JPH11202523A - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JPH11202523A
JPH11202523A JP351698A JP351698A JPH11202523A JP H11202523 A JPH11202523 A JP H11202523A JP 351698 A JP351698 A JP 351698A JP 351698 A JP351698 A JP 351698A JP H11202523 A JPH11202523 A JP H11202523A
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JP
Japan
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electrophotographic apparatus
charge injection
layer
injection layer
electrophotographic
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Pending
Application number
JP351698A
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English (en)
Inventor
Keiko Hiraoka
敬子 平岡
Yoshihiro Sato
祐弘 佐藤
Masataka Kawahara
正隆 川原
格 ▲高▼谷
Itaru Takatani
Shunichiro Nishida
俊一郎 西田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、安定して良好な注入帯電を
長期にわたり行うことのできる電子写真装置を提供する
ことにある。 【解決手段】 本発明は、支持体、感光層及び電荷注入
層をこの順に有する電子写真感光体及び該電子写真感光
体に接触配置され、電圧を印加されることにより該電子
写真感光体を帯電する帯電部材を有する電子写真装置に
おいて、該電荷注入層がコロイダルシリカ粒子及びシロ
キサン樹脂を含有することを特徴とする電子写真装置で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置に関す
るものである。このような電子写真装置としては、白
黒、モノカラー、あるいはフルカラーの電子写真複写
機、プリンター、その他種々の記録機器などがある。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体には適用される電子写真
プロセスに応じた所要の感度や電気的特性を備えている
ことが要求されるのはもちろんであるが、特に繰り返し
使用される電子写真感光体にはコロナ帯電、トナー現
像、紙への転写およびクリーニング処理などの電気的も
しくは機械的外力に対する耐久性も要求される。一方、
トナーの現像、クリーニングの繰り返しによる表面層へ
のトナーの付着という問題もあり、これに対しては感光
体の表面層のクリーニング性を向上しなくてはならな
い。
【0003】上記のように感光体の表面層に要求される
特性を満たすために、感光層上に樹脂を主成分とする保
護層を設けることが提案されている。
【0004】近年の複写画像の更なる高画質化に伴い、
機械的強度はもちろんのこと導電性、透明度などの点で
更に優れた特性を持つ保護層を有する電子写真感光体が
検討されている。
【0005】一方、電子写真方式や静電記録方式の画像
形成装置において、セレン、硫化カドミウム、酸化亜
鉛、アモルファスシリコン、有機光導電体等の電子写真
感光体や静電記録誘電体等の像担持体の帯電処理手段と
してはコロナ帯電器が使用されてきたが、近年は、低オ
ゾン、低電力等の利点を有することから、接触帯電装
置、すなわち、被帯電体に電圧を印加した帯電部材を当
接させて被帯電体の帯電を行う方式の装置が実用化され
てきている。特に、帯電部材として導電ローラを用いた
ローラ帯電方式の装置が、帯電の安定性という点から好
ましく用いられている。
【0006】ローラ帯電方式の接触帯電方式では、帯電
部材として導電性の弾性ローラを被帯電体に加圧当接さ
せ、これに電圧を印加することによって、被帯電体を帯
電処理する。
【0007】具体的には、帯電は帯電部材から被帯電体
への放電によって行われるため、ある閾値以上の電圧を
印加することによって帯電が開始される。
【0008】例を示すと、被帯電体としての厚さ25μ
mの感光層に対して帯電ローラを加圧当接させて帯電処
理を行わせる場合には、帯電ローラに対して約640V
以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始
め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体
表面電位が増加する。以後、この閾値電圧を帯電開始電
圧Vthと定義する。
【0009】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vd を得るためには帯電ローラにはVd +Vthと
いう必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このよ
うにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して被帯電
体の帯電を行う接触帯電方式を「DC帯電方式」と称す
る。
【0010】しかし、DC帯電方式においては環境変動
等によって接触帯電部材の抵抗値が変動したり、被帯電
体としての感光体が削れることによって膜厚が変化する
とVthが変動するため、感光体の電位を所望の値にする
ことが難しかった。
【0011】このため更なる帯電の均一化を図るために
特開昭63−149669号公報等に開示されるよう
に、所望のVd に相当するDC電圧に2×Vth以上のピ
ーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動電圧を接触帯
電部材に印加して被帯電体の帯電を行う「AC帯電方
式」が用いられる。これはACによる電位のならし効果
を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧の
ピークの中央であるVd に収束し、環境等の外乱には影
響されることはない。
【0012】しかしながら、このような接触帯電方式に
おいても、その本質的な帯電機構は帯電部材から被帯電
体への放電減少を用いているため、先に述べたように帯
電に必要とされる電圧は被帯電体表面電位以上の値が必
要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0013】また、帯電均一化のためにAC帯電方式を
用いた場合には、更なるオゾン量の発生、AC電圧の電
界による帯電部材と被帯電体の振動騒音(AC帯電音)
の発生、また放電による被帯電体表面の劣化等が顕著に
なり新たな問題点となっていた。
【0014】そこで、実質的に放電を利用せずに、電子
写真感光体に接触配置された帯電部材から、電子写真感
光体表面の電荷注入層に電荷を直接注入する注入帯電が
特開平7−5748号公報等に提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、注入帯
電を用いた場合、常に電荷注入層の表面を帯電部材で摺
擦するため優れた耐久性が要求されていた。
【0016】また、注入帯電における電荷の注入点は、
帯電部材との接触点に依存するため、帯電部材と電荷注
入層との高い接触性も要求されていた。
【0017】前述したように従来より感光体表面に要求
される様々な特性を満たすために感光層上に樹脂を主成
分とする種々の表面保護層を設ける試みがなされてい
る。例えば、特開昭57−30843号公報には、導電
性粒子として金属酸化物粒子を添加することによって抵
抗を制御した保護層が提案されている。
【0018】また、表面保護層に対しては電気的強度、
機械的強度だけでなく、クリーニング性も同時に要求さ
れる。
【0019】このため表面層中に種々の物質を添加する
ことで感光体表面の物性を改善することも検討されてい
る。例えば、シリコーンの低表面エネルギーに注目した
添加物としては、シリコーンオイル(特開昭61−13
2954)、ポリジメチルシロキサン、シリコーン樹脂
粉体(特開平4−324454)、架橋シリコーン樹
脂、ポリ(カーボネート−シリコン)ブロック共重合
体、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン変性ポリ
エステルが報告されている。
【0020】低表面エネルギーの代表的なポリマーとし
てはフッ素系高分子があり、該フッ素系高分子として
は、ポリテトラフルオロエチレン粉体、フッ化カーボン
粉末等が挙げられる。
【0021】しかしながら、金属酸化物等を含む表面保
護層は高い硬度を有するものが得られるが、表面エネル
ギーは大きくなりやすいためにクリーニング性等に問題
がある。シリコーン系樹脂は表面エネルギーが小さい点
で優れているが他の樹脂に対して十分な相溶性を示さな
いため、添加系では凝集しやすく光散乱を生じたり、ブ
リードして表面に偏析するために安定した特性を示さな
い等の問題があった。また、低表面エネルギーのポリマ
ーであるフッ素系高分子は一般に溶媒に不溶であり、分
散性も不良であることから、平滑な感光体表面を得るこ
とが困難であり、屈折率も小さいことから光散乱が生じ
やすく、それによる透明性の劣化を生じる問題点があっ
た。また、フッ素系高分子は一般的に柔らかいために傷
がつきやすい問題点があった。
【0022】本発明の目的は上記問題点を解決し、光散
乱やブリードがなく、光学的に均一な状態の表面保護層
であって低表面エネルギーと硬度や強度等の機械的特
性、耐アーク放電性等の電気的耐久性を両立した高解像
の電子写真感光体を有する電子写真装置を提供すること
にある。
【0023】また、本発明の目的は、安定して良好な注
入帯電を長期にわたり行うことのできる電子写真装置を
提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、支
持体、感光層及び電荷注入層をこの順に有する電子写真
感光体及び該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印
加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯電部
材を有する電子写真装置において、該電荷注入層がコロ
イダルシリカ粒子及びシロキサン樹脂を含有することを
特徴とする電子写真装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の電荷注入層は、OH基あ
るいはOR′基等の加水分解性基を分子中に有する多官
能性有機ケイ素化合物の加水分解縮合物からなる。即
ち、コロイダルシリカと、加水分解性基を有する有機ケ
イ素化合物とを含有する電荷注入層用組成物を感光層上
に塗工し、乾燥硬化して形成される。
【0026】加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と
しては3官能のR−Si(OR′) 3 が好ましく用いら
れる。Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基、フッ
素原子を含有する有機基、γ−グリシドキシプロピル基
あるいはγ−メタクリロオキシプロピル基である。特
に、電荷注入層用組成物中に含まれる加水分解性基を有
する有機ケイ素化合物としてはRがアルキル基の有機ケ
イ素化合物とRがフッ素を含有する有機基である有機ケ
イ素化合物とを混合して用いるのが好ましい。フッ素原
子を含有する有機基としては、Cn2n+124 −が
好ましい。nは1−18の整数で、特に4−8が好まし
い。
【0027】R′は水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基である。
【0028】電荷注入層用組成物の分散溶剤としてはメ
タノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノ
ール及びn−ブタノール等の低級脂肪族アルコールと水
の混合溶剤系が好ましいが、その他のグリコール及びア
セトン等の水可溶性の溶剤を更に添加してもよい。
【0029】電荷注入層用組成物の固形分は、1〜50
重量%が好ましい。固形分が50重量%を超えると組成
物が劣化し易く、ゲル化等のために良好に塗膜が形成さ
れにくくなる。1重量%未満では形成される電荷注入層
の強度が十分でなくなる傾向がある。
【0030】また、固形分におけるコロイダルシリカ粒
子の割合は10〜70重量%であることが好ましい。7
0重量%を超えると塗膜が脆くなりクラック等が入り易
くなる。コロイダルシリカ粒子の割合が10重量%未満
では形成された電荷注入層の硬度が十分でなくなる傾向
がある。
【0031】コロイダルシリカ粒子の平均粒径は5〜1
50nm、特には分散安定性及び光学特性の点から10
〜30nmであることが好ましい。
【0032】電荷注入層用組成物中に含有するコロイダ
ルシリカとしては市販の水分散系のものが用いられる
(例えば、E.I.du Pont de Nemou
rs& Co.製の商品名“Ludox”やNalco
Chemical製の“Nalcoag”等)。コロ
イダルシリカ粒子としては、Na2 O等のアルカリ金属
酸化物の含有量が2重量%以下のものが好ましい。
【0033】電荷注入層用組成物は無機酸もしくは有機
酸を用いることによりpH3.0〜6.0の酸性状態に
調整されることが好ましい。強酸を用いると組成物の安
定性等に好ましくない影響を与え易いので、より好まし
くは弱酸が用いられpH4.0〜5.5の酸性状態に調
整される。
【0034】電子写真感光体の感光層の上に、浸漬塗布
やスプレー塗布等の公知の塗布方法で塗布された電荷注
入層用組成物は乾燥後、熱硬化されることにより硬度、
強度、低表面エネルギー及び耐放電性が発現する。熱硬
化は高温であるほど完全に進行するが、電子写真感光体
特性に悪影響を与えない範囲で選ばれる。好ましくは8
0℃〜180℃で熱硬化されるが、より好ましくは10
0〜150℃で行われる。
【0035】熱硬化の時間としては長時間であるほど硬
化は進むが、その処理温度において電子写真感光体特性
に悪影響を与えない範囲で選ばれる。熱硬化の処理時間
は一般的には10分〜12時間程度で行われる。
【0036】乾燥後、熱硬化して得られた電荷注入層は
コロイダルシリカ粒子及びRSiO 3/2 で示されるとこ
ろのシロキサン樹脂を含有する。RSiO3/2 はR−S
i(OR′)3 の加水分解縮合によって得られるもので
ある。本発明の電荷注入層は、水の接触角90度以上の
低表面エネルギーであることが好ましい。特に、Rがフ
ッ素原子を含有する有機基であるときに好ましい結果が
得られる。水の接触角が90度未満の電荷注入層は、帯
電部材との十分な接触性が得られにくく、また、電子写
真プロセスによる繰り返し使用によって表面に帯電生成
物やトナー、紙からもたらされる脱落物が付着し易く、
クリーニング不良や表面抵抗の低下による潜像の劣化
(画像流れ)を生じ易い。より好ましくは95度以上で
ある。保護層の水の接触角があまり大き過ぎても、今度
は感光層との接着力が不十分となるので140度以下が
好ましい。
【0037】本発明による電荷注入層は、上記のように
低表面エネルギーを達成できるが、同時に高い表面硬度
も得られる。通常、表面エネルギーを低くしようとする
と表面硬度が低下するが、本発明においては低表面エネ
ルギー及び高表面硬度を達成することができる。本発明
において電荷注入層の表面硬度を高くできるのは電荷注
入層中のコロイダル粒子表面にシロキサン樹脂が結合し
ているためである。電荷注入層の表面硬度は、その電荷
注入層をガラス板上に形成したときに鉛筆硬度5H以上
が好ましい。5H未満では電子写真プロセスに用いられ
ているトナーや紙粉によって傷や削れが生じ易く好まし
くない。
【0038】鉛筆硬度によると、9Hよりも大きな硬度
については測定できないため、電荷注入層の表面硬度を
計装化圧子圧入法(nanoindentation
methods)によるユニバーサル硬さ(Hu:単位
N/mm2 )で測定してもよい。ユニバーサル硬さによ
る場合、本発明の電荷注入層は350〜2000N/m
2 の範囲が好ましい。ユニバーサル硬さと鉛筆硬度と
の間には一般に相関があり、鉛筆硬度5H以上はユニバ
ーサル硬さで350N/mm2 以上に相当する。電荷注
入層のユニバーサル硬さが2000N/mm2 よりも大
きいと、電荷注入層と感光層との硬さに大きな違いがで
き、衝撃等により保護層にひびが生じ易くなる。
【0039】電荷注入層の表面硬度は、コロイダルシリ
カ粒子の粒径、加水分解縮合の程度等を適宜選択するこ
とにより、好ましい値に調整できる。
【0040】本発明において、ユニバーサル硬さはHe
lmut Fischer GMBH+Co.製のFI
SCHERSCOPE H100Vを用いて測定した。
試料は、ガラス板上に4〜5μmの膜厚で形成した。圧
子の押し込み深さは、1μmであった。
【0041】米国特許3,944,702号や米国特許
4,027,073号のように、コロイダルシリカを用
いた材料には種々あるが、本発明の電荷注入層は低表面
エネルギーと高表面硬度を達成したものである。
【0042】電荷注入層の膜厚は0.1〜4μmである
ことが好ましい。0.1μm未満では表面硬度や強度が
十分でなく耐久性が低下し易く、4μmを超えると現像
時に潜像によって形成されるコントラストポテンシャル
が劣化し易い。より好ましくは0.2〜3μmである。
【0043】電荷注入層の体積抵抗は1×109 〜1×
1015Ωcm以上であることが好ましい。1×109 Ω
cm未満では形成された潜像の電荷が拡散するため劣化
し易く、1×1015Ωcmを超えると電子写真感光体と
して露光後、現像までに電荷が十分に移動できないため
に見かけ上感度が低下し、残留電位も高くなり易い。
【0044】また、電荷注入層に残存しているシラノー
ル基等の加水分解性基によっても残留電位が高くなる傾
向があるため、できる限り残存しないようにすることが
望ましい。好ましくは加水分解性基がSiOH基換算で
保護層中に0.1重量%未満であり、より好ましくは
0.01重量%未満である。
【0045】電荷注入層は、感光層上に電荷注入層用組
成物を浸漬コーティング法やブレードコート法及びロー
ルコート法等により塗布して形成される。電荷注入層用
組成物に用いる溶剤は感光層を侵さないものが好ましい
が、感光層を侵すような溶剤を用いる場合であってもス
プレー塗布法を用いることにより影響を低下させること
が可能である。
【0046】電子写真感光体の支持体としては支持体自
体が導電性を有するもの、例えば、アルミニウム、アル
ミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、チタ
ン、ニッケル、マグネシウム、インジウム、金、白金、
銀及び鉄等を用いることができる。その他にアルミニウ
ム、酸化インジウム、酸化スズ及び金等を蒸着等により
プラスチック等の誘電体支持体に被膜形成し、導電層と
したものや、導電性微粒子をプラスチックや紙に混合し
たもの等を用いることができる。これらの導電性支持体
は均一な導電性が求められるとともに平滑な表面が重要
である。表面の平滑性はその上層に形成される下引き
層、電荷発生層及び電荷輸送層の均一性に大きな影響を
与えることから、その表面粗さは1.0μm以下が好ま
しい。
【0047】特に、導電性微粒子をポリマーバインダー
中に分散して塗布することにより得られる導電層を被覆
した支持体は、形成が容易であり、均質な表面を有する
ため好ましく使用される。このとき用いられる導電性微
粒子の1次粒径は100nm以下であり、より好ましく
は50nm以下のものが用いられる。導電性微粒子とし
ては、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン、Al、A
u、Cu、Ag、Co、Ni、Fe、カーボンブラッ
ク、ITO、酸化スズ、酸化インジウム及びインジウム
等が用いられ、またこれらを絶縁性微粒子の表面にコー
ティングして用いてもよい。前記導電性微粒子の含有量
は導電層の体積抵抗が十分に低くなるように使用され、
好ましくは1×1010Ωcm以下の抵抗となるように添
加される。より好ましくは1×108 Ωcm以下で用い
られる。
【0048】導電性支持体と感光層の中間に、注入阻止
機能と接着機能をもつ下引き層を設けることもできる。
下引き層としてはカゼイン、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポ
リビニルブチラール、フェノール樹脂、ポリアミド、ポ
リウレタン及びゼラチン等によって形成することができ
る。下引き層の膜厚は0.1〜10μmが好ましく、更
に0.3〜3μmが好ましい。
【0049】感光層は単一層でもかまわないが、支持体
側から順に電荷発生層及び電荷輸送層を積層して構成す
るのが好ましい。また、支持体側から順に電荷輸送層及
び電荷発生層を積層してもよい。
【0050】感光層が単一層の場合、感光層は電荷発生
材料と、電荷輸送材料と、結着樹脂とを、溶媒で混合し
て通常のコーティング法により成膜して形成する。
【0051】感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層で構
成される場合、電荷発生層は少なくとも電荷発生材料
と、結着樹脂とを、溶媒で混合して通常のコーティング
法により成膜して形成する。電荷輸送層は少なくとも電
荷輸送材料と、結着樹脂とを、溶媒で混合して通常のコ
ーティング法により成膜して形成する。
【0052】電荷発生材料としては、例えば、セレン−
テルル、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フ
タロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベン
ズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、トリスア
ゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アゾ系顔料、インジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料及びシアニン系顔料等を用いる
ことができる。
【0053】電荷輸送材料は電子輸送性化合物と正孔輸
送性化合物に大別される。
【0054】電子輸送性化合物としては、例えば2,
4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テ
トラニトロフルオレノン、クロラニル、テトラシアノキ
ノジメタン、及びアルキル置換ジフェノキノン等の電子
受容性化合物やこれらの電子受容性化合物を高分子化し
たものが挙げられる。正孔輸送性化合物としては、例え
ばピレン、及びアントラセン等の多環芳香族化合物、カ
ルバゾール、インドール、オキサゾール、チアゾール、
オキサチアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジア
ゾール及びトリアゾール等の複素環化合物、p−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラ
ゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデ
ン−9−エチルカルバゾール等のヒドラゾン系化合物、
α−フェニル−4′−N,N−ジフェニルアミノスチル
ベン及び5−(4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリ
デン)−5H−ジベンゾ(a,d)シクロヘプテン等の
スチリル系化合物、ベンジジン系化合物及びトリアリー
ルアミン系化合物あるいはこれらの化合物からなる基を
主鎖または側鎖に有する高分子化合物(ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリビニルアントラセン等)が挙げら
れる。
【0055】各層に用いる結着樹脂としては、例えばス
チレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン及びトリ
フルオロエチレン等のビニル化合物の重合体あるいは共
重合体、更にはポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホ
ン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロ
ース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、有機ケイ素
樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0056】感光層が単一層の場合、電荷発生材料の含
有量は、感光層の固形分に対して3〜30重量%が好ま
しい。電荷輸送材料の含有量は、感光層の固形分に対し
て20〜70重量%が好ましい。
【0057】感光層を、電荷発生層及び電荷輸送層で構
成する場合、電荷発生材料の含有量は、電荷発生層の固
形分に対して20〜80重量%、更には30〜70重量
%が好ましい。電荷輸送材料の含有量は、電荷輸送層の
固形分に対して20〜70重量%が好ましい。
【0058】感光層の厚みは、単一層の場合、3〜40
μmが好ましい。電荷発生層の厚みは、0.05〜1.
0μm、更には0.1〜0.5μmが好ましい。電荷輸
送層の厚みは、1〜30μm、更には3〜20μmが好
ましい。
【0059】本発明に用いられる帯電部材としては、磁
性粒子からなる磁気ブラシ、ファーブラシ及び導電性ロ
ーラ等が挙げられるが、電荷注入層との接触性に優れて
おりかつ転写後に感光体上に残留した転写残トナーを従
来のクリーニング等の実質的なクリーニング手段を設け
ることなく、ブラシで回収する、所謂クリーナーレスが
実現できる等の点で、磁気ブラシであることが好まし
い。
【0060】磁気ブラシに用いられる磁性粒子として
は、樹脂とマグネタイト等の磁性体を混練して粒子に成
形したもの、もしくはこれに抵抗調節のために導電カー
ボン等を混ぜたもの、焼結したマグネタイト、フェライ
ト、もしくはこれらを還元処理や樹脂コーティングして
抵抗値を調節したもの、またはこれらの磁性粒子をメッ
キ処理して抵抗値を調節したもの等が使用可能である。
磁性粒子の抵抗値としては、104 〜107 Ωcmが好
ましい。104 Ωcmに満たないと感光体のリーク、磁
性粒子の感光体への付着が生じ易く、107 Ωcmを超
えると電荷の注入が充分行われず帯電不良を生じ易くな
る。磁性粒子を磁気ブラシとして帯電部材を構成するに
は、導電性マグネットロールまたはマグネットロールを
内包した非磁性導電スリーブ上に磁力により維持するこ
とで構成される。
【0061】このように構成された磁気ブラシは、感光
体に接するように配され必要に応じて回転させる。回転
方向は両者の接触点における移動方向で感光体と正逆ど
ちらでもさしつかえないが、逆回転の方が周速差により
接触確率が増加するため有利である。
【0062】本発明においては、転写残トナーを回収す
るクリーニング手段を設けてもよい。クリーニング手段
は特に限定されるものではないが、簡便さ、大きさ及び
コスト等の点でブレードクリーニングであることが好ま
しい。
【0063】また、本発明においては、上述のように帯
電部材を磁気ブラシとして用い、クリーナーレスとした
場合には、磁気ブラシに転写残トナーが回収され易いよ
うに、転写残トナーの極性をそろえる手段等のクリーニ
ング補助手段を設けてもよい。
【0064】クリーニング補助手段としては、ファーブ
ラシを有する接触部材や帯電ローラ更にはコロナ帯電等
が挙げられるが、ファーブラシを有する接触部材である
ことが好ましい。
【0065】ファーブラシを有する接触部材は、一般に
用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整させ
たものが用いられる。繊維としては一般に知られている
繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、レ
ーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられ
る。
【0066】また、導電材としてはこれも一般に知られ
ている導電材が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、ア
ルミニウム、金、銀等の金属あるいは酸化鉄、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化
物、さらにはカーボンブラック等の導電粉が挙げられ
る。なお、これらの導電粉は必要に応じて疎水化、抵抗
調整の目的で表面が施されていてもよい。使用に際して
は、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用い
る。ブラシの形状としては繊維の太さが1〜20デニー
ル(繊維径10〜500μm程度)、ブラシの繊維の長
さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1
万〜30万本(1m2 当たり1.5×107 〜4.5×
108 本程度)のものが好ましく用いられる。
【0067】
【実施例】図1乃至図3に本発明の電子写真装置の概略
構造の例を示す。図1はクリーナーレスの電子写真装
置、図2はクリーニング手段を有する電子写真装置、図
3はクリーニング補助手段を有する電子写真装置であ
る。
【0068】1は像担持体としての回転ドラム型の電子
写真感光体である。本実施例は直径30mmのOPC感
光体であり、矢示の時計方向に100mm/secのプ
ロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。
【0069】2は感光体1に当接された接触帯電部材と
しての磁気ブラシローラ(帯電ブラシ)であり、この磁
気ブラシローラ2には帯電バイアス印加電源S1から−
700VのDC帯電バイアスが印加されていて、回転感
光体1の外周面がほぼ−680Vに一様に帯電処理され
る。2aは磁気ブラシ、2bはスリーブ、2cはマグネ
ットである。
【0070】この回転感光体1の帯電処理面に対してレ
ーザーダイオード・ポリゴンミラー等を含む不図示のレ
ーザービームスキャナから出力される目的の画像情報の
時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調された
レーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体
1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が
形成される。
【0071】その静電潜像は磁性1成分絶縁ネガトナー
を用いた反転現像装置3によりトナー画像として反転現
像される。3aはマグネット3bを内包する直径16m
mの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブに上
記のネガトナーをコートし、感光体1表面との距離を3
00μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転さ
せ、スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイ
アス電圧を印加する。電圧は−500VのDC電圧と、
周波数1800Hz、ピーク間電圧1600V矩形のA
C電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1
の間でジャンピング現像を行わせる。
【0072】一方、不図示の給紙部から記録材としての
転写材Pが給送されて、回転感光体1と、これに所定の
押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転
写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイ
ミングにて導入される。転写ローラ4には転写バイアス
印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
る。本実施例ではローラ抵抗値が5×108 Ωの転写ロ
ーラ4を用い、+2000VのDC電圧を印加して転写
を行った。
【0073】転写部Tに導入された転写材Pはこの転写
部Tを挟体搬送されて、その表面側に回転感光体1の表
面に形成担持されているトナー画像が順次に静電力と押
圧力にて転写されていく。
【0074】トナー画像の転写を受けた転写材Pは感光
体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導
入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へ排出される。
【0075】本実施例の電子写真装置は、感光体1・接
触帯電部材2・現像装置3の3つのプロセス機器をカー
トリッジ30に包含させて電子写真装置本体に対して一
括して着脱交換自在のカートリッジ方式の装置である。
現像装置は必ずしも包含させる必要はなく(不図示)、
逆にクリーニング手段やクリーニング補助手段を包含さ
せることもできる。なお、31はカートリッジ30の案
内手段である。
【0076】図1の電子写真装置においては、転写後に
感光体上に残留した転写残トナーは、磁気ブラシ2aに
回収される。
【0077】図2の電子写真装置においては、転写残ト
ナーは、クリーニング手段6により回収される。
【0078】図3の電子写真装置においては、転写残ト
ナーはクリーニング補助手段である接触部材6と接触す
る。接触部材6は印加電源S4から+200Vの直流電
圧が印加されており、転写残トナーはプラス極性に帯電
される。またここで、転写残トナーの画像パターンは転
写部材の摺擦によりある程度散らされて、磁気ブラシ2
aによって回収されやすい状態となる。次にトナーは磁
気ブラシ2aによって回収される。
【0079】次に、本発明の電荷注入層の形成に用いる
塗工液の具体的調合例を示す。 (調合例1)フラスコにコロイダルシリカ(40%固
体)の水性分散液30.0gを取り、撹拌しながらメチ
ルトリメトキシシラン21.5gと、酢酸3.5gとの
混合物の1/3を添加した。添加後、混合溶液を55℃
まで加熱し、急激な発熱が観測されたら直ちに氷冷し、
フラスコ内の温度を50〜60℃に保ちながら残りの混
合物を添加した。反応溶液を20℃まで冷却し、温度が
安定したら30分間撹拌する。その後、イソプロピルア
ルコール17.8gで反応溶液を希釈し、ジブチル錫ジ
−2−エチルヘキソエート2.8gを徐々に添加し、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムアセテート、さらにポリ
エーテル変成ジメチルシリコーンの10%エタノール溶
液0.16gを添加した。得られた反応混合物は沈殿物
を除去した。 (調合例2)フラスコにコロイダルシリカ(固形分40
重量%)の水性分散液3.9gを取り、撹拌しながらコ
ロイダルシリカ(固形分30重量%)のイソプロピルア
ルコール分散液26.8g、メチルトリエトキシシラン
1.5g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン1.9g、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノ
ナフルオロヘキシルトリメトキシシラン2.4gおよび
酢酸3.1gを添加した。添加後、混合溶液を65〜7
0℃に加熱し、2時間反応させた。その後、イソプロピ
ルアルコール23.3gで希釈し、硬化溶媒としてベン
ジルトリメチルアンモニウムアセテート2.4g添加
し、更にポリエーテル変成ジメチルシリコーンの10重
量%エタノール溶液0.16gを添加した。 (実施例1)30φ、260mmのAlシリンダーを基
体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を基体
上に浸漬法で塗布し、140℃、30分熱硬化して15
μmの導電層を形成した。 導電性顔料:酸化スズコート処理酸化チタン …10部(重量部、以下同) 抵抗調節用顔料:酸化チタン …10部 結着樹脂:フェノール樹脂 …10部 レベリング剤:シリコンオイル …0.001部 溶剤:メタノール/メチルセロソルブ=1/1 …20部 次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部と共
重合ナイロン3部とをメタノール65部とn−ブタノー
ル30部とに溶解した溶液を浸漬法で塗布して0.5μ
mの中間層を形成した。
【0080】次にCuKα特性のX線回折における回折
角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9
°、27.1°に強いピークを有するオキシチタニウム
フタロシアニン4部とポリビニルブチラール(商品名エ
スレックBM−2積水化学製)2部およびシクロヘキサ
ノン80部をサンドミル装置で4時間分散した後、メチ
ルエチルケトン115部を加えて電荷発生層用分散液を
得た。これを前記中間層上に浸漬法で塗布し、0.3μ
mの電荷発生層を形成した。
【0081】次に下記構造式
【0082】
【化1】 のアミン化合物10部およびポリカーボネート(重量平
均分子量25000)10部をジクロルメタン20部、
モノクロルベンゼン40部の混合溶液中に溶解し、この
液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で60分
間乾燥させ、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
【0083】次に、前記調合液1を前述の電荷輸送層の
上に浸漬法で塗布し、120℃で2時間乾燥し、2μm
の表面保護層を形成した。 (実施例2)実施例1同様に電荷輸送層まで形成し、電
荷輸送層の上に前記調合液2を浸漬法で塗布し、120
℃で2時間乾燥し、2μmの表面保護層を形成した。 (実施例3)30φ、260mmのAlシリンダー上
に、アルコール可溶性ポリアミド樹脂(アミランCM−
8000、東レ(株)製)10部、メトキシメチル化6
ナイロン樹脂(トレジンEF−30T、帝国化学(株)
製)30部をメタノール150部、ブタノール150部
の混合溶媒中に溶解した調合液を浸漬塗工し、90℃で
10分間乾燥させ、膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0084】次に、下記構造式に示されるアゾ顔料4
部、ブチラール樹脂(エスレックBL−S、積水化学
(株)製)2部およびシクロヘキサン100部をサンド
ミル装置にて48時間分散した後、テトラヒドロフラン
100部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。こ
の分散液を前記下引き層上に浸漬塗工し、80℃で15
分間乾燥させて、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成
した。
【0085】
【化2】 次に下記構造式のスチリル化合物10部およびポリアリ
レート樹脂(Uポリマー U−100、ユニチカ(株)
製)10部をクロロメタン20部、モノクロロベンゼン
60部の混合溶媒中に溶解し、この溶液を前記電荷発生
層上に浸漬塗工し、120℃で60分間乾燥させ、膜厚
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0086】
【化3】 次に調合例1の液を前記電荷輸送層の上に浸漬塗工し、
2μmの表面保護層を形成した。 (比較例1)実施例1と同様に電荷輸送層まで塗工、乾
燥し電子写真感光体とした。 (比較例2)実施例2と同様に電荷輸送層まで塗工し、
次にフッ素系UV硬化樹脂(DEFENSA MCF−
239−1)、大日本インキ化学工業(株)製)8部、
テフロン粉体(ルブロンL−2、ダイキン工業(株)
製)2部をテトラヒドロフラン50部とともにステンレ
ス製ボールミルで50時間分散した。この分散液を適宜
テトラヒドロフランで希釈し、スプレー塗布した後、U
V光を照射して2.5μmの表面保護層を形成した。表
面保護層の表面粗さを接触式表面粗さ形で測定したとこ
ろ、Rz値で0.8〜1.2μmであった。 <帯電部材の作成>ポリスチレン樹脂にマグネタイトを
100部入れて混練、粉砕し、粒子径30μm、抵抗値
は1×106 Ωの磁性粒子とした。
【0087】このような磁性粒子をマグネットローラー
上に厚さ1mmでコートして磁気ブラシとし、感光体と
の間に幅約2mmの帯電ニップNを設けて設置した。磁
気ブラシは感光体表面の周速に対して1倍の早さで逆方
向に摺擦するように回転されており、感光体と磁気ブラ
シが均一に接触するようにした。
【0088】実施例1,2,3の感光体をそれぞれ図1
の装置に設置し画像を出したところ、白地カブリの無い
高品位な画像が得られた。また、8500枚画像を出し
続けても、画像劣化はなく電荷注入層もほとんど削られ
ていなかった。
【0089】比較例1の感光体を図1の装置に設置し画
像を出力したところ、十分な表面電位に帯電することが
できなかった。
【0090】比較例2の感光体を図1の装置に設置して
画像を出力したところ、初期は白地カブリのない高品位
な画像が得られた。続いて耐久試験を行ったところ、7
00枚より表面保護層が削れてきたため帯電不良が起
き、カブリが発生した。また表面保護層に含有している
テフロン粒子により露光レーザ光が散乱され文字の飛び
散りが見られた。また、削れ量が2.0μmと大きく、
表面粗さはRz値で1.6〜1.9μmであり耐久性の
向上に到らなかった。 (実施例4)実施例1の感光体を図2の装置に設置し画
像を出したところ、白地カブリの無い高品位な画像が得
られた。また、10000枚画像を出し続けても、画像
劣化はなく電荷注入層もほとんど削られていなかった。
なお、帯電部材は実施例1で用いたものと同様のものを
用いた。 (実施例5及び6)実施例1及び実施例2の感光体を図
3の装置に設置し画像出力を行い、2000枚画像出力
後に画像形成装置を高温高湿環境(32.5℃、80%
RH)に放置した。
【0091】その後再び画像出力を行ったところ、磁気
ブラシによる注入帯電は放電を伴わないため放電生成物
の吸湿による感光体の低抵抗化もなく画質低下も見られ
なかった。
【0092】さらに4000枚まで耐久試験を行ったと
ころ、4000枚出力後の表面層の磨耗量は実施例1の
感光体において0.3μm、実施例2の感光体において
は0.42μmと非常に少なく、感光体への注入帯電性
能も低下していなかった。また接触部材で感光体上の残
留トナーの極性を一様にしているため帯電器における回
収効率もよく4000枚出力後の耐久劣化時の残トナー
に起因するポジゴーストは発生しなかった。
【0093】なお、帯電部材は実施例1で用いたものと
同様のものを用い、クリーニング補助手段は以下のファ
ーブラシを有する接触部材を用いた。 <接触部材の作成>接触部材は抵抗調整されたアクリル
繊維からなる固定ブラシであり、ブラシ長さ4mm、ブ
ラシ密度10万本/inch2 、ブラシ径6デニール、
ブラシ抵抗106 Ωcmのものを用いた。接触部材は導
電性の支持板上に接着されており、その給電部に電圧の
印加が可能になっている。
【0094】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、安定して
良好な注入帯電を長期にわたり行うことのできる電子写
真装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置の概略構成を示す図であ
る。
【図2】本発明の電子写真装置の概略構成を示す図であ
る。
【図3】本発明の電子写真装置の概略構成を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼谷 格 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 西田 俊一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、感光層及び電荷注入層をこの順
    に有する電子写真感光体及び該電子写真感光体に接触配
    置され、電圧を印加されることにより該電子写真感光体
    を帯電する帯電部材を有する電子写真装置において、 該電荷注入層がコロイダルシリカ粒子及びシロキサン樹
    脂を含有することを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 電荷注入層が1×109 Ωcm〜1×1
    15Ωcmの体積抵抗を有する請求項1記載の電子写真
    装置。
  3. 【請求項3】 電荷注入層の水の接触角が90°以上で
    ある請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 電荷注入層が5H以上の鉛筆硬度を有す
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 電荷注入層が350〜2000N/mm
    2 のユニバーサル硬さを有する請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 コロイダルシリカが5〜150nmの平
    均粒径を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の電子
    写真装置。
  7. 【請求項7】 シロキサン樹脂が下記一般式(I)で表
    わされる化合物である請求項1乃至6のいずれかに記載
    の電子写真装置。 RSiO3/2 (I) (式(I)中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、ビニル
    基、Cn2n+124−、γ−グリシドキシプロピル
    基またはγ−メタクリロオキシプロピル基を表わす:n
    は1−18の整数である)。
  8. 【請求項8】 帯電部材が磁性粒子からなる磁気ブラシ
    である請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真装
    置。
  9. 【請求項9】 更にクリーニング手段を有する請求項1
    乃至8のいずれかに記載の電子写真装置。
  10. 【請求項10】 クリーニング手段がブレードクリーニ
    ングである請求項9記載の電子写真装置。
  11. 【請求項11】 更にクリーニング補助手段を有する請
    求項8記載の電子写真装置。
  12. 【請求項12】 クリーニング補助手段が転写残トナー
    を同一極性にするファーブラシを有する接触部材である
    請求項11記載の電子写真装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005195616A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Ricoh Co Ltd クリーニングシステム、該クリーニングシステムを備えた画像形成装置およびプロセスカートリッジ
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