JP2015001577A - 定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、紙繊維の凹凸に対する高い追従性により、光沢度が向上した高画質な画像形成を行うこと、また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成を行うことができ、以上より、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる定着部材を提供することを目的とする。【解決手段】トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と離型層を有しており、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層であり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であることを特徴とする定着部材。【選択図】図2A
Description
本発明は、定着部材、該定着部材を備えた定着装置、及び該定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等においては、通常、回転する感光体ドラムを有し、この感光体ドラムの感光層を一様に帯電させた後で、レーザー走査ユニットからのレーザービームによって露光して、静電潜像を形成する。静電潜像をトナーによって現像した後、記録媒体としての転写紙上に転写する。次いで、該転写紙を、一対の定着ローラ等の定着部材を通過させて、トナー像を熱定着させる。
また、フルカラーの複写機やレーザープリンタでは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色のカラートナーが用いられる。このカラートナーによって現像されたトナー像の熱定着時には、4色のカラートナーを溶融状態で混合する必要があり、トナーを低融点化して溶融しやすくするとともに、定着ベルト等の定着部材の表面で、複数種のカラートナーを包み込むようにして溶融状態で、均一に混合させることが必要になる。
前記定着部材を用いる熱定着方式においては、紙等の記録媒体に融着したトナー像が定着部材に接触するので、定着部材の最表層は離型性のよい材料(例えばフッ素系樹脂)が表面に15μm〜30μmの膜厚で形成される。
定着ローラは記録材の画像担持面に直接に接触するため、記録材上の画像を構成している顕画剤(以下、トナーと記す)の一部が前記定着ローラの表面に粘着して付着し、この付着トナーがローラの回転に伴い再び記録材上に転写されるいわゆる「オフセット現象」を発生しやすい。
そこでこのオフセット現象を防止する手段として従来より定着ローラの外周面にポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)などのフッ素樹脂やシリコーンゴム等の高離型性材料(非粘着性材料)のオフセット防止被覆層を設けて定着ローラ表層の離型性(非粘着性)を向上させる手段が採択されている。
定着ローラは記録材の画像担持面に直接に接触するため、記録材上の画像を構成している顕画剤(以下、トナーと記す)の一部が前記定着ローラの表面に粘着して付着し、この付着トナーがローラの回転に伴い再び記録材上に転写されるいわゆる「オフセット現象」を発生しやすい。
そこでこのオフセット現象を防止する手段として従来より定着ローラの外周面にポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)などのフッ素樹脂やシリコーンゴム等の高離型性材料(非粘着性材料)のオフセット防止被覆層を設けて定着ローラ表層の離型性(非粘着性)を向上させる手段が採択されている。
しかし、例えば、フッ素系樹脂は、樹脂であるがゆえに、材料硬度が高いという問題がある。材料硬度が高いと、静電的に形成されたトナー画像を熱と圧力により記録媒体に定着させる際に、紙繊維の凹凸に対する追従性が低く、高画質な画像が得られない。
この問題を解決すべく、弾性体を表面に形成した定着部材が用いられている。弾性体を定着部材の表面に形成すると、弾性により追従性が改善され、カラー画像においても高画質が得られるが、前記フッ素系樹脂ほどの耐久性を確保できず、耐摩耗性に著しく劣るという問題がある。また、最表層に転写紙の摩擦や転写紙を分離するための分離爪などによる傷が発生すると、定着部材に傷が付いてしまい、定着工程で傷が転写されて異常画像を発生させることがある。
この問題を解決すべく、弾性体を表面に形成した定着部材が用いられている。弾性体を定着部材の表面に形成すると、弾性により追従性が改善され、カラー画像においても高画質が得られるが、前記フッ素系樹脂ほどの耐久性を確保できず、耐摩耗性に著しく劣るという問題がある。また、最表層に転写紙の摩擦や転写紙を分離するための分離爪などによる傷が発生すると、定着部材に傷が付いてしまい、定着工程で傷が転写されて異常画像を発生させることがある。
耐摩耗性向上のために、弾性層であるシリコーンゴム組成物に多量のシリカ微粉末やアルミナ微粉末を配合してなる組成物は、既に公知である。しかし、このようなシリコーンゴムは、ゴム硬度が高くなり、高画質を得るための十分な弾性が得られない。そのため、例えば、特許文献1にあるように、ゴムの低硬度化のためには架橋密度を低くしたりして、これを改善するための材料に関する発明も提案がなされている。
しかし、この場合、ゴム強度が低下するため、無機充填物の脱落などが発生し、十分な耐摩耗性を得られない。また、条件によっては、無機充填材が摩耗材料として作用し、摩耗が促進されることもある。
しかし、この場合、ゴム強度が低下するため、無機充填物の脱落などが発生し、十分な耐摩耗性を得られない。また、条件によっては、無機充填材が摩耗材料として作用し、摩耗が促進されることもある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、紙繊維の凹凸に対する高い追従性により、光沢度が向上した高画質な画像形成を行うこと、また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成を行うことができ、以上より、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる定着部材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、定着部材の離型層が球状微粒子を面方向に配列させた粒子層の構成にする事によって、定着部材には柔軟性が付与され、紙繊維の凹凸に対する追従性が向上し、その結果、紙繊維の凹部であってもトナー像の溶融定着が達成しやすく、得られた画像の光沢度が高くなり高画質な画像形成が可能であることを見出し、既に出願を行っている。本発明者らはさらに鋭意検討を行った結果、特に表面に並べる粒子材料には表面に凹凸部を持つ微粒子を用いることによって、高離型性を発揮すること、つまり溶融トナーの残存付着物の低減による高画質な画像形成ができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明の定着部材は以下のとおりである。
トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と離型層を有しており、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層であり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であることを特徴とする定着部材。
トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と離型層を有しており、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層であり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であることを特徴とする定着部材。
本発明の定着部材は、紙繊維の凹凸に対する高い追従性により、光沢度が向上した高画質な画像形成を行うこと、また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成を行うことができ、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる。
(定着部材)
本発明の定着部材は、少なくとも、複数の層として弾性層と最表層である離型層とを有し、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上である。
更に必要に応じてその他の層、例えば、基材層、定着部材の各層の間に設けられたプライマー層を有してもよい。
本発明の定着部材は、少なくとも、複数の層として弾性層と最表層である離型層とを有し、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上である。
更に必要に応じてその他の層、例えば、基材層、定着部材の各層の間に設けられたプライマー層を有してもよい。
ここで、前記定着部材は、例えば、図2Aに示すように、弾性層202と、該弾性層202上に形成された離型層201を備えた形態、もしくは図2Bに示すように基材層203と、該基材層203上に形成された弾性層(中間層)202と、離型層(最表層)201とが順次形成された形態の多層構造を指す。
−離型層−
最表層である離型層としては、微粒子を面方向に配列させた粒子層である。離型層を微粒子を面方向に配列させた粒子層とすることにより、定着部材には柔軟性が付与され、紙繊維の凹凸に対する追従性が向上し、その結果、紙繊維の凹部であってもトナー像の溶融定着が達成しやすく、得られた画像の光沢度が高くなり高画質な画像形成が可能となる。
微粒子としては、表面に凹凸部を持つ凹凸構造微粒子であり、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上である。表面に凹凸構造があり、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であると、平滑な表面よりも、撥水・撥油性が向上するという特徴がある。このことから溶融トナーに対しての離型性を付与できる機能が高い点で、好ましい。前記凹部の深さは、より好ましくは微粒子半径の100分の1以上、2分の1以下である。凹部の深さが半径の2分の1以下であると粒子が壊れにくく、耐久性に優れる。
最表層である離型層としては、微粒子を面方向に配列させた粒子層である。離型層を微粒子を面方向に配列させた粒子層とすることにより、定着部材には柔軟性が付与され、紙繊維の凹凸に対する追従性が向上し、その結果、紙繊維の凹部であってもトナー像の溶融定着が達成しやすく、得られた画像の光沢度が高くなり高画質な画像形成が可能となる。
微粒子としては、表面に凹凸部を持つ凹凸構造微粒子であり、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上である。表面に凹凸構造があり、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であると、平滑な表面よりも、撥水・撥油性が向上するという特徴がある。このことから溶融トナーに対しての離型性を付与できる機能が高い点で、好ましい。前記凹部の深さは、より好ましくは微粒子半径の100分の1以上、2分の1以下である。凹部の深さが半径の2分の1以下であると粒子が壊れにくく、耐久性に優れる。
前記微粒子の半径、及び表面の凹部の深さは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により測定した。
図4に微粒子の断面観察の概略図を示す。1個の粒子の一番長い長径をその粒子の粒子径とし、その粒子径より半径rを求めた。凹部の深さは、1個の粒子の前記半径rを用いた仮想円の円周から凹部の底までの深さとし、凹部の任意の3箇所の深さを測定し、その平均値を凹部の深さxとした。前記半径rと凹部の深さxから前記凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求めた。本発明においては、凹部の深さの微粒子半径に対する割合は、任意の5個の粒子について前記のように凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求め、その平均値により判断した。
前記微粒子の半径rと凹凸部の高さxは
r/100≦x
の関係を示すことが重要である。
図4に微粒子の断面観察の概略図を示す。1個の粒子の一番長い長径をその粒子の粒子径とし、その粒子径より半径rを求めた。凹部の深さは、1個の粒子の前記半径rを用いた仮想円の円周から凹部の底までの深さとし、凹部の任意の3箇所の深さを測定し、その平均値を凹部の深さxとした。前記半径rと凹部の深さxから前記凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求めた。本発明においては、凹部の深さの微粒子半径に対する割合は、任意の5個の粒子について前記のように凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求め、その平均値により判断した。
前記微粒子の半径rと凹凸部の高さxは
r/100≦x
の関係を示すことが重要である。
微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マンガン、酸化アルミニウム、またはポリイミドが耐熱性の点から好ましい。
また、その粒径は、平均粒径が、0.1μm〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0μmであり、粒径分布がシャープであることが望ましい。粒径が0.1μm未満の場合、粒子による離型性能の効果が充分に得られにくく、一方、10.0μmを超えると、表面粗さが大きくなり、定着画像の表面粗さが増加し光沢が失われる不具合が生じやすい。また、粒子間の隙間が大きくなるため、離型性が悪化するなどの不具合が生じやすい。
尚、前記微粒子の平均粒径は、SEMによる断面観察により、粒子の一番長い長径をその粒子の粒子径とし、任意の5個の粒子の平均値を平均粒子径として求めた。
また、その粒径は、平均粒径が、0.1μm〜10.0μmが好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0μmであり、粒径分布がシャープであることが望ましい。粒径が0.1μm未満の場合、粒子による離型性能の効果が充分に得られにくく、一方、10.0μmを超えると、表面粗さが大きくなり、定着画像の表面粗さが増加し光沢が失われる不具合が生じやすい。また、粒子間の隙間が大きくなるため、離型性が悪化するなどの不具合が生じやすい。
尚、前記微粒子の平均粒径は、SEMによる断面観察により、粒子の一番長い長径をその粒子の粒子径とし、任意の5個の粒子の平均値を平均粒子径として求めた。
前記凹凸構造微粒子における表面の平均凹部深さは0.01μm以上0.50μm以下であることが好ましい。
微粒子の表面に適切な凹凸があることで、溶融トナーとの接触面積を減らすことができ、より離型性が向上する。凹凸が小さいと、凹凸間に溶融トナーが入り込むために接触面積を減らすことができないので、凹部の深さは微粒子の半径rの100分の1以上であり、平均凹部深さが0.01μm以上0.50μm以下であることが好ましい。
尚、前記凹凸構造微粒子における表面の平均凹部深さは、前記凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求める際の凹部の深さを求める方法と同様に、SEMによる断面観察により求めた。1個の粒子について前記と同様に任意の3箇所の凹部の深さを求め、その平均を1個の粒子の凹部の深さとした。同様に任意の5個の粒子について凹部の深さを求め、その平均値を平均凹部深さとして求めた。
微粒子の表面に適切な凹凸があることで、溶融トナーとの接触面積を減らすことができ、より離型性が向上する。凹凸が小さいと、凹凸間に溶融トナーが入り込むために接触面積を減らすことができないので、凹部の深さは微粒子の半径rの100分の1以上であり、平均凹部深さが0.01μm以上0.50μm以下であることが好ましい。
尚、前記凹凸構造微粒子における表面の平均凹部深さは、前記凹部の深さの微粒子半径に対する割合を求める際の凹部の深さを求める方法と同様に、SEMによる断面観察により求めた。1個の粒子について前記と同様に任意の3箇所の凹部の深さを求め、その平均を1個の粒子の凹部の深さとした。同様に任意の5個の粒子について凹部の深さを求め、その平均値を平均凹部深さとして求めた。
上記凹凸部を有する微粒子としては、作製して用いても良いが、市販品を用いても良い。例えば、新日鉄住金マテリアルズ株式会社等から市販されている凹凸部を有するアルミナ粒子、シリカ粒子を、安達新産業株式会社等から市販されている凹凸部を有する酸化マンガン粒子を、白石カルシウム株式会社等から市販されている凹凸部を有する炭酸カルシウム粒子等を用いることができる。凹凸部を有するポリイミド微粒子としては、UIP−S(宇部興産株式会社)等を好ましく用いることができる。
微粒子が面方向に配列した粒子層を得るには、微粒子は複数の粒子が寄り集まった形状でなく1粒子毎単分散されている必要がある。単分散されていない場合、離型層を形成するときに高さ方向に粒子が重なった形状が容易に形成されてしまい、微粒子が面方向に配列させることはできない。離型層においては、図2A、Bに示すように、微粒子は面方向に配列されており、粒子が重なることなく1層構造をとることが好ましい。
離型層の形成方法を説明する。
図3に示すように、粉体塗布装置(35)と押し当て部材(33)を設置し、回転させながら粉体塗布装置(35)から微粒子を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた微粒子を押し当て部材(33)により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材(33)により、樹脂層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。
本発明では、特に単分散の球形粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。
均一な粒子層を形成後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、弾性層に固定化させ離型層を形成する。
離型層の微粒子は、弾性層に埋まるように形成され、固定されることが好ましく、上記のようにすることにより、微粒子の下部が弾性層に埋まるように形成され、固定される。
図3に示すように、粉体塗布装置(35)と押し当て部材(33)を設置し、回転させながら粉体塗布装置(35)から微粒子を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた微粒子を押し当て部材(33)により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材(33)により、樹脂層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。
本発明では、特に単分散の球形粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。
均一な粒子層を形成後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、弾性層に固定化させ離型層を形成する。
離型層の微粒子は、弾性層に埋まるように形成され、固定されることが好ましく、上記のようにすることにより、微粒子の下部が弾性層に埋まるように形成され、固定される。
−弾性層−
前記弾性層としては、耐熱性のある弾性体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマー、などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の点からシロキサン結合を主鎖とする弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーがより好ましく、耐熱性、離型剤濡れ性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴムが特に好ましい。
前記弾性層としては、耐熱性のある弾性体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマー、などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の点からシロキサン結合を主鎖とする弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーがより好ましく、耐熱性、離型剤濡れ性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴムが特に好ましい。
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばブレード塗装法、ロール塗装法、ダイ塗装法などが挙げられる。
前記弾性層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50μm〜500μmが好ましい。前記弾性層の厚みが50μm未満であると、転写紙の凹凸に追従できず良好な画像を得られないことがあり、500μmを超えると、定着に必要な熱量を蓄積するための時間がかかるため利便性を著しく低下させることがある。
前記弾性層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50μm〜500μmが好ましい。前記弾性層の厚みが50μm未満であると、転写紙の凹凸に追従できず良好な画像を得られないことがあり、500μmを超えると、定着に必要な熱量を蓄積するための時間がかかるため利便性を著しく低下させることがある。
−基材層−
前述したとおり、離型層と弾性層の下に基材層を別途設けてもよい。
前記基材層としては、その形状、構造、厚み、材質、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、平板状、ベルト状、円筒状、などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前述したとおり、離型層と弾性層の下に基材層を別途設けてもよい。
前記基材層としては、その形状、構造、厚み、材質、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、平板状、ベルト状、円筒状、などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性を有するものが好ましく、例えば、樹脂、金属、などが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂、などが挙げられる。また、前記樹脂に磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置等の分散装置を用いて磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の厚みに成形する。
前記金属としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、又はこれらの合金であって、それ自体が発熱してもよい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂、などが挙げられる。また、前記樹脂に磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置等の分散装置を用いて磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の厚みに成形する。
前記金属としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、又はこれらの合金であって、それ自体が発熱してもよい。
前記基材層の厚みは、熱容量及び強度の点から、30μm〜500μmであることが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。なお、金属材料の場合にはベルトの撓みを考慮して、100μm以下の厚みであることが好ましい。
前記金属の場合には、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができ、キューリー点が定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層を形成することで、発熱層は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱できる。
前記金属の場合には、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができ、キューリー点が定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層を形成することで、発熱層は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱できる。
また、基材層を弾性体によっても形成することができる。前記弾性体としては、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマーなどが挙げられるが、中でも、耐熱性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、液状フッ素エラストマー、などが好ましい。
(定着装置)
本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。前記定着部材としては、例えばシームレスベルト状の定着ベルト、ローラ状の定着ローラが挙げられ、該定着ベルトは支持ローラと定着補助ローラとの間を張架され、支持されている。
本発明の定着部材(定着装置)を用いることにより、耐久性及び信頼性が向上する。
本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。前記定着部材としては、例えばシームレスベルト状の定着ベルト、ローラ状の定着ローラが挙げられ、該定着ベルトは支持ローラと定着補助ローラとの間を張架され、支持されている。
本発明の定着部材(定着装置)を用いることにより、耐久性及び信頼性が向上する。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記定着手段が、本発明の前記定着装置である。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記定着手段が、本発明の前記定着装置である。
−静電潜像担持体−
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
−静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像手段−
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写手段−
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着手段−
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、本発明の前記定着装置が用いられる。
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、本発明の前記定着装置が用いられる。
−除電手段−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図1(a)は、複写装置の感光体ドラム101と、その作像系と、定着装置5との構成を概念的に示す。
この電子写真方式の画像形成装置における画像作成プロセスは、回転する感光体ドラム101の感光層を、帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後、図示しないレーザー走査ユニットからのレーザービーム103によって露光し、それによって感光体ドラム101上の静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、該トナー像を記録紙107上に転写し、更にその記録紙107を定着装置5に通してトナー像を加熱、加圧して記録紙107に定着するように構成されている。
なお、図1(a)中104は現像ローラ、105はパワーパック(電源)、106は転写ローラ、108はクリーニング装置、109は表面電位計である。
この電子写真方式の画像形成装置における画像作成プロセスは、回転する感光体ドラム101の感光層を、帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後、図示しないレーザー走査ユニットからのレーザービーム103によって露光し、それによって感光体ドラム101上の静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、該トナー像を記録紙107上に転写し、更にその記録紙107を定着装置5に通してトナー像を加熱、加圧して記録紙107に定着するように構成されている。
なお、図1(a)中104は現像ローラ、105はパワーパック(電源)、106は転写ローラ、108はクリーニング装置、109は表面電位計である。
このような定着装置5においては、本発明の定着部材を備えた加熱定着ローラ110を使用している。
このような加熱定着ローラ110は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ110を内側から加熱するようになっている。
このような加熱定着ローラ110は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ110を内側から加熱するようになっている。
また、定着装置5としては、加熱定着ローラ110と平行に、これに圧接する加圧ローラ111を設け、加圧ローラ111と加熱定着ローラ110との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107上に付着しているトナーを加熱定着ローラ110の熱により軟化させつつ、加圧ローラ111と加熱定着ローラ110との間に挟むことによって加圧することにより、記録紙107上にトナー像を定着させている。
なお、図1(b)に示すベルト方式の定着装置112も用いられている。
図1(b)中、113は定着ベルト、114は定着ローラ、115は加圧ローラ、116は加熱ローラである。
前記定着ベルトは、本発明の前記定着部材を備えている。
発熱部材としての定着ベルト113は、定着ローラ114と加熱ローラ116とに張架/支持されている。
なお、図1(b)に示すベルト方式の定着装置112も用いられている。
図1(b)中、113は定着ベルト、114は定着ローラ、115は加圧ローラ、116は加熱ローラである。
前記定着ベルトは、本発明の前記定着部材を備えている。
発熱部材としての定着ベルト113は、定着ローラ114と加熱ローラ116とに張架/支持されている。
本発明の画像形成装置は、耐久性及び信頼性を向上させた本発明の前記定着装置を用いているので、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターなどに好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)(ビッカース硬度では、約280Hvに相当)))をブレード塗装にて、弾性層を塗布した。
微粒子として、平均凹部深さ0.3μm、平均粒径8.3μmのアルミナ粒子(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製)を用いた。図3の装置を用いて弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成する。余剰分を掻き取るためのポリウレタンゴムブレードは押圧力100mN/cmで押し当てた。
150℃で10分間加熱して、粒子を弾性層に固定化した。厚み200μmの弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成した。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)(ビッカース硬度では、約280Hvに相当)))をブレード塗装にて、弾性層を塗布した。
微粒子として、平均凹部深さ0.3μm、平均粒径8.3μmのアルミナ粒子(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製)を用いた。図3の装置を用いて弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成する。余剰分を掻き取るためのポリウレタンゴムブレードは押圧力100mN/cmで押し当てた。
150℃で10分間加熱して、粒子を弾性層に固定化した。厚み200μmの弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成した。
上述したように作製した定着部材1を、(株)リコー製複写機:MPC3000の定着装置に装着させ、トナーベタ画像を出力し、初期光沢度(凹凸追従性)評価を下記のように行った。また、同様に罫線状画像を出力し、初期オフセット性(離型性)評価を下記のように行った。
試験紙としては、普通紙(Sable−X80)を使用した。
なお、光沢度(凹凸追従性)評価、オフセット性(離型性)評価は、表1に示す基準で判定した。
−光沢度(凹凸追従性)評価−
光沢度計(商品名:PG−1、角度60°、日本電色株式会社製)を用いて、トナーベタ画像表面の光沢度を測定した。上記光沢度計での測定値14を基準(100%)として達成率を算出し、ランク評価した。
−オフセット性(離型性)評価−
罫線画像を出力した際の画像表面を目視によるランク付けにより評価し、合否判定を実施した。
試験紙としては、普通紙(Sable−X80)を使用した。
なお、光沢度(凹凸追従性)評価、オフセット性(離型性)評価は、表1に示す基準で判定した。
−光沢度(凹凸追従性)評価−
光沢度計(商品名:PG−1、角度60°、日本電色株式会社製)を用いて、トナーベタ画像表面の光沢度を測定した。上記光沢度計での測定値14を基準(100%)として達成率を算出し、ランク評価した。
−オフセット性(離型性)評価−
罫線画像を出力した際の画像表面を目視によるランク付けにより評価し、合否判定を実施した。
また離型層の粒子が単分散となり面方向に配列していることとなっているかは電子顕微鏡(SEM)で観察し判断した。
(実施例2)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.3μm、平均粒径15.2μmのアルミナ粒子(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材2を得た。
(実施例3)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.06μm、平均粒径12.1μmの炭酸カルシウム粒子(株式会社ニューライム製)に代える他は同じとし、定着部材3を得た。
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.3μm、平均粒径15.2μmのアルミナ粒子(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材2を得た。
(実施例3)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.06μm、平均粒径12.1μmの炭酸カルシウム粒子(株式会社ニューライム製)に代える他は同じとし、定着部材3を得た。
(実施例4)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.05μm、平均粒径0.5μmの酸化マンガン粒子(安達新産業株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材4を得た。
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.05μm、平均粒径0.5μmの酸化マンガン粒子(安達新産業株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材4を得た。
(実施例5)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.1μm、平均粒径5.4μmのシリカ粒子(特開2012−106420号公報に記載の方法に従って作製)に代える他は同じとし、定着部材5を得た。
(実施例6)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.01μm、平均粒径0.08μmのシリカ粒子(日産化学工業製、ライトスター小粒子)に代える他は同じとし、定着部材6を得た。
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.1μm、平均粒径5.4μmのシリカ粒子(特開2012−106420号公報に記載の方法に従って作製)に代える他は同じとし、定着部材5を得た。
(実施例6)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.01μm、平均粒径0.08μmのシリカ粒子(日産化学工業製、ライトスター小粒子)に代える他は同じとし、定着部材6を得た。
(実施例7)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.08μm、平均粒径1.2μmのチタニア粒子(チタン工業株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材7を得た。
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.08μm、平均粒径1.2μmのチタニア粒子(チタン工業株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材7を得た。
(実施例8)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.05μm、平均粒径6.3μmの炭酸カルシウム粒子(白石カルシウム株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材8を得た。
(実施例9)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.6μm、平均粒径9.8μmのポリイミド樹脂(PI)粒子(宇部興産株式会社製、UIP−S)に代える他は同じとし、定着部材9を得た。
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.05μm、平均粒径6.3μmの炭酸カルシウム粒子(白石カルシウム株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材8を得た。
(実施例9)
実施例1における微粒子を平均凹部深さ0.6μm、平均粒径9.8μmのポリイミド樹脂(PI)粒子(宇部興産株式会社製、UIP−S)に代える他は同じとし、定着部材9を得た。
(比較例1)
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)に、シリコーン(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))をブレード塗装にて200μm塗装し、150℃30分間で加熱後、200℃4時間で二次加硫することにより形成したものを定着部材10として用いた。
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)に、シリコーン(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))をブレード塗装にて200μm塗装し、150℃30分間で加熱後、200℃4時間で二次加硫することにより形成したものを定着部材10として用いた。
(比較例2)
実施例1における粒子層形成に代えて、次の離型層形成を行った。
プライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。
その後、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−950HP Plus)と、372℃、5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径が0.1μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合した混合ディスパージョンを30μm厚でスプレーコートした。その後340℃で30分間焼成(PFA粒子を融かして)して離型層を形成したものを定着部材11として用いた。
実施例1における粒子層形成に代えて、次の離型層形成を行った。
プライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。
その後、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−950HP Plus)と、372℃、5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径が0.1μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合した混合ディスパージョンを30μm厚でスプレーコートした。その後340℃で30分間焼成(PFA粒子を融かして)して離型層を形成したものを定着部材11として用いた。
(比較例3)
実施例1における微粒子を、平均粒径5.3μmの表面が平滑なガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、EMB−10)に代える他は同じとし、定着部材12を得た。
(比較例4)
実施例1における微粒子を、平均粒径20.1μmの表面が平滑なガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、EGB−731)に代える他は同じとし、定着部材13を得た。
実施例1における微粒子を、平均粒径5.3μmの表面が平滑なガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、EMB−10)に代える他は同じとし、定着部材12を得た。
(比較例4)
実施例1における微粒子を、平均粒径20.1μmの表面が平滑なガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、EGB−731)に代える他は同じとし、定着部材13を得た。
表2は、実施例及び比較例の評価判定結果である。
また、代表的な凹凸部を有する微粒子のSEM像(全体像及び部分拡大像)を図5及び図6に、平滑な微粒子のSEM像(全体像及び部分拡大像)を図7に示す。
材料種や粒子径よりも凹凸構造を持つことにより、耐オフセット性(離型性)に効果が見られた。
以上のように、本発明に従った実施例1〜9については追従性、および離型性に優れている。一方、本発明に外れた比較例1〜4については追従性、および離型性のいずれかに効果が見られない。
材料種や粒子径よりも凹凸構造を持つことにより、耐オフセット性(離型性)に効果が見られた。
以上のように、本発明に従った実施例1〜9については追従性、および離型性に優れている。一方、本発明に外れた比較例1〜4については追従性、および離型性のいずれかに効果が見られない。
35 粉体塗布装置
33 押し当て部材
5 定着装置
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ102
103 レーザービーム
104 現像ローラ
105 パワーパック(電源)
106 転写ローラ
107 記録紙
108 クリーニング装置
109 表面電位計
201 離型層
202 弾性層
203 基材層
33 押し当て部材
5 定着装置
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ102
103 レーザービーム
104 現像ローラ
105 パワーパック(電源)
106 転写ローラ
107 記録紙
108 クリーニング装置
109 表面電位計
201 離型層
202 弾性層
203 基材層
Claims (7)
- トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と離型層を有しており、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層であり、前記微粒子は表面に凹凸部を有し、前記凹部の深さが微粒子半径の100分の1以上であることを特徴とする定着部材。
- 前記微粒子の平均粒子径が0.1μm以上10.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
- 前記微粒子の表面の平均凹部深さが0.01μm以上0.50μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着部材。
- 前記微粒子がシリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マンガン、酸化アルミニウム、またはポリイミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着部材。
- 前記弾性層がシリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の定着部材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の定着部材を具備することを特徴とする定着装置。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記定着手段が、請求項6に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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-
2013
- 2013-06-14 JP JP2013125245A patent/JP2015001577A/ja active Pending
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