JP5082190B2 - ポリイミド樹脂製無端ベルト、その製造方法およびその再使用方法、ならびに、電子写真式画像形成装置 - Google Patents
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Description
<1> 熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材上に、脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物を用いて合成された溶媒可溶性ポリイミド樹脂からなる表面層を有するポリイミド樹脂製無端ベルト。
<2> 前記溶媒可溶性ポリイミド樹脂からなる表面層がカーボンブラックを含有している<1>に記載のポリイミド樹脂製無端ベルト。
<3> 前記カーボンブラックが、酸性カーボンブラックである<2>に記載のポリイミド樹脂製無端ベルト。
<4> 前記表面層の表面抵抗率が、1×1010〜1×1014Ω/□である<1>〜<3>のいずれかに記載のポリイミド樹脂製無端ベルト。
<5> 前記熱硬化性ポリイミドからなる無端ベルト基材が1度もしくは2度以上電子写真式画像形成装置に搭載されたことがある<1>〜<4>のいずれかに記載のポリイミド樹脂製無端ベルト。
<7> 熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材を円筒型金型外周に設置した後であって、前記表面層を形成する工程の前に、熱硬化性ポリイミド樹脂製無端ベルトの表面を洗浄する工程及び/または研磨する工程を有する<6>に記載のポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法。
<9> 前記溶媒可溶性ポリイミド樹脂を溶解させる溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミドのいずれかを50質量%以上含む<6>または<7>に記載のポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法および<8>に記載のポリイミド樹脂製無端ベルトの再使用方法。
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトは、ポリイミド成形体を主体とする無端ベルトの形状を有する。また、本発明にかかるポリイミド樹脂製無端ベルトは、熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材と、その表面に形成される溶媒可溶性ポリイミド樹脂からなる表面層からなる。
本発明の基材として使用される熱硬化性ポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを適当な溶媒中で反応を行い、重合して得られるポリアミック酸を前駆体とする。ポリアミック酸の成型には、ポリアミック酸を溶媒に溶解させた塗液を塗布することで行われる。ポリアミック酸溶液を金型に塗布した後、乾燥処理によって溶媒を除去し、その後、高温焼成処理を経てポリイミドとなる。得られた熱硬化性ポリイミドは、高い機械的強度を持ち、クリープ変形を生じ難いため、ベルト材として好適に使用し得る。
熱硬化性ポリイミド樹脂に使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も使用できるが、得られるポリイミド樹脂製無端ベルトの強度の点から、分子構造内に芳香環をもつ芳香族テトラカルボン酸二無水物が好適に使用される。
熱硬化性ポリイミド樹脂に使用されるジアミン化合物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も使用できるが、得られるポリイミド樹脂製無端ベルトの強度の点から、分子構造内に芳香環をもつ芳香族テトラカルボン酸二無水物が好適に使用される。
このポリアミック酸の生成反応に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素も使用可能である。溶媒は、ポリアミック酸およびポリアミック酸−ポリイミド共重合体を溶解するものであれば特に限定されない。
熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材は、円筒型金型に熱硬化性ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を、前述した溶媒に溶解させたポリアミック酸組成物を塗布した後、加熱処理による脱水閉環反応を行い、イミド化処理をしてポリイミド成型体を得る。
本発明の表面層に使用される溶媒可溶性ポリイミドは、原料モノマーの分子構造および重合後のポリマー骨格にエーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、ビスフェノールA構造、フルオレン構造等の屈曲構造、または大きな置換基を導入することで、ポリマー分子の構造対称性を下げて、ポリイミド化しても溶媒に溶解しえる材料である。かかる溶媒可溶性ポリイミドは、すでにイミド化しているために、塗液を基材表面に塗布した後、加熱によって溶媒を除去するだけでポリイミド表面層を形成することができる。なお本発明の表面層に使用される溶媒可溶性ポリイミドは、少なくとも脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物を用いて合成された溶媒可溶性ポリイミドである。
溶媒可溶性ポリイミドに使用されるテトラカルボン酸二無水物には、脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物が使用される。
溶媒可溶性ポリイミドに使用されるジアミンには、脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物と組みあわせる限り、特に限定はない。先の熱硬化性ポリイミドで使用されるジアミン化合物が使用される。これらのジアミン化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
溶媒可溶型ポリイミドの合成は、先に例示したテトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物とを等当量溶媒中で反応させることで得られるポリアミック酸を、前記熱硬化性ポリイミドの合成と同様にして、さらにイミド化処理することで得られる。
溶媒可溶性ポリイミド樹脂を溶解させる溶媒には、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのいずれかを50質量%以上含む溶媒が好適に使用される。
ポリアミック酸組成物に導電性を付与する場合、導電剤を含有せしめる。導電剤としては、導電性もしくは半導電性の微粉末が使用でき、所望の電気抵抗を安定して得ることができれば、特に制限はないが、ケッチエンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化イットリウム、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム、LiCl等のイオン導電性物質やポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなどの導電性高分子材料等が例示できる。これらの導電剤は単独での使用はもちろん、併用して使用してもよい。
前述した導電剤の添加量に関しては、ポリアミック酸又はポリアミック酸−ポリアミドイミド共重合体100質量部に対して、カーボンブラックであれば10〜40質量部、金属であれば1〜10質量部、金属酸化物であれば5〜20質量部、イオン導電性物質であれば5〜40質量部、導電性高分子材料であれば5〜30質量部含有させることが好ましい。この含有量が上記範囲未満であると電気抵抗の均一性が低下し、表面抵抗率の面内ムラや電界依存性が大きくなる。一方、上記範囲を超えると所望の抵抗値が得られ難くなり、またベルトの強度が下がり、かつ靭性が劣るのでベルトとして使用できなくなる。
これら導電剤を分散させ、その凝集体を壊砕する方法としては、ミキサーや攪拌子による攪拌、平行ロール、超音波分散などの物理的手法、さらには分散剤の導入などの化学的手法が例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトは、導電性フィラーを含有し、表面抵抗率の常用対数値が9.0〜13.0(logΩ/□)の範囲内であることが好ましく、10.0〜12.0(logΩ/□)の範囲内であることがより好ましい。前記表面抵抗率の常用対数値が9.0〜13.0(logΩ/□)の範囲内であると、後述する画像形成装置において、中間転写ベルト或いは転写搬送ベルト等として用いる場合、トナーの飛び散りがなく高画質が得られるとともに、除電装置がなくてもチャージアップによる汚れを防止することができ、好ましい。
以下に本発明にかかるポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法を述べる。
本発明にかかる熱硬化性ポリイミド樹脂からなる基材は、以下に述べる塗布・乾燥・焼成処理を行って製造される。
まず、熱硬化性ポリイミドの前駆体となるポリアミック酸組成物を金型の内面もしくは外面に塗布する。ポリアミック酸組成物を塗布する方法としては、特に制限は無く、浸漬塗布法、フローコート法などを用いることができる。金型としては、円筒形金型が好ましく、金型の代わりに、樹脂製、ガラス製、セラミック製など、従来既知の様々な素材の成形型が、本発明に係る成形型として良好に動作し得る。また、成形型の表面にガラスコートやセラミックコートなどを設けること、また、シリコーン系やフッ素系の剥離剤を使用することも適宜選択されうる。更に、円筒金型に対するクリアランス調整がなされた膜厚制御用金型を、円筒金型に通し平行移動させることで、余分な溶液を排除し円筒金型上の溶液の厚みを均一にする。円筒金型上への溶液塗布の段階で、溶液の均一な厚み制御がなされていれば、特に膜厚制御用金型を用いなくてもよい。
次に、ポリアミック酸組成物を塗布したこの円筒金型を加熱環境に置き、含有溶媒の30質量%以上好ましくは50質量%以上を揮発させるための乾燥を行う。この際、溶媒は膜中に残留していても構わず、塗膜表面が乾燥し、傾けても流動しない状態であれば問題ない。乾燥温度は、50℃〜200℃の温度範囲にて行われる。
更に、この金型を3級アミンの沸点以上の温度150℃〜450℃で加熱し、イミド転化反応を十分に進行させる。イミド化の温度は、原料のテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類、または添加される3級アミンによって、それぞれ異なるが、イミド化が完結する温度に設定しなければならない。イミド化が不充分であると、機械的特性及び電気的特性に劣るものとなる。その後、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド無端ベルトを得ることができる。
本発明では、熱硬化性ポリイミド樹脂からなる基材の表面に、溶媒可溶性ポリイミド樹脂からなる表面層を形成する。基材に熱硬化性ポリイミド樹脂を使用し、イミド化反応が十分に進行しているならば、成形品は不溶不融化するため、溶媒可溶性ポリイミド塗液を塗布しても、基材が溶媒によって侵されることはない。溶媒可溶性ポリイミド樹脂溶液には、前述したものが使用される。なお、ポリイミド樹脂製無端ベルトを中間転写ベルト等の用途で使用する場合、導電性を付与する必要があり、その際には、カーボンブラックなどの導電剤を溶媒可溶性ポリイミド樹脂溶液中に分散させたものを使用する。
本発明で使用される熱硬化性ポリイミド樹脂からなる基材には、上述のように新規に作製したポリイミド無端ベルト(本発明のポリイミド樹脂製無端ベルト)だけではなく、電子写真式画像形成装置に1度または2度以上搭載されて使用されたポリイミド無端ベルトでも良い。かかる場合、使用済み品の再使用(再利用)となり、省資源、省エネルギー、コストの点で有意である。
使用済みのベルトは、まず洗浄することが必要である。洗浄には、水やアルコールなどの揮発性の溶媒を用いることができる。ポリイミド樹脂は耐薬品性が高いため、各種溶剤を用いることが可能であるが、作業安全性を考慮すると、水による洗浄が好ましい。
ベルトの洗浄は、ベルト外表面またはベルト内表面のみ行うだけでもよいが、両表面について行うことが望ましい。
使用済みのベルトは、洗浄後、表面を研磨してもよい。研磨することにより表面粗さが一様になり、表面層を形成させた後のベルト表面性が向上する場合がある。また、極小さな折れや傷が研磨によって、画質に影響を与えない程度に小さくなる場合がある。
研磨の具体的な方法例を以下に説明する。
本発明の画像形成装置は、既述の本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを中間転写体および/または定着体として具備する。
(合成例1)〔ポリアミック酸(1−0)〕
攪拌翼がついた5000mlフラスコ容器に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1600g入れ、60℃に加熱した。ジアミン化合物として4、4’−ジアミノジフェニルエーテル161.99gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。加熱・攪拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物として、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物238.01gを徐々に加えて溶解させた。テトラカルボン酸二無水物を溶解させた後ポリアミック酸重合反応が進行し、溶液の粘度が上昇した。溶液の粘度が10Pa・sとなったところでNMP2000gを加えて10質量%まで希釈した後室温まで冷却し、ポリアミック酸(1−0)溶液を得た。
攪拌翼がついた5000mlフラスコ容器に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を1600g入れ、60℃に加熱した。ジアミン化合物として4、4’−ジアミノジフェニルエーテル160.03gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。加熱・攪拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物として、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物239.97gを徐々に加えて溶解させた。テトラカルボン酸二無水物を溶解させた後ポリアミック酸重合反応が進行し、溶液の粘度が上昇した。溶液の粘度が10Pa・sとなったところでNMP2000gを加えて10質量%まで希釈した後室温まで冷却し、ポリアミック酸(2−0)溶液を得た。
合成例2で得たポリアミック酸(2−0)溶液500gをフラスコ容器に秤量し、ピリジン31.60と無水酢酸40.35gを添加した。120℃にて3時間脱水閉環反応を行った。触媒ならびに脱水剤を除去して溶液濃度を10質量%に調整して溶媒可溶性ポリイミド(2−1)溶液を得た。
合成例1で得たポリアミック酸(1−0)溶液400g中に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%)16.0gを添加して、ボールミルにて6時間で処理した後、濾過して、カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(a)を得た。
合成例3で得たポリイミド(2−1)溶液400g中に、乾燥した酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(Degussa社製、pH4.0、揮発分:14.0%)16.0gを添加して、ボールミルにて6時間で処理した後、濾過して、カーボンブラック分散のポリイミド組成物(b)を得た。
カーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(a)を、内径90mm、長さ450mmの円筒状SUS製金型表面に均一に塗布した。なお、この円筒状金型には、表面にフッ素系の離型剤を予め塗布することで、ベルト成形後の剥離性を向上させた。次に、金型を回転させながら、温度150℃の条件で、60分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、金型をオーブンに入れ、350℃、60分焼成を行い、イミド化反応を進行させた。その後、金型を室温で放冷し、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド樹脂製無端ベルト(a−0)を得た。
ポリイミド樹脂製無端ベルト(a−0)を基材として、円筒型金型にセットした。基材表面に、浸漬塗布方法によりカーボンブラック分散ポリイミド組成物(b)を塗布した。金型を回転させながら、温度150℃の条件で、60分間乾燥処理を行った。乾燥処理後、金型から樹脂を取り外し、目的のポリイミド樹脂製無端ベルト(a−b)を得た。
製造例1で得られたポリイミド樹脂製無端ベルトを中間転写ベルトとして、タンデム式の電子写真式画像形成装置に搭載し、A3用紙を約60万枚出力した。ベルト表面には用紙、トナー由来の汚れが付着しており、小さな傷が多数発生していた。試験後のポリイミド樹脂製無端ベルトをポリイミド樹脂製無端ベルト(a’−0)とした。
ポリイミド樹脂製無端ベルト(a−0)を基材として、その表面にカーボンブラック分散ポリアミック酸組成物(a)を製造例2に従い塗布・乾燥処理を行い、ポリイミド樹脂製無端ベルト(a−a)を得た。
得られたポリイミド樹脂製無端ベルト(a−b)(実施例1に相当)、(a’−b)(実施例2に相当)を用いて、下記試験を行った。
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトを10cm×10cmにカットして、表面粗さ(Rz)を、表面粗さ形状測定器(東京精密製サーフコム(株)1400Aシリーズ)を用い、JIS B0601に従って測定した。ここでは、測定長さ2.5mm、カットオフ波長0.8mm、測定速度0.60mm/sの条件で測定した。
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトにおいて、転写面の表面抵抗率を、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定した。
本発明のポリイミド樹脂製無端ベルトの表面硬度は、表面微小硬度計にて測定した。この表面微小硬度とは、金属材料の硬さ測定等に広く用いられているビッカース硬さのように、くぼみの対角線長さを求めるという方法はとらず、圧子が試料にどれだけ侵入したかを測定する方法によって求めることができる。試験荷重P(mN)、圧子の試料への侵入量(押し込み深さ)D(μm)とした時、表面微小硬度DHは下記式(1)で定義される。
使用圧子:三角錐圧子
試験モード:3(軟質材料試験)
試験荷重:0.70gf
負荷速度:0.0145gf/sec
保持時間:5sec
得られたポリイミド樹脂製無端ベルトをタンデム型電子写真式画像形成装置DocuCenterColor400CPに中間転写ベルトとして組み込み実機搭載試験を行った。搭載初期と、A4用紙10万枚出力後とのそれぞれの画質評価を以下の基準でを行った。結果を下記表1に示す。
「〇」;画質は良好であった。
「△」;画質にやや欠陥が見られた
「×」;画質に明確な欠陥が見られた
「W」;白抜けの発生
「C」;濃度ムラ
「T」;転写不良の発生
(比較例1〜3)
得られたポリイミド樹脂製無端ベルト(a−0)(比較例1に相当)、(a’−0)(比較例2に相当)、(a−a)(比較例3に相当)を用いて、実施例と同様の試験を行った。結果を下記表2に示す。
101BK〜Y・・・ 感光体ドラム
102 ・・・中間転写体
103 ・・・記録媒体
105〜108・・・現像器
109 〜112・・・コロナ放電器
113 ・・・トレイ
114・・・ 剥離爪
115 ・・・搬送ベルト
116 ・・・クリーニング装置
117 ・・・ロール
120 ・・・加熱転写ロール
121〜124・・・転写バッフル
125 プレッシャーロール
126 フィードローラ
Claims (4)
- 熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材上に、脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物を用いて合成された溶媒可溶性ポリイミド樹脂からなる表面層を有することを特徴とするポリイミド樹脂製無端ベルト。
- 熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材を円筒型金型外周に設置した後、前記無端ベルト基材表面に、脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物を用いて合成された溶媒可溶性ポリイミド樹脂を溶媒に溶解した塗液を塗布し、加熱により溶媒を除去して表面層を形成する工程を有することを特徴とするポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法。
- 熱硬化性ポリイミド樹脂からなる無端ベルト基材上に表面層を有するポリイミド樹脂製無端ベルトを円筒型金型外周に設置した後、当該ポリイミド樹脂製無端ベルトの前記表面層を洗浄及び/または研磨し、次いで、前記無端ベルト基材表面に脂肪族環状構造をもつテトラカルボン酸二無水物を用いて合成された溶媒可溶性ポリイミド樹脂を溶媒に溶解した塗液を塗布し、加熱により溶媒を除去して表面層を形成することを特徴とするポリイミド樹脂製無端ベルトの再使用方法。
- 請求項1に記載のポリイミド樹脂製無端ベルトを搭載したことを特徴とする電子写真式画像形成装置。
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