JP2020154066A - 中間転写ベルト、その製造方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

中間転写ベルト、その製造方法及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Takeshi Shimoda
剛士 下田
氏原 淳二
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淳二 氏原
崇之 鈴木
Takayuki Suzuki
崇之 鈴木
浩史 小賀
Hiroshi Koga
浩史 小賀
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【課題】本発明の課題は、シリコーンゴムを含有する中間層とフッソ樹脂を含有する表面層との接着性の優れた中間転写ベルトとその製造方法を提供することである。また、それを具備する電子写真画像形成装置を提供することである。【解決手段】本発明の中間転写ベルトは、基材層、中間層及び表面層を有する中間転写ベルトであって、前記表面層が、フッ素樹脂を含有し、前記中間層が、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し、前記中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルト、その製造方法及び電子写真画像形成装置に関する。より詳しくは、本発明は、中間層と表面層の接着性の優れた中間転写ベルト、その製造方法及びそれを具備する電子写真画像形成装置に関する。
画像形成装置では、例えば、像担持体(感光体)上に形成された潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像をベルト状の転写部材である中間転写ベルトに一時的に保持させ、中間転写ベルト上のトナー像を紙などの記録媒体上に転写することが行われている。
近年、転写性や高画質化のため、中間層として弾性層を設置し機能向上を行う方策もとられることがある。しかし、この構成をとると中間層の割れや接着性にはより不利になる。
例えば、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムからなる中間層上にフッ素樹脂含有の表面層液を塗布すると、はじきやすく、塗れにくく、中間層と表面層との接着性が悪いことが問題となる。
表面層液のぬれ性の改善手段として、シリコーンゴムからなる中間層上に表面処理を行うことが知られており、コロナ放電処理、プラズマ処理、エキシマランプ処理が一般的に知られている。コロナ放電、プラズマ処理は、処理ムラ(電極のスパッタによる粉塵の発生が存在する。)が発生するため、中間層と表面層の接着性の改善には至らなかった。
シリコーンゴムを含む中間層とフッ素樹脂を含む表面層の接着性の改善手段として、プライマー層(接着層)を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、プライマー層を設けることは、製造負荷や、製造コストの増加につながり好ましくなく、シリコーンゴムを用いた中間層上にフッ素樹脂を含有する層を有し、接着性の優れた中間転写ベルトが望まれていた。
特開2016−164660号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、シリコーンゴムを含有する中間層とフッソ樹脂を含有する表面層との接着性の優れた中間転写ベルトとその製造方法を提供することである。また、それを具備する電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、シリコーンゴムからなる中間層上にエキシマランプにて表面処理することにより中間層の表面に亀裂が発生することが分かり、この亀裂(表面粗さ)を制御することで、フッ素樹脂含有の表面層液を用いた場合でも、表面層と中間層の接着性を改善できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.基材層、中間層及び表面層を有する中間転写ベルトであって、
前記表面層が、フッ素樹脂を含有し、
前記中間層が、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し
前記中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする中間転写ベルト。
2.前記中間層表面の23℃における水の接触角が、30°以下であることを特徴とする第1項に記載の中間転写ベルト。
3.前記表面層の厚さが、10〜30μmの範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の中間転写ベルト。
4.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを製造する中間転写ベルトの製造方法であって、エキシマ光を前記中間層の表面に照射することにより中間層表面を変形させるエキシマ光照射工程を有することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
5.前記中間層の表面に照射するエキシマ光の積算量が、1500〜10000mJ/cmの範囲内であることを特徴とする第4項に記載の中間転写ベルトの製造方法。
6.第1項から第3項までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、シリコーンゴムを含有する中間層とフッソ樹脂を含有する表面層との接着性の優れた中間転写ベルトとその製造方法を提供することができる。また、それを具備する電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構について、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムからなる中間層上にフッ素樹脂含有の表面層液を塗布すると、はじきやすく、塗れにくく、中間層と表面層との接着性が悪いことが問題となっていた。表面層液のぬれ性と中間層と表面層との接着性の改善手段として、例えば、エキシマ光を中間層の表面に照射することでシリコーンゴム表面の表面粗さRaを0.3〜0.5μmの範囲に制御することができ、また、エキシマ光照射では、照射のムラがほとんど発生しないため、表面層液の中間層に対するぬれ性が改善されて中間層と表面層の接着性を確保することができるものと推察される。
中間転写ベルトの層構成の一例を示す概念断面図 本発明の中間転写ベルトを備えた電子写真画像形成装置の一例を示す断面図
本発明の中間転写ベルトは、基材層、中間層及び表面層を有する中間転写ベルトであって、前記表面層が、フッ素樹脂を含有し、前記中間層が、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し、前記中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様(形態)に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、中間層表面の23℃における水の接触角が、30°以下であることが好ましい。
また、表面層の厚さが、10〜30μmの範囲内であることが、表面の平滑性を高める効果が得られることから好ましい。
本発明の中間転写ベルトを製造する中間転写ベルトの製造方法としては、エキシマ光を前記中間層の表面に照射することにより中間層表面を変形させるエキシマ光照射工程を有する態様の製造方法であることが、中間層の表面粗さを制御する観点から、好ましい。
さらに、本発明においては、中間層の表面に照射するエキシマ光の積算量が、1500〜10000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。これにより、中間層と表面層間の接着性と表面層の平滑性の効果が得られる
本発明の中間転写ベルトは、電子写真画像形成装置に好適に具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《中間転写ベルト》
本発明の中間転写ベルトは、基材層、中間層及び表面層を有する中間転写ベルトであって、前記表面層が、フッ素樹脂を含有し、前記中間層が、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し前記中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする。
表面粗さRaが、0.3μm未満であると、十分な接着性が得られない。また、表面粗さRaが、0.5μmを超えると、亀裂が増えてむしろ接着性が悪くなるだけでなく、表面層の平滑性が不十分になるため、好ましくない。
図1は、本発明の中間転写ベルトの層構成の一例を示す断面図である。図1において、中間転写ベルト1は、基材層2、中間層3及び表面層4をこの順で有している。
本発明では、表面層に接する中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内である。このような構成とすることで、プライマー層(接着層)を設けなくても中間層と表面層との接着性を改善することができる。
中間転写ベルトの厚さは、その使用目的などに応じて適宜決定し得るが、一般には強度や柔軟性等の機械特性を満足する400〜1000μmが好ましく、500〜800μmの範囲内がより好ましい。また、中間転写ベルトの電気抵抗値(体積抵抗率)が10〜1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。
中間転写ベルトの形状は、無端構造の中間転写ベルトが、重畳による厚さの変化がなく、任意な部分をベルト回転の開始位置とすることができ、回転開始位置の制御機構を省略できる利点などを有し好ましい。
《基材層》
本発明の中間転写ベルトを構成する基材層は、単層構成であっても、2層以上の複数層構成であってもよい。
基材層の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂又はポリエステル樹脂などよりなるものを用いることでき、ポリイミド樹脂よりなるものを用いることが好ましい。
さらに、市販品として、ポリイミド前駆体を主成分とするポリイミドワニス(例えばU−ワニスS:宇部興産社製)やポリアミドイミド前駆体を主成分とするポリアミドイミドワニス(例えば、HR−16NN:東洋紡社製)なども用いることができる。
また、基材層は、上記のような樹脂に導電性フィラーとして導電剤を分散させ、導電性を有するものであることが好ましい。
(導電剤)
本発明の基材層中に分散される導電剤としては、公知の電子導電性物質、イオン導電性物質を用いることができる。
電子導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、SAF(超耐摩耗性)、ISAF(準超耐摩耗性)、HAF(高耐摩耗性)、FEF(良押出性)、GPF(汎用性)、SRF(中補強性)、FT(微粒熱分解性)、MT(中粒熱分解性)等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、合成グラファイト、アンチモンドープの酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。
導電剤として、カーボンブラックを使用することが好ましい。カーボンブラックとしては、中性カーボンブラックを使用することができる。導電性フィラーの使用量は、使用する導電性フィラーの種類によっても異なるが中間転写体の体積抵抗値及び表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すればよく、通常、基材樹脂100質量部に対して10〜20質量部、好ましくは10〜16質量部の範囲内で添加することができる。
基材層の厚さは、機械的強度、画質、製造コストなどを考慮し、50〜100μmであることが好ましく、50〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
本発明に係る基材層は、特に限定されず、公知の材料を用い、公知の形成方法で作製することができる。
《中間層》
中間層は、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し、表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内である。このようなゴム材料を中間層として用いることが、中間層と表面層の接着性に加え、中間転写ベルトの圧縮永久歪みなどを軽減する観点から好ましい。
中間層の厚さは、厚紙及び凸凹紙対応などを考慮し、300〜700μmであることが好ましく、400〜600μmの範囲内であることがより好ましい。
[シリコーンゴム]
本発明に係るシリコーンゴムとしては、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムであれば特に限定されるものではないが、具体的には、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等が挙げられる。特に、フロロシリコーンゴムは、耐熱性・耐薬品性に優れている。これらのシリコーンゴムは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらのシリコーンゴムに他種のシリコーンゴムを混合して用いてもよい。
さらに、付加硬化型のシリコーンゴム組成物の硬化物を本発明のシリコーンゴムとして用いることも好ましい。付加硬化型のシリコーンゴム組成物は、液状状態のものが多いため充填剤(フィラー)を分散させやすく、フィラーの種類や添加量に応じて、硬化後のシリコーンゴムの架橋度を調整することができ、容易に弾性率を調整することが可能であるからである。
付加硬化型シリコーンゴム組成物は、付加硬化型シリコーンゴム原液にフィラーの如き添加剤を配合・分散させてなる。そして、付加硬化型シリコーンゴム組成物を加熱によって、ヒドロシリル化に伴う架橋反応を進行させることで、本発明にかかる中間層を形成することが可能である。
付加硬化型シリコーンゴム原液は、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素基を有するオルガノポリシロキサン、架橋触媒としての白金化合物、およびインヒビターとよばれる硬化制御剤(阻害剤)で構成することができる。
不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは以下(1)及び(2)で示されるものを含むことができる。
(1)R SiOで表わされる中間単位およびRSiOで表わされる中間単位からなる群から選択されるいずれか一方または両方の中間単位と、R SiO1/2で表される分子末端とを有する直鎖状オルガノポリシロキサン。
(2)RSiO3/2で表わされる中間単位およびSiO4/2で表わされる中間単位から選択されるいずれか一方または両方の中間単位と、R SiO1/2で表される分子末端とを有する分岐状オルガノポリシロキサン。
ここでRはケイ素原子に結合した、不飽和脂肪族基を含まない1価の非置換または置換炭化水素基を表す。
また、Rはケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表しており、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示される。特に、合成や取扱いが容易で、架橋反応も容易に行われることから、ビニル基が好ましい。
以上述べた、シリコーンゴムは、市販品として例えば、X15−B7354(信越化学社製)等を入手することができる。
中間層には、本発明の効果を阻害しない限り、伝熱特性の向上、及び断熱性、補強性、耐熱性、加工性、導電性の付与のために、充填剤を添加してもよい。
[表面粗さRa及び水の接触角]
本発明に係る中間層の表面粗さRa、0.3〜0.5μmの範囲内である。さらに本発明にかかる中間層表面の23℃における水の接触角は、30°以下であることが好ましい。後述するエキシマ光照射工程でエキシマ光を照射することにより、中間層表面を変形させることにより、上記の表面粗さ及び水の接触角を有する中間層とすることが好ましい。
このような形状とすることにより、シリコーンゴムを含有する中間層上にフッ素樹脂を含有する表面層液を塗布しても、はじくことなく、塗れやすくなり、中間層と表面層との接着性が向上するものと推察される。
23℃における水の接触角の測定には、例えば、協和界面科学製の接触角計PCA−11を用いることができる。
表面粗さRaは、JIS B0601(2001年)で定義された算術平均粗さである。表面粗さRaの測定は、レーザー顕微鏡(キーエンス社製 LASER MICROSCOPE VK−X100)を用いて測定することができる。
《表面層》
本発明においては、表面層、はフッ素樹脂を含有する。また、表面層の厚さは、10〜30μmの範囲内であることが好ましい。
[フッソ樹脂]
本発明で用いるフッソ樹脂は、フッソ原子を有する樹脂であり、エチレンの水素原子が1個以上、フッソ原子又はフツソ原子を含む置換基で貴き換えられたモノマーの重合体であることが好ましい。例えば、以下に列挙する樹脂が単独もしくは複合で好ましく用いられる。テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)。上記例示列挙した材料中でも、成形性やトナーの離型性の観点からPFAが好ましい。
市販品として、例えば、フルオネートWFQ−396/バーノックDN−980(DIC(株)製)、フルオネートK−704/バーノックDN−980S(DIC(株)製)等を用いることもできる。
《中間転写ベルトの製造方法》
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、エキシマ光を前記中間層の表面に照射することにより中間層表面を変形させるエキシマ光照射工程を有することを特徴とする。
中間層の表面に照射するエキシマ光の積算量が、1500〜10000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。このようにして中間層表面に変形した表面を形成することができ。このため、中間層上に表面層を形成するために用いる表面層形成用塗布液のぬれ性を改善することができる。
《中間転写ベルトの製造方法》
本発明の中間転写ベルト1の製造方法は、例えば、基材層2上に中間層3を形成するための中間層形成用塗布液を塗布して、塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることにより、中間層3を形成し、その後エキシマ光照射工程を経て当該中間層3上に表面層4を形成するための表面層形成用塗布液を塗布して、塗膜を形成し乾燥させて、表面層4を形成することができる。
基材層の形成方法としては、樹脂を溶媒に溶解した塗布液を塗布して形成する方法、樹脂を直接製膜する方法等公知の方法が挙げられる。
樹脂を直接製膜して基材層を形成する方法としては、押し出し成形、インフレーション成形等がある。いずれの場合も樹脂材料と各種導電性物質を溶融混練して、押出機の場合は樹脂を押し出しして冷却して成形し、インフレーション法の場合は型内で溶融樹脂を筒状とし、その中にブロアーで空気を吹き込み、冷却して無端ベルト形状に成形することにより作製することができる。
本発明においては、基材層、中間層及び表面層の形成方法は、樹脂を溶媒に溶解した塗布液を塗布して形成する方法が好ましく、コート法又はノズルによるスパイラル塗布等の公知の塗布法を用いることができる。
例えば、無端状の中間転写ベルトを製造する場合、基材層2の作製方法としては、構成材料としてポリイミド樹脂を用いる場合においては、ポリアミド酸溶液を円筒状金型の外周面に浸漬する方式や、内周面に塗布する方式や、さらに遠心する方式、又は注形型に充填する方式などの適宜な方式でリング状に展開し、その展開層を乾燥製膜してベル卜形に成形し、その成形物を加熱処理してポリアミド酸をイミドに転化して型より回収する方法などの従来に準じた適宜な方法により行うことができる(特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報、特開平3−180309号公報など)。無端ベルト状の基材層の製造に際しては、型の離型処理や脱泡処理などの適宜な処理を施すことができる。
中間層形成用塗布液の調製方法としては、例えば、中間層を形成する構成材料を溶媒に固形分濃度20〜30質量%の割合で添加する方法が挙げられる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、ノズルによるスパイラル塗布などが挙げられる。
表面層も中間層と同様の塗布法を用いて製造することができる。
[エキシマ光照射工程]
エキシマ光照射工程では、中間層の表面にエキシマ光を照射する。エキシマ光の照射は、例えば、東芝ライテック社製の装置GLE220を用いて行うことができる。エキシマ光の中心波長は172nmであることができる。
積算光量を1500〜10000mj/cmの範囲内とすることでシリコーンゴム表面の表面粗さRaを0.3〜0.5μmの範囲に制御することができ、シリコーンゴム表面に均一な亀裂(凹部の幅が1〜5μm)を発生させることができる。
エキシマ光の積算光量の測定には、例えば、紫外線積算光量計UIT−250(ウシオ電機社製)を用いて測定することができる。
中間層表面をこのように処理することにより、中間層表面のぬれ性が改善することができる。中間層表面の23℃における水の接触角は、30°以下であることが好ましい。接触角の下限は、液のぬれ性の観点から10°程度である。
接触角を30°以下にすることで、処理ムラの少ない表面状態にすることができるため、フッ素樹脂含有の表面層形成用塗布液が、ぬれ広がりやすくなり、このため中間層と表面層の接着性を向上させることができるものと考えられる。
≪用途≫
本発明の中間転写ベルトは、電子写真画像形成装置において、像担持体(感光体)上に形成された潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像を転写材に転写する中間転写ベルトとして用いることが好ましい。また、インクジェット方式においても、同様に本発明の中間転写ベルトを用いて像を転写することができる。
[電子写真画像形成装置]
以上のような転写部材は、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置における、中間転写ベルトとして好適に用いることができる。
図2は、本発明の中間転写ベルトを備えた電子写真画像形成装置の一例を示す断面図である。
この画像形成装置は、複数組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkと、これらの画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkにおいて形成されたトナー像を画像支持体P上に転写する中間転写部10と、画像支持体Pに対して加熱しながら加圧してトナー像を定着させてトナー層を得る定着処理を行う定着装置30とを有する。
画像形成ユニット20Yにおいてはイエローのトナー像形成が行われ、画像形成ユニット20Mにおいてはマゼンタ色のトナー像形成が行われ、画像形成ユニット20Cにおいてはシアン色のトナー像形成が行われ、画像形成ユニット20Bkにおいては黒色のトナー像形成が行われる。
画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkは、静電潜像担持体である感光体11Y、11M、11C、11Bkと、当該感光体11Y、11M、11C、11Bkの表面に一様な電位を与える帯電手段23Y、23M、23C、23Bkと、一様に帯電された感光体11Y、11M、11C、11Bk上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Y、22M、22C、22Bkと、有彩色トナーを感光体11Y、11M、11C、11Bk上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Y、21M、21C、21Bkと、一次転写後に感光体11Y、11M、11C、11Bk上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Y、25M、25C、25Bkとを備えるものである。
中間転写部10は、循環移動する中間転写ベルト16と、画像形成ユニット20Y、2
0M、20C、20Bkによって形成されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する、一次転写手段としての一次転写ローラ13Y、13M、13C、13Bkと、一次転写ローラ13Y、13M、13C、13Bkによって中間転写ベルト16上に転写された有彩色トナー像を画像支持体P上に転写する、二次転写手段としての二次転写ローラ13Aと、中間転写ベルト16上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段12とを有する。
この中間転写ベルト16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkにより形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ13Y、13M、13C、13Bkにより、回動する無端の中間転写ベルト16上に逐次転写されて、重畳されたカラー像が形成される。給紙カセット41内に収容された画像支持体Pは、給紙搬送手段42により給紙され、複数の中間ローラ44a〜44d、レジストローラ46を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ13Aに搬送され、画像支持体P上にカラー像が一括転写される。
カラー像が転写された画像支持体Pは、熱ローラ定着器が装着された定着装置30により定着処理され、排紙ローラに挟持されて機外の排紙トレイ上に載置される。
一方、二次転写ローラ13Aにより画像支持体Pにカラー像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した無端の中間転写ベルト16は、クリーニング手段12により残留トナーが除去される。
〔現像剤〕
本発明の画像形成装置において用いられる現像剤は、磁性又は非磁性のトナーによる一成分現像剤であってもよく、トナーとキャリアとが混合された二成分現像剤であってもよい。
現像剤を構成するトナーとしては、特に限定されずに公知の種々のものを使用することができるが、例えば体積基準のメジアン径が3〜9μmであり、重合法によって得られたいわゆる重合トナーを用いることが好ましい。重合トナーを用いることにより、形成される画像において高い解像力及び安定した画像濃度が得られるとともに画像カブリの発生が極めて抑制される。
二成分現像剤を構成する場合のキャリアとしては、特に限定されずに公知の種々のものを使用することができるが、例えば体積基準のメジアン径が30〜65μmであり、磁化量が20〜70emu/gの磁性粒子からなるフェライトキャリアが好ましい。体積基準のメジアン径が30μm未満のキャリアを用いた場合は、キャリア付着が発生して白抜け画像が生じるおそれがあり、また、体積基準のメジアン径が65μmよりも大きなキャリアを用いた場合は、均一な画像濃度の画像が形成されない場合が生じうる。
〔転写材〕
本発明の画像形成装置に使用される転写材Pとしては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙又はコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用
紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔実施例1〕
《中間転写ベルト1の作製》
[基材層の作製]
ポリアミドイミドワニス「HR−16NN」(東洋紡(株)製、固形分濃度14質量%)に、カーボンブラック「SPECIAL BLACK4」(Degussa製)を添加し、ミキサーを用いて混合することにより、基材形成用塗布液を調製した。カーボンブラックの添加量は、ポリアミドイミドワニスの樹脂成分(固形分)100質量部に対して、19質量部とした。
ステンレス製の円筒状金型を2軸で把持し、回転させながらノズルにて軸方向に移動させつつ当該ノズルから基材形成用塗布液を吐出して金型の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。次いで、円筒形状金型を回転させながら100℃で1時間加熱して大部分の溶媒を揮発させ、その後、250℃に加熱して1時間保持することにより、無端ベルト状の基材を形成した。形成された基材の厚さは、65μmであった。
[中間層の作製]
シリコーンゴム「X15−B7354」信越シリコーン(株)製のA液、B液を1:1でミキサーを用いて混合することにより、中間層形成用塗布液を調製した。
無端ベルト状の基材を2軸ローラにて把持し、回転させながらノズルにて軸方向に移動させつつ当該ノズルから中間層形成用塗布液を吐出して基材の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。次いで、ベルトを回転させながら100℃で1時間加熱して大部分の溶媒を揮発させ、その後、200℃に加熱して1時間保持することにより、ベルトを作製した。作製した層の厚さは、400μmであった。
[エキシマ光照射工程]
ベルトを2軸ローラにて把持し、回転させながらエキシマランプ「GLE220」東芝ライテック(株)製を用いて、ベルトから2mmの距離に設置し、波長172nmのエキシマ光の積算照射光量が、3745mj/mとなるように表面処理を行い、中間層を作製した。
なお、積算光量は、ウシオ電機社製 紫外線積算光量計UIT−250を用いて分光器172nmにて測定した。
[表面層の作製]
フッ素樹脂として、「フルオネートWFQ−396/バーノックDN−980」DIC(株)製を用いて、2−プロパノールで希釈しながら混合することにより、表面層形成用塗布液を調製した。
ベルトを2軸ローラにて把持し、回転させながらノズルにて軸方向に移動させつつ当該ノズルから中間層形成用塗布液を吐出して表面処理を行った中間層の外周面上にらせん状に塗布し、それらがつながった塗膜を形成した。
次いで、ベルトを回転させながら100℃で1時間加熱して大部分の溶媒を揮発させ、その後、150℃に加熱して1時間保持することにより、フッソ樹脂を含有する厚さ20μmの表面層を有する中間転写ベルト1を作製した。
なお、層の厚さは、それぞれ、フィッシャーインストルメンツ社製 フィッシャースコープMMS PC2を用いて測定した。
《中間転写ベルト2〜8の作製》
中間転写ベルト1の作製において、エキシマ光の照射の積算光量と表面層の厚さを表Iに示すように変えて、その他は中間転写ベルト1と同様にして、中間転写ベルト2〜8を作製した。
《中間転写ベルト9の作製》
中間転写ベルト1の作製において、エキシマ光照射工程に代えて、以下の条件のコロナ放電により、23℃の水の接触角が25°となるように調整してコロナ放電を行った。
その後、中間転写ベルト1と同様にして表Iに示す厚さの表面層を形成して中間転写ベルト9を作製した。
(コロナ放電処理条件)
春日電機社製のセラミック電極式(セラミック電極1型)にて、放電量500W・min/mでコロナ放電処理を行った。
(表面粗さ)
上記作製した中間転写ベルト1から9について、エキシマ光処理した中間層の表面について、キーエンス社製 レーザー顕微鏡 VK−X100を用いて表面粗さRaをJIS B0601(2001年)に基づき測定した。
また、エキシマ光を照射した中間層を顕微鏡観察したところ、表面に亀裂を生じ、凹部の幅が1〜5μmの凹凸形状となっていた。
(ぬれ性)
同様に、上記作製した中間転写ベルト1から9の、表面処理した中間層表面について、接触角を測定した。
具体的には、測定温度23℃にて、純水5μLを滴下してから5秒後の接触角を、接触角計(共和界面化学社製、PCA−11)を用いて測定する。測定した合計9点の値の算術平均値を接触角とした。
30°以下であることが好ましい。
◎:10°以下
〇:10°超、30°以下
×:30°超
《評価》
(接着性)
中間転写ベルトの表面層と中間層との接着性を碁盤目試験(JIS−K5400(1994年))に従いセロハンテープで剥離性(接着性)を測定し、残存率にてランク付けを行った。残存率75%以上を合格とした。
◎:残存率90%以上
〇:残存率75%以上90%未満
×:残存率75%未満
以上の結果を、表Iに示す。
Figure 2020154066
表Iより、シリコーンゴムを含有する中間層とフッソ樹脂を含有する表面層を用いた本発明の中間転写ベルトは、接着性が優れていることが分かる。
1 中間転写ベルト
2 基材層
3 中間層
4 表面層
10 中間転写部
11Y、11M、11C、11Bk 感光体
12 クリーニング手段
13Y、13M、13C、13Bk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写ベルト
16a〜16d 支持ローラ
20Y、20M、20C、20Bk 画像形成ユニット
21Y、21M、21C、21Bk 現像手段
22Y、22M、22C、22Bk 露光手段
23Y、23M、23C、23Bk 帯電手段
25Y、25M、25C、25Bk クリーニング手段
30 定着装置
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a、44b、44c、44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
P 転写材

Claims (6)

  1. 基材層、中間層及び表面層を有する中間転写ベルトであって、
    前記表面層が、フッ素樹脂を含有し、
    前記中間層が、シロキサン結合を主骨格とするシリコーンゴムを含有し、
    前記中間層の表面粗さRaが、0.3〜0.5μmの範囲内であることを特徴とする中間転写ベルト。
  2. 前記中間層表面の25℃における水の接触角が、30°以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記表面層の厚さが、10〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中間転写ベルト。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを製造する中間転写ベルトの製造方法であって、エキシマ光を前記中間層の表面に照射することにより中間層表面を変形させるエキシマ光照射工程を有することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
  5. 前記中間層の表面に照射するエキシマ光の積算量が、1500〜10000mJ/cmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の中間転写ベルトの製造方法。
  6. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の中間転写ベルトを具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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