JP2017194550A - 定着ベルト、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる定着ベルトを提供する。【解決手段】定着ベルト10では、基層12と、弾性材料製の弾性層14と、離型層16とを有する。弾性層は、基層側に配置されている第1弾性層14aと、離型層側に配置されている第2弾性層14bとを有する。第2弾性層の硬度は、第1弾性層の硬度より低い。第2弾性層のユニバーサル硬度は、3〜7N/mm2である。弾性層に対する第2弾性層の厚みの割合は、5〜15%である。【選択図】図1

Description

本発明は、定着ベルト、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機やレーザービームプリンターなどの画像形成装置で採用される定着装置は、通常、加熱された定着ベルトを、未定着のトナー画像を担持している記録媒体に当接させて、トナー画像を記録媒体に定着させる。次いで、トナー画像が定着された記録媒体は、定着ベルトから分離される。上記定着ベルトは、例えば、基層、弾性層および離型層がこの順で積層されている無端状のベルトである。
上記定着ベルトとして、画像の平滑性および省エネルギーの観点から、熱伝導率が互いに異なる二以上の弾性層を有する定着ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、上記定着ベルトとして、耐久性の観点から、耐熱温度が互いに異なる二以上の弾性層を有する定着ベルトが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−084134号公報 特開2005−055470号公報
定着ベルトの硬度は、トナー画像の定着性および記録媒体の分離性に影響を与える。より具体的には、一般に、定着ベルトの硬度が高くなるほど、定着ベルトおよび記録媒体の密着性は低下する。この結果として、記録媒体の分離性が向上すると、トナー画像の定着性が低下する傾向がみられる。上記特許文献に記載の定着ベルトでは、所期の定着性および分離性を得られないことがある。したがって、上記特許文献に記載の定着ベルトを有する電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体の紙詰まりが発生し、画像を安定に形成できないことがある。なお、本明細書中、「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態をいう。
本発明の第1の課題は、トナー画像の定着性および記録媒体の分離性の両方に優れる定着ベルトを提供することである。また、本発明の第2の課題は、記録媒体を適切に分離して、画像を安定に形成することができる定着装置および画像形成装置を提供することである。
上記第1の課題を解決するための一手段として、基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とを有する無端状の定着ベルトであって、前記弾性層は、前記基層側に配置されている第1弾性層と、前記離型層側に配置されている、前記第1弾性層より硬度が低い第2弾性層と、を有し、前記第2弾性層のユニバーサル硬度は、3〜7N/mmであり、前記弾性層に対する前記第2弾性層の厚みの割合は、5〜15%である定着ベルトを提供する。
上記第2の課題を解決するための第1の手段として、無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを軸支する二以上のローラと、前記定着ベルトを加熱するためのヒータと、前記定着ベルトの、前記二以上のローラのうちの一つに軸支されている部分を押圧するための加圧ローラと、を有し、前記定着ベルトは、本発明に係る定着ベルトであり、前記加圧ローラの押圧力は、9.8N/cm以上である定着装置を提供する。
上記第2の課題を解決するための第2の手段として、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、前記定着装置は、本発明に係る定着装置である画像形成装置を提供する。
本発明の定着ベルトは、トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる。よって、この定着ベルトを用いることにより、記録媒体を適切に分離しつつ、画像を安定に形成することができる。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着ベルトの構成を模式的に示す図であり、図1Bは、図1A中のB部を拡大して示す図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の構成を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を模式的に示す図である。
[定着ベルト]
図1A、Bは、本実施の形態に係る定着ベルト10の構成を示す図である。図1Aは、定着ベルトの斜視図であり、図1Bは、図1A中における領域Bの拡大図である。
本実施の形態に係る定着ベルト10は、耐熱性樹脂製の基層12と、弾性材料製の弾性層14と、離型層16とを有する。本実施の形態では、基層12、弾性層14および離型層16は、この順で積層されている。定着ベルト10の形状は無端状である。
基層12は、耐熱性樹脂製である。当該耐熱性樹脂は、定着ベルト10の使用温度において変性および変形を生じない樹脂から適宜に選ばれ、一種でもそれ以上でもよい。上記耐熱性樹脂の例には、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルエーテルケトンが含まれる。中でも、耐熱性の観点から、上記耐熱性樹脂は、ポリイミドであることが好ましい。
ポリイミドは、その前駆体であるポリアミド酸の、200℃以上の加熱による、または触媒を用いることによる、脱水・環化(イミド化)反応によって得られる。ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを溶媒に溶解し、混合・加熱による重縮合反応によって製造されてもよいし、市販品であってもよい。上記ジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の例には、特開2013−025120号公報の段落0123〜0130に記載の化合物が含まれる。
基層12は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記耐熱性樹脂以外の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、基層12の材料は、上記耐熱性樹脂以外の樹脂成分をさらに含んでいてもよい。基層12の材料における上記耐熱性樹脂の含有量は、成形性などの観点から、40〜100体積%であることが好ましい。
弾性層14は、基層12側に配置されている第1弾性層14aと、離型層16側に配置されている第2弾性層14bと、を有する。本実施の形態では、基層12、第1弾性層14a、第2弾性層14bおよび離型層16は、この順で積層されている。
第1弾性層14aおよび第2弾性層14bの硬度は、所望の定着性および分離性を得る観点から、適宜調整される。第1弾性層14aのユニバーサル硬度は、定着性および分離性を両立させる観点から、5〜11N/mmであることが好ましい。第1弾性層14aのユニバーサル硬度が5N/mm未満あると十分な分離性を得られないことがあり、第1弾性層14aのユニバーサル硬度が11N/mm超であると十分な定着性を得られないことがある。
第2弾性層14bの硬度は、第1弾性層14aの硬度より低い。詳細については後述するが、第2弾性層14bのユニバーサル硬度は、定着性および分離性を両立させる観点から、3〜7N/mmである。第2弾性層14bのユニバーサル硬度が3N/mm未満であると十分な分離性を得られず、第2弾性層14bのユニバーサル硬度が7N/mm超であると十分な定着性を得られない。
第1弾性層14aおよび第2弾性層14bのユニバーサル硬度の差は、第1弾性層14aの厚みおよび第2弾性層14bの厚みに応じて適宜調整されうる。十分な定着性を得る観点からは、第1弾性層14aおよび第2弾性層14bのユニバーサル硬度の差は、大きいことが好ましい。しかし、定着性および分離性の両立の観点からは、第1弾性層14aおよび第2弾性層14bの膜厚と、第1弾性層14aおよび第2弾性層14bのユニバーサル硬度との関係が考慮される必要がある。たとえば、第1弾性層14aのユニバーサル硬度が高い場合には、第2弾性層14bの厚みが少し大きくしても、定着ベルト10全体の硬度は確保されうるため、定着性および分離性の両立を図ることができる。しかしながら、第1弾性層14aのユニバーサル硬度が低い場合には、第2弾性層14bの厚みが大きすぎると、定着ベルト10全体の硬度が低下してしまい、定着性および分離性の両立を図れなくなることがある。このように、定着性および分離性の両立の観点から、第1弾性層14aおよび第2弾性層14bのユニバーサル硬度の差は、0.1〜5N/mmであることが好ましく、0.1〜2N/mmであることがより好ましい。
第1弾性層14aおよび第2弾性層14bのユニバーサル硬度は、公知の硬度計(例えば、H−100V;フィッシャーインストルメンツ社製)を用いて測定されうる。このとき、第1弾性層14aのユニバーサル硬度は、例えば、定着ベルト10から基層12を剥離して、第1弾性層14aを外部に露出させたサンプルを接着剤やテープなどで樹脂製の基板に固定した状態で、測定されうる。また、第2弾性層14bのユニバーサル硬度は、例えば、定着ベルト10から離型層16を剥離して、第2弾性層14bを外部に露出させたサンプルを接着剤やテープなどで樹脂製の基板に固定した状態で、測定されうる。
上記ユニバーサル硬度は、弾性材料の分子量や架橋剤の添加量、フィラーの添加量などに応じて調整されうる。たとえば、弾性材料の分子量および弾性材料における架橋密度を高くするほど上記ユニバーサル硬度を高めることができる。また、架橋剤の添加量を高くするほど上記ユニバーサル硬度を高めることができる。さらに、後述のフィラーの添加量を増やすほど上記ユニバーサル硬度を高めることができる。
弾性層14は、弾性材料製である。弾性層14の材料(弾性材料)の例には、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマー、ゴム材料などの弾性樹脂材料が含まれる。上記弾性材料は、耐熱性および弾性の観点から、シリコーンゴムであることが好ましい。第1弾性層14aおよび第2弾性層14bの材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
上記シリコーンゴムは、一種でもそれ以上でもよい。上記シリコーンゴムの例には、ポリオルガノシロキサンまたはその加熱硬化物が含まれる。たとえば、シリコーンゴムは、100質量部のジメチルポリシロキサン(粘度50000mPa・s、ビニル基量0.00009mol/g)と、2質量部のヒュームドシリカと、50質量部の石英粉と、0.5質量部の酸化セリウム粉と、1.2質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量/アルケニル基=1.0)と、1.1質量部のメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量0.0038mol/g)との加熱硬化物(特開2008−255283号公報、段落0051)、または80質量部のビニル基含有ジメチルポリシロキサン(粘度20000mPa・s、ビニル基量0.0001mol/g)と、20質量部のビニル基非含有ジメチルポリシロキサン(粘度5000mPa・s、ビニル基量0.000055mol/g)と、0.8質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量/アルケニル基=1.0)と、80質量部の石英粉と、1質量部の酸化鉄と、0.5質量部のヒュームドシリカと、250質量部のアルミナとの加熱硬化物(特開2008−255283号公報、段落0045)である。
弾性層14の厚みは、弾性層14の伝熱性を高める観点からは小さいことが好ましい。一方、弾性層14の厚みは、弾性層14の弾性を高め、定着性を高める観点からは大きいことが好ましい。たとえば、弾性層14の厚みは、100〜500μmであることが好ましく、150〜450μmであることがより好ましく、200〜400μmであることがさらに好ましい。
第1弾性層14aの厚みは、定着性および分離性の両立の観点から、50〜1000μmであることが好ましく、100〜400μmであることがより好ましい。
弾性層14に対する第2弾性層14bの厚みの割合は、十分な定着性および分離性を得る観点から、5〜15%である。当該割合が5%未満であると、画像形成装置における定着時に第2弾性層14bが十分に寄与しないおそれがある。また、当該割合が15%超であると、画像形成装置における定着時に第1弾性層14aが十分に寄与しないおそれがある。このような観点から、第2弾性層14bの厚みは、5〜30μmであることが好ましい。また、第2弾性層14bの厚みが5μm未満であると、均一な膜を形成できないおそれもある。
弾性層14は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の弾性樹脂材料以外の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記弾性材料は、弾性層14の伝熱性を高めるためのフィラーをさらに含んでいてもよい。当該フィラーの材料の例には、シリカ、金属シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボンおよび黒鉛が含まれる。上記フィラーの形態は、限定されず、例えば、球状粉末、不定形粉末、扁平粉末または繊維である。
弾性層14は、本実施形態の効果が得られる範囲において、他の層を有していてもよい。たとえば、第1弾性層14aは、第1弾性層14aの硬度と第2弾性層14bの硬度との間の硬度を有する中間層を有していてもよい。たとえば、当該中間層は、第2弾性層14bを第1弾性層14a上に積層するときに、第1弾性層14aおよび第2弾性層14bが混合されることで生じうる、第1弾性層14aの第2弾性層14b側に配置される層である。上記中間層の厚みは、第1弾性層14aに対して小さく、例えば、約10μmである。
離型層16は、トナー成分に対する適度な離型性を有する。離型層16は、定着時に記録媒体に当接する定着ベルトの外表面を構成する。離型層16の材料の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリカーボネート、ポリアリレート、フェノール、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリホスファゼン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラバン酸、ポリアリルフェノール、フッ素樹脂、ポリ尿素、アイオノマー、シリコーン、および、これらの混合物または共重合体、が含まれる。離型層16の材料は、上記の離型性および耐熱性の観点から、フッ素樹脂であることが好ましく、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)であることがより好ましい。
離型層16の厚みは、例えば、熱の伝達、弾性層14の変形への追従および離型性の発現の観点から、5〜40μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましく、20〜30μmであることがさらに好ましい。
離型層16は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の樹脂マトリクス材料以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、離型層16は、潤滑材粒子をさらに含んでいてもよい。当該潤滑材粒子の例には、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子およびシリカ粒子が含まれる。
離型層16の材料における上記樹脂マトリクス材料の含有量は、伝熱性、および弾性層14の変形に十分に追従する柔軟性、の観点から、70〜100体積%であることが好ましい。
定着ベルト10のMD−1硬度は、定着性および分離性の観点から、80〜95であることが好ましい。定着ベルト10のMD−1硬度は、JIS K6253(2012)に従って、例えば、タイプCのマイクロゴム硬度計MD−1により測定されうる。
定着ベルト10は、本実施形態の効果を奏する範囲において、前述した基層12、弾性層14および離型層16以外の他の層をさらに有していてもよい。当該他の層の例には、補強層が含まれる。
上記補強層は、定着ベルト10の機械的強度を高めるための層であり、例えば、定着ベルト10における弾性層14および離型層16とは反対側の表面(基層12の内周面)に配置される。当該補強層は、前述した耐熱性樹脂で構成することができ、その厚さは、適宜に決めることが可能である。
定着ベルト10は、積層型の定着ベルトを作製する公知の方法を利用して作製することが可能である。たとえば、定着ベルト10は、基層12となる上記耐熱性樹脂製の無端状の成形体の外表面上に、第1弾性層14aとなる弾性材料またはその前駆体を塗布し、当該弾性材料または当該前駆体を加熱硬化させる工程と、基層12の外表面上に形成された第1弾性層14a上に、第2弾性層14bとなる弾性材料またはその前駆体を塗布し、当該弾性材料または当該前駆体を加熱硬化させる工程と、離型層16となるチューブを第2弾性層14b上に被せる工程と、を含む方法によって作製することができる。
弾性層14の硬度は、トナー画像の定着性と、記録媒体の分離性と、トナーに含まれるワックスの染出性とに影響する。弾性層14の硬度が高いほど、記録媒体に対する反発力が高くなる傾向にある。したがって、分離性の観点からは、弾性層14の硬度は高いことが好ましい。また、弾性層14の硬度が高いほど、トナーに対する押圧力が高くなる傾向にある。したがって、上記ワックスの染出性の観点からも、弾性層14の硬度は高いことが好ましい。一方で、弾性層14の硬度が高いと、記録媒体と定着ベルトとの密着性が低下する傾向にある。この傾向は、記録媒体の表面が粗面であるほど顕著になる。したがって、定着性の観点からは、弾性層14の硬度は低いことが好ましい。
本実施の形態に係る定着ベルト10の弾性層14は、基層12側に配置されている第1弾性層14aと、離型層16側に配置されている第2弾性層14bを有する。本実施の形態に係る定着ベルト10では、第2弾性層14bは、第1弾性層14aの硬度より低く、かつ弾性層14に占める第2弾性層14bの厚みの割合は小さい。具体的には、第2弾性層14bのユニバーサル硬度は、3〜7N/mmであり、弾性層14に対する第2弾性層14bの厚みの割合は5〜15%である。記録媒体に接触する離型層16側の弾性層14(第2弾性層14b)の硬度が低いことにより、記録媒体と定着ベルト10との十分な密着性が得られる。また、弾性層14に対する第2弾性層14bの厚みの割合が5〜15%であることにより、弾性層14全体の硬度が維持されて、定着ベルト10の十分な反発性が得られる。結果として、本実施の形態に係る定着ベルト10は、十分な分離性および定着性を両立することができる。
また、トナーがワックスを含有している場合、定着ベルト10の高い反発力(トナーに対する押圧力)により、ワックスの染出量が増え、結果として、記録媒体の分離性を高めることができる。
定着ベルト10は、下記の二軸ベルト式の定着装置における定着ベルトに好適に採用され、画像形成装置において顕著な効果を奏する。
[定着装置]
図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置70の構成を模式的に示す図である。本実施形態に係る定着装置70は、定着ベルト10、第1ローラ71、第2ローラ72、加圧ローラ73、第1ヒータ74、第2ヒータ75、第1温度センサー76、第2温度センサー77、案内板78および案内ローラ79を有する。加圧ローラ73の押圧力は、9.8N/cm以上である。また、定着装置70は、前述の定着ベルト10を有する以外は、公知のいわゆる二軸ベルト式定着装置と同様に構成することができる。
定着ベルト10を軸支するローラの数は、二以上である。本実施の形態に係る定着装置70では、第1ローラ71および第2ローラ72が定着ベルト10を軸支している。
第1ローラ71は、第2ローラ72とともに定着ベルト10を軸支する。本実施の形態に係る第1ローラ71は、定着ベルト10を加熱するための第1ヒータ74を含む加熱ローラでもある。第1ローラ71は、例えば、外表面に弾性を有する、回転自在なアルミニウム製の伝熱性のスリーブである。第1ヒータ74は、当該スリーブの内部に配置されるハロゲンヒータなどの加熱源であってもよいし、定着ベルト10に対向するように配置されるハロゲンヒータなどの加熱源であってもよい。本実施の形態では、第1ヒータ74は、上記スリーブの内部に配置されている加熱源である。
第2ローラ72は、第1ローラ71とともに定着ベルト10を軸支する。第2ローラ72は、例えば、外周面に弾性を有するローラである。また、本実施の形態では、第2ローラ72は、加圧ローラ73とともに定着ニップ部を形成する。
第1ローラ71および第2ローラ72に軸支されている定着ベルト10の張力は、例えば、45N以下である。当該張力は、例えば、第1ローラ71および第2ローラ72の軸間距離を拡げる方向に第1ローラ71、第2ローラ72またはこれら両方を付勢するばねなどの弾性部材の弾性力(付勢力)や、定着ベルト10を軸支する第1ローラ71および第2ローラ72の軸間距離などによって調整することが可能である。
加圧ローラ73は、定着ベルト10の、第2ローラ72に軸支されている部分を押圧する。加圧ローラ73は、定着ベルト10を介して第2ローラ72に対向して配置されている。加圧ローラ73は、定着時に定着ベルト10との当接部(定着ニップ部)を構成する。加圧ローラ73は、例えば、外周面に弾性を有し、かつ回転軸が定着ベルト10に対して接近、離間自在なローラである。加圧ローラ73は、第2ローラ72に対して接近したときに、定着ベルト10を介して第2ローラ72の外表面を押圧し、定着ベルト10との接触部である定着ニップ部を形成する。
加圧ローラ73の押圧により上記定着ニップ部が定着されるときの加圧ローラ73の押圧力は、9.8N/cm以上である。加圧ローラ73の押圧力は、加圧ローラ73を付勢するばねなどの弾性部材の弾性力(付勢力)や、第2ローラ72および加圧ローラ73の軸間距離などによって調整することが可能である。
本実施の形態に係る加圧ローラ73は、第2ヒータ75を含む。加圧ローラ73は、例えば、回転自在なアルミニウム製の伝熱性のスリーブである。第2ヒータ75は、当該スリーブの内部に配置されるハロゲンヒータなどの加熱源である。本実施の形態に係る加圧ローラ73は加熱ローラでもある。
第1温度センサー76は、第1ローラ71によって加熱された定着ベルト10の温度を検出するための装置であり、第2温度センサー77は、加圧ローラ73の外周面の温度を検出するための装置である。
案内板78は、未定着のトナー画像を有する記録媒体を上記定着ニップ部に案内するための部材であり、案内ローラ79は、トナー画像が定着された記録媒体を上記定着ニップ部から画像形成装置外へ案内するための部材である。
定着装置70は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記以外の他の構成をさらに有していてもよい。当該他の構成の例には、加圧ローラ73の軸移動機構と、記録媒体を剥がすための気流を生じさせる気流分離装置と、が含まれる。これらの他の構成には、公知の定着装置で採用されている公知の部材などを採用することができる。
定着装置70は、9.8N/cm以上の押圧力を有する加圧ローラ73と、定着ベルト10とを有するため、高い反発力で記録媒体を押圧でき、定着時のトナーからのワックスの染出性に優れる。したがって、定着装置70は、高い分離性で記録媒体を分離させることができるため、定着ベルト10および加圧ローラ73の一方または両方にオイルを塗布するためのオイル塗布機構を別途、有していなくてもよい。
定着ベルト10は、例えば、第1温度センサー76によるフィードバック制御により第1ヒータ74によって所望の温度(例えば190℃)に加熱される。加圧ローラ73は、例えば第2温度センサー77によるフィードバック制御により第2ヒータ75によって所望の温度(例えば180℃)に加熱される。そして、加圧ローラ73は、記録媒体の到着に合わせて、定着ベルト10を介して第2ローラ72の外周面を付勢し、定着ニップ部を形成する。
未定着のトナー画像を担持する記録媒体は、案内板78により上記ニップ部に案内される。十分に加熱された定着ベルト10は、記録媒体に十分に密着し、未定着のトナー画像を速やかに記録媒体に定着させる。
定着ベルト10から分離された記録媒体は、案内ローラ79により、画像形成装置外に向けて案内される。
なお、定着ニップ部は、前述のように第2ローラ72の外周面および定着ベルト10が窪むことで形成されてもよいし、あるいは加圧ローラ73の外周面が窪むことによって形成されてもよい。また、定着ニップ部は、前述のように加圧ローラ73が第2ローラ72側に接近することで形成されてもよいし、第1ローラ71および第2ローラ72が加圧ローラ73側に接近することで形成されてもよい。
[画像形成装置]
図3は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置50の構成を模式的に示す図である。画像形成装置50は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって記録媒体に定着させるための定着装置70を有する。画像形成装置50は、定着装置70が定着装置として採用される以外は、公知の画像形成装置と同様に構成され得る。
画像形成装置50は、画像形成部、中間転写部、定着装置70、画像読み取り部および記録媒体搬送部を有する。
上記画像形成部は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応する四つの画像形成ユニットを含む。画像形成ユニットは、図3に示されるように、感光体ドラム51と、感光体ドラム51を帯電させる帯電装置52と、帯電した感光体ドラム51に光を照射して静電潜像を形成する露光装置53と、静電潜像が形成された感光体ドラム51にトナーを供給して静電潜像に応じたトナー画像を形成する現像装置54と、感光体ドラム51の残留トナーを除去するクリーニング装置55と、を有する。
感光体ドラム51は、例えば、光導電性を有する負帯電型の有機感光体である。帯電装置52は、例えば、コロナ帯電器である。帯電装置52は、帯電ローラや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム51に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置53は、例えば、半導体レーザーで構成される。現像装置54は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における公知の現像装置である。
上記中間転写部は、一次転写ユニットおよび二次転写ユニットを含む。当該一次転写ユニットは、中間転写ベルト61、一次転写ローラ62、バックアップローラ63、複数の支持ローラ64およびクリーニング装置65を有する。中間転写ベルト61は、無端状のベルトである。中間転写ベルト61は、バックアップローラ63および支持ローラ64によって、ループ状に張架される。バックアップローラ63および支持ローラ64の少なくとも一つのローラが回転駆動することにより、中間転写ベルト61は、無端軌道上を一方向に一定速度で走行する。
上記二次転写ユニットは、二次転写ベルト66、二次転写ローラ67および複数の支持ローラ68を有する。二次転写ベルト66も、無端状のベルトである。二次転写ベルト66は、二次転写ローラ67および支持ローラ68によってループ状に張架される。
定着装置70は、例えば、図2に示される定着装置70である。紙Sは、記録媒体に相当する。
上記画像読み取り部は、給紙装置81、スキャナー82、CCDセンサー83および画像処理部84を有する。上記記録媒体搬送部は、三つの給紙トレイユニット91および複数のレジストローラ対92を有する。給紙トレイユニット91には、坪量やサイズなどに基づいて識別された紙S(規格紙、特殊紙)が予め設定された種類ごとに収容される。レジストローラ対92は、所期の搬送経路を形成するように配置されている。
[画像形成方法]
画像形成方法は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を、定着装置70を用いて加熱および加圧によって記録媒体に定着させる工程を含む。上記画像形成方法は、上記の画像形成装置50によって行うことが可能である。当該画像形成方法の一例として、画像形成装置50による画像の形成を以下に説明する。
スキャナー82は、給紙装置81から送られたコンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー83により読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部84において所定の画像処理が施され、露光装置53に送られる。
一方で、感光体ドラム51は、A4版の記録媒体で60枚/分以上の印刷速度に相当する一定の周速度で回転する。
帯電装置52は、感光体ドラム51の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置53は、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光で感光体ドラム51を照射する。こうして感光体ドラム51の表面には、静電潜像が形成される。現像装置54は、感光体ドラム51の表面にトナーを付着させることにより静電潜像を可視化する。こうして感光体ドラム51の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。感光体ドラム51の表面のトナー画像は、中間転写ベルト61に転写される。感光体ドラム51の転写残トナーは、クリーニング装置55によって除去される。中間転写ベルト61には、各感光体ドラム51で形成された各色のトナー画像が順次重なるように転写される。
一方、二次転写ローラ67は、二次転写ベルト66をバックアップローラ63に向けて押圧し、中間転写ベルト61に圧接させる。それにより、二次転写ニップ部が形成される。他方、給紙トレイユニット91からレジストローラ対92を介して上記二次転写ニップ部に紙Sが搬送される。レジストローラ対92は、紙Sの傾きを補正し、また搬送のタイミングを調整する。
二次転写ニップ部に紙Sが搬送されると、二次転写ローラ67に転写電圧が印加され、中間転写ベルト61上のトナー画像が紙Sに転写される。トナー画像が転写された紙Sは、二次転写ベルト66によって、定着装置70に搬送される。中間転写ベルト61上の転写残トナーは、クリーニング装置65によって除去される。
定着装置70では、例えば、定着ベルト10がA4版の記録媒体で60枚/分以上の印刷速度に相当する一定の速度で回転している。紙Sの搬送に際して、前述したように、加圧ローラ73が定着ベルト10と定着ニップ部を形成する。紙Sは、当該定着ニップ部で加熱および加圧され、定着ベルト10の反発力によって画像形成装置50の外に向けて案内され、排出される。こうして、紙S上のトナー画像が形成され、当該紙Sは、機外に排出される。
本実施の形態に係る画像形成装置50は、定着装置70を有する。定着装置70の定着ベルト10は定着性および分離性に優れるため、画像形成装置50は、記録媒体を適切に分離して、画像を長期にわたって安定して形成することができる。
以上の説明から明らかなように、上記定着ベルトは、上記基層と、弾性材料製の上記弾性層と、上記離型層とを有する無端状の定着ベルトであって、上記弾性層は、上記基層側に配置されている第1弾性層と、上記離型層側に配置されている、上記第1弾性層より硬度が低い第2弾性層と、を有し、上記第2弾性層のユニバーサル硬度は、3〜7N/mmであり、上記弾性層に対する上記第2弾性層の厚みの割合は、5〜15%である。このため、上記定着ベルトは、トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる。
上記第1弾性層のユニバーサル硬度が5〜11N/mmであることは、定着性および分離性の観点からより一層効果的である。
上記第2弾性層の厚みが5〜30μmであることは、定着性および分離性の観点からより一層効果的である。
MD−1硬度が80〜95であることは、定着性および分離性の観点からより一層効果的である。
上記第1弾性層および上記第2弾性層のユニバーサル硬度の差が0.1〜5N/mmであることは、定着性および分離性の観点からより一層効果的である。
上記定着装置は、無端状の上記定着ベルトと、上記定着ベルトを軸支する二以上のローラと、上記定着ベルトを加熱するためのヒータと、上記定着ベルトの、上記二以上のローラのうちの一つに軸支されている部分を押圧するための加圧ローラと、を有し、上記加圧ローラの押圧力は、9.8N/cm以上である。また、上記画像形成装置は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって記録媒体に定着させる上記定着装置を有する。したがって、上記定着装置および上記画像形成装置は、記録媒体を適切に分離しつつ、画像を安定して形成することができる。
上記定着ベルトが定着時におけるトナーからのワックス染出性に優れるため、上記定着装置は、上記定着ベルトおよび上記加圧ローラの一方または両方にオイルを塗布するためのオイル塗布機構を有していなくてもよい。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例などに限定されない。
[ゴム組成物A〜D、V〜Zの準備]
ジメチルポリシロキサンや、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ヒュームドシリカ、石英粉、酸化鉄、酸化セリウム粉、エチニルシクロヘキサノール(反応制御剤)、白金触媒などの材料を適宜に含有するゴム組成物Aを準備した。なお、ゴム組成物Aは、シリコーンゴム組成物である。
ゴム組成物Aを用い、後述の第1弾性層の製造条件と同じ条件で、厚み2.0mmの測定用のゴムシートを作製し、以下の物性測定を行った。ゴム組成物Aから作製されたゴムシートのゴム硬度は30であり、引張強度は2.1MPaであり、伸びは400%であり、熱伝導率は0.3W/m・Kであり、ユニバーサル硬度は8.4N/mmであった。
上記ゴム硬度は、上記ゴムシートを用いて、JIS K6253(2012)に従い、デュロメータA(アスカーA型;高分子計器株式会社製)により測定した。
上記引張強度および伸びは、上記ゴムシートを用いて、テンシロン万能引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)により測定した。このとき、上記ゴムシートを23℃、50%RHの環境下において、引張速度2mm/分で引っ張った。
上記熱伝導率は、80mm×120mmにカットした上記ゴムシートを用いて、QTM迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製)により測定した。
上記ユニバーサル硬度(HU)は、上記ゴムシートを用いて、超微小硬度計(H−100V;株式会社フィッシャーインストルメンツ製)により測定した。ユニバーサル硬度の測定条件を以下に示す。
圧子形状:ビッカース圧子(対面角α=136°)
測定環境:20℃、60%RH
最大試験荷重:2mN
荷重速度および除荷速度:0.2mN/秒
最大荷重クリープ時間:5秒
また、上記材料の種類や混合割合などを調整して、下記表1で表される物性を有するゴム組成物B〜D、V〜Zを準備した。なお、ゴム組成物B〜D、V〜Zは、いずれもシリコーンゴム組成物である。
ゴム組成物A〜D、V〜Wの各物性値を表1に示す。
Figure 2017194550
[定着ベルト1の作製]
まず、内径99mm、長さ360mm、厚み70μmの熱硬化性ポリイミド樹脂からなるベルト基材(基層)の内側に、外径60mmのステンレス製の円筒状の芯金を密着させた。
次いで、芯金を回転させつつノズルを上記ベルト基材の長さ方向に沿って移動させながら、第1弾性層形成用のゴム組成物Aを上記ベルト基材の表面にノズルから塗布して、上記ベルト基材の表面にゴム組成物Aの塗膜を形成した。ゴム組成物Aの塗布条件を以下に示す。
(塗布条件)
ゴム組成物Aの温度:25℃
ノズルの吐出口の形状:スリット形状
ノズルの吐出口とベルト基材の表面との距離:10mm
ゴム組成物Aの吐出量:20ml/分
芯金の回転速度(周速度):0.5m/秒
次いで、芯金を回転させつつゴム組成物Aの塗膜に対して熱風を吹き付けて平坦化処理を行い、オーブン内において加熱することで硬化処理を行った。これにより、上記ベルト基材上に厚み185μmの第1弾性層を形成した。平坦化処理および硬化処理の条件を以下に示す。
(平坦化処理の条件)
芯金の振れ幅:40μm
熱風の風速:22m/秒
熱風の温度:50℃
芯金の回転速度(周速度):0.4m/秒
(硬化処理)
加熱温度:180℃
加熱時間:60分
芯金の回転速度(周速度):0.1m/秒
次いで、第2弾性層形成用のゴム組成物Wを用い、第1弾性層の形成方法と同様にして、上記第1弾性層上に第2弾性層を形成した。このとき、第2弾性層の厚みが15μmとなるように、ゴム組成物Wを上記ベルト基材上に塗布する条件(ゴム組成物の吐出量や芯金の回転速度、ノズルの移動速度など)を調整した。
最後に、上記第2弾性層上に離型層として、厚み30μmのペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)フィルムを被せた。以上の手順により、ベルト基材、第1弾性層、第2弾性層および離型層がこの順で積層されている定着ベルト1を作製した。
定着ベルト1のMD−1硬度は、93であった。定着ベルト1のMD−1硬度は、JIS K6253に従い、アスカーゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)により測定した。
[定着ベルト2〜7、C1〜C6の作製]
表2に示されるように、使用するゴム組成物を変更したこと以外は、定着ベルト1と同様にして、定着ベルト2〜7、C1〜C6を作製した。
区分、定着ベルトNo.およびゴム組成物の種類を表2に示す。なお、表2において、「下層」は第1弾性層を示し、「上層」は第2弾性層を示している。
Figure 2017194550
[評価]
各定着ベルトを、図2に示されるような二軸ベルト式定着装置を備えた電子写真方式の画像形成装置の定着ベルトとしてそれぞれ設置し、後述の評価を行った。複写機には、フルカラー複写機(bizhub PRESS C1070;コニカミノルタ株式会社製)を用い、トナーには、デジタルトナーHD+(コニカミノルタ株式会社製)を用いた。
(1)定着性
各定着ベルトの定着性について、以下の手順により評価した。記録媒体(レザック66、米坪203g/m、A4;特殊東海製紙株式会社、「レザック」は、同社の登録商標)を30枚/分の速度で搬送しつつ、シアンの1層からなる、40mm×100mmのベタ画像(付着量8.0g/m)を形成した。このとき、定着ベルトの表面温度を200℃として当該トナー画像を定着させた。次いで、記録媒体のトナー画像が定着された領域3枚の紙ウエス(キムワイプ S−200;日本製紙株式会社製)を摺擦面に重ねた、各柱形状のステンレス鋼製の圧子(3cm×3cm、0.4kg)で擦った。そして、下記の基準により、トナー画像の定着性を評価した。Rank3〜5であれば、合格と判定できる。
Rank5:圧子を8往復させても画像が剥離しない
Rank4:圧子を5往復させても画像が剥離しない
Rank3:圧子を3往復させても画像が剥離しない
Rank2:圧子を3往復させる前に画像が剥離する
Rank1:圧子を1往復させる前に画像が剥離する
(2)分離性
各定着ベルトの分離性について、以下の手順により評価した。記録媒体(アート紙:OK金藤、米坪84.9g/m(T目)、A4;王子製紙株式会社製)の搬送方向において、記録媒体の先端から所定の幅を余白部分として残し、当該余白部分以外にシアンおよびマゼンダの2層(赤色)からなるベタ画像(付着量8.0g/m)を形成した。このとき、定着ベルトの表面温度を185℃として当該画像を定着させた。そして、下記の基準により定着ベルトと記録媒体との分離性を評価した。下記基準では、記録媒体がカールすることなく、定着ベルトと記録媒体とが分離するのに要する余白の幅を基準としている。Rank3〜5であれば、合格と判定できる。
Rank5:分離に要する余白の幅が3mm以下である
Rank4:分離に要する余白の幅が3mm超5mm以下である
Rank3:分離に要する余白の幅が5mm超7mm以下である
Rank2:分離に要する余白の幅が7mm以上10mm未満である
Rank1:分離に要する余白の幅が10mm以上である
定着ベルト1〜7、C1〜C6の評価結果を表3に示す。なお、表3において、「下層」は第1弾性層を示し、「上層」は第2弾性層を示し、「全層」は第1弾性層および第2弾性層を有する弾性層を示している。
Figure 2017194550
表1から明らかなように、定着ベルト1〜7では、いずれも、画像形成装置において、分離性および定着性がいずれにも十分であった。これは、弾性層が第1弾性層および第2弾性層を有し、第2弾性層のユニバーサル硬度が3〜7N/mmであり、弾性層に対する第2弾性層の厚みの割合が5〜15%であるためと考えられる。
また、定着ベルト1〜6では、いずれも、画像形成装置において、分離性がより優れていた。これは、定着ベルトのMD−1硬度が80〜95であるため、と考えられる。
さらに、定着ベルト1〜5、7では、いずれも、画像形成装置において、定着性がより優れていた。これは、第1弾性層のユニバーサル硬度が5〜11N/mmであるためと考えられる。
これに対して、定着ベルトC1〜C6では、いずれも、画像形成装置において、分離性および定着性のいずれか一方、または両方が不十分であった。これは、定着ベルトC1については、弾性層が第2弾性層を有しないためと考えられる。また、定着ベルトC2については、弾性層に対する第2弾性層の厚みの割合が低すぎるためと考えられる。定着ベルトC3、C4については、第2弾性層のユニバーサル硬度が高すぎるためと考えられる。定着ベルトC5については、弾性層に対する第2弾性層の厚みの割合が高すぎるためと考えられる。さらに、定着ベルトC6については、第2弾性層のユニバーサル硬度が低すぎるためと考えられる。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置におけるさらなる高性能化が期待され、当該画像形成装置のさらなる普及が期待される。
10 定着ベルト
12 基層
14 弾性層
14a 第1弾性層
14b 第2弾性層
16 離型層
50 画像形成装置
51 感光体ドラム
52 帯電装置
53 露光装置
54 現像装置
55、65 クリーニング装置
61 中間転写ベルト
62 一次転写ローラ
63 バックアップローラ
64、68 支持ローラ
66 二次転写ベルト
67 二次転写ローラ
70 定着装置
71 第1ローラ
72 第2ローラ
73 加圧ローラ
74 第1ヒータ
75 第2ヒータ
76 第1温度センサー
77 第2温度センサー
78 案内板
79 案内ローラ
81 給紙装置
82 スキャナー
83 CCDセンサー
84 画像処理部
91 給紙トレイユニット
92 レジストローラ対
D 原稿
S 紙

Claims (8)

  1. 基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とを有する無端状の定着ベルトであって、
    前記弾性層は、
    前記基層側に配置されている第1弾性層と、
    前記離型層側に配置されている、前記第1弾性層より硬度が低い第2弾性層と、
    を有し、
    前記第2弾性層のユニバーサル硬度は、3〜7N/mmであり、
    前記弾性層に対する前記第2弾性層の厚みの割合は、5〜15%である、
    定着ベルト。
  2. 前記第1弾性層のユニバーサル硬度は、5〜11N/mmである、請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記第2弾性層の厚みは、5〜30μmである、請求項1または2に記載の定着ベルト。
  4. MD−1硬度は、80〜95である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着ベルト。
  5. 前記第1弾性層および前記第2弾性層のユニバーサル硬度の差は、0.1〜5N/mmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着ベルト。
  6. 無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを軸支する二以上のローラと、
    前記定着ベルトを加熱するためのヒータと、
    前記定着ベルトの、前記二以上のローラのうちの一つに軸支されている部分を押圧するための加圧ローラと、
    を有し、
    前記定着ベルトは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の定着ベルトであり、
    前記加圧ローラの押圧力は、9.8N/cm以上である、
    定着装置。
  7. 前記定着ベルトおよび前記加圧ローラの一方または両方にオイルを塗布するためのオイル塗布機構を有しない、請求項6に記載の定着装置。
  8. 記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
    前記定着装置は、請求項6または7に記載の定着装置である、画像形成装置。
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