本発明に用いられる有機感光体は、円筒状の導電性支持体上にバインダー樹脂中に数平均一次粒径3〜200nmの無機粒子を含有する中間層を介して感光層(単層の感光層や電荷発生層と電荷輸送層を有する感光層も含む)を有することが好ましい。
有機感光体が上記のような構成を有することにより、カウンター現像方式により発生しやすい、カブリの発生や先端部の濃度不良を防止でき、高画質のデジタル画像或いはカラー画像を提供することができる。
以下、本発明に係わる有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
扁平トナーはキャリアや現像スリーブとの付着性が高く、現像性が劣化しやすいが、カウンター現像方式を適用することにより、現像性が改善され、扁平トナーの面積遮蔽効果との相乗効果により、十分な画像濃度を達成できるが、その反面、現像スリーブ上の扁平トナーは、感光体との接触摩擦により逆帯電性トナーを発生させやすく、カブリや先端部濃度低下を発生させやすい。
本発明に係わる感光体の表面層には無機粒子を含有させる。表面層に無機粒子を含有させることにより、カウンター現像方式で発生しやすい感光体と扁平トナーとの接触摩擦を減少させ、逆帯電性のトナーの発生を少なくすることにより、カブリや先端濃度むら等による先端部濃度低下を防止でき、トナー飛散等も防止でき、高濃度で且つ色再現性のよい電子写真画像を形成することができる。
本発明に係わる有機感光体の表面層とは、空気界面と接する表面層を意味し、表面層が保護層であれ、電荷輸送層であれ、その機能を問わない。
即ち、感光体の表面層としては、表面層が電荷輸送層であったり、電荷輸送層の上に表面保護層を形成した構成であってもよい。
表面層の含有される無機粒子の材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
本発明で用いる無機粒子としては1010Ωcm以上という高い抵抗を有することが好ましい。このような無機粒子を用いることで、潜像担持体の最表層の低抵抗化が抑えられ、上記異常画像の発生を大幅に抑制することができる。
これらの無機粒子の中で、特に、シリカ、酸化チタン、アルミナが有効に使用できる。また、これらの無機粒子は他の金属酸化物無機粒子に比べ価格が安く入手も容易なため、潜像担持体の製造コスト低減を図ることが可能となる。
その中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方最密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。このような無機粒子は単独もしくは2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に係わる無機粒子は分散性向上と電子写真特性の安定性から表面処理したものが好ましい。例えば、有機溶剤や水に対して反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に無機粒子を添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した無機粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して無機粒子を分散させた懸濁液に反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電気性能を悪化させる結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
反応性有機ケイ素化合物の例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、無機粒子表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(1)
(R1n−Si−(X14-n
(式中、Siはケイ素原子、R1は該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、X1は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、R1で示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、X1の加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR1は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のX1は同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R1及びX1はそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキサン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いると良好な効果が得られる。
本発明に係わる無機粒子の表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された無機粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理は、前記した湿式法で行うのが好ましい。
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の無機粒子を添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、無機粒子表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して無機粒子を分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
前記無機粒子の表面処理に用いられる他の具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコキシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレート化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属アルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
これらの無機粒子は、電荷輸送物質や結着樹脂、溶媒等とともに適当な分散機を用いることにより分散できる。また、無機粒子の平均一次粒径(=数平均一次粒径)は、好ましくは、3nm〜150nm、更に好ましくは5nm〜100nmである。
数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
無機粒子の数平均一次粒径が3nmよりも小さすぎると耐摩耗性が不十分となる場合がある。一方、数無機粒子の平均一次粒径が150nmよりも大きすぎると潜像担持体に照射される光書き込み光が該無機粒子で散乱して透過率が低下し、画像ボケや文字太りが生じてしまうことがある。
表面層中の無機粒子の含有量は使用する無機粒子種により、また感光体を使用する電子写真プロセス条件によっても異なるが、5〜60質量%が好ましい。また、これらの無機粒子を電荷輸送層全体に含有させることも可能であるが、露光部電位が高くなるような場合があるため、電荷輸送層の最表面側が最も無機粒子の含有率が高く、導電性支持体側が低くなるように無機粒子含有量に濃度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、導電性支持体側から表面側に向かい、無機粒子の濃度が順次高くしたりするような構成にすることが好ましい。
また、保護層を表面層とする場合は、保護層に電荷輸送物質を含有させることも感光体の電気特性、特に繰り返し使用時の光感度劣化、残留電位の上昇を抑制するのに非常に有用である。これは、保護層にも電荷輸送性を持たせることで、感光体表面までスムーズに電荷が移動できるようになるためである。かかる電荷輸送性物質としては、後に記す電荷輸送層で用いられる電荷輸送性物質を用いることができる。
本発明に係わる感光体の構成は、導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成が好ましい。更に、導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることが好ましく、また、必要により、感光層上にさらに表面保護層を形成した構成にしてもよい。
以下に本発明に係わる有機感光体の層構成の好ましい具体例について記載する。
導電性支持体
本発明に係わる感光体に用いられる導電性支持体としては円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明に係わる円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。
この円筒度とは、JIS規格(B0621−1984)による。即ち、円筒基体を2つの同軸の幾何学的円筒で挟んだとき、同軸2円筒の間隔が最小となる位置の半径の差で表し、本発明では該半径の差をμmで表す。円筒度の測定方法は円筒状基体の両端10mmの2点、中心部、両端と中心部の間を3等分した点の4点、計7点の真円度を測定し求める。測定器は非接触万能ロール径測定機((株)ミツトヨ製)を用いて測定できる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
又、本発明に係わる有機感光体においては、円筒状支持体の外径が20〜80mmの場合に硬化が大きい。外径が20〜80mmの円筒状支持体の場合、画像形成プロセスでの感光体の表面線速が高速になりやすく、カウンター現像方式で、先端部濃度低下やカブリが発生しやすい。
中間層
本発明に係わる有機感光体は導電性支持体と感光層の間に中間層を設ける。中間層にはバインダー樹脂中に数平均一次粒径3〜200nmの無機粒子を含有する。中間層のバインダー樹脂中に無機粒子を含有させる構造を有することにより、導電性支持体からのフリーキャリア(導電性支持体から進入してくる電子やホール)のブロッキング性が向上し、黒ポチやカブリの発生を防止し、且つ現像性を増大させて、先端部濃度低下の発生を防止でき、画像濃度が十分な電子写真画像を得ることができる。
中間層に用いられる無機粒子は、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化タングステン、酸化ビスマス等の金属酸化物が好ましく、炭化ケイ素、炭化チタン等の金属炭化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、窒化アルミニウム等の金属窒化物、硫酸バリウム、硫酸銅、硫酸亜鉛等の硫酸塩等も用いられる。
これらの無機粒子の中でも、本発明に好ましく用いられる無機粒子はN型半導性粒子が好ましい。
N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。即ち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、導電性支持体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対しては輸送性を示す性質を有するものを云う。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって残留電位が発生し、カブリが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通して先端部濃度低下が発生しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすく、その結果、先端部濃度低下が発生しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル形酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料は、中間層を通過する電荷の整流性を高め、即ち、電子の移動性を高め、帯電電位を安定させ、残留電位の増大を防止すると共に、転写メモリーの発生を防止することができ、N型半導性粒子として最も好ましい。
N型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものが好ましい。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、その結果、N型半導性粒子の整流性を高め、このN型半導性粒子を含有する中間層を用いることにより、黒ポチ発生が防止され、又、良好なハーフトーン画像の作製に効果がある。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
又、N型半導性粒子は下式で表される反応性有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
(R)n−Si−(X)4-n
(上式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
上式で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、上式で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、上式で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、上式で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
また、前記メチルハイドロジェンシロキサン共重合体や反応性有機ケイ素化合物の表面処理に先立ちN型半導性粒子をアルミナ、シリカ等の無機の表面処理を行ってもよい。
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
前記酸化チタン等のN型半導性微粒子のアルミナ、シリカ或いはジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性粒子は以下の様に作製することができる。
中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
又、上記ポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、カブリやハーフトーン画像に先端部濃度低下が発生しやすい。
上記ポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明に係わる中間層の膜厚は0.3〜10μmが好ましい。中間層の膜厚が0.5μm未満では、黒ポチ、ハーフトーン画像に先端部濃度低下が発生しやすく、10μmを超えると、残留電位の上昇や転写メモリーが発生しやすく、鮮鋭性が劣化しやすい。中間層の膜厚は0.5〜5μmがより好ましい。
中間層の形成用の塗布液を調製するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。
例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。
また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
前記反応性有機ケイ素化合物等を用いて表面処理した無機粒子をバインダー樹脂中に分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。さらにこの下引層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
感光層
電荷発生層(CGL)
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする層であって、必要に応じてバインダー樹脂を用いてもよい。
電荷発生物質としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
上記CGMの中で、フタロシアニン系顔料を用いた場合、本発明の効果が顕著に表れる。チタニルフタロシアニン顔料顔料やガリウムフタロシアニン顔料等を電荷発生物質として用いた有機感光体は電位特性が変動しやすい傾向にあるが、本発明に係わる中間層を用いると、電位変動が改善され、カウンター現像方式の画像形成方法を用いても、カブリの発生を防止でき、先端部濃度低下の発生を防止できる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層(CTL)
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性が良いことが要求される。
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送性物質(CTM)及び必要に応じて用いられるバインダー樹脂により構成される。かかる電荷輸送層は、これらの電荷輸送性物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。かかる電荷輸送層には、必要により、電荷輸送性物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
電荷輸送性物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがあるが、本発明に係わる有機感光体の層構成では正孔輸送物質が好ましい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質としては、公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の合計膜厚は20μm以下が好ましく、10〜16μmがより好ましい。該膜厚が20μmを超えると、電荷輸送層内での、短波長レーザの吸収や散乱が大きくなり、鮮鋭性の低下や、残留電位の増加が発生しやすい。
又、本発明に係わる感光体の表面層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。表面層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
Figure 2006178413
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中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
カウンター現像方式の現像装置(現像手段)を図3により説明する。なお、図3の現像装置は接触式二成分タイプの現像装置であるが、本発明はこの接触式二成分タイプの現像装置に限定されず、例えば、非接触式一成分タイプの現像装置も採用できる。現像装置102は、二成分現像剤を収容した現像容器110の開口部に、円筒状の磁石121を非回転に配置した現像スリーブ120(現像剤坦持体)が有機感光体(像坦持体)101に対向して配設され、この現像スリーブ120は、矢印方向に回転する有機感光体101に対しカウンター方向に回転して、その表面上に吸着保持された現像剤を有機感光体101と対向した現像部に搬送する。磁石121は、有機感光体101側に現像磁極N1を有し、この現像磁極N1から現像スリーブ120の回転方向に、第1搬送磁極S3、第2搬送磁極N2、第3搬送磁極S2、及び第3搬送磁極と離間磁極を構成する汲み上げ磁極S1を有している。
現像容器110内の現像剤は、磁石121の汲み上げ磁極S1に対応する現像スリーブ120の表面上の位置(汲み上げ位置)Qで、汲み上げ極S1の作用により現像スリーブ120上に吸着保持され、現像ブレード122(現像剤層厚規制手段)によって層厚が規制されたのち現像部に至り、現像部で現像磁極N1の作用により磁気ブラシ(現像ブラシ)を形成して、有機感光体101上の潜像を現像する。
現像によってトナー濃度が低下した現像剤は、第1、第2搬送磁極S3、N2の作用によって、現像容器110内まで現像スリーブ120上に保持されて戻され、第3搬送磁極S2と汲み上げ磁極S1の中間の磁束密度が最も小さい現像スリーブ120表面上の位置(現像剤落下位置)Pで、現像スリーブ120上から剥離して落下する。現像剤が剥離された現像スリーブ120は、上記のように、汲み上げ位置Qで新たな現像剤が吸着保持される。
現像容器110内の現像スリーブ120の下方には、第1の攪拌搬送部材123が設置され、隔壁140を介して更に第2の攪拌搬送部材124が設置されている。これら第1、第2の攪拌搬送部材123、124は、スクリュータイプとされ、らせん状のスクリュー羽根128及びその羽根の鍔間の板状突起130を有してなっている。
現像スリーブ120上から剥離したトナー濃度が低い現像剤は、第1攪拌搬送部材123上に落下して、第1攪拌搬送部材123により近傍の現像剤と軸方向に攪拌搬送され、隔壁140の一端部の図示しない開口を通って、第2攪拌搬送部材124に受け渡される。第2攪拌搬送部材124は、受け渡された現像剤、及び現像容器110の補給口118から補給されたトナーを攪拌しながら上記と逆回転に搬送し、隔壁140の他端部の図示しない開口を通って、第1攪拌搬送部材123側に戻す。
カウンター現像方式の好ましい構成を説明する。尚、ここで、図3における現像磁極N1付近の現像部における感光体101と現像スリーブ120間の間隙を現像ギャップ(Dsd)、現像磁極N1により現像スリーブ120上に形成される磁気ブラシの高さを現像ブラシ高さ(h)と言う。
(1)現像ギャップ(Dsd):0.2〜0.6mm
Dsdを0.2〜0.6mmにすると、強い現像電界のなかで現像が行われ、磁性キャリアの現像スリーブへの拘束力が大きくなり、磁性キャリアが感光体に移行して付着することを防止できる。また、現像ギャップでの現像電界が高くなるので、エッジ効果が低減し、現像能力が向上する。従って、横ライン像の細りや後端部白抜け(後端部現像不良)などの発生を防止し、ベタ画像の現像性を向上することが出来る。
(2)磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd):0.0〜0.8mm、尚、磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd)=現像ブラシ高さ(h)−現像ギャップ(Dsd)
磁気ブラシ食い込み深さを0.0〜0.8mmにすることにより、現像部での現像剤への圧接が軽減され、現像スリーブ120と現像ブレード122との間隙からの現像剤のすり抜けが防止される。また、磁気ブラシの不均一当接によって生ずる孤立ドット画像の現像不良やハーフトーン画像のざらつき感の増加を防止出来る。磁気ブラシ食い込み深さが0以下、すなわち、非接触状態では濃度の低下が起きやすいし、0.8mmより大きいと、ニップ部から現像剤が溢れ、均一な画像形成が期待できない。
(3)現像スリーブと感光体の周速比(Vs/Vopc):1.2〜3.0
感光体に対する現像スリーブの周速比を1.2〜3.0にすることにより、高い現像性を得ることができる。周速比を上げすぎると、感光体に対する現像スリーブ上の磁気ブラシの接触頻度が多くなり過ぎ、潜感光体に対する磁気ブラシの当たり具合、すなわち機械的力が極端に大きくなり過ぎ、磁気ブラシからキャリアが脱落しやすくなり、感光体にキャリアが付着しやすくなり、その結果、感光体上のトナー像に磁気ブラシの刷毛目が生ずる。また逆に周速比を下げすぎると、感光体に対する磁気ブラシの接触機会が減りすぎて、現像性が低下することになる。従って、周速比が1.2よりも小さいと濃度が低くなり、3.0より大きいとトナーの飛散、キャリアの付着あるいは現像スリーブの耐久性に問題が出てくる。これに対し、周速比を上記範囲にすることにより、刷毛目を防止することができる。更には現像能力が極端に高くなり過ぎてエッジ効果が強調されるのを防止する作用も有する。
(4)現像バイアス条件
感光体の表面電位V0と現像スリーブに付加される現像バイアスの直流成分Vdcの差│V0−Vdc│が100〜300V、該現像バイアスの直流成分Vdcが−300V〜−650V、該現像バイアスの交流成分Vacが0.5〜1.5kV、周波数3〜9kHz且つDuty45〜70%(矩形波での現像側の時間比率)、矩形波とすることが好ましい。すなわち、現像スリーブの外径がφ30mm以下、感光体の外径がφ60mm以下と小型の二成分現像装置においては、現像スリーブを小径にしたことにより現像ニップ幅が小さくなり、現像能力が低下するが、上記現像バイアス条件により、この現像能力の低下を改善できる。
カウンター現像方式の現像装置(現像手段)を図3により説明する。なお、図3の現像装置は接触式二成分タイプの現像装置であるが、本発明はこの接触式二成分タイプの現像装置に限定されず、例えば、非接触式一成分タイプの現像装置も採用できる。現像装置102は、二成分現像剤を収容した現像容器110の開口部に、円筒状の磁石121を非回転に配置した現像スリーブ120(現像剤坦持体)が有機感光体(像坦持体)101に対向して配設され、この現像スリーブ120は、矢印方向に回転する有機感光体101に対しカウンター方向に回転して、その表面上に吸着保持された現像剤を有機感光体101と対向した現像部に搬送する。磁石121は、有機感光体101側に現像磁極N1を有し、この現像磁極N1から現像スリーブ120の回転方向に、第1搬送磁極S3、第2搬送磁極N2、第3搬送磁極S2、及び第3搬送磁極と離間磁極を構成する汲み上げ磁極S1を有している。
現像容器110内の現像剤は、磁石121の汲み上げ磁極S1に対応する現像スリーブ120の表面上の位置(汲み上げ位置)Qで、汲み上げ極S1の作用により現像スリーブ120上に吸着保持され、現像ブレード122(現像剤層厚規制手段)によって層厚が規制されたのち現像部に至り、現像部で現像磁極N1の作用により磁気ブラシ(現像ブラシ)を形成して、有機感光体101上の潜像を現像する。
現像によってトナー濃度が低下した現像剤は、第1、第2搬送磁極S3、N2の作用によって、現像容器110内まで現像スリーブ120上に保持されて戻され、第3搬送磁極S2と汲み上げ磁極S1の中間の磁束密度が最も小さい現像スリーブ120表面上の位置(現像剤落下位置)Pで、現像スリーブ120上から剥離して落下する。現像剤が剥離された現像スリーブ120は、上記のように、汲み上げ位置Qで新たな現像剤が吸着保持される。
現像容器110内の現像スリーブ120の下方には、第1の攪拌搬送部材123が設置され、隔壁140を介して更に第2の攪拌搬送部材124が設置されている。これら第1、第2の攪拌搬送部材123、124は、スクリュータイプとされ、らせん状のスクリュー羽根128及びその羽根の鍔間の板状突起130を有してなっている。
現像スリーブ120上から剥離したトナー濃度が低い現像剤は、第1攪拌搬送部材123上に落下して、第1攪拌搬送部材123により近傍の現像剤と軸方向に攪拌搬送され、隔壁140の一端部の図示しない開口を通って、第2攪拌搬送部材124に受け渡される。第2攪拌搬送部材124は、受け渡された現像剤、及び現像容器110の補給口118から補給されたトナーを攪拌しながら上記と逆回転に搬送し、隔壁140の他端部の図示しない開口を通って、第1攪拌搬送部材123側に戻す。
カウンター現像方式の好ましい構成を説明する。尚、ここで、図3における現像磁極N1付近の現像部における感光体101と現像スリーブ120間の間隙を現像ギャップ(Dsd)、現像磁極N1により現像スリーブ120上に形成される磁気ブラシの高さを現像ブラシ高さ(h)と言う。
(1)現像ギャップ(Dsd):0.2〜0.6mm
Dsdを0.2〜0.6mmにすると、強い現像電界のなかで現像が行われ、磁性キャリアの現像スリーブへの拘束力が大きくなり、磁性キャリアが感光体に移行して付着することを防止できる。また、現像ギャップでの現像電界が高くなるので、エッジ効果が低減し、現像能力が向上する。従って、横ライン像の細りや後端部白抜け(後端部現像不良)などの発生を防止し、ベタ画像の現像性を向上することが出来る。
(2)磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd):0.0〜0.8mm、尚、磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd)=現像ブラシ高さ(h)−現像ギャップ(Dsd)
磁気ブラシ食い込み深さを0.0〜0.8mmにすることにより、現像部での現像剤への圧接が軽減され、現像スリーブ120と現像ブレード122との間隙からの現像剤のすり抜けが防止される。また、磁気ブラシの不均一当接によって生ずる孤立ドット画像の現像不良やハーフトーン画像のざらつき感の増加を防止出来る。磁気ブラシ食い込み深さが0以下、すなわち、非接触状態では濃度の低下が起きやすいし、0.8mmより大きいと、ニップ部から現像剤が溢れ、均一な画像形成が期待できない。
(3)現像スリーブと感光体の周速比(Vs/Vopc):1.2〜3.0
感光体に対する現像スリーブの周速比を1.2〜3.0にすることにより、高い現像性を得ることができる。周速比を上げすぎると、感光体に対する現像スリーブ上の磁気ブラシの接触頻度が多くなり過ぎ、潜感光体に対する磁気ブラシの当たり具合、すなわち機械的力が極端に大きくなり過ぎ、磁気ブラシからキャリアが脱落しやすくなり、感光体にキャリアが付着しやすくなり、その結果、感光体上のトナー像に磁気ブラシの刷毛目が生ずる。また逆に周速比を下げすぎると、感光体に対する磁気ブラシの接触機会が減りすぎて、現像性が低下することになる。従って、周速比が1.2よりも小さいと濃度が低くなり、3.0より大きいとトナーの飛散、キャリアの付着あるいは現像スリーブの耐久性に問題が出てくる。これに対し、周速比を上記範囲にすることにより、刷毛目を防止することができる。更には現像能力が極端に高くなり過ぎてエッジ効果が強調されるのを防止する作用も有する。
(4)現像バイアス条件
感光体の表面電位V0と現像スリーブに付加される現像バイアスの直流成分Vdcの差│V0−Vdc│が100〜300V、該現像バイアスの直流成分Vdcが−300V〜−650V、該現像バイアスの交流成分Vacが0.5〜1.5kV、周波数3〜9kHz且つDuty45〜70%(矩形波での現像側の時間比率)、矩形波とすることが好ましい。すなわち、現像スリーブの外径がφ30mm以下、感光体の外径がφ60mm以下と小型の二成分現像装置においては、現像スリーブを小径にしたことにより現像ニップ幅が小さくなり、現像能力が低下するが、上記現像バイアス条件により、この現像能力の低下を改善できる。
次に、本発明に係わるプロセスカートリッジならびに電子写真装置について説明する。図4に有機感光体を含むプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図4において、1はドラム状の有機感光体(感光体)であり、軸Cを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。有機感光体1は、回転過程において、帯電手段2によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光3(露光手段)を受ける。こうして有機感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段4によりトナー現像され、不図示の給紙部から有機感光体1と転写手段5との間に有機感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材Pに、有機感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段5により順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、有機感光体面から分離されて像定着手段24へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の有機感光体1の表面は、クリーニング手段6によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光Pexにより除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段2が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の有機感光体1、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6等の構成要素のうち、複数のものを容器PCに納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段2、現像手段4及びクリーニング手段6の少なくとも一つを有機感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段ANを用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
さらに、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
図5は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、像露光手段3Y、3M、3C、3Kと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4K、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Kより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2000μm2以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、100〜1000μm2である。その結果800dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)以上で、階調性が豊かな電子写真画像を達成することができる。
前記露光ビームのスポット面積とは、該露光ビームを該ビームと垂直な面で切断したとき、該切断面に現れる光強度分布面で、光強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域に相当する面積を意味する。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70(転写媒体)を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材(転写媒体)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、転写媒体とは中間転写体や転写材等の感光体上のトナー画像の転写媒体を云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図6は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成方法は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
《扁平トナー製造》
(トナー製造例1:黒扁平トナー1)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0lを入れ撹拌溶解する。この溶液に、リーガル330R(キャボット株式会社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100lのグラスライニング(GL)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液A」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液B」全量を入れ、撹拌を開始する。撹拌翼の形状は図1の構成とした。次いで、イオン交換水44.0lを加えた。
次いで、加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン548gの予め混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−A」とする。
尚、ラテックス1−A中の樹脂粒子のガラス転移点は57℃、軟化点は121℃、重量平均分子量は1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
過硫酸カリウム(関東化学株式会社製)200.7gをイオン交換水12.0lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100lのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均1次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kg、「アニオン界面活性剤溶液D」全量及び「ノニオン界面活性剤溶液E」全量を入れ、撹拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0lを投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。次いで、スチレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン9.02gの予め混合した溶液を滴下する。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス1−B」とする。
尚、ラテックス1−B中の樹脂粒子のガラス転移点は58℃、軟化点は132℃、重量平均分子量は24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
塩析剤として塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100lのSUS反応釜に、上記で作製した「ラテックス1−A」=20.0kg、「ラテックス1−B」=5.2kg、「着色剤分散液1」=0.4kg及びイオン交換水20.0kgを入れ撹拌する。次いで、40℃に加温し、「塩化ナトリウム溶液G」、イソプロパノール(関東化学株式会社製)6.00kg、「ノニオン界面活性剤溶液H」をこの順に添加した。その後、15分間放置した後に、昇温を開始し、液温度80℃まで60分で昇温し、80±2℃にて0.5〜5時間加熱撹拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1lを添加して粒径成長を停止した。およそ体積平均粒径を3〜8μm目途とした。この液を「融着粒子分散液」とする。
次いで、温度センサー、冷却管を付けた5lの反応容器に、上記の融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、4時間加熱撹拌して重合率が80%になった時点で、前記液をアニュラー型連続湿式撹拌ミル(神鋼パンテンツ株式会社製)に連続して供給し、温度65℃、ローター周速15m/分、平均滞留時間13分の条件にて扁平化処理を行った。次いで、前記反応容器に扁平化処理した液をもどし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03kgを添加し、液温度85℃±2℃にて、4時間加熱撹拌して重合を完了した。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、分級品を目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を「会合液1」とする。次いで、ヌッチェを用いて、会合液1より「ウエットケーキ状の黒扁平粒子1」を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
この「ウエットケーキ状の黒扁平粒子1」をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて予備乾燥後、流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥して「黒扁平粒子1」を得た。
得られた「黒扁平粒子1」に、疎水化シリカ微粒子1質量%をヘンシェルミキサーにて外添混合して「黒扁平トナー1−B」を得た。
(トナー製造例2:イエロー扁平トナー1−Y)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー1−Y」を得た。
(トナー製造例3:マゼンタ扁平トナー1−M)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー1−M」を得た。
(トナー製造例4:シアン扁平トナー1−C)
トナー製造例1において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー1−C」を得た。
(トナー製造例5:黒扁平トナー2−B)
トナー製造例1のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの条件を温度70℃、ローター周速20m/分、平均滞留時間15分とした他は同様にして「黒扁平トナー2−B」を得た。
(トナー製造例6:イエロー扁平トナー2−Y)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー2−Y」を得た。
(トナー製造例7:マゼンタ扁平トナー2−M)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー2−M」を得た。
(トナー製造例8:シアン扁平トナー2−C)
トナー製造例5において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー2−C」を得た。
(トナー製造例9:黒扁平トナー3−B)
トナー製造例1のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの条件を温度68℃、ローター周速17m/分、平均滞留時間14分とした他は同様にして「黒扁平トナー3−B」を得た。
(トナー製造例10:イエロー扁平トナー3−Y)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー1−Y」を得た。
(トナー製造例11:マゼンタ扁平トナー3−M)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー1−M」を得た。
(トナー製造例12:シアン扁平トナー3−C)
トナー製造例9において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー3−C」を得た。
(トナー製造例13:黒扁平トナー4−B)
トナー製造例1のアニュラー型連続湿式撹拌ミルの条件を温度50℃、ローター周速5m/分、平均滞留時間5分とした他は同様にして「黒扁平トナー4−B」を得た。
(トナー製造例14:イエロー扁平トナー4−Y)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー4−Y」を得た。
(トナー製造例15:マゼンタ扁平トナー4−M)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー4−M」を得た。
(トナー製造例16:シアン扁平トナー4−C)
トナー製造例13において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー4−C」を得た。
(トナー製造例17:黒扁平トナー5−B)
トナー製造例1の黒扁平トナー1−Bを分級し、表1の「黒扁平トナー5−B」を得た。
(トナー製造例18:イエロー扁平トナー5−Y)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー5−Y」を得た。
(トナー製造例19:マゼンタ扁平トナー5−M)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー5−M」を得た。
(トナー製造例20:シアン扁平トナー5−C)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー5−C」を得た。
(トナー製造例21:黒扁平トナー6−B)
トナー製造例1の黒扁平トナー1−Bを分級し、表1の「黒扁平トナー6−B」を得た。
(トナー製造例22:イエロー扁平トナー6−Y)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントイエロー17を1.05kg使用した他は同様にして「イエロー扁平トナー6−Y」を得た。
(トナー製造例23:マゼンタ扁平トナー6−M)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントレッド122を1.20kg使用した他は同様にして「マゼンタ扁平トナー6−M」を得た。
(トナー製造例24:シアン扁平トナー6−C)
トナー製造例17において、着色剤をカーボンブラックの代わりにC.I.ピグメントブルー15:3を0.60kg使用した他は同様にして「シアン扁平トナー6−C」を得た。
トナー製造例1〜16の扁平化条件を表1に示す。
(扁平トナーの厚さ(t)及び円相当径dは前記した方法で測定した。)
Figure 2006178413
(現像剤の調製)
トナー製造例1〜24のトナー各々と、シリコーン樹脂で被覆した体積基準のメディアン径D50が65μmのフェライトキャリアを、トナー/キャリア=50g/950gの割合で混合して、評価用の「現像剤1〜24」を調製した。
次に、実施例に用いる感光体を作製した。
導電性アルミニウム基体に、表面粗さRzが0.3μmになるように切削加工を施し、水洗浄、乾燥を行った後、下記液組成物を順次塗布し、感光体を作製した。
感光体1
〈中間層1〉(UCL−1)
アルキド樹脂ベッコライトM−6401−50(固形分50質量%)(大日本インキ化学製) 150質量部
メラミン樹脂スーパーベッカミンG−821−60(固形分60質量%)(大日本インキ化学製) 100質量部
メチルエチルケトン 500質量部
酸化チタン(数平均1次粒径50nm) 450質量部
以上の組成物液を作製し、アルミナボールをメデイアとしたボールミルで36時間分散し、中間層用塗布液を作製した。この中間層用塗布液を、アルミニウム素管に塗布し、140℃で20分乾燥し、厚さ3.0μmの中間層を形成した。
〈電荷発生層〉(CGL)
ブチラール樹脂エスレックBMS(積水化学製) 5質量部
シクロヘキサノン 200質量部
Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−1) 20質量部
以上の組成物液を作製し、ボールミルにて72時間分散を行った。
次に、シクロヘキサノン210質量部を加え5時間分散を行った。これを固形分が2.0質量%になるように攪拌しながら、シクロヘキサノン/メチルエチルケトン=2/1の混合液で希釈した。このようにして得られた電荷発生層用塗布液を前記中間層上に浸漬塗布し、130℃、20分間乾燥を行い厚さ約0.2μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉(CTL)
電荷輸送物質〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン 80質量部
ポリカーボネート樹脂パンライトTS2050(帝人化成製) 100質量部
三洋化成株式会社製のイオネットDS−300 1.0質量部
シリコンオイルKF−50(信越化学工業製) 0.02質量部
テトラヒドロフラン 770質量部
アルミナ(粒径:50nm) 5質量部
以上を溶解し電荷輸送層用塗布液を作製した。この塗布液を、前記電荷発生層CGL上に浸漬塗布し、135℃、20分乾燥し膜厚25μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
感光体2
感光体1のCTL組成物からアルミナを除いたCTL上に、下記OCL組成物を塗布した以外、感光体1と同様にして感光体2を作製した。
〈保護層1〉(OCL−1)
電荷輸送物質〔4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル〕−ジ−p−トリルアミン 8質量部
ポリカーボネート(BPZ:粘度平均分子量5万) 10質量部
テトラヒドロフラン 100質量部
アルミナ(粒径:50nmのメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、5%処理)
1質量部
上記組成物を溶解し、保護層用塗布液を作製した。これを前記電荷輸送層上に塗布し、130℃で20分間乾燥して膜厚5μmの保護層を形成し、感光体を作製した。感光体2とする。
感光体3〜5
感光体2の保護層のアルミナを、表2の無機粒子と粒径に変更したした以外は感光体2と同じにして作製し、感光体3〜5を作製した。
感光体6
感光体1の電荷輸送層のアルミナを除いた他は感光体1と同様にして感光体6を作製した。
又、感光体2〜5に用いられたポリカーボネート(BPZ)の構造式を下記に示す。
Figure 2006178413
評価1(カウンター現像方式での評価)
得られた現像剤と感光体を表2のように組み合わせ(組み合わせNo.1〜10)、市販のフルカラー複合機8050(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)改造機(中間転写体を用いたタンデム方式のフルカラー複合機8050(プロセススピード220mm/sec)をカウンター現像方式及び下記プロセス条件に改造)に搭載し、カラー画像の評価を行った。白地部、べた部のソリット画像部、ハーフトーン画像部、文字画像部を有するオリジナル画像を用いて、A4紙に連続複写し評価した。詳しくは、スタート時及び5000枚毎に、評価画像を取り出し、計30万枚印刷して評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
評価条件
カウンター現像方式のプロセス条件としては以下の条件を用いて評価を行なった。
感光体線速;220mm/sec
磁気ブラシ食い込み深さ(Bsd);0.30mm
現像ギャップ(Dsd);0.28mm
現像バイアスの交流成分(Vac);1.0KVp−p
現像スリーブと感光体の周速比(Vs/Vopc);2.0
現像バイアスの直流成分(Vdc);−500V
感光体の表面電位V0と現像バイアスの直流成分Vdcの差(|V0−Vdc|);200V
周波数;5KHz
Duty;50%の矩形波
画像評価
画像濃度
スタート時、30万枚目について濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、プリンター用紙の濃度を0.0とした相対濃度で測定した。
◎:1.3以上/良好
○:1.0以上〜1.3未満/実用上問題ないレベル
×:1.0未満/実用上問題あり
カブリ
スタート時、30万枚目について濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、カブリ濃度についてはA4紙の反射濃度を0.000とした相対濃度で測定した。
◎:0.010未満(非常に良好)
○:0.010以上0.020未満(実用上問題ないレベル)
×:0.020以上(実用上問題あり)
先端部濃度低下
30万枚時のハーフトーン画像を作製して評価した。
◎:先端部濃度低下の発生が見られず、ハーフトーン画像が明瞭に再現されている(非常に良好)。
○:ハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、反射濃度で0.04未満の先端部濃度低下有り(実用的に問題なし)。
×:ハーフトーン画像に反射濃度で0.04以上の先端部濃度低下有り(実用的に問題あり)。
トナー飛散
◎:トナー飛散が非常に少なく、文字画像の鮮鋭性が良好である(良好)
○:微かにトナー飛散があるが、3ポイントの文字画像まで判定できる(実用可)
×:トナー飛散が多く、3ポイントの文字画像の一部が判定できない。(実用不可)
色再現性
1枚目の画像および100枚目の画像のY、M、C各トナーにおける二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「MacbethColor−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて各ソリッド画像の1枚目と100枚目の色差を算出した。
◎:色差が3以下(良好)
×:色差が3より大の(実用上問題あり実用不可)
結果を表2に示す。
Figure 2006178413
表2から明らかなように、カウンター現像方式で作製した画像評価では、有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーの組み合わせ1〜5は、画像濃度、カブリ、先端部濃度低下、トナー飛散、色再現性等の全ての評価項目で良好な特性を示しているのに対し、組み合わせNo.6の(d/t、扁平度)が5.0より大きいトナーを用いた場合は、トナー飛散が発生し、色再現性が発生している。又、組み合わせNo.7の(d/t、扁平度)が2.0より小さいトナーを用いた場合も、トナー飛散が発生し、画像濃度が低く、先端部濃度低下も発生し、色再現性が劣化ている。又、組み合わせNo.8の円相当径dが3.0より小さいトナーを用いた場合も、トナー飛散が多く、先端部濃度低下も発生し、色再現性が劣化している。又、組み合わせNo.9の円相当径dが8.0より大きいトナーを用いた場合は、画像濃度が低い。又、表面層に無機粒子を含有していない感光体を用いた組み合わせNo.10は先端部濃度低下、トナー飛散が発生し、色再現性も劣化している。
評価2(パラレル現像方式での評価)
評価1で行なった評価を感光体と現像スリーブの進行方向を平行に進行させるパラレル現像方式で評価した。その結果、評価1の本発明と比較例の差が明瞭に現れず、且つ全部
評価条件
感光体の線速:220mm/sec
現像スリーブの線速:400mm/sec
その結果、下記表3に示すように、評価1の本発明と比較例の差が明瞭に現れず、且つ全部の本発明及び比較例で、カウンター現像方式に比し、画像濃度が低下した電子写真画像が得られた。
Figure 2006178413
撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す斜視図である。 アニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例を示す要部断面図である。 カウンター方向現像方法の現像装置の断面を示す図である。 有機感光体を含むプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 本発明に関わる扁平トナーの一例を示す模式図である。
符号の説明
1 有機感光体
C 軸
2 帯電手段
3 露光光
4 現像手段
5 転写手段
P 転写材
24 定着手段
6 クリーニング手段
Pex 前露光手段
PC プロセスカートリッジ容器
AN 案内手段
101 有機感光体
102 現像装置
110 現像容器
118 補給口
120 現像スリーブ
121 磁石
122 現像ブレード
123 第一搬送部材
124 第二搬送部材
128 スクリュー羽根
130 板状突起
140 隔壁
N1 現像磁極
N2 第二現像磁極
S1 汲み上げ磁極
S2 第三搬送磁極
S3 第一搬送磁極
P 現像剤落下位置
Q 汲み上げ位置

Claims (14)

  1. 有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする画像形成方法。
  2. 有機感光体上に静電潜像を形成し、円筒状の現像スリーブにトナーを含有する現像剤による現像ブラシを形成し、該現像ブラシを有機感光体に接触させて、該静電潜像をトナー画像に顕像化する現像手段及び有機感光体に形成されたトナー画像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー画像を形成し、該各色トナー画像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成方法において、前記有機感光体の表面層が無機粒子を含有し、前記トナーが、投影面積が最大となる方向からみたときの円相当径dが3.0〜8.0μmで、dとトナー粒子の厚さtとの比(d/t、扁平度)が2.0〜5.0の扁平トナーであり、該有機感光体の回転方向に対し、現像スリーブをカウンター方向に回転させながら静電潜像をトナー画像に顕像化することを特徴とする画像形成方法。
  3. 前記無機粒子の平均一次粒径が3〜150nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記無機粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記金属酸化物がシリカ、アルミナ又はチタニアのいずれが一種であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記無機粒子が表面処理を施されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成方法。
  7. 前記有機感光体は導電性基体上に少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型有機感光体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記表面層が酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 前記扁平トナーが重合トナーに扁平化処理を施して作製されたトナーであることを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 前記有機感光体と現像スリーブ間の現像ギャップ(Dsd)が0.2〜0.6mmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記有機感光体と現像スリーブ間の現像領域における磁気ブラシの食い込み深さ(Bsd)が0.0〜0.8mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 前記現像スリーブと有機感光体の周速比(Vs/Vopc)が1.2〜3.0であることを特徴とする請求項1〜11に記載の画像形成方法。
  13. 有機感光体の表面電位V0と現像スリーブに付加される現像バイアスの直流成分Vdcの差│V0−Vdc│が100〜300V、該現像バイアスの直流成分Vdcが−300V〜−650V、該現像バイアスの交流成分Vacが0.5〜1.5kV、周波数3〜9kHz且つDuty45〜70%、矩形波であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いられることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008152077A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット

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