JP4600044B2 - 定着装置、シリコーンゴム組成物および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、シリコーンゴム組成物および画像形成装置 Download PDF

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本発明は、定着装置等に関し、より詳しくは例えば電子写真方式を利用した画像形成装置に用いられる定着装置等に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、この感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーによって可視像(トナー像)とし、さらにこのトナー像を記録紙に転写し、これを定着装置によって定着して画像形成している。
かかる画像形成装置に用いられる定着装置は、図10に示したように、円筒状の芯金111の内部に加熱源114を備え、その芯金111に耐熱性弾性体層112と、その外周面に離型層113とが積層して形成された定着ロール110と、この定着ロール110に対して圧接配置され、芯金121に耐熱性弾性体層122と、その外周面に耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層123とが積層して形成された加圧ロール120とで構成されている。そして、定着ロール110と加圧ロール120との間に、未定着トナー像を担持した記録紙を通過させて、未定着トナー像に対して加熱と加圧とを行うことによって、記録紙にトナー像を定着している。このような定着装置は、2ロール方式と呼ばれて、一般に広く利用されている。
ところで、2ロール方式の定着装置において高速化を図ろうとする場合には、トナーと記録紙に充分な熱量を供給するために、ニップ幅を定着速度に比例して広くすることが必要となる。ニップ幅を広くする方法として、定着ロールと加圧ロールとの間の荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法、さらにはロール径を大きくする方法がある。
しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、定着ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
そこで、これらの問題に対処して、画像形成装置の高速化に対応した定着装置を実現するべく、本出願人は、表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、この定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルトと、このエンドレスベルトの内側に非回転状態で配置された圧力パッドとを具備し、圧力パッドによって、定着ロールとの接触面が形成されるようにエンドレスベルトを定着ロールに圧接させ、エンドレスベルトと定着ロールとの間にシートを通過させることができるようにベルトニップを設けるとともに、定着ロールの表面のうち、シートの出口側を局部的に弾性変形させるように構成した定着装置に関する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
かかる特許文献1に記載した定着装置(「ベルトニップ方式」という。)では、従来の2ロール方式の定着装置における加圧ロールに代え、圧力パッドを用いてエンドレスベルトを定着ロールに圧接させている。このような構成を採用することにより、定着ロールとエンドレスベルトとによって形成されるベルトニップの幅が従来の定着ロールと加圧ロールとのロールニップの幅よりも容易に大きくすることができるので、高速化対応が可能となり、しかも装置の小型化を図ることも容易である。
特に、定着ロールに圧接させるエンドレスベルトの熱容量が小さく、さらに圧力パッドが非回転状態で配置されているために定着ロールから伝達される熱も発散され難い。そのため、定着ロールの回転が開始されても、定着ロールからエンドレスベルト側に奪われる熱量は少なく、熱をトナーの溶融に利用する効率を高めるとともに、ベルトニップでの温度低下量も小さいことから、トナーの定着性の向上を図ることができるという利点を有している。
特許第3298354号公報(第4-7頁)
しかしながら、上記したベルトニップ方式の定着装置においても、画像形成装置の高速化が進み、短時間に連続して送られてくる多数枚の記録紙に対して定着処理を行うこととなると、画像形成装置の立ち上がり時において定着ロールの表面温度が一時的に低下する所謂「温度ドループ」現象が発生する。この温度ドループ現象は、定着ロールの芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性体層が熱的抵抗体として作用するために、定着ロールの内部から充分な熱量を供給しても、その熱が定着ロール表面に伝達されるまでにタイムラグが生じることに起因するものである。特に、熱容量の大きい厚紙等を定着する際には定着ロールの表面から奪われる熱量が大きくなるので、温度ドループが大きくなる傾向がある。そのため、画像形成装置のさらなる高速化を図る場合においては、定着ロールの表面温度が回復するまでのある程度の枚数の記録紙において定着不良が発生し易いという新たな課題が生じる。
さらに、ベルトニップ方式の定着装置であっても、定着ロールの芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性体層が熱的抵抗体として作用する以上、画像形成装置の立ち上げ時における定着ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでのウォームアップタイムが存在し、画像形成装置の高速化に伴う定着ロールの大径化・大熱容量化によって、ウォームアップタイムも長くなる傾向にあるという課題も生じる。
なお、これらの課題は、従来の2ロール方式の定着装置においても同様に存在し、2ロール方式の定着装置においては、さらに深刻なものとなる。
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置の高速化に対応して、温度ドループ現象の発生を抑制することができる定着装置を提供することにある。
また他の目的は、ウォームアップタイムを極力短縮することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、加熱源を有し、弾性層が配設された定着部材と、定着部材に圧接しながら記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え、定着部材は、弾性層がシリコーンゴムに熱伝導性付与剤と低融点金属合金粒子とを配合させて成型されたことを特徴としている。
ここで、定着部材の弾性層は、低融点金属合金粒子が溶融し、溶融した低融点金属合金粒子が熱伝導性付与剤同士を結合させた状態を形成していることを特徴とすることができる。また、定着部材の弾性層は、低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工最高温度以下の融点を有することを特徴とすることもできる。さらに、定着部材の弾性層は、低融点金属合金粒子の平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とすることもできる。また、低融点金属合金粒子の配合量がシリコーンゴム100重量部に対し、10〜1000重量部であることを特徴とすることもできる。
また、定着部材は、定着ロールまたは定着ベルトである構成とすることができる。さらには、加圧部材はベルト部材であり、ベルト部材の内側に配置され、ベルト部材を定着部材に圧接させて定着部材とベルト部材との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
また、本発明をシリコーンゴム組成物として捉え、本発明のシリコーンゴム組成物は、シリコーンゴム母材に熱伝導性フィラーと低融点金属合金粒子とを配合したことを特徴とすることができる。
ここで、低融点金属合金粒子は、シリコーンゴム母材の加工最高温度以下の融点を有することを特徴とすることができる。また、低融点金属合金粒子は、平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とすることもできる。さらに、低融点金属合金粒子の配合量がシリコーンゴム100重量部に対し、10〜1000重量部であることを特徴とすることもできる。
さらに、本発明を画像形成装置として捉え、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、加熱源を有し、シリコーンゴムに熱伝導性付与剤と低融点金属合金粒子とを配合させて成型された弾性層が配設された定着部材と、定着部材に圧接しながら記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備えたことを特徴としている。
本発明の効果として、画像形成装置の高速化に対応して、定着装置における温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となった。また、同時に、ウォームアップタイムを短縮することも可能となった。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。定着装置60は、定着部材の一例としての定着ロール61、ベルト部材(加圧部材)の一例としてのエンドレスベルト62、およびエンドレスベルト62を介して定着ロール61から押圧される圧力部材の一例としての圧力パッド64により主要部が構成されている。
定着ロール61は、表面が弾性を有する円筒状ロールであり、回転自在に支持されて例えば194mm/sの表面速度で回転する。
また、定着ロール61の内部に加熱源としてのハロゲンヒータ66が配設され、定着ロール61に熱を供給するように構成されている。その際、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されており、画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)を維持するように調整している。
エンドレスベルト62は、エンドレスベルト62の内部に配置された圧力パッド64とベルトガイド部材63、さらにはエンドレスベルト62の両端部に配置されたエッジガイド部材80(後段の図3参照)によって回動自在に支持されている。そして、ニップ部Nにおいて定着ロール61に対して圧接されるように配置され、定着ロール61に従動して194mm/sの移動速度で回動する。
ここで、図3はエンドレスベルト62が支持される構成を説明する断面構成図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図3に示すように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド部材80が固設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
そして、エンドレスベルト62は、ニップ部Nとその近傍を除いて、両側部の内周面がベルト走行ガイド部801の外周面に支持され、ベルト走行ガイド部801の外周面に沿って回動する。したがって、ベルト走行ガイド部801は、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように摩擦係数の小さな材質で形成され、さらには、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、エンドレスベルト62の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、エンドレスベルト62が回動する際には、エンドレスベルト62の端部がフランジ部802の内側面に当接することによって、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限されている。このように、エンドレスベルト62は、エッジガイド部材80によって片寄りが規制されるように支持されている。
また、エンドレスベルト62の両端部を除く長手方向の領域では、エンドレスベルト62は圧力パッド64とベルトガイド部材63とに支持されている(図2も参照)。そして、エンドレスベルト62の両端部を除く領域では、エンドレスベルト62の内周面が圧力パッド64とベルトガイド部材63とに摺擦しながら回動する。
ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65に取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように、摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成するのが好ましい。
次に、圧力パッド64は、エンドレスベルト62の内側において、エンドレスベルト62を介して定着ロール61に押圧される状態で配置され、定着ロール61との間でニップ部Nを形成している。圧力パッド64は、幅の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部材64aをニップ部Nの入口側(上流側)に配置している。また、定着ロール61表面を局所的に押圧することで、トナー像表面を平滑化して画像光沢を付与するとともに、定着ロール61表面に歪み(凹み)を与えて用紙Pにダウンカールを形成するための剥離ニップ部材64bをニップ部Nの出口側(下流側)に配置している。さらに、圧力パッド64には、エンドレスベルト62の内周面と圧力パッド64との摺動抵抗を小さくするために、エンドレスベルト62と接する面に低摩擦シート68が設けられている。
なお、かかる圧力パッド64と低摩擦シート68とは、金属製のホルダ65に支持されている。
そして定着ロール61は、図示しない駆動モータに連結されて矢印C方向に回転し、この回転に従動してエンドレスベルト62も定着ロール61と同じ方向に回動する。図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって導かれて、ニップ部Nに搬送される。そして、用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上のトナー像はニップ部Nに作用する圧力と、定着ロール61から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置60では、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹形状のプレニップ部材64aによりニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
なお、ニップ部Nの下流側近傍には、剥離ニップ部材64bによって定着ロール61から剥離された用紙Pを完全に定着ロール61から分離し、画像形成装置の排出部へ向かう排紙通路に誘導するための剥離補助部材70が配設されている。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ロール61と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
次に、定着装置60を構成する各部材について詳細に述べる。
まずエンドレスベルト62は、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じないように、原形が円筒形状に形成された継ぎ目がない無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。ベース層は、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のポリマーにより形成され、その厚さは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)で形成され、その厚さは5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
本実施の形態の定着装置60では、周長94mm、厚さ75μm、幅320mmの熱硬化性ポリイミドからなるベース層に、厚さ30μmのPFAからなる離型層を積層した構成のエンドレスベルト62を用いている。
エンドレスベルト62の内部に配置された圧力パッド64は、上述したように、プレニップ部材64a、剥離ニップ部材64bで構成され、バネや弾性体によって定着ロール61を例えば35kgfの荷重で押圧するようにホルダ65に支持されている。プレニップ部材64aには、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体や板バネ等を用いることができ、定着ロール61側の面は、ほぼ定着ロール61の外周面に倣う凹状曲面で形成されている。本実施の形態の定着装置60では、幅10mm、厚さ5mm、長さ320mmのシリコーンゴムを用いている。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。
そして、本実施の形態の定着装置60では、エンドレスベルト62は、圧力パッド64により定着ロール61に約40°の巻き付き角度でラップされ、約10mm幅のニップ部Nを形成している。
低摩擦シート68は、エンドレスベルト62内周面と圧力パッド64との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減するために圧力パッド64のエンドレスベルト62内周面側に設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性・耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、またガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シート、FEPフィルム、ポリイミドフィルム等を用いることができる。
なお、低摩擦シート68は、表面に孔部がなく潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成されることが望ましい。低摩擦シート68を表面に孔部がなく潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成することで、潤滑剤が低摩擦シート68に滲みこむことを抑制できるので、摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持を可能とする。また、潤滑剤がプレニップ部材64aに浸み込んで膨潤し、ニップ圧が低下することを防ぐこともできる。
ここで、低摩擦シート68は、圧力パッド64のエンドレスベルト62内周面側に配置される構成であれば、低摩擦シート68を圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成しても、いずれでもよい。
また、ホルダ65に配設されたベルトガイド部材63には、エンドレスベルト62の回転方向に向けて複数のリブが形成され、エンドレスベルト62内周面との接触面積を極力少なく構成している。このベルトガイド部材63は、上述したように、エンドレスベルト62の内周面と摺擦するため、摩擦係数が低く、かつ、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率が低い材質が適しており、PFAやPPS等の耐熱性樹脂が用いられる。
さらに、ホルダ65には、定着装置60の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67が配設されている。潤滑剤塗布部材67は、エンドレスベルト62内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤を適量供給する。これにより、エンドレスベルト62と低摩擦シート68との摺動部に潤滑剤を供給し、低摩擦シート68を介したエンドレスベルト62と圧力パッド64との摺動抵抗をさらに低減して、エンドレスベルト62の円滑な回動を図っている。また、エンドレスベルト62の内周面や低摩擦シート68表面の摩耗を抑制する効果も有している。
ここで、潤滑剤としては、定着温度環境下での長期使用に対する耐久性を有し、かつ、エンドレスベルト62内周面との濡れ性を維持できるものが適している。例えば、シリコーンオイルやフッ素オイル等の液体状のオイルや、固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにはこれらを組み合わせたものを用いることができる。シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等が挙げられるが、摺動抵抗を低減させる効果や取り扱い性の観点から、アミノ変性シリコーンオイルが好適である。
続いて、本実施の形態の定着ロール61について説明する。
図4は、定着ロール61の構造を示す断面図である。図4に示すように、定着ロール61は、コア(円筒状芯金)611に弾性層としての耐熱性弾性体層612および離型層613が積層されて構成されている。コア611は、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属で形成され、本実施の形態の定着装置60では、外径30mm、長さ360mmの円筒体で構成されている。
また、離型層613には、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂が用いられるが、トナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE、FEP等が使用できる。離型層613の厚さは、好ましくは5〜30μmに構成している。本実施の形態の定着装置60では、厚さ30μmのPFAを被覆し、表面を鏡面状態に近く仕上げている。
次に、耐熱性弾性体層612について述べる。本実施の形態の定着ロール61に用いる耐熱性弾性体層612は、シリコーンゴムを母材として、この母材シリコーンゴムに、熱伝導性付与剤としての熱伝導性フィラーと、母材シリコーンゴムの加工温度(成型温度)以下の融点を持った低融点金属合金粒子とが配合されたシリコーンゴム組成物を成型して構成されている。
このように、耐熱性弾性体層612をかかるシリコーンゴム組成物を成型して構成することにより、耐熱性弾性体層612の熱伝導性を向上させることができる。そのため、画像形成装置の立ち上がり時において定着ロール61の表面温度が一時的に低下する所謂「温度ドループ」現象の発生を抑制し、さらには定着ロール61を室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)の短縮を図ることが可能となる。
図5は、耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物の構造を説明する図である。図5に示したように、かかるシリコーンゴム組成物では、シリコーンゴム母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融することで、シリコーンゴム母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーと熱伝導性フィラーとの間に熱伝導路を形成している。そのため、シリコーンゴム組成物内においては、熱伝導性フィラーと、熱伝導性フィラー同士を結合している低融点金属合金とによって、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目が構築されている。それによって、シリコーンゴム組成物内においては、この網の目を通って熱が伝達し易い構造が形成されることとなり、熱の伝導効率を極めて高くすることができる。
すなわち、従来のように熱伝導性フィラーのみを分散させた構成では、熱伝導性フィラー同士が孤立して母材シリコーンゴム中に存在するので、熱伝導性フィラーと熱伝導性フィラーとの間に熱伝導性の低い母材シリコーンゴムが介在することとなって、熱の伝導効率には一定の限界が生じていた。これに対し、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物では、熱は、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目によって伝達することができるので、熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。
なお、母材シリコーンゴム中に内添する熱伝導性フィラーの配合量を増やし、熱伝導性フィラーの密度を高めて、熱の伝導効率を高める方法も考えられるが、熱伝導性フィラーの配合量を増やした場合には、熱の伝導効率をある程度高めることは可能ではあるが、母材シリコーンゴム中の熱伝導性フィラーがリッチになって、例えば、ゴム硬度が高くなったり、ゴム弾性が低下したり、また耐熱性・加工性を悪化させるといったように、シリコーンゴム自体の有するゴム特性が低下するという弊害が生じ、定着ロール61の耐熱性弾性体層612としての使用を満たすことが困難となる。
ところが、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物では、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構成することによって、極めて高い熱伝導効率を実現するので、内添する熱伝導性フィラーの配合量を必要最少量に抑えることができる。また、低融点金属合金による熱伝導性フィラーと熱伝導性フィラーとの間の機械的な結合力は極めて緩やかであり、母材シリコーンゴムのゴム特性に与える影響は軽微である。そのため、シリコーンゴム自体の有する所望のゴム特性を確保することも可能となる。
ここで、本実施の形態の定着ロール61に用いられる耐熱性弾性体層612の作用について述べる。
定着装置60では、ニップ部Nに用紙Pが次々と搬送されて連続定着が行われる際には、ニップ部Nでは用紙Pおよび未定着トナー像に熱が奪われるとともに、エンドレスベルト62からの放熱もあって、定着ロール61の表面温度は低下する。それに対し、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61内部から熱エネルギーが供給されているが、定着ロール61の耐熱性弾性体層612が熱抵抗体となって、定着ロール61の表面に熱が到達するまでにはタイムラグが存在する。
したがって、従来の一般的な2ロール方式やベルトニップ方式の定着装置では、画像形成装置の高速化が進展するのに伴って、定着ロール61が用紙Pと当接する領域(ニップ部N)を通過した後、再度ニップ部Nに戻るまでの1回転の間に、熱容量が大きい定着ロール61を所定の定着温度に復帰させることは、極めて困難になる傾向にある。そして、定着ロール61が1回転する間に所定の定着温度へ到達しない場合には、特に画像形成装置の立ち上がり時において、温度ドループが起こって定着不良を生じたり、また同様の理由で、ウォームアップタイムも長くなっている。
それに対し、本実施の形態のシリコーンゴム組成物を用いた耐熱性弾性体層612では、耐熱性弾性体層612において、シリコーンゴムの母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融して、シリコーンゴムの母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築して、熱を伝達する経路を形成している。それによって、耐熱性弾性体層612の熱の伝導効率を極めて高いものとしている。
そのため、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61内部から供給された熱エネルギーに対して、耐熱性弾性体層612における熱抵抗を極めて低く構成できるので、定着ロール61の表面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。それによって、定着ロール61がニップ部Nを通過した後、再度ニップ部Nに戻るまでの1回転の間に、定着ロール61を所定の定着温度に復帰させることが可能となり、温度ドループの発生を抑制することができ、また、同様に、ウォームアップタイムも短縮することが可能となる。
ところで、熱伝導性フィラー同士を結合する低融点金属合金粒子は、母材シリコーンゴムの成型温度以下、すなわち母材シリコーンゴムの加工時に使用される最高温度(加工最高温度:例えば250℃)以下の融点を有している。 すなわち、低融点金属合金粒子には、母材シリコーンゴムの加工最高温度以下であるものが用いられる。
このような融点を有する低融点金属合金粒子を用いることで、定着ロール61に耐熱性弾性体層612を成型する際に、低融点金属合金粒子が溶融して、シリコーンゴムの母材中に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築することが可能となる。それとともに、定着装置60の使用時において低融点金属合金は溶融しても、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目は、その形態を変化することなく維持され、定着装置60の使用に際して、熱の伝導効率が極めて高い耐熱性弾性体層612として機能させることが可能となる。
次に、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物の組成について、具体的に説明する。
本実施の形態のシリコーンゴム組成物は、基本的には、加熱等によって硬化させることによりゴム弾性体となる(A)ポリオルガノシロキサン組成物に、(B)熱伝導性フィラーと、(C)低融点金属合金粒子とを配合したものである。この場合の配合量は、ポリシロキサンベースポリマー100重量部に対して、(B)成分の熱伝導性フィラーは、10〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部であり、(C) 成分の低融点金属合金粒子は、10〜1000重量部、より好ましくは50〜500重量部である。
これは、(B)成分の熱伝導性フィラーに関しては、10重量部より少ない場合には所望の熱伝導性が得られず、1000重量部より多い場合にはゴム硬度が高くなり、さらにはゴム弾性が失われるとともにゴムの加工性が悪化するためである。また、(C) 成分の低融点金属合金粒子に関しては、10重量部より少ない場合には所望の熱伝導性が得られず、1000重量部より多い場合にはゴム硬度が高くなり、さらにはゴム弾性が失われるとともにゴムの加工性が悪化するためである。
ここで、(B)成分の熱伝導性フィラーとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、粉砕石英、酸化マグネシウムなどの無機系フィラーを用いることができる。
また、(C)成分の低融点金属合金粒子としては、易融合金(半田用合金) を用いることができる。その易融合金(半田用合金)としては、Sn−Pb系、Sn−Sb系、Sn−Ag系、Sn−Bi系、Sn−Al系、Sn−Cu系、Sn−Mn系、Sn−Mg系、Zn−Mg系などの2元合金の他、Sn−Pb−Bi系、Sn−Sb−Bi系、Sn−Ag−Bi系、Sn−In−Ag系などの多元系合金も含まれる。この低融点金属合金粒子の組成選択は、母材となるシリコーンゴム組成物の加工温度により決定される。特に、近年の環境規制を考慮して、Pbフリーの合金系を選択することが望ましい。
(C)成分の低融点金属合金粒子の粒径としては、1.0〜1000μm、より好ましくは10〜100μmである。粒径が1.0μmより小さくなると、シリコーンゴムへの分散が悪くなって所望の高熱伝導率が得られなくなり、1000μmより大きくなると、シリコーンゴム自体の加工性が悪化するためである。
さらに、(A)成分のポリオルガノシロキサン組成物としては、(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマーと、(b)硬化剤と、必要に応じて各種添加剤等とを均一に分散させたものを用いることができる。このようなポリオルガノシロキサン組成物に用いられる各種成分のうち、(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマーと(b)硬化剤とは、ゴム弾性体を得るための反応機構に応じて適宜選択されるものである。その反応機構としては、(1) 有機過酸化物加硫剤による架橋方法、(2) 縮合反応による方法、(3) 付加反応による方法等が知られており、その反応機構によって、(a)成分と(b)成分、すなわち硬化用触媒もしくは架橋剤との好ましい組合せが定まることは周知である。このような各種の反応機構において用いられる(a)成分のベースポリマーとしてのポリオルガノシロキサンにおける有機基は、1価の置換または非置換の炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基のようなアルキル基、フェニル基のようなアリール基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基等の非置換の炭化水素基や、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換炭化水素基が例示される。なお、一般的にはメチル基が合成のし易さ等から多用される。
以下に、上述した(1)〜(3) のそれぞれの反応機構における(a)ポリオルガノシロキサンベースポリマーと、(b)硬化剤とについて説明する。まず、 (1) の有機過酸化物加硫剤による架橋方法を適用する場合においては、通常、(a)成分のベースポリマーとしては、1分子中のケイ素原子に結合した有機基のうち、少なくとも2個がビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニルなどのアルケニル基であるポリオルガノシロキサンが用いられる。特に合成の容易さ、原料の入手のし易さから、上記した基の中でもビニル基が好ましい。また、(b)成分の硬化剤としては、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド等の各種の有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に低い圧縮永久歪みを与えることから、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシドが好ましい。なお、これらの有機過酸化物加硫剤は、1種または2種以上の混合物として用いられる。(b)成分の硬化剤である有機過酸化物の配合量は、(a)成分のポリオルガノシロキサンベースポリマー100重量部に対し0.05〜15重量部の範囲が好ましい。有機過酸化物の配合量が0.05重量部未満では加硫が充分に行われず、15重量部を超えて配合してもそれ以上の格別な効果がないばかりか、得られたシリコーンゴムの物性に悪影響を与えることがあるからである。
また、(2) の縮合反応を適用する場合においては、(a)成分のベースポリマーとしては両末端に水酸基を有するポリオルガノシロキサンが用いられる。(b)成分の硬化剤としては、まず架橋剤として、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン等のアルコキシ型;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシ型;メチルトリ(アセトンオキシム)シラン、ビニルトリ(アセトンオキシム)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン等、およびその部分加水分解物が例示される。また、ヘキサメチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、テトラメチルジブチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘプタメチル(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ペンタメチル−トリス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘキサメチル−ビス(メチルエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、テトラメチル−ビス(ジエチルアミノキシ)−モノ(メチルエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサンのような環状シロキサン等も例示される。このように、架橋剤はシランやシロキサン構造のいずれでもよく、またそのシロキサン構造は直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。さらに、これらを使用する際には、1種類に限定される必要はなく、2種以上の併用も可能である。また、(b)成分の硬化剤のうち、硬化用触媒としては、鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエートのようなカルボン酸金属塩;ジメチルスズジオレエート、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物が用いられる。(b)成分の硬化剤のうち、上記した架橋剤の配合量は、(a)成分のベースポリマー100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。架橋剤の使用量が0.1重量部未満では、硬化後のゴムに充分な強度が得られず、また20重量部を超えると得られるゴムが脆くなり、いずれも実用に耐え難いからである。また、硬化用触媒の配合量は(a)成分のベースポリマー100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましい。0.01重量部より少ない量では硬化用触媒として不充分であって、硬化に長時間を要し、また空気との接触面から遠い内部での硬化が不良となるからである。他方、5重量部よりも多い場合には、保存安定性が低下してしまうからである。なお、より好ましい配合量の範囲としては、0.1〜3重量部の範囲である。
さらに、(3) の付加反応を適用する場合の(a)成分のベースポリマーとしては、上記した(1) の架橋方法におけるベースポリマーと同様なものが用いられる。また、(b)成分の硬化剤としては、硬化用触媒として、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金系触媒が用いられ、架橋剤として、ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える数を有するポリオルガノシロキサンが用いられる。(b)成分の硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、(a)成分のベースポリマーに対し白金元素量で1〜1000ppmの範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金元素量として1ppm未満では、充分に硬化が進行せず、また1000ppm を超えても特に硬化速度の向上等が期待できない。また、架橋剤の配合量は、(a)成分中のアルケニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜4.0個となるような量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜3.0個となるような量である。水素原子の量が0.5個未満である場合は、組成物の硬化が充分に進行せずに、硬化後の組成物の硬さが低くなり、また水素原子の量が4.0個を超えると硬化後の組成物の物理的性質と耐熱性が低下する。本実施の形態の熱伝導性シリコーンゴム組成物において、上記した硬化機構およびポリシロキサンベースポリマーは特に限定されるものではないが、熱伝導特性の点からは(3) の付加反応、または(1) の有機過酸化物加硫によるものが好ましく、またポリシロキサンベースポリマーの重合度は1000以上のもの、すなわち所謂ミラブル型と称するものが好ましい。これは、混合時の剪断応力が適度であるために、配合によって前述の効果がより発揮されるものと推察されるからである。
なお、本実施の形態の熱伝導性シリコーンゴム組成物には、補強性充填剤、耐熱性向上剤、難燃剤等の各種添加剤を随時付加的に配合してもよい。そのようなものとしては、通常、煙霧質シリカ、沈澱法シリカ、けいそう土等の補強性充填剤、酸化アルミニウム、マイカ、クレイ、炭酸亜鉛、ガラスビーズ、ポリジメチルシロキサン、アルケニル基含有ポリシロキサン等が例示される。
以下、実施例およびこれに対する比較例に基づき、本実施の形態の定着ロール61における耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物を具体的に説明する。なお、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニルシロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキサン(重合度約6000)100重量部に、熱伝導性フィラーとしてアルミナ(Al)200重量部と、低融点合金粒子としてSn−Pb系合金粉末(平均粒径:50μm、融点183℃)100重量部をニーダーに仕込み、混練を行ってコンパウンドがまとまってから取り出した。これに、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.5重量部を均一に混合し、熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。
(比較例1)
低融点合金粒子(Sn−Pb系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
(比較例2)
熱伝導性フィラーとしてアルミナ(Al)300重量部とし、低融点合金粒子(Sn−Pb系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
(実施例2)
末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニルシロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキサン(重合度約6000)100重量部に、熱伝導性フィラーとしてマグネシア(MgO)300重量部と、低融点合金粒子としてSn−Ag−Bi系合金粉末(平均粒径:80μm、融点197℃)200重量部をニーダーに仕込み、混練を行ってコンパウンドがまとまってから取り出した。これに、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.5重量部を均一に混合し、熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。
(比較例3)
低融点合金粒子(Sn−Ag−Bi系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
(比較例4)
熱伝導性フィラーとしてマグネシア(MgO)500重量部とし、低融点合金粒子(Sn−Ag−Bi系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
このようにして得られた実施例1、2および比較例1〜4の熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いて、以下に示す方法により特性を評価した。まず、ロール作業性、シーティング性能を確認する目的で、ロールにてシート出しを行い、その様子を評価した。ロールとしては、8インチテストローを用い、ゴム寄せ板間隔を20cmとし、バンクをロール上に作りつつシーティングした。シート厚は、1mmと3mmとの2種類に設定し、シーティングできるかどうかを確認した。さらに、そのシートにおいて、コンパウンドの分散性を光源100Wの電球にシートをかざすことで確認した。なお、シーティングできなかったものは、人為的に成型してシートを製造した。
また、上記した各熱伝導性シリコーンゴム組成物を2mm厚ゴムシートとし、一次加硫として180℃雰囲気、10分間の条件でプレス加硫を行った後、二次加硫として250℃雰囲気、4時間の条件で後加硫を行い、常温に戻して24時間経過後に、各ゴムシートの硬度、引張強さ、伸びをJIS−K6301(加硫ゴム物理試験方法)に従って測定した。また耐熱試験として、200℃雰囲気において96時間恒温槽に放置した後、室温に戻して、24時間経過後に各物性を測定し、耐熱性能の比較とした。さらに、熱伝導率をQTM迅速熱伝導率計(商品名:京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
これらの実施例および比較例の評価結果を各組成物の配合比と併せてまとめたものが図6である。図6に示したように、実施例1のゴムシートでは、低融点合金粒子(Sn−Pb系合金粉末)を混合しない比較例1、2のゴムシートと比べて、熱伝導率が格段に向上していることが実証された。その場合でも、シーティング性・フィラー分散性は良好であり、硬度、引張強度、伸びに関しても、初期状態、さらには耐熱試験の後においても、殆ど変化することなく良好な特性を有している。実施例2のゴムシートに関しても同様であり、低融点合金粒子(Sn−Ag−Bi系合金粉末)を混合しない比較例3、4のゴムシートと比べて、熱伝導率が格段に向上していることが実証された。その場合でも、シーティング性・フィラー分散性は良好であり、硬度、引張強度、伸びに関しても、初期状態、さらには耐熱試験の後においても、殆ど変化することなく良好な特性を有している。
このように、実施例および比較例の比較により、本実施の形態のシリコーンゴム組成物では、熱伝導率が7〜10(×10−3cal/cm・sec・℃)程度の高い値を実現することができ、その優位性が確認された。なお、本実施の形態のシリコーンゴム組成物では、本発明者の実験により、熱伝導率を5(×10−3cal/cm・sec・℃)以上に設定することは可能であることが確認されているが、硬度、引張強度、伸び等のゴム特性を維持する観点からシリコーンゴム組成物への各配合物の配合量等を考慮し、熱伝導率は15(×10−3cal/cm・sec・℃)以下に設定するのが好ましい。
さらに、実施例1、2および比較例1、3のシリコーンゴム組成物を定着ロール61に耐熱性弾性体層612として、上記シートの製造条件と同じ条件で加硫して作成し、組み込んだ定着装置60を用いて、ハロゲンヒータ66への通電開始から定着ロール61表面が設定温度(本実験では150℃とした。)に到達するまでの時間(分)、および定着画像の画像グロスむら(マイクログロス)を評価する実験を行なった。
本実験では、定着ロール61は、アルミニウム製のコア611に、耐熱性弾性体層612として、上記したように実施例1、2、および比較例1、3で用いたシリコーンゴム組成物を3mmの厚さに被覆成型した後、この耐熱性弾性体層612表面にフッ素樹脂塗料EN−710CL(三井デュポン(株)製)を30μm厚にスプレーコーティングして、4種類の定着ロール61を用意した。定着ロール61内部には800Wのハロゲンヒータ66を配設して、設定温度を150℃とした。ニップ部Nのニップ幅は8mmに設定し、プロセススピードは150mm/secとした。そして、これら4種類の定着ロール61を組み込んだ定着装置60を画像形成装置に装着し、定着性能評価を行った。また、トナーは、富士ゼロックス(株)製 DocuCenterColor400用カラートナー(シアン色)を使用し、富士ゼロックス(株)製 「J紙」(商品名)を用いた。その際、用紙P上に形成されたトナー像のトナー密度は1mg/cmに設定した。
その結果を示したのが図7である。図7に示したように、耐熱性弾性体層612として実施例1、2のシリコーンゴム組成物を用いた本実施の形態の定着装置60では、比較例1、3のシリコーンゴム組成物を用いた場合に比較し、設定温度到達時間が1/4〜2/5に短縮されていることが実証された。なお、画像クロスむらに関しては、実施例1、2のシリコーンゴム組成物を用いた場合、および比較例1、3のシリコーンゴム組成物を用いた場合ともに、発生は認められず、良好な画像品質を示した。これは、実施例1、2のシリコーンゴム組成物、および比較例1、3のシリコーンゴム組成物ともに、硬度が低く、伸びも大きいためであると考えられる。
以上説明したように、本実施の形態の定着装置60では、定着ロール61の耐熱性弾性体層612は、シリコーンゴムを母材として、この母材シリコーンゴムに、熱伝導性付与剤としての熱伝導性フィラーと、母材シリコーンゴムの加工温度(成型温度(二次加硫温度))以下の融点を持った低融点金属合金粒子とが配合されたシリコーンゴム組成物を成型することにより構成されている。このような構成により、耐熱性弾性体層612において、シリコーンゴムの母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融して、シリコーンゴムの母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築するので、耐熱性弾性体層612の熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。
そのため、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61内部から供給された熱エネルギーに対して、耐熱性弾性体層612における熱抵抗を極めて低く構成でき、定着ロール61の表面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。それによって、定着ロール61がニップ部Nを通過した後、再度ニップ部Nに戻るまでの1回転の間に、定着ロール61を所定の定着温度に復帰させることが可能となるので、温度ドループの発生を抑制することができ、また、同様に、ウォームアップタイムも短縮することが可能となる。
なお、本実施の形態では、定着ロール61にエンドレスベルト62を押圧させたベルトニップ方式の定着装置60について説明したが、本発明は、一般の定着ロールに加圧ロールを押圧させた2ロール方式の定着装置や、その他耐熱性弾性体層が配設される定着部材を用いる定着装置に広く適用できる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施の形態における定着装置90の構成を示す側断面図である。図8に示すように、本実施の形態の定着装置90は、定着部材の一例としての定着ベルト92、加圧部材の一例としての加圧ロール91により主要部が構成されている。そして、定着ベルト92が用紙Pのトナー像担持面側に配置されるとともに、定着ベルト92の内側には加熱源の一例としての抵抗発熱体であるセラミックヒータ82が配設され、セラミックヒータ82からニップ部Nに熱を供給するように構成している。
セラミックヒータ82は、加圧ロール91側の面がほぼフラットに形成されている。そして、定着ベルト92を介して加圧ロール91に押圧される状態で配置され、ニップ部Nを形成している。したがって、セラミックヒータ82は圧力部材としても機能している。ニップ部Nを通過した用紙Pは、ニップ部Nの出口領域(剥離ニップ部)において定着ベルト92の曲率の変化によって定着ベルト92から剥離される。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
一方、加圧ロール91は定着ベルト92に対向するように配置され、図示しない駆動モータにより矢印D方向に回転し、この回転に従動して定着ベルト92が回動するように構成されている。加圧ロール91は、コア (円柱状芯金)911と、コア911の外周面に被覆した耐熱性弾性体層912と、さらに耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層913とが積層されて構成されている。
さらに、本実施の形態の定着装置90では、定着ベルト92は、原形が円筒形状に形成された例えば直径が30mmの無端ベルトである。そして、定着ベルト92の層構造は、図9に示したように、耐熱性の高いシート状部材からなる基材層921、基材層921の外周面上に積層された弾性層922、弾性層922の上に積層された表面離型層923により構成されている。
定着ベルト92の基材層921は、厚さ10〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの耐熱性の高いシートで形成され、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂や、SUS、ニッケル等の金属からなるものが使用できる。なお、基材層921では、定着ベルト62の両端部がエッジガイド(図示せず)に突き当たった場合でも、座屈等が生じない程度の剛性を確保している。
定着ベルト92の弾性層922は、シリコーンゴムを母材として、この母材シリコーンゴムに、熱伝導性付与剤としての熱伝導性フィラーと、母材シリコーンゴムの加工温度(成型温度)以下の融点を持った低融点金属合金粒子とが配合されたシリコーンゴム組成物を、厚さ100〜600μm程度に成型して構成されている。
この弾性層922を設けることによって、粉体であるトナーが積層して形成されたトナー像に対して、ニップ部Nにおいてトナー像を押し潰さずに包み込むようになり、トナー像の全体にムラなく熱を供給することができるので、細線や細かなドット状のトナー像を高精細に定着することが可能となる。特に、カラー画像に対しては、4色のトナーを充分に溶解した上で混合できるので、良好な発色性が得られる。
さらに、本実施の形態の弾性層922では、シリコーンゴムの母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融して、シリコーンゴムの母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築するので、弾性層922の熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。
そのため、セラミックヒータ82によって内部から供給された熱エネルギーに対して、弾性層922における熱抵抗を極めて低く構成でき、定着ベルト92の内周面から外周面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。それによって、ニップ部Nにおいては、セラミックヒータ82から定着ベルト92の外周面に対して急速な熱の伝導が行なわれるので、画像形成装置の高速化を図った場合においても、良好な定着性を維持することが可能となる。
また、定着ベルト62の表面離型層923は、用紙P上に担持された未定着トナー像と直接接触するため、離型性のよい材料を使用することが必要である。この表面離型層923を構成する材料としては、例えば、PFA、PTFE、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が挙げられる。表面離型層923は、これらの材料のうちから適宜選択されたものを、1〜50μmの厚さで定着ベルト62の最上層に設けたものである。
なお、ホルダ65の両端部にはエッジガイド部材(不図示)が配設されている。エッジガイド部材は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両エッジガイド部材の内側面が、定着ベルト92の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、定着ベルト92が回動する際には、定着ベルト92の端部が両エッジガイド部材の内側面に当接することによって、定着ベルト92の幅方向への移動(ベルトウォーク)が規制されている。このように、定着ベルト92は、エッジガイド部材によって片寄りが規制されるように設定されている。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配設することもできる。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
そして、図1に示した画像形成装置の二次転写部20においてトナー像が静電転写された用紙Pは、定着入口ガイド56によって定着装置90のニップ部Nに導かれる。用紙Pがニップ部Nを通過する際には、用紙P上のトナー像は、ニップ部Nに作用する圧力と、定着ベルト92側のセラミックヒータ82から供給される熱とによって定着される。本実施の形態の定着装置90でも、加圧ロール91とセラミックヒータ82との間でニップ部Nを広く構成することができるため、安定した定着性能を確保することができる。
このように、本実施の形態の定着装置90においては、定着ベルト92に弾性層922を設け、この弾性層922は、シリコーンゴムを母材として、この母材シリコーンゴムに、熱伝導性付与剤としての熱伝導性フィラーと、母材シリコーンゴムの加工温度(成型温度)以下の融点を持った低融点金属合金粒子とが配合されたシリコーンゴム組成物を成型して構成している。
このような構成により、細線や細かなドット状のトナー像を高精細に定着し、特にカラー画像に対しては、良好な発色性が得られる。さらには、シリコーンゴムの母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融して、シリコーンゴムの母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築するので、弾性層922の熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。そのため、セラミックヒータ82によって内部から供給された熱エネルギーに対して、弾性層922における熱抵抗を極めて低く構成でき、定着ベルト92の内周面から外周面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となるので、ニップ部Nにおいては、セラミックヒータ82から定着ベルト92の外周面に対して急速な熱の伝導が行なわれ、画像形成装置の高速化を図った場合においても、良好な定着性を維持することが可能となる。
本発明の活用例として、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置への適用がある。また、インクジェット方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置への適用、例えば記録紙(用紙)上に担持された未乾燥インク像を乾燥する定着装置への適用がある。
本発明の画像形成装置を示した概略構成図である。 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 エンドレスベルトが支持される構成を説明する断面構成図である。 定着ロールの構造を示す断面図である。 耐熱性弾性体層を構成するシリコーンゴム組成物の構造を説明する図である。 実施例および比較例の評価結果を各組成物の配合比と併せてまとめた図である。 定着ロール表面が設定温度に到達するまでの時間および定着画像の画像グロスむらを評価した結果を示した図である。 実施の形態2に係る定着装置の構成を示す側断面図である。 定着ベルトの層構造を説明する断面図である。 従来の定着装置の構成を示す側断面図である。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,90…定着装置、61…定着ロール、611…コア(円筒状芯金)、612…耐熱性弾性体層、613…離型層、62…エンドレスベルト、63…ベルトガイド部材、64…圧力パッド、64a…プレニップ部材、64b…剥離ニップ部材、65…ホルダ、66…ハロゲンヒータ、67…潤滑剤供給部材、68…低摩擦シート、69…温度センサ、70…剥離補助部材、80…エッジガイド部材、82…セラミックヒータ、91…加圧ロール、92…定着ベルト、921…基材層、922…弾性層、923…表面離型層

Claims (9)

  1. 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
    加熱源を有し、弾性層が配設された定着部材と、
    前記定着部材に圧接しながら記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え、
    前記定着部材は、前記弾性層がシリコーンゴム100重量部対し、熱伝導性付与剤としての熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合させて成型され、且つ当該低融点金属合金粒子が当該熱伝導性付与剤同士を結合させていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部材の前記弾性層は、前記低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工最高温度以下の融点を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記定着部材の前記弾性層は、前記低融点金属合金粒子の平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記定着部材は、定着ロールまたは定着ベルトであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記加圧部材はベルト部材であり、当該ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記定着部材に圧接させて当該定着部材と当該ベルト部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. シリコーンゴム母材100重量部熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合したことを特徴とするシリコーンゴム組成物。
  7. 前記低融点金属合金粒子は、前記シリコーンゴム母材の加工最高温度以下の融点を有することを特徴とする請求項6記載のシリコーンゴム組成物。
  8. 前記低融点金属合金粒子は、平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とする請求項6記載のシリコーンゴム組成物。
  9. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
    前記定着手段は、
    加熱源を有し、シリコーンゴム100重量部対し、熱伝導性付与剤としての熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合させて成型され、且つ当該低融点金属合金粒子が当該熱伝導性付与剤同士を結合させている弾性層が配設された定着部材と、
    前記定着部材に圧接しながら前記記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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