JP4600044B2 - 定着装置、シリコーンゴム組成物および画像形成装置 - Google Patents
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しかし、荷重を大きくする方法や、弾性体の厚さを厚くする方法では、ロールの撓みに起因するニップ幅の形状がロール軸に沿って不均一になることから、定着むらや紙しわが発生する等といった画像品質上の問題が生じる。また、ロール径を大きくする方法では、装置の大型化を招くとともに、定着ロールを室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)が長くなるという問題がある。
なお、これらの課題は、従来の2ロール方式の定着装置においても同様に存在し、2ロール方式の定着装置においては、さらに深刻なものとなる。
また他の目的は、ウォームアップタイムを極力短縮することにある。
また、定着部材は、定着ロールまたは定着ベルトである構成とすることができる。さらには、加圧部材はベルト部材であり、ベルト部材の内側に配置され、ベルト部材を定着部材に圧接させて定着部材とベルト部材との間に記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
ここで、低融点金属合金粒子は、シリコーンゴム母材の加工最高温度以下の融点を有することを特徴とすることができる。また、低融点金属合金粒子は、平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とすることもできる。さらに、低融点金属合金粒子の配合量がシリコーンゴム100重量部に対し、10〜1000重量部であることを特徴とすることもできる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
また、定着ロール61の内部に加熱源としてのハロゲンヒータ66が配設され、定着ロール61に熱を供給するように構成されている。その際、定着ロール61の表面には温度センサ69が接触して配置されており、画像形成装置の制御部40は、この温度センサ69による温度計測値に基づいてハロゲンヒータ66の点灯を制御し、定着ロール61の表面温度が所定の設定温度(例えば、175℃)を維持するように調整している。
ここで、図3はエンドレスベルト62が支持される構成を説明する断面構成図であり、用紙Pの搬送方向下流側から見た定着装置60の一方の端部領域を示している。
図3に示すように、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65の両端部にエッジガイド部材80が固設されている。エッジガイド部材80は、ニップ部Nとその近傍に対応する部分に切り欠きが形成された円筒状、すなわち断面がC形状のベルト走行ガイド部801、このベルト走行ガイド部801の外側に設けられ、エンドレスベルト62の内径よりも大きな外径で形成されたフランジ部802、さらにフランジ部802の外側に設けられ、エッジガイド部材80を定着装置60本体に位置決めして固定するための保持部803で構成されている。
また、フランジ部802は、ホルダ65の両端部において対向するように配置された両フランジ部802の内側面が、エンドレスベルト62の幅と略一致する間隔を持つように配置されている。そして、エンドレスベルト62が回動する際には、エンドレスベルト62の端部がフランジ部802の内側面に当接することによって、エンドレスベルト62の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限されている。このように、エンドレスベルト62は、エッジガイド部材80によって片寄りが規制されるように支持されている。
ベルトガイド部材63は、エンドレスベルト62の内部に配置されたホルダ65に取り付けられ、エンドレスベルト62がスムーズに回動することができるように、摩擦係数の小さな材質で形成されている。また、エンドレスベルト62から熱を奪い難いように熱伝導率の低い材質で形成するのが好ましい。
なお、かかる圧力パッド64と低摩擦シート68とは、金属製のホルダ65に支持されている。
まずエンドレスベルト62は、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じないように、原形が円筒形状に形成された継ぎ目がない無端ベルトであり、ベース層と、このベース層の定着ロール61側の面または両面に被覆された離型層とから構成されている。ベース層は、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等のポリマーにより形成され、その厚さは、30〜200μm、好ましくは50〜125μm、より好ましくは75〜100μm程度である。ベース層の表面に被覆される離型層としては、フッ素樹脂、例えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)で形成され、その厚さは5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
本実施の形態の定着装置60では、周長94mm、厚さ75μm、幅320mmの熱硬化性ポリイミドからなるベース層に、厚さ30μmのPFAからなる離型層を積層した構成のエンドレスベルト62を用いている。
剥離ニップ部材64bは、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属で形成されている。剥離ニップ部材64bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。
そして、本実施の形態の定着装置60では、エンドレスベルト62は、圧力パッド64により定着ロール61に約40°の巻き付き角度でラップされ、約10mm幅のニップ部Nを形成している。
なお、低摩擦シート68は、表面に孔部がなく潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成されることが望ましい。低摩擦シート68を表面に孔部がなく潤滑剤に対する浸潤性、透過性のない材質で形成することで、潤滑剤が低摩擦シート68に滲みこむことを抑制できるので、摺動部において潤滑剤が失われず、潤滑剤の安定的な維持を可能とする。また、潤滑剤がプレニップ部材64aに浸み込んで膨潤し、ニップ圧が低下することを防ぐこともできる。
ここで、低摩擦シート68は、圧力パッド64のエンドレスベルト62内周面側に配置される構成であれば、低摩擦シート68を圧力パッド64と別体に構成しても、圧力パッド64と一体的に構成しても、いずれでもよい。
図4は、定着ロール61の構造を示す断面図である。図4に示すように、定着ロール61は、コア(円筒状芯金)611に弾性層としての耐熱性弾性体層612および離型層613が積層されて構成されている。コア611は、鉄、アルミニウム、SUS等の熱伝導率の高い金属で形成され、本実施の形態の定着装置60では、外径30mm、長さ360mmの円筒体で構成されている。
また、離型層613には、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂等の耐熱性樹脂が用いられるが、トナーに対する離型性や耐摩耗性の観点から、フッ素樹脂が適している。フッ素樹脂としては、PFA、PTFE、FEP等が使用できる。離型層613の厚さは、好ましくは5〜30μmに構成している。本実施の形態の定着装置60では、厚さ30μmのPFAを被覆し、表面を鏡面状態に近く仕上げている。
このように、耐熱性弾性体層612をかかるシリコーンゴム組成物を成型して構成することにより、耐熱性弾性体層612の熱伝導性を向上させることができる。そのため、画像形成装置の立ち上がり時において定着ロール61の表面温度が一時的に低下する所謂「温度ドループ」現象の発生を抑制し、さらには定着ロール61を室温から定着可能温度に上昇させるまでの時間(ウォームアップタイム)の短縮を図ることが可能となる。
すなわち、従来のように熱伝導性フィラーのみを分散させた構成では、熱伝導性フィラー同士が孤立して母材シリコーンゴム中に存在するので、熱伝導性フィラーと熱伝導性フィラーとの間に熱伝導性の低い母材シリコーンゴムが介在することとなって、熱の伝導効率には一定の限界が生じていた。これに対し、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物では、熱は、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目によって伝達することができるので、熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。
ところが、本実施の形態の耐熱性弾性体層612を構成するシリコーンゴム組成物では、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構成することによって、極めて高い熱伝導効率を実現するので、内添する熱伝導性フィラーの配合量を必要最少量に抑えることができる。また、低融点金属合金による熱伝導性フィラーと熱伝導性フィラーとの間の機械的な結合力は極めて緩やかであり、母材シリコーンゴムのゴム特性に与える影響は軽微である。そのため、シリコーンゴム自体の有する所望のゴム特性を確保することも可能となる。
定着装置60では、ニップ部Nに用紙Pが次々と搬送されて連続定着が行われる際には、ニップ部Nでは用紙Pおよび未定着トナー像に熱が奪われるとともに、エンドレスベルト62からの放熱もあって、定着ロール61の表面温度は低下する。それに対し、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61内部から熱エネルギーが供給されているが、定着ロール61の耐熱性弾性体層612が熱抵抗体となって、定着ロール61の表面に熱が到達するまでにはタイムラグが存在する。
したがって、従来の一般的な2ロール方式やベルトニップ方式の定着装置では、画像形成装置の高速化が進展するのに伴って、定着ロール61が用紙Pと当接する領域(ニップ部N)を通過した後、再度ニップ部Nに戻るまでの1回転の間に、熱容量が大きい定着ロール61を所定の定着温度に復帰させることは、極めて困難になる傾向にある。そして、定着ロール61が1回転する間に所定の定着温度へ到達しない場合には、特に画像形成装置の立ち上がり時において、温度ドループが起こって定着不良を生じたり、また同様の理由で、ウォームアップタイムも長くなっている。
そのため、ハロゲンヒータ66によって定着ロール61内部から供給された熱エネルギーに対して、耐熱性弾性体層612における熱抵抗を極めて低く構成できるので、定着ロール61の表面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。それによって、定着ロール61がニップ部Nを通過した後、再度ニップ部Nに戻るまでの1回転の間に、定着ロール61を所定の定着温度に復帰させることが可能となり、温度ドループの発生を抑制することができ、また、同様に、ウォームアップタイムも短縮することが可能となる。
このような融点を有する低融点金属合金粒子を用いることで、定着ロール61に耐熱性弾性体層612を成型する際に、低融点金属合金粒子が溶融して、シリコーンゴムの母材中に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築することが可能となる。それとともに、定着装置60の使用時において低融点金属合金は溶融しても、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目は、その形態を変化することなく維持され、定着装置60の使用に際して、熱の伝導効率が極めて高い耐熱性弾性体層612として機能させることが可能となる。
本実施の形態のシリコーンゴム組成物は、基本的には、加熱等によって硬化させることによりゴム弾性体となる(A)ポリオルガノシロキサン組成物に、(B)熱伝導性フィラーと、(C)低融点金属合金粒子とを配合したものである。この場合の配合量は、ポリシロキサンベースポリマー100重量部に対して、(B)成分の熱伝導性フィラーは、10〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部であり、(C) 成分の低融点金属合金粒子は、10〜1000重量部、より好ましくは50〜500重量部である。
これは、(B)成分の熱伝導性フィラーに関しては、10重量部より少ない場合には所望の熱伝導性が得られず、1000重量部より多い場合にはゴム硬度が高くなり、さらにはゴム弾性が失われるとともにゴムの加工性が悪化するためである。また、(C) 成分の低融点金属合金粒子に関しては、10重量部より少ない場合には所望の熱伝導性が得られず、1000重量部より多い場合にはゴム硬度が高くなり、さらにはゴム弾性が失われるとともにゴムの加工性が悪化するためである。
また、(C)成分の低融点金属合金粒子としては、易融合金(半田用合金) を用いることができる。その易融合金(半田用合金)としては、Sn−Pb系、Sn−Sb系、Sn−Ag系、Sn−Bi系、Sn−Al系、Sn−Cu系、Sn−Mn系、Sn−Mg系、Zn−Mg系などの2元合金の他、Sn−Pb−Bi系、Sn−Sb−Bi系、Sn−Ag−Bi系、Sn−In−Ag系などの多元系合金も含まれる。この低融点金属合金粒子の組成選択は、母材となるシリコーンゴム組成物の加工温度により決定される。特に、近年の環境規制を考慮して、Pbフリーの合金系を選択することが望ましい。
(C)成分の低融点金属合金粒子の粒径としては、1.0〜1000μm、より好ましくは10〜100μmである。粒径が1.0μmより小さくなると、シリコーンゴムへの分散が悪くなって所望の高熱伝導率が得られなくなり、1000μmより大きくなると、シリコーンゴム自体の加工性が悪化するためである。
(実施例1)
末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニルシロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキサン(重合度約6000)100重量部に、熱伝導性フィラーとしてアルミナ(Al2O3)200重量部と、低融点合金粒子としてSn−Pb系合金粉末(平均粒径:50μm、融点183℃)100重量部をニーダーに仕込み、混練を行ってコンパウンドがまとまってから取り出した。これに、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.5重量部を均一に混合し、熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。
低融点合金粒子(Sn−Pb系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
熱伝導性フィラーとしてアルミナ(Al2O3)300重量部とし、低融点合金粒子(Sn−Pb系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
末端がトリメチルシリル基で閉塞され、メチルビニルシロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシロキサン(重合度約6000)100重量部に、熱伝導性フィラーとしてマグネシア(MgO)300重量部と、低融点合金粒子としてSn−Ag−Bi系合金粉末(平均粒径:80μm、融点197℃)200重量部をニーダーに仕込み、混練を行ってコンパウンドがまとまってから取り出した。これに、架橋剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.5重量部を均一に混合し、熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。
低融点合金粒子(Sn−Ag−Bi系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
熱伝導性フィラーとしてマグネシア(MgO)500重量部とし、低融点合金粒子(Sn−Ag−Bi系合金粉末)を混合しないこと以外は、実施例1と同様にして調製したものを熱伝導性シリコーンゴム組成物とした。
また、上記した各熱伝導性シリコーンゴム組成物を2mm厚ゴムシートとし、一次加硫として180℃雰囲気、10分間の条件でプレス加硫を行った後、二次加硫として250℃雰囲気、4時間の条件で後加硫を行い、常温に戻して24時間経過後に、各ゴムシートの硬度、引張強さ、伸びをJIS−K6301(加硫ゴム物理試験方法)に従って測定した。また耐熱試験として、200℃雰囲気において96時間恒温槽に放置した後、室温に戻して、24時間経過後に各物性を測定し、耐熱性能の比較とした。さらに、熱伝導率をQTM迅速熱伝導率計(商品名:京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
このように、実施例および比較例の比較により、本実施の形態のシリコーンゴム組成物では、熱伝導率が7〜10(×10−3cal/cm・sec・℃)程度の高い値を実現することができ、その優位性が確認された。なお、本実施の形態のシリコーンゴム組成物では、本発明者の実験により、熱伝導率を5(×10−3cal/cm・sec・℃)以上に設定することは可能であることが確認されているが、硬度、引張強度、伸び等のゴム特性を維持する観点からシリコーンゴム組成物への各配合物の配合量等を考慮し、熱伝導率は15(×10−3cal/cm・sec・℃)以下に設定するのが好ましい。
本実験では、定着ロール61は、アルミニウム製のコア611に、耐熱性弾性体層612として、上記したように実施例1、2、および比較例1、3で用いたシリコーンゴム組成物を3mmの厚さに被覆成型した後、この耐熱性弾性体層612表面にフッ素樹脂塗料EN−710CL(三井デュポン(株)製)を30μm厚にスプレーコーティングして、4種類の定着ロール61を用意した。定着ロール61内部には800Wのハロゲンヒータ66を配設して、設定温度を150℃とした。ニップ部Nのニップ幅は8mmに設定し、プロセススピードは150mm/secとした。そして、これら4種類の定着ロール61を組み込んだ定着装置60を画像形成装置に装着し、定着性能評価を行った。また、トナーは、富士ゼロックス(株)製 DocuCenterColor400用カラートナー(シアン色)を使用し、富士ゼロックス(株)製 「J紙」(商品名)を用いた。その際、用紙P上に形成されたトナー像のトナー密度は1mg/cm2に設定した。
実施の形態1では、加熱手段として発熱源を有する定着ロール61を用い、加圧手段として圧力パッド64が押圧されたエンドレスベルト62を用いた定着装置60が搭載された画像形成装置について説明した。実施の形態2では、図1に示した画像形成装置に搭載する定着装置であって、加熱手段として発熱源が押圧された定着ベルトを用い、加圧手段として加圧ロールを用いた定着装置について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
さらに、定着ベルト92内周面とセラミックヒータ82との間には、定着ベルト92の内周面とセラミックヒータ82との摺動抵抗を小さくするため、低摩擦シート68が配設されている。この低摩擦シート68は、セラミックヒータ82と別体に構成しても、セラミックヒータ82と一体的に構成しても、いずれでもよい。
定着ベルト92の基材層921は、厚さ10〜150μm、さらに好ましくは50〜100μmの耐熱性の高いシートで形成され、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミド等の耐熱性の高い合成樹脂や、SUS、ニッケル等の金属からなるものが使用できる。なお、基材層921では、定着ベルト62の両端部がエッジガイド(図示せず)に突き当たった場合でも、座屈等が生じない程度の剛性を確保している。
この弾性層922を設けることによって、粉体であるトナーが積層して形成されたトナー像に対して、ニップ部Nにおいてトナー像を押し潰さずに包み込むようになり、トナー像の全体にムラなく熱を供給することができるので、細線や細かなドット状のトナー像を高精細に定着することが可能となる。特に、カラー画像に対しては、4色のトナーを充分に溶解した上で混合できるので、良好な発色性が得られる。
そのため、セラミックヒータ82によって内部から供給された熱エネルギーに対して、弾性層922における熱抵抗を極めて低く構成でき、定着ベルト92の内周面から外周面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となる。それによって、ニップ部Nにおいては、セラミックヒータ82から定着ベルト92の外周面に対して急速な熱の伝導が行なわれるので、画像形成装置の高速化を図った場合においても、良好な定着性を維持することが可能となる。
また、剥離の補助手段として、定着ベルト92のニップ部Nの下流側に、剥離補助部材70を配設することもできる。剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト92の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ベルト92と近接する状態でバッフルホルダ72によって保持されている。
このような構成により、細線や細かなドット状のトナー像を高精細に定着し、特にカラー画像に対しては、良好な発色性が得られる。さらには、シリコーンゴムの母材中に分散された低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工(成型)時に溶融して、シリコーンゴムの母材中に同様に分散された熱伝導性フィラー同士を結合し、熱伝導性フィラーを核とした有機的に張り渡された熱伝導性の高い網の目を構築するので、弾性層922の熱の伝導効率を極めて高いものとすることができる。そのため、セラミックヒータ82によって内部から供給された熱エネルギーに対して、弾性層922における熱抵抗を極めて低く構成でき、定着ベルト92の内周面から外周面に熱が到達するまでのタイムラグを短くすることが可能となるので、ニップ部Nにおいては、セラミックヒータ82から定着ベルト92の外周面に対して急速な熱の伝導が行なわれ、画像形成装置の高速化を図った場合においても、良好な定着性を維持することが可能となる。
Claims (9)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
加熱源を有し、弾性層が配設された定着部材と、
前記定着部材に圧接しながら記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材とを備え、
前記定着部材は、前記弾性層が、シリコーンゴム100重量部に対し、熱伝導性付与剤としての熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部と、低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合させて成型され、且つ当該低融点金属合金粒子が当該熱伝導性付与剤同士を結合させていることを特徴とする定着装置。 - 前記定着部材の前記弾性層は、前記低融点金属合金粒子が、シリコーンゴムの加工最高温度以下の融点を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記定着部材の前記弾性層は、前記低融点金属合金粒子の平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記定着部材は、定着ロールまたは定着ベルトであることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記加圧部材はベルト部材であり、当該ベルト部材の内側に配置され、当該ベルト部材を前記定着部材に圧接させて当該定着部材と当該ベルト部材との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する圧力部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- シリコーンゴム母材100重量部に、熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部と、低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合したことを特徴とするシリコーンゴム組成物。
- 前記低融点金属合金粒子は、前記シリコーンゴム母材の加工最高温度以下の融点を有することを特徴とする請求項6記載のシリコーンゴム組成物。
- 前記低融点金属合金粒子は、平均粒径が1.0〜1000μmであることを特徴とする請求項6記載のシリコーンゴム組成物。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
加熱源を有し、シリコーンゴム100重量部に対し、熱伝導性付与剤としての熱伝導性無機フィラー10〜1000重量部と、低融点金属合金粒子としてのスズ含有易融合金粒子10〜1000重量部とを配合させて成型され、且つ当該低融点金属合金粒子が当該熱伝導性付与剤同士を結合させている弾性層が配設された定着部材と、
前記定着部材に圧接しながら前記記録紙が通過するニップ部を形成する加圧部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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