JP2004070041A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Tomoo Akizuki
秋月 智雄
Atsutoshi Ando
安藤 温敏
Riichi Tsuchiya
土谷 利一
Shinro Umezawa
梅澤 眞郎
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Abstract

【課題】定着部材20として弾性層を有する定着ベルトを用いた場合でも、立ち上げ温調時において定着部材の正確な温調制御を行い、その結果グロスなどの印字品質ムラのない高画質な画像を得ることができる定着装置、該定着装置を搭載した画像形成装置を提供する。
【解決手段】プリント開始時に定着装置を立ち上げる際に、所定タイミングで、加熱体16に供給する加熱に必要な電力が所定電力で補正され、前記所定電力の値は、定着装置を所定の温度とするのに必要となる電力値と略等しいことを特徴としている。この所定電力の値は、定着装置の蓄熱具合等に従い必要に応じて電力決定する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、少なくとも、加熱体と、前記加熱体に電力を供給する電力供給部(加熱手段)と、少なくとも1つ以上の温度検出手段と、記録材と共に移動する第一の回転体と、前記記録材と圧接部を形成し、かつ、前記記録材を搬送する第二の回転体と、を有し、前記温度検知手段の温度検知を行う場所は加熱体と異なる場所であり、前記温度検出手段によって検知された温度を基に前記電力供給部から前記加熱体に供給する電力をフィードバック制御することで前記第一の回転体の温度制御を行い、前記圧接部で画像を担持した記録材を挟持搬送させて加熱する定着装置、および該定着装置を備えた、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機等の画像形成装置におけるカラー化が進んできている。電子写真方式のカラーの画像形成装置として、各色毎に応じて感光ドラムを1列に複数配置し、各感光ドラム上に形成された各色のトナー像を転写媒体に順次重ね合わせてカラー画像を形成する、いわゆるインライン型の画像形成装置が提案されている。
【0004】
このようなカラー画像形成装置に使用される定着装置としては、定着部材に弾性層を有する熱ローラ定着が良く知られている。弾性層を有する熱ローラ方式の定着方式においては、熱ローラ自体の熱容量が大きくなってしまい、定着ローラをトナー画像定着に適した温度までに昇温させるまでに必要な時間(ウォームアップタイム)が長いという問題があった。また、定着装置のコストも高価なものとなっていた。
【0005】
ウォームアップタイムの短い定着装置として、白黒プリンタによく使用されるベルト定着方式の定着装置が良く知られている。このようなベルト定着装置の一例の概略構成模型図を図13に示す。
【0006】
201は本例のベルト定着装置の全体符号である。202は定着ベルトユニットであり、横断面略半円弧状樋型のヒータホルダ207、このヒータホルダ207の下面にヒータホルダ長手(図面に垂直方向)に沿って固定して配設した定着ヒータ204、この定着ヒータ付きのヒータホルダ207にルーズに外嵌させた、エンドレスベルト状(円筒状)の薄層の定着ベルト203などからなるアセンブリである。
【0007】
205は弾性加圧ローラであり、その芯金の両端部を定着装置の側板間に回転自由に軸受させて配設してある。
【0008】
定着ベルトユニット202は弾性加圧ローラ205の上側に、定着ヒータ204側を下向きにして加圧ローラ205に並行に配列し、ヒータホルダ209の両端部側を不図示の付勢手段で所定の押圧力で押し下げ状態にしてある。これにより、定着ヒータ204の下面を定着ベルト203を挟んで弾性加圧ローラ205の上面に加圧ローラの弾性に抗して圧接させて所定幅の定着ニップ部206を形成させている。
【0009】
弾性加圧ローラ205は不図示の駆動機構により矢印の反時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。この弾性加圧ローラ205の回転駆動により、定着ニップ部206において弾性加圧ローラ205と定着ベルト203の外面との摩擦力でフィルム4に回転力が作用し、定着ベルト203はその内周面が定着ニップ部206において定着ヒータ204の下面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に弾性加圧ローラ205の周速度にほぼ対応した周速度をもってヒータホルダ207の外回りを従動回転状態になる。
【0010】
定着ベルト203は、例えば、厚さ50μm程度の耐熱性樹脂のエンドレスベルトを用い、その表面に厚さ10μmの離形層(フッ素コーティング樹脂など)を形成したものである。また、定着ベルト203の熱容量を小さくするため、定着ベルト203には弾性層を用いていない。
【0011】
定着ヒータ204は、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成したものである。定着ヒータ204には温度検知手段209が当接され、定着ヒータ204の温度が検知され、不図示の制御手段により定着ヒータ204の温度が所望の温度になるように定着ヒータ204に対する供給電力が制御されて温調制御される。
【0012】
弾性加圧ローラ205が回転駆動され、定着ベルト203が従動回転し、定着ヒータ204が所定温度に立ち上がって温調制御された状態において、未定着トナー像tを担持した記録材Pが定着ニップ部206の定着ベルト203と弾性加圧ローラ205との間に導入される。その記録材Pは未定着トナー像担持面が定着ベルト203の外面に密着して定着ベルト203と一緒に定着ニップ部206を挟持搬送されていく。その挟持搬送過程において、記録材Pに対して定着ヒータ204の熱が定着ベルト203を介して付与され、また定着ニップ部206の加圧力を受け、未定着トナー像tが記録材P上に永久固着画像として熱と圧力で定着される。記録材Pは定着ニップ部206を通過して定着ベルト203の面から曲率分離して排出される。
【0013】
このような構成の定着装置201では、定着ベルト203の熱容量が非常に小さくなっているので、定着ヒータ204に電力を投入した後、短時間で定着ニップ部206をトナー画像の定着可能温度まで昇温させることが可能である。
【0014】
しかし、このような弾性層を設けていない定着ベルト203を使用しているベルト定着装置201をカラー画像形成装置の定着装置として使用すると、定着部材である定着ベルト203に弾性層が無いために、記録材Pの表面の凹凸やトナー層の有無による凹凸、そしてトナー層自体の凹凸などに定着ベルト203の表面が追従できず、凹部と凸部で定着ベルト203から加えられる熱に差ができてしまう。定着ベルト203とよく接触する凸部においては、定着ベルト203からよく熱が伝わり、定着ベルト203とあまりよく接触しない凹部においては、定着ベルト203からの熱が凸部に比べて伝わりにくい。このように、トナー層が凹凸による溶融状態の違いを反映することにより、定着後画像に影響をもたらしてしまう。
【0015】
特に、カラー画像においては、複数色のトナー像を重ね、混色させて使用するため、トナー層の凹凸が白黒画像に比べて大きく、定着ベルト203に弾性層が無い場合、定着後の画像の光沢ムラが大きくなって画像品質を低下させる、また、記録材PがOHPシートの場合には定着後画像を投影した場合、定着後の画像表面が微視的に見て均一でないことに起因する光の散乱が発生し、結果として透過性の低下を招いてしまう。
【0016】
また、弾性層を有しない定着ベルト203と、記録材Pや未定着トナー像tの凹凸部分に満遍なくよく熱が伝わるようにシリコンオイル等を定着ベルト203に塗布すると、コストが高くなることや定着後画像および記録材Pがオイルでべとつくという問題があった。
【0017】
そこで、特開平11−15303号公報(特許第3051085号)に開示されている定着ベルトのような、弾性層を有する定着ベルトをベルト定着装置に使用することで、低コストなカラーオンデマンド定着装置を構成する定着装置が提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図14は定着部材として弾性層を有する定着ベルト203を用いたベルト定着装置の概略構成模型図である。図13の装置と共通する構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
【0019】
この定着装置を用いる場合には、定着ベルト203の弾性層に用いられるシリコーンゴム層の熱伝導率が小さいことより定着ベルト203の温度応答性は悪く、定着ヒータ204の温度に対するスリーブ温度の追従は大きな遅れを伴ってしまう。さらに、定着ヒータ204の温度と定着ベルト203の温度差は定常状態においても数十℃と大変大きく、またその温度差は空回転時と、通紙時において大きく異なる。このため定着ベルト203の温度制御は非常に困難であった。
【0020】
このため、図13の装置のように定着ヒータ部ではなく、図14の装置のように定着ベルト203の内面や表面に温度検知手段209を配置させて、定着ベルト203自身の温度を検出し、PID制御などのフィードバック制御により定着ヒータ204の温度を制御することにより定着ベルト203の温調を行う方法がある。
【0021】
このような構成を用いることによって定着ベルト203の温度をより精度良く制御することが可能である。
【0022】
この定着装置においては、立ち上げ温度制御シーケンスは、以下の二段階aとbから構成される。
【0023】
a.「立上げ(固定)電力出力」
b.「PID制御」
aの「立ち上げ電力」は、定着装置温度を速やかに立上げ、オンデマンド性を確保する為に投入される電力であり、定着ヒータ204には1000Wが投入される。
【0024】
加圧ローラ205の回転に伴い、定着ベルト203は従動回転しながら定着ヒータ204により加熱される。
【0025】
定着ベルト203の温度を検出する温度検知手段209の検知温度が所定温度(目標温度−20℃:例えば、目標温度が190℃であれば、190℃−20℃=170℃)に達したときに、bの「PID制御」に移行し、以後はPID制御により定着ベルト203の温度が目標温度に近づくように定着ヒータ204への投入電力は制御される。
【0026】
しかしながら、従来の定着装置を用いて立ち上げを行った場合、以下のような問題点があった。
【0027】
▲1▼.立ち上げ時のオーバーシュートが大きく、使用を重ねるとより高温での動作が繰り返されることにより、定着装置の寿命が短くなってしまう。
【0028】
▲2▼.立ち上げ時の温度リップルが大きく、立ち上げ後の記録材突入時の温度ばらつきが大きくなってしまい、出力された印刷物のグロス(光沢度)がばらついてしまい、画質上好ましくない。また、記録材や印字パターンによっては温度が低下したポイントで定着不良が生じる。
【0029】
本発明者らがこの現象について検討を行ったところ以下の理由によることがわかった。
【0030】
1)定着ベルト203の弾性層に用いられるシリコーンゴム層の熱伝導率が小さく、定着ヒータ204から定着ベルト表面までに多くの部材があることにより定着ヒータ204へ通電してから定着ベルト温度が上昇するまでの、応答性が悪いこと。
【0031】
2)定着ベルト203の温度を検出する温度検知手段209の位置が定着ニップ部206から離れていることによる検知タイミングの遅れがあること。
【0032】
すなわち、PID制御に代表されるフィードバック制御は、制御量の変動を検知し、それに対応した操作量を加えることによって成り立っているため、PID制御を基調として立ち上げ温調を行おうとした場合、上記の2つの理由1)と2)によるむだ時間(タイムラグ)が大きくなり、オーバーシュートを起こしやすく、また、それとともにハンチング(温度リップル)を生じやすくなってしまう。
【0033】
一方、小さな電力で緩やかに立ち上げることによってオーバーシュートを発生させない方法があるが、この場合にはオンデマンド性が損なわれてしまう。
【0034】
このように、従来の定着装置の制御方法を用いた場合、オンデマンド性と、温調制御の安定性はトレードオフの関係にあった。
【0035】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、定着装置において定着部材として弾性層を有する定着ベルトを用いた場合においても定着装置の寿命が長く、また、定着部材の正確な温調制御を行い、その結果画像不良が無く、グロスなどの印字品質ムラのない高画質な画像を得ることができる定着装置、および該定着装置を搭載した画像形成装置を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする定着装置および画像形成装置である。
【0037】
(1)少なくとも、加熱体と、前記加熱体に電力を供給する電力供給部と、少なくとも1つ以上の温度検知手段と、記録材と共に移動する第一の回転体と、前記記録材と圧接部を形成し、かつ、前記記録材を搬送する第二の回転体と、を有し、前記温度検知手段の温度検知を行う場所は加熱体と異なる場所であり、前記温度検知手段によって検知された温度を基に前記電力供給部から前記加熱体に供給する電力をフィードバック制御することで前記第一の回転体の温度制御を行い、前記圧接部で画像を担持した記録材を挟持搬送させて加熱する定着装置において、
プリント開始時に定着装置を立ち上げる際に、前記フィードバック制御を禁止する領域を設け、
前記領域内において、少なくとも、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルの二段階以上の電力レベルを有し、その後フィードバック制御に移行することを特徴とする定着装置。
【0038】
(2)定着装置の蓄熱具合から前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする(1)に記載の定着装置。
【0039】
(3)前記温度検知手段を第一の温度検知手段としたとき該第一の温度検知手段の他に、第二の温度検知手段を有し、前記第二の温度検知手段の温度検知を行う場所は前記第一の温度検知手段より前記加熱体に近い場所であり、画像形成動作開始時の定着装置の立ち上げ前に、前記第二の温度検知手段の検知温度から、前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする(2)に記載の定着装置。
【0040】
(4)前記定着装置の印字枚数により前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする(2)または(3)に記載の定着装置。
【0041】
(5)前記第一、第二の温度検知手段の他に、第三の温度検知手段を有し、前記第三の温度検知手段の温度検知を行う場所は加熱体と、第一の回転体を除く定着装置構成部の何れかであり、前記第三の温度検知手段の検知温度から、前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする(3)または(4)に記載の定着装置。
【0042】
(6)前記第一の回転体の熱容量が1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下であることを特徴とする(1)ないし(5)の何れかに記載の定着装置。
【0043】
(7)前記第一の回転体の熱容量が2.1×10−2cal/cm・℃以上4.5×10−2cal/cm・℃以下であることを特徴とする(1)ないし(5)の何れかに記載の定着装置。
【0044】
(8)前記第一の回転体として、ベルト状部材に弾性層を設けてなる、定着ベルトを用いたことを特徴とする(1)ないし(7)の何れかに記載の定着装置。
【0045】
(9)前記定着ベルト基材が耐熱性樹脂よりなる事を特徴とする(8)に記載の定着装置。
【0046】
(10)前記定着ベルト基材が金属よりなることを特徴とする(8)に記載の定着装置。
【0047】
(11)前記定着ベルトの最表層に離型性層を設けることを特徴とする(8)ないし(10)の何れかに記載の定着装置。
【0048】
(12)前記加熱体として線状発熱体を用いることを特徴とする(1)ないし(11)の何れかに記載の定着装置。
【0049】
(13)前記加熱体としてセラミック基板上に抵抗発熱体を形成してなるセラミックヒータを用いることを特徴とする(12)に記載の定着装置。
【0050】
(14)前記加熱体を保持する加熱体保持部材に樹脂材料を用いたことを特徴とする(1)ないし(13)の何れかに記載の定着装置。
【0051】
(15)前記加熱体保持部材が液晶ポリマーよりなることを特徴とする(14)に記載の定着装置。
【0052】
(16)前記(1)ないし(15)の何れかに記載の定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【0053】
(17)前記画像形成装置は、複数色のトナー像を重ねることによりカラー画像を形成するカラー画像形成装置であることを特徴とする(16)に記載の画像形成装置。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0055】
〈実施の形態1〉
(1)画像形成装置例
図1は、本発明の実施の形態1に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。本例の画像形成装置は電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。
【0056】
この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Bkの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0057】
各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkには、それぞれ感光ドラム2a、2b、2c、2dが設置されている。各感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電ローラ3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4d、転写ローラ5a、5b、5c、5d、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dがそれぞれ設置されており、帯電ローラ3a、3b、3c、3dと現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。各現像装置4a、4b、4c、4dには、それぞれイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
【0058】
画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各感光ドラム2a、2b、2c、2dの各1次転写部Nに、転写媒体としての無端ベルト状の中間転写体40が当接している。中間転写ベルト40は、駆動ローラ41、支持ローラ42、2次転写対向ローラ43間に張架されており、駆動ローラ41の駆動によって矢印方向(時計方向)に回転(移動)される。
【0059】
1次転写用の各転写ローラ5a、5b、5c、5dは、各1次転写ニップ部Nにて中間転写ベルト40を介して各感光ドラム2a、2b、2c、2dに当接している。
【0060】
2次転写対向ローラ43は、中間転写ベルト40を介して2次転写ローラ44と当接して、2次転写部Mを形成している。2次転写ローラ44は、中間転写ベルト40に接離自在に設置されている。
【0061】
中間転写ベルト40の外側の駆動ローラ41近傍には、中間転写ベルト40の表面に残った転写残トナーを除去して回収するベルトクリーニング装置45が設置されている。
【0062】
また、2次転写部Mの記録材Pの搬送方向下流側には定着装置12が設置されている。
【0063】
また、この画像形成装置内には環境センサ50とメディアセンサ51が設置されている。
【0064】
画像形成動作開始信号(プリント開始信号)が発せられると、所定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部1Y、1M、1C、1Bkの各感光ドラム2a、2b、2c、2dは、それぞれ帯電ローラ3a、3b、3c、3dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電される。
【0065】
そして、露光装置7a、7b、7c、7dは、入力されるカラー色分解された画像信号をレーザ出力部(不図示)にて光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を帯電された各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光して静電潜像を形成する。
【0066】
そして、まず静電潜像が形成された感光ドラム2a上に、感光ドラム2aの帯電極性(負極性)と同極性の現像バイアスが印加された現像装置4aによりイエローのトナーを感光体表面の帯電電位に応じて静電吸着させることで静電潜像を顕像化し、現像像とする。このイエローのトナー像は、1次転写部Nにて1次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ5aにより、回転している中間転写ベルト40上に1次転写される。イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト40は画像形成部1M側に回転される。
【0067】
そして、画像形成部1Mにおいても、前記同様にして感光ドラム2bに形成されたマゼンタのトナー像が、中間転写ベルト40上のイエローのトナー像上に重ね合わせて、1次転写部Nにて転写される。
【0068】
以下、同様にして中間転写ベルト40上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Bkの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を各1次転写部Nにて順次重ね合わせて、フルカラーのトナー像を中間転写ベルト40上に形成する。
【0069】
そして、中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー像先端が2次転写部Mに移動されるタイミングに合わせて、レジストローラ46により記録材(転写材)Pを2次転写部Mに搬送して、この記録材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加された2次転写ローラ44によりフルカラーのトナー像が一括して2次転写される。フルカラーのトナー像が形成された記録材Pは定着装置12に搬送されて、定着ベルト20と加圧ローラ22間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して記録材P表面に溶融定着した後に外部に排出され、画像形成装置の出力画像となる。そして、一連の画像形成動作を終了する。
【0070】
尚、画像形成装置内には環境センサ50を有しており、帯電、現像、1次転写、2次転写のバイアスや定着条件は画像形成装置内の雰囲気環境(温度、湿度)に応じて変更可能な構成となっており、記録材Pに形成されるトナー像濃度の調整のためや、最適な転写、定着条件を達成するために用いられる。また、画像形成装置内にはメディアセンサ51を有しており、記録材Pの判別を行うことによって、転写バイアスや定着条件は記録材に応じて変更可能な構成となっており、記録材Pに対する最適な転写、定着条件を達成するため用いられる。
【0071】
上記した1次転写時において、感光ドラム2a、2b、2c、2d上に残留している1次転写残トナーは、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dによって除去されて回収される。また、2次転写後に中間転写ベルト40上に残った2次転写残トナーは、ベルトクリーニング装置45によって除去されて回収される。
【0072】
(2)定着装置12
図2は定着装置12の概略構成模型図である。本例の定着装置12は、定着ベルト加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の加熱装置である。
【0073】
1)装置12の全体的構成
20は第一の回転体(第一の定着部材)としての定着ベルトであり、ベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状、スリーブ状)の部材である。この定着ベルト20は後記3)項で詳述する。
【0074】
22は第二の回転体(第二の定着部材)としての加圧ローラである。17は加熱体保持部材としての、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダ、16は加熱体(熱源)としての定着ヒータであり、ヒータホルダ17の下面に該ホルダの長手に沿って配設してある。定着ベルト20はこのヒータホルダ17にルーズに外嵌させてある。定着ヒータ16は本実施例では後記2)項で詳述するようなセラミックヒータである。
【0075】
ヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、定着ヒータ16を保持し、定着ベルト20をガイドする役割を果たす。本実施例においては、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。ゼナイト7755の最大使用可能温度は、約270℃である。
【0076】
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金に、射出成形により、厚み約3mmのシリコーンゴム層を形成し、その上に厚み約40μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。この加圧ローラ22は芯金の両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に、前記のヒータ16・ヒータホルダ17・定着ベルト20等から成る定着ベルトユニットをヒータ16側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置し、ヒータホルダ17の両端部を不図示の加圧機構により片側98N(10kgf)、総圧196N(20kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向に附勢することで、定着ヒータ16の下向き面を定着ベルト20を介して加圧ローラ22の弾性層に該弾性層の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部27を形成させてある。加圧機構は、圧解除機構を有し、ジャム処理時等に、加圧を解除し、記録材Pの除去が容易な構成となっている。
【0077】
18と19は第一と第二の温度検知手段としてのメインとサブの2つのサーミスタである。第一の温度検知手段としてのメインサーミスタ18は加熱体である定着ヒータ16に非接触に配置され、本実施例ではヒータホルダ17の上方において定着ベルト20の内面に弾性的に接触させてあり、定着ベルト20の内面の温度を検知する。第二の温度検知手段としてのサブサーミスタ19はメインサーミスタ18よりも熱源である定着ヒータ16に近い場所に配置され、本実施例では定着ヒータ16の裏面に接触させてあり、定着ヒータ裏面の温度を検知する。
【0078】
メインサーミスタ18は、ヒータホルダ17に固定支持させたステンレス製のアーム25の先端にサーミスタ素子が取り付けられ、アーム25が弾性揺動することにより、定着ベルト20の内面の動きが不安定になった状態においても、サーミスタ素子が定着ベルト20の内面に常に接する状態に保たれる。
【0079】
図3に、本実施例の定着装置における、定着ヒータ16、メインサーミスタ18、サブサーミスタ19の位置関係をあらわす斜視模型図を示す。メインサーミスタ18は定着ベルト20の長手中央付近に、サブサーミスタ19は定着ヒータ16の長手端部付近に配設され、それぞれ定着ベルト20の内面、定着ヒータ16の裏面に接触するよう配置されている。
【0080】
メインサーミスタ18、及びサブサーミスタ19は、制御回路部(CPU)21に接続され、制御回路部21は、メインサーミスタ18、サブサーミスタ19の出力をもとに、定着ヒータ16の温調制御内容を決定し、電力供給部(加熱手段)としてのヒータ駆動回路部28(図4)によって定着ヒータ16への通電を制御する。
【0081】
23と26は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、二次転写ニップを抜けた記録材Pが、定着ニップ部27に正確にガイドされるよう、転写材を導く役割を果たす。本実施例の入り口ガイド23は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂により形成されている。
【0082】
加圧ローラ22は駆動手段(不図示)により矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動による該加圧ローラ22の外面と定着ベルト20との、定着ニップ部27における圧接摩擦力により円筒状の定着ベルト20に回転力が作用して該定着ベルト20はその内面側が定着ヒータ16の下向き面に密着して摺動しながらヒータホルダ17の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。定着ベルト20内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ17と定着ベルト20内面との摺動性を確保している。
【0083】
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト20が従動回転状態になり、また定着ヒータ16に通電がなされ、該定着ヒータ16が昇温して所定の温度に立ち上げ温調された状態において、定着ニップ部27の定着ベルト20と加圧ローラ22との間に未定着トナー像tを担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入され、定着ニップ部27において記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト20の外面に密着して定着ベルト20と一緒に定着ニップ部27を挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、定着ヒータ16の熱が定着ベルト20を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部27を通過した記録材Pは定着ベルト20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
【0084】
2)定着ヒータ16
熱源としての定着ヒータ16は、本実施例では、アルミナの基板上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な厚さの膜状に塗布することで抵抗発熱体を形成した上に耐圧ガラスによるガラスコートを施した、セラミックヒータを使用している。
【0085】
図4はそのようなセラミックヒータの一例の構造模型図であり、(a)は一部切欠き表面模型図、(b)は裏面模型図、(c)は拡大横断面模型図である。
【0086】
この定着ヒータ16は、
▲1▼.通紙方向と直交する方向を長手とする横長のアルミナ基板a、
▲2▼.上記のアルミナ基板aの表面側に長手に沿ってスクリーン印刷により線状あるいは帯状に塗工した、電流が流れることにより発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)合金を含んだ導電ペーストの、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の抵抗発熱体層b、
▲3▼.上記の抵抗発熱体層bに対する給電パターンとして、同じくアルミナ基板aの表面側に銀ペーストのスクリーン印刷等によりパターン形成した、第1と第2の電極部c・d及び延長電路部e・f、
▲4▼.抵抗発熱体層bと延長電路部e・fの保護と絶縁性を確保するためにそれ等の上に形成した、定着ベルト20との摺擦に耐えることが可能な、厚み10μm程度の薄肉のガラスコートg、
▲5▼.アルミナ基板aの裏面側に設けたサブサーミスタ19
等からなる。
【0087】
上記の定着ヒータ16は表面側を下向きに露呈させてヒータホルダ17に固定して支持させてある。
【0088】
上記定着ヒータ16の第1と第2の電極部c・d側には給電用コネクタ30が装着される。ヒータ駆動回路部28から上記の給電用コネクタ30を介して第1と第2の電極部c・dに給電されることで抵抗発熱体層bが発熱して定着ヒータ16が迅速に昇温する。ヒータ駆動回路部28は制御回路部(CPU)21により制御される。
【0089】
通常使用においては、加圧ローラ22の回転開始とともに、定着ベルト20の従動回転が開始し、定着ヒータ16の温度の上昇とともに、定着ベルト20内面温度も上昇していく。定着ヒータ16への通電は、PID制御によりコントロールされ、定着ベルト20の内面温度、すなわち、メインサーミスタ18の検知温度が190℃になるように、入力電力が制御される。
【0090】
3)定着ベルト20
本実施の形態において、定着ベルト20はベルト状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレスベルト状)の部材であり、具体的には、材質にSUSを用い、厚み30μmの円筒状に形成したエンドレスベルト(ベルト基材)上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)を、リングコート法により形成した上に、厚み30μmのPFA樹脂チューブ(最表面層)を被覆してなる。このような構成で作成した定着ベルト20の熱容量を測定したところ、2.9×10−2cal/cm・℃(定着ベルト1cm・あたりの熱容量)であった。
【0091】
▲1▼.定着ベルトの基層
定着ベルト20の基層にはポリイミドなどを用いることも出来るが、ポリイミドよりもSUSのほうが、熱伝導率がおよそ10倍と大きく、より高いオンデマンド性を得ることができることから、本実施の形態においては、定着ベルト20の基層にはSUSを用いた。
【0092】
▲2▼.定着ベルトの弾性層
定着ベルト20の弾性層には熱伝導率の高いゴム層を用いている。これはより高いオンデマンド性を得る為である。本実施の形態で用いた材質は比熱が約2.9×10−1 cal/g・℃である。
【0093】
▲3▼.定着ベルトの離形層
定着ベルト20の表面には、フッ素樹脂層を設けることで、表面の離型性を向上し、定着ベルト20表面にトナーが一旦付着し、再度記録材Pに移動することで発生するオフセット現象を防止することができる。また、定着ベルト20表面のフッ素樹脂層を、PFAチューブとすることで、より簡便に、均一なフッ素樹脂層を形成することが可能となる。
【0094】
▲4▼.定着ベルトの熱容量
一般に、定着ベルト20の熱容量が大きくなると、温度立ち上がりが鈍くなり、オンデマンド性が損なわれる。たとえば、定着装置の構成にも拠るが、スタンバイ温調無しで、1分以内での立ち上がりを想定した場合、定着ベルト20の熱容量は約1.0 cal/cm・℃以下である必要がある。
【0095】
本実施の形態においては、朝一立ち上げの際に、定着ヒータ16に1000Wの電力を投入して、定着ベルト20が190℃に20秒以内に立ち上がる様に設計してある。シリコーンゴム層には、比熱が約2.9×10−1cal/g・℃の材質を用いており、このとき、シリコーンゴムの厚みは500μm以下でなければならなく、定着ベルト20の熱容量は約4.5×10−2cal/cm・℃以下である必要がある。また、逆に、1.0×10−2cal/cm・℃以下にしようとすると、定着ベルト20のゴム層が極端に薄くなり、OHT透過性やグロスムラなどの画質の点において、弾性層を持たないオンデマンド定着装置と同等になってしまう。
【0096】
本実施の形態においては、OHT透過性やグロスの設定など高画質な画像を得るために必要なシリコーンゴムの厚みは200μm以上であった。この際の熱容量は2.1×10−2 cal/cm・℃である。
【0097】
つまりは、本実施の形態と同様の定着装置の構成における、定着ベルト20の熱容量は1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下が一般的に対象となる。この中で、よりオンデマンド性と高画質の両立を図ることができる、2.1×10−2cal/cm・℃以上4.5×10−2cal/cm・℃以下の定着ベルトを用いることとした。
【0098】
(3)定着装置の立ち上げ温度制御
図9を用いて本実施の形態における定着装置の制御シーケンスについて説明する。本実施の形態においては、次のようにして立ち上げ温度制御を行っている。
【0099】
すなわち、「立ち上げ(固定)電力出力」→「所定温度検知」→「一定電力投入」→「PID制御」、である。
【0100】
「立ち上げ電力」には、オンデマンド性を確保する為に、定着ヒータ16は電力1000Wが投入される。加圧ローラ22の回転に伴い、定着ベルト20は従動回転しながら定着ヒータ16により加熱される。本実施の形態においては「立ち上げ電力(1000W)」投入後、すぐには「PID制御」に移行せず、メインサーミスタ18の検知温度が所定温度(目標温度−20℃:本実施の形態では、目標温度は190℃であることで、190℃−20℃=170℃)に達したときに、約1.5秒間、「第二の電力レベルである所定電力(約200W)」を投入した後に「PID制御」に移行し、以後は「PID制御」により定着ヒータ16への投入電力は制御するようにした。
【0101】
これにより、むだ時間(タイムラグ)が大きい定着装置においても図10に示すように、オーバーシュートを小さくし、また、オーバーシュートに伴う温度リップルも小さくすることができる。
【0102】
次に、本実施の形態を用いた場合の実験結果を示す。本実験の内容は、次のとおりである。
【0103】
1)測定方法
定着装置の定着ベルト20の表面の中央付近にアンリツ製E型熱電対529Eを接触させて配置し、キーエンス製PC用温度レコーダーNR250にてA/D変換しPCに取り込むことにより測温を行った。
【0104】
また、電力についてはYOKOGAWA製WT200 DIGITAL POWER MATERを介して電力値の出力を同じくキーエンス製PC用温度レコーダーNR250にてA/D変換しPCに取り込むことにより測定した。
【0105】
定着後画像の光沢(グロス)については、次の方法を用いて測定を行った。測定器として、日本電色工業株式会社製の光沢計PG―3Dを使用し、JIS Z 8741における75度鏡面光沢測定方法により測定を行った。記録材上のトナー量としては、Y,M,C,BKのいわゆる1次色のべた画像部のトナー量が約0.5〜0.6mg/cm、R,G,Bのいわゆる2次色のべた部が約1.0〜1.2mg/cmの状態で定着を行い、定着後画像の光沢を測定した。
【0106】
2)実験条件
立ち上げ時に、室温状態である定着装置は、動作するのとほぼ同時に定着ヒータ16に電力(1000W)が投入され、メインサーミスタ18の検知温度が目標温度190℃から20℃を引いた170℃になるまでこの電力を投入した。
【0107】
メインサーミスタ18の検知温度が170℃に達したときに約1.5秒間PID制御を行わず、所定電力(約200W)を投入した後に、立ち上げの目標温度を190℃として、PID制御に移行した。そして、目標温度で一定になるように温調を行った。
【0108】
尚、投入した約200Wの電力は空回転状態で190℃温調を行う為に必要な電力、つまりは目標温度での温度維持に必要な電力値である。
【0109】
また、耐久試験として、本実施の形態における定着装置を用い、2枚間欠の連続印字を150kプリント行い、耐久後の駆動ローラのトルクを測定した。
【0110】
3)実験結果
図6に本実施の形態を用いた場合の定着装置における立ち上げ温調での定着ヒータ16に投入する電力と定着ベルト20の温度を示す。
【0111】
図6に示すように立ち上げによるオーバーシュートも含めて安定した温調(温度リップル約7℃、目標温度に対して±3.5℃)を示した。
【0112】
温度リップルが約7℃の場合には、試験に用いたインライン型の電子写真方式カラー画像形成装置においては、出力された印刷物のグロスは単色で約4の変動幅であり、また、2次色では約6の変動幅と小さかった。さらに、目標温度に近いところで定着できる為、ホットオフセットなどの定着不良が生じることなく定着を行うことができた。
また、耐久試験後の、駆動トルクを測定したところ約3.0kgf・cmであった。このとき定着装置の不具合は見られなかった。
【0113】
(4)比較例
図11を用いて比較例における定着装置の制御シーケンスについて説明する。比較例においては、次のような立ち上げ温調制御を行っている。
【0114】
すなわち、「立ち上げ電力(1000W)出力」→「所定温度(170℃)検知」→「PID制御」、である。
【0115】
定着ヒータ16に電力(1000W)を投入し、メインサーミスタ18の検知温度が170℃に達した後に、立ち上げの目標温度を190℃として、PID制御に移行する。
【0116】
このとき、図12に示すように、オーバーシュートが発生し、また、オーバーシュートに伴う温度リップルも大きくなってしまう。
【0117】
比較例の定着装置を用いた場合における実験結果を示す。
【0118】
1)測定方法
本実施の形態を用いた場合の実験と同様にして行ったのでここでは省略する。
【0119】
2)実験条件
立ち上げ温調として、朝一状態である定着装置は、動作するのとほぼ同時に定着ヒータ16に電力(1000W)が投入され、メインサーミスタ18の検知温度が目標温度190℃から20℃を引いた170℃になるまでこの電力を投入した。その後、立ち上げの目標温度を190℃としてPID制御に移行し、目標温度で一定になるように温調を行った。
【0120】
また、実施例1と同様の耐久試験を実施した。
【0121】
3)実験結果
図5に従来例における立ち上げ温調での定着ヒータ16に投入する電力と定着ベルト20の温度を示す。
【0122】
図5に示すように約9秒で所望の温度に立ち上がるものの、その後オーバーシュートを起こし、約210℃まで温度が上昇し、その後目標温度である190℃に落ち着くまでさらに10秒程度を要した。
【0123】
このようなオーバーシュートを生じた場合、試験に用いたインライン型の電子写真方式カラー画像形成装置においては、出力された印刷物のグロスは単色で約8変動し、また、2次色では約13変動し、画質の低下を招く(表1)。さらに、オーバーシュートの途中で紙が通紙された場合、画像パターンによっては、ホットオフセットなどの定着不良が生じてしまうという問題を生じた。
【0124】
【表1】
Figure 2004070041
【0125】
また、耐久試験後の定着装置の駆動トルクを測定したところ約4.5kgf・cmであった。このとき、条件によっては定着装置の駆動中に定着ベルトのスリップが発生することがあった。
【0126】
(5)考察
まず、オーバーシュートと温度リップルについて述べる。
【0127】
本実施の形態を用いた場合に効果の得られる理由は次のようである。従来の定着装置においては、定着ベルト20の弾性層に用いられるシリコーンゴム層の熱伝導率が小さく、ヒータから定着ベルト表面までに多くの部材があることにより応答性が悪い。また、メインサーミスタ18の位置が定着ニップ部から離れていることによる検知タイミングの遅れがあることから、むだ時間(タイムラグ)が大きく、オーバーシュート/アンダーシュートを生じやすい。
【0128】
さらに本定着装置においては、温度の応答性が悪い定着ベルト20を用いた状態でオンデマンド性を確保するべく、立ち上げ電力に大きな電力(1000W)を用いる為に、その後すぐさまPID制御などのフィードバック制御に戻った場合、温度変動の大きい不安定な制御となる。
【0129】
ここで、立ち上げ電力投入後、メインサーミスタ18の検知温度が所定温度(目標温度−20℃)に達したときに、約1.5秒間所定電力(約200W)を投入することにより、比較的温度変動を緩やかにした後にPID制御に移行することにより、オーバーシュートを小さくし、また、オーバーシュートに伴う温度リップルも小さくすることができる。
【0130】
次に、定着部材の耐久性について述べる。
【0131】
従来例のように立ち上げにおいてスリーブ表面温度が約210℃まで達する場合、トルク上昇により、定着ベルト20のスリップが発生してしまうため、定着ベルト20や加圧ローラ22をはじめとする定着部材の耐久寿命が短くなってしまう。
【0132】
定着ベルト20のスリップは、定着ベルト20と、定着ヒータ16をはじめとするベルト内部の構成物との動摩擦力が、加圧ローラ22、もしくは記録材Pとの最大静止摩擦力を超えた場合に発生する。定着ベルト20と、定着ヒータ16をはじめとするベルト内部の構成物との動摩擦力は、特にグリスの状態に大きく影響され、グリスが不必要な部位に移動することにより量が減少した場合や、グリス自体が劣化した場合には、この動摩擦力が大きくなることが知られている。定着装置の耐久が進むにつれ、グリスは量が減少したりや劣化を生じたりする為、この動摩擦力は大きくなる。特に過度の高温駆動はグリスへのダメージが大きい。
【0133】
定着ベルト20と、定着ヒータ16をはじめとするベルト内部の構成物との動摩擦力は、定着装置の駆動時における、駆動手段への負荷のなかでも最も大きな要因である。即ち、定着装置の駆動トルクを測定値によって、代用することができる。
【0134】
この定着装置の初期状態における駆動トルクは約1.5kgf・cmであり、定着ベルト20のスリップは、この駆動トルクが約4.0kgf・cmを超えたあたりで発生する場合があることが分かっている。
【0135】
本実施の形態における定着装置を用い、2枚間欠の連続印字を150kプリント行った場合の駆動ローラのトルクを測定したところ約3kgf・cmであった。このとき定着装置の不具合は見られなかった。
【0136】
このように立ち上げにおいてスリーブ表面温度のオーバーシュートがほとんど発生しないので、過度の高温駆動を課すことも無く耐久寿命を大幅に伸ばすことができる。
【0137】
ここでは、耐久寿命が短くなる顕著なものして、定着ベルト20のスリップを例として上げたが、定着装置のオーバーシュートが大きい場合には、定着装置内の各部材に過度の負担を強いることから、本実施の形態を用いてオーバーシュートを防止することで、定着装置内の各部材の寿命を伸ばす効果があることは言うまでもない。
【0138】
尚、ここで用いる約200Wは朝一の立ち上げ時に空回転状態で190℃温調を行う為に必要な電力であり、実験的に分かっているものである。ただし、ここで投入する電力は厳密に一致していなくても、略同一であればよい。これは、一定時間の所定電力投入後はPID制御に戻ることによって、再び目標温度に近づくように制御されるからである。つまり、厳密に一致していない場合には、温度が目標温度から遠ざかることになるが、その後再び近づく様に制御されるわけである。そのときの温度変動が所望の温度リップル内であれば良い。
【0139】
以上、本実施の形態では、立ち上げ温調中にフィードバック制御を禁止する領域を設け、前記領域内において、定着ヒータ16に投入される電力に、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルと、の二段階の電力レベルを用い、立ち上げ温調中に所定電力を検知した後に切り替えることによって、オーバーシュートを生じることなく、より安定した温度制御を行うことができた。
【0140】
〈実施の形態2〉
本実施の形態では、立ち上げ温調中にフィードバック制御を禁止する領域を設け、前記領域内において、定着ヒータ16に投入される電力に、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルと、の二段階の電力レベルを用い、立ち上げ温調中に所定電力を検知した後に切り替える際に、第二電力レベルは、立ち上げ前のサブサーミスタ19の検知温度を用いて、定着装置の蓄熱具合を考慮した必要電力値に補正することによって、オーバーシュートを生じることなく、より安定した温度制御を行う方法について説明する。
【0141】
本実施の形態では、定着装置の大まかな構成と制御は実施の形態1と同様である。しかし、定着ヒータ16に投入される電力を補正する際に、定着装置の蓄熱具合を考慮した略必要電力に補正することが異なる。
【0142】
画像形成装置の構成は実施の形態1と同様であり、図1に示すとおりである。また、定着装置の構成は、実施の形態1と同様で図2〜4に示した通りである。よって重複する説明は省略する。
【0143】
本実施の形態では定着ヒータ16に投入する電力を補正する際に、定着装置の蓄熱具合を考慮した略必要電力に補正することとした。
【0144】
つまりは、立ち上げ温調中に所定電力を検知した後において、目標温度での温度維持に必要な電力値である定着ヒータ16に投入される電力の所定電力値を、蓄熱具合によって変動するものとした。例えば、朝一の定着装置の立ち上げ電力投入後、所定電力を検知した際に、立ち上げ直後の所定電力値を約200W、また十分に温まった定着装置の所定電力値を約80Wと定着装置の蓄熱具合を考慮し、定着装置の蓄熱具合によって定着ヒータ16に投入する電力が異なる時に対応できるようにした。
【0145】
本実施の形態においては、通電開始時のサブサーミスタ19の検知温度から定着装置の蓄熱具合を予想し、所定電力値を変更することとした。
【0146】
図7にヒータホルダ17の温度と所定電力値の関係をプロットしたものを示す。このように、ヒータホルダ温度と必要となる所定電力値は再現良く図7に示すような関係を示すことが分かる。
【0147】
【表2】
Figure 2004070041
【0148】
よって、本実施の形態においては、プリントジョブ終了後、定着装置に余熱が残った状態で再び立ち上げる場合には、通電開始時のサブサーミスタ19の検知温度に応じて表2に示すように、立ち上げ後のヒータホルダ17の温度を予想し、所定電力値を決定している。
【0149】
具体的には、通電開始時のサブサーミスタ19の検知温度が40℃以下であるときには立ち上げ後のヒータホルダ温度が55℃以下であることが予想される為、立ち上げ1として、所定電力値約200Wを用いる。
【0150】
以下同様にして、立ち上げ開始前の検知温度が41〜55℃であるときには立ち上げ2とし、検知温度が56〜75℃であるときには立ち上げ3であるとし、検知温度が76〜95℃であるときには立ち上げ4であるとし、検知温度が96〜125℃であるときには立ち上げ5であるとし、検知温度が126℃以上であるときには立ち上げ6であるとして所定電力値を決定する。
【0151】
本実施の形態を用いた場合の効果については、原理的に実施の形態1と同様であるため、ここでは省略する。しかし、本実施の形態においては、定着装置の朝一状態から耐久中までの幅広い条件において立ち上げ時に投入する電力が精度良く決定できる為、さらに安定した温度制御を行うことができる。
【0152】
このようにして定着装置の蓄熱具合によらず安定した温度制御(温度リップル約7℃以内)が達成できた。
【0153】
以上、本実施の形態では、立ち上げ温調中にフィードバック制御を禁止する領域を設け、前記領域内において、定着ヒータ16に投入される電力に、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルと、の二段階の電力レベルを用い、立ち上げ温調中に所定電力を検知した後に切り替える際に、第二電力レベルは、立ち上げ前のサブサーミスタ19の検知温度を用いて、定着装置の蓄熱具合を考慮した必要電力値に補正することによって、オーバーシュートを生じることなく、より安定した温度制御を行うことができた。
【0154】
また、ここでは立ち上げ前のサブサーミスタ19の検知温度を用いて、ヒータホルダ温度を予測し、所定電力値を決定したが、サブサーミスタを使わず、印字枚数数からヒータホルダ温度を予測し、所定電力値を決定する方法を用いても良い。
【0155】
〈実施の形態3〉
本実施の形態では、立ち上げ温調中にフィードバック制御を禁止する領域を設け、前記領域内において、定着ヒータ16に投入される電力に、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルと、の二段階の電力レベルを用い、立ち上げ温調中に所定電力を検知した後に切り替える際に、第二電力レベルは、ヒータホルダ17に当接させたサーミスタの検知温度を用い、定着装置の蓄熱具合を考慮した必要電力値に補正することによって、オーバーシュートを生じることなく、さらに安定した温度制御を行う方法について説明する。
【0156】
本実施の形態では、定着装置の大まかな構成と制御は実施の形態1と同様であるが、図8に示すように、ヒータホルダ17内には第三の温度検知手段としての第三のサーミスタ28がついている。定着ヒータ16に投入される電力を補正する際に、第三のサーミスタ28を利用して、定着装置の蓄熱具合を考慮した略必要電力値に補正することが異なる。
【0157】
画像形成装置の構成は実施の形態1と同様であり、図1に示すとおりである。また、定着装置の構成は、先述したように図3、4、7に示した通りである。よって重複する説明は省略する。
【0158】
本実施の形態では定着装置の蓄熱具合を考慮する際に、ヒータホルダ17に当接した第三のサーミスタ28を用いて蓄熱具合を直接測定することとした。
【0159】
このようにする事によって、定着装置の蓄熱具合をより精度よく求めることができる。
【0160】
図7にヒータホルダ17の温度と所定電力値の関係をプロットしたものを示す。このように、ヒータホルダ温度と必要となる所定電力値は再現良く図7に示すような関係を示す。
【0161】
第三のサーミスタの検知温度から、図7において線形補間により決定された所定電力値を用いることによって、さらに精度よく必要電力値を求めることができる。
【0162】
本実施の形態を用いた場合の効果については、原理的に実施の形態1と同様であるため、ここでは省略する。しかし、本実施の形態においては、定着装置の朝一状態から耐久中までの幅広い条件において立ち上げ時に投入する電力がさらに精度良く決定できる為、非常に安定した立ち上げ温度制御を行うことができる。
【0163】
このようにすることによって、定着装置の蓄熱具合によらず安定した立ち上げ温度制御(温度リップル約7℃以内)が達成できた。
【0164】
〈その他〉
1)このように、上述した各実施の形態において、プロセススピードは87mm/sec、温調温度は190℃、所定電力の投入時間はメインサーミスタ18の検知温度が170℃(目標温度−20℃)の後で、約1.5秒として説明した。しかし、記録材の種類や得たい画像の画質によっては、もしくはより良好な定着性を得る為などの条件によっては、プロセススピードやプリントスピード、温調温度、を異なる設定にしたほうが良い場合が考えられる。このような場合においても、本発明法を適用することによって、温度変動の小さい精度の良い温調を行うことが可能であり、同様の効果が得られる。このとき、補正される所定電力の値と所定電力の投入時間は、プロセススピード、温調温度によって異なることは言うまでもない。
【0165】
2)また、上述した各実施の形態において、温度制御を行う為の電力制御として基本的にPID制御を用いる場合について説明した。これは目標温度に素早く近づけ、尚且つ外乱に対しても強い制御方法として用いたものである。よって、P制御、PI制御、またその他のフィードバック制御を用いても温度制御を行うことができ、同様の効果が得られる。
【0166】
3)また、上述した各実施の形態において、立ち上げ電力制御は2段階の制御として説明したが、これは制御を複雑にすることなく、オーバーシュートを小さくする為に用いたものであり、3段階以上の制御を用いても良く、同様の効果が得られる。
【0167】
4)また、上述した各実施の形態において、定着ベルト20の熱容量は少なくとも1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下のもので構成される定着装置を用いて説明した。これは、定着ベルト20の熱容量が1.0×10−2cal/cm・℃以上の場合にはメインサーミスタ18の温度検知部の温度が定着ニップ位置の温度と近い為、温調の精度がより良いということと、定着ベルト20の熱容量が1.0cal/cm・℃以下の場合には、応答性が良いことから記録材Pの突入タイミングとあわせて電力を補正することがより効果的であることから、定着ベルト20の熱容量が1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下の場合によりおおきな効果が得られるからであって、その範囲以外の熱容量を有する定着ベルトを有する定着装置であっても本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。
【0168】
5)また、定着ベルト20に弾性層を設けた定着装置において説明した。これはより高画質なカラー画質を得ることができることから弾性層を設けた定着装置を用いたからであり、金属ベルトなどの弾性層を有さない定着ベルト有する定着装置であっても本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。
【0169】
6)また、加熱体としてセラミック基板上に抵抗発熱体を形成してなるセラミックヒータを用いる定着装置において説明した。これはローコストなカラー用オンデマンド定着装置の加熱体として用いる為であり、加熱体にハロゲンランプや電磁誘導発熱部材を用いることもでき、同様の効果が得られる。
【0170】
7)定着ニップを形成させる第一と第二の定着部材は実施の形態の定着ベルトや加圧ローラの形態に限られるものではない。第一と第二の定着部材の両方に加熱体(熱源)を具備させた形態の装置にすることもできる。
【0171】
8)加熱体は必ずしも定着ニップ部27に位置していなくてもよい。例えば、熱源を定着ニップ部27よりも定着ベルト移動方向上流側に位置させて配設することも出来る。
【0172】
9)実施例の定着装置は加圧用回転体駆動方式であるが、エンドレスの定着ベルトの内周面に駆動ローラを設け、定着ベルトにテンションを加えながら駆動する方式の装置であってもよい。
【0173】
10)本発明において定着装置には、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置なども包含される。
【0174】
11)画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着装置において定着部材として弾性層を有する定着ベルトを用いた場合でも定着部材の正確な温調制御を行い、その結果グロスなどの印字品質ムラのない高画質な画像を得ることができ、また耐久性が高く高寿命な定着装置、および該定着装置を搭載した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるカラー画像形成装置の概略構成図
【図2】本発明の第一または二の実施の形態における定着装置の断面模式図
【図3】本発明の第一ないし三の実施の形態における定着ヒータ・メインサーミスタ・サブサーミスタの位置関係を示す斜視模型図
【図4】加熱体としてのセラミックヒータの構成模式図
【図5】従来の定着装置における立ち上げ温調での定着ヒータに投入する電力と定着ベルトの温度を示す図
【図6】本発明の第一の実施の形態における定着装置における立ち上げ温調での定着ヒータに投入する電力と定着ベルトの温度を示す図
【図7】ヒータホルダの温度と所定電力値の関係をプロットした図
【図8】本発明の第三の実施の形態における定着装置の断面模式図
【図9】本発明の第一の実施の形態における定着装置の立ち上げ電力制御図
【図10】本発明の実施の形態における定着装置の立ち上げ温度プロファイル図
【図11】従来の定着装置の立ち上げ電力制御図
【図12】従来の定着装置の立ち上げ温度プロファイル図
【図13】従来のベルト定着方式の定着装置の断面模式図
【図14】従来のベルト定着方式において定着ベルト内面当接型のサーミスタを用いた定着装置の断面模式図
【符号の説明】
1M、1C、1Y、1Bk   画像形成部
2a、2b、2c、2d    感光ドラム
3a、3b、3c、3d    帯電ローラ
4a、4b、4c、4d    現像装置
5a、5b、5c、5d    転写ローラ
6a、6b、6c、6d    ドラムクリーニング装置
12   定着装置
16   セラミックヒータ(加熱体)
18   メインサーミスタ(第一の温度検知手段)
19   サブサーミスタ(第二の温度検知手段)
20   定着ベルト(第一の回転体)
21   制御回路部(CPU)
22   加圧ローラ(第二の回転体)
28   ヒータ駆動回路部(電力供給部、電源)
40   中間転写ベルト
44   2次転写ローラ
45   ベルトクリーニング装置
46   レジストローラ
50   環境センサ
51   メディアセンサ
P    記録材
N    (1次)転写部
M    (2次)転写部
t    トナー

Claims (17)

  1. 少なくとも、加熱体と、前記加熱体に電力を供給する電力供給部と、少なくとも1つ以上の温度検知手段と、記録材と共に移動する第一の回転体と、前記記録材と圧接部を形成し、かつ、前記記録材を搬送する第二の回転体と、を有し、前記温度検知手段の温度検知を行う場所は加熱体と異なる場所であり、前記温度検知手段によって検知された温度を基に前記電力供給部から前記加熱体に供給する電力をフィードバック制御することで前記第一の回転体の温度制御を行い、前記圧接部で画像を担持した記録材を挟持搬送させて加熱する定着装置において、
    プリント開始時に定着装置を立ち上げる際に、前記フィードバック制御を禁止する領域を設け、
    前記領域内において、少なくとも、定着装置温度をすみやかに立ち上げるための第一電力レベルと、定着装置温度を安定させるための第二電力レベルの二段階以上の電力レベルを有し、その後フィードバック制御に移行することを特徴とする定着装置。
  2. 定着装置の蓄熱具合から前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記温度検知手段を第一の温度検知手段としたとき該第一の温度検知手段の他に、第二の温度検知手段を有し、前記第二の温度検知手段の温度検知を行う場所は前記第一の温度検知手段より前記加熱体に近い場所であり、画像形成動作開始時の定着装置の立ち上げ前に、前記第二の温度検知手段の検知温度から、前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着装置の印字枚数により前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする、請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記第一、第二の温度検知手段の他に、第三の温度検知手段を有し、前記第三の温度検知手段の温度検知を行う場所は加熱体と、第一の回転体を除く定着装置構成部の何れかであり、前記第三の温度検知手段の検知温度から、前記第二電力レベル以降の電力レベルの値を決定することを特徴とする、請求項3または4に記載の定着装置。
  6. 前記第一の回転体の熱容量が1.0×10−2cal/cm・℃以上1.0cal/cm・℃以下であることを特徴とする、請求項1ないし5の何れかに記載の定着装置。
  7. 前記第一の回転体の熱容量が2.1×10−2cal/cm・℃以上4.5×10−2cal/cm・℃以下であることを特徴とする、請求項1ないし5の何れかに記載の定着装置。
  8. 前記第一の回転体として、ベルト状部材に弾性層を設けてなる、定着ベルトを用いたことを特徴とする、請求項1ないし7の何れかに記載の定着装置。
  9. 前記定着ベルト基材が耐熱性樹脂よりなる事を特徴とする、請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記定着ベルト基材が金属よりなることを特徴とする、請求項8に記載の定着装置。
  11. 前記定着ベルトの最表層に離型性層を設けることを特徴とする、請求項8ないし10の何れかに記載の定着装置。
  12. 前記加熱体として線状発熱体を用いることを特徴とする、請求項1ないし11の何れかに記載の定着装置。
  13. 前記加熱体としてセラミック基板上に抵抗発熱体を形成してなるセラミックヒータを用いることを特徴とする、請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記加熱体を保持する加熱体保持部材に樹脂材料を用いたことを特徴とする、請求項1ないし13の何れかに記載の定着装置。
  15. 前記加熱体保持部材が液晶ポリマーよりなることを特徴とする、請求項14に記載の定着装置。
  16. 請求項1ないし15の何れかに記載の定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
  17. 前記画像形成装置は、複数色のトナー像を重ねることにより、カラー画像を形成する、カラー画像形成装置であることを特徴とする、請求項16に記載の画像形成装置。
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