JP2007108482A - 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、中間転写体を用いたカラー画像の画像形成方法で発生しやすい、中抜けの発生や画像ボケ或いは画像濃度の低下と云った問題を改善し、長期に亘り良好なカラー画像を形成できる有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンターに適用できる有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置に関するものであり、高速で電子写真画像を作製できる有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する発明である。
従来、電子写真法として最も代表的なカールソン法での複写機においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって電荷を像様に消去せしめ、静電荷潜像を形成する。この静電荷潜像をトナーによって現像して可視化し、次いでそのトナーを紙などに転写してから定着することにより画像形成が行われてきた。
これまで電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、カドミウムなどの無機光導電性物質を感光層の主成分とする無機感光体が、広く使用されてきた。しかし、これらの無機感光体は有害なものが多く、環境対策上問題がある。
従って近年、無公害である有機物を用いた有機感光体の開発が盛んであり、広く実用化されてきている。なかでも電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、所望の特性を有する化合物を広い範囲から選択できる機能分離型の感光体が盛んに開発されている。
しかしながら、有機感光体は、クリーニングブレード等による摩耗劣化が大きく多数枚のプリントが要求される電子写真感光体の高耐刷特性を十分に満たし得ていない。又、帯電工程から発生するオゾンやNOx等の活性ガスにより、電荷輸送物質等が劣化し、感度の劣化や残留電位の上昇に伴う画像濃度の低下や画像ボケが発生しやすいと云う問題を有している。
高耐刷特性を改善し且つトナーの離型性を改善する為に、表面層に含フッ素樹脂微粒子を含有させる有機感光体が提案されている(特許文献1)が、表面にこれらの含フッ素樹脂微粒子を含有させると、含フッ素樹脂微粒子とバインダー樹脂の界面から前記したオゾンやNOx等の活性ガスが進入しやすく、表面層に存在する電荷輸送物質等の劣化を促進し、画像ボケの発生やトナー画像の部分的な転写不良を引き起こし、中抜け(一部のトナーが感光体から転写媒体に転写せず斑点状の画像欠陥が出現すること)等の画像欠陥が発生しやすい。
これらのオゾンやNOx等の活性ガスにより、電荷輸送物質等の劣化を防止する手段として、酸化防止剤を感光体の電荷輸送層に含有させる技術についてもよく知られている(特許文献2)が含フッ素樹脂微粒子を含有させた有機感光体では、これらの酸化防止剤の効果が十分に発揮できていないのが現状である。
又、近年、電子写真方式を用いた画像形成方法は、デジタル信号処理による書き込みで、高速化が進展し、カット紙を用いた複写機やプリンターでは分速50枚以上の印刷速度を持つ複写機やプリンターが開発されている。
このような高速のプリンターや複写機に対応した電子写真特性を達成する技術とて、PM3パラメータを使った半経験的分子軌道計算を用いて構造最適化計算を行い、分極率及び双極子モーメントを特定の範囲に規定した電荷輸送物質を用いた電子写真感光体が提案されている(特許文献3及び特許文献4)。
しかしながら、高速特性を追求していくと、電荷輸送物質の化学構造は化学的に不安定となりやすく、中でも、電子写真画像を作製する際に、帯電部材等から発生するNOxやオゾン等の活性ガスによる特性低下が発生しやすく、これらの特性劣化により、画像ボケが発生したり、残留電位が増加し、画像濃度が低下したりすると云った問題が発生している。
又、近年、電子写真画像はパソコン等の使用拡大に伴い、カラー印刷の需要が増大しており、カラー印刷の画像形成方法として、中間転写体を用いた画像形成方法が広く開発されている。しかしながら、中間転写体方式の画像形成方法は、最終的なカラー画像を得るためには、感光体から中間転写体への一次転写、中間転写体から転写材への二次転写と少なくとも2回のトナー画像の転写が行なわれるため、帯電部材等から発生するNOxやオゾン等の活性ガスで有機感光体の表面特性が劣化すると、有機感光体から中間転写体へのトナー画像の転写性が低下し、中抜けが発生、或いは、画像ボケの発生が顕在化しやすい。
特開2002−278096号公報 特開平11−200135号公報 特開平10−312071号公報 特開2001−305763号公報
本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点を解決することである。即ち、高速特性を有し且つ耐活性ガス特性を有する有機感光体を提供することであり、良好な電子写真画像を作製できる高耐刷の有機感光体を提供することであり、画像ボケの発生や中抜けの発生を防止し、高速で、且つ耐活性ガス特性に優れた有機感光体を提供することである。又、該有機感光体を用いたプロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
又、本発明は、中間転写体を用いたカラー画像の画像形成方法で発生しやすい、中抜けの発生や画像ボケ或いは画像濃度の低下と云った問題を改善し、長期に亘り良好なカラー画像を形成できる有機感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明者等は、上記課題について、詳細に検討した結果、電荷輸送物質の化学構造と電子密度分布の間に、高速特性と耐ガス特性を両立できる特異的な関係を見出し、本発明を完成した。即ち、電子雲の広がりが大きいと同時に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布がある特定の関係を有する電荷輸送性物質と含フッ素樹脂微粒子を併用することにより高速特性を維持しながら、しかも耐ガス性、高耐刷特性に優れ、良好なモノクロ画像及びカラー画像を形成できる有機感光体が得られることを見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の上記目的は、以下の構成を用いることにより達成される。
1.有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程で静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
2.有機感光体を帯電する帯電工程、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程、該顕像化されたトナー像を有機感光体から中間転写体上に転写する一次転写工程、中間転写体上のトナー像を転写材に転写する二次転写工程とを有する画像形成方法に用いられる有機感光体において、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
3.前記炭素環基がフェニル基であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機感光体。
4.前記感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層とその上に積層された電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した構成を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
5.前記電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが7.6〜7.9eVであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
6.含フッ素樹脂微粒子の数平均一次粒径(Dp)が平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
7.前記含フッ素樹脂微粒子の結晶化度が40%以上90%未満であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
8.前記電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を表面層に含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
9.有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程で静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
10.有機感光体を帯電する帯電工程、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程、該顕像化されたトナー像を有機感光体から中間転写体上に転写する一次転写工程、中間転写体上のトナー像を転写材に転写する二次転写工程とを有する画像形成方法において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
11.有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
12.プロセススピードが400mm/sec以上であることを特徴とする前記11に記載の画像形成装置。
13.有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有する有機感光体と帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の有機感光体を用いることにより、高速複写機や中間転写体を用いたカラー複写機に十分適応でき、且つ耐活性ガス特性、高耐刷特性に優れた有機感光体を提供でき、感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性の劣化を防止でき、画像ボケや中抜けの発生を防止した良好な電子写真画像を提供することができ、且つ該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明の有機感光体は、有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程で静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体であり、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする。
有機感光体が上記のような構成を有することにより、多数枚のプリントやカラーコピーを行なっても、高速の感度特性と安定した電位特性を示し、NOx等の活性ガスによる残留電位の上昇が小さく、画像ボケや中抜けの発生或いは画像濃度の低下を防止でき、鮮鋭性のが良好な電子写真画像を安定して作製できる。
以下、本発明の有機感光体の構成を記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能のいずれか一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該電荷輸送層は複数層から形成されることが好ましい。又、導電性支持体と電荷発生層の間には、該支持体からのフリーキャリアの進入をブロックできる中間層を設置することが好ましい。以下、本発明の有機感光体の好ましい構成を示す。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、支持体からのフリーキャリアの進入をブロックできる中間層を設置することが好ましい。
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
感光層
本発明の有機感光体の感光層構成は導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有する。該感光層は電荷発生物質と電荷輸送物質が同一層に存在する感光層で構成されてもよいが、より好ましくは、導電性支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層(CGL)及び電荷輸送層を含有する電荷輸送層(CTL)の積層構成が好ましい。以下、該積層構成の層構成を中心に本発明の有機感光体を説明する。
電荷発生層
電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
本発明に係わる電荷輸送層は、トリアリールアミン基を有し且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、前記計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質を前記一般式(1)の化合物と併用して含有する。即ち、本発明の電荷輸送物質は上記HOMO電子密度分布の値が前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し且つ最も遠くに存在する炭素環基上に0.009以上の炭素原子をが少なくとも1つ以上有する。更に、上記HOMO電子密度分布の値は0.009〜0.03の範囲が化学的に最も安定し(NOx等の攻撃サイトになりにくい化学的に安定した構造であり)且つ電荷キャリアの高速輸送特性を同時に満足した化学構造を獲得できる。
ここで、トリアリールアミン基を有する化合物とは、分子構造中に少なくともトリアリールアミン基を有する化合物であり、例えば、下記一般式(1)で示されるような化合物が好ましく用いられる。
Figure 2007108482
〔一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5は各々水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。Ar1は水素原子又は置換、無置換の芳香族基、Ar2は置換、無置換の芳香族基を示す。〕
尚、一般式(1)中、トリアリールアミン基の構造は、N原子に連結している3個のフェニール基で構成されている。
上記、一般式(1)で示される化合物はシス−シス、シス−トランス、トランス−トランスの立体異性構造を取る化合物が多いが、この中で、前記HOMO電子密度及び双極子モーメントの条件を満足する化合物はトランス−トランスの立体異性構造を取る化合物の多く、本発明の電荷輸送物質として上記一般式(1)の化合物を用いる場合は、トランス−トランスの立体異性構造を有する化合物を用いることが好ましい。
これらの立体構造を有する化合物は、これらの立体構造を一旦分離した後、HOMO及び双極子モーメントの前記条件を満たす立体構造を有する化合物を全体として50質量%以上含有させることが好ましい。
又、一般式(1)の化合物の合成例とその分離方法(シス−シス、シス−トランス、トランス−トランスの立体異性構造の分離方法)については、特開2003−280221号公報に記載の下記の液体クロマトグラフィの測定条件(分離条件)で、分離することができ、これから分離して、前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し且つ最も遠くに存在する炭素環基上に0.009以上の炭素原子が少なくとも1つ以上存在し、前記計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下である化合物である化合物を選択することが好ましい。
測定機:島津LC6A(島津製作所製)
カラム:CLC−SIL(島津製作所製)
検出波長:290nm
移動相:n−ヘキサン/ジオキサン=10〜500/1
移動相の流速:約1ml/min
サンプル溶媒:n−ヘキサン/ジオキサン=10/1
サンプル:3mg/溶媒10ml
又、N原子と間接的に連結し且つ最も遠くに存在する炭素環基とは、トリアリールアミン基のN原子に他の基を挟んで間接的に接続している炭素環基であり、且つN原子を中心として、N原子から分子内の距離が最も遠くに存在する炭素環基を示し、下記化合物(CTM−2)では、P1、P2の円で囲まれたフェニル基に相当する。
Figure 2007108482
又、前記炭素環基としては、単環炭素環基(飽和炭素環基及び芳香族炭素環基)、縮合多環炭素環基等が挙げられるが、本発明にはフェニル基等の炭素環基が好ましく用いられる。
AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布及び双極子モーメントは、以下のようにして、半経験的分子軌道計算により求めた。
即ち、分子軌道法ではシュレディンガー方程式で用いる波動関数を、原子軌道の線形結合で表される分子軌道からなるスレーター行列式で近似し、その波動関数を構成する分子軌道をつじつまの合った場(self−consistent field、略してSCF)の近似を用いて求めることにより全エネルギー、波動関数および波動関数の期待値として種々の物理量を計算できる。つじつまの合った場の近似により分子軌道を求める際、計算時間のかかる積分計算を種々の実験値を使ってパラメータし近似することにより計算時間を短縮するのが半経験的分子軌道法である。本発明では半経験的パラメータとしてAM1パラメータセットを用い半経験的分子軌道計算プログラムMOPACのバージョンMOPAC93を用いて計算した(PM3及びMOPACに関してはJ.J.P Stewart,Journal of Computer−Aided Molecular Design,4,1(1990)ならびにその中の引用文献を参照)。
トリアリールアミン基を有する化合物であり且つAM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布で、前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し且つ最も遠くに存在する炭素環基上に0.009以上の炭素原子が少なくとも1つ以上存在し、前記計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下である化合物の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
Figure 2007108482
Figure 2007108482
上記、具体例で示した化合物は、前記一般式(1)で示される化合物から、選択することができるが、これら一般式(1)の化合物が全て、上記電子密度分布及び双極子モーメントの条件を満たすものではなく、これら一般式(1)の化合物から、上記条件を満たす化合物を選択することが必要である。
前記一般式(1)で示される化合物の内、R1〜R5の少なくとも1つの基に炭素原子数1〜4のアルキル基を有する化合物が上記電子密度分布及び双極子モーメントの条件を満たす上で好ましく、特に、R2に炭素原子数1〜4のアルキル基を有する化合物が上記条件を満たす上で好ましい。
本発明に係わる電荷輸送物質としては、上記の化合物を用いることが必要条件であるが、これらの化合物と共に、上記条件を満たさない電荷輸送物質と併用することもできる。しかし、併用する場合にも上記条件を満たした電荷輸送物質を主たる電荷輸送物質(全電荷輸送物質の質量比で50%以上)として用いることが好ましい。
本発明に係わる前記電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(前記AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたイオン化ポテンシャル)が7.6〜7.9eVであることが好ましい。
特に、電荷発生物質にCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料を用いた場合に、上記範囲のイオン化ポテンシャルを有する化合物を電荷輸送物質として適用するとにより、400mm/sec以上の高速プロセスにおいても、残留電位の増加が小さく抑えられ、画像ボケや中抜けを防止し、高濃度で、良好な電子写真画像を作製することができる。
又、本発明に係わる含フッ素樹脂微粒子は本発明に係わる電荷輸送物質と併用して電荷輸送層に含有させることが好ましい。これら電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を併用した電荷輸送層を感光体の表面層として形成することにより、高速で且つ画像ボケや中抜けを防止した高耐刷の有機感光体を形成することができる。
即ち、含フッ素樹脂微粒子は前記したように分散均一性に乏しく、凝集物のない均一で平滑な膜を形成することは困難であった。即ち、小粒径の含フッ素樹脂微粒子は凝集粒子を作りやすく、凝集粒子を含有した表面層の有機感光体では、接触角のバラツキが大きくなり、感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性が劣化し、画像ボケも発生しやすい。その結果、レーザ光や発光ダイオードで作製された、高精細のハーフトーン画像を顕像化することができないでいたが、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満の含フッ素樹脂微粒子の分散性を改良し、水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のバラツキを±2.0°に形成した表面層の有機感光体は、感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性の劣化や画像ボケの発生を防止し、ハーフトーン画像が良好な電子写真画像を形成できる。
本発明の特性を有する表面層は、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満の含フッ素樹脂微粒子の分散液を分散性が良好な低沸点溶媒、好ましくは、大気圧下で120℃以下の沸点を有する有機溶媒(例えば、THF、エタノール、トルエン、ジクロルエタン等)を用いて分散することにより、前記含フッ素樹脂微粒子相互の凝集性を抑えて安定した分散液を製造することができる。同時に、該分散液を塗布液として、塗布液供給型の塗布装置を用いて表面層を形成し、乾燥させることにより、表面層中の含フッ素樹脂微粒子の凝集を防止し、含フッ素樹脂微粒子の分散性が良好な表面層を形成できる。その結果、接触角のバラツキが小さした、表面エネルギーが均一な表面層をもつ有機感光体を形成でき、感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性の劣化や画像ボケの発生を防止し、ハーフトーン画像の鮮鋭性が良好な電子写真画像を形成できる有機感光体を作製することができる。
上記塗布液供給型の塗布装置とは、層形成に必要な塗布液を導電性支持体上に供給して塗布する塗布装置を意味し、例えば、スライドホッパー型塗布装置、押し出し型塗布装置、スプレー塗布装置等が挙げられる。このような塗布液供給型の塗布装置は、導電性支持体を塗布液に浸積して塗布する浸積塗布に比し、塗布装置内で分散液を滞留させず、ワンウエイで表面層を形成するので、含フッ素樹脂微粒子の分散粒子は、分散液中で凝集シェアを繰り返し受けることなく、含フッ素樹脂微粒子の凝集が少ない均一な表面層を形成することができる。しかも、感光体製造毎に分散液を作製できるので、分散液の経時による凝集を防止でき、且つ表面層形成時に、導電性支持体に既に形成されている下層を溶解せずに塗布できることから、塗布乾燥時も含フッ素樹脂微粒子の凝集が少なく、均一な分散性を有する表面層を形成することができる。
上記塗布液供給型の塗布装置の中でもスライドホッパー型塗布装置を用いた塗布加方法は、前記した低沸点溶媒を用いた分散液を塗布液として用いる場合に最も適しており、円筒状の感光体の場合は特開昭58−189061号公報等に詳細に記載されている円形スライドホッパー型塗布装置等を用いて塗布することが好ましい。
以下に簡単に円形スライドホッパー型塗布装置について簡単に説明する。
本発明において、含フッ素樹脂微粒子を分散した塗布液は、円形スライドホッパー型塗布装置を用いて有利に塗布される。円形スライドホッパー型塗布装置の一例として、例えば図1に縦断面図で示されるように中心線XXに沿って垂直状に重ね合わせた円筒状基材251A,251Bを連続的に矢示方向に上昇移動させ、その周囲を取り囲み、基材251の外周面に対しスライドホッパー型塗布装置の塗布に直接係わる部分(塗布ヘッドと略称する)260により塗布液Lが塗布される。なお、基材としては中空ドラム例えばアルミニウムドラム、プラスチックドラムのほかシームレスベルト型の基材でも良い。図2に示す如く前記塗布ヘッド260には、基材251側に開口する塗布液流出口261を有する幅狭の塗布液分配スリット(スリットと略称する)262が水平方向に形成されている。このスリット262は環状の塗布液分配室263に連通し、この環状の塗布液分配室263には貯留タンク254内の塗布液Lを圧送ポンプ255により供給管264を介して供給するようになっている。他方、スリット262の塗布液流出口261の下側には、連続して下方に傾斜し基材の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されたスライド面265が形成されている。更に、このスライド面265終端より下方に延びる唇状部(ビード;液溜まり部)266が形成されている。かかる塗布装置による塗布においては、基材251を引き上げる過程で、塗布液Lをスリット262から押し出し、スライド面265に沿って流下させると、スライド面終端に至った感光液は、そのスライド面終端と基材251の外周面との間にビードを形成した後、基材表面に塗布される。過剰の感光液は排出部267から排出される。
上記円形スライドホッパ型塗布装置は、塗布液をスライド面265に沿って流下させ、スライド面265の終端に至った塗布液は、そのスライド面265の終端と円筒状基材251Aとの間にビードを形成した後、円筒状基材上に塗布膜が形成されることを特徴とする。
円形スライドホッパー型塗布装置を用いる塗布方法では、スライド面終端と基材は、ある間隙(約2μm〜2mm)を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出せず、塗布槽にも溶出することなく塗布できるので、含フッ素樹脂微粒子の分散性を劣化させずに塗布することができる。
本発明の含フッ素樹脂微粒子は、平均一次粒径が0.02μm以上、0.20μm未満であるが、平均一次粒径が0.02μm未満では分散液の安定性が劣化し、含フッ素樹脂微粒子同士の凝集が発生し、均一に分散することができにくく、接触角のバラツキが大きくなりやすく、前記した感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性の劣化や画像ボケが発生しやすい。また、平均一次粒径が0.20μmより大きいと、沈降による凝集粒子ができやすく、表面の接触角のバラツキも大きくなり、感光体上或いは転写媒体上のトナー画像の再現性の劣化や画像ボケが発生しやすいと同時に短波長レーザ光等の像露光を散乱させ、鮮鋭性を劣化させる。含フッ素樹脂微粒子の平均一次粒径は0.02μm以上、0.18μm以下がより好ましい。
本明細書中、平均一次粒径は動的光散乱法を利用したDLS−6000(大塚電子社製)によって測定された値を用いている。しかし、上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理あるいはレーザ回折法、遠心沈降法によって測定可能であればいかなる装置によって測定されてもよい。又、前記装置と同様の測定が可能であれば、感光層の断面観察より測定してもよい
また、表面層の水に対する接触角が90°未満では、トナー中のシリカ等の無機外添剤の付着が多くなり、画像ボケが発生しやすい。又、クリーニングブレード等の感光体の接触部材との摩擦抵抗も大きく、擦過による摩耗が大きくなり、筋状の画像ムラが発生し、ハーフトーン画像の鮮鋭性を劣化させやすい。より好ましい接触角は95°以上120°以下である。120°より接触角を大きくしようとすると、表面層中に含フッ素樹脂微粒子の含有量が高く成りすぎ、表面層が柔らくなり、擦り傷が発生しやすく、画像ボケも発生しやすい。又、表面層の接触角のバラツキが±2.0°より大きいと、表面層の含フッ素樹脂微粒子の分散性が不均一となっており、短波長レーザ光等の像露光の散乱が増大すると共に、トナー中の或いは紙粉中の無機成分、例えばトナー中のシリカや酸化チタン等の無機外添剤や紙粉中のタルク成分等が表面層に埋め込まれて、画像ボケが発生しやすい。又、黒筋や白筋も発生しやすく、ハーフトーン画像が劣化しやすい。接触角のバラツキは±1.7°がより好ましい。
接触角及び接触角のバラツキ測定
本発明の接触角とは感光体表面への純水に対する接触角を云う。感光体の接触角は純水に対する接触角を接触角計(CA−DT・A型:協和界面科学社製)を用いて20℃50%RHの環境下で測定する。
接触角のバラツキの測定は20℃50%RHの環境下で測定する。測定は感光体が画像形成に十分なじんだ時点(少なくとも数枚のプリント画像形成後)に行う。測定個所は感光体が円筒状の場合は、中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所について、それぞれ円周方向90°づつの4カ所、計12カ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。感光体がシートの場合は、同様に中央部、左右端部から5cmの位置の3カ所の位置で、それぞれ等間隔をあけて4カ所、計12ケ所を測定し、この平均値を本発明の接触角とし、この平均値から最も大きく正又は負にずれた値をバラツキの値とした。
本発明の含フッ素樹脂微粒子は結晶化度が40%以上90%未満が好ましい。結晶化度が90%以上では、含フッ素樹脂微粒子の分散性は向上するが、含フッ素樹脂微粒子自体の延展性が小さくなり、接触角のバラツキが大きくなりやすい。また、含フッ素樹脂微粒子の結晶化度が小さくなりすぎと延展性が過大になり、分散性が劣化しやすいことから、40%以上の結晶化度の含フッ素樹脂微粒子が好ましい。
含フッ素樹脂微粒子の結晶化度の測定は広角X線回折測定により、発生した回折ピークを結晶質と非晶質に分離し、ベースライン補正を行なった後、結晶質と非晶質の全X線積分強度(分母)に対する結晶質のX線積分強度(分子)の百分率(%)で表示する。
本発明では広角X線回折測定装置及び測定条件を下記のようにして測定したが、同じ結果が得られれば、他の測定装置等を用いてもよい。
X線発生装置:Rigaku RU−200B
出力:50kV,150mA
モノクロメータ:グラファイト
線源:CuKα(0.154184nm)
走査範囲:3°≦2θ≦60°
走査方法:θ−2θ
走査速度:2°/min
含フッ素樹脂微粒子の構成材料は含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体、または含フッ素重合性モノマーとフッ素フリー重合性モノマーとの共重合体である。含フッ素重合性モノマーは一般式;
Figure 2007108482
(式中、R4〜R7のうち少なくとも1つの基はフッ素原子であり、残りの基はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子、メチル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、またはトリフルオロメチル基である)で表されるモノマーである。好ましい含フッ素重合性モノマーとして、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、六フッ化プロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、二フッ化二塩化エチレン等が挙げられる。含フッ素重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
フッ素フリー重合性モノマーとして、例えば、塩化ビニル等が挙げられる。フッ素フリー重合性モノマーとして、2種類以上のモノマーが使用されてもよい。
含フッ素樹脂微粒子はいずれも、上記構成材料の中で、含フッ素重合性モノマーの単独重合体または共重合体からなることが好ましく、より好ましくはポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリ三フッ化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、特にポリ四フッ化エチレンである。
含フッ素樹脂微粒子を構成する重合体の平均分子量は本発明の目的を達成できる限り特に制限されないが、通常はいずれも1万から100万の範囲が好適である。
本発明の含フッ素樹脂微粒子の結晶化度は含フッ素樹脂微粒子の構成材料によっても変わるが、含フッ素樹脂微粒子を熱処理することによっても変えられる。例えば、平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE微粒子(ポリエチレンテレフタレート微粒子)を250℃で65分間加熱処理すると、結晶化度を82.8に低下させることができる。熱処理手段は特に制限されず、公知の乾燥機または加熱炉を使用できる。
前記表面層中のバインダー樹脂としては、含フッ素樹脂微粒子の分散性を助ける界面活性基を樹脂の部分構造に有する樹脂を用いることが好ましく、例えば、シロキサン基を部分構造に有するポリカーボネートやポリアリレートが好ましい。特に、下記に示すシロキサン基を部分構造に有するシロキサン変成ポリカーボネートが好ましい。
Figure 2007108482
Figure 2007108482
分子量は10,000〜100,000が好ましい。
又、本発明の含フッ素樹脂微粒子を用いて水に対する接触角が90°以上であり且つ接触角のバラツキが±2.0°の表面層を形成するためには、表面層中の含フッ素樹脂微粒子の比率を高くすることが好ましく、質量比でバインダー樹脂100質量部に対し、少なくとも20質量部以上200質量部以下の量で用いることが好ましい。20質量量部未満では接触角の90°以上と接触角のバラツキが±2.0°を同時に満足させる表面層を形成するのが難しく、200質量部より多いと表面層が脆弱な膜となり、擦り傷等が発生しやすい。
又、本発明に係わる電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。酸化防止剤としては、下記のような化合物が好ましい。
Figure 2007108482
Figure 2007108482
Figure 2007108482
Figure 2007108482
このような酸化防止剤は、表面層中に吸着されやすい活性ガスを効果的に消尽することができ、特に好ましく用いられる。
本発明に係わる電荷輸送層は1層で構成しても、上下2層で構成することが好ましい。電荷輸送層を2層で構成する場合、上層の電荷輸送層に、本発明の電荷輸送物質を用いることが好ましい。即ち、表面層を構成する電荷輸送層に本発明の電荷輸送物質及び含フッ素樹脂微粒子を併用することにより、高速特性と耐活性ガス性の両方を満足させ、中抜けの発生を防止した有機感光体を得ることができる。電荷輸送層の電荷輸送物質の含有量はバインダー樹脂100質量部に対し、50〜200質量部と、高濃度で含有させることが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は合計で10〜30μmが好ましくい。
本発明に係わる電荷輸送層を作製する場合、電荷輸送層の分散液を作製する。この電荷輸送層分散液の溶媒としては、環境負荷が小さい非ハロゲン溶媒を用いることが好ましい。非ハロゲン溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、等が挙げられる。
電荷輸送層分散液の溶媒としては、これらに限定されるものではないが、特に、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
本発明の有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本発明に係わる有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図3に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることができる。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜80μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図4は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写材Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図5は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンタ)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、1次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される1次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(1次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
2次転写ローラ5bで、2次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための1次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の1次転写工程において、2次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写材Pへの転写は、2次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに2次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写材Pが給送される。2次転写バイアスがバイアス電源から2次転写ローラ5bに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写材Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(2次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
本発明の有機感光体は、プロセススピード(画像形成中の感光体の線速)が400mm/sec以上の画像形成装置に適用することが好ましい。プロセススピードが400mm/sec以上では、高速で繰り返し感光体を回転させるので、感光体の特性劣化が進行しやすく画像濃度の低下やカブリが発生しやすいが、本発明に係わる電荷輸送物質及金属酸化物粒子を併用することにより、これらの問題が解決されると同時に、高速の電荷輸送物質(CTM)を用いる場合に発生しやすい耐活性ガス性の劣化を防止でき、画像ボケも防止することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
中間層
洗浄済みの直径60mmの円筒状アルミニウム基体(切削加工により十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)上に、下記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層を形成した。
下記中間層分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(ポリアミド) 1部
ルチル形酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行ない、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液を作製した。
電荷発生層:CGL
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層1(CTL1)
電荷輸送物質(CTM−1) 225部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
〈ポリテトラフルオロエチレン樹脂粒子(PTFE粒子)分散液の調製〉
PTFE粒子(平均一次粒径0.12μmおよび結晶化度91.3のPTFE粒子)を250℃で40分間加熱処理し、結晶化度を82.8にしたPTFE粒子を用い、下記のPTFE粒子分散液を調製した。
PTFE粒子(PT1:平均一次粒径0.12μm、結晶化度を82.8)200部
トルエン 600部
フッ素系クシ型グラフトポリマー(商品名GF300、東亜合成化学(株)製)15部を混合した後ガラスビーズを用いたサンドグラインダー((株)アメックス製)にて分散し、PTFE粒子分散液を調製した。
〈電荷輸送層2(CTL2)〉
PTFE粒子分散液 815部
電荷輸送物質(前記CTM−1) 150部
シロキサン変性ポリカーボネート樹脂(PC−1) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 150部
酸化防止剤(例示化合物AO2−1) 12部
THF:テトラヒドロフラン 2800部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 4部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液2を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパ型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2.0μmの電荷輸送層2を形成し、感光体1を作製した。
感光体2〜10の作製
感光体1の作製において、電荷輸送層1及び2の電荷輸送物質、電荷輸送層2(CTL2)の含フッ素樹脂微粒子の種類と添加量を表1のように変化させた以外は感光体1と同様にして感光体2〜10を作製した。
Figure 2007108482
表1中のCTMR−1及びCTMR−2は下記構造の電荷輸送物質を表す。
Figure 2007108482
表1中の含フッ素樹脂微粒子処方No.の内容は下記表2に示す。
Figure 2007108482
表2中、PTFE、Hは下記のフッ素系樹脂微粒子を示す。
PTFE:ポリエチレンテレフタレート樹脂粒子
H:三フッ化エチレン−四フッ化エチレンの共重合樹脂粒子
又、表2中の接触角及び接触角のバラツキは前記した方法で測定し、接触角のバラツキは絶対値で表示した。
《評価1》
〈実写評価〉
上記感光体を基本的に図4の構成を有する市販のフルカラー複合機8050(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)改造機に搭載し、カラー画像の評価を行った。
評価条件
感光体の線速:220mm/sec
《画像評価》
上記フルカラー複合機8050改造機(各感光体が取り付けられるように改造した)に各感光体を取り付け、常温常湿(20℃、50%RH)環境でA4紙、1万枚の文字画像、白べた画像、黒べた画像、ハーフトーン画像を有するオリジナル画像の複写を行い、スタート時及び1千枚コピー毎に複写画像を取り出し、下記の画像評価を行った。
画像形成のその他の条件
プロセススピード:220mm/sec
現像剤:キャリア及びトナーを含有する二成分現像剤(Y、M、C、Bk共)を用いた。
感光体のクリーニング装置:ゴム弾性のクリーニングブレードを(線荷重:18(N/m))の当接条件で用いた。
中間転写体のクリーニング装置:ゴム弾性のクリーニングブレードを用いた。
画像濃度
マクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。多数枚のコピーで残留電位が増加すると、画像濃度が低下する。20万枚コピー後のべた黒画像部で測定した。
◎:黒ベタ画像が1.2より高い(良好)
○:黒ベタ画像が1.0以上、1.2以下(実用上問題なし)
×:黒ベタ画像が1.0未満(実用上問題あり)
感光体上のトナー画像の再現性
感光体上のトナー画像を透明粘着シートに転写して評価した。
◎:中抜けの発生が非常に少なく、ドット画像が明瞭に再現されている(良好)
○:小さな中抜けの発生があるが、ドット画像は再現されている(実用可)
×:中抜けの発生が多く、ドット画像の形状が崩れている(実用不可)
中間転写体上のトナー画像の再現性
中間転写体上のトナー画像を透明粘着シートに転写し、該転写画像で評価した。
◎:中抜けの発生が非常に少なく、ドット画像が明瞭に再現されている(良好)
○:小さな中抜けの発生があるが、ドット画像は再現されている(実用可)
×:中抜けの発生が多く、ドット画像の形状が崩れている(実用不可)
尚、上記中間転写体上のトナーの再現性は最終画像の転写紙上のトナー画像の再現性にほぼ対応した評価である。
(画像ボケ:耐活性ガス性)
上記フルカラー複合機8050改造機を低温低湿(10℃、10%RH)の環境下に設置し、1000枚の連続複写後、20分間停止、その後、ハーフトーン画像を複写し、帯電極直下に発生する画像ボケの発生を観察し、下記の評価基準で評価した。
◎:ハーフトーン画像に画像ボケの発生は全く見られない(良好)
○:ハーフトーン画像に濃度差が0.05未満の画像ムラが発生しているが、ハーフトーン画像中で、該濃度差があまり目立たない。(実用上問題ないレベル)
×:ハーフトーン画像に濃度差が0.05以上の画像ボケが発生しており、ハーフトーン画像中で、該濃度差がはっきりしている。(実用上問題あり)
Figure 2007108482
表3の結果より、本発明に係わる電荷輸送物質及び含フッ素樹脂微粒子を含有する感光体(No.1〜5、8及び9)はいずれの感光体も画像濃度、感光体上のトナー画像の再現性、中間転写体上のトナー画像の再現性が良好であり、画像ボケの防止効果も良好であり、各評価とも良好な電子写真画像を獲得している。一方、本発明外の電荷輸送物質CTMR−1を用いた感光体6は画像ボケが発生しており、電荷輸送物質CTMR−2を用いた感光体7は画像濃度及び中間転写体上のトナー画像の再現性が劣化している。又、含フッ素樹脂微粒子を含有していない感光体10は中間転写体上のトナー画像の再現性が劣化している。
《評価2》
前記感光体No.2及びNo.4(但し、円筒状アルミニウム基体は直径30mmに変更)を用いて、基本的に図5の構成を有する市販のカラープリンターmagicolor2300(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)改造機に搭載し、評価1と同じ評価項目を評価した。その結果、いずれの感光体も画像濃度、感光体上のトナー画像の再現性、中間転写体上のトナー画像の再現性が良好であり、画像ボケの防止効果も良好であり、各評価とも良好な電子写真画像を獲得していた。
《評価3》
次に、前記感光体1〜5の円筒状アルミニウム基体をデジタル複写機Konica「Sitios」7085用に100mmに変更した以外は、同様にして感光体21から25を作製した。
前記感光体21〜25の感光体を図3の構造を基本的に有するデジタル複写機Konica「Sitios」7085(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製:スコロトロン帯電器、半導体レーザー像露光器、反転現像手段を有する)に設定し、複写実験を行った。
《画像評価》
上記デジタル複写機に各感光体を取り付け、高温高湿(30℃、80%RH)環境でA4紙、100万枚の文字画像、白べた画像、黒べた画像を有するオリジナル画像の複写を行い、スタート時及び10万枚コピー毎に複写画像を取り出し、下記の画像評価を行った。
画像形成のその他の条件
プロセススピード:420mm/sec
帯電条件:帯電極に、スコロトロン帯電極を用い、該帯電極のグリット電圧を650Vに設定した。
現像剤:キャリア及びトナーを含有する二成分現像剤を用いた。
(電位安定性)
スタート時及び10万枚コピー毎に上記デジタル複写画像の現像器の位置に電位センサーを設置し、感光体の電位保持性及び残留電位を評価した。
◎:スタートから100万枚まで、帯電電位の変化が650±50V未満の範囲で推移し、帯電電位の安定性が良好であり、残留電位の増加も50V未満で良好である。
○:スタートから100万枚まで、帯電電位の変化が650±100V以内の範囲で推移し、残留電位の増加も50V以上100V以下である。(実用性あり)
×:スタートから100万枚まで、帯電電位の変化が650±100Vより大きく、残留電位の増加も100Vより大きい。(実用性には、問題有り)
(画像濃度)
複写画像の黒ベタ画像をマクベス社製RD−918を使用して測定。紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定した。
(画像濃度)
◎:スタートから100万枚まで、黒ベタ画像濃度が1.3以上で画像濃度が高い。
○:スタートから100万枚まで、黒ベタ画像濃度が1.0以上で実用的に十分な画像濃度である。
△:スタートから100万枚までの間に、黒ベタ画像濃度が0.7〜1.0未満が発生(実用性には、再検討要)
×:スタートから100万枚までの間に、黒ベタ画像濃度が0.7未満が発生(実用性には、問題有り)
(カブリ)
マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて、複写用紙(白紙)の濃度を20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均値を白紙濃度とする。次に、複写画像の白べた画像を同様に20カ所、絶対画像濃度で測定し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。
◎:スタートから100万枚まで、白ベタ画像濃度が0.005以下(良好)
○:スタートから100万枚まで、白ベタ画像濃度が、0.01以下(実用上問題ないレベル)
×:スタートから100万枚までの間に、白ベタ画像濃度が0.01より大のカブリ発生(明らかに、実用上問題あり)
(画像ボケ:耐活性ガス性)
上記デジタル複写機Konica「Sitios」7085を低温低湿(10℃、10%RH)の環境下に設置し、1000枚の連続複写後、20分間停止、その後、ハーフトーン画像を複写し、帯電極直下に発生する画像ボケの発生を観察し、下記の評価基準で評価した。
◎:ハーフトーン画像に画像ボケの発生は全く見られない(良好)
○:ハーフトーン画像に濃度差が0.15未満の画像ムラが発生しているが、ハーフトーン画像中で、該濃度差があまり目立たない。(実用上問題ないレベル)
×:ハーフトーン画像に濃度差が0.15以上の画像ボケが発生しており、ハーフトーン画像中で、該濃度差がはっきりしている。(実用上問題あり)
Figure 2007108482
表4から明らかなように、電荷輸送層に、本発明の条件を満たした電荷輸送物質及含フッ素樹脂微粒子を含有した感光体21〜25は、電位安定性が良好で、その結果、画像濃度、カブリのいずれの評価も良好な結果を得ている。又、耐活性ガスの評価も良好であり、その結果、画像ボケの発生も防止され、良好な電子写真画像を形成することができた。
本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の断面図である。 本発明に係わる円形スライドホッパー型塗布装置例の斜視図である。 本発明の画像形成装置の機能が組み込まれた概略図である。 本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。 本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置の構成断面図である。
符号の説明
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段

Claims (13)

  1. 有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程で静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
  2. 有機感光体を帯電する帯電工程、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程、該顕像化されたトナー像を有機感光体から中間転写体上に転写する一次転写工程、中間転写体上のトナー像を転写材に転写する二次転写工程とを有する画像形成方法に用いられる有機感光体において、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする有機感光体。
  3. 前記炭素環基がフェニル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機感光体。
  4. 前記感光層が電荷発生物質を含有する電荷発生層とその上に積層された電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を積層した構成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体。
  5. 前記電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが7.6〜7.9eVであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機感光体。
  6. 含フッ素樹脂微粒子の数平均一次粒径(Dp)が0.02μm以上、0.20μm未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機感光体。
  7. 前記含フッ素樹脂微粒子の結晶化度が40%以上90%未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機感光体。
  8. 前記電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を表面層に含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機感光体。
  9. 有機感光体上に帯電工程で均一帯電を付与し、像露光工程で静電潜像を形成し、現像工程で静電潜像をトナー像に顕像化する画像形成方法において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
  10. 有機感光体を帯電する帯電工程、帯電された有機感光体に静電潜像を形成する潜像形成工程、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程、該顕像化されたトナー像を有機感光体から中間転写体上に転写する一次転写工程、中間転写体上のトナー像を転写材に転写する二次転写工程とを有する画像形成方法において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成方法。
  11. 有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置において、該有機感光体が導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有することを特徴とする画像形成装置。
  12. プロセススピードが400mm/sec以上であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 有機感光体及び該有機感光体上に均一帯電を付与する帯電器、有機感光体上に静電潜像を形成する像露光器、該静電潜像をトナー像に顕像化する現像器を有する画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジにおいて、導電性基体上に少なくとも電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する感光層を有し、該感光層がトリアリールアミン基を有し、且つ前記トリアリールアミン基のN原子と間接的に連結し、しかも、最も遠くに存在する炭素環基上に、AM1パラメーターを用いた半経験的分子軌道計算により求められたHOMO電子密度分布の値が0.009以上の炭素原子を少なくとも1つ以上有し、且つ前記半経験的分子軌道計算により求められた双極子モーメントが0.7デバイ以下の化合物の電荷輸送物質と含フッ素樹脂微粒子を含有する有機感光体と帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段、除電手段及びクリーニング手段の少なくとも1つの手段とが一体的に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に装着可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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