JP5130335B2 - 定着装置およびそれを備えてなる画像形成装置、加熱装置 - Google Patents

定着装置およびそれを備えてなる画像形成装置、加熱装置 Download PDF

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Description

この発明は、電子写真方式の定着装置及びこれを備えた画像形成装置、および、面状発熱体を有する加熱装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)は、たとえば感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを含む。画像形成装置は、感光体およびこれらの手段を用いて帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程および定着工程を行い、シート状の記録媒体(以下、単に「シート」ともいう)に画像を形成する装置である。
定着工程を行う定着手段として、たとえば熱ローラ定着方式の定着装置を用いる。熱ローラ定着方式の定着装置は、定着ローラと、加圧ローラとを含む。定着ローラおよび加圧ローラは、互いに圧接するローラ対である。定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方の内部には、加熱手段としてハロゲンヒータなどの熱源を含む。
定着工程において、熱源が定着に必要な所定の温度(以下「定着温度」という)までローラ対を加熱した後、未定着トナー像が形成された記録媒体が定着ローラと加圧ローラとの圧接部である定着ニップ部に供給される。定着ニップ部を通過する未定着トナー像は、定着ローラおよび加圧ローラの少なくともいずれか一方から伝わる熱と、定着ローラおよび加圧ローラの圧力とによって、紙などの記録媒体に定着される。定着ニップ部において、記録媒体が通過した部分(以下「通紙部」という)は温度が低下するが、加熱源によって定着温度まで加熱される。
フルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置では、たとえばシリコーンゴムなどからなる弾性層を表面に設けた定着ローラ(以下「弾性ローラ」という)を用いる。弾性ローラを用いると、定着ニップ部において弾性ローラ表面の弾性層が未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形し、未定着トナー像を覆い包むようにして弾性ローラと未定着トナー像とが接触するので、単色画像に比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して、定着性を良好にすることができる。また、弾性ローラ表面の弾性層の歪み解放効果によって、単色画像に比べてオフセットしやすいカラートナーの離型性を向上させることができる。具体的には、定着ニップ部で圧縮され、歪の生じた弾性層は、定着ニップ部の出口で、その歪が解放されるので、定着ニップ部の出口では、弾性層とトナー像との間にずれが生じ、その結果、弾性層のトナー像に対する付着力が低減され、離型性が向上する。また、定着ニップ部における定着ローラおよび加圧ローラの形状であるニップ形状が、定着ローラ側に凸(逆ニップ形状)となるので、定着ローラと記録媒体との剥離性能を向上させることができる。したがって、定着ローラと記録媒体とを剥離する剥離手段としてたとえば剥離爪を用いることなく記録媒体と定着ローラとの剥離が可能なセルフストリッピングを実現することができるので、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
高速化に対応するためには定着ニップ部の幅(以下「定着ニップ幅」という)を広くする必要がある。定着ニップ幅を広くする手段として、弾性ローラの弾性層を厚くする、弾性ローラ径を大きくするという2つの方法が挙げられる。しかし、弾性ローラの弾性層の熱伝導性は非常に低いので、弾性ローラの弾性層を厚くすると、従来の弾性ローラのように弾性ローラ内部に加熱手段があると、ウォームアップ時間が長くなり、またプロセス速度を高速化すると、定着ローラの温度が定着温度に追従しなくなる問題がある。また、弾性ローラ径を大きくすると、加熱手段の消費電力が増大する問題がある。
このような問題を解決するために、定着ローラと加圧ローラと加熱ローラと無端状ベルトとを含み、定着ローラと加熱用ヒータを内部に含む加熱ローラとの間に無端状ベルトを掛け渡し、無端状ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させるベルト定着方式の定着装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の定着装置では、加熱手段である加熱ローラによって熱容量の小さい無端状ベルトを加熱し、熱容量の大きい弾性層を加熱しないので、ウォームアップ時間を短くすることができる。また加熱手段を定着ローラに内蔵する必要がなく、スポンジゴムなどからなる低硬度の弾性層を厚く設けることができるので、広い定着ニップ幅を確保することができる。
また、特許文献2では、加熱手段を面状発熱体とし、加熱手段の熱をフィルムを介して被加熱材としての記録材に付与して記録材上の未定着画像を永久像として加熱定着させるフィルム加熱方式の定着器が提案されている。
特許文献2に開示の定着装置は、面状発熱体の熱容量がハロゲンランプヒーターの熱容量より小さいので、従来のハロゲンランプヒーターの構成と比べて、加熱手段の熱容量を小さくすることができるため、省電力化やウォームアップ時間の短縮が可能となる。
国際公開パンフレットWO99/00713号公報 特開平7−201455号公報
発明者らは、無端ベルト状の定着ベルトを用いた定着装置の開発を行っていた。本発明の定着装置は、後述する図3にも示すように、定着ベルトを定着ローラとテンションローラとの間に張架させてループ状の移動経路を形成し、張架された定着ベルトの内側に加熱部材を接触させ定着ベルトを加熱するものである。そして、定着ベルトは、前記定着ローラとそれに対向する加圧ローラとの圧接点で加圧ローラに接触している。トナー像が転写された記録媒体は、前記圧接点の加圧ローラと定着ベルトとの間に導かれ、定着ベルトによってトナー像が加熱溶融されて記録媒体に定着する。
加熱部材は、定着ベルトに近い側から、伝熱部材、面状発熱体、断熱部材、押圧部材および補強部材の順で構成される。
面状発熱体は、後述する図5にも示すように、幅方向に細長い基板の表面に、基板長手方向にのびる複数本の抵抗発熱層を並列に形成したものである。そして、各抵抗発熱層の一端部と他端部とを端部電極によってそれぞれ接続し、両端の端部電極の間に挟まれた中間部の数箇所に基板短手方向に伸びる導通部を形成し、その導通部によって異なる抵抗発熱層を接続している。伝熱部材は、剛体であるアルミニウムのような熱伝導に優れた材質で構成されている。押圧部材は、面状発熱体を伝熱部材に押し当てて、面状発熱体からの熱を効率よく定着ベルトに伝えるためのものである。
このような構成の定着装置において、発明者らは面状発熱体を伝熱部材に押し当てる押圧位置の設定に関して次のような課題を見出した。
(1)基板長手方向の中央部での押圧位置
本発明では、平行する各抵抗発熱層の基板長手方向の抵抗バラツキを均一化するため長手方向の数カ所に導通部を設けて異なる抵抗発熱層を基板短手方向に接続している。導通部を設けることによって抵抗発熱層を長手方向において数個のブロックに分割し、各ブロックが電気的に直列接続されるように構成している。各ブロックを構成する並列の抵抗発熱層に抵抗値のバラツキがあっても、ブロック単位でバラツキを平均化し温度ムラを軽減するためである。
このとき、前記押圧位置が各導通部に近いと、隣り合う導通部で基板が熱膨張して反りが発生し、面状発熱体と伝熱部材との間に隙間が生じる。基板長手方向において部分的に隙間が生じると、その部分の熱の伝導が妨げられ、面状発熱体の温度が局部的上昇する。すると、さらにその部分が熱膨張して反りが著しくなり、極端な場合は基板が破損したり抵抗発熱層が熱によって溶融して均一な発熱ができなくなったりする。そのような破損や不良に至らなくても、長手方向の温度ムラが生じるといった問題が発生する。
(2)基板長手方向の端部での押圧位置
面状発熱体の端部付近の押圧位置については、押圧位置を抵抗発熱層の端部より中央寄りの一定の範囲内にすると、面状発熱体が熱膨張して反りが発生し、伝熱部材と面状発熱体との間に隙間が生じた。その結果、前記(1)と同様、基板が破損したり抵抗発熱層が局部的に溶融したりする。そのような破損や不良に至らなくても、長手方向の温度ムラが生じるといった問題が発生する。
この課題は、面状発熱体を剛体に押し当てる本構成に独特のものである。即ち、先に挙げた特許文献1と本発明とは、面状発熱体を加圧ローラなどの弾性体に押し当てるかアルミニウムなどの剛体に押し当てるかの点で違いがある。この発明の構成によれば、熱容量の大きい弾性体に押し当てられることがないので、省電力化やウォームアップ時間の短縮の面ではより有利といえる。これに対して特許文献1では面状発熱体を、定着ベルトを介して弾性体である加圧ローラに押し付ける構成となっているので、省電力化やウォームアップ時間の短縮の面では不利といえるが、面状発熱体の反りによる変形は、弾性体の加圧ローラが吸収して隙間が生じにくい。よって、面状発熱体と加圧ローラ間に隙間が生じるようなことはなく、本発明のように押圧位置による問題は発生しにくい。
この発明は、以上に述べたような発明者が見出した知見に基づいてなされたものであって、省電力化やウォームアップ時間の短縮を図りつつ均一な加熱が可能で、破損や不良の発生がない堅牢で安定した定着装置を提供するものである。より詳細には、面状発熱体を伝熱部材としての剛体に押し当てる構成を有する定着装置において、面状発熱体を押圧する適切な位置を選択し、これによって均一な加熱と堅牢で安定した構造を実現するものである。
この発明は、(1)トナー画像が転写されたシートを加熱しそのトナー画像をシートに定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを含んでなる定着装置において、前記無端状ベルトの回動方向と直交する幅方向にのび、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置され伝熱部材として機能する剛体と、前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材とを備え、前記面状発熱体は、幅方向に細長い基板と、その基板の表面に形成され基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の少なくとも一箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなり、前記押圧部材は、基板長手方向において、前記導通部が形成された箇所を避けて前記面状発熱体を前記剛体に押し当てることを特徴とする定着装置を提供する。
さらに、この発明は、前記定着装置を備えてなる画像形成装置を提供する。
また、この発明は、(2)幅方向に細長い基板と、その基板の表面に形成され基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の少なくとも一箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなり通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体からの熱を加熱すべき物体に伝えるため前記物体と接触する剛体と、前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材とを備え、前記押圧部材は、基板長手方向において、前記導通部が形成された箇所を避けて前記面状発熱体を前記剛体に押し当てることを特徴とする加熱装置を提供する。
さらにまた、この発明は、(3)トナー画像が転写されたシートを加熱しそのトナー画像をシートに定着させる無端状ベルトと、内外両側から挟んで回動させ、トナー画像が転写されたシートを前記無端状ベルトと共に挟んで搬送するローラ対とを含んでなる定着装置において、前記無端状ベルトの回動方向と直交する幅方向にのび、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置されて伝熱部材として機能しかつ前記無端状ベルトを懸架する剛体と、前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材と、前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材とを備え、前記対向部材は、前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧することを特徴とする定着装置を提供する。
また、この発明は、(4)トナー画像が転写されたシートを加熱しそのトナー画像をシートに定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを含んでなる定着装置において、前記無端状ベルトの回動方向と直交する幅方向にのび、通電により発熱する面状発熱体と、前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置されて伝熱部材として機能する剛体と、前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材と、前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材とを備え、前記剛体および前記対向部材は二つの懸架部材の間に配置され、前記対向部材は前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧することを特徴とする定着装置を提供する。
この発明の前記(1)の定着装置において、前記面状発熱体は、基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の少なくとも一箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなり、前記押圧部材は、基板長手方向において、前記導通部が形成された箇所を避けて前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるので、通電時に発熱の少ない導通部の箇所を避けて通電時に発熱する抵抗発熱層、換言すれば、熱膨張の大きい箇所を押圧し、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのを効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧する適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の定着装置を実現することができる。
また、前記(2)の加熱装置において、基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の少なくとも一箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなる面状発熱体と、前記面状発熱体からの熱を加熱すべき物体に伝える剛体と、前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材とを備え、前記押圧部材は、基板長手方向において、前記導通部が形成された箇所を避けて前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるので、通電時に発熱の少ない導通部の箇所を避けて通電時に発熱する抵抗発熱層、換言すれば、熱膨張の大きい箇所を押圧し、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのを効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧する適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
さらにまた、前記(3)の定着装置は、伝熱部材として機能しかつ前記無端状ベルトを懸架する剛体と、前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材を備え、前記対向部材は、前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧するので、伝熱部材としての剛体と無端状ベルトとの間に隙間ができるのを効果的に防止することができる。よって、無端状ベルトを効率的かつ均一に加熱することができる。
また、前記(4)の定着装置は、伝熱部材として機能する剛体と、前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材とを備え、前記剛体および前記対向部材は二つの懸架部材の間に配置され、前記対向部材は、前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧するので、伝熱部材としての剛体と無端状ベルトとの間に隙間ができるのを効果的に防止することができる。よって、無端状ベルトを効率的かつ均一に加熱することができる。
この発明の定着装置は、無端状ベルトを加熱しシート状の転写部材上に転写されたトナーの像をその熱によって溶融させ転写材に定着させる。通常、電子写真方式の画像形成装置はこの定着装置を備える。ただし、電子写真方式以外のものであっても、トナーを加熱してシート上に定着させるものであれば、作像方式を問わず適用可能である。後述する実施形態において、定着装置は、定着部に相当する。
また、この発明の加熱装置は、前記定着装置に好適な熱源であって、平面上あるいは板状の発熱体と表面が好ましくはカマボコ状の緩やかな曲率を有する剛体と前記発熱体をその剛体に押し当てる押圧部材とを含んでなる細長い形状のものである。剛体の前記表面を加熱対象に接触させて加熱する。後述する実施形態において、加熱装置は、加熱部材に相当する。
また、この発明の画像形成装置は、前記定着装置を備えるものである。その具体的な態様としては、例えば、電子写真方式の印刷装置である。
また、シートは、その上に印刷すべき像がトナーによって形成され定着される記録媒体である。その典型例は印刷用紙であるが、材質は紙に限らず、例えばオーバーヘッドプロジェクタ用の透明な樹脂であってもよく、あるいは透過性のない樹脂などであってもよい。
この発明の定着装置において、無端状ベルトは、加熱部材により加熱された状態で前記シートと密着し、シート上に転写されたトナーを溶融させシート上に定着させるために用いられる。後述する実施形態において、無端状ベルトは、定着ベルトに相当する。その具体的な態様は、例えば、厚さ100μm程度のポリイミドの基材上に弾性層として150μm程度の厚さのシリコーンゴムを被覆し、その表面に離型性を向上させるためのフッ素樹脂をコーティングしたものである。ただし、耐熱性と柔軟性を備えていればこれに限定されるものではない。
また、懸架部材は、無端状ベルトを回動可能に懸架するものである。その具体的な態様は、例えば、ローラや扇形の表面を有する部材である。定着ベルトは懸架部材に架け渡される。後述する実施形態において、懸架部材は、定着ローラおよびテンションローラに相当する。あるいは、加熱部材が扇形の表面形状を有しており、扇形の部分で無端状ベルトにテンションを与え懸架部材としての機能を兼ねてもよい。
また、面状発熱体は、電熱部材を介して無端状ベルトを加熱する熱源であって、少なくとも電熱部材と接する部分が平面状のものである。その具体的な態様は、例えば、矩形短冊状のセラミック基板上に銀とパラジウムの合金(AgPd)を主成分とするペースト状の抵抗パターンを印刷し焼成し、表面にガラス等の絶縁材料のコーティングを施したものである。ただし、基板や抵抗の材質および製造方法はこれに限定されない。
また、抵抗発熱層は、通電により発熱する抵抗体である。その具体的な態様は、例えば、前述したように銀・パラジウムペーストを焼成してなるものである。ただし、その材質および製造方法はこれに限定されない。この発明において、抵抗発熱層は基板長手方向に沿って複数本が並列に形成される。そして、各抵抗発熱層の一端と他端との間に電圧が印加されて抵抗発熱層に電流が流れ、ジュール熱によって発熱する。
また、導通部は、並列に並ぶ各記抵抗発熱層の一端と他端の間の中間部にあって異なる抵抗発熱層を接続する導電層である。好ましくは、中間部に数個の導通部が形成される。抵抗発熱層を数カ所で接続しブロックに分割することにより、各抵抗発熱層に局所的な抵抗ばらつきがあっても、ブロック単位でばらつきを平均化し、発熱を均一化するためである。その具体的な態様は、例えば、銀を主成分とするペースト状の導電パターンを印刷し焼成したものである。
また、剛体は、面状発熱体からの熱を無端状ベルトに伝えるものである。その具体的な態様は、例えば、アルミニウム材であって、面状発熱体と接する面は平らに形成され、無端状ベルトと接する面は緩やかな曲率を有する凸面形状に形成され、その表面にフッ素樹脂がコーティングされたものである。ただし、耐熱性があり、熱伝導率の高い部材であればその材質に制限はない。また、フッ素樹脂のコーティングは無端状ベルトを良好に摺動させるためのものであるが、コーティングがなくてもかまわない。
また、押圧部材は、面状発熱体を伝熱部材に押し当てるものである。その具体的な態様は、例えば、ステンレス製の板バネである。ただし、耐熱性があり弾性があればその材質は特に限定されない。
この発明の実施の一形態としての画像形成装置の構成を、模式的に示す説明図である。 図1の画像形成装置における作像ユニットの構成例を模式的に示す説明図である。 図1の画像形成装置における定着部の詳細な構成例を示す断面図である。 従来の定着装置において、伝熱部材の端部近傍において伝熱部材と面状発熱体との間に隙間が生じる様子を示す説明図である。 図1の画像形成装置における面状発熱体の詳細な構成例を示す説明図である。 この発明に係る実験例1において、押圧位置の詳細を示す説明図である。 この発明に係る実験例2において、押圧位置の詳細を示す説明図である。 この発明に係る実験例3において、押圧位置の詳細を示す説明図である。 図1の画像形成装置における定着部の図3と異なる構成例を示す断面図である。 この発明に係る定着装置の対向部材にクリーニングウェブを配置する構成を示す説明図である。 図9に示す定着装置の変形例を示す説明図である。
以下、この発明の好ましい態様について説明する。
この発明の前記(1)の定着装置において、前記面状発熱体は、複数の導通部を含み、前記押圧部材は、隣り合う前記導通部の中間の位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるようにしてもよい。このようにすれば、隣り合う前記導通部の中間の位置、即ち、通電時に発熱する抵抗発熱層の中間の位置を押圧するので、熱膨張の大きい箇所を押圧することによって、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのをより効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧するより適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
あるいは、前記押圧部材は、隣り合う前記導通部の間にあっていずれの導通部からも10mm以上離れた位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるようにしてもよい。このようにすれば、通電時に発熱の少ない導通部の箇所から十分離れた箇所、即ち、熱膨張の大きい箇所を押圧することによって、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのをより効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧するより適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
また、前記剛体の一端は、各抵抗発熱層の一端と基板長手方向において略等しい位置にあり、前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間の位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるようにしてもよい。このようにすれば、基板端部においては剛体の一端を支点として基板が熱膨張により反ろうとするところ、前記一端に略等しい位置とその位置に最も近い導通部との間で抵抗発熱層がある部分を押圧することによって、基板端部において伝熱部材との間に隙間ができるのを効果的に防止することができる。即ち、基板端部において面状発熱体を押圧する適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
さらにまた、前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間かつ前記一端と前記導通部との中間の位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるようにしてもよい。このようにすれば、基板端部において、各抵抗発熱層の一端と前記導通部との中間の位置、即ち、通電時に発熱する抵抗発熱層の中間の位置を押圧するので、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのをより効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧するより適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
あるいは、前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間かつ前記一端から10mm以内にあるいずれかの位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てるようにしてもよい。このようにすれば、基板端部においては剛体の一端を支点として基板が熱膨張により反ろうとするところ、前記一端から十分離れた位置を押圧するので、熱膨張により基板と伝熱部材との間に隙間ができるのをより効果的に防止することができる。即ち、面状発熱体を押圧するより適切な位置を選択し、均一な加熱と堅牢で安定した構造の加熱装置を実現することができる。
また、前記面状発熱体は、板厚が略0.8mmのセラミック材の基板上に厚さ略10μmの銀・パラジウムからなる抵抗発熱層を形成してなるものであってもよい。
前記押圧部材は弾性体からなるものでもよく、さらに、ステンレスの板バネからなるものであってもよい。
前記剛体がアルミニウムからなるものであってもよい。
また、前記(3)の定着装置において、前記対向部材は、前記無端状ベルトをクリーニングするクリーニング部材を兼ねていてもよい。このようにすれば、単純な構成で対向部材としての機能とクリーニング部材としての機能を実現することができる。
さらにまた、前記(4)の定着装置において、前記対向部材は、前記無端状ベルトをクリーニングするクリーニング部材を兼ねていてもよい。このようにすれば、単純な構成で対向部材としての機能とクリーニング部材としての機能を実現することができる。
ここで示した種々の好ましい態様は、それら複数を組み合わせることもできる。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
〔実施の形態1〕
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を模式的に示す図である。画像形成装置1は、画像形成部2と、中間転写部3と、2次転写部4と、記録媒体供給部5と、この発明の定着装置である定着部6と、図1には図示しない表示部、操作部および制御部とを備える。
以下、定着部6について説明する。他の部分については、末尾にその詳細な構成を説明する。
(定着部)
図3は、定着部6の構成を示す断面図である。定着手段である定着部6は、定着ベルト71と、定着ローラ50と、テンションローラ77と、加熱部材80と、加圧ローラ60とを含む。
定着ベルト71は、定着ローラ50とテンションローラ77との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、定着ベルト71は、定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接点で加圧ローラに接触するように設けられ、記録媒体8に担持されるトナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体8に定着させるものである。定着ベルト71は加圧ローラ60の矢符55方向の回転駆動によって矢符78の方向に従動回転する。
本実施形態では、定着ベルト71として、基材層72と、弾性層73と、離型層74とを含む3層構造で、直径50mmの円筒形状に形成された無端ベルトを使用する。
基材層72を形成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れるものであれば特に制限されないけれども、耐熱性合成樹脂を挙げることができ、中でも、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ニッケル電鋳、SUSなどが好ましい。これらの材料は、強度、耐熱性、価格性等に優れている。
基材層72の厚さは、特に制限されないけれども好ましくは、30〜200μmである。
弾性層73を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特にゴム弾性に優れるシリコーンゴムが好ましい。
弾性層73の硬度は、JIS−A硬度1〜60度であることが好ましい。このJIS−A硬度の範囲であれば、弾性層73の強度の低下、密着性の不良を防止しつつ、トナーの定着性の不良を防止できる。このシリコーンゴムとしては具体的には、1成分系、2成分系又は3成分系以上のシリコーンゴム、LTV型、RTV型又はHTV型のシリコーンゴム、縮合型又は付加型のシリコーンゴム等が挙げられる。
また、弾性層73の厚さは、100〜200μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、弾性層73の弾性効果を維持しつつ、断熱性を低く抑えることができて省エネルギー効果を発揮できる。本実施例では、JIS−A硬度5度のシリコーンゴムを使用した。
離型層74は、フッ素樹脂チューブまたはフッ素樹脂を含有する樹脂を塗布し、これを焼成することにて形成された層よりなる。
このようなフッ素樹脂の材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されず、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。
離型層74の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。この厚さ範囲であれば、適度な強度を持ち、弾性層の弾性を活かしながら、記録材の微小な凹凸に追従することが可能である。
定着ローラ50は、図示しない支持手段によって回転自在に支持され、加圧ローラ60、定着ベルト71の回転駆動によって、矢符78の方向に所定の速度で従動回転するローラ状部材である。本実施の形態では、定着ローラ50として、芯金51と、弾性層52とを含む直径30mmの円筒形状に形成されるローラ状部材を使用する。
芯金51を形成する金属には熱伝導率の高い金属を使用でき、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。
弾性層52を構成する材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらの中でも、特に液状熱硬化型シリコーンゴムが好ましい。また、定着ローラ50の断熱性を高めるためにスポンジ状とすることが好ましい。更に、定着ベルト71の寄りを修正するため、弾性層上に表面層53を設ける構成としてもよい。これにより定着ローラ50の表面の摺動性が向上し、定着ベルト71の寄りを修正し易くなる。
表面層53を構成する材料としては、耐熱性および耐久性に優れ、摺動性が高いものであれば特に制限されず、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴム等が好ましい。
また、定着ローラ50の内部に、補助的な加熱手段を設けてもよい。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する定着ローラ50の表面温度の低下などを防止するためである。
加熱部材80は、内部に加熱源を持ち、図示しない加圧手段によって定着ベルト71に接触し、定着ベルト71を加熱するように設けられた部材である。加熱部材80は、伝熱部材81、面状発熱体82、断熱部材83、押圧部材84、補強部材85で構成される。
図5は、面状発熱体82の構成を示す詳細図である。
図5(a)に示すように面状発熱体82は、平面視矩形短冊状のセラミックなどの絶縁基板上に銀・パラジウム(AgPd)などからなる抵抗発熱体86が複数本配置されている。
上記基板は、耐熱性、良熱伝導性、電気絶縁性などを備えたものであれば特に制限はないけれども、アルミナや窒化アルミなどのセラミック材料が挙げられる。また、耐熱性に優れ、電気絶縁性を持つガラス材料などをコーティングしたSUSなどの金属板を使用することも可能である。
本実施例では0.8mmの基板を用いている。抵抗発熱体86は、基板上にペースト状の導電材料を印刷などの方法により所定のパターンに形成する。本発明では、3本の直線状の抵抗パターンとしている。各抵抗発熱体86の一端および他端は端部電極88でそれぞれ共通に接続されている。また、長手方向の抵抗値を安定させるために図のように両端の端部電極の間に導通部87を設けている。抵抗発熱体86には、銀・パラジウムペーストなどが用いられる。導通部87には、銀ペーストなどが用いられる。なお本実施例における抵抗発熱体86および導通部87の厚みは、それぞれ約10μmの層である。
その後、焼成炉に投入され、所定の焼成条件によりセラミックシートの焼成が行われたのち、絶縁保護層として抵抗発熱体表面をガラス材料などの絶縁材料によりコーティングを施すことで面状発熱体82が完成される。
図5(b)は(a)に示す抵抗発熱層の等価回路を示している。端部電極88の間は、4つの導通部87により5つのブロックに分割されている。各ブロックは直列に接続されている。各ブロックは、3つの並列抵抗からそれぞれ構成される。例えば、左端のブロックは、3つの抵抗R86aa、R86ba、R86caが並列に接続されてなる。よって、抵抗R86aa、R86ba、R86caの抵抗値にバラツキがあっても、それらが並列に接続された合成抵抗はバラツキが平均化される。
各ブロックを接続する導通部87は、幅が1mmである。基板長手方向において導通部の幅に相当する部分は、その両側の抵抗の部分にくらべて抵抗値が低い。微少な幅ではあるが、導通部は発熱しないため両側の抵抗の部分より温度が若干低くなる。また、抵抗がなく端部電極88が形成される基板両端部も抵抗のある部分より温度が低くなる。
伝熱部材81は、面状発熱体82の熱を定着ベルト71に伝達する部材である。伝熱部材81は、耐熱性があり、熱伝導率の高い部材であれば特に制限はないけれども、アルミニウム、鉄などの金属が好ましい。
伝熱部材81の表面は、定着ベルト71の内面と摺動するため、曲率を持った形状とすることが好ましい。ただし、曲率が大きい場合、定着ベルト71が伝熱部材81の形状に追従することができず、伝熱部材81の中央部において、定着ベルト71が伝熱部材81から浮いてしまうといった不具合が発生するため、伝熱部材81の曲率は、R10〜200の範囲であることが望ましい。
また、定着ベルト71の内面と良好に摺動させるため、必要に応じて伝熱部材81の表面にフッ素樹脂層を形成してもよい。
押圧部材84は面状発熱体82を伝熱部材81に押し付けるための部材である。押圧部材84の位置は、両端部及び真ん中の少なくとも3箇所配置することが好ましい。
両端部の押圧部材84の位置は、配熱パターンの端から10mm以内に配置することが極めて望ましい。従来の構成として、10mm以上外側に押圧部材84を配置する場合、伝熱部材81を押圧部材84の位置まで延長しなくてはならず、端部の温度低下を招くことになる。伝熱部材81を延長しない場合は、面状発熱体82を上に押し上げることで面状発熱体82が反り、伝熱部材81端部近傍において、伝熱部材81と面状発熱体82に隙間が生じてしまう。隙間が生じると面状発熱体82の熱が伝熱部材81へ十分伝わらなくなることでその部分の面状発熱体82が昇温してしまう。すると、その部分が熱膨張してさらに隙間が広がってしまう。このような悪循環が繰り返されていくと、面状発熱体82が破損に至ってしまう。
また従来の構成として、10mm以上内側に押圧部材を配置する場合、面状発熱体の伝熱部材より長い部分が熱によって反ることにより、伝熱部材81端部近傍において、伝熱部材81と面状発熱体82に隙間が生じてしまう(図4参照)。隙間が生じると面状発熱体82の熱が伝熱部材81へ十分伝わらなくなることでその部分の面状発熱体82が昇温してしまう。すると、その部分が熱膨張してさらに隙間が広がってしまう。このような悪循環が繰り返されていくと、面状発熱体82が破損に至ってしまう。
次に、真ん中の押圧部材については、導通部から10mm以上離れた場所に配置することが望ましい。
従来の構成として、導通部87の10mm以内の場所に押圧部材を配置した場合、比較的低温の導通部を押し付け、面状発熱体82の高温部がフリーとなってしまう。この場合、温度による熱膨張で面状発熱体82が伸び、反ることで、伝熱部材81と面状発熱体82との間に隙間が生じてしまう。隙間が生じると面状発熱体82の熱が伝熱部材81へ十分伝わらなくなることでその部分の面状発熱体82が昇温してしまう。すると、その部分が熱膨張してさらに隙間が広がってしまう。このような悪循環が繰り返されていくと、面状発熱体82が破損に至ってしまう。
断熱部材83は、面状発熱体82の熱が押圧部材84を通して拡散するのを防ぐために面状発熱体82と押圧部材84の間に配置するもので、耐熱性、断熱性に優れるものであれば特に制限はないけれども、発泡ポリイミドシートやアラミドシートなどを使用することができる。
補強部材85は、定着ベルトに加熱部材80を接触させる際に、加熱部材80が撓むのを防止するための部材である。補強部材83は、耐熱性があり、剛性の高い部材であれば特に制限はないけれども、鉄などの金属が好ましい。
加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ベルト71を介して定着ローラ50に圧接され、定着ニップ部55を形成する。加圧ローラ60は図示しない駆動手段によって回転駆動される。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。
本実施形態では、加圧ローラ60として、芯金61と、弾性層62と、表面層63とを含む直径30mmのローラ状部材を使用する。芯金61、弾性層62および表面層63を形成する材料としては、それぞれ、定着ローラ50の芯金51、弾性層52および表面層53を形成する金属または材料と同じものを使用できる。また、芯金61の形状も定着ローラ50と同様である。
加圧ローラ60の内部に加熱手段64を設けてもよい。これは、画像形成装置1の電源ONから画像形成可能になるまでの立ち上げ時間の短縮、トナー像定着時に記録媒体8に熱が移行することに起因する加圧ローラ60の表面温度の急激な低下などを防止するためである。加熱手段64にはハロゲンランプなどが用いられる。
テンションローラ77は、回転自在に支持されかつ図示しない加圧手段によって定着ベルト71にテンションを加えられるように設けられたローラ状部材である。テンションローラ77は、定着ベルト71の矢符78方向の回転に従動回転する。テンションローラ77には、アルミニウム、鉄などの熱伝導率の高い金属からなる金属製ローラを使用できる。金属製ローラは必要に応じてその表面にフッ素樹脂層が形成されてもよい。更に金属製ローラに熱が逃げないようにローラ表面にシリコンスポンジ等の耐熱性に優れた断熱部材が形成されてもよい。
サーミスタ76は、加熱部材80と定着ベルト71の接触点よりも回転方向下流側でかつ、定着ベルト71と加圧ローラ60の接触点よりも上流側の位置において定着ベルト71に近接するように設けられ、定着ベルト71の温度を検知する。サーミスタ76による検知結果はCPUに入力される。
CPUは、サーミスタ76の検知結果から、サーミスタ76の温度が設定範囲内にあるか否かを判定する。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも低い場合には、面状発熱体82に接続される電源に制御信号を送り、面状発熱体82に電力を供給して発熱を促す。定着ベルト71の温度が設定範囲よりも高い場合には、面状発熱体82への給電力の有無を確認する。電力供給が継続される場合は、電力供給を停止する制御信号を送る。
定着ローラ50と加熱部材80と定着ベルト71と加圧ローラ60とを含む定着機構は、画像形成装置1の全動作を制御する図示しないCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)によって制御される。このCPUは、前述の制御部に相当するものである。
CPUは、画像形成指示の入力を受けると、加熱部材80、加圧ローラ60の内部に設けられる面状発熱体82、加熱手段64に電力を供給する図示しない電源に制御信号を送る。画像形成指示は、画像形成装置1の鉛直方向上面に設けられる図示しない操作パネルまたは画像形成装置1に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される。制御信号を受けた電源は電力を供給して面状発熱体82、加熱手段64を起動させる。
面状発熱体82、加熱手段64は、定着ローラ50、加熱部材80、加圧ローラ60および定着ベルト71表面がそれぞれの設定温度になるように加熱する。定着ローラ50および加圧ローラ60の近傍に設けられる図示しない温度検知センサが設定温度に到達したことを検知し、その検知結果がCPUに入力されると、CPUは定着ローラ50を回転駆動させる図示しない駆動手段に制御信号を送り、加圧ローラ60を矢符56の方向に回転駆動させる。それに伴って定着ベルト71、定着ローラ50および加圧ローラ60が従動回転する。この状態で、未定着トナー像を担持する記録媒体8が2次転写ローラ28(図1参照)から定着ニップ部55に搬送される。この記録媒体8が定着ニップ部55を通過する際に、トナー像を構成するトナーが加熱加圧され、記録媒体8に定着され、画像が形成される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実験例1〕
面状発熱体の配線パターン端部と押圧位置による影響を確認するため、下記のような実験を行った。
実験に使用した面状発熱体や伝熱部材の仕様、押圧位置は下記の通りとした。
・面状発熱体:366mm(配線パターン:中央部320mm間)
・導通部位置:60mm、127mm、194mm、261mm(片側配線パターン開始位置を0)
・伝熱部材:320mm
・押圧部材配置位置:90、110、150、170、210、230mm(固定)
そして、面状発熱体の配線パターン端部と押圧位置を0、5、10、15、30mm(図6参照)と移動させた。また、面状発熱体の配線パターン端部から外側へ移動する方向をマイナスとし、−5、−10mmに押圧部材を配置した。
上記に記載の条件とした加熱部材80を図3の実験装置に組み込んだ。
室温から定着ベルトが200℃になるまで昇温させる昇温実験を50回繰り返し、昇温特性及び実験前後の面状発熱体の状態を目視で確認した。その結果を表1に記す。(○:昇温特性、目視共に問題なし。△:昇温特性問題なし。目視評価で問題あり。×:昇温特性、目視共に問題あり。とした。)
Figure 0005130335
面状発熱体の配線パターンの端部の押圧位置を10mm以上内側にずらしたところ、面状発熱体の一部の配線パターン形状が乱れているのが目視で確認できた。また、破損部分の昇温が早くなっており、全体の昇温特性は遅くなっていることが分かった。
押圧部材をマイナス側(外側)に配置したところ、面状発熱体の一部の配線パターン形状が乱れているのが目視で確認できた。また、破損部分の昇温が早くなっており、全体の昇温特性は遅くなっていることが分かった。
〔実験例2〕
伝熱部材の長さを5mm伸ばした以外は、実験1と同様の実験を行った(図7)。結果を表2に記す。
伝熱部材を5mm伸ばしたことで、面状発熱体が反る位置が5mm伸びるため、実験1よりも5mm結果が伸びたものと思われる。ただし、配線パターン端部よりも伝熱部材を伸ばせば伸ばすほど、熱を奪われてしまうため、端部の温度低下が顕著になってくる。10mm以上伝熱部材を伸ばすと、端部の定着温度に悪影響が出てしまう。
Figure 0005130335
〔実験例3〕
面状発熱体の導通部と押圧位置による影響を確認するため、下記のような実験を行った。
・面状発熱体:366mm(配線パターン:中央部320mm間)
・導通部位置:60mm、127mm、194mm、261mm(片側配線パターン開始位置を0)
・伝熱部材:320mm
・押圧部材配置位置:0、20、90、110、210、230、300、320mm(固定)
そして、押圧位置を127mmの導通部から0、5、10、15、20、25、30mm(図8参照)と移動させた。
上記に記載の条件とした加熱部材80を図3の実験装置に組み込んだ。
室温から定着ベルトが200℃になるまで昇温させる昇温実験を50回繰り返し、昇温特性及び実験前後の面状発熱体の状態を目視で確認した。その結果を表3に記す。(○:昇温特性、目視共に問題なし。△:昇温特性問題なし。目視評価で問題あり。×:昇温特性、目視共に問題あり。とした。)
Figure 0005130335
押圧位置を導通部から5mmの場合、面状発熱体の一部の配線パターン形状が乱れているのが目視で確認できた。また、破損部分の昇温が早くなっており、全体の昇温特性は遅くなっていることが分かった。
押圧位置を導通部から10mmの場合、面状発熱体の一部の配線パターン形状が乱れているのが目視で確認できたが、昇温特性については、問題がなかった。
〔実施の形態2〕
続いて、定着部6の異なる構成態様を説明する。
この態様によれば、定着ベルトを介して伝熱部材としての剛体と対向するように対向部材を配置することにより、剛体と定着ベルトとの間に隙間ができるのを防止し、剛体からの熱をより効率的に定着ベルトに伝えることができる。また、定着ベルトをより均一に加熱することができる。
図9は、定着部6の図3と異なる構成態様を示す断面図である。定着手段である定着部6は、定着ベルト71と、定着ローラ50と、加熱部材80と、加圧ローラ60とを含む。なお、以下の説明において、実施の形態1と同様の構成については詳しい説明を省略し、差異点を主に説明する。
図9で、定着ベルト71は、定着ローラ50と加熱部材80との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材である。また、定着ベルト71は、定着ローラ50と加圧ローラ60との圧接点で加圧ローラに接触するように設けられ、記録媒体8に担持されるトナー像を構成するトナーを加熱溶融させて記録媒体8に定着させるものである。定着ベルト71は加圧ローラ60の矢符56方向の回転駆動によって矢符78の方向に従動回転する。
加熱部材80は、内部に加熱源を持ち、図示しない加圧手段によって定着ベルト71にテンションを加えられるように設けられた部材である。加熱部材80は、伝熱部材81、面状発熱体82、補強部材85で構成される。
対向部材90は、定着ベルト71を介して伝熱部材81に接触し、定着ベルト71と伝熱部材81の接触不良を防止する。
本実施形態では、対向部材90として、芯金91、弾性層92、表層93を含む直径30mmのローラ状部材を使用する。
芯金91は剛性の高い部材であれば特に制限はないけれども、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられる。
弾性層92は、ゴム弾性を有するものであれば特に制限はないけれども、さらに耐熱性にも優れるものが好ましい。このような材料の具体例としては、たとえば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。また、断熱性を高めるためにスポンジ状とすることが好ましい。こうすることで、対向部材90の熱容量を下げることができ、加熱部材からの熱が対向部材90の芯金91に逃げることを回避することができる。また、熱容量が小さいため、ウォーミングアップ時間に与える影響を少なくすることができる。
表層93は、耐熱性があり、弾性層の形状変化に追従できるものであれば特に制限はない。更に、定着ベルト71に付着したトナー汚れを除去できるものであれば、よく、例えばフェルト状のアラミドシートなどが挙げられる。
対向部材90としては、定着ベルト71と伝熱部材81の接触不良を防止する形状であればよく、上記に記載したローラ形状だけでなく、図10に記載したようにクリーニングウェブ96を配置する構成としてもよいし、図11に記載したようなパッド形状でもよい。
加圧ローラ60は、定着ローラ50の鉛直方向最下点よりも定着ローラ50の回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ベルト71を介して定着ローラ50に圧接され、定着ニップ部55を形成する。加圧ローラ60は図示しない駆動手段によって回転駆動される。加圧ローラ60は、定着ローラ50によるトナー像の記録媒体8への加熱定着に際し、溶融状態にあるトナーを記録媒体8に対して押圧することによって、トナー像の記録媒体8への定着を促進する。
また、図9に示す構成の変形例を図11に示す。図9の構成との主な差異点は2つある。第1に、定着ベルト71を張架する部材が加熱部材80からテンションローラ77に変更されている。第2に、加熱部材80が、定着ローラ50とテンションローラ77に張架された定着ベルト71に接触している。この2点が主な差異点である。
〔画像形成装置の定着部以外の構成〕
以下に、画像形成装置1のうちすでに説明した定着部6を除く部分の構成を説明する。
(画像形成部)
作像手段である画像形成部2は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含む。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、各色相のデジタル信号(以下、「画像情報」と記載する)に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して、各色のトナーでトナー像を形成する。すなわち、作像ユニット10yはイエロー色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタ色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10cはシアン色の画像情報に対応するトナー像を形成し、作像ユニット10bはブラック色の画像情報に対応するトナー像を形成する。
作像ユニット10y,10m,10c,10bは、イエロー色に対応する作像ユニット10yを例として説明し、他の作像ユニットについては説明を省略する。他の作像ユニットとの相違点は、それぞれイエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤またはブラック色現像剤を使用すること、および画像形成部2に入力される画像情報のうち、イエロー色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、ブラック色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力されることである
なお、各色に対応する作像ユニット10などを個々に示す場合には、アルファベットの添字:y(イエロー色)、m(マゼンタ色)、c(シアン色)、b(ブラック色)を付して表す。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、後述する中間転写ベルト21の移動方向(副走査方向)、すなわち、矢符27の方向の上流側から下流側にこの順番で一列に並んで配列される。
図2は、作像ユニット10yの構成を模式的に示す図である。作像ユニット10yは、感光体ドラム11yと、帯電ローラ12yと、光走査ユニット13yと、現像装置14yと、ドラムクリーナ15yとを含む。
感光体ドラム11yは、イエロー色のトナー像が表面に形成される像担持体であり、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状、円柱状または薄膜シート状(好ましくは円筒状)の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む。
感光体ドラム11yとしては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される感光層である有機感光層とを含む、GND(接地)電位に接続される感光体ドラムを使用できる。
有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成されるものであってもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む1つの層によって形成されてもよい。有機感光層の層厚は、特に限定されるものではないが、たとえば、20μmである。また有機感光層と導電性基体との間に下地層を設けてもよい。さらに、有機感光層の表面に保護層を設けてもよい。
感光体ドラム11yは、図2には図示しない駆動手段によって、図2の紙面向って反時計周りの方向に、たとえば周速度220mm/sで回転する。感光体ドラム11yの駆動手段は、後述する画像形成部制御手段によって制御され、画像形成部制御手段によって感光体ドラム11yの回転速度が制御される。
帯電ローラ12yは、感光体ドラム11yの表面を所定の極性の電位に帯電させる帯電手段である。帯電手段としては、帯電ローラ12yに限定されるものではなく、帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、またはスコロトロンというコロナ帯電器なども使用できる。
光走査ユニット13yは、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面にイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、感光体ドラム11yの表面に、イエロー色の画像情報に対応する静電潜像を形成する潜像形成手段である。レーザ光の光源には、半導体レーザ素子などが用いられる。
現像装置14yは、感光体ドラム11yに臨んで設けられる現像手段である。現像スリーブ17y表面に、2成分現像剤16yに含まれるイエロー色トナーおよびキャリアのうち、イエロー色トナーを担持し、層厚規制部材18yによって所定量の厚さに規制して感光体ドラム11y表面に搬送し、感光体ドラム11y表面に形成される静電潜像を現像して顕像化する。なお、現像剤としては、キャリアを含まない1成分現像剤を用いることもできる。
現像スリーブ17yは、感光体ドラム11yに近接する現像ニップ部において、感光体ドラム11yの回転駆動方向と逆の方向に回転駆動する。
ドラムクリーナ15yは、感光体ドラム11y表面のイエロー色のトナー像が中間転写ベルト21に中間転写された後、感光体ドラム11y表面において中間転写ベルト21に中間転写されずに残存したイエロー色トナーを除去し回収する。
作像ユニット10yによれば、感光体ドラム11yをその軸線回りに回転駆動させながら、図示しない電源により帯電ローラ12yにたとえば−1200Vを印加し、放電させることよって感光体ドラム11yの表面をたとえば−600Vに帯電させる。次に、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13yからイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、イエロー色の画像情報に対応する露光電位−70Vの静電潜像を形成する。
次いで、感光体ドラム11yの表面と現像スリーブ17y表面に担持されるイエロー色トナーとを近接させる。現像スリーブ17yには現像電位として−450Vの直流電圧が印加されており、現像スリーブ17yと感光体ドラム11yとの電位差によって、静電潜像にイエロー色トナーが付着し、感光体ドラム11yの表面にイエロー色トナー像が形成される。このイエロー色トナー像は、後述するように、感光体ドラム11yの表面に圧接し、矢符27の方向に駆動する中間転写ベルト21に中間転写される。感光体ドラム11yの表面に残留するイエロー色トナーはドラムクリーナ15yにより除去回収される。以後、同様にしてイエロー色のトナー像の形成動作が繰り返し実行される。
以下に、本実施形態の画像形成装置1で用いられる2成分現像剤16y,16m,16c,16bについて詳細に説明する。2成分現像剤16y,16m,16c,16bは、トナーと、キャリアとを含む。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナー粒子で構成される。結着樹脂としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレンの置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
これらの結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性および耐久性などの点から、軟化点が100〜150℃であり、ガラス転移点が50〜80℃の結着樹脂が好ましく、上記範囲内に軟化点およびガラス転移点を有するポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは軟化または溶融状態で高い透明度を示す。結着樹脂がポリエステルである場合、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が重ね合わされた多色トナー像を、後述する定着部6で記録媒体8に定着させると、ポリエステル自体は透明化するので、減法混色によって十分な発色が得られる。
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術に用いられるトナー用顔料、および染料を使用できる。トナー顔料としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料等の有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロムおよびベルリンブルーなどの無機系顔料、ならびにアルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。トナー顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
離型剤としては、たとえば、ワックスを使用できる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
トナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤および導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有してもよい。
トナーは、粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法などの公知の方法で製造できる。粉砕法では、着色剤および離型剤などを結着樹脂と溶融混練して粉砕することでトナーを得る。懸濁重合法では、結着樹脂、着色剤および離型剤などのモノマーを均一に分散した後、これらのモノマーを重合させることでトナーを得る。乳化凝集法では、結着樹脂、着色剤および離型剤などを凝集剤によって凝集させ、得られる凝集物の微粒子を加熱することでトナーを得る。
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2μm以上7μm以下である。またトナーの体積平均粒径がこのように適度に小さい場合には、記録媒体8に対する被覆率が高くなるので、低付着量での高画質化、およびトナー消費量の低減化を達成できる。
トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不十分になるので、感光体ドラム11に供給されるトナー量の不足や逆極トナーの増加などが発生し、高画質画像が得られないおそれがある。トナーの体積平均粒径が7μmを超えると、定着時に中心部分まで軟化し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、記録媒体8へのトナー像の定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPシートへの定着の場合には、画像が暗くなる。
本実施形態の画像形成装置1で用いられるトナーは、ガラス転移点が60℃であり、軟化点が120℃であり、体積平均粒径が6μmの負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、記録媒体8の表面において5g/m2のトナー量が必要である。
また、トナーは、結着樹脂としてガラス転移点が60℃であり軟化点が120℃のポリエステルを含み、着色剤として各色の顔料をトナー全量の12重量%含み、離型剤としてガラス転移点が50℃であり軟化点が70℃の低分子ポリエチレンワックスをトナー全量の7重量%含む。このトナーに離型剤として用いられる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂として用いられるポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。
キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また、磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないけれども、たとえばスチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂およびフェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは30μm以上50μm以下である。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められたキャリアにおもりで1kg/cm2の荷重を掛け、おもりと底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることで得られる値である。キャリアの抵抗率が低いと、現像スリーブ17yにバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム11yにキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g以上60emu/g以下、さらに好ましくは15emu/g以上40emu/g以下である。磁化強さは現像スリーブ17yの磁束密度にもよるけれども、現像スリーブ17yの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、感光体ドラム11yと非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。
2成分現像剤16y,16m,16c,16bにおけるトナーとキャリアとの混合割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択すればよい。
(中間転写部)
図1に示すように、中間転写部3は、中間転写ベルト21と、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bと、支持ローラ23,24,25と、ベルトクリーナ26とを含む。本実施形態では、中間転写部3と、後述する2次転写部4とによって、転写手段を構成する。
中間転写ベルト21は、支持ローラ23,25と後述する支持ローラ24との間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状の像担持体である。中間転写ベルト21は、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で、矢符27の方向に、すなわち、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに臨む像担持面が、感光体ドラム11yから感光体ドラム11bに向って移動するように回転駆動される。
中間転写ベルト21には、たとえば厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト21の材料としてはポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルおよびポリプロピレンなどの合成樹脂、または各種ゴムなどから構成されるフィルムを使用できる。
合成樹脂または各種ゴムから構成されるフィルム中には、中間転写ベルト21の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラックおよびグラファイトカーボンなどの導電材が配合される。また中間転写ベルト21には、トナーに対する付着力の弱いフッ素樹脂組成物、またはフッ素ゴムなどから構成される被覆層が設けられていてもよい。被覆層の構成材料としては、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。被覆層には導電材が配合されていてもよい。
中間転写ベルト21の像担持面は、中間転写ベルト21の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接するが、中間転写ベルト21の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナー像の中間転写位置である。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bは、それぞれ、中間転写ベルト21を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向するように設けられるローラ状部材である。かつ中間転写ベルト21における像担持面の反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、たとえば金属製軸体と、金属製軸体の表面に形成される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。
金属製軸体は、たとえばステンレス鋼などの金属によって構成される。金属製軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8mm以上10mm以下である。
導電性層は、導電性の弾性体などによって構成される。導電性の弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえばカーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、発泡EPDMおよび発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト21に高電圧が均一に印加される。
中間転写ローラ22y,22m,22c,22bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナー像を中間転写ベルト21上に転写するために、トナーの帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナー像が中間転写ベルト21の像担持面に順次重ね合わさって転写され、多色のトナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色の一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニット10のみにおいてトナー像が形成される。
支持ローラ23,24,25は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト21を張架して矢符27の方向に回転駆動させる。支持ローラ23,25には、たとえば直径30mm、および肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。このうち、支持ローラ24は、中間転写ベルト21を介して後述する2次転写ローラ28に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。
ベルトクリーナ26は、中間転写ベルト21の像担持面上のトナー像を後述の2次転写部4において記録媒体8に転写した後に、像担持面上に残存するトナーを除去する部材であり、中間転写ベルト21を介して支持ローラ25に対向するように設けられる。
中間転写部3によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナー像は、中間転写ローラ22y,22m,22c,22bにトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。これによって、中間転写ベルト21の像担持面の所定位置に重ね合わされて中間転写され、多色のトナー像が形成される。このトナー像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体8に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト21の像担持面に残留するトナー、および紙粉などがベルトクリーナ26によって除去され、中間転写ベルト21の像担持面には再度多色のトナー像が転写される。
(2次転写部)
2次転写部4は、支持ローラ24と、2次転写ローラ28とを含む。支持ローラ24は、中間転写ベルト21を張架する機能と共に、中間転写ベルト21上の多色のトナー像を記録媒体8に2次転写させる機能を有する。2次転写ローラ28は、中間転写ベルト21を介して支持ローラ24に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。
2次転写ローラ28は、たとえば、金属製軸体と、金属製軸体の表面に形成される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえばステンレス鋼などの金属によって形成される。導電性層は、導電性弾性体などによって形成される。
導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえばカーボンブラックなどの導電材を含む、EPDM、発泡EPDMおよび発泡ウレタンなどが挙げられる。2次転写ローラ28には図示しない電源が接続され、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。支持ローラ24と中間転写ベルト21と2次転写ローラ28との圧接部が2次転写ニップ部である。
2次転写部4によれば、中間転写ベルト21上のトナー像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、後述する記録媒体供給部5から送給される記録媒体8が2次転写ニップ部に搬送される。そして、2次転写ニップ部において多色のトナー像と記録媒体8とが重ね合わされ、2次転写ローラ28にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、未定着のトナー像が記録媒体8に2次転写される。そして、未定着トナー像を担持した記録媒体8は、定着部6に搬送される。
(記録媒体供給部)
記録媒体供給部5は、記録用紙収容トレイ42と、記録用紙搬出ローラ43と、搬送ローラ44a,44bと、搬送路Pとを含む。記録用紙収容トレイ42は、記録媒体である記録媒体8を収容する。記録用紙搬出ローラ43は、記録用紙収容トレイ42に収容されている記録媒体8を搬出する。搬送ローラ44a,44bは、搬出された記録媒体8を2次転写部4へ搬送する。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:画像形成装置
2:画像形成部
3:中間転写部
4:2次転写部
5:記録媒体供給部
6:定着部
8:記録媒体
10,10y,10m,10c,10b:作像ユニット
11,11y,11m,11c,11b:感光体ドラム
12y,12m,12c,12b:帯電ローラ
13y,13m,13c,13b:光走査ユニット
14y,14m,14c,14b:現像装置
15y,15m,15c,15b:ドラムクリーナ
16y,16m,16c,16b:2成分現像剤
17y:現像スリーブ
18y:層厚規制部材
21:中間転写ベルト
22y,22m,22c,22b:中間転写ローラ
23,24,25:支持ローラ
26:ベルトクリーナ
28:2次転写ローラ
42:記録用紙収容トレイ
43:記録用紙搬出ローラ
44a,44b:搬送ローラ
50:定着ローラ
51:芯金
52:弾性層
53:表面層
55:定着ニップ部
60:加圧ローラ
61:芯金
62:弾性層
63:表面層
64:加熱手段
71:定着ベルト
72:基材層
73:弾性層
74:離型層
76:サーミスタ
77:テンションローラ
80:加熱部材
81:伝熱部材
82:面状発熱体
83:断熱部材
84:押圧部材
85:補強部材
86:抵抗発熱体
87:導通部
88:端部電極
90:対向部材
91:芯金
92:弾性層
93:表層
96:クリーニングウェブ

Claims (15)

  1. トナー画像が転写されたシートを加熱しそのトナー画像をシートに定着させる無端状ベルトと、前記無端状ベルトを回動可能に懸架する懸架部材とを含んでなる定着装置において、
    前記無端状ベルトの回動方向と直交する幅方向にのび、通電により発熱する面状発熱体と、
    前記面状発熱体と前記無端状ベルトとのいずれにも接触するように配置され伝熱部材として機能する剛体と、
    前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材とを備え、
    前記面状発熱体は、幅方向に細長い基板と、その基板の表面に形成され基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の複数の箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなり、
    前記押圧部材は、基板長手方向において隣り合う前記導通部の間の位置であって、前記導通部が形成された箇所を避けた位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てることを特徴とする定着装置。
  2. 前記押圧部材は、隣り合う前記導通部の間にあっていずれの導通部からも10mm以上離れた位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記剛体の一端は、各抵抗発熱層の一端と基板長手方向において略等しい位置にあり、前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間の位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間かつ前記一端と前記導通部とのの位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる請求項に記載の定着装置。
  5. 前記押圧部材は、各抵抗発熱層の一端とその一端に最も近くの導通部との間かつ前記一端から10mm以内にあるいずれかの位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる請求項に記載の定着装置。
  6. 前記面状発熱体は、板厚が略0.8mmのセラミック材の基板上に厚さ略10μmの銀・パラジウムからなる抵抗発熱層を形成してなる請求項またはに記載の定着装置。
  7. 前記押圧部材は弾性体からなる請求項1〜のいずれか一つに記載の定着装置。
  8. 前記押圧部材はステンレスの板バネからなる請求項に記載の定着装置。
  9. 前記剛体がアルミニウムからなる請求項1〜のいずれか一つに記載の定着装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一つに記載の定着装置を備えてなる画像形成装置。
  11. 幅方向に細長い基板と、その基板の表面に形成され基板長手方向にのびる複数本の並列な抵抗発熱層と、各抵抗発熱層の一端部と他端部との間に挟まれた中間部の複数の箇所に形成されて異なる抵抗発熱層を基板短手回動方向に接続する導通部とを含んでなり通電により発熱する面状発熱体と、
    前記面状発熱体からの熱を加熱すべき物体に伝えるため前記物体と接触する剛体と、
    前記面状発熱体を前記剛体に押し当てる押圧部材とを備え、
    前記押圧部材は、基板長手方向において隣り合う前記導通部の間の位置であって、前記導通部が形成された箇所を避けた位置で前記面状発熱体を前記剛体に押し当てることを特徴とする加熱装置。
  12. 前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材とをさらに備え、
    前記対向部材は、前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧する請求項1に記載の定着装置。
  13. 前記対向部材は、前記無端状ベルトをクリーニングするクリーニング部材を兼ねる請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記無端状ベルトを介して前記剛体と対向するように配置される対向部材をさらに備え、
    前記懸架部材は複数あって、前記剛体および前記対向部材は二つの懸架部材の間に配置され、
    前記対向部材は前記剛体に向けて前記無端状ベルトを加圧する請求項1に記載の定着装置。
  15. 前記対向部材は、前記無端状ベルトをクリーニングするクリーニング部材を兼ねる請求項14に記載の定着装置。
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