JP2008152077A - 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット - Google Patents

有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2008152077A
JP2008152077A JP2006340885A JP2006340885A JP2008152077A JP 2008152077 A JP2008152077 A JP 2008152077A JP 2006340885 A JP2006340885 A JP 2006340885A JP 2006340885 A JP2006340885 A JP 2006340885A JP 2008152077 A JP2008152077 A JP 2008152077A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
image
protective layer
surface protective
dispersion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006340885A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4853272B2 (ja
Inventor
Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
Shinichi Hamaguchi
進一 濱口
Takeshi Shimoda
剛士 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2006340885A priority Critical patent/JP4853272B2/ja
Publication of JP2008152077A publication Critical patent/JP2008152077A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4853272B2 publication Critical patent/JP4853272B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、表面保護層の分散液中の微粒子の分散性を改善し、黒ポチ等の画像欠陥が改善された高画質の電子写真画像を提供することができる有機感光体の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することである。
【解決手段】少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製することを特徴とする有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットに関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットに関するものである。
電子写真による画像形成プロセスは、一般的に、感光体(感光ドラムなど)に、帯電工程−露光工程−現像工程−転写工程−クリーニング工程−除電露光工程からなる画像形成プロセスを通過させ、電子写真画像を形成する。この過程で、感光体は、その表面をいくつもの摺擦部材で摺擦され、感光体表面が徐々に削られ、摩耗していく。この摩耗量を低減化し、高耐刷化を達成するために、有機感光体の表面保護層に微粒子を含有させる技術が公開されている(特許文献1)。
しかしながら、微粒子を含有した表面保護層の塗布液の分散性について、尚、十分な安定性は得られていないため、該表面保護層中の微粒子の分布が不均質となり、黒ポチ等の画像欠陥を発生しやすい。
即ち、表面保護層の塗布液の作製に際し、塗布液組成の微粒子と溶媒全量を分散した後、結着樹脂等を溶解するのでは結着樹脂と微粒子との絡み合いが悪く、微粒子が再凝集し易くなる。また、微粒子、結着樹脂、溶媒等を一緒に分散して塗布液を作製するのでは、分散の終点(均一分散)が遅く作業性が悪い等の問題が発生している。
このような問題に対し、電荷輸送層の塗布液の溶剤中で、予め気相合成シリカ微粒子を微粒子状態でメディア分散等で分散させ、その後少なくとも電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶解させる製造方法(特許文献2)や有機溶媒分散型シリカおよびバインダー樹脂を含有させた塗布液を塗布することによつて形成した表面層を有する有機感光体等が提案されている。
しかしながら、これらの従来技術では、尚、微粒子を含有した表面保護層の塗布液の結着樹脂と微粒子の絡み合いが十分でなく、該塗布液の保存性が十分でなく、均質な微粒子分散性を達成した表面保護層が得られていない。
特開平7−261417号公報 特開昭60−57847号公報
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点を解決して、表面保護層の分散液中の微粒子の分散性を改善し、黒ポチ等の画像欠陥が改善された高画質の電子写真画像を提供することができる有機感光体の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することである。即ち、本発明の目的は、微粒子を含有する表面保護層の分散液の分散性を改善し、黒ポチ等の画像欠陥の発生しにくい表面保護層を形成できる有機感光体の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することである。
本発明者等は、本発明の上記のような課題を克服する為に、表面保護層の分散液の微粒子の分散性の劣化要因を検討した結果、表面保護層中の微粒子の分散性を改善するためには、表面保護層組成の結着樹脂と微粒子の絡み合いを強化する分散法が有効であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下のような構成を有することにより達成される。
(1)機械的攪拌機を有する溶液タンクと超音波分散機をセットにし、該溶液タンクと超音波分散機の間で、溶液を循環させながら分散する有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法において、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製することを特徴とする有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
(2)前記微粒子が、数平均一次粒径1〜300nmのシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる1種以上の無機微粒子であることを特徴とする前記1記載の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
(3)前記記載の表面保護層が電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
(4)導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層及び表面保護層を積層した有機感光体において、機械的攪拌機を有する溶液タンクと超音波分散機をセットにし、該溶液タンクと超音波分散機の間で、溶液を循環させながら分散する分散装置を用い、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製した表面保護層の分散液を用いて、表面保護層を形成することを特徴とする有機感光体。
(5)前記記載の微粒子が、数平均一次粒径1〜300nmのシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる1種以上の無機微粒子であることを特徴とする前記4に記載の有機感光体。
(6)前記記載の表面保護層が電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記4又は5に記載の有機感光体。
(7)有機感光体、該有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、該トナー像を有機感光体から転写媒体に転写する転写手段および有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有してなる画像形成装置において、前記有機感光体が前記4の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(8)画像形成装置本体から脱着可能な画像形成ユニットであって、前記4に記載の有機感光体と帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段を具備してなることを特徴とする画像形成ユニット。
本発明の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを用いることにより、微粒子を含有する表面保護層の塗布液の分散性、分散安定性を改善でき、黒ポチ等の画像欠陥の発生が改善された高画質の電子写真画像を作製できる有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本願発明の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法は、機械的攪拌機を有する溶液タンクと超音波分散機をセットにし、該溶液タンクと超音波分散機の間で、溶液を循環させながら分散する有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法において、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製することを特徴とする。
上記の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法を用いることにより、微粒子を含有する表面保護層の分散液の分散性、分散安定性を改善でき、黒ポチ等の画像欠陥の発生が改善された高画質の電子写真画像を作製できる有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニットを提供することができる。
本願発明において、前記表面保護層(以下、単に表面層又はOCLとも云う)に含有される微粒子としては、無機微粒子が好ましく、更に、数平均一次粒径が、1〜300nmのシリカ、アルミナ、酸化チタン及びチタン酸ストロンチウムから選択された1種以上の無機微粒子であることが好ましい。
上記数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子(凝集粒子は除き)として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。尚、フェレ径(Feret)とは、粒子をはさむ2本の平行線間の距離で定義される定方向接線径として定義されている。
上記微粒子の数平均一次粒径が1nm未満では微粒子の表面保護層中での均一分散性が劣化しやすく、凝集粒子が発生して、黒ポチ等の画像欠陥の発生要因と成りやすい。微粒子の数平均一次粒径が300nmより大きいと、表面保護層の表面凹凸が大きくなり、同様に黒ポチ等の画像欠陥の発生要因と成りやすい。
これらの無機微粒子は分散液および塗布膜中の分散性向上を目的として、表面処理剤による無機微粒子の表面の改質が施されてもよい。一般的な表面処理剤としては、シランカップリング剤、シラザン、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤、ジルコニウム有機化合物、脂肪酸化合物等が挙げられる。また、無機物による表面処理として、無機微粒子表面のアルミナ、ジルコニア、酸化スズ、シリカ処理が知られており、本発明において、これらの表面処理を適用してもよい。このうち脂肪酸化合物とシランカップリング剤は分散性向上のみならず、感光体の残留電位の低減に対しても寄与することが多く有用である。
表面保護層の無機微粒子含有率は結着樹脂(バインダー樹脂)に対し6〜30質量%が好ましい。6質量%未満であると、十分な耐摩耗性向上効果が得られない。一方、含有率が30質量%を上回ると、表面保護層内に均一な膜形成が難しく、却って、接触部材(クリーニングブレードや帯電装置)による感光体の摩耗量が大きく成りやすい。
本願発明の表面保護層は後記するように、第2の電荷輸送層として構成することが好ましい。即ち、表面保護層に電荷が蓄積しないように、表面保護層には電荷輸送物質を含有させることが好ましい。
又、表面保護層には前記微粒子や電荷輸送物質を分散させ、膜形成を可能とするバインダー樹脂を含有する。該バインダー樹脂としては、ポリカーボネートやポリアリレートが好ましく用いられる。又、表面保護層の耐摩耗特性をより強化する為に、シロキサン系樹脂層等の三次元硬化樹脂を用いてもよい。このほかに表面保護層には酸化防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
表面保護層の膜厚は、0.5〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好ましい。
表面保護層の塗布液作製時の溶媒としては、後記する中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒と同様な溶媒が用いられ、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本願発明は、有機感光体の表面保護層の分散液を、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散する。その後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製する。該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散する。
図4は、前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散する場合に使用する装置についての概念図である。
図4中、aは溶液タンクであり、この中に、第1の混合液や第2の混合液を含有させる。該溶液タンクには、撹拌羽根或いは撹拌棒等で混合液を機械的に撹拌できる機械的撹拌手段が設けられる。dは超音波分散装置であり、aの溶液タンクと、dの超音波分散装置は、cのパイプ等で連結され、溶液タンク中の混合液は、溶液タンクと超音波分散機の間で循環されながら分散される。このような装置は、市販されているものもあるが、必要により、溶液タンクと超音波分散機を組み合わせて設計、作製することもできる。
上記、機械的撹拌とは、撹拌羽根或いは撹拌棒等で混合液を機械的に撹拌し、微粒子を分散させることである。
本発明にて使用される機械的分散機としては、新東科学(株)、アズワン(株)、佐竹化学機械工業(株)、(株)中央理化等から市販されており、アズワン(株) SM−101、(株)エスエムテー SHFM、HEM−002CT、佐竹化学機械工業(株) S6、(株)中央理化 LZB22−S−1、LZB14−A190、LZB22−2S、新東科学(株) BL600Te等を使用することができる。
機械的撹拌の撹拌速度やトルクは特に限定されるものではなく、適宜対応される。
又、超音波撹拌(=超音波分散)とは、音響空洞現象(acoustic cavitation)、具体的には多数の泡の形成、成長および爆縮崩壊(implosive collapse)に由来する。空洞現象によって誘発される泡崩壊は短寿命であるが、強力な局所的加熱(hot spot)および高圧スポットをもたらし、液体中の被処理物質(分散質のこと)の凝集を解砕し、より均一に分散させることができる。
本発明にて使用される超音波分散機としては、(株)エスエムテー、(株)ギンセン、タイテック(株)、BRANSON社、Kinematica社、(株)日本精機製作所等から市販されており、(株)エスエムテー UDU−1、UH−600MC、(株)ギンセン GSD600CVP、(株)日本精機製作所 RUS600TCVP等を使用することができる。超音波の周波数は、特に限定されない。
本発明の機械的撹拌及び超音波分散を同時並行的に行なう循環方式の装置としては、(株)エスエムテー UDU−1、UH−600MC、(株)ギンセン GSD600RCVP、GSD1200RCVP、(株)日本精機製作所 RUS600TCVP等を挙げれるが、これに限ったものでなく、上記の機械的分散機と超音波分散機を繋ぎ合わせ、循環させるものであれば構わない。
第1の混合液ので用たい溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液について説明する。該第1の混合液の溶媒量の同量か、あるいは少ない量とは、好ましくは、第1の混合液の溶媒量の20質量%以上、100質量%以下である。20質量%未満では、第2の混合液中で、結着樹脂と微粒子との絡み合いが悪く、微粒子が再凝集し易くなると共に、溶解するのに時間を要する。又、100質量%を超えると、第2の混合液の作製時に加えられる溶媒によるソルベントショックが生じて微粒子の再凝集が生じる。
このような条件のもとで、表面保護層を分散することにより、表面保護層の分散液の微粒子と結着樹脂の絡み合いが強くなり、微粒子表面に樹脂が被覆され、微粒子が均一に分散すると共に、分散安定性が増すものと考えられる。
表面保護層の塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、量規制型塗布装置(塗布量をコントロールして、表面保護層の膜厚を制御する塗布装置)を用いることができるが、表面保護層の膜厚を正確に制御し、下層の中間層や感光層全体を覆うには量規制型塗布装置を用いて塗布することが好ましい。
上記量規制型塗布装置としては、円形スライドホッパー型塗布ヘッドや押し出し型塗布ヘッドを用いた塗布装置が挙げられる。これらの中でも、後述する円形スライドホッパー型塗布ヘッドを有する塗布装置(以後、円形スライドホッパー型塗布装置又はスライド型塗布装置ともいう)が好ましく用いられる。このような円形塗布ヘッドを有する塗布装置は、円筒状導電性支持体のほとんど全体(上端の一部を除き)を塗布液に浸漬して塗布する浸漬塗布に比し、塗布装置内で分散液を滞留させず、ワンウエイで表面保護層を形成するので、微粒子の分散粒子は、分散液中で凝集シェアを繰り返し受けることなく、又、微粒子の塗布液中の沈降を防止して(分散媒に比し、微粒子は比重が高く沈降しやすい)均一な表面保護層を形成することができる。しかも、感光体製造毎に分散液を作製できるので、分散液の経時による凝集や沈降を防止でき、且つ表面保護層形成時に、円筒状導電性支持体に既に形成されている下層を溶解せずに塗布できることから、塗布乾燥時も微粒子の凝集が少なく、均一な分散性を有する表面保護層を形成することができる。又、ビード形成塗布は塗布膜厚を塗布装置から吐出される塗布液流量で正確に制御することができ、膜厚のバラツキが少なく、且つ光学的に均一な表面保護層を形成できる。その結果、鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成することができる。
本発明は上記したような表面保護層を有する有機感光体であるが、表面保護層以外の有機感光体の構成について以下に記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体は、例えば、以下に示すような構成が挙げられる;
1)円筒状導電性支持体上に中間層と感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)円筒状導電性支持体上に中間層と感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
3)円筒状導電性支持体上に中間層と感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層を形成した構成;
4)円筒状導電性支持体上に中間層と感光層として電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した構成;
5)上記1)〜5)の感光体の感光層上にさらに表面保護層を形成した構成。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。感光体の表面保護層とは、感光体が空気界面と接触する層であり、円筒状導電性支持体上に単層式の感光層のみが形成されている場合は当該感光層が表面保護層であり、円筒状導電性支持体上に単層式または積層式感光層と表面保護層とが積層されている場合は表面保護層が最表面層である。本発明では上記2)の構成が最も好ましく用いられる。
本発明の電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を円筒状導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
以下に本発明に最も好ましく用いられる上記2)の層構成を例にして具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の導電性支持体としては、シート状又は円筒状支持体が用いられるが、画像形成装置の設計の容易さからは円筒状支持体が好ましい。円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、円筒度が5〜40μmが好ましく、7〜30μmがより好ましい。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
本発明に係わる導電性支持体は、その表面粗さ(十点表面粗さRz)が0.6〜1.2μmであることが好ましい。
該十点表面粗さRzの定義と測定法
本発明のRzはJISB0601−1982に記載の定義(基準長さ、評価長さも含めて)に準ずる。即ち、基準長の距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下位から5つの谷底の平均低さとの差である。
後述の実施例では、粗さRzを表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder SE−30H)で測定した。
上記SE−30Hの測定条件を下記に示す。
測定距離:基準長さの5倍
測定箇所の数:両端及び中心の3点(両端はそれぞれ、端部から5cmの位置)
縦及び横の測定倍率:縦倍率 5000倍、横倍率20倍
上記十点平均表面粗さRzが0.6〜1.2μmの範囲内であれば、接着性が良好であり、またレーザー光源を露光光源に用いた時、画像でモアレの発生も防止でき、黒ポチや支持体加工によるスジが画像に現れるという問題が発生しない。又、該十点平均表面粗さRzは表面層に含有される微粒子の平均粒径の3〜50倍が好ましい。
上記導電性支持体の表面粗さRzを調整する方法としては、表面切削加工により調整することが好ましい。
中間層
本発明においては円筒状導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
本発明においては円筒状導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
円筒状導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
感光層
電荷発生層
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として前述のチタニルフタロシアニン付加体顔料を使用するが、他のフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.3μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
前記したように、本発明では電荷輸送層を複数の電荷輸送層から構成し、且つ最上層の電荷輸送層にフッ素系樹脂粒子を含有させた構成が好ましい。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により前記したフッ素系樹脂粒子の他に酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては公知の正孔輸送性(P型)の電荷輸送物質(CTM)を用いることが好ましい。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、本発明の微粒子を含有する表面保護層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。微粒子を含有する表面保護層は感光体の帯電時の活性ガス、例えばNOxやオゾン等で酸化されやすく、画像ボケが発生しやすいが、酸化防止剤を共存させることにより、画像ボケの発生を防止することが出来る。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜80μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
〈トナー〉
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
〈現像剤〉
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図2は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図3は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体ドラムAの製造例
(円筒状アルミニウム支持体(30mmφ、360mm)上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層、第2電荷輸送層の順の層構成)
中間層
中間層分散液の作製
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、アルミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理) 3部
メタノール 10部
をサンドミル分散機で分散時間を10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液1を作製した。
中間層(UCL)塗布液
中間層分散液を同じ混合溶媒を用いて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;5×104Pa)した。
上記中間層塗布液を、洗浄済みの表面粗さRzを0.92μmに切削加工により調整した円筒状アルミニウム支持体上に浸漬塗布装置により塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
電荷発生層
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布装置により塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピーク角度が2θで27.3) 20部
シリコーン樹脂「KR−5240」(信越化学工業(株)製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
〈電荷輸送層1(CTL1)〉
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
表面保護層(OCL)
次に、表面保護層(OCL)の塗布液を下記のようにして作製した。
(第1の混合液)
シリカ(数平均一次粒径50nm) 3部
テトラヒドロフラン(THF)/トルエン(TOL) 54部/18部
を混合し、UH600MC((株)エスエムテー社製)分散機を用い、分散液の循環をさせながら、機械的撹拌及び超音波分散(35KHz、600W)を30分間行った。
(結着樹脂溶液の作製)
結着樹脂(ポリカーボネート) 15部
テトラヒドロフラン/トルエン 48部/12部
を混合し、結着樹脂溶液を作製した。
(第2の混合液)
第1の混合液に上記結着樹脂溶液を添加して第2の混合液を作製し、該第2の混合液を上記UH600MCの分散機を用い、分散液の循環をさせながら、機械的撹拌及び超音波分散(35KHz、600W)を30分間行った。その後、該第2の混合液に、電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン)20部を添加して溶解し、OCL塗布液を得た。
(尚、超音波分散機としてはSHARP製UT604を用いた)
次に、電荷輸送層1(CTL1)の上に、上記OCL塗布液用い、円形スライド型塗布装置により独立に塗布し、前記電荷輸送層1上に、乾燥膜厚6.0μm(110℃70分の乾燥を行い)の表面保護層を設け感光体1を作製した。
感光体2〜10の作製
感光体1の作製において、OCL塗布液の第1の混合液の微粒子、結着樹脂溶液の溶媒量等を表1のように変化させ、感光体2〜10を作製した。
感光体11
感光体1の作製において、第1の混合液の機械的撹拌及び超音波分散を省略し、第2の混合液で、分散液の循環をさせながら、機械的撹拌及び超音波分散(35KHz、600W)を60分間行った以外は同様にして、OCL塗布液を得、該OCL塗布液を用いて感光体11を作製した。
感光体12
感光体1の作製において、第1の混合液と結着樹脂溶液で用いた溶媒を全て第1の混合液に用い、該第1の混合液に上記UH600MCの分散機を用い、分散液の循環をさせながら、機械的撹拌及び超音波分散(35KHz、600W)を30分間行った後、該第1の混合液にポリカーボネート樹脂50部を添加し、同様に、分散液の循環をさせながら、機械的撹拌及び超音波分散(35KHz、600W)を30分間行った以外は、同様にして感光体12を作製した。
Figure 2008152077
表1中、シリカ、アルミナ及び酸化チタンは、いずれも表面処理により疎水化されている。
評価
(1)分散安定性の評価
分散安定性の評価は、上記で作成した表面保護層用塗布液を下記の期間放置した後の微粒子の沈降程度を目視にて評価した。
評価基準
○:30日間放置しても微粒子の沈降が見られず(良好)
△:14日間放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性あり)
×:1日放置後に微粒子の沈降が見られる(実用性に問題あり)
(2)画像評価
評価機として、基本的に図1の構成を有するデジタル複写機Sitos7085(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製:A4紙で85枚/分の印刷速度を有する)を用い、該複写機に感光体1〜9を搭載し評価した。常温常湿(20℃60%RH)で、画素率が7%の文字画像、ハーフトーン画像、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にある画像を用いてA4、10万枚の耐久試験を行い、画像欠陥の発生の評価を行なった。評価結果を表2に示す。
画像欠陥の評価。
上記10万枚耐久試験で、スタート時、1万枚の印刷毎に、ハーフトーン画像、ベタ白画像をそれぞれ独立にA4紙に印刷し、その画像より、目視で評価した。又、スタート時及び1万枚毎に感光体を取り出し、感光体表面を観察した。
○:感光体の表面に凝集物の出現が全くなく、印刷画像にも黒ポチ等の画像欠陥の発生が全くない(良好)。
△:感光体の表面に凝集物の出現が見つからないが、印刷画像には、A4紙当たり、3個以下の小さな黒ポチ等の画像欠陥が発生している(実用性あり)。
×:感光体の表面に凝集物の出現があり、印刷画像にも、A4紙当たり、4個以上のはっきりした画像欠陥が発生している(実用性に問題あり)。
Figure 2008152077
表2より明らかなように、本願発明内の表面保護層を有する感光体1〜9は、表面保護層の塗布液の分散安定性の良好或いは実用性ありの評価であり、画像評価においても、画像欠陥の感光体で、良好或いは実用性ありの評価を得ているのに対し、本発明外の感光体10は、10万枚後の画像欠陥の発生が著しく、感光体11及び12は、表面保護層の塗布液の分散安定性が1日放置後で、劣化が大きく、画像評価においても、10万枚後の画像欠陥の発生が著しい。
本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。 溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散する場合に使用する装置についての概念図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (8)

  1. 機械的攪拌機を有する溶液タンクと超音波分散機をセットにし、該溶液タンクと超音波分散機の間で、溶液を循環させながら分散する有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法において、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製することを特徴とする有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
  2. 前記微粒子が、数平均一次粒径1〜300nmのシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる1種以上の無機微粒子であることを特徴とする請求項1記載の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
  3. 前記記載の表面保護層が電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法。
  4. 導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層及び表面保護層を積層した有機感光体において、機械的攪拌機を有する溶液タンクと超音波分散機をセットにし、該溶液タンクと超音波分散機の間で、溶液を循環させながら分散する分散装置を用い、少なくとも微粒子及び溶媒からなる第1の混合液を前記溶液タンク中に含有させ、該第1の混合液を前記溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により予め分散した後、前記第1の混合液で用いた溶媒量に比し、同量以下の溶媒中に少なくとも結着樹脂を溶解した結着樹脂溶液を前記第1の混合液と混合して、第2の混合液を作製し、該第2の混合液を、再度、溶液タンクと超音波分散機の間で、循環させながら、機械的撹拌及び超音波分散により分散して作製した表面保護層の分散液を用いて、表面保護層を形成することを特徴とする有機感光体。
  5. 前記記載の微粒子が、数平均一次粒径1〜300nmのシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子及びチタン酸ストロンチウム微粒子から選択されてなる1種以上の無機微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の有機感光体。
  6. 前記記載の表面保護層が電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の有機感光体。
  7. 有機感光体、該有機感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された有機感光体上に露光して静電潜像を形成する露光手段、該静電潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、該トナー像を有機感光体から転写媒体に転写する転写手段および有機感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段を有してなる画像形成装置において、前記有機感光体が請求項4の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 画像形成装置本体から脱着可能な画像形成ユニットであって、請求項4に記載の有機感光体と帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段を具備してなることを特徴とする画像形成ユニット。
JP2006340885A 2006-12-19 2006-12-19 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット Active JP4853272B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006340885A JP4853272B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006340885A JP4853272B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008152077A true JP2008152077A (ja) 2008-07-03
JP4853272B2 JP4853272B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=39654296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006340885A Active JP4853272B2 (ja) 2006-12-19 2006-12-19 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4853272B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091909A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Konica Minolta Business Technologies Inc Led光学素子、画像形成装置及び画像形成方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0651545A (ja) * 1992-08-03 1994-02-25 Sharp Corp 有機電子写真感光体の製造方法
JPH10207089A (ja) * 1997-01-22 1998-08-07 Mitsubishi Chem Corp 電子写真感光体の製造方法
JP2000112152A (ja) * 1998-10-06 2000-04-21 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体製造用分散液作成装置
JP2003316036A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2005070772A (ja) * 2003-08-07 2005-03-17 Ricoh Co Ltd 感光層形成用塗工液の製造方法及び該塗工液を用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2005099438A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体
JP2006178413A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法及び画像形成装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0651545A (ja) * 1992-08-03 1994-02-25 Sharp Corp 有機電子写真感光体の製造方法
JPH10207089A (ja) * 1997-01-22 1998-08-07 Mitsubishi Chem Corp 電子写真感光体の製造方法
JP2000112152A (ja) * 1998-10-06 2000-04-21 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体製造用分散液作成装置
JP2003316036A (ja) * 2002-04-24 2003-11-06 Konica Minolta Holdings Inc 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2005070772A (ja) * 2003-08-07 2005-03-17 Ricoh Co Ltd 感光層形成用塗工液の製造方法及び該塗工液を用いた電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および画像形成装置
JP2005099438A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体
JP2006178413A (ja) * 2004-11-26 2006-07-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成方法及び画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091909A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Konica Minolta Business Technologies Inc Led光学素子、画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4853272B2 (ja) 2012-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007108482A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4207967B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009015112A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP4135716B2 (ja) 有機感光体、該有機感光体の製造方法、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
WO2010029877A1 (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置
JP2009145879A (ja) 有機感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びカラー画像形成装置
JP2009009108A (ja) 有機感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4561582B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP4853272B2 (ja) 有機感光体の表面保護層の分散液の製造方法、有機感光体、画像形成装置及び画像形成ユニット
JP2008076809A (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4929832B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007004133A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP4483700B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP5387298B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2010066553A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置
JP4792853B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007003676A (ja) 画像形成装置、画像形成方法、有機感光体及びプロセスカートリッジ
JP2006267197A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009181101A (ja) 有機感光体、画像形成装置及び画像形成方法
JP4487877B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP2009301016A (ja) 有機感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ及びカラー画像形成装置
JP5375304B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2007108311A (ja) 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置
JP4449741B2 (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2007108480A (ja) 有機感光体、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090806

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4853272

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350