JP3508305B2 - 定着ロール - Google Patents
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Description
プリンター,ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用
した画像形成装置における定着ロールに関する。より具
体的には、弾性層、導電層および離型層の3層構造のゴ
ム材で構成された加熱定着ロールまたは加圧定着ロール
に関する。
ム弾性体で形成した定着ロールは、用紙等の被定着物に
対する接触が均一になるため、定着性や画質が向上し、
フルカラートナー等の低粘度トナーに対する良好な剥離
作用も得られるなどの利点のあることが知られている。
また、フルカラー等の未定着画像の定着において、定着
ロール表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する必
要がある場合、シリコーンゴム層をフッ素ゴム層で被覆
すると、定着ロールの耐久性が大幅に向上することを本
発明者等は既に確認している(例えば、特開平2−15
6282号公報)。シリコーンオイルとしては、特公昭
64−6464号公報,特開平4−348377号公報
等に記載の変性シリコーンオイルを使用することによ
り、卓越したトナー離型性が得られることも知られてい
る。
ール表面に上記離型剤を塗布したとしても、実際の使用
状態では、トナー離型性や用紙剥離性を長期間にわたり
維持するのに問題が生じる場合がある。本発明者等はそ
の原因を調査したところ、表面層を構成するフッ素ゴム
層が、定着温度条件下で1年以上の長期にわたり加熱さ
れることにより、その電気抵抗が上昇し、定着時に著し
く高い摩擦帯電性を示すようになり、その結果、主とし
て静電力効果により、用紙詰まりやオフセットが発生す
ることを究明したものである。これらの対策として、帯
電防止のためにフッ素ゴム中に帯電防止剤等の配合剤を
添加する方法が考えられるが、この点について我々が調
査したところによれば、先行技術は未だ存在しない。ま
た、特開平4−294375号公報には、耐摩耗性を改
善するために、補強充填剤として表面層のフッ素ゴムに
カーボンブラックを添加した定着ロールが開示されてお
り、結果的に帯電防止効果をもたらすことも考えられ
る。しかし、この方法では、トナー離型性が著しく損な
われ、カラー定着のような高度の離型性要求を満足する
ことはできない。
は、長期間にわたりトナー離型性や用紙剥離性を維持す
ることが困難であるという問題があった。そこで、本発
明は、上述の問題点を解決しようとするものであって、
長期にわたりトナー離型性能と用紙剥離性能を発揮でき
る定着ロールを提供することにある。更に詳しくは、長
期間の加熱局面に対しても電気抵抗の上昇による摩擦帯
電性を示さず、かつ初期のトナー離型性能や用紙剥離性
能の維持性に優れたフルカラー画像形成装置の定着ロー
ルを提供することにある。
型性能を維持しつつ長期間の加熱による定着ロールの帯
電電位上昇の防止手段について、鋭意研究を重ねてきた
ところ、離型性表面層のアンダーコート層としてカーボ
ンブラックを含有するフッ素ゴムからなる導電性ゴム層
を設けることにより、長期間の加熱後においても、定着
ロールの体積固有抵抗率変化が小さく、帯電電位がさほ
ど上昇せず、例えば後述する実施例のロール帯電電位の
測定法によれば、その電位を500V以下に維持するこ
とが可能であって、ジャムの発生が見られないことを見
い出した。また、表面層として、充分な架橋密度を保持
するに必要最低限の配合剤以外は、配合成分として実質
的にいかなる充填剤も含有しないフッ素ゴム層が、トナ
ー離型性能の維持性に優れていることを見い出した。こ
のような層構成からなる定着ロールは、優れたトナー離
型性能だけでなく優れた用紙剥離性能が長期にわたって
維持されるとの知見を得て、本発明を完成するに到った
ものである。すなわち、本発明の定着ロールは、ロール
の内部から外部に向かって弾性層、導電層および離型層
を順次積層した3層構造のゴム材から構成され、上記導
電層はカーボンブラックを含有し体積固有抵抗率が10
11 Ωcm以下のフッ素ゴムからなり、上記離型層は配合
剤として実質的に充填剤を含有しないフッ素ゴムからな
ることを特徴とする。
本発明の定着ロール1は、図1に示すように、芯金2の
外周面から順次弾性層3、導電層4および離型層5を積
層した3層構造のゴム材から構成される。芯金2は、そ
の両端部2a,2aがロールの回転軸として機能するも
ので、鋼鉄,ステンレス鋼,アルミニウム,アルミニウ
ム合金等の金属,合金や、セラミックなどの材質で構成
された中実の円柱体や中空の円筒体が使用される。
素ゴム等の耐熱性に優れたゴム材が用いられる。定着ロ
ール1を加熱定着ロールとして使用する場合は、例えば
アルミニウム,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,錫,鉛,酸化
マグネシウム,アルミナ,酸化亜鉛,シリカ,窒化硼
素,炭化珪素等の熱伝導性の良好な無機物質微粉末を分
散させたシリコーンゴム等が用いられる。特に、本発明
の定着ロール1をカラー画像形成装置に適用する場合に
は、特開平3−221982号公報に開示されたシリコ
ーンゴム組成物が好ましく用いられる。すなわち、ポリ
オルガノシロキサン100重量部に対して1000℃以
上で焼成した酸化マグネシウム微粉末を100〜500
重量部の範囲で含有する組成物を加熱硬化させたシリコ
ーンゴムが好適である。酸化マグネシウムは、シランカ
ップリング剤,チタネートカップリング剤,ポリオルガ
ノシロキサン等で表面処理を施した微粉末であってもよ
い。弾性層3の厚さは、ゴム材の弾性率に起因する定着
時のニップ幅と熱伝導性を確保するために、0.5〜4
mm程度とすることが好ましい。
以下のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性に優れた
ゴム材が用いられる。導電層4のゴム材には、導電付与
剤を必須成分とし、必要に応じて、公知の架橋剤,架橋
促進剤,充填剤,老化防止剤等の配合剤を添加すること
ができる。導電付与剤としては、カーボンブラック,グ
ラファイト、アルミニウム,銅,錫等の金属、SnO2-
In2O3固溶体などの微粉末が用いられる。中でも、カ
ーボンブラックは表面層の離型層5との密着性や耐熱安
定性の点で好ましく用いられる。導電付与剤の配合量
は、その物性によっても異なるが、ゴム材100重量部
に対して10〜100重量部の範囲が適当である。導電
付与剤の配合割合が10重量部未満であると、導電層4
の体積固有抵抗率を1011Ωcm以下に低下することが
困難である。一方、100重量部を越えると、上記抵抗
率を充分に低下させることは可能であるが、定着ロール
1の硬度が必要以上に上昇するだけでなく、導電層4の
弾性が低下し、更に導電層4自体が脆くなる。架橋剤と
しては、アミン類,ビスフェノール類,過酸化物等の公
知の化合物が用いられる。ゴム材の架橋反応を促進させ
るために、種々の促進助剤や酸化マグネシウム,MgO
−Al2O3固溶体等の受酸剤を架橋剤と共に添加するこ
とが好ましい。これらの配合量は、ゴム材100重量部
に対して10重量部以下とすることが好適である。ま
た、導電層4の厚さは10〜100μmの範囲にあるこ
とが好ましい。導電層4の厚さが10μm未満である
と、定着ロール1表面の帯電防止効果を充分に発揮する
ことができない。一方、厚さが100μmより厚くなる
と、定着ロール1を加熱定着ロールとして使用した場合
に熱伝導性が低下する。
素ゴムとしては、フッ化ビニリデン(VdF)を主成分
とするVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)と
の共重合体,上記VdF−HFP共重合体とテトラフル
オロエチレン(TFE)との3元共重合体(例えば、昭
和電工デュポン社製「バイトン」,ダイキン工業社製
「ダイエル」),TFEとプロピレンとの交互共重合体
(例えば、旭ガラス社製「アフラス」)等のフッ素系エ
ラストマーが挙げられる。この他、VdF−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体や、例えばシリコーンゴム,
フルオロシリコーンゴム等とVdFを主成分とする上記
フッ素系エラストマーとの混合物を用いることができ
る。これらのフッ素ゴムは、また前記弾性層3や導電層
4の構成材料とすることができる。離型層5のフッ素ゴ
ムには、導電層4と同様に、種々の配合剤を添加するこ
とができるが、本発明ではフッ素系ポリマーを架橋させ
るための必要最低限の配合剤(架橋剤,前記促進助剤や
受酸剤等の架橋促進剤)以外は、実質的にいかなる充填
剤も含有しないものである。離型層5中に充填剤を含有
させた場合、フッ素ゴム固有の耐摩耗性や耐シリコーン
オイル性が損なわれるだけでなく、トナー離型性能も著
しく損なわれるので、いずれにしても好ましくない。離
型層5の厚さは5〜30μmの範囲にあることが好まし
い。離型層5の厚さを5μm未満とした場合、定着ロー
ル1を長期にわたって使用するとフッ素ゴムが次第に摩
耗し、定着ロールとしての機能が損なわれる。一方、厚
さを30μmより厚くした場合、定着ロール1を加熱定
着ロールとして使用すると、内部熱源からの熱量を充分
に離型層5表面に伝熱することができなくなる。
して製造される。i)まず、離型剤を塗布した遠心式金
型の中心に芯金2が位置するようその両端部2a,2a
を支持し、金型内に前記ゴム材を注入して弾性層3の成
形体を形成する。次いで、組成の異なるゴム材溶液を貯
溜した2つのタンクを用意し、各ゴム材溶液中に上記ゴ
ム成形体を回転させながら浸漬塗布した後、ゴム層を乾
燥・加硫して、それぞれ導電層4および離型層5を形成
する。境界面の接着性を良好にするために、芯金2の外
周面および導電層4表面はプライマー処理されたものが
好ましい。ii)弾性層3を成形した上記ゴム成形体表面
に、導電層4および離型層5のゴムシートを別々にまた
は両層を接着した積層フィルムを被覆する。iii)金型内
面にチューブ状の上記積層フィルムを予め密着させてお
き、i)と同様にして、芯金2と積層フィルムとの空間
に前記ゴム材を注入して弾性層3を成形する。このよう
にして、定着ロール1を製造することができる。
に、加熱定着ロール6および加圧定着ロール7のいずれ
か一方または双方に使用することができる。図2Aは定
着ロール1を加熱定着ロール6として使用する例を示し
たもので、加圧定着ロール7は芯金8の外周面に離型層
9を被覆した構造からなる。図2Bは定着ロール1を加
圧定着ロール7として使用する例を示したもので、加熱
定着ロール6は芯金8′の外周面に離型層9′を被覆し
た構造からなる。また、図2Cは定着ロール1を一対の
加熱定着ロール6および加圧定着ロール7として使用す
る例を示している。そして、記録媒体(用紙P)上の未
定着トナー像Xと接触する各加熱定着ロール6の芯金
2,8′には、熱源(ヒータ)10が内蔵されている。
上記トナー像Xとは反対側の用紙P面と接触する加圧定
着ロール7にヒータを内蔵させてもよい。図2におい
て、加熱定着ロール6と加圧定着ロール7との間のニッ
プ部に用紙Pが通紙される際、ヒータ10からの熱伝導
により、未定着トナー像Xの定着樹脂またはワックスが
溶融ないし軟化し、トナー像Xはニップ部を通過後に永
久定着画像Zとして用紙P上に定着される。なお、図2
には加熱式定着の例を示したが、定着ロール1を例えば
マイクロカプセルトナーを使用する加圧式定着に適用す
ることができる。その場合、ロール1内部にヒータを必
ずしも装着する必要はなく、ロール1と他方の加圧定着
ロールとのニップ圧を加熱式定着の場合より高く設定し
ておくことになる。
ル1(6)および加圧定着ロール7を構成部材とする加熱
式定着装置について、図3に基づいて説明する。図3に
おいて、定着ロール6表面のオフセットの発生を防止す
る目的で、ロール6の側方に離型補助剤塗布機構11が
配置されている。この塗布機構11は、離型補助剤を貯
溜する容器12と、外周面の一部が離型補助剤に浸漬す
るメータリングローラ13と、ローラ13外周面に近接
するメータリングブレード14と、定着ロール6および
ローラ13にそれぞれ摺接するドナーローラ15とを備
えている。また、先端エッジ部が定着ロール6表面に接
触するよう剥離爪16がニップ部下流側に配置されてい
る。一方、加圧定着ロール7の両側には、用紙搬入台1
7および用紙搬出台18がそれぞれロール7外周面に近
接して配置されている。なお、この定着装置では、定着
ロール6およびメータリングローラ13を図示してない
モータ等の駆動源により回転する駆動ロールとして、そ
れぞれ加圧定着ロール7およびドナーローラ15を従動
ロールとしている。
着ロール6と加圧定着ロール7との間を通過した後、用
紙P上の未定着トナー像Xが永久定着画像Zに定着され
る。その際、用紙Pはその先端部が剥離爪16に当接す
ることにより定着ロール6から分離され、用紙搬出台1
8を通過して定着装置外に排出される。メータリングロ
ーラ13表面に付着した離型補助剤は、メータリングブ
レード14により付着量が調整され、次いでドナーロー
ラ15に移行して定着ロール6表面に付着する。この離
型補助剤によって、定着ロール6表面への未定着トナー
像Xのオフセットが防止される。上記離型補助剤として
は、シリコーンオイル類,フッ素系樹脂,ワックス類等
が用いられる。中でも、変性シリコーンオイルが好まし
く用いられる。変性シリコーンオイルとしては、前記特
公昭64−6464号公報に開示されたメルカプト基,
カルボキシ基,ヒドロキシ基,イソシアネート基,エポ
キシ基,アミノ基等の官能基を有するシリコーンオイル
や、前記特開平4−348377号公報に開示された定
着用離型剤が挙げられる。
と導電層に機能分離した3層構造の弾性ゴム層からな
り、表面層としてトナー離型性能を重視したフッ素ゴム
を選択したものである。したがって、定着ロールを長期
間にわたり使用した時のフッ素ゴムの電気抵抗上昇に対
しても、導電性アンダーコート層を通じて表面帯電電荷
の除去が効率的に行われる。その結果、定着ロールの弾
性を確保しながら、従来達成することができなかった高
度なトナー離型性能および用紙剥離性能とその維持を同
時に達成することが可能である。
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (ゴム材の配合例と物性)表1に示す重量部に従い、V
dF系3元共重合体として知られているフッ素系ポリマ
ー(商品名バイトンB−50:昭和電工デュポン社製)
および各種配合剤をオープンロールで均一に混合して、
配合例1〜6のフッ素ゴム用コンパウンドを調製した。
次いで、これらのコンパウンドを試験用プレスにより1
80℃で40分間加硫して厚さ2mmのゴムシートに成
形した後、230℃で4時間二次加硫処理してフッ素ゴ
ムを製造した。表1において、配合例1〜4のフッ素ゴ
ムには、架橋剤(加硫剤,加硫助剤)および架橋促進剤
(受酸剤)と共に充填剤の一種である導電性付与剤が添
加されている。一方、配合例5,6のフッ素ゴムには、
上記架橋剤および架橋促進剤以外の配合剤は添加されて
ない。
(Curative 30) *2 ベンジルトリフェニルホスフォニウムクロライド
(Curative 20) *3 酸化マグネシウム(#30:協和化学社製) *4 MgO・Al2O3固溶体(ハイドロタルサイト) *5 カーボンブラック(MTCarbon:キャボット社製) *6 カーボンブラック(Printex L:デグサ社製)
0Vを印加して、電流/電圧法により超絶縁抵抗計で体
積固有抵抗率を測定した。更に、これらのゴムシートを
200℃のオーブン中で10日間加熱老化した後、同様
の方法により体積固有抵抗率の変化を測定した。また、
ゴムシートの硬度を「JIS A」に従って測定した。
その結果を表2に示す。
m以下の配合例1,2では、加熱老化後の体積固有抵抗
率変化が小さく、材料物性として帯電防止性能を維持し
ている。一方、初期の体積固有抵抗率が1011Ωcmよ
り大きい配合例3〜6では、加熱老化後の体積固有抵抗
率が1.2〜1.7桁ほど上昇し、電気絶縁性が高くなる
ことが分かる。
プレス加硫機を用いて、中空のアルミニウム製芯金上に
プライマーを介してシリカ含有のシリコーンゴムを加硫
接着し、更にその後、円筒研削盤で外径研磨仕上げを行
って弾性層を形成した。得られたロール状シリコーンゴ
ムを回転させながら、その外周面にプライマーを介して
組成の異なるフッ素ゴム用コンパウンド(配合例1〜
6)の下記溶液に浸漬塗布した後、加熱硬化して導電層
を形成した。同様にして、導電層上に離型層を形成し
た。 フッ素ゴム溶液 フッ素ゴム用コンパウンド 15重量部 メチルエチルケトン 60重量部 メチルイソブチルケトン 25重量部 以上のようにして製作されたロールのうち、芯金に75
0Wのランプヒータを内蔵したロールを表3に示す加熱
定着ロールとし、加熱源を内蔵してないロールを表4に
示す加圧定着ロールとして、後述の定着試験に供した。
上記加圧定着ロールは、芯金の外径寸法が48mmおよ
び弾性層の厚さが1mmである以外、下記に示す加熱定
着ロールと同様の構成からなる。 加熱定着ロール ロールの外径寸法 50mm 芯金の外径寸法 44mm 弾性層 厚さ 3mm 熱伝導率 0.65W/m・deg 硬度(JIS A) 60゜ 導電層の厚さ 20μm 離型層の厚さ 20μm
部材を改造したカラー画像形成装置(デジタルカラー複
写機;富士ゼロックス社製「Acolor」)の全体図
である。図4において、プラテン21上に載置した原稿
(図示せず)の下面に沿って移動する原稿照明用ランプ
22から原稿に照射して反射した光は、移動ミラーユニ
ット23、レンズ24、固定ミラー25を介して画像読
取部26に収束される。この画像読取部26は、多数の
光電変換素子とレッド,グリーン,ブルーの3色のフィ
ルタとを有するカラーCCDセンサにより構成されてい
る。画像読取部26は、原稿画像を各色毎に電気信号に
変換し、更に電気信号を光書込信号出力装置27に入力
する。光書込信号出力装置27は、上記3色毎に入力さ
れた原稿画像読取信号をイエロー(Y),マゼンタ(M),
シアン(C),黒(K)の4色のデジタル信号に変換して記
憶し、所定のタイミングで読出して、静電潜像を書込む
手段としての光ビーム書込装置28に出力する。この光
ビーム書込装置28は、像担持体29表面に上記4色に
対応した静電潜像を書き込む。
面を一様に帯電させる帯電用チャ−ジャ30、像担持体
29に書き込まれた静電潜像を各色のトナー像に現像す
る現像装置31、円筒状の回転可能な転写ドラムにより
構成された用紙担持部材32、除電コロトロン33、ク
リーナユニット34が配置されている。上記現像装置3
1はY,M,C,Kの各色の現像器を有し、それぞれ各
色のトナーで上記静電潜像を現像する。表面が用紙吸着
面を形成する上記用紙担持部材32の内部には、用紙の
吸着およびトナー像の転写を行う転写帯電器35が用紙
担持部材32表面と像担持体29表面とが接触する転写
位置Qに配置されている。また、上記クリーナユニット
34には、クリーニングブレード34a、上記帯電用チ
ャージャ30および赤色LEDにより構成された除電器
36が支持されている。上記用紙担持部材32の周囲に
は、用紙センサ37、転写後ジャムセンサ38、除電コ
ロトロン39およびクリーナ40が配置されている。上
記用紙センサ37は、転写位置Qの上流側で用紙担持部
材32表面に近接して配置され、用紙吸着面に吸着され
た用紙Pの先端位置を検出する。上記転写後ジャムセン
サ38は、転写位置Qの下流側に配置され、用紙担持部
材32表面からの反射光量により用紙Pの有無を検出す
る。給紙トレイ41に収容された用紙Pは、用紙取出ロ
ール42により取り出されて搬送され、一対のレジロー
ル43で一旦停止される。用紙Pは、その後前記像担持
体29表面のトナー像が転写位置Qに移動してくるのに
タイミングを合わせて、レジロール43から転写位置Q
に供給される。
に供給された用紙Pの先端は、用紙担持部材32表面の
用紙吸着面に吸着される。この用紙の吸着と同時に第1
色目のトナー像が像担持体29表面から用紙Pに転写さ
れる。ここで、前記光書込信号出力装置27では、最初
にYのデジタル信号を所定のタイミングで読出して光ビ
ーム書込装置28に出力する。この書込装置28は像担
持体29表面にY色に対応した静電潜像を書き込む。Y
色に対応した静電潜像は現像装置31によりY色のトナ
ー像に現像され、Yトナー像の転写位置Qへの移動にタ
イミングを合わせて上記給紙機構から転写位置Qに用紙
Pが供給される。転写位置Qに対向して用紙担持部材3
2内側に配置された前記転写帯電器35は、転写位置Q
に供給された用紙Pを用紙吸着面へ吸着させると共に、
吸着された用紙Pへ像担持体29表面のYトナー像(1
色目のトナー像)を転写させる。
先端が用紙センサ37の位置に到達する迄に、露光系
(22〜25)によるY色の静電潜像の書込が終了す
る。そして、用紙センサ37により用紙Pの先端が検出
されると、上記露光系による第2色目のM色の静電潜像
の書込が開始される。そして、Yトナー像を転写した用
紙Pの先端が転写位置Qに到達すると、転写帯電器35
によって2色目のMトナー像の転写が行われる。続い
て、Cトナー像およびKトナー像の転写が、上記Mトナ
ー像の転写と同様に行われる。前記用紙担持部材32上
に各色(Y,M,C,K)のトナー像が転写された用紙
Pは、剥離爪44により剥離され、一対の前記加熱定着
ロール6と加圧定着ロール7を装着した定着装置45に
搬送される。定着装置45において上記4色の転写トナ
ー像が定着された後、一対の排紙ロール46の搬送力を
受けた用紙Pは、排紙トレイ47に排出されるようにな
っている。
部材としてそれぞれ一対の前記ロール1〜6とロール1
6および一対のロール6とロール11〜16を装着した
前記カラー画像形成装置Uを稼働させて、定着試験を実
施した。この定着試験では、加熱定着ロール1〜6のト
ナーオフセット性を評価し、また両面コピーを行って加
圧定着ロール11〜16の画像欠陥(グロスムラ)を評
価した。更に、各ロールについて薄紙の走行性(用紙剥
離性)を評価し、また加熱老化後のロール帯電電位を表
面電位計(Model 344 :Trek社製)により測定した。加
熱定着ロール1〜6および加圧定着ロール11〜16の
評価結果をそれぞれ表5,6に示す。なお、オフセット
性は、A4用紙を用いてフルカラー画像の定着処理を連
続して実施し、オフセット発生までの耐久性を評価し
た。加熱定着ロールの用紙剥離性は、剥離爪(図3の符
号16参照)等の剥離補助手段を設けずに、用紙先端に
高濃度の画像を形成した時のロールへの用紙巻き付きを
評価した。加圧定着ロールの用紙剥離性は、トナー像を
転写してない用紙(すなわち白紙)を用い、かつ用紙を
吸湿処理した後のロールへの用紙巻き付きの有無を評価
した。
着ロールは、トナーに対する離型性能に優れていると共
に、長期間の加熱老化後においても摩擦帯電に伴う用紙
の吸着がなく、除電装置等の付加的帯電防止機構を必要
とせず、安定した剥離性能を維持していることが分か
る。また、オフセット耐久性の評価後においても、摩耗
等の他の問題が発生することもなく、優れた性能を維持
していることが確認された。さらに、本発明の定着ロー
ルは、前記定着試験からも明らかなように、フルカラー
定着においてより優れた効果を発揮するものである。
明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求
の範囲に記載された範囲内で種々の変更が可能である。
実施例では本発明の定着ロールを一例としてカラー画像
形成装置に装着した例を示したが、本発明の定着ロール
は、電子写真プロセスを利用する各種の画像形成装置、
例えばモノカラー画像形成装置に適用することも可能で
ある。この単色トナーの定着においても、ゴム系定着ロ
ールが有する定着性や高画質化をより良く達成すること
ができる。
成された離型層と帯電防止作用を有する導電層とに機能
分離した層構造からなるので、加熱定着ロールおよび加
圧定着ロールのいずれに使用しても、フッ素ゴム本来の
優れた耐摩耗性と耐シリコーンオイル性を保持しつつ、
トナー離型性能と用紙剥離性能の維持性に優れた定着ロ
ールを実現することができる。本発明によれば、前述し
たように、定着ロールの帯電電位が長期にわたって上昇
することがないので、用紙詰まりの発生を大幅に減少す
ることが可能となる。
明図であって、図1Aはその縦断面図であり、図1Bは
図1AのIB−IB線断面図である。
例を示す説明図である。
説明図である。
置の全体図である。
層。
Claims (3)
- 【請求項1】 ロールの内部から外部に向かって弾性
層、導電層及び離型層を順次積層した3層構造のゴム材
から構成され、上記導電層はカーボンブラックを含有し
体積固有抵抗率が10 11 Ωcm以下のフッ素ゴムからな
り、上記離型層は配合剤として実質的に充填剤を含有し
ないフッ素ゴムからなることを特徴とする定着ロール。 - 【請求項2】 前記導電層の厚さが10〜100μmで
あり、前記離型層の厚さが5〜30μmである請求項1
記載の定着ロール。 - 【請求項3】 前記離型層表面に離型補助剤としての変
性シリコーンオイルが塗布されている請求項1記載の定
着ロール。
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