JP2010085787A - 定着装置およびこの定着装置を用いた画像形成装置 - Google Patents

定着装置およびこの定着装置を用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能な定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 定着ユニット15は、定着ローラ15aと、加圧ローラ15bと、無端状の定着ベルト20と、定着ベルト20を懸架し加熱するための加熱ローラ21と、加圧ローラ15bの表面を加熱するための外部加熱ローラ22を備える。定着ローラ15a用の外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、加圧ローラ15b用の外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、0.4<Rp/Rc<1.68を満足するように構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置およびこの定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方のローラまたはいずれか一方のローラの内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によりローラ対を所定の温度(定着温度)にまで加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録紙をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。
ところで、カラー画像形成装置に備えられる定着装置においては、定着ローラの表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラ表面が、未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形し、未定着トナー像全体を覆い包むように接触するため、単色の未定着トナー像に比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して良好に加熱定着を行うことが可能となる。また、定着ニップ部での弾性層の歪み解放効果により、単色のトナー像に比べてオフセットしやすいカラーのトナー像に対して離型性を向上することができる。具体的には、定着ニップ部で圧縮され、歪の生じた弾性層は、定着ニップ部の出口で、その歪が解放されるので、定着ニップ部の出口では、弾性層とトナー像との間にずれが生じ、その結果、弾性層のトナー像に対する付着力が低減され、離型性が向上する。また、定着ニップ部における定着ローラおよび加圧ローラの形状であるニップ形状が、定着ローラ側に凸(逆ニップ形状)となるので、定着ローラと記録媒体との剥離性能を向上させることができる。したがって、定着ローラと記録媒体とを剥離する剥離手段としてたとえば剥離爪を用いることなく記録媒体と定着ローラとの剥離が可能なセルフストリッピングを実現することができるので、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
このようなフルカラー印刷の可能な画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するためには定着ニップ部の幅(以下「定着ニップ幅」という)を広くする必要がある。定着ニップ幅を広くする手段として、弾性ローラの弾性層を厚くする、弾性ローラ径を大きくするという2つの方法が挙げられる。しかし、弾性ローラの弾性層の熱伝導性は非常に低いので、弾性ローラの弾性層を厚くすると、従来の弾性ローラのように弾性ローラ内部に加熱手段があると、ウォームアップ時間が長くなり、またプロセス速度を高速化すると、定着ローラの温度が定着温度に追従しなくなる問題がある。また、弾性ローラ径を大きくすると、加熱手段の消費電力が増大する問題がある。
このような問題を解決するために、定着ローラ表面に外部加熱手段を当接し、定着ローラを外部から加熱する技術(外部加熱定着方式)が使用されるようになっていきている。
たとえば、特許文献1には、外部加熱手段として無端ベルトを用いる外部ベルト加熱定着方式の定着装置が提案されている。
また、特許文献2には、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを掛け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させた構成のベルト定着方式が提案されている。このベルト定着方式も、加熱ローラで加熱した定着ベルトを定着ローラの表面(外側)に搬送することで、定着ローラを外部から加熱している構成と捉えることができ、外部加熱方式の一種である。
このような外部ベルト加熱定着方式、ベルト定着方式などの外部加熱方式では、熱容量の小さなベルトを用いて定着ローラを外部から加熱するためウオームアップ時間が短く、また定着ローラに低硬度の弾性層を厚く設けることができ、広いニップ幅を確保することができる。
このような外部加熱方式のカラー定着装置では、未定着トナー像と接する定着ローラのみを外部加熱し、加圧ローラは従来と同じく加圧ローラを内部から加熱している場合がほとんどである。その結果、定着ローラに比べて加圧ローラの昇温速度が遅く、いくら定着ローラを外部加熱して昇温速度を高めても、加圧ローラの昇温速度が律速となり、結局はウオームアップ時間の大幅な短縮は達成できないという問題があり、これは高速機になるほど顕著となる。
このような外部加熱方式のカラー定着装置の問題を解決するために、たとえば特許文献3〜5に記載されるように、ベルト定着装置において加圧ローラにも外部加熱手段を当接し外部から加熱する定着装置が提案されている。
特開2007−212896号広報 特開2007−279344号公報 特開2004−29360号広報 特開2004−212417号公報 特開2006−243334号公報
しかしながら、本件発明者らが鋭意検討した結果、ベルト定着装置の加圧部材に外部加熱手段を設けたとしても、外部加熱手段の熱容量や、外部加熱手段への投入電力が適切に設定されていないと、かえって外部加熱手段自身が熱負荷となってしまい、ウオームアップ時間が長くなったり、また定着部材側の投入電力が減ることによって定着部材の温度追従性が悪化し、連続通紙した場合に定着不良が発生する等の課題があることがわかった。
本発明の目的は、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能な定着装置、およびこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することである。
本発明は、互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
0.5<Rp/Rc<1.6
を満足することを特徴とする定着装置である。
また本発明は、互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成され、
前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
0.4<Rp/Rc<1.68
を満足することを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記Rp/Rcは、
0.64<Rp/Rc<1.52
を満足することを特徴とする。
また本発明は、互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成され、
前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
0.48<Rp/Rc<2.0
を満足することを特徴とする定着装置である。
また前記Rp/Rcは、
0.76<Rp/Rc<1.57
を満足することを特徴とする。
また本発明は、互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、
前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
0.40<Rp/Rc<1.85
を満足することを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記Rp/Rcは、
0.45<Rp/Rc<1.54
を満足することを特徴とする。
また本発明は、前記定着部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPf1、定着動作時の投入電力をPf2とし、前記加圧部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPp1、定着動作時の投入電力をPp2としたとき、
Pf1+Pp1>Pf2+Pp2
を満足することを特徴とする。
また本発明は、ウオームアップ時のRp/Rcの設定値と、定着動作時のRp/Rcの設定値とを切り替えることを特徴とする。
また本発明は、前記定着部材または加圧部材の少なくとも一方は、記録媒体に直接接触するローラ形状を有することを特徴とする。
また本発明は、前記外部加熱手段は、記録媒体と直接接触しない外部加熱ローラまたは外部加熱ベルトであり、該外部加熱手段にクリーニング手段が当接していることを特徴とする。
また本発明は、前記クリーニング部材がクリーニングウエブであることを特徴とする。
また本発明は、前記クリーニング部材がスクレーパーであることを特徴とする。
また本発明は、前記の定着装置を備えた画像形成装置である。
本発明によれば、定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、0.5<Rp/Rc<1.6を満足するように構成される。
これにより、それぞれの外部加熱手段の熱容量に応じて、最適な電力が割り振られることになるため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能となる。
また本発明によれば、定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段が、前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段が、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成される。
定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、0.4<Rp/Rc<1.68を満足するように構成され、より好ましくは、0.64<Rp/Rc<1.52である。
これにより、それぞれの外部加熱手段の熱容量に応じて、最適な電力が割り振られることになるため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能となる。
また本発明によれば、定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段が、前記定着部材表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段が、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成される。
定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、0.48<Rp/Rc<2.0を満足するように構成され、より好ましくは、0.76<Rp/Rc<1.57である。
これにより、それぞれの外部加熱手段の熱容量に応じて、最適な電力が割り振られることになるため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能となる。
また本発明によれば、定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段が前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段が、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成される。
定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、0.40<Rp/Rc<1.85を満足するように構成され、より好ましくは、0.45<Rp/Rc<1.54である。
これにより、それぞれの外部加熱手段の熱容量に応じて、最適な電力が割り振られることになるため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能となる。
また本発明によれば、前記定着部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPf1、定着動作時の投入電力をPf2とし、前記加圧部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPp1、定着動作時の投入電力をPp2としたとき、Pf1+Pp1>Pf2+Pp2を満足するように構成される。
ウオームアップ時は、定着動作時に比べて画像形成装置の動作に必要な電力が少ないため、通常、定着動作時よりも多くの電力を定着装置に投入ことができる。この電力の増分を外部加熱手段に割り当てることで、装置全体としての消費電力を増やすことなく、ウオームアップ時間の短縮が可能となる。
また本発明によれば、ウオームアップ時のRp/Rcの設定値と、定着動作時のRp/Rcの設定値とを切り替えることで、ウオームアップ時間の短縮と定着性の両立をより確実に実現することができる。
また本発明によれば、前記定着部材または加圧部材の少なくとも一方は、記録媒体に直接接触するローラ形状を有する。
ベルト部材は通常、従動で回転させる必要があるため、定着部材、加圧部材の双方にベルト部材を巻きかけた構成の場合、ベルト部材を安定的に回転搬送することが困難となる。定着部材、加圧部材の少なくとも一方が直接に記録媒体と接触するローラ形状の場合、そのローラ形状の部材を回転駆動することで、それと接するベルト部材を安定的に回転させることができる。
また本発明によれば、前記外部加熱手段は、記録媒体と直接接触しない外部加熱ローラまたは外部加熱ベルトであり、該外部加熱手段にクリーニング手段が当接している。
外部加熱手段が定着ベルトなどの直接に記録媒体と接する場合、外部加熱手段にトナーが付着したとしても、定着ニップ部で記録媒体に再付着することでクリーニングされるため、必ずしもクリーニング手段を設ける必要がない。しかしながら、外部加熱ローラまたは外部加熱ベルトなどの直接に記録媒体と接触しない構成では、外部加熱部材にトナーが付着すると、付着汚れが時間の経過とともに蓄積され、蓄積されたトナーが逆付着することで、記録媒体がトナーで汚れ、画像欠陥を引き起こしてしまう。そこで、外部加熱手段にクリーニング手段を設けることでこのような画像欠陥を解消することができる。
また、従来、定着部材、加圧部材にクリーニング手段を設ける必要があった場合でも、外部加熱手段が定着部材、加圧部材に対するクリーニング手段を兼ねることで、定着部材、加圧部材に対して必要であったクリーニング部材は不要となる。
また本発明によれば、前記クリーニング部材がクリーニングウエブまたはスクレーパーである。
クリーニング部材がクリーニングローラなどの熱容量の大きな部材であった場合、外部加熱手段の熱容量の増加に繋がり、外部加熱性能が低下する、定着部材と加圧部材の外部加熱手段の熱容量バランスが崩れてしまう、クリーニングしたトナーが、クリーニングローラ上に留まるため、逆付着して画像欠陥を引き起こすおそれがある。
これに対して、クリーニングウエブ、スクレーパーは熱容量が小さく、クリーニングしたトナーの逆付着もないので、上記のような問題が発生しない。
また本発明によれば、上記の定着装置を備えることにより、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保の両立が可能な画像形成装置を実現できる。
図1は、本発明の実施の一形態であるカラー複合機100の構成を示す概略図である。本実施の形態では、本発明の画像形成装置をカラー複合機に適用した例を示す。
本実施の形態に係るカラー複合機100は、図1に示すように、光学系ユニットE、第1〜第4可視像形成ユニットpa、pb、pc、pd、中間転写ベルト11、二次転写ユニット14、定着ユニット15、内部給紙ユニット16および手差し給紙ユニット17を備えている。
第1可視画像形成ユニットpaは、感光体101aと、現像ユニット102aと、帯電ユニット103aと、1次転写ユニット13aとを含み、これらのユニットで感光体101aにトナー像を形成し、それを中間転写ベルト11に転写する。第1可視画像形成ユニットpaは、像担持体となる感光体101aの周囲に、帯電ユニット103a、現像ユニット102aおよびクリーニングユニット104aを配置する。第2〜第4可視像形成ユニットpb、pc、pdは、第1可視画像形成ユニットpaと同様の構成であり、各ユニットの現像ユニットにはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色トナーが収容されている。光学系ユニットEは光源4からのデータが4組の感光体101a、101b、101c、101dに届くように配置されている。
中間転写ベルト11には、上述の各色のトナー像が転写されて、カラートナー像が形成される。中間転写ベルト11は、テンションローラ11a、11bによってたわむことなく配置され、テンションローラ11b側に廃トナーボックス12が当接して配置される。
2次転写ユニット14は、中間転写ベルト11に形成されたカラートナー像を記録媒体に転写する。テンションローラ11a側に2次転写ユニット14が当接して配置される。
定着ユニット15は定着部材15a、加圧部材15bから構成され、図示していない加圧手段により所定の圧力で圧接されており、2次転写ユニット14の下流に配置されている。
以下に、本実施形態の画像形成装置100を用いた画像形成の工程を記載する。
感光体101a表面を帯電ユニット103aで一様に帯電した後、光学系ユニットEにより感光体101a表面を画像情報に応じてレーザー露光し静電潜像を形成する。帯電ユニット103aとしては、感光体101a表面を一様に、またオゾンを極力発生させることなく帯電するために、帯電ローラ方式を採用している。その後現像ユニット102aにより感光体101a上の静電潜像に応じたトナー像を現像し、この顕像化されたトナー像をトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された1次転写ユニット13aにより中間転写ベルト11上に転写する。他の3組の第2〜第4可視像形成ユニットpb、pc、pdも同様に動作し順次中間転写ベルト11上に転写するようになっている。
中間転写ベルト11上のトナー像は2次転写ユニット14まで搬送され、別途、内部給紙ユニット16の給紙ローラ16aまたは手差し給紙ユニット17の給紙ローラ17aから給紙された記録媒体に、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されて転写される。
転写されたトナー像を担持する記録媒体は、定着ユニットに搬送され、定着ローラおよび加圧ローラによって充分に加熱されて、トナー像が記録媒体に融着し、外部へ排出される。
本発明の定着装置について説明する。定着装置は、上記定着ユニット15として実現され、以下のような3種の実施態様を有する。
<第1態様>
図2は、第1態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。第1態様は、ベルト定着方式を採用した定着装置である。
図2に示すように、定着ユニット15は、定着ローラ15aと、加圧ローラ15bと、無端状の定着ベルト20と、定着ベルト20を懸架し加熱するための加熱ローラ21と、加圧ローラ15bの表面を加熱するための外部加熱ローラ22と、加熱ローラ21を加熱するための熱源であるヒータランプ26A,Bと、加圧ローラ15bを加熱するための熱源であるヒータランプ26Cと、外部加熱ローラ22を加熱する熱源であるヒータランプ26Dと、定着ベルト20、加圧ローラ15b、外部加熱ローラ22の温度をそれぞれ検出する温度検出手段を構成する温度センサとしてのサーミスタ27A〜27Dと、外部加熱ローラ22をクリーニングするためのクリーニングウエブ23とを備えている。なお、ヒータランプ26Aは、加熱ローラ21の幅方向中央部を加熱するための熱源であり、ヒータランプ26Bは加熱ローラ21の幅方向両端部を、それぞれ加熱するための熱源である。
定着ユニット15は、記録媒体Pの表面に形成された未定着のトナー像Tを、熱および圧力によって記録媒体Pに定着させる。定着は、定着ベルト20と加圧ローラ15bとが圧接する定着ニップ部Nにおいて、所定の定着速度および複写速度で未定着トナー像を担持した記録媒体Pが搬送され、熱と圧力とによって行われる。たとえば、定着速度は220mm/sec、複写速度は50枚/分(A4横送りの場合)である。
未定着のトナー像Tは、たとえば、非磁性トナーを含む非磁性1成分現像剤、非磁性トナーおよびキャリアを含む非磁性2成分現像剤、磁性トナーを含む磁性現像剤などの現像剤に含まれるトナーで形成される。
定着部材である定着ローラ15aは、軸線まわりに回転可能に設けられ、図示しない駆動モータ(駆動手段)によって回転駆動されるローラ状部材である。定着ローラ15aは、定着ベルト20を介して加圧ローラ15bに圧接することで定着ニップ部Nを形成すると同時に、回転することによって定着ベルト20を周方向に搬送する。
定着ローラ15aは、たとえば、直径が30mmで、その内側から順に芯金、弾性層が形成された2層構造からなり、芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。なお本実施態様では、芯金に直径15mmのステンレス鋼、弾性層に厚さ7.5mmのシリコンスポンジゴムを用いている。
加圧部材である加圧ローラ15bは、定着ベルト20を介して定着ローラ15aに圧接可能に設けられるローラ状部材である。加圧ローラ15bは、定着ローラ15aの回転に従動して回転する。したがって、加圧ローラ15bは定着ローラ15aとは逆方向に回転する。
加圧ローラ15bの内部には、加圧ローラ15bを加熱するヒータランプ26Cが配置される。図示しない制御回路が図示しない電源回路からヒータランプ26Cに電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ26Cが発光し、ヒータランプ26Cから赤外線が放射される。これによって、加圧ローラ15bの内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ15b全体が加熱される。
加圧ローラ15bは、その内側から順に芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造からなる。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅などの金属またはそれらの合金等など用いられる。弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料、また離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。本実施態様では、加圧ローラ15bの直径は30mmで、芯金に直径24mm、肉厚2mmの鉄(STKM)、弾性層に厚さ3mmのシリコンソリッドゴム、離型層に厚さ30μmのPFAチューブを用いる。
定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bは、所定の荷重、たとえば、本実施態様では400Nで互いに圧接されて、定着ベルト20を介して、定着ローラ15aと加圧ローラ15bとが互いに当接する定着ニップ部Nを形成する。たとえば、定着ニップ部Nの記録紙搬送方向の幅(以下「ニップ幅」という)は8mmである。この定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録紙Pを給紙し、定着ニップ部Nを通過させることで、記録紙Pにトナー画像が定着される。記録紙Pが定着ニップ部Nを通過する際、定着ベルト20は記録紙Pのトナー像形成面に当接し、加圧ローラ15bは記録紙Pにおけるトナー像形成面とは反対側の面に当接する。
定着ベルト20は、加熱ローラ21によって所定の温度に加熱されて、定着ニップ部Nを通過する未定着トナー像が担持された記録紙Pを加熱するためのものである。定着ベルト20は、直径50mmで加熱ローラ21と定着ローラ15aとに懸架されている。定着ベルト20は、定着ローラ15aが回転すると、定着ローラ15aの回転に従動して矢印の方向に回転する。
定着ベルト20は、ポリイミドなどの耐熱樹脂、またはステンレスおよびニッケルなどの金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に弾性層として耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料(たとえばシリコンゴム)が形成され、さらにその表面に離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(たとえばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された3層構成となっている。基材のポリイミドには、フッ素樹脂を内添してもよい。こうすることで、加熱ローラ21との間の摺動負荷を更に低減することができる。本実施態様の定着ベルト20は、基材に厚さ70μmのポリイミド、弾性層に厚さ150μmのシリコンゴム、離型層に厚さ30μmのPFAチューブを用いる。
加熱ローラ21は、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材からなる。なお、定着ベルト20の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施態様の加熱ローラ21は、直径30mmで、厚さ0.75mmのアルミニウム製芯材の上に厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いている。
外部加熱ローラ22は、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材にフッ素樹脂等の離型層が形成された2層構造からなる。なお、本実施態様の外部加熱ローラ22は、直径20mmで、厚さ0.5mmのアルミニウム製芯材の上に厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いている。
加圧ローラ15bを外部加熱するための外部加熱ローラ22を備えていないベルト定着装置を低速機(プロセス速度124mm/sec、複写速度25枚/分)に用いた場合、加圧ローラ15b側のターゲット温度(目標温度)が低く、外部加熱手段がない従来のベルト定着装置においても、定着ベルト20側とほぼ同時に加圧ローラ15b側のウオームアップが完了する。この場合、外部加熱手段を設けても、ウオームアップ時間の短縮には繋がらない。
また、高速機(プロセス速度220mm/sec、複写速度50枚/分)では、加圧ローラ15b側のターゲット温度が高く、外部加熱ローラ22を備えていないベルト定着装置では、加圧ローラ15b側の昇温速度がウオームアップ時の律速となる。ここで、加圧ローラ15b側に外部加熱ローラ22があれば、定着ベルト20がターゲット温度に到達するまでは、定着ベルト20側に全電力が投入され、外部加熱ローラ22には電力が回らないため、外部加熱ローラ22が熱負荷となり加圧ローラ15b側の昇温は若干遅くなるものの、定着ベルト20側がターゲット温度に到達した後は、外部加熱ローラ22に電力が回せるため、加圧ローラ15b側の昇温は速くなる。その結果、トータルのウオームアップ時間としては短縮されることになる。
<第2態様>
図3は、第2態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。第2態様は、外部ベルト加熱定着方式を採用した定着装置である。
図3に示すように、定着ユニット15は、定着ローラ15aと、加圧ローラ15bと、定着ローラ用の外部加熱部材としての無端状の外部加熱ベルト24と、外部加熱ベルト24を懸架し加熱するための加熱ローラ(懸架ローラ)21A,Bと、加圧ローラ15b用の外部加熱部材としての外部加熱ローラ22と、加熱ローラ21A,Bをそれぞれ加熱するための熱源であるヒータランプ28A,Bと、定着ローラ15aを加熱するための内部熱源であるヒータランプ28Cと、加圧ローラ15bを加熱するための内部熱源であるヒータランプ28Dと、外部加熱ローラ22を加熱するための熱源であるヒーターランプ28Eと、定着ローラ15a、加圧ローラ15b、外部加熱ベルト24、外部加熱ローラ2のそれぞれの温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとしてのサーミスタ29A〜29Dと、外部加熱ローラ22をクリーニングするためのクリーニングウエブ23と、外部加熱ベルト24をクリーニングするためのスクレーパー25とを備えている。
定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bは、所定の荷重(たとえば、本実施態様では360N)で互いに圧接されて、両ローラ間に定着ニップ部Nを形成している。なお、本実施態様では第1態様と同じくニップ幅を8mmとしている。この定着ニップ部Nに未定着トナー像Tを担持した記録紙Pを給紙し、定着ニップ部Nを通過させることで、記録紙Pにトナー像Tが定着されるようになっている。記録紙Pが定着ニップ部Nを通過する時には、定着ローラ15aは記録紙Pのトナー像形成面に当接する一方、加圧ローラ15bは記録紙Pにおけるトナー像形成面とは反対側の面に当接するようになっている。
定着ローラ15aは、所定の温度(本実施態様では180℃)に加熱されて、定着ニップ部Nを通過する未定着トナーT像が担持された記録紙Pを加熱するためのものである。定着ローラ15aは、その内側から順に、芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造からなる。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、離型層にはPFAやPTFE等のフッ素樹脂が適している。なお、本実施態様の定着ローラ15aは外径40mmで、離型層に厚さ40μmのPFAチューブ、弾性層に厚さ2.5mmのシリコンゴム、芯金に厚さ2mmのアルミニウムを用いている。
また、定着ローラ15aの内部には、定着ローラ15aを加熱するヒータランプ28Cが配置されている。制御回路(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ28Cに電力を供給(通電)させることにより、ヒータランプ28Cが発光し、ヒータランプ28Cから赤外線が放射される。これにより、定着ローラ15aの内周面が赤外線を吸収して加熱され、定着ローラ15a全体が加熱される。
加圧ローラ15bも定着ローラ15aと同様、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等の外周表面にシリコンゴム等の弾性層を有し、さらにその上にPFA等の離型層が形成されている。なお、本実施態様の加圧ローラ15bは外径40mmで、離型層に厚さ40μmのPFAチューブ、弾性層に厚さ2.5mmのシリコンゴム、芯金に厚さ2mmのアルミニウムを用いている。
また、加圧ローラ15bの内部には、加圧ローラ15bを加熱するヒータランプ28Dが配置されている。このヒータランプ28Dによって、定着ローラ15aと同様、加圧ローラ15b全体が加熱される。
外部加熱ベルト24は、所定の温度(本実施態様では220℃)に加熱された状態で定着ローラ15aの表面に当接して、定着ローラ15a表面を加熱するものである。外部加熱ベルト24は、2本の加熱ローラ21A,Bに懸架されている。また、加熱ローラ21A,Bの内部には、加熱ローラ21A,Bを加熱するための加熱源としてのヒータランプ28A,Bが配置されている。制御回路が電源回路からヒータランプ28A,Bに電力を供給させることにより、ヒータランプ28A,Bが発光し赤外線が放射される。これにより、加熱ローラ21A,Bの内周面が加熱され、加熱ローラ21A,Bを介して間接的に外部加熱ベルト24が加熱されるようになっている。
外部加熱ベルト24は、定着ローラ15aの回転方向に対し定着ニップ部Nの下流側に設けられ、所定の押圧力(本実施態様では40N)で定着ローラ15aに圧接されるようになっている。そして、定着ローラ15aとの間に加熱ニップ部(定着ローラと外部加熱ベルトとが互いに当接する部分)N1が形成されている。外部加熱ベルト24は、定着ローラ15aの回転時には、定着ローラ15aに従動して回転するようになっており、この外部加熱ベルト24の回転に従動して加熱ローラ21A,Bも回転するようになっている。なお、加熱ニップ部N1の加熱ニップ幅(加熱ニップ部の定着ローラ回転方向の幅)は、外部加熱ベルト24が定着ローラ15aを適切に加熱することができ、かつ外部加熱ベルト24を定着ローラ15aに適切に従動回転させることができるように設定される。本実施態様では、加熱ニップ幅を20mmとしている。
外部加熱ベルト24は、ポリイミド等の耐熱樹脂あるいはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(たとえばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された2層構成となっている。なお、外部加熱ベルト24の寄り力(外部加熱ベルトを回転方向に対して直交する方向に移動させるように作用する力)を低減するために、ベルト基材の内面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。なお、本実施態様の外部加熱ベルト24としては直径が31.5mmで、厚さ90μmのポリイミドに厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いている。
加熱ローラ21A,Bは、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材からなる。なお、外部加熱ベルト24の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施態様の加熱ローラとしては直径16mmで、厚さ1.5mmのアルミニウム製芯材を用いている。
外部加熱ローラ22は、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材にフッ素樹脂等の離型層が形成された2層構造からなる。本実施態様の外部加熱ローラ22としては直径20mmで、厚さ0.5mmのアルミニウム製芯材の上に厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いている。
各サーミスタ29A〜29Dにより検出された温度データに基づいて、温度制御手段としての制御回路(図示せず)が、定着ローラ15a、加圧ローラ15b、外部加熱ベルト24、外部加熱ローラ22の温度を所定の温度にするように、ヒータランプ28A〜28Eへの供給電力(通電)を制御する。
そして、定着ニップ部Nに所定の定着速度および複写速度で未定着トナー像Tが形成された記録紙Pが搬送され、熱と圧力によって定着が行われる。なお、定着速度とは所謂プロセス速度のことである。また、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。これらの速度は特に限定されるものではないが、本実施形態では、定着速度225mm/sec、複写速度40枚/分(A4縦送り)としている。
なお、定着ローラ15aは、図示しない駆動モータ(駆動手段)によって回転駆動される。また、加圧ローラ15bは、定着ローラ15aの回転に従動して回転する。したがって、定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bは、互いに逆方向に回転される。これにより、記録紙Pが定着ニップ部Nを通過するようになっている。
<第3態様>
図4は、第3態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。第3態様は、第1態様のベルト定着方式と、第2態様の外部ベルト加熱定着方式とを複合して採用した定着装置である。
図4に示すように、本態様の定着ユニット15は、第1態様の定着ユニット15において、加圧ローラ15bを加熱する外部加熱ローラ22を外部加熱ベルト24に置き換えた構成であり、それ以外の構成については第1態様と同じであるので、説明を省略する。
外部加熱ベルト24は、所定の温度(本実施態様では185℃)に加熱された状態で加圧ローラ15b表面に当接して、加圧ローラ15b表面を加熱するものである。外部加熱ベルト24は、2本の加熱ローラ21A,Bに懸架されている。また、加熱ローラ21A,Bの内部には、加熱ローラ21A,Bを加熱するための加熱源としてのヒータランプ28A,Bが配置されている。制御回路(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ28A,Bに電力を供給させることにより、ヒータランプ28A,Bが発光し赤外線が放射される。これにより、加熱ローラ21A,Bの内周面が加熱され、加熱ローラ21A,Bを介して間接的に外部加熱ベルト24が加熱されるようになっている。
外部加熱ベルト24は、加圧ローラ15bの回転方向に対し定着ニップ部Nの下流側に設けられ、所定の押圧力(本実施態様では40N)で加圧ローラ15bに圧接されるようになっている。そして、加圧ローラ15bとの間に加熱ニップ部N1が形成されている。外部加熱ベルト24は、加圧ローラ15bの回転時には、加圧ローラ15bに従動して回転するようになっており、この外部加熱ベルト24の回転に従動して加熱ローラ21A,Bも回転するようになっている。なお、加熱ニップ部N1の加熱ニップ幅(加熱ニップ部の加圧ローラ回転方向の幅)は、外部加熱ベルト24が加圧ローラ15bを適切に加熱することができ、かつ外部加熱ベルト24を加圧ローラ15bに適切に従動回転させることができるように設定される。本実施態様では、加熱ニップ幅を20mmとしている。
外部加熱ベルト24は、ポリイミド等の耐熱樹脂あるいはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(たとえばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された2層構成となっている。なお、外部加熱ベルト24の寄り力(外部加熱ベルトを回転方向に対して直交する方向に移動させるように作用する力)を低減するために、ベルト基材の内面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施態様の外部加熱ベルト24としては直径が31.5mmで、厚さ90μmのポリイミドに厚さ20μmのPTFEコートを施したものを用いている。
加熱ローラ21A,Bは、アルミニウムや鉄系材料等からなる中空円筒状の金属製芯材からなる。なお、外部加熱ベルト24の寄り力を低減するために、金属製芯材の表面に、フッ素樹脂等のコーティングを施してもよい。本実施態様の加熱ローラ21A,Bとしては直径16mmで、厚さ0.75mmのアルミニウム製芯材を用いている。
<実施例>
上記のような3種の態様の定着装置を用いて、昇温特性および定着特性を検討した結果を表1から表3に示す。なお、表1は、上記第1態様における検討結果を示し、表2は、上記第2態様における検討結果を示し、表3は、上記第3態様における検討結果を示したものである。
検討方法および評価方法について説明する。定着ローラ側(以下では「上側」とよぶ場合がある)および加圧ローラ側(以下では「下側」とよぶ場合がある)のそれぞれの外部加熱手段に配分する投入電力(電力比率)が各々異なる条件について、定着装置が完全に冷却した状態から上側と下側のトータル投入電力を1100Wとしてウオームアップを行い、ウオームアップが完了した後、トータル投入電力を900Wに変更(電力比率は変更せず)し、直ちに50枚の連続通紙を行うことで、昇温特性(ウオームアップ時間)および定着特性(連続通紙サンプルの定着強度)について評価を行なった。
用紙は坪量80g/mのものを用いて、カラー3層(トナー付着量1.2mg/cm)のベタ画像を定着させたときの定着性を折り曲げ試験により評価した。折り曲げ試験とは、ベタ画像が定着された用紙を通紙方向に対して直交する方向に折り曲げて、折り曲げた部分における定着ベタ画像が剥離された部分の幅の大小を限度見本サンプルと比較する試験であり、剥離部分の幅が小さいほど定着性が優れることを示す。限度見本サンプルには、あらかじめ定着強度が異なる6つのベタ画像を定着させた用紙を折り曲げたものを使用し、画像が剥離した幅の少ない方からレベルS、A、B、C、D、Eとし、レベルB以上を合格とした。
また、用紙の通紙速度(複写速度)としては、各実施態様で上記したのと同様、第1態様および第3態様のベルト定着方式を採用した場合、A4横送りで50枚/minとし、第2態様の外部ベルト加熱定着方式を採用した場合、A4縦送りで40枚/minとした。
さらに比較のため、加圧ローラ15b側に外部加熱手段を設けない構成(以下では「比較用構成」という)の定着装置についても、同様の評価を行なった。具体的には、表1の比較例1−1、比較例1−2、表2の比較例2−1、比較例2−2、表3の比較例3−1、比較例3−2が、比較用構成の定着装置の検討結果である。
ウオームアップ時間の評価としては、比較用構成の定着装置で定着性を満足する条件、すなわち表1では比較例1−2、表2では比較例2−2、表3では比較例3−2でのウオームアップ時間と比較し、
ウオームアップ時間の短縮率が20%以上のものを○
ウオームアップ時間の短縮率が20%未満のものを△、
ウオームアップ時間が短縮されていないものを×、
とした。
実施例および比較例ごとに変更した定着装置の材料特性および動作条件について、以下に説明する。
(1)上外部加熱熱容量Cf
上外部加熱熱容量Cfは、上側(定着ローラ側)の外部加熱手段の熱容量を示す。具体的には、第1および第3態様の場合は、定着ベルト20の熱容量と加熱ローラ21の熱容量の和であり、第2態様の場合は、外部加熱ベルト24の熱容量と加熱ローラ21A,B2本の熱容量の和である。
なお、異なるn種の材質からなる部材の熱容量Cの具体的な算出方法としては、下記のとおりである。
C=V1・Sh1・Sg1+V2・Sh2・Sg2+…+Vn・Shn・Sgn
ここで、Vは体積、Shは比熱、Sgは密度(比重)と示す。
(2)下外部加熱熱容量Cp
下外部加熱熱容量Cpは、下側(加圧ローラ側)の外部加熱手段の熱容量を示す。具体的には、第1および第2態様の場合は、外部加熱ローラ22の熱容量、第3態様の場合は、外部加熱ベルト24の熱容量と加熱ローラ21A,B2本の熱容量の和である。
(3)熱容量比率Rc
上側と下側の外部加熱手段の熱容量の比率である。すなわち、Rc=Cp/Cfである。
(4)上電力Pf
上側(定着ローラ側)の外部加熱手段への投入電力である。具体的には、第1および第3態様の場合は、加熱ローラ21のヒータランプ26Aとヒータランプ26Bの投入電力の和、第2態様の場合は、加熱ローラ21Aのヒータランプ28Aと加熱ローラ21Bのヒータランプ28Bの投入電力の和である。
(5)下電力Pp
下側(加圧ローラ側)の外部加熱手段への投入電力である。具体的には、第1および第2態様の場合は、外部加熱ローラ22のヒータランプ26D,28Eの投入電力、第3態様の場合は、加熱ローラ21Aのヒータランプ28Aと加熱ローラ21Bのヒータランプ28Bの投入電力の和である。
(6)電力比率Rp
上側と下側の外部加熱手段の投入電力の比率である。すなわち、Rp=Pp/Pf×100(%)である。
(7)上ウオームアップ完了時間
ウオームアップ時に定着部材が制御温度に到達するまでの時間である。すなわち、第1および第3態様の場合は、定着ベルト20が所定の制御温度(本検討では、185℃)に到達するまでの時間であり、第2態様の場合は、定着ローラ15aが所定の制御温度(本検討では180℃)に到達するまでの時間である。
(8)下ウオームアップ完了時間
ウオームアップ時に加圧部材の外部加熱手段が制御温度に到達するまでの時間である。すなわち、第1および第2態様の場合は、外部加熱ローラ22が所定の制御温度(第1態様の場合は185℃、第2態様の場合は160℃)に到達するまでの時間であり、第3態様の場合は、外部加熱ベルト24が所定の制御温度(本検討では185℃)に到達するまでの時間である。
(9)ウオームアップ時間
正味のウオームアップ時間のことであり、上ウオームアップ完了時間と下ウオームアップ完了時間のうち長い方の時間を示す。
(10)通紙時定着部材温度
ウオームアップ完了後に50枚連続通紙した時の定着部材(第1および第3態様の場合は、定着ベルト20であり、第2態様の場合は、定着ローラ15aである)の最低温度を示す。
(11)通紙時加圧部材温度
ウオームアップ完了後に50枚連続通紙した時の加圧部材(加圧ローラ15b)の最低温度を示す。
(12)Rp/Rc
電力比率Rpを熱容量比率Rcで割った値である。
Figure 2010085787
まず第1態様の検討結果について説明する。上記のように、比較例1−1、1−2は比較用構成の定着装置の結果を示す。
比較例1−1は、定着ベルト20のみが所定の定着温度(185℃)に到達した時にウオームアップを完了し、その後50枚の連続通紙に移行した場合である。また、比較例1−1における定着ベルト20および加圧ローラ15bの温度変化を図5に示す。図5は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ベルト20および加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表1および図5から、比較例1−1ではウオームアップ時間は37秒と短いものの、連続通紙時に加圧ローラ15bの温度が80℃にまで低下し、その結果定着性を満足することができず、評価結果がCとなった。
比較例1−2は、定着ベルト20だけでなく、加圧ローラ15bも所定の定着温度(165℃)に到達した時にウオームアップを完了し、その後50枚の連続通紙に移行した場合である。また、比較例1−2における定着ベルト20および加圧ローラ15bの温度変化を図6に示す。図6は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ベルト20および加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表2および図6から、比較例1−2では連続通紙時に加圧ローラ15bの温度が115℃までしか低下せず、定着性の評価結果がAであったものの、加圧ローラ15bの温度が定着性を確保するのに必要な定着温度(165℃)に到達するまでに長時間を要するため、ウオームアップ時間が156秒と非常に長くなった。
すなわち、比較用構成のベルト定着装置では、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えていないため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保とを両立することが困難であることがわかる。
次に、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えた第1態様の定着装置の結果を比較例1−3,1−4および実施例1−1〜1−4に示す。
比較例1−3、1−4および実施例1−1〜1−4は、定着装置の基本構成が第1の態様であることは同じであり、上電力Pfと下電力Ppの比率、すなわち電力比率Rpを変えたことのみが異なっている。なお参考として、実施例1−2における定着ベルト20、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bの温度変化を図7に示す。図7は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ベルト20、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表1に示すように、電力比率Rpが大きくなる程、ウオームアップ時間は短縮するものの、定着性は低下することがわかる。
ウオームアップ時間が比較例1−2よりも短く(評価結果が△または○)、かつ定着性を満足する(評価結果がB以上)電力比率Rpとしては、16〜38%の範囲であることがわかった。
Figure 2010085787
次に第2態様の検討結果について説明する。上記のように、比較例2−1、2−2は比較用構成の定着装置の結果を示す。
比較例2−1は、定着ローラ15aのみが所定の定着温度(185℃)に到達した時にウオームアップを完了し、その後50枚の連続通紙に移行した場合である。また、比較例2−1における定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bの温度変化を図8に示す。図8は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表2および図8から、比較例2−1ではウオームアップ時間は75秒と短いものの、連続通紙時に加圧ローラの温度が88℃まで低下し、その結果定着性を満足することができず、評価結果がCとなった。
比較例2−2は、定着ローラ15aだけでなく、加圧ローラ15bも所定の定着温度(150℃)に到達した時にウオームアップを完了し、その後50枚の連続通紙に移行した場合である。また、比較例2−2における定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bの温度変化を図9に示す。図9は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表2および図9から、比較例2−2では連続通紙時に加圧ローラ15bの温度が106℃までしか低下せず、定着性の評価結果がAであったものの、加圧ローラ15bの温度が定着性を確保するのに必要な所定の定着温度(150℃)に到達するのに長時間を要するため、ウオームアップ時間が148秒と非常に長くなった。
すなわち、比較用構成のベルト定着装置では、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えていないため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保とを両立することが困難であることがわかる。
次に、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えた第2態様の定着装置の結果を比較例2−3,2−4および実施例2−1〜2−4に示す。
比較例2−3、2−4および実施例2−1〜2−4は、定着装置の基本構成が第2の態様であることは同じであり、上電力Pfと下電力Ppの比率、すなわち電力比率Rpを変えたことのみが異なっている。なお参考として、実施例2−2における定着ローラ15a、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bの温度変化を図10に示す。図10は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ローラ15a、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表2に示すように、電力比率Rpが大きくなる程、ウオームアップ時間は短縮するものの、定着性は低下することがわかる。
ウオームアップ時間が比較例2−2よりも短く(評価結果が△または○)、かつ定着性を満足する(評価結果がB以上)電力比率Rpとしては、16〜38%の範囲であることがわかった。
Figure 2010085787
次に第3態様の検討結果について説明する。上記のように、比較例3−1、3−2は比較用構成の定着装置であり、すなわち比較例1−1、1−2と同じである。
比較例3−1は、比較例1−1と同じであり、比較例3−2は、比較例1−2と同じであるので、温度変化を示す図は、それぞれ図5および図6である。
表3および図5から、比較例3−1ではウオームアップ時間は37秒と短いものの、連続通紙時に加圧ローラ15bの温度が80℃にまで低下し、その結果定着性を満足することができず、評価結果がCとなった。
表3および図6から、比較例3−2では連続通紙時に加圧ローラ15bの温度が115℃までしか低下せず、定着性の評価結果がAであったものの、加圧ローラ15bの温度が定着性を確保するのに必要な定着温度(165℃)に到達するまでに長時間を要するため、ウオームアップ時間が156秒と非常に長くなった。
すなわち、比較用構成のベルト定着装置では、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えていないため、ウオームアップ時間の短縮と定着性の確保とを両立することが困難であることがわかる。
次に、加圧ローラ15bの外部加熱手段を備えた第3態様の定着装置の結果を比較例3−3,3−4および実施例3−1〜3−4に示す。
比較例3−3、3−4および実施例3−1〜3−4は、定着装置の基本構成が第3の態様であることは同じであり、上電力Pfと下電力Ppの比率、すなわち電力比率Rpを変えたことのみが異なっている。なお参考として、実施例3−2における定着ローラ15a、外部加熱ベルト24および加圧ローラ15bの温度変化を図11に示す。図11は、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が定着ローラ15a、外部加熱ベルト24および加圧ローラ15bそれぞれの温度(℃)を示す。
表3に示すように、電力比率Rpが大きくなる程、ウオームアップ時間は短縮するものの、定着性は低下することがわかる。
ウオームアップ時間が比較例3−2よりも短く(評価結果が△または○)、かつ定着性を満足する(評価結果がB以上)電力比率Rpとしては、29〜100%の範囲であることがわかった。
以上の結果から、電力比率Rpの最適範囲は、各々の実施態様によって異なるものの、電力比率Rpを熱容量比率Rcで割った値Rp/Rcについては、いずれの態様も最適範囲が0.45〜1.6の範囲となっており、定着方式や外部加熱手段の構成に関係なく、Rp/Rcをこのような範囲に設定することでウオームアップ時間の短縮と定着性の確保とを両立することができることがわかった。
詳細には、第1態様ではRp/Rcが0.64〜1.52であり、第2態様ではRp/Rcが0.76〜1.57であり、第3態様ではRp/Rcが0.45〜1.54である。
この理由について、説明する。部材が加熱されて所定の温度に達するまでの昇温時間は、その部材の熱容量と、その部材に投入される熱エネルギー(電力)に関係し、熱容量が小さいほど、また、投入電力が大きいほど昇温時間は短くなる。したがって、本発明のように上側と下側に外部加熱手段を有する定着装置においては、その上側と下側の外部加熱手段の熱容量の比率に応じて、投入する電力を配分するのが好ましく、すなわちRp/Rc=1が理想的は条件である。
したがって、この条件より大きくはずれてしまうと、たとえば上側下側のうち一方の昇温時間が非常に遅くなってウオームアップ時間の遅延に繋がったり、一方のジョブ中の電力が不足して温度が追従しなくなり、定着性が悪化するなど原因となる。
このことから、上記のように、Rp/Rcについては、Rp/Rc=1を中心に大きく外れない0.45〜1.6が最適範囲となっている。
Figure 2010085787
次に、ウオームアップ時と定着動作時において、Rp/Rcの設定を切り替えた場合について検討した。
上記の表1〜表3に示した結果は、いずれもウオームアップ時と定着動作時のRp/Rcの設定が同じ場合の結果であるが、ウオームアップ時と定着動作時とでRp/Rcの設定を切り替えた方が、さらにウオームアップ時間の短縮と定着性の両立が確実になる場合もある。
熱容量の比Rcはウオームアップ時と定着動作時とで同じであるので、Rp/Rcをウオームアップ時と定着動作時とで切り替えるには、投入電力の比Rpを変更することになる。上電力Pfのウオームアップ時の投入電力をPf1とし、定着動作時の投入電力をPf2とし、下電力Ppのウオームアップ時の投入電力をPp1とし、定着動作時の投入電力をPp2としたとき、Pf1+Pp1>Pf2+Pp2となるように投入電力を切り替える。
実施例2−5として、第2態様の実施例2−3に対して、定着動作時のRp/Rcを変更した場合の例である。実施例2−3ではウオームアップ時も定着動作時もRp/Rc=1.38で一定であるのに対し、実施例2−5ではウオームアップ時はRp/Rc=1.38であり、定着動作時はRp/Rc=1.05に切り替えて50枚の連続通紙を行った。なお、実施例2−5において、定着動作時にRp/Rcを1.05に切り替えた以外は実施例2−3と同じである。
表4に示すように、実施例2−5は、ウオームアップ時間としては実施例2−3と全く同じ98秒であるものの、定着性の評価結果としては、より評価が高いAとなり、実施例2−3に比べてさらにウオームアップ時間の短縮と定着性の両立性が向上したことがわかる。
本発明の実施の一形態であるカラー複合機100の構成を示す概略図である。 第1態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。 第2態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。 第3態様の定着ユニット15の構成を示す概略図である。 比較例1−1における定着ベルト20および加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 比較例1−2における定着ベルト20および加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 実施例1−2における定着ベルト20、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 比較例2−1における定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 比較例2−2における定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 実施例2−2における定着ローラ15a、外部加熱ローラ22および加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。 実施例3−2における定着ローラ15a、外部加熱ベルト24および加圧ローラ15bの温度変化を示すグラフである。
符号の説明
15 定着ユニット
15a 定着ローラ
15b 加圧ローラ
20 定着ベルト
21,21A,21B 加熱ローラ
22 外部加熱ローラ
23 クリーニングウエブ
24 外部加熱ベルト
25 スクレーパー
26A〜26D,28A〜28E ヒータランプ
27A〜27D,29A〜29D サーミスタ

Claims (14)

  1. 互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
    前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
    0.5<Rp/Rc<1.6
    を満足することを特徴とする定着装置。
  2. 互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
    前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成され、
    前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
    0.4<Rp/Rc<1.68
    を満足することを特徴とする定着装置。
  3. 前記Rp/Rcは、
    0.64<Rp/Rc<1.52
    を満足することを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
    前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ローラで構成され、
    前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
    0.48<Rp/Rc<2.0
    を満足することを特徴とする定着装置。
  5. 前記Rp/Rcは、
    0.76<Rp/Rc<1.57
    を満足することを特徴とする請求項4記載の定着装置。
  6. 互いに圧接された定着部材および加圧部材と、前記定着部材を外部から加熱する定着部材用外部加熱手段および前記加圧部材を外部から加熱する加圧部材用外部加熱手段とを有し、前記定着部材および前記加圧部材の圧接部に、未定着トナー像が担持された記録媒体を通過させることで、トナー像の定着を行う定着装置において、
    前記定着部材用外部加熱手段は、前記定着部材に巻きかけられた定着ベルトと、該定着ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、前記加圧部材用外部加熱手段は、前記加圧部材の表面に圧接された外部加熱ベルトと、該外部加熱ベルトを加熱する加熱ローラで構成され、
    前記定着部材用外部加熱手段の熱容量をCf、投入電力をPfとし、前記加圧部材用外部加熱手段の熱容量をCp、投入電力をPpとし、投入電力の比RpをRp=Pp/Pfとし、熱容量の比RcをRc=Cp/Cfとしたとき、
    0.40<Rp/Rc<1.85
    を満足することを特徴とする定着装置。
  7. 前記Rp/Rcは、
    0.45<Rp/Rc<1.54
    を満足することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記定着部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPf1、定着動作時の投入電力をPf2とし、前記加圧部材用外部加熱手段へのウオームアップ時の投入電力をPp1、定着動作時の投入電力をPp2としたとき、
    Pf1+Pp1>Pf2+Pp2
    を満足することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  9. ウオームアップ時のRp/Rcの設定値と、定着動作時のRp/Rcの設定値とを切り替えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置。
  10. 前記定着部材または加圧部材の少なくとも一方は、記録媒体に直接接触するローラ形状を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装置。
  11. 前記外部加熱手段は、記録媒体と直接接触しない外部加熱ローラまたは外部加熱ベルトであり、該外部加熱手段にクリーニング手段が当接していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の定着装置。
  12. 前記クリーニング部材がクリーニングウエブであることを特徴とする請求項11記載の定着装置。
  13. 前記クリーニング部材がスクレーパーであることを特徴とする請求項11記載の定着装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つの定着装置を備えた画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013033148A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Ricoh Co Ltd 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2014041201A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 U-Tec Corp 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置

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