JP2015040863A - 定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、紙繊維の凹凸に対する高い追従性により、光沢度が向上した高画質な画像形成を行うこと、また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成を行うこと、以上より、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる定着部材を提供することを目的とする。
【解決手段】トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と接着層と離型層とを有してなり、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなることを特徴とする定着部材。
【選択図】図2A

Description

本発明は、定着部材、該定着部材を備えた定着装置、及び該定着装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等においては、通常、回転する感光体ドラムを有し、この感光体ドラムの感光層を一様に帯電させた後で、レーザー走査ユニットからのレーザービームによって露光して、静電潜像を形成する。静電潜像をトナーによって現像した後、記録媒体としての転写紙上に転写する。次いで、該転写紙を、一対の定着ローラ等の定着部材を通過させて、トナー像を熱定着させる。
また、フルカラーの複写機やレーザープリンタでは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の4色のカラートナーが用いられる。このカラートナーによって現像されたトナー像の熱定着時には、4色のカラートナーを溶融状態で混合する必要があり、トナーを低融点化して溶融しやすくするとともに、定着ベルト等の定着部材の表面で、複数種のカラートナーを包み込むようにして溶融状態で、均一に混合させることが必要になる。
前記定着部材を用いる熱定着方式においては、紙等の記録媒体に融着したトナー像が定着部材に接触するので、定着部材の最表層は離型性のよい材料(例えばフッ素系樹脂)が表面に15μm〜30μmの膜厚で形成される。
定着ローラは記録材の画像担持面に直接に接触するため、記録材上の画像を構成している顕画剤(以下、トナーと記す)の一部が前記定着ローラの表面に粘着して付着し、この付着トナーがローラの回転に伴い再び記録材上に転写されるいわゆる「オフセット現象」を発生しやすい。
そこでこのオフセット現象を防止する手段として従来より定着ローラの外周面にポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)などのフッ素樹脂やシリコーンゴム等の高離型性材料(非粘着性材料)のオフセット防止被覆層を設けて定着ローラ表層の離型性(非粘着性)を向上させる手段が採択されている。
しかし、例えば、フッ素系樹脂は、樹脂であるがゆえに、材料硬度が高いという問題がある。材料硬度が高いと、静電的に形成されたトナー画像を熱と圧力により記録媒体に定着させる際に、紙繊維の凹凸に対する追従性が低く、高画質な画像が得られない。
この問題を解決すべく、弾性体を表面に形成した定着部材が用いられている。弾性体を定着部材の表面に形成すると、弾性により追従性が改善され、カラー画像においても高画質が得られるが、前記フッ素系樹脂ほどの耐久性を確保できず、耐摩耗性に著しく劣るという問題がある。また、最表層に転写紙の摩擦や転写紙を分離するための分離爪などによる傷が発生すると、定着部材に傷が付いてしまい、定着工程で傷が転写されて異常画像を発生させることがある。
耐摩耗性向上のために、弾性層であるシリコーンゴム組成物に多量のシリカ微粉末やアルミナ微粉末を配合してなる組成物は、既に公知である。しかし、このようなシリコーンゴムは、ゴム硬度が高くなり、高画質を得るための十分な弾性が得られない。そのため、例えば、特許文献1にあるように、ゴムの低硬度化のためには架橋密度を低くしたりして、これを改善するための材料に関する発明も提案がなされている。
しかし、この場合、ゴム強度が低下するため、無機充填物の脱落などが発生し、十分な耐摩耗性を得られない。また、条件によっては、無機充填材が摩耗材料として作用し、摩耗が促進されることもある。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は定着部材の改良によって、紙繊維の凹凸に対する高い追従性により、光沢度が向上した高画質な画像形成を行うこと、また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成を行うこと、以上より、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる定着部材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の定着部材により上記課題が解決されることを見い出し本発明に至った。
即ち、本発明の定着部材は以下のとおりである。
トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と接着層と離型層とを有してなり、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなることを特徴とする定着部材。
定着部材の離型層が微粒子を面方向に配列させた粒子層の構成にする事によって、定着用部材には柔軟性が付与され、紙繊維の凹凸に対する追従性が向上する。その結果、紙繊維の凹部であってもトナー像の溶融定着が達成しやすく、得られた画像の光沢度が高くなり高画質な画像形成が可能である。また溶融トナーの残存付着物の低減によるオフセット異常画像が低減された高画質な画像形成が可能である。
さらに、離型層と弾性層の間に接着層設けることによって、上記の高画質な画像形成に加えて、粒子層へ強い負荷がかかったときにおいても粒子の脱落が起こりにくくなり、長期間安定して高画質で紙上の未定着画像を紙に定着させることができる。
(a)は本発明の定着部材を用いた画像形成装置の一例の概略説明図であり、(b)は定着装置の別の例を示す概略説明図である。 本発明の定着部材の一例の層構成を示す断面概略図である。 本発明の定着部材の他の例の層構成を示す断面概略図である。 離型層を形成する一例を示す説明図である。 微粒子の埋没率についての説明図である。 微粒子の形状係数SF1を求めるための説明図である。
(定着部材)
本発明の定着部材は、少なくとも、複数の層として順に下層から弾性層、接着層、最表層からなる離型層を有し、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなり、更に必要に応じてその他の層、例えば、物理的強度を有する基材層、を有してもよい。また、基材層と弾性層の間にプライマー層を有してもよい。
ここで、前記定着部材は、図2Aに示すように、弾性層202と、該弾性層202上に接着層204、離型層201とが順次形成された形態の多層構造を有する。図2Bに示すように基材層203と、該基材層203上に弾性層(中間層)202と、接着層204、離型層(最表層)201とが順次形成された形態の多層構造を有しても良い。
−基材層−
前述したとおり、離型層と弾性層の下に基材層を別途設けてもよい。
前記基材層としては、その形状、構造、厚み、材質、大きさ等としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、平板状、ベルト状、円筒状、などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性を有するものが好ましく、例えば、樹脂、金属、などが挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂、などが挙げられる。
また、前記樹脂に磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置等の分散装置を用いて磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の厚みに成形する。
前記金属としては、例えば、ニッケル、鉄、クロム、又はこれらの合金であって、それ自体が発熱してもよい。
前記基材層の厚みは、熱容量及び強度の点から、30μm〜500μmであることが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。
なお、金属材料の場合にはベルトの撓みを考慮して、100μm以下の厚みであることが好ましい。
前記金属の場合には、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができ、キューリー点が定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層を形成することで、発熱層は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱できる。
また、基材層はなくてもよい。
−弾性層−
前記弾性層としては、耐熱性のある弾性体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性ゴムが好ましく、例えば、天然ゴム、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマー、などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の点からシロキサン結合を主鎖とする弾性ゴムが好ましく、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、液状フッ素エラストマーがより好ましく、耐熱性、接着層濡れ性、コスト性の点から、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴムが特に好ましい。
前記弾性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばブレード塗装法、ロール塗装法、ダイ塗装法などが挙げられる。
前記弾性層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、50μm〜500μmが好ましい。前記弾性層の厚みが50μm未満であると、転写紙の凹凸に追従できず良好な画像を得られないことがあり、500μmを超えると、定着に必要な熱量を蓄積するための時間がかかるため利便性を著しく低下させることがある。
−接着層−
接着層は弾性層上に設けることができる。接着層上に離型層である粒子層を設けることにより、強い力が加わっても脱離しにくい粒子層を形成できる。
接着層としては粒子層を保持できれば材料は問わないが、弾性層に性質が準じたゴム状弾性体であることが好ましく、200℃以上の耐熱性を有する弾性体であることが好ましい。200℃以上の耐熱性を有することにより、定着部材として常用的に使用できる。このようなゴム状弾性体としては、フルオロカーボンシロキサンゴムが好ましく、加熱による硬化処理によってフルオロカーボンシロキサンゴムを形成するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物を用いて形成することがより好ましい。
フルオロカーボンシロキサンゴムは、離型層の微粒子が層内へ埋まりこみやすく、微粒子が埋まりこむことにより、微粒子の接着層の接触面積が増大し、外部からの力によって脱落しにくくなると考えられる。
前記弾性層に用いるシリコーンゴム等はフルオロカーボンシロキサンゴムに比較して安価だが、離型層を形成する微粒子を十分に接着することができる硬化条件範囲が非常に狭く、微粒子が脱落しやすくなるという問題がある。そこで、弾性層上に微粒子の接着力を確保できる接着層を設けることにより、弾性層にはシリコーンゴム等を従来条件のままで用いても、十分に微粒子の接着力を確保できる。フルオロカーボンシロキサンゴムを弾性層として用いた場合、材料費が高価となる欠点がある。
接着層の膜厚は粒子層を保持できれば制約されるものではないが、1〜100μmであることが好ましい。
また、フルオロカーボンシロキサンゴム組成物から形成されるフルオロカーボンシロキサンゴムは、主鎖が、パーフルオロアルキルエーテル構造及び/又はパーフルオロアルキル構造を有することが好ましい。
なお、フルオロカーボンシロキサンゴム組成物とは、下記(A)〜(C)に示す成分を含むものである。
(A)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー。
Figure 2015040863
〔但し、一般式(1)中、R10は置換又は未置換の一価の炭化水素基、xは1以上の整数、a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数を表す。〕
(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対する前記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン。
(C)触媒。
触媒としては、加熱により上記(A)項および(B)項に示した成分を反応させて硬化を促進することが可能なものであれば公知の触媒を利用でき、例えば、白金触媒を、硬化を促進に必要な量を用いることができる。
なお、上記(A)、(B)および(C)項に示す材料を含むフルオロカーボンシロキサンゴム組成物としては信越化学製のサイフェルなどが挙げられる。
−離型層−
最表層である離型層は接着層上に設けることが好ましい。
離型層は、微粒子を面方向に配列させた構造であることが必要である。
微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ガラス、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化マンガン、酸化アルミニウム、またはポリイミド樹脂が粒子配列のしやすさから好ましい。
上記微粒子は扱いやすさなどの面から球状微粒子であることが好ましい。
また、その粒径は、体積平均粒径が、0.1μm〜10.0μm、さらに好ましくは1.0〜5.0μmであり、粒径分布がシャープであることが望ましい。前記粒径が0.1μm未満の場合、粒子による離型性能の効果が充分に得られにくく、一方、10.0μmを超えると、表面粗さが大きくなり、定着画像の表面粗さが増加し光沢が失われる不具合が生じる場合がある。また、粒子間の隙間が大きくなるため、離型性が悪化するなどの不具合が生じる場合がある。
体積平均粒径の測定はレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置にて測定することができる。測定装置の例としては、ホソカワミクロン株式会社製の分析装置(商品名:「E−SPART ANALYZER」)を用いて既知の測定方法(例えば特開2002−278326号公報に記載)により、測定を行うことが可能である。
微粒子は複数の粒子が寄り集まった形状でなく1粒子毎単分散されている必要がある。単分散されていない場合、離型層を形成するときに高さ方向に粒子が重なった形状が容易に形成されてしまい、球状微粒子が面方向に配列させることはできない。離型層においては、図2A、Bに示すように、球状微粒子は面方向に配列されており、粒子が重なることなく1層構造をとることが好ましい。
離型層の形成方法を説明する。
図3に示すように、粉体塗布装置(35)と押し当て部材(33)を設置し、回転させながら粉体塗布装置(35)から粒子を表面に均一にまぶし、表面にまぶされた粒子を押し当て部材(33)により一定圧力にて押し当てる。この押し当て部材(33)により、接着層へ粒子を埋設させつつ、余剰な粒子を取り除く。
本発明では、特に単分散の微粒子を用いるために、このような押し当て部材でのならし工程のみの簡単な工程で、均一な単一粒子層を形成することが可能である。
均一な粒子層を形成後、回転させながら所定温度、所定時間で加熱することにより、離型層を形成する。
本発明においては、上記微粒子は下層へ埋没された形態を取ることが好ましく、その埋没率は、50%を超え100%に満たない、90%以下であることが好ましい。50%以下では、電子写真装置での長期使用において粒子の脱離が起きやすく、耐久性に劣る。一方、100%では、粒子による転写性への効果が低減し好ましくない。
粒子の下層中への埋没率の調整は、他の方法によっても可能であるかも知れないが、例えば、押し当て部材(43)の押圧力を加減することにより、容易に果たすことができる。例えば、押圧力を、1mN/cm〜1000mN/cmの範囲とすることにより、前記50%<埋没率≦90%を比較的容易に達成することができる。
このような単分散の粒子は、下層の上に粉体をそのまま直接塗布して、ならすことにより容易に均一に整列させることができる。
《埋没率について説明》
図4は粒子の埋没率についての説明図である。
図2Aもしくは図2Bに示す定着部材において離型層の一部を拡大したものである。離型層をなす粒子が弾性層もしくは基材層からなる下層に対して一部埋没した形状となっている。粒子の最深部から最外部へ渡っての径をh0、最深部から下層表面までのいわゆる下層内への埋没の深さをh1とする。このとき、埋没率はh1/h0で示され、
0.5< h1/h0 ≦0.9
を満たす埋没率であることが本発明の課題に対する効果がより発現するため好ましい。
《粒子の円形度について説明》
図5は形状係数SF1を求めるための説明図である。
形状係数SF1とは、図5に示すように、球状物質の形状における丸さの割合を示す数値であり、球状物質を二次元平面上に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で表される。つまり、SF1は下記の数式(1)により算出される。
SF1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・(1)
微粒子の形状係数SF1が100〜150となることにより、微粒子を面方向に配列させて粒子層を形成することが容易となるため、本発明の課題に対する効果がより発現するため好ましい。
(定着装置)
本発明の定着装置は、定着部材とその対向部材を備え、その間を通過する紙に対して、熱と圧力を与えることで紙上のトナーを紙に定着させる定着装置であり、前記定着部材が本発明の定着部材である。本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記定着部材としては、例えばシームレスベルト状の定着ベルト、ローラ状の定着ローラが挙げられ、該定着ベルトは支持ローラと定着補助ローラとの間を張架され、支持されている。
本発明の定着部材(定着装置)を用いることにより、耐久性及び信頼性が向上する。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記定着手段が、本発明の前記定着装置である。
−静電潜像担持体−
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
−静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像手段−
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。
該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
−転写手段−
前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着手段−
前記定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる手段であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、本発明の前記定着装置が用いられる。
−除電手段−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図1(a)は、複写装置の感光体ドラム101と、その作像系と、定着装置5との構成を概念的に示す。
この電子写真方式の画像形成装置における画像作成プロセスは、回転する感光体ドラム101の感光層を、帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後、図示しないレーザー走査ユニットからのレーザービーム103によって露光し、それによって感光体ドラム101上の静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、該トナー像を記録紙107上に転写し、更にその記録紙107を定着装置5に通してトナー像を加熱、加圧して記録紙107に定着するように構成されている。
なお、図1(a)中104は現像ローラ、105はパワーパック(電源)、106は転写ローラ、108はクリーニング装置、109は表面電位計である。
このような定着装置5においては、本発明の定着部材を備えた加熱定着ローラ110を使用している。
このような加熱定着ローラ110は、芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって加熱定着ローラ110を内側から加熱するようになっている。
また、定着装置5としては、加熱定着ローラ110と平行に、これに圧接する加圧ローラ111を設け、加圧ローラ111と加熱定着ローラ110との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107上に付着しているトナーを加熱定着ローラ110の熱により軟化させつつ、加圧ローラ111と加熱定着ローラ110との間に挟むことによって加圧することにより、記録紙107上にトナー像を定着させている。
なお、図1(b)に示すベルト方式の定着装置112も用いられている。
図1(b)中、113は定着ベルト、114は定着ローラ、115は加圧ローラ、116は加熱ローラである。
前記定着ベルトは、本発明の前記定着部材を備えている。
発熱部材としての定着ベルト113は、定着ローラ114と加熱ローラ116とに張架/支持されている。
本発明の画像形成装置は、耐久性及び信頼性を向上させた本発明の前記定着装置を用いているので、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターなどに好適である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)(ビッカース硬度では、約280Hvに相当)))をブレード塗装にて、厚み150μmの弾性層を塗布した。220℃で60分間加熱した。
弾性層上にフルオロカーボンシロキサンゴム(信越化学工業株式会社製、SIFEL、X−71−6144)をブレード塗装にて、接着層を塗布した。
微粒子として、体積平均粒径3μmのアルミナ粒子(新日鉄住金マテリアルズ株式会社製)を用いた。図3の装置を用いて接着層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成する。余剰分を掻き取るためのポリウレタンゴムブレードは押圧力100mN/cmで押し当てた。
150℃で30分間加熱して、粒子を接着層に固定化した。厚み100μmの接着層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成した。
上述したように作製した定着部材1を、(株)リコー製複写機:MPC3000の定着装置に装着させ、トナーベタ画像を10枚出力した10枚目について、初期光沢度(凹凸追従性)評価を下記のように行った。また、同様に罫線状画像を出力し、オフセット性(離型性)評価を下記のように行った。
試験紙としては、普通紙(Sable−X80)を使用した。
出力画像光沢度およびオフセット性評価
なお、光沢度(凹凸追従性)評価、オフセット性(離型性)評価は、表1に示す基準で判定した。
−光沢度(凹凸追従性)評価−
光沢度計(商品名:PG−1、角度60°、日本電色株式会社製)を用いて、トナーベタ画像表面の光沢度を測定した。上記光沢度計での測定値14を基準(100%)として達成率を算出し、ランク評価した。
−オフセット性(離型性)評価−
罫線画像を出力した際の画像表面を目視によるランク付けにより評価し、合否判定を実施した。
Figure 2015040863
表層への負荷評価
定着部材1の切出しサンプルについてタッキング試験機TAC−1000(レスカ社)を用いてMPC3000のマゼンタベタ画像を押し付け、引き剥がすことで負荷を与えた。
ベタ画像濃度 0.43[mg/cm2
単位面積あたりの押付圧力 40[N/cm2
温度 150℃
押付保持時間 0.05[sec]
粒子の脱落の有無についてSEMにて評価を行った。
(実施例2)
実施例1における接着層のフルオロカーボンシロキサンゴムのグレードを(信越化学工業株式会社製、SIFEL、3590−N)に代える他は同じとし、定着部材2を得た。
(実施例3)
実施例1における接着層のフルオロカーボンシロキサンゴムのグレードを(信越化学工業株式会社製、SIFEL、2611)に代える他は同じとし、定着部材3を得た。
(実施例4)
実施例1における微粒子を体積平均粒径8μmの炭酸カルシウム粒子(株式会社ニューライム製)に代える他は同じとし、定着部材4を得た。
(実施例5)
実施例1における微粒子を体積平均粒径3μmのチタニア粒子に代える他は同じとし、定着部材5を得た。
(実施例6)
実施例1における微粒子を体積平均粒径10μmの酸化マンガン粒子に代える他は同じとし、定着部材6を得た。
(実施例7)
実施例1における微粒子を体積平均粒径10μmのポリイミド樹脂(PI)粒子(宇部興産株式会社製、UIP−S)に代える他は同じとし、定着部材7を得た。
(実施例8)
実施例1における微粒子を、体積平均粒径5μmのガラス粒子(ポッターズ・バロティーニ株式会社製、EMB−10)に代える他は同じとし、定着部材8を得た。
(実施例9)
実施例1における微粒子を、体積平均粒径3.0μmのPFA樹脂粒子(MP−102;三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)に代える他は同じとし、定着部材9を得た。
(実施例10)
実施例1における微粒子を、体積平均粒径2.0μmのシリコーン樹脂粒子(トスパール120;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)に代える他は同じとし、定着部材10を得た。
(比較例1)
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)に、シリコーン(信越化学工業株式会社製:X34−387):(ゴム硬度41Hs(ショアA))をブレード塗装にて200μm塗装し、150℃30分間で加熱後、200℃4時間で二次加硫することにより形成したものを定着部材11として用いた。
(比較例2)
実施例1における接着層形成と粒子層形成に代えて、次の離型層形成を行った。
プライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。その後、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−950HP Plus)と、372℃、5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径が0.1μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合した混合ディスパージョンを30μm厚でスプレーコートした。その後340℃で30分間焼成(PFA粒子を溶融)して離型層を形成したものを定着部材12として用いた。
(比較例3)
円筒状の長さ320mm、厚み50μmの基材(ポリイミド樹脂製)上にシリコーン用プライマー(信越化学工業株式会社製プライマーNo.4)層を下地としてスプレー塗布・乾燥した後、その上にフロロシリコーン(信越化学工業株式会社製、X36−420U(ゴム硬度40Hs(ショアA)(ビッカース硬度では、約280Hvに相当)))をブレード塗装にて、厚み150μmの弾性層を塗布した。220℃で60分間加熱した。
樹脂粒子として、シリコーン樹脂粒子(トスパール120(体積平均粒子径2.0μm品);モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用意した。図3の装置を用いて弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を図3に示す方法にて形成した。余剰分を掻き取るためのポリウレタンゴムブレードは押圧力100mN/cmで押し当てた。
150℃で10分間加熱して、粒子を弾性層に固定化した。厚み150μmの弾性層上に図2Aのような粒子が面方向に1層配列した粒子層からなる離型層を形成した。
表2は、実施例及び比較例の評価判定結果である。
Figure 2015040863
以上のように、本発明に従った実施例1〜10については追従性、および離型性に優れている。一方、本発明に外れた比較例1〜3については追従性、離型性のいずれかが劣るか、もしくは、表層への負荷評価において粒子の脱落が観察された。
35 粉体塗布装置
33 押し当て部材
5 定着装置
101 感光体ドラム
102 帯電ローラ
103 レーザービーム
104 現像ローラ
105 パワーパック(電源)
106 転写ローラ
107 記録紙
108 クリーニング装置
109 表面電位計
110 加熱定着ローラ
111 加圧ローラ
112 ベルト方式の定着装置
113 定着ベルト
114 定着ローラ
115 加圧ローラ
116 加熱ローラ
201 離型層
202 弾性層
203 基材層
204 接着層
特許第3243991号公報

Claims (6)

  1. トナーの定着に用いられるローラ状又はシームレスベルト状の定着部材であって、少なくとも弾性層と接着層と離型層とを有してなり、離型層は微粒子を面方向に配列させた粒子層からなることを特徴とする定着部材。
  2. 前記接着層は200℃以上の耐熱性を有する弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記接着層がフルオロカーボンシロキサンゴムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着部材。
  4. 前記弾性層がシリコーンゴムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着部材。
  5. 定着部材とその対向部材を備え、その間を通過する紙に対して、熱と圧力を与えることで紙上のトナーを紙に定着させる定着装置において、前記定着部材が請求項1〜4のいずれかに記載の定着部材であることを特徴とする定着装置。
  6. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記定着手段が、請求項5に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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