JP4449741B2 - 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる画像形成方法、画像形成装置及び有機感光体(以後、単に感光体とも云う)に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
有機感光体はセレン系感光体、アモルファスシリコン感光体のような無機感光体に比して素材の選択の幅が広いこと、環境適性に優れていること、生産コストが安いこと等の大きなメリットがあり、近年無機感光体に代わって電子写真感光体の主流となっている。
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
又、電子写真方式の近年の課題としては、省エネルギーや環境アメニティへの対応が挙げられる。
その1つに、電子写真方式の画像形成装置は、オゾンや酸化窒素化合物等の発生量が多いため、有機感光体(以後感光体とも云う)の劣化を招いたり、人体に悪影響を及ぼす等の問題がよく知られている。
そこで、近年、コロナ放電器を利用しない接触帯電方式を利用することが検討されている。具体的には帯電部材である磁気ブラシや導電性ローラに電圧を印加して、被帯電体である感光体に接触させ、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。このような接触帯電方式を用いればコロナ放電器を用いた非接触帯電方式と比較して低電圧化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
しかしながら、帯電ローラ等との接触帯電方法で、繰り返し帯電を行なうと、有機感光体に発生した亀裂や汚染等が発生し、該亀裂や汚染等の部分に電荷が集中し、絶縁破壊や黒ポチ等の画像欠陥の発生を引き起こしやすく、転写メモリーが発生しやすい。特に高温高湿、低温低湿等の厳しい条件下でこれらの問題が発生しやすい。
又、電子写真方式の画像形成装置の近年の課題として、カラー化への対応が挙げられる。パソコン等を利用した電子画像データからカラー画像への印刷がごく日常的に作製されることから、電子写真方式の画像形成装置もカラー印刷機能がより重要になってきている。
しかしながら、電子写真方式のカラー画像形成装置では、ポチ画像が発生しやすく、メモリー画像も発生しやすい。即ち、分解露光された、B(青)、G(緑)、R(赤)及びBk(黒)の少なくとも1つにポチやメモリーが発生すると、これらの欠陥が発生するので、これらの画像欠陥を防止するには、モノクロ画像の4倍の耐性が要求される。
このような、接触帯電或いはカラー画像の課題を解決する共通の技術として、導電性支持体上にN型半導性粒子を含有させた中間層を設けた有機感光体が報告されている(特許文献1)。N型半導性粒子としては、酸化チタンが最も好ましく用いられ、表面処理を施し、表面の水酸基を封鎖した酸化チタンが好ましい。しかしながら、この表面処理後の酸化チタンの性能が必ずしも安定せず、尚、メモリー特性の劣化、或いは、露光部電位が低下しにくく、画像濃度が低下しやすい等の問題が発生している。特に水酸基の封鎖効果が大きいメチルハイドロジェンポリシロキサンを表面処理剤とした酸化チタンでは、表面処理後の酸化チタンの特性が安定せず、前記した転写メモリーの発生や露光部電位が高い等の問題が発生している。
特開2002−236381号公報
本発明は上述のような従来技術の問題点を解決して、接触帯電方式やカラー画像形成装置に提供しても、安定し、良好な電位特性を達成し、転写メモリーの特性劣化を防止した中間層構造を有する有機感光体を提供することである。即ち、メチルハイドロジェンポリシロキサンを表面処理剤としたN型半導性粒子の特性を安定させ、表面の水酸基の封鎖をより完全にしたN型半導性粒子を用いた中間層を設けることにより、有機感光体のメモリー特性の改善、或いは、露光部電位の増大等の問題を解決し、良好な電位特性及び画像特性を有する有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明の上記のような課題、即ち、接触帯電方式やカラー画像形成装置を用いた場合に発生しやすい、電位特性の劣化や転写メモリーの発生或いはポチの発生を防止し、良好な電子写真画像を長期に亘り達成するために、メチルハイドロジェンポリシロキサンを表面処理剤としたN型半導性粒子の特性を安定させることを検討した結果、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理剤したN型半導性粒子のガスビュレット法により測定した水素発生量が少なくなるまで、N型半導性粒子を加熱及び加湿処理することが効果があることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は以下のような構成を有することにより達成される。

導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を積層する有機感光体において、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする有機感光体。

前記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする1に記載の有機感光体。

前記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体がメチルハイドロジェンシロキサン単位と他のシロキサン単位との共重合体であることを特徴とする1に記載の有機感光体。

前記他のシロキサン単位がジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位から選択された1種以上であることを特徴とする3に記載の有機感光体。

前記他のシロキサン単位がジメチルシロキサン単位であることを特徴とする3又は4に記載の有機感光体。

前記N型半導性粒子の数平均一次粒径が3nm以上200nm以下であることを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体
(7
前記N型半導性粒子がTiOであることを特徴とするに記載の有機感光体。

前記TiOがルチル型酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料であることを特徴とするに記載の有機感光体。

前記水素発生量が1.0ml/g以下であることを特徴とする1のいずれか1項に記載の有機感光体
(10
前記中間層の膜厚が0.5〜25μmであることを特徴とする1のいずれか1項に記載の有機感光体。
11
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有する有機感光体と該有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
12
有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
13
有機感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含有する現像剤を担持した円筒状現像スリーブを有機感光体に接触配設し、該静電潜像をトナー画像に顕像化する現像手段及び有機感光体に形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
本発明の有機感光体を用いることにより、接触帯電方式やカラー画像形成装置を用いた場合に発生しやすい、電位特性の劣化や転写メモリーの発生を防止し、良好な電子写真画像を長期に亘り提供することができる。又、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を積層する有機感光体において、該中間層がメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるN型半導性粒子を含有することを特徴とする。
本発明の有機感光体は上記構成を有することにより、接触帯電方式やカラー画像形成装置を用いた場合に発生しやすい、電位特性の劣化や転写メモリーの発生を防止し、良好な電子写真画像を長期に亘り提供することができる。
前記N型半導性粒子とは、主たる電荷キャリアが電子である粒子を意味する。すなわち、主たる電荷キャリアが電子であることから、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させた中間層は、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性が少ない性質を有する。
た時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
N型半導性粒子としては、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)が好ましく、特に酸化チタンが特に好ましく用いられる。
N型半導性粒子は数平均一次粒子径が3.0〜200nmの範囲の微粒子を用いる。特に、5nm〜100nmが好ましい。数平均一次粒子径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。数平均一次粒径が3.0nm未満のN型半導性粒子は中間層バインダー中での均一な分散ができにくく、凝集粒子を形成しやすく、該凝集粒子が電荷トラップとなって転写メモリーが発生しやすい。一方、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は中間層の表面に大きな凹凸を作りやすく、これらの大きな凹凸を通して絶縁破壊や黒ポチが発生しやすい。又、数平均一次粒径が200nmより大きいN型半導性粒子は分散液中で沈澱しやすく、凝集物が発生しやすい。
前記酸化チタン粒子は、結晶形としては、アナターゼ形、ルチル形、ブルッカイト形及びアモルファス形等があるが、中でもルチル型酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料が本発明の粒子として最も好ましい。
ルチル形酸化チタン及びアナターゼ形酸化チタンはどちらも正方晶形の酸化チタンであるが、ルチル形酸化チタンは屈折率が2.76、融点が1800〜1850℃、アナターゼ形酸化チタンは屈折率が2.52、ルチル形への転移点を有するといった違いがある。
本発明のN型半導性粒子はメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理されたものである。該メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の分子量は1000〜20000のものが表面処理効果が高く、絶縁破壊や黒ポチ発生防止機能も良好である。
メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体とは−(HSi(CH3)O)−の構造単位とこれ以外の構造単位(本発明の他のシロキサン単位のこと)の共重合体が好ましい。他のシロキサン単位としては、ジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位等が好ましく、特にジメチルシロキサンが好ましい。共重合体中のメチルハイドロジェンシロキサン単位の割合は10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%である。
メチルハイドロジェンシロキサン共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいがランダム共重合体及びブロック共重合体が好ましい。又、共重合成分としてはメチルハイドロジェンシロキサン以外に、一成分でも二成分以上でもよい。
前記のN型半導性粒子の表面処理は、以下の様な湿式法でも乾式法でも行うことができる。
湿式法としては、有機溶剤や水に対して前記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体を溶解または懸濁させた液にN型半導性粒子の酸化チタン等を添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面をメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で被覆した酸化チタン粒子等を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタン等を分散させた懸濁液にメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体を添加しても構わない。
乾式法としては、N型半導性粒子の酸化チタン等に、高い衝撃圧力をかけながら、表面処理剤(メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の溶媒溶液等)を吹きつけて、乾燥させ、表面をメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で被覆した酸化チタン粒子等を得ることができる。
本発明では、上記のようにして得られた、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で被覆した酸化チタン粒子等を、更に、高温高湿環境下で加熱することにより、酸化チタン等の表面に残存する水酸基をメチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体の活性水素と反応させ、表面の残存水酸基を封鎖した酸化チタン粒子等を得ることができ、前記ガスビュレット法により測定した水素発生量が0.01〜2.0ml/gであるN型半導性粒子を得ることができる。そして、該水素発生量が少ないN型半導性粒子を中間層に用いることにより、低温低湿環境(例えば、10℃20RH%)や経時による露光部電位の増加を小さくでき、転写メモリーの発生をより改善した有機感光体を得ることができる。
前記高温高湿環境下で加熱する時の温湿度条件としては、温度40〜90℃、湿度60〜95RH(相対湿度)%で、約3〜200時間処理を行なうことが好ましい。加熱及び加湿条件が弱い場合は、処理時間をより長くすることによっても水素発生量を少なくすることができる。
水素発生量は、以下のようにして測定する。
水素ガス発生量についてはガスビュレット法により行った。三つ口フラスコに表面処理済N型半導性粒子2gとアルコール40mlを入れ分散させ、閉鎖系にて10%NaOH水溶液を1ml滴下することで水素ガスを発生させ、23℃下、N型半導性粒子1g当たりの水素発生量を算出した。
水素発生量は23℃下で2.0ml/g以下が良く、更には1.0ml/g以下がより好ましい。水素発生量の下限としては0.1ml/g未満が好ましいが、0.1ml/g未満の水素発生量は正確な測定が難しい。水素発生量が2.0ml/gより大きいと露光部電位が増大し、画像濃度が低下したり、転写メモリーが発生したりする。
又、本発明では、上記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で処理する前にN型半導性微粒子をアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理を行なってもよい。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性微粒子は以下の様に作製することができる。
N型半導性微粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等のN型半導性粒子の他にバインダー樹脂、分散溶媒等から構成される。
N型半導性粒子の中間層中での比率は、中間層のバインダー樹脂との体積比(バインダー樹脂の体積を1とすると)で1.0〜2.0倍が好ましい。中間層中でこのような高密度で本発明のN型半導性粒子を用いることにより、中間層の整流性が高まり、膜厚を厚くしても残留電位の上昇や転写メモリーも発生せず、絶縁破壊や黒ポチを効果的に防止でき、電位変動が小さい良好な有機感光体を形成することができる。又、このような中間層はバインダー樹脂100体積部に対し、N型半導性粒子を100〜200体積部を用いることが好ましい。
一方、これらの粒子を分散し、中間層の層構造を形成するバインダー樹脂としては、粒子の良好な分散性を得る為にポリアミド樹脂が好ましいが、特に以下に示すポリアミド樹脂が好ましい。
即ち、本発明の中間層にはバインダー樹脂に融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下のポリアミド樹脂が好ましい。該融解熱は0〜30J/gがより好ましく、0〜20J/gが最も好ましい。一方、前記吸水率が5質量%を超えると、中間層中の含水率が上昇し、絶縁破壊や黒ポチが発生しやすく、残留電位の上昇、カブリの発生等、電子写真特性も低下しやすい。該吸水率は4質量%以下がより好ましい。
上記樹脂の融解熱はDSC(示差走査熱量測定:Differential Scanning Calorimetory)にて測定する。但し、DSCの測定値と同じ測定値が得られれば、DSC測定法にこだわらない。該融解熱はDSC昇温時の吸熱ピーク面積から求める。
一方、樹脂の吸水率は水中浸漬法による質量変化又はカールフィッシャー法により求める。
本発明の中間層のバインダー樹脂としてはアルコール可溶性ポリアミド樹脂が好ましい。有機感光体の中間層のバインダー樹脂としては、中間層を均一な膜厚で形成するために、溶媒溶解性の優れた樹脂が必要とされている。このようなアルコール可溶性のポリアミド樹脂としては、前記した6−ナイロン等のアミド結合間の炭素鎖の少ない化学構造から構成される共重合ポリアミド樹脂やメトキシメチル化ポリアミド樹脂が知られているが、これらの樹脂は吸水率が高く、このようなポリアミドを用いた中間層は環境依存性が高くなる傾向にあり、その結果、たとえば高温高湿や低温低湿下の帯電特性や感度等が変化しやすく、絶縁破壊や黒ポチも発生しやすい。
本発明のアルコール可溶性ポリアミド樹脂には、上記のような欠点を改良し、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を与えることにより、従来のアルコール可溶性ポリアミド樹脂の欠点を改良し、外部環境が変化しても、又有機感光体の長時間連続使用を行っても、良好な電子写真画像を得ることができる。
以下、融解熱0〜40J/gで、且つ吸水率5質量%以下の特性を有するアルコール可溶性ポリアミド樹脂について説明する。
前記アルコール可溶性ポリアミド樹脂としては、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造を全繰り返し単位構造の40〜100モル%含有するポリアミド樹脂が好ましい。
ここで、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造について説明する。前記繰り返し単位構造とはポリアミド樹脂を形成するアミド結合単位を意味する。このことを、繰り返し単位構造がアミノ基とカルボン酸基の両方を持つ化合物の縮合により形成されるポリアミド樹脂(タイプA)と、ジアミノ化合物とジカルボン酸化合物の縮合で形成されるポリアミド樹脂(タイプB)の両方の例で説明する。
即ち、タイプAの繰り返し単位構造は一般式(1)で表され、Xに含まれる炭素数が繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。一方タイプBの繰り返し単位構造は一般式(2)で表され、Yに含まれる炭素数もZに含まれる炭素数も、各々繰り返し単位構造におけるアミド結合単位の炭素数である。
Figure 0004449741
一般式(1)中、R1は水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Xは置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、lは自然数を示す。
Figure 0004449741
一般式(2)中、R2、R3は各水素原子、置換又は無置換のアルキル基、Y、Zは各置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を示し、m、nは自然数を示す。
前記のごとく、炭素数が7〜30の繰り返し単位構造は置換又は無置換の、アルキレン基、2価のシクロアルカンを含む基、2価の芳香族基及びこれらの混合構造を有する化学構造等が挙げられるが、これらの中で2価のシクロアルカンを含む基を有する化学構造が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7〜30であるが、好ましくは9〜25、更には11〜20が良い。またアミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率は40〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、更には80〜100モル%が良い。
前記炭素数が7より小だと、ポリアミド樹脂の吸湿性が大きく、電子写真特性、特に繰り返し使用時の電位の湿度依存性が大きく、更に黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。30より大であるとポリアミド樹脂の塗布溶媒への溶解が悪くなり、中間層の塗布膜形成に適さない。
又、アミド結合間の炭素数が7〜30の繰り返し単位構造が全繰り返し単位構造中に占める比率が40モル%より小さいと、上記効果が小さくなる。
本発明の好ましいポリアミド樹脂としては下記一般式(3)で示される繰り返し単位構造を有するポリアミドが挙げられる。
Figure 0004449741
一般式(3)中、Y1は2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基、Z1はメチレン基、mは1〜3、nは3〜20を示す。
上記一般式(3)中、Y1の2価のアルキル置換されたシクロアルカンを含む基は下記化学構造が好ましい。即ち、Y1が下記化学構造を有する本発明のポリアミド樹脂は、黒ポチ改善効果が著しい。
Figure 0004449741
上記化学構造において、Aは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R4は置換基で、アルキル基を示し、pは1〜5の自然数を示す。但し、複数のR4は同一でも、異なっていても良い。
本発明のポリアミド樹脂の具体例としては下記のような例が挙げられる。
Figure 0004449741
Figure 0004449741
Figure 0004449741
上記具体例中の()内の%は繰り返し単位構造のアミド結合間の炭素数が7以上の繰り返し単位構造の比率(モル%)を示す。
上記具体例の中でも、一般式(3)の繰り返し単位構造を有するN−1〜N−4のポリアミド樹脂が特に好ましい。
又、本発明のポリアミド樹脂の分子量は数平均分子量で5,000〜80,000が好ましく、10,000〜60,000がより好ましい。数平均分子量が5,000以下だと中間層の膜厚の均一性が劣化し、本発明の効果が十分に発揮されにくい。一方、80,000より大きいと、樹脂の溶媒溶解性が低下しやすく、中間層中に凝集樹脂が発生しやすく、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。
本発明のポリアミド樹脂はその一部が既に市販されており、例えばダイセル・デグサ(株)社製のベスタメルトX1010、X4685等の商品名で販売されて、一般的なポリアミドの合成法で作製することができるが、以下に合成例の一例を挙げる。
例示ポリアミド樹脂(N−1)の合成
攪拌機、窒素、窒素導入管、温度計、脱水管等を備えた重合釜にラウリルラクタム215質量部、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン112質量部、1,12−ドデカンシカルボン酸153質量部及び水2質量部を混合し、加熱加圧下、水を留出させながら9時間反応させた。重合物を取り出し、C13−NMRにより共重合組成を求めたところ、N−1の組成と一致した。尚、上記合成された共重合のメルトフローインデックス(MFI)は(230℃/2.16kg)の条件で、5g/10minであった。
本発明のポリアミド樹脂を溶解し、塗布液を作製する溶媒としては、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が好ましく、ポリアミドの溶解性と作製された塗布液の塗布性の点で優れている。これらの溶媒は全溶媒中に30〜100質量%、好ましくは40〜100質量%、更には50〜100質量%が好ましい。前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の中間層の膜厚は0.5〜25μmが好ましい。中間層の膜厚が5μm未満では、絶縁破壊や黒ポチが発生しやすく、25μmを超えると、残留電位の上昇や転写メモリーが発生しやすく、鮮鋭性が劣化しやすい。中間層の膜厚は7〜15μmがより好ましい。
又、本発明の中間層は実質的に絶縁層であることが好ましい。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108以上である。本発明の中間層及び保護層の体積抵抗は1×108〜1015Ω・cmが好ましく、1×109〜1014Ω・cmがより好ましく、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmである。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:30±2℃、80±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、有機感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
次に、上記のような中間層を有する有機感光体の層構成について記載する。
本発明の有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。本発明の導電性支持体としては、アルミニウム支持体が最も好ましい。該アルミニウム支持体は、主成分のアルミニウム以外にマンガン、亜鉛、マグネシウム等の成分が混合したものも用いられる。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、前記した中間層を設ける。
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θの7.5°、28.7°に顕著な回折ピークを有するチタニルフタロシン、同2θの12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜1μmが好ましい。0.01μm未満では十分な感度特性が得られず、残留電位が上昇しやすい。一方、1μmを超えると絶縁破壊や黒ポチが発生しやすい。
電荷輸送層
一方、電荷輸送層の構成は公知の構成を用いて得ることができる。電荷輸送物質及びバインダーを適切に選択して、電荷輸送層を形成することが必要である。
電荷輸送物質(CTM)としては、例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを併用して用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
本発明の電荷輸送層には前記した膜厚が、10〜30μmの電荷輸送層を用いる。該膜厚が10μm未満では、絶縁破壊や黒ポチ等が発生しやすく、30μmを超えると画像がボケやすく鮮鋭性が劣化しやすい。
上記では本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。即ち、前記電荷輸送層を2層で構成したり、電荷輸送層の上に保護層を設けた構成にしてもよい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、これらの各層の塗布溶液は塗布工程に入る前に、塗布溶液中の異物や凝集物を除去するために、金属フィルター、メンブランフィルター等で濾過することが好ましい。例えば、日本ポール社製のプリーツタイプ(HDC)、デプスタイプ(プロファイル)、セミデプスタイプ(プロファイルスター)等を塗布液の特性に応じて選択し、濾過をすることが好ましい。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられる。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本発明の接触帯電方式を用いた画像形成装置について説明する。
図1は、本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置1の断面概略図である。画像形成装置1は内部に、感光体カートリッジ2、現像カートリッジ3、外部からの画像信号に基づいて変調されたレーザビームを偏向させながら射出する露光装置4、記録紙を供給する給紙装置5、転写ローラ6、定着器7および排紙トレイ8が配設されている。
感光体カートリッジ2は、内部に円筒体の外周面に有機光導電材料の薄膜層を形成して成る感光体21、帯電ブラシ22等を備えている。現像カートリッジ3は、内部に図示せぬ現像スリーブ、攪拌ローラ、およびトナーとキャリアが収容されたトナータンクを備えており、現像スリーブには図示せぬ現像電源から現像バイアスが印加される。両カートリッジには、画像形成装置1への着脱の際に機械的接触による不具合が発生するのを防止するために、画像形成装置1への挿入時には閉状態とされ、画像形成装置1からの取り出し時には開状態とされる図示せぬ保護カバーが設けられている。
画像形成プロセスは周知であるため、以下に、簡略に示すに留める。まず、感光体21表面は帯電ブラシ22により所定の電圧で均一に帯電される。露光装置4は、変調されたレーザビーム(図中に破線矢印で示す)を発生し、このレーザビームを図示せぬポリゴンミラーにより偏向して、感光体21上を偏向走査し、前記帯電面に画像情報に応じた静電潜像を順次に形成していく。トナータンク内のトナーは、攪拌ローラで攪拌された後、現像スリーブ上に供給され、感光体21との対向部で、前記静電潜像に対応したトナー像を形成する。同時に、感光体21表面の露光を受けていない部分(非画像部)に存在する残留トナーは、現像スリーブに印加される現像バイアス電圧と感光体21の表面電位との電位差を利用して、現像カートリッジに静電力により回収される。一方、トナー像は、感光体21と対向して配設されている転写ローラ6によって、記録紙上に静電転写される。なお、記録紙は給紙装置5から図中実線矢印で示される搬送路に沿って運ばれてくる。次いで、この記録紙は定着器7に搬送され、ここで未定着トナー像が記録紙上に熱定着される。最後に、所望の画像を形成した記録紙は、排紙トレイ8より排出される。以上一連のプロセスを繰り返すことで、原稿の複製が多量かつ高速にできるわけである。
帯電ブラシは、感光体の回転によって感光体との接触部に送られてきた残留トナーを機械的に撹拌し、判読不可能な状態となるまで感光体表面に拡散させる。また、帯電ブラシは、感光体の帯電極性と反対の極性(逆極性)の残留トナーを静電的に吸着して回収し、感光体の帯電極性と同極性(正規の極性)に帯電させて感光体表面に吐出する。
図2は、画像形成装置1に着脱自在な感光体カートリッジ2の断面概略図である。感光体カートリッジ2は、その保護カバー付きケーシング28内に、像担持体としての感光体21、この感光体21の周りに当接配置された帯電ブラシ22、帯電ブラシ22に所定電圧を印加する電源接続部材23、プレ帯電フィルム24、帯電ならし部材(スポンジ状の帯電部材)25、26、電源接続部材27を収容する。
感光体21は図示せぬ駆動装置により図中矢印方向に回転する。帯電ブラシ22は、毛状の繊維からなる導電糸をブラシ支持体に植設したものである。この帯電ブラシ22は感光体21の表面に接触した状態で、図示せぬ駆動装置により図中矢印方向、つまり感光体21との接触部において、感光体21回転方向に対して同方向に回転する。画像形成時には、帯電ブラシ22に図示せぬ帯電電源より電圧が印加され、これによって感光体21表面を均一に所定極性に帯電させる。一方、非画像形成時には、帯電電源より前記画像形成時と逆の極性の電圧が帯電ブラシ22に印加される。なお、トナーの帯電極性は、画像形成時の帯電電圧の極性と同一である。よって非画像形成時に、帯電ブラシ22内に蓄積されたトナーを静電的反発力により、感光体21上に吐出させることができる。
現像プレ帯電フィルム24及び帯電ならし部材25、26は、帯電ブラシ22による帯電ムラを補う目的で配置されている。
尚、上記画像形成装置は、モノクロのレーザプリンタを示したが、カラーのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。又、露光光源もレーザ以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
又、前記画像形成装置は、クリーナレスの画像形成装置を例示したが、残留トナーを回収するための専用のクリーニング装置を備える画像形成装置であってもよい。即ち、本発明は、クリーナレス型でない画像形成装置にも適用することができる。又、本発明の有機感光体は帯電手段が非接触の帯電器(コロナ帯電器等)で用いてもよい。
さらに、本発明を適用したフルカラー画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
図3は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成方法においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2000μm2以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の有機感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、100〜1000μm2である。その結果800dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)以上で、階調性が豊かな電子写真画像を達成することができる。
前記露光ビームのスポット面積とは、該露光ビームを該ビームと垂直な面で切断したとき、該切断面に現れる光強度分布面で、光強度が最大ピーク強度の1/e2以上の領域に相当する面積を意味する。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70(転写媒体)を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材(転写媒体)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、転写媒体とは中間転写体や転写材等の感光体上のトナー画像の転写媒体を云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図4は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザービームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の有機感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
N型半導性粒子の表面処理:N型半導性粒子1の作製
メチルハイドロジェンシロキサン5部を水−メタノール混合溶媒(混合比1/1)100部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる一次表面処理がされている)100部を添加したのち、1時間撹拌し、メチルハイドロジェンシロキサン表面処理(二次処理)を行なった。その後、該ルチル型酸化チタンを濾過した後、乾燥し、その後、60℃85RH%の条件で36時間、加熱処理を行ないN型半導性粒子1を得た。該N型半導性粒子1の前記した測定法による水素発生量は、0.5mg/gであった。
N型半導性粒子2〜13の作製
無機粒子1の作製に於いて、N型半導性粒子の種類、数平均一次粒径、一次処理、二次処理及び加熱処理条件を表1のように変更した以外は同様にして、N型半導性粒子2〜13を作製した。これらのN型半導性粒子についても、N型半導性粒子1と同様にして水素発生量を測定した。その結果も表1に記載する。
Figure 0004449741
表中、
A1はルチル型酸化チタン
A2はアナターゼ形酸化チタン
Zは酸化亜鉛
*1はメチルハイドロジェンポリシロキサン
*2はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比1:1)
*3はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比9:1)
*4はメチルハイドロジェンシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体(モル比2:8)
感光体1の作製
中間層1
洗浄済み円筒状アルミニウム基体(切削加工により表面粗さRzを0.30μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚0.5μmの中間層1を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部(1.00体積部)
N型半導性粒子1 5.6部(1.6体積部)
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=75/25質量比) 10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
電荷発生層
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
電荷輸送層
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚18μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
電荷輸送物質(4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン) 70部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
感光体2〜17の作製
前記感光体1の作製において、中間層のN型半導性粒子、バインダー樹脂、溶媒、及び中間層膜厚を表2のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜17を作製した。
Figure 0004449741
Figure 0004449741
表2中、CM8000は、4元共重合ポリアミド(東レ(株)製)
評価1(モノクロ画像の評価)
電位特性の評価
上記各感光体を基本的に図1、2に記載の構造を有するミノルタQMS(MagiColor2300:A4紙16枚/分のプリンター:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)に各々装着し、低温低湿環境(10℃、15RH%)で評価した。評価項目及び評価基準を下記に示す。
電位特性
現像部における露光部電位を測定した。
画像評価
(画像濃度及び階調性の評価)
白画像から黒ベタ画像まで20段階の階調段差を持つオリジナル画像を複写し、画像濃度と階調性を評価した。評価は複写画像の階調濃度をマクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
(画像濃度)
◎:黒ベタ部濃度が1.3以上
○:黒ベタ部濃度が1.0〜1.3未満
△:黒ベタ部濃度が0.7〜1.0未満
×:0.7未満
(階調性)
◎:階調性が14段階以上
○:階調性が10〜13段階
△:階調性が5〜9段階
×:階調性が4段階以下
(転写メモリー)
転写メモリーに起因する、ハーフトーン画像上のネガ像(メモリー画像)の発生度合いを見、下記の判断基準で評価した。
◎:ネガ像の発生無し。
○:濃度差が0.03未満のネガ像の発生が、一部有るも画像としては実用的には許容範囲。
×:濃度差が0.03以上のネガ像の発生があり、実用にはならず。
結果を表3に示す。
Figure 0004449741
表3から明らかなように、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるN型半導性粒子を含有する中間層を有する感光体1〜15は、電位特性及び画像評価共に良好な評価結果を得ているが、水素発生量が2.5ml/gのN型半導性粒子を用いた感光体16は、露光部電位が高く、画像濃度及び階調性が低下し、転写メモリーの発生が顕著である。
評価2(カラー画像の評価)
前記感光体2、8、11及び16を各々4本づつ準備し、これら各種の感光体を低温低湿環境(10℃、15RH%)で、市販のフルカラー複合機8050(基本的に、図3に記載の構成を有するタンデム型フルカラー複合機:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)に搭載し、画像評価を行った。白地部、べた黒部、及びレッド、グリーン、ブルーのソリッド画像部、文字画像部を有するオリジナル画像を用いて、A4紙に複写し評価した。評価項目と評価基準を以下に示す。
評価条件
感光体の線速:220mm/sec
現像スリーブの線速:350mm/sec
現像:各現像手段(4Y、4M、4C、4Br)に用いるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーには、各々平均粒径6.5μmで、0.3μmの疎水性酸化チタン及び15nmの疎水性シリカの外添剤を含有した重合トナーを用いた二成分現像剤を用いた。反転現像法
(1)画像評価
画像ムラ
ハーフトーン画像を作製して評価した。
◎:転写メモリー等による画像ムラの発生が見られず、ハーフトーン画像が明瞭に再現されている(非常に良好)。
○:ハーフトーン画像が明瞭に再現されているが、転写メモリー等による反射濃度で0.04未満の画像ムラ有り(実用的に問題なし)。
×:転写メモリー等によるハーフトーン画像に反射濃度で0.04以上の画像ムラ有り(実用的に問題あり)。
画像濃度
濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、画像濃度についてはA4紙の反射濃度を0.000とした相対濃度で測定した。
◎:べた黒の画像が1.30以上(非常に良好)
○:べた黒の画像が1.00以上(実用上問題ないレベル)
×:べた黒の画像が1.00未満(実用上問題あり)
色再現性
1枚目の画像および100枚目の画像のY、M、C各トナーにおける二次色(レッド、ブルー、グリーン)のソリッド画像部の色を「MacbethColor−Eye7000」により測定し、CMC(2:1)色差式を用いて各ソリッド画像の1枚目と100枚目の色差を算出した。
◎:色差が3以下(良好)
×:色差が3より大の(実用上問題あり実用不可)
結果を表4に示す。
Figure 0004449741
表4から明らかなように、フルカラー複合機8050の画像評価では、本発明の感光体2、8及び11では、画像ムラ、画像濃度、及び色再現性のいずれも良好な特性を示しているが、本発明外の感光体16(水素発生量が2.5ml/gのN型半導性粒子を中間層に用いた)では、画像ムラ、画像濃度及び色再現性の劣化が大きい。
本発明に係る接触帯電方式を用いた画像形成装置の断面概略図である。 画像形成装置に着脱自在な感光体カートリッジの断面概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 感光体カートリッジ
3 現像カートリッジ
4 露光装置
5 給紙装置
6 転写ローラ
7 定着器
8 排紙トレイ
21 感光体
22 帯電ブラシ
23、27 電源接続部材
24 プレ帯電フィルム
25、26 帯電ならし部材

Claims (13)

  1. 導電性支持体上に少なくとも中間層及び感光層を積層する有機感光体において、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
  2. 前記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 前記メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体がメチルハイドロジェンシロキサン単位と他のシロキサン単位との共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  4. 前記他のシロキサン単位がジメチルシロキサン単位、メチルエチルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位及びジエチルシロキサン単位から選択された1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の有機感光体。
  5. 前記他のシロキサン単位がジメチルシロキサン単位であることを特徴とする請求項3又は4に記載の有機感光体。
  6. 前記N型半導性粒子の数平均一次粒径が3nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
  7. 前記N型半導性粒子がTiO であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  8. 前記TiO がルチル型酸化チタン顔料又はアナターゼ形酸化チタン顔料であることを特徴とする請求項7に記載の有機感光体。
  9. 前記水素発生量が1.0ml/g以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機感光体。
  10. 前記中間層の膜厚が0.5〜25μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機感光体。
  11. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有する有機感光体と該有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段、該有機感光体上の静電潜像を顕像化する現像手段、該有機感光体上に顕像化されたトナー像を転写材上に転写する転写手段の少なくとも1つとが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 有機感光体上に帯電部材を接触させて帯電する帯電手段を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
  13. 有機感光体上に静電潜像を形成し、トナーを含有する現像剤を担持した円筒状現像スリーブを有機感光体に接触配設し、該静電潜像をトナー画像に顕像化する現像手段及び有機感光体に形成されたトナー像を転写媒体に転写する転写手段を有する画像形成ユニットを複数配列して設け、該複数の画像形成ユニット毎に着色を変えたトナーを用いて有機感光体上に各色トナー像を形成し、該各色トナー像を有機感光体から転写媒体に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、前記有機感光体が、導電性支持体上に少なくとも中間層、電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該中間層がアルコール可溶性ポリアミド樹脂をバインダーとして含有し、メチルハイドロジェンシロキサン単位を含む重合体で表面処理を施され、23℃の条件で、ガスビュレット法により測定した水素発生量が2.0ml/g以下であるTiO 又はZnOから選ばれるN型半導性粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
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