JP2010281916A - 定着部材、並びに定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トナー像を記録媒体上に定着するために用いられる定着部材であって、複数の層と、該複数の層のうちの隣接する最表層201と中間層202の界面に設けられ、粒子を含む粒子層204とを有することを特徴とする。
【選択図】図2B
Description
<1> トナー像を記録媒体上に定着するために用いられる定着部材であって、複数の層と、該複数の層のうちの隣接する2つの層の界面に設けられ、粒子を含む粒子層とを有することを特徴とする定着部材である。
該<1>に記載の定着部材においては、複数の層のうちの隣接する2つの層の界面に設けられ、粒子を含む粒子層を有するので、「トナーや紙の凹凸に追従可能な柔軟性」を維持したまま、「耐摩耗性を向上させることによる高耐久性」を実現できる。
<2> 隣接する2つの層が最表層及び中間層であり、該最表層及び該中間層の界面に粒子層が設けられた前記<1>に記載の定着部材である。
<3> 粒子層の硬度が中間層の硬度よりも高い前記<2>に記載の定着部材である。
<4> 粒子層上にフッ素系高分子を含有する層が設けられた前記<1>から<3>のいずれかに記載の定着部材である。
該<4>に記載の定着部材においては、粒子層上にフッ素系高分子を含有する層が形成されているので、最表面の離型性を向上させ、溶融トナーの付着力低減や転写紙の巻きつきに起因するジャムを低減し、長期にわたり安定した定着を実現できる。
<5> 粒子層における粒子が連結している前記<1>から<4>のいずれかに記載の定着部材である。
<6> 粒子が無機粉体である前記<1>から<5>のいずれかに記載の定着部材である。
該<6>に記載の定着部材においては、粒子が無機粉体であるので、耐熱性及び経時安定性に優れた定着部材を提供できる。
<7> 無機粉体がシリカである前記<6>に記載の定着部材である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の定着部材を有する定着装置である。
該<8>に記載の定着装置においては、本発明の前記定着部材を有するので、耐久性及び信頼性が向上する。
<9> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記定着手段が、前記<8>に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
該<9>に記載の画像形成装置においては、本発明の前記定着装置を有しているので、
電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターなどに利用可能であり、「環境負荷低減」や「顧客満足の向上」に寄与する。
本発明の定着部材は、少なくとも、複数の層と、該複数の層のうちの隣接する2つの層の界面に設けられた粒子層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層、例えば、定着部材の各層の間に設けられたプライマー層、離型層表面には該離型層の表面を改質するための改質層、などを有していてもよい。
前記定着部材が粒子層上に設けられたフッ素系高分子を含有する層を有すると、最表面の離型性を向上させ、溶融トナーの付着力低減や転写紙の巻きつきに起因するジャムを低減し、長期にわたり安定した定着を実現できる。
前記基材としては、その形状、構造、厚み、材質、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、平板状、ベルト状、円筒状、などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性を有するものが好ましく、例えば、樹脂、金属、などが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂、などが挙げられる。
また、前記樹脂に磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。
具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置等の分散装置を用いて磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の厚みに成形する。
前記金属としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、又はこれらの合金であって、それ自体が発熱してもよい。
前記金属の場合には、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができ、キューリー点が定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層を形成することで、発熱層は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱できる。
また、基材を弾性体によっても形成することができる。前記弾性体としては、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーなどが挙げられるが、中でも、耐熱性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマー、などが好ましい。
前記弾性層としては、耐熱性のある弾性体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマー、などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点からシロキサン結合を主鎖とする弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーがより好ましく、耐熱性、離型剤濡れ性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴムが特に好ましい。
前記弾性層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50μm〜250μmが好ましい。
前記弾性層の厚みが50μm未満であると、転写紙の凹凸に追従できず良好な画像を得られないことがあり、250μmを超えると、定着に必要な熱量を蓄積するための時間がかかりため利便性を著しく低下させることがある。
最表層である離型層としては、例えば四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマー;これらのポリマーの混合物、又はこれらのポリマーを耐熱性樹脂・ゴムに分散させたもの、またシリコーン架橋反応基中にフッ素化ポリエーテルを持つフッ素系エラストマーなどが適用できる。これらの中でも、強度、平滑性を両立する点からフッ素系ポリマーを持つものが特に好ましい。
前記加水分解可能な基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;メトキシシラン基、エトキシシラン基等のアルコキシシラン基、などが挙げられる。
さらに、前記最表層は、耐熱性のある弾性体、好ましくは、耐熱性ゴムでも構成可能であり、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマー、などが挙げられるが、特に、耐熱性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマー、などが好ましい。特に、耐熱性・離型剤濡れ性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、などが好ましい。
前記離型層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばチューブ状にしたものを弾性層に被せてもよく、湿式スプレー塗装法、粉体塗装後に焼き付ける方法、などが挙げられる。
ここで、前記離型層の厚みは、例えばXPSにてSiO2換算の膜厚として計測することができる。XPSは、Quantera SXM(アルバックファイ社製、イメージングXPS)を用いた。XPS測定条件は、X線として単色化AlKα線(1486.6eV、X線スポット100μm)を用い、また、測定時の帯電補正のために、中和電子銃1eV、アルゴンイオン銃7eVを使用した。更に、測定は、試料法線方向より25°方向からX線を入射し、試料法線方向より20°方向で光電子を検出することにより行った。C60スパッタリングは、C60イオン銃(PHI06−C60、アルバックファイ社製)を用い、試料法線方向に対して70°の方向から行った。加速電圧は10kV、スパッタリング速度はSiO2をスパッタリングする場合で1nm/分であった。更に、スペクトルの解析はMultiPakV6.1A(アルバックファイ社製)を用いて行った。最表層からスパッタリングを行い、スペクトルC1sのCF2結合のケミカルシフトがなくなった時点を膜厚としている。
前記粒子層は、上述した層構成の定着部材の層間に配置されるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粒子層の硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記中間層の硬度よりも高いことが好ましく、具体的には、0.8N/mm2(ユニバーサル硬度)以上が好ましい。前記粒子層の硬度が前記中間層の硬度以下であると、十分な耐摩耗性が得られないことがある。
前記粒子層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01μm〜10μmが好ましく、0.01μm〜0.1μmがより好ましい。この範囲であると、転写紙凹凸追従性の点で有利である。
前記粒子層の厚みが、0.01μm未満であると、十分な接着界面強度が得られないことがあり、10μmを超えると画像光沢ムラを発生させることがある。
前記粒子層の形状としては、不定形・球形の粒子が連結したパールネックレス状(連結粒子205(図3B参照))、層状、中空状、繊維状、網鎖状などの形態を取り得るが、表面均一性の点で、球形の粒子が連結したパールネックレス状(連結粒子205(図3B参照))が好ましい。
前記粒子の表面は、修飾されていても可能であり、例えば、カップリング材や各種モノマー、光感応型官能基、疎水性・親水性官能基の形成など下層や上層との相性や機能付与の点で適宜選択可能である。また、前記粒子は多孔質においても適用可能であり、例えば、多孔質シリカを用いた場合、表面積が増えることで密着性が増し、耐久性の点でより好ましい。
前記粒子層が上述した構成を採ることにより、層界面内で高硬度の粒子層が形成されることで、粒子は界面に対して垂直方向に可動であり、トナーの段差や転写紙の凹凸に追従し、カラー化に対応した高画像を得るのに十分な弾性を維持できる。そして、界面に対して平行方向で、表面にせん断応力のかかりうる状態(摩耗負荷)に対しては、硬度に起因する十分な強度とすべり性の発現により、最表面の耐久性を大幅に向上させた定着部材を実現できる。結果として、高画質化と高信頼を両立し、長時間安定した定着を実現できる定着装置、および電子写真式の画像形成装置を提供することができる。
本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記定着部材としては、例えば定着ベルト、定着ローラが挙げられ、該定着ベルトは支持ローラと定着補助ローラとの間を張架され、支持されている。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記定着手段が、本発明の前記定着装置である。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、本発明の前記定着装置が用いられる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
このような定着装置5においては、本発明の定着部材を備えた加熱定着ローラ110を使用している。また、このような定着装置においては、例えば、アルミニウム等の中空円筒体からなる芯金の外周面にトナーの粘着を防止するためのフッ素樹脂層等からなる粘着防止層が設けられている。このような加熱定着ローラ110は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ110を内側から加熱するようになっている。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)(ビッカース硬度では、約280Hvに相当)))をブレード塗装にて塗布し、150℃で10分間加熱して、厚み200μmの弾性層を形成した。形成した弾性層の上にコロナ放電などの表面改質方法を用いて表面を活性化し、さらにこの表面上に水を媒質とし、粒子径10nm〜50nmの球状コロイダルシリカが50nm〜200nmの長さに結合したパールスライクコロイダルシリカゾル(日産化学:スノーテックスPS−SO(一般的なシリカの硬度は、3,000Hv〜5,000Hv(ビッカース硬度))をディッピング速度1mm/secにて塗布し、粒子層を形成した。その後、湿度90%温度80℃の環境で30分間保持後、150℃10分間の乾燥を実施し乾燥した。そして、粒子層の上にフッ素系炭素化合物であるオプツールHD(ダイキン工業株式会社製)1%希釈溶液をディッピング工法にて塗布し、その後、湿度90%温度80℃の環境で30分間保持後、150℃10分間の乾燥を実施して、離型層を形成したものを定着部材として用いた。
上述したように作製した定着部材を、(株)リコー製複写機:MPC3000の定着装置に装着させ、トナーベタ画像100,000枚の通紙試験を行い、耐摩耗性評価、初期光沢度(凹凸追従性)評価、及び経時光沢度(凹凸追従性)評価を下記のように行った。試験紙としては、Sable−X80を使用した。なお、耐摩耗性評価、初期光沢度(凹凸追従性)評価、及び経時光沢度(凹凸追従性)評価は、表1に示す基準で判定した。
紙端部摩擦摩耗部や分離爪接触による摩耗部を特定し、ブラックのベタ画像を出力した際の画像表面を目視によるランク付けにより評価し、合否判定を実施した。
光沢度計(商品名:PG−1、角度60°、日本電色株式会社製)を用いて、表面を測定した。
実施例1において、パールスライクコロイダルシリカゾルを用いる代わりに、粒子径10nm〜20nmの球形オルガノシリカゾル(日産化学:IPA−ST)を用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。また、実施例2では、粒子層における粒子が連結していなかった。
実施例1において、フロロシリコーンを用いる代わりに、シリコーン(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))をブレード塗装にて200μm塗装し、150℃、30分間で加熱後、200℃4時間で二次加硫したものを用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。また、実施例3では、粒子層における粒子が連結していた。
実施例1において、オプツールHDを塗布して乾燥する代わりに、フロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U)を30μmの膜厚でブレード塗布し、150℃で10分間加熱したものを用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。また、実施例4では、粒子層における粒子が連結していた。
実施例1において、オプツールHDを塗布して乾燥する代わりに、シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))を80μmの膜厚でブレード塗布し、150℃で10分間加熱して形成したものを用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。
実施例1において、粒子層にパールスライクコロイダルシリカゾルを用いる代わりに、カーボンブラック(三菱化学社製#950)を用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、コロナ放電などの表面改質方法を用いて表面を活性化し、さらにこの表面上に水を媒質とし、粒子径10nm〜50nmの球状コロイダルシリカが50nm〜200nmの長さに結合したパールスライクコロイダルシリカゾル(日産化学:スノーテックスPS−SO(一般的なシリカの硬度は、3,000Hv〜5,000Hv(ビッカース硬度))をディッピング速度1mm/secにて塗布し、粒子層を形成した。
形成した粒子層の上に、フロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)))を塗布し、150℃で10分間加熱して、厚み20μmの弾性層を形成した。形成した弾性層の上にフッ素系炭素化合物であるオプツールHD(ダイキン工業株式会社製)1%希釈溶液をディッピング工法にて塗布し、その後、湿度90%温度80℃の環境で30分間保持後、150℃10分間の乾燥を実施し乾燥して、離型層を形成したものを定着部材として用いた。さらに、実施例1と同様の評価を行った。
実施例1において、粒子層にパールスライクコロイダルシリカゾルを用いる代わりに、シリコーンパウダー微粒子(信越化学工業製:KMP−600(ゴム硬度30Hs(ショアA)))を用いた以外は、実施例1と同様に定着部材を作製し、該作製した定着部材の評価を行った。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)に、シリコーン(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))をブレード塗装にて200μm塗装し、150℃30分間で加熱後、200℃4時間で二次加硫することにより形成したものを定着部材として用いた。そして実施例1と同様の評価を行った。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)にコロナ放電などの表面改質方法を用いて表面を活性化し、さらに、この表面上に水を媒質とし、粒子径10nm〜50nmの球状コロイダルシリカが50nm〜200nmの長さに結合したパールスライクコロイダルシリカゾル(日産化学:スノーテックスPS−SO)をディッピング速度1mm/secにて塗布し、粒子層を形成した。形成した粒子層の上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)))をブレード塗装にて塗布し、150℃で10分間加熱して、厚み200μmの弾性層を形成した。形成した弾性層の上にフッ素系炭素化合物であるオプツールHD(ダイキン工業株式会社製)1%希釈溶液をディッピング工法にて塗布し、その後、湿度90%温度80℃の環境で30分間保持後、150℃10分間の乾燥を実施し乾燥して、離型層を形成したものを定着部材として用いた。さらに、実施例1と同様の評価を行った。
表2は、実施例及び比較例の評価判定結果である。
粒子層における粒子が連結していない実施例2では、耐摩耗効果が合格レベルに達し、初期光沢度及び経時光沢度が最高合格ランクレベルに達し、効果を確認できた。
実施例3では、耐摩耗性、初期光沢度及び経時光沢度の全てにおいて合格レベルに達し、効果を確認できた。
実施例4では、耐摩耗効果及び経時光沢度が合格レベルに達し、初期光沢度が最高合格ランクレベルに達し、効果を確認できた。
粒子層上にフッ素系高分子膜が設けられていない実施例5では、耐摩耗効果、初期光沢度、及び経時光沢度が合格レベルに達し、効果を確認できた。
シリカ以外の粒子を含む粒子層を有する実施例6では、耐摩耗効果及び経時光沢度が合格レベルに達し、初期光沢度が最高合格ランクレベルに達し、効果を確認できた。
プライマー層上に粒子層が設けられ、該粒子層上に弾性層及び離型層が設けられた実施例7では、耐摩耗効果が合格レベルに達し、初期光沢度及び経時光沢度が最高合格ランクレベルに達し、効果を確認できた。
粒子層の硬度が弾性層の硬度よりも低い実施例8では、耐摩耗効果及び経時光沢度が合格レベルに達し、初期光沢度が最高合格ランクレベルに達し、効果を確認できた。
比較例1では、部材表面の摩耗が著しく進行し、その傷に起因する定着不良が発生し、また、初期の凹凸追従性には問題なく、合格レベルに達する光沢画像が得られるが、経時光沢度においては表面摩耗による影響で、光沢度が低下し、合格レベルに達しない。
基板上に粒子層が設けられ、該粒子層上にプライマー層、弾性層、及び離型層が設けられた比較例2では、部材表面の摩耗が著しく進行し、その傷に起因する定着不良が発生し、また、初期及び経時の凹凸追従性には問題なく、合格レベルに達する光沢画像が得られる。
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ
103 レーザービーム(露光)
104 現像ローラ
105 パワーパック(電源)
106 転写ローラ
107 記録紙
108 クリーニング装置
109 表面電位計
110 加熱定着ローラ
111 加圧ローラ
112 ベルト方式定着器(定着装置)
113 定着ベルト
114 定着ローラ
115 加圧ローラ
116 加熱ローラ
201 最表層(離型層)
202 中間層(弾性層)
203 基材
204 粒子
205 連結粒子
Claims (9)
- トナー像を記録媒体上に定着するために用いられる定着部材であって、複数の層と、該複数の層のうちの隣接する2つの層の界面に設けられ、粒子を含む粒子層とを有することを特徴とする定着部材。
- 隣接する2つの層が最表層及び中間層であり、該最表層及び該中間層の界面に粒子層が設けられた請求項1に記載の定着部材。
- 粒子層の硬度が中間層の硬度よりも高い請求項2に記載の定着部材。
- 粒子層上にフッ素系高分子を含有する層が設けられた請求項1から3のいずれかに記載の定着部材。
- 粒子層における粒子が連結している請求項1から4のいずれかに記載の定着部材。
- 粒子が無機粉体である請求項1から5のいずれかに記載の定着部材。
- 無機粉体がシリカである請求項6に記載の定着部材。
- 請求項1から7のいずれかに記載の定着部材を有する定着装置。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、請求項8に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009133637A JP2010281916A (ja) | 2009-06-03 | 2009-06-03 | 定着部材、並びに定着装置及び画像形成装置 |
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