JP2000056602A - 定着用部材 - Google Patents

定着用部材

Info

Publication number
JP2000056602A
JP2000056602A JP10227253A JP22725398A JP2000056602A JP 2000056602 A JP2000056602 A JP 2000056602A JP 10227253 A JP10227253 A JP 10227253A JP 22725398 A JP22725398 A JP 22725398A JP 2000056602 A JP2000056602 A JP 2000056602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
surface layer
roll
siloxane
fixing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10227253A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoo Kobayashi
智雄 小林
Kaoru Torigoe
薫 鳥越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP10227253A priority Critical patent/JP2000056602A/ja
Publication of JP2000056602A publication Critical patent/JP2000056602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイル供給を微量にしても、更にはオイルを
全く供給しなくても、オフセットが発生せず、紙と定着
用部材との剥離性が良好でジャムが発生せず、剥離爪に
よる摩耗によって画質を低下させることもなく、長期に
渡って安定した画像が得られる定着用部材の提供。 【解決手段】 記録体7と接触する表面層5が、少なく
ともシロキサン変性ポリイミド樹脂を含有することを特
徴とする定着用部材1である。前記表面層5の下にシリ
コーンゴムを含有する弾性層4を有する態様、及び前記
表面層が微粒子を含有する態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用
した画像形成装置における定着用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式により記録体上にカ
ラー画像を形成し、トナー画像を有する用紙、又はトナ
ー画像を有する透明フィルムをオーバーヘッドプロジェ
クター(OHP)に供し、投影画像として用いることが
広く行われている。その電子写真方式における画像形成
装置の定着装置では、記録体上に転写された未定着トナ
ー像は、定着用ロール又はベルトと加圧用ロールとによ
り挟持される際に、熱エネルギーと圧力を受け、記録体
上に定着される。その際、定着装置では、熱によって溶
融したトナーの粘着力が急激に高くなり、記録体だけで
なく定着用ロール表面にも画像が転移してしまう、いわ
ゆるオフセット現象が起きてしまう。そのため現状で
は、ロール表面にシリコーンオイル等のオイルを塗布
し、オフセット現象を防止している。
【0003】また、透明フィルム上の画像を定着させ投
影画像として用いる場合には、彩度の低い暗い投影画像
にならぬようにトナー画像の凹凸を小さくし、光散乱を
防止する必要がある。そのためには、定着時に充分な熱
と圧力を加えることが必要になる。特に、複数色のトナ
ーを溶融混色させる場合には、更に充分な熱と圧力の供
給が必要である。しかし、画像濃度の低い部分、ドット
やライン等の部分を平滑にしようとして充分な熱を供給
しようとすると、画像濃度の高い部分では前記と同様の
理由からオフセットが発生してしまうため、オフセット
防止上ロール表面へのオイル塗布は避けられない状況に
ある。このオフセット現象を防止するためのオイルは、
定着後の記録体に付着し、記録体がべと付いたり、記録
体への筆記性やテープによる他部材への張り付けが悪く
なる、透過フィルムにおいては、透過性の低下を引き起
こす等の問題を引き起こしている。オイルを使用しなく
てすめば、上記問題点が改善されるだけでなく、装置本
体も余分なオイル供給装置(オイル塗布装置、オイル貯
蔵容器)等の部分を省略できるために、装置の小型化を
図ることができる。更にオイル自身が消耗品であるため
に、使用者へのコスト負担をなくすことができることか
らオイルのない(オイルレス)装置の開発が望まれてい
る。しかしながら、記録体がロールやベルトに巻き付か
ないように接地された分離爪は、オイルがなくなるとこ
れら表面を傷付けて摩耗させ、その部分の定着が不充分
となって画像に筋状の定着ムラを引き起こすという問題
があった。
【0004】上記問題を解決するには、ロールあるいは
ベルト表面にオイルを塗布しなくても潤滑性をもった強
い層の形成が必要である。オイルレス定着用ロールとし
ては、特開昭61−186975号及び特開昭61−2
84784号公報等にシロキサン系生ゴムを使用したも
のがあるが、維持性が悪く、更に昨今利用されているカ
ラートナーにおいては上記問題点は全く解決されない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、オイル供給を微量にしても、
更にはオイルを全く供給しなくても、オフセットが発生
せず、紙と定着用部材との剥離性が良好でジャムが発生
せず、剥離爪による摩耗によって画質を低下させること
もなく、長期に渡って安定した画像が得られる定着用部
材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 記録体と接触する表面層が、少なくともシロキ
サン変性ポリイミド樹脂を含有することを特徴とする定
着用部材である。 <2> 前記表面層の下に弾性層が形成されている前記
<1>に記載の定着用部材である。 <3> 前記弾性層がシリコーンゴムを含有する前記<
2>に記載の定着用部材である。 <4> ベルト状であり、前記表面層とは反対側に露出
する裏面層が、シロキサン変性ポリイミド樹脂を含有す
る前記<1>〜<3>のいずれかに記載の定着用部材で
ある。 <5> 前記表面層が微粒子を含有する前記<1>〜<
4>のいずれかに記載の定着用部材である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の定着用部材につい
て詳しく説明する。本発明の定着用部材は、基体上に表
面層を有してなり、更に必要に応じて、その他の層を有
してなる。 [表面層]前記表面層は、少なくともシロキサン変性ポ
リイミド樹脂を含有してなり、更に必要に応じて、その
他の成分を含有してなる。
【0008】(シロキサン変性ポリイミド樹脂)前記シ
ロキサン変性ポリイミド樹脂としては、下記一般式
(1)で表される硬化性化合物を硬化させることにより
得られる樹脂が好ましく挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】一般式(1)中、R1 、R2 及びR5 は、
それぞれ同一又は異種の炭素数1〜10の置換又は無置
換の1価炭化水素基を表し、R3 及びR4 は、それぞれ
2価の有機基を表し、Xは、芳香族環又は脂肪族環を有
する4価の有機基を表し、aは、2又は3、nは、10
以上の整数、mは、1以上の整数を表す。前記一般式
(1)中、特に、下記一般式(2)又は(3)で表され
る硬化性化合物を硬化させることにより得られる樹脂が
好ましく挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】一般式(2)中、R1 、R2 及びR5 は、
それぞれ同一又は異種の炭素数1〜10の置換又は無置
換の1価炭化水素基を表し、R3 及びR4 は、それぞれ
2価の有機基を表し、aは、2又は3、nは、10以上
の整数、mは、1以上の整数を表す。
【0013】
【化3】
【0014】一般式(3)中、R1 、R2 及びR5 は、
それぞれ同一又は異種の炭素数1〜10の置換又は無置
換の1価炭化水素基を表し、R3 及びR4 は、それぞれ
2価の有機基を表し、aは、2又は3、nは、10以上
の整数、mは、1以上の整数を表す。
【0015】(その他の成分)前記その他の成分として
は、微粒子が好ましく挙げられ、該微粒子の中でも、潤
滑性微粒子及び導電性微粒子が特に好ましく挙げられ
る。該微粒子が前記表面層の作製後、表面層に固定さ
れ、その一部が表面に露出することによる凹凸により、
他部材や記録体との接触面積を減少させ、表面硬度の増
加と、潤滑性の向上を図ることができる。また、定着用
部材の主成分が絶縁材料から構成されるため、記録体で
ある紙やOHP用フィルムの剥離や摩擦等で発生、蓄積
する電荷により定着用部材の表面へ、定着直前のトナー
粒子が静電的に付着して、画像の乱れを引き起こす場合
がある。そのため、導電性微粒子等を含有させ、表面抵
抗値を制御することができる。
【0016】前記微粒子としては、例えば、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、チタン酸バリウム、シリカ、シリコーン樹脂、
アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン−
ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられ、球形の微粒子が、
潤滑性の向上と硬度の向上の観点から特に好ましい。
【0017】前記潤滑性微粒子としては、例えば、窒化
硼素、黒鉛、二硫化タングステン、フッ化黒鉛、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポ
リアミド、ポリアセタール、ポリエチレン等が挙げら
れ、黒鉛、フッ化黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン等
が好ましく挙げられる。これらは1種単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。前記潤滑性微粒子の
粒径は、0.5〜50μmが好ましく、1〜20μmが
より好ましい。該粒径が、0.5μmより小さいと二次
粒子をつくり易く、分散性が悪くなり、不均一になり易
い。また、表面の凹凸や、硬さに貢献できない。一方、
該粒径が、50μmより大きいと表面の凹凸が大きすぎ
て、画像定着時に画像を悪化させることがある。
【0018】また、前記導電性微粒子としては、酸化亜
鉛、一酸化チタン、二酸化チタン、酸化スズ、酸化アル
ミニウム、酸化インジウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ
素、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化モリブデン
等の金属酸化物やカーボンブラック等が挙げられる。こ
れらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して
もよい。また、前記金属酸化物は、異種元素を更に含有
するものが好ましく、例えば、酸化亜鉛に対してアルミ
ニウム、インジウム等、一酸化チタンに対してニオブ、
タンタル等、酸化スズに対してアンチモン、ニオブ、ハ
ロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好まし
い。これらの中でアンチモンをドーピングさせた酸化ス
ズが、経時的にもよく、導電性の変化が少なく安定性が
高いため特に好ましい。
【0019】前記導電性微粒子の粒径は、50μm以下
が好ましく、5μm以下がより好ましい。これは、前記
導電性微粒子は、表面の抵抗値を制御するものであり、
表面に凹凸形状が存在する必要はないためである。ま
た、前記微粒子の添加量は、特に制限されず、微粒子の
種類や形状に応じて任意の量を添加することができる。
【0020】(表面層の製法等)前記表面層は、基体上
に表面層形成用塗布液(以下、「塗布液」と称する。)
を塗布し、乾燥させることにより形成される。該塗布液
は、前記シロキサン変性ポリイミド樹脂、硬化剤(例え
ば、アミノシランやイソシアネートシラン等のシラン化
合物)、及び溶剤(例えば、シクロヘキサノン、テトラ
ヒドロフラン、ジエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン
等)に混合希釈して調製される。前記微粒子を前記塗布
液中に含有させる場合には、前記溶剤に添加し、分散さ
せておくことが好ましい。
【0021】前記塗布液を基体上に塗布する方法として
は、特に制限はなく、従来公知の塗布法を適宜選択する
ことができるが、例えば、ニーダーコーティング、バー
コーティング、カーテンコーティング、スピンコーティ
ング、浸漬塗布、スプレー塗布、ブレード塗布等が挙げ
られる。本発明においては、これらの中でも膜厚の均一
性が制御し易い浸漬塗布が好ましい。また、前記基体が
ベルト状であって、裏面側に前記表面層の材料であるシ
ロキサン変性ポリイミド樹脂からなる層を形成しない場
合は、ベルトの内周長に対応するドラム状の心基体を装
着してから浸漬塗布することが有効である。また、前記
塗布液を基体上に塗布した塗膜を乾燥させる方法も、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる
が、例えば、乾燥器中、35〜45℃で、30分間の乾
燥を行い、指触にて前記塗膜が乾燥していることを確認
した後、更に乾燥器中、150〜180℃で、2〜4時
間の加熱硬化を行うことが好ましい。
【0022】前記表面層の厚さは、0.1〜200μm
が好ましく、0.1〜100μmがより好ましく、0.
5〜50μmが特に好ましい。該厚さが、0.1μmよ
り薄い場合には、強度や耐久性が不足することがある。
一方、該厚さが、200μmを超える場合には、剛性が
大きくなり部分的な転写不良を起こしたり、定着用部材
の比熱が増大して熱移動量が低下し、定着速度やサイク
ルタイムの低下につながることがある。
【0023】[基体]本発明の定着用部材に用いられる
基体には、その形状、構造、大きさ等につき特に制限は
なく、目的に応じて、従来公知のものの中から適宜選択
して使用することができるが、中でもロール状あるいは
ベルト状のものが稼働効率、占有体積等の点から好まし
い。前記基体の材質としては、耐熱性、機械的強度に優
れ、熱導伝性が良好である材質ならば特に制限はない
が、例えばロール状のものであれば、アルミニウム、S
US、鉄、銅、ニッケル等の金属、合金、セラミックス
等が挙げられる。また、ベルト状のものであれば、前記
ロール状の材料の他に、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブタジエンフタレート、ポリエステル、熱
硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、
ポリアミドイミド等の樹脂材料が挙げられる。また、前
記樹脂には、導電性粉体等を添加分散して、体積抵抗率
を制御することが好ましく、中でも、カーボンブラック
を添加分散して、体積抵抗率を制御したポリイミドフィ
ルムが好ましい。特にこれらベルト状のものに関して
は、継ぎ目があると定着時にその部分の加圧力が変わ
り、画質に影響を及ぼすため、無端ベルトがより好まし
い。
【0024】前記ロール状の基体の厚みは、本発明の目
的を害しない範囲で、必要に応じて適宜選択することが
できる。また、前記ベルト状の基体の厚みは、30〜2
00μmが好ましく、40〜150μmがより好まし
く、50〜130μmが特に好ましい。該厚みが、30
μmより薄い場合には、加熱冷却時の寸法安定性や、強
度が不足することがある。一方、該厚みが、200μm
を超える場合には、中間転写体の比熱が増大して熱移動
量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につなが
ることがある。
【0025】[その他の層]前記その他の層としては、
弾性層、接着層、裏面層等が好ましく挙げられる。 (弾性層)本発明においては、前記表面層の下には、ト
ナーが多く重なったカラー未定着画像を高画質に定着さ
せる等の観点から、弾性層が形成されることが好まし
い。前記弾性層の材質としては、該弾性層として公知の
材質のものの中から適宜選択できるが、耐熱性等を考慮
すると、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等が好ま
しく挙げられる。更に、前記表面層との接着性を考慮す
ると、シリコーンゴムが特に好ましく挙げられる。該シ
リコーンゴムとしては、例えば、1液性縮合重合型、2
液性付加重合型、LTV型、RTV型シリコーンゴム
等、特に制限はなく、公知のメチルシリコーンゴム、メ
チルフェニルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーン
ゴムや含フッ素系のシリコーンゴム等が挙げられる。前
記弾性層の厚みは、通常5mm以下であり、好ましくは
2mm以下である。該厚みが、5mmを超えると、定着
用部材の比熱が増大して熱移動が低下し、定着速度やサ
イクルタイムの低下につながることがある。また、前記
弾性層は、単層構造であってもよいし、積層構造であっ
てもよい。
【0026】(接着層)本発明においては、前記基体と
前記弾性層との間には、これらを密着あるいは接着させ
るという観点から、接着層を設けてもよい。該接着層と
しては、前記弾性層の材料であるシリコーンゴムとの接
着に通常使用されるプライマー類等が挙げられる。該プ
ライマー類としては、例えば、アミノシラン系カップリ
ング剤、クロロシラン系カップリング剤、クロロメチル
シラン系カップリング剤、シアノシラン系カップリング
剤、チタン酸エステル系カップリング剤、アルコキシシ
ラン系カップリング剤等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。これらの中で、アミノシラン系カ
ップリング剤及びチタン酸エステル系カップリング剤が
好ましく挙げられる。前記接着層の厚みとしては、特に
制限はなく、前記弾性層の機能を著しく低下させ、本発
明の定着用部材の効果を著しく損なう範囲でなければ、
適宜選択することができる。
【0027】前記弾性層及び前記接着層を前記基体の表
面に塗布する方法としては、特に制限はなく、例えば、
前記表面層を前記基体の表面に塗布する方法として列挙
したものと同様の方法が挙げられる。即ち、ニーダーコ
ーティング、バーコーティング、カーテンコーティン
グ、スピンコーティング、浸漬塗布、スプレー塗布、ブ
レード塗布等が挙げられる。本発明においては、これら
の中でも膜厚の均一性が制御し易い浸漬塗布が好まし
い。
【0028】(裏面層)本発明においては、前記表面層
とは反対側に露出する裏面に、シロキサン変性ポリイミ
ド樹脂を含有する裏面層を形成することが、接触部材と
の耐摩耗性向上の観点から好ましい。前記裏面層の材料
であるシロキサン変性ポリイミド樹脂は、前記表面層の
材料として用いられたシロキサン変性ポリイミド樹脂と
同様である。また、前記裏面層の形成方法や厚みについ
ても、前記表面層の場合と同様にすることができる。
【0029】[定着装置]本発明の定着用部材は、各種
の定着装置に適用することができる。図1は、本発明の
定着用部材を用いた定着装置の一例を示す概略断面図で
ある。加熱定着用ロール1が、本発明の定着用部材であ
り、加熱定着用ロール1は、中空ロール(ロール状の基
体)3の外周面にゴム弾性層4が形成され、更にその上
にシロキサン変性ポリイミド樹脂が含有された表面層5
が形成されてなる。中空ロール3の内部にはヒーター6
が収容され、加熱定着用ロール1の表面を所定の温度に
加熱する。加熱定着用ロール1の周りには、表面層5の
表面にシリコーンオイル等を供給するオイル供給装置9
と、剥離爪12とが配されている。加圧定着用ロール2
は、芯金ロール10の外周面に耐熱弾性体11が形成さ
れてなり、加熱定着用ロール1と接触してニップ部を形
成している。
【0030】図示しない動力手段により加熱定着用ロー
ル1が図1上時計方向に回転し、加圧定着用ロール2も
矢印A方向に従動回転する。図示しない現像手段により
未定着トナー像8が形成された記録体7は矢印B方向に
移動し、前記ニップ部に挿通され、熱及び圧力により未
定着トナー像8が記録体7上に定着される。定着後の記
録体7は剥離爪12により加熱定着用ロール1から剥離
される。このように、加熱定着用ロール1が、本発明で
用いられるシロキサン変性ポリイミド樹脂を含有する表
面層5を有することにより、剥離性が良好で、加熱定着
用ロール1の摩耗による画質の低下を引き起こすことの
ない定着装置となる。このような本発明の定着用部材で
ある加熱定着用ロール1を用いれば、表面層5にオイル
供給をしない、いわゆるオイルレスにしても剥離性が良
好で、加熱定着用ロール1の摩耗による画質の低下を引
き起こすことがない。図2は、このようなオイルレスの
定着装置を示す概略断面図である。図2の定着装置は、
オイル供給装置9を有さないことを除いては、図1と同
様である。尚、図2中、図1と同一の符号は、図1にお
いて説明したものと同一の部材、構成及び機能を有する
ものである。
【0031】図3に示す定着装置において、図1と同一
の符号は、図1において説明したものと同一の部材、構
成及び機能を有するものである。即ち、加熱定着用ロー
ル1には、本発明で用いられるシロキサン変性ポリイミ
ド樹脂を含有した表面層5が形成されている。無端(エ
ンドレス)ベルト15は、支持ロール13、14により
張架され、加熱定着用ロール1と接触してニップ部を形
成している。図3に示す定着装置においては、この加熱
定着用ロール1と無端ベルト15により形成されたニッ
プ部において、記録体7上の未定着トナー像8が定着さ
れる。この場合、本発明の定着用部材を適用すること
で、特に圧力に依存しないで定着でき、装置の小型、軽
量化に貢献できる。
【0032】図4は、本発明の定着用部材を用いたベル
トニップ方式のオイルレス定着装置の一例を示す概略断
面図である。図5は、図4のオイルレス定着装置にオイ
ル供給パッドを備えた定着装置を示す概略断面図であ
る。図6は、本発明の定着用部材を用いたベルトニップ
方式のオイルレス定着装置の他の一例を示す概略断面図
である。無端ベルト15が、本発明の定着用部材であ
る。無端ベルト15には、ポリイミドのフィルムを基体
とし、該基体表面に本発明で用いられるシロキサン変性
ポリイミド樹脂を含有する表面層が設けられている。図
4において、無端ベルト15は、駆動ロール19、従動
ロール20及び加熱体16により張架されている。無端
ベルト15は、加熱体16内のヒーター基板17表面に
配された発熱体18により、内側から加熱される。加熱
体16に対向する位置に、無端ベルト15を介して加圧
定着用ロール21が配され、無端ベルト15と加圧定着
用ロール21との間にニップ部が形成されている。その
外、図1と同一の符号は、図1において説明したものと
同一の部材、構成及び機能を有するものである。図4に
示す定着装置においては、無端ベルト15と加圧定着用
ロール21とにより形成されたニップ部において、記録
体7上の未定着トナー像8が定着される。ベルトを使用
することで、小型軽量化を図ることができ、更に、ベル
トを直接発熱体で加熱するため、インスタントオンで装
置を稼働させることができる。
【0033】図5の定着装置は、オイル供給パッド22
により、無端ベルト15内面にオイルを供給する機構を
設けた以外は、図4と同様である。尚、図5中、図4と
同一の符号は、図4において説明したものと同一の部
材、構成及び機能を有するものである。図6の定着装置
は、無端ベルト15の張架方法、及び分離ロール25、
26を設けて、定着後の記録体7の分離(剥離)性のさ
らなる向上を図っている。無端ベルト15は、搬送ロー
ル29、29’、加熱体16,及び分離ロール25によ
り張架され、無端ベルト15を介して、加熱体16に加
圧ロール27が、分離ロール25に分離ロール26がそ
れぞれ対向配置されている。加圧ロール27と分離ロー
ル26とは、搬送ベルト28を張架する役割も担ってい
る。尚、図6中、図4及び図5と同一の符号は、図4及
び図5において説明したものと同一の部材、構成及び機
能を有するものである。未定着トナー像8が形成された
記録体7は、無端ベルト15と搬送ベルト28とにより
加熱体16の部分で形成されるニップ部に挿通され、熱
及び圧力により未定着トナー像8が記録体7上に定着さ
れる。その後、記録体7は、そのまま矢印C方向に搬送
され、その間に徐冷され、分離ロール25、26の圧力
により無端ベルト15から分離(剥離)される。
【0034】図7は、本発明の定着用部材を用いたオイ
ルレス定着装置の他の一例を示す概略断面図である。図
7に示す定着装置において、図1と同一の符号は、図1
において説明したものと同一の部材、構成及び機能を有
するものである。即ち、加熱定着用ロール1には、本発
明で用いられるシロキサン変性ポリイミド樹脂を含有し
た表面層5が形成されている。また、加熱定着用ロール
1と無端ベルト15とによりニップ部が形成される点は
図3の定着装置と同様であるが、図7においては、該無
端ベルト15の保持、引回しの方法が異なっている。即
ち、無端ベルト15は、その内側に配された支持体31
と弾性体32とからなる押圧パッド30により、加熱定
着用ロール1に押しつけられニップ部を形成し、張架ロ
ール等による張架はされず、テンションフリーの状態に
なっている。
【0035】加熱定着用ロール1は矢印D方向に回転
し、それにつれて無端ベルト15も矢印E方向に従動回
転し、ベルト走行ガイド34により無端ベルト15の回
転の軌道が一定に保持される。そして、加熱定着用ロー
ル1と無端ベルト15とにより形成されたニップ部にお
いて、図示しない記録体上の未定着トナー像が定着され
る。尚、図7において、無端ベルト15は、本発明の定
着用部材である。即ち、無端ベルト15には、基体33
表面に本発明で用いられるシロキサン変性ポリイミド樹
脂を含有する表面層5が設けられている。このように加
熱定着用ロール1と無端ベルト15の双方を本発明の定
着用部材とすれば、表面層5にオイルを供給しない、い
わゆるオイルレスにしても剥離性が良好で、加熱定着用
ロール1や無端ベルト15の摩耗による画質の低下を引
き起こすことがない。勿論、加熱定着用ロール1の表面
層5にオイルを供給することは可能である。図8は、オ
イル供給パッド22を有することを除いては、図7と同
様である。尚、図8中、図7と同一の符号は、図7にお
いて説明したものと同一の部材、構成及び機能を有する
ものである。
【0036】[カラー画像形成方法]少なくともカラー
着色剤及び結着樹脂からなるトナーを用いて、カラート
ナー画像を記録体上に形成し、該カラートナー画像が形
成された記録体に、定着用部材を用いて熱及び圧力を付
与し、前記記録体上に前記カラートナー画像を定着する
ことにより、カラー画像を得るカラー画像形成方法にお
いて、前記定着用部材として、本発明の定着用部材を適
用することができる。カラー画像を得る場合には、複数
色のトナーを溶融混色させるため、充分な熱と圧力の供
給が必要であるが、画像濃度の低い部分のドットやライ
ンを発色させる熱量を与えると、従来の定着用部材では
離型性が低いため、高画像濃度がオフセットする問題が
ある。本発明の定着用部材を適用することにより、部材
表面にオイルを塗布しなくても潤滑性を持った強い層が
表面にあり、或いは、極力少ない量のオイルでオフセッ
トせずに定着できるため好ましい。トナーに用いられる
カラー着色剤及び結着樹脂は、特に限定されず、従来公
知のあらゆるものを用いた場合にも本発明の定着用部材
を適用することによる効果が期待できる。勿論、トナー
には、その他外添剤や、離型剤、磁性体、帯電制御剤
等、従来公知のその他の成分が含まれていてもよい。
【0037】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではな
い。尚、実施例中の「部」は総て「重量部」を示す。
【0038】(実施例1)両末端ビニルジメチルシロキ
シ基封鎖のジメチルポリシロキサン(重合度:500、
ビニル価:0.0053モル/100g)100部、結
晶性シリカ(平均粒径5μm)35部、オルガノハイド
ロジェンポリシロキサン(重合度:17、Si−H当
量:0.00528モル/g)3.1部、白金触媒(P
t濃度1%)0.2部、及び反応制御剤として1−エチ
ニル−シクロヘキサノール0.1部を混合し、弾性層用
のシリコーンゴム組成物を調製した。プライマー類とし
て、アルコキシシラン系カップリング剤を用い、これを
塗布したロール芯金を内面鏡面仕上げの円筒状金型内に
挿入し、前記シリコーンゴム組成物を真空脱泡した後、
射出成形機を用いて注入して150℃で10分間加熱硬
化させ、その後200℃で4時間二次加硫を行って、弾
性層の厚みが1mmのシリコーンゴムロールを得た。
【0039】次に、シロキサン変性ポリイミド樹脂(信
越ポリイミドシリコーン:X−22−8917/信越化
学工業社製)と硬化剤及び溶剤からなる溶液250部
を、シクロヘキサノン250部に混合希釈して塗布液を
作製し、この塗布液を得られたシリコーンゴムロールの
表面に浸漬し、塗膜を形成した後、乾燥器中で40℃/
30分間の乾燥を行った。指触にて前記塗膜が乾燥して
いることを確認した後、更に乾燥器中で180℃/12
0分間の加熱硬化を行い、シロキサン変性ポリイミド樹
脂を含有した厚みが25μmの表面層を有する定着用ロ
ールを得た。
【0040】得られた定着用ロールを電子写真複写機
‘Vivace450' (富士ゼロックス社製)の定着
用ロールと交換し、更に、定着用ロール上にオイルを供
給するシステムを取り除いて、図2のようなオイルレス
定着仕様に改造し、定着試験を行った。定着試験は、定
着用ロールのトナーオフセット性及びロール上に接触す
る剥離爪のキズや摩耗による画質欠陥を評価した。尚、
トナーオフセット性及び画質欠陥の評価は、A4サイズ
用紙を用いて画像の定着処理を連続して実施し、オフセ
ットが発生するまでの枚数、同時に画質欠陥が発生まで
の枚数を調べることにより行った。結果はオイルレスの
定着において25万枚まで、トナーオフセット性及び画
質欠陥の問題は発生しなかった。
【0041】(比較例1)実施例1において、シロキサ
ン変性ポリイミド樹脂を含有する表面層を形成しなかっ
た外は、実施例1と同様に定着用ロールを製造し、この
定着用ロールを用いて、実施例1と同様な評価を行っ
た。その結果、トナーオフセットは1枚目から発生し、
オフセットした定着用ロールの表面には、トナーが固着
していた。このため、画質欠陥の評価を行うことはでき
なかった。
【0042】(実施例2)厚み75μm、直径40mm
のポリイミドの無端ベルトに、実施例1で使用したシロ
キサン変性ポリイミド樹脂と硬化剤及び溶剤からなる溶
液を浸漬塗布し、実施例1と同様の加熱処理を行って、
無端ベルトの表裏に約25μmの表面層及び裏面層を形
成した。これを図4に示す定着装置に装着し、トナー画
像が乗っている用紙を100mm/secの速度で通紙
して、150℃の温度で画像を定着させた。評価は実施
例1と同様にトナーオフセット性及び画質欠陥の評価を
行った。その結果、オイルレスの定着において15万枚
まで、トナーオフセット性及び画質欠陥の問題は発生し
なかった。
【0043】(比較例2)実施例2において、シロキサ
ン変性ポリイミド樹脂を含有する表面層及び裏面層を形
成しなかった外は、実施例2と同様にポリイミドの無端
ベルトを製造し、この無端ベルトを用いて、実施例2と
同様の評価を行った。その結果、トナーオフセットは1
枚目から発生し、ベルト表面にはトナーが固着した。一
方、画質評価ができなかったので、定着器を空回しし
て、ベルトの稼働状況を見ていたが、ベルトが250回
転(約100枚相当)位からベルト裏面に潤滑性がない
ために画像のズレを引き起こさせるベルトのスリップ現
象が見られた。
【0044】(実施例3)シロキサン変性ポリイミド樹
脂(信越ポリイミドシリコーン:X−22−8917/
信越化学工業社製)と硬化剤及び溶剤からなる溶液25
0部を、シリコーン樹脂の真球状微粒子トスパール14
5(東芝シリコーン社製:粒径4.5μm)8部及び導
電性酸化チタン微粒子ECT−62(チタン工業社製:
粒径0.35μm)3部をシクロヘキサノン300部に
混合分散した溶液に加え、攪拌して塗布液を作製した。
一方、定着用ロールとして、外径寸法が44mmの中空
SUS芯金(厚み:2mm)上に、プライマー類として
アミノシラン系カップリング剤を塗布しこれを介して、
シリカ含有シリコーンゴムを加硫接着した。その後、円
筒研削盤で外径研磨仕上げを行い、厚さ4mmの弾性層
を形成した定着用ロール上に、前記作製した塗布液を浸
漬塗布し、塗膜を形成した後、乾燥器中で40℃/30
分間の乾燥を行った。指触にて前記塗膜が乾燥している
ことを確認した後、更に乾燥器中で180℃/120分
間の加熱硬化を行い、シロキサン変性ポリイミド樹脂及
び微粒子を含有する厚みが25μmの表面層を有する加
熱定着用ロールを得た。
【0045】得られた加熱定着用ロールをデジタルカラ
ー複写機Acolor930(富士ゼロックス社製)の
加熱定着用ロールと交換し、更に、加熱定着用ロール上
にオイルを供給するシステムを取り除いて、図2のよう
なオイルレス定着仕様に改造し、定着試験を行った。こ
のとき用いたトナーは前記デジタルカラー複写機Aco
lor930用のブラック、イエロー、マゼンタ、シア
ンの各色トナーである。定着試験は、加熱定着用ロール
のトナーオフセット性及びロール上に接触する剥離爪の
キズや摩耗による画質欠陥を評価した。尚、トナーオフ
セット性及び画質欠陥の評価は、A4サイズ用紙を用い
て画像の定着処理を連続して実施し、オフセットが発生
するまでの枚数、同時に画質欠陥が発生までの枚数を調
べることにより行った。その結果、カラー画像のオイル
レスの定着においても35万枚まで、トナーオフセット
性及び画質欠陥の問題は発生しなかった。
【0046】また、前記本発明の加熱定着用ロールと同
様にして、シロキサン変性ポリイミド樹脂及び微粒子を
含有する表面層を形成した加圧定着用ロールを製造し、
前記デジタルカラー複写機の加熱定着用ロール及び加圧
定着用ロールに代えて、本発明の加熱定着用ロール及び
加圧定着用ロールを用いて同様な評価を行った。その結
果、35万枚以上の定着において、トナーオフセット性
及び画質欠陥の問題はなかった。更に、上記実験の後、
前記表面層を有する加熱定着用ロール上に、従来のオイ
ル供給システムを戻し、ジメチルシリコーンオイル等を
わずかに供給(1〜2μl/A4、当該装置の標準量は
30μl/A4)して耐久性を評価した結果、更に70
万枚以上(合計105万枚以上)の定着において、トナ
ーオフセット性及び画質欠陥の問題が発生しなかった。
【0047】(比較例3)デジタルカラー複写機Aco
lor930(富士ゼロックス社製)のオイル供給シス
テムを取り除き、更に加熱定着用ロール及び加圧定着用
ロール(これらは、シロキサン変性ポリイミド樹脂を含
有する表面層を有していない)上のオイルを拭き取っ
て、実施例3と同様の評価を行ったが、トナーオフセッ
トは1枚目から発生し、しかも用紙を分離爪で剥離でき
ないほどロールに巻き付き、ジャムを引き起こした。ま
た上記理由で画質欠陥の評価ができなかったため、白紙
のA3用紙を通紙して、分離爪によるロールのキズを調
べたが、250枚ほどで摩耗による深いキズが発生し
た。また前記オイル供給システムを取り付け、ジメチル
シリコーンオイルを外部からわずかに供給(1〜2μl
/A4)した場合でも、トナーオフセットは10枚ほど
で発生し、また分離爪によるロールのキズは800枚ほ
どで発生し、該キズによる画像欠陥が発生した。
【0048】(実施例4)シロキサン変性ポリイミド樹
脂(信越ポリイミドシリコーン:X−22−8917/
信越化学工業社製)と硬化剤及び溶剤からなる溶液25
0部を、シリコーン樹脂の真球状微粒子トスパール13
0(東芝シリコーン社製:粒径3μm)6部及びカーボ
ンブラックのケッチェンブラックEC(ライオン(株)
社製:二次粒子径30μm)3部をシクロヘキサノン3
00部に混合分散した溶液に加え、攪拌して塗布液を作
製した。一方、外径47mm、内径42mm、長さ35
0mmのアルミニウム円筒上にゴム硬度45°(JIS
−A)のHTVシリコーンゴムからなる厚みが1.5m
mの弾性層が設けられた定着用ロール上に、前記作製し
た塗布液を浸漬塗布し、塗膜を形成した後、乾燥器中で
40℃/30分間の乾燥を行った。指触にて前記塗膜が
乾燥していることを確認した後、更に乾燥器中で180
℃/120分間の加熱硬化を行い、シロキサン変性ポリ
イミド樹脂及び微粒子を含有する厚みが25μmの表面
層を有する加熱定着用ロールを得た。
【0049】また、厚み75μm、幅300mm、周長
188mmの無端ポリイミドフィルムのベース基体の表
裏面に前記塗布液を浸漬塗布し、塗膜を形成した後、乾
燥器中で40℃/30分間の乾燥を行った。指触にて前
記塗膜が乾燥していることを確認した後、更に乾燥器中
で180℃/120分間の加熱硬化を行い、シロキサン
変性ポリイミド樹脂及び微粒子を含有する厚みが25μ
mの表面層5及び裏面層5’を有する定着用ベルトを得
た。前記本発明の加熱定着用ロールを図7の加熱定着用
ロール1として用い、また、前記本発明の定着用ベルト
を図7の無端ベルト15として用いた。この装置にカラ
ートナー像が乗っている用紙を100mm/secの速
度で通紙し、前記加熱定着用ロールの表面温度を145
℃にして画像を定着させた。評価は実施例1と同様にト
ナーオフセット性及び画質欠陥の評価を行った。その結
果、オイルレスの定着において30万枚までトナーオフ
セット性及び画質欠陥の問題は発生しなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、オイル供給を微量にし
ても、更にはオイルを全く供給しなくても、オフセット
が発生せず、紙と定着用部材との剥離性が良好でジャム
が発生せず、剥離爪による摩耗によって画質を低下させ
ることもなく、長期に渡って安定した画像が得られる定
着用部材を提供することができる。また、本発明によれ
ば、定着用ベルトとして使用した場合には、安定的な走
行を確保でき、高品質の画像を安定して得られる定着用
部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の定着用部材を用いた定着装置
の一例を示す概略断面図である。
【図2】図2は、図1の定着装置からオイル供給装置を
取り除いた、オイルレス定着装置を示す概略断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の定着用部材を用いたオイルレ
ス定着装置の他の一例を示す概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の定着用部材を用いたベルトニ
ップ方式のオイルレス定着装置の一例を示す概略断面図
である。
【図5】図5は、図4のオイルレス定着装置にオイル供
給パッドを備えた定着装置を示す概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の定着用部材を用いたベルトニ
ップ方式のオイルレス定着装置の他の一例を示す概略断
面図である。
【図7】図7は、本発明の定着用部材を用いたオイルレ
ス定着装置の他の一例を示す概略断面図である。
【図8】図8は、図7のオイルレス定着装置にオイル供
給パッドを備えた定着装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】 1:加熱定着用ロール 2:加圧定着用ロール 3:中空ロール(ロール状の基体) 4:ゴム弾性層 5:表面層 5’:裏面層 6:ヒーター 7:記録体 8:未定着トナー 9:オイル供給装置 10:芯金ロール 11:耐熱弾性体 12:剥離爪 13、14:支持ロール 15:無端ベルト 16:加熱体 17:ヒーター基板 18:発熱体 19:駆動ロール 20:従動ロール 21:加圧定着用ロール 22:オイル供給パッド 25、26:分離ロール 27:加圧ロール 28:搬送ベルト 29、29’:搬送ロール 30:押圧パッド 31:支持体 32:弾性体 33:基体 34:ベルト走行ガイド
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA16 BA59 BB06 3J103 AA02 AA13 AA14 AA24 AA72 BA03 FA07 FA12 FA30 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 HA03 HA41 HA53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録体と接触する表面層が、少なくとも
    シロキサン変性ポリイミド樹脂を含有することを特徴と
    する定着用部材。
  2. 【請求項2】 前記表面層の下に弾性層が形成されてい
    る請求項1に記載の定着用部材。
  3. 【請求項3】 前記弾性層がシリコーンゴムを含有する
    請求項2に記載の定着用部材。
  4. 【請求項4】 ベルト状であり、前記表面層とは反対側
    に露出する裏面層が、シロキサン変性ポリイミド樹脂を
    含有する請求項1〜3のいずれかに記載の定着用部材。
  5. 【請求項5】 前記表面層が微粒子を含有する請求項1
    〜4のいずれかに記載の定着用部材。
JP10227253A 1998-08-11 1998-08-11 定着用部材 Pending JP2000056602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10227253A JP2000056602A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 定着用部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10227253A JP2000056602A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 定着用部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000056602A true JP2000056602A (ja) 2000-02-25

Family

ID=16857929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10227253A Pending JP2000056602A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 定着用部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000056602A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002188620A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Daikin Ind Ltd 筒状体
US6939614B2 (en) 2002-06-10 2005-09-06 Ricoh Company, Ltd. Image-fixing member, image-fixing apparatus and image-forming apparatus using the same
JP2006215076A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Fuji Xerox Co Ltd ポリイミド樹脂製無端ベルト、その製造方法およびその再使用方法、ならびに、電子写真式画像形成装置
US7257346B2 (en) * 2002-08-21 2007-08-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing roller regenerating apparatus in image forming apparatus and method thereof
US7720423B2 (en) 2005-06-01 2010-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus including a cooler and a siloxane-modified polyimide belt therefor
JP2012133174A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Ricoh Co Ltd トナー担持体、現像装置、画像形成方法及び装置
CN104049510A (zh) * 2013-03-15 2014-09-17 株式会社理光 定影构件、定影装置和成像设备

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002188620A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Daikin Ind Ltd 筒状体
US6939614B2 (en) 2002-06-10 2005-09-06 Ricoh Company, Ltd. Image-fixing member, image-fixing apparatus and image-forming apparatus using the same
US7257346B2 (en) * 2002-08-21 2007-08-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing roller regenerating apparatus in image forming apparatus and method thereof
JP2006215076A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Fuji Xerox Co Ltd ポリイミド樹脂製無端ベルト、その製造方法およびその再使用方法、ならびに、電子写真式画像形成装置
US7720423B2 (en) 2005-06-01 2010-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus including a cooler and a siloxane-modified polyimide belt therefor
JP2012133174A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Ricoh Co Ltd トナー担持体、現像装置、画像形成方法及び装置
CN104049510A (zh) * 2013-03-15 2014-09-17 株式会社理光 定影构件、定影装置和成像设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6173040B2 (ja) 定着ベルトおよび定着装置
US8301068B2 (en) Fixing member including through-holes formed through release layer, method for producing the same, and fixing device
US7146126B2 (en) Flexible and durable fixing members and apparatus, and image forming apparatus
JP4882312B2 (ja) フッ素樹脂被覆部材の製造方法
JP5082190B2 (ja) ポリイミド樹脂製無端ベルト、その製造方法およびその再使用方法、ならびに、電子写真式画像形成装置
JPH1171521A (ja) 潤滑離型材料用組成物、潤滑離型材料、潤滑離型膜の作製方法、潤滑離型膜、定着用部材、定着装置、およびカラー画像形成方法
JP4587152B2 (ja) 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置
JP2014178546A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP2002268423A (ja) 定着ベルト及びそれを有する画像形成装置
JP2000112271A (ja) 定着用部材とその製造方法及びそれを用いた定着装置
JP2000056602A (ja) 定着用部材
JP2013061383A (ja) 管状部材、無端ベルト、定着装置および画像形成装置
JP5070739B2 (ja) 画像形成装置、定着装置、定着部材、および定着部材の製造方法
JP5365249B2 (ja) 無端ベルト
JP4197430B2 (ja) 画像転写・定着用ベルト、これを用いた画像転写・定着装置及び電子写真装置
JP2015040863A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
US9417564B2 (en) Image forming apparatus having rollers, belt and a tension applying unit
JP4600227B2 (ja) 無端ベルト、定着装置、画像形成装置、画像形成方法、および無端ベルトの製造方法
JP2002207362A (ja) 電子写真装置用現像ロ−ラ
JP7476040B2 (ja) 定着装置
JP6361136B2 (ja) 定着ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP2004170859A (ja) 弾性ローラ、定着部材及びその製造方法
JP2010281916A (ja) 定着部材、並びに定着装置及び画像形成装置
JP2004252074A (ja) 電子写真用部材
JP6472269B2 (ja) 電子写真用部材