JP2003131510A - ローラ及びこれを用いた加熱定着装置 - Google Patents

ローラ及びこれを用いた加熱定着装置

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JP2003131510A JP2001327938A JP2001327938A JP2003131510A JP 2003131510 A JP2003131510 A JP 2003131510A JP 2001327938 A JP2001327938 A JP 2001327938A JP 2001327938 A JP2001327938 A JP 2001327938A JP 2003131510 A JP2003131510 A JP 2003131510A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中間層と表層の接着強度が高く、表層の穴、
荒れ、ヒビ、汚染等を防止し、均一で平滑な表層を持
ち、耐久性に優れた(耐久でもトナーが付着しない)ロ
ーラを提供すること。 【構成】 少なくとも芯金と弾性層と中間層と表層から
成るローラを、前記中間層と表層をフッ素樹脂を含む塗
料をコートすることによって作製し、前記中間層に無機
フィラーを分散して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを用いる画像形
成装置の加熱定着装置とこれに用いられるローラに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の加熱定着方式の一例として、熱ロ
ーラ定着装置101を図15に示す。定着装置101
は、内部に加熱源としてハロゲンランプ103を内包し
矢印X方向に不図示の駆動手段により駆動される加熱ロ
ーラ104に、加圧ローラ102が不図示のバネ等によ
り圧接され、加圧ローラ102は矢印Y方向に加熱ロー
ラ104に従動又は駆動回転される。加熱ローラ104
の温度制御は、加熱ローラ104外周面に設けられた温
度検知素子(サーミスタ)105の情報に基づいて加熱
源であるハロゲンランプ103を不図示の制御手段によ
りON/OFFして加熱ローラ104を所定温度に制御
する。未定着現像剤(以下、 トナーとする)Tを担持し
た転写材Pは、定着ニップ部Nに挿入され、加熱・加圧
されてトナーTは転写材P上に永久定着される。
【0003】又、他の加熱定着方式の一例として、フィ
ルム定着装置201を図16に示す。定着装置201に
おいて、204はエンドレスの耐熱性フィルムであり、
加熱源である加熱体(ヒーター)203を含むフィルム
204のガイド部材である加熱体支持体206に外嵌さ
せてある。このフィルム204は加熱体支持体206に
対して周長が余裕を持ってルーズに外嵌している。
【0004】加熱体203は、アルミナ等のセラミック
基板上に、発熱抵抗体として、電気抵抗材料をスクリー
ン印刷等により塗工・焼成し、その上に保護層としてガ
ラスコートしてある。102は加熱体203との間でフ
ィルム204を挟んで定着ニップ部Nを形成し、フィル
ム204を駆動する回転体としての加圧ローラであり、
端部より不図示の駆動手段により駆動する。
【0005】加熱体203の温度制御は、記録材Pの通
紙域に設けられた温度検知素子(サーミスタ)205の
情報に基づいて加熱体203の発熱抵抗体8への通電電
力を不図示の制御手段により制御することで行ってい
る。未定着トナーTを担持した転写材Pは、定着ニップ
部Nに挿入され、加熱・加圧されてトナーTは転写材P
上に永久定着される。
【0006】熱ローラ定着装置は、加熱ローラの熱容量
が大きいため、電源を投入してから加熱ローラが所定の
温度に立ち上がるまでに可成りの待ち時間(ウェイトタ
イム)を要する。温度立ち上げ後も、画像形成装置から
いつでもすぐに画像出力ができるように、装置待機中も
加熱ローラの加熱源(ハロゲンランプ等)に通電して、
加熱ローラ温度を常時高温に維持する制御が必要なた
め、消費エネルギーが大きい等の問題があった。それに
対し、フィルム定着装置は、熱ローラ定着装置とは異な
り、加熱源として昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜の
フィルムを用いるため、短時間に加熱体の温度が上昇す
るため、ウェイトタイムの短縮化(クイックスタート、
オンデマンド)や画像形成装置の待機中に加熱源である
加熱体に通電して加熱を行う必要がないことから省電力
化が可能となる等の利点を有する。
【0007】上述のように、画像形成装置に従来から用
いられている加熱定着装置は、転写材上の未定着トナー
に加圧しながら熱を付与することによって定着を行う
が、この際、半溶融又は溶融トナーのオフセット現象を
防止しながら、且つ、転写材を排紙部へと安定して搬送
する必要があるため、加熱部材及び加圧部材は、高温・
高圧という厳しい条件下での搬送性・離型性・耐摩耗性
・定着性及び耐久性において高い性能が要求される。
【0008】一般に、トナーを加熱し、紙に定着させる
加熱定着装置の加熱ローラ又は加圧ローラとして、芯金
上にシリコーンゴム等の弾性層を設け、更にその表層に
フッ素樹脂層を設けたものが知られている。
【0009】このフッ素樹脂は、トナーに対する離型性
がシリコーンゴム等に比べて高く、加熱ローラ又は加圧
ローラのトナー汚れに対して非常に効果的なものであ
る。
【0010】しかしながら、その高い離型性故にフッ素
樹脂が弾性層のゴムから剥がれ易く、如何に両者の接着
強度を上げるかが悩みの種であった。
【0011】この問題に対し、従来、以下の方法が提案
され、例えば以下の方法によって作成される。
【0012】1)弾性層のゴム表面を化学的又は物理的
に荒らし、その上にフッ素樹脂を塗布して焼成溶融さ
せ、フッ素樹脂と弾性層とのアンカー効果で強固に接着
させる。
【0013】2)中間層としてフッ素樹脂粒子を分散さ
せた未加硫ゴム(ラテックス)を弾性層のゴム上に塗
布、加硫焼成し、その上に表層のフッ素樹脂を塗布して
焼成溶融させる。中間層としてのフッ素樹脂分散ゴム層
は、弾性層のゴムとは加硫によりゴム同士が接着し、表
層のフッ素樹脂とは内部に分散されたフッ素樹脂と表層
が溶け合うことで強固な接着力が得られる。表層は中間
層を焼成後に塗布、再焼成しても良く、中間層を焼成し
ないまま塗布、焼成しても良い。<中間層:フッ素樹脂
を含有させたゴム(ラテックス)> 3)特開平10−272745号公報に示されるような
フッ素樹脂の側鎖に官能基等を付与し、化学的な反応性
を強めた変成フッ素樹脂を弾性層のゴム上に塗布、焼成
する。その上に通常の化学反応性の低いフッ素樹脂を塗
布、焼成溶融させる。中間層である変成フッ素樹脂と、
下地のゴムは化学的に結合することで接着され、表層の
通常のフッ素樹脂は、変成フッ素樹脂と相溶性が非常に
良いために溶融時に界面を消失し、強固に接着する。表
層は、中間層を焼成後に塗布、再焼成しても良く、中間
層を焼成しないまま塗布、焼成しても良い。<中間層:
変成フッ素樹脂> 4)押し出し成形等で作製したフッ素樹脂チューブの内
面をナトリウムエッチング(液体アンモニアに金属ナト
リウムを溶かした溶液で処理)等で表面処理し、その表
面を化学的に活性化して弾性層のゴム上に未加硫ゴムを
塗布後、前記フッ素樹脂チューブを被せて加熱処理を行
い、フッ素樹脂チューブと弾性層のゴムを接着させる。
【0014】前記1)のアンカー効果を用いたローラ
は、粗面化処理に手間が掛かり、又、接着強度は初期に
は得られても、繰り返し温度変化を与えたり、高温で使
用したりしたときにアンカー効果の減衰を起こす。
【0015】前記4)の押し出し成形チューブを用いた
ローラは、処理液が環境汚染を引き起こす可能性がある
とともに、その取り扱いが危険を伴うこと、チューブ成
形時に表面に傷、へこみ等ができ、これにより離型性が
低下するという問題がある。
【0016】前記2),3)の塗装ローラは低コスト
で、表面が平滑で欠陥が少なく、高い離型性を得られ
る。
【0017】ここで、上記2)で挙げた構成例について
詳細に説明する。
【0018】前記加圧部材としての加圧ローラ102
と、加熱部材としての加熱ローラ104は、図13及び
図14に示すように、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼
等の芯金11上、又は加熱源を内包できような中空芯金
21上に耐熱ゴム弾性層12aと、表層12cの離型層
と前記弾性層12aと表層との間に接着強度を増すため
の中間層12bを設ける3層構成となっている。
【0019】弾性層のゴム上に中間層を塗布し、この中
間層であるフッ素樹脂を分散させたラテックスを焼成す
ることにより、通常はフッ素樹脂が表面にブリードして
きて下面側にゴム層、上面に樹脂層が形成される。この
状態から更に離型層である表層のフッ素樹脂層を塗布し
た後に再焼成することによって、弾性層のゴムと表層の
フッ素樹脂の密着強度が増し、更に表層であるフッ素樹
脂層の表面均一性も向上する。
【0020】前記耐熱ゴム弾性層12aに使用されるゴ
ム材料としては耐熱性の高いエチレン・プロピレンゴ
ム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等と、それらの発泡体
(スポンジ)形状のゴムが一般的である。本例ではソリ
ッドゴムを用いた。又、表層12cとしてはフッ素樹脂
を用いるのが一般的であり、これはフッ素樹脂が耐熱性
及びトナーとの離型性の良い材料であるからである。
【0021】こうしたフッ素樹脂としては、加熱定着装
置として必要な連続使用可能温度が200℃程度である
ことから、FEP樹脂(4−フッ化エチレン−6フッ化
プロピレン樹脂)、PFA樹脂(4フッ化エチレン樹
脂、4フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン
共重合体)が一般的である。
【0022】その他には、耐熱ゴム弾性層の周面に設け
られるフッ素樹脂を分散させたラテックスを接着剤とし
ての中間層ではなく、離型層として使用する構成が挙げ
られる。これは前述の通り、フッ素樹脂を分散させたラ
テックスを焼成すると、表面にフッ素樹脂がブリードし
てくるため、離型層としてのフッ素樹脂層は、前記3層
構成に比べて薄くなるために耐久性には劣るが、コスト
ダウンが図れるといったメリットがある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ素
樹脂の溶融温度は、弾性層のゴム、例えばシリコーンゴ
ムの耐熱温度より高く、上記1)〜3)の塗装ローラで
は、フッ素樹脂焼成によるシリコーンゴムの劣化を防止
するためにゴム材料選択の幅が狭まる。場合によっては
コストが上がってしまう。又、表層である離型層の焼成
時に前記耐熱ゴム弾性層より発生する熱分解ガスにより
表層に穴があいたり、汚染により離型性が低下したりす
る。
【0024】更に、中間層や表層のフッ素樹脂塗料は非
常に微妙なものであり、ちょっとした塗布、乾燥、焼成
条件等の変化により表面が荒れたり(凹凸)、ヒビ(ク
ラック)が入ったりすることがある。特に、中間層や表
層の厚みを薄くする場合には、中間層や表層の焼成時に
弾性層のゴムが膨張するためにヒビが入り易くなる。こ
れをより安定させるために成膜剤を塗料中に入れること
もできるが、この場合、焼成後の表面の荒れやヒビはな
くなるが、フッ素樹脂以外の物質の存在により離塑性が
低下するという問題がある。
【0025】ローラの表層に穴やヒビ、荒れ(凹凸)が
あると、そのローラを用いた加熱定着装置において通紙
耐久が進むと、前記穴やビビ、凹部にトナーが入り込
み、それを核としてローラがトナーで汚れてしまい、加
熱ローラの場合には、転写材上のトナー画像を剥ぎ取っ
てしまい、更に剥ぎ取ったトナーを転写材に再定着させ
てしまうといったオフセット現象により、転写材をトナ
ーで汚してしまう。
【0026】又、加圧ローラの場合にはオフセット現象
は発生しにくいが、耐久により加圧ローラに付着・堆積
したトナーが或る機会に加圧ローラから剥ぎ取られ、転
写材にトナー塊が付着し、 転写材をトナーで汚してしま
う。更に、ローラのトナー汚れが進行するとローラの離
型性が低下し、ローラ上のトナーに転写材が巻き付いて
転写材を搬送できないといった様々な問題が発生する。
【0027】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、中間層と表層の接着強度が高
く、表層の穴、荒れ、ヒビ、汚染等を防止し、均一で平
滑な表層を持ち、耐久性に優れた(耐久でもトナーが付
着しない)ローラとこれを用いた加熱定着装置を提供す
ることにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、少なくとも芯金と弾性層と中間層と表層
から成るローラを、前記中間層と表層をフッ素樹脂を含
む塗料をコートすることによって作製し、前記中間層に
無機フィラーを分散して構成したことを特徴とする。
【0029】又、本発明は、定着部にて未定着画像を担
持した転写材を挟持搬送し、加熱源を内包する一対の回
転体を圧接するように配設され、未定着画像を転写材に
永久定着させる加熱定着装置において、前記一対の回転
体のうち少なくとも一方の回転体として前記ローラを具
備することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0031】<実施の形態1>図1〜図3に基づいて本
発明の実施の形態1について説明する。
【0032】本実施の形態は、少なくとも芯金と弾性層
と中間層及び表層から成るローラであって、 前記中間層
と表層はフッ素樹脂を含む塗料をコートすることによっ
て作製され、前記中間層に無機フィラーを含有させたこ
とを特徴とする。
【0033】従来の中間層に無機フィラーを含有しない
ローラにおいては、図3に示すように、弾性層12aで
発生した熱分解ガス24が中間層12bと表層12cを
通り抜け、表層12cに穴が多数発生してしまってい
た。
【0034】本実施の形態においては、図1の加圧ロー
ラ102で示すように、無機フィラーを0.1〜30w
t%(塗料中の樹脂分に対する重量比)分散した中間層
12bにより、表層12cのフッ素樹脂焼成時において
も、図2に示すように、弾性層12aのゴムから発生す
る熱分解ガス24を中間層12b中の前記無機フィラー
23によりブロックするために、中間層12bを通過し
て表層12cに達する熱分解ガスの量を減少させること
が可能であり、表層12cの穴を激減させることができ
る。又、中間層12bや表層12cのビビ(クラック)
に対しても、前記無機フィラーによりヒビの経路がブロ
ックされるためにビビが入りにくく、平滑な表層のフッ
素樹脂コートが得られる。
【0035】無機フィラーとしては、フレーク状、球
状、不定形の各種金属(アルミニウム等)、金属酸化物
(酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク等)、セラミックス(アルミナ(Al23 )、窒化
硼素(BN)等)、ガラス(ガラスビーズ等)、グラフ
ァイト、 マイカ(雲母)等の各種フィラーを用いても良
い。
【0036】本実施の形態では、中間層にフッ素樹脂粒
子を分散させたゴム(ラテックス)を用い、平均粒径:
1μmの球状シリカを5wt%中間層に分散した。
【0037】本実施の形態では、弾性層にシリコーンゴ
ムを用いた。弾性層のゴム表面は中間層との接着性改善
のため、シランカップリング剤或は既知の方法により化
学的活性化処理を行うと良い。
【0038】中間層塗料はスプレー法等の既知の方法で
弾性層上に塗布する。塗料は水性分散液、有機溶媒分散
液の形態を採る。木実施の形態では、水性分散液を用い
た。
【0039】又、中間層塗料としてフッ素樹脂粒子を分
散させたゴム(ラテックス)は、例えばフッ素ゴム(フ
ッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン−テトラフル
オロエチレン3元共重合体)のラテックス液にPFA、
FEP等の既知のフッ素樹脂分散液を混合した塗料を用
いる。本実施の形態では、FEP樹脂分散液を用いた。
【0040】表層としてはPFA、FEP等の各種フッ
素樹脂を用いる。本実施の形態ではFEP樹脂を用い
た。表層の塗料はスプレー法等の既知の方法で中間層上
に塗布する。塗料は、水性分散液、有機溶媒分散液の形
態を採る。本実施の形態では水性分散液を用いた。例え
ば水性分散液においては、平均粒子径0.01〜1.0
μmのフッ素樹脂の微粒子が水中に分散された形態の組
成物であるのが好ましい。一般にその中に分散安定化の
ために界面活性剤が配合されていても良い。又、水性分
散液に粘度調整剤、レベリング剤等の添加物を入れるこ
ともできる。水性分散液のフッ素樹脂濃度は、通常5〜
70%の範囲内で選ばれる。
【0041】下記は加圧ローラ(芯金、弾性層、中間
層、表層)102の構成例である。
【0042】<芯金> アルミニウム:φ12mm <弾性層> シリコーンゴム(LTV)、ソリッド、JIS硬度18
°、ゴム厚み:4mm、ローラ外径:φ20mm <中間層> FEP樹脂を含有させたフッ素ゴムラテツクス、平均F
EP樹脂粒径は0.1μm、中間層厚みは5μm。
【0043】<中間層分散フィラー> 球状シリカ(平均粒径:1μm<5wt%) <表層> FEPディスパージョン(ND1)、平均FEP樹脂粒
径:0.2μm、表層厚みは8μm。
【0044】図1において、11は金属製のφ12mm
の芯金部材であり、円柱状に形成されている。本実施の
形態においては、芯金上に弾性層12a、中間層12
b、表層である離型層12cの3層から成るゴム及び樹
脂層を設ける。
【0045】先ず、芯金部材11の上には外径φ20m
m(肉厚4mm)のシリコーンゴム層12aを形成す
る。弾性層であるシリコーンゴム層12aは以下の材料
及び方法により形成する。
【0046】先ず、材料は、ビニル基含有ジオルガノポ
リシロキサン100重量部、乾式微粉末シリカ5重量
部、石英粉20重量部、ベンガラ1重量部及び白金系触
媒から成る粘度900ポアズの付加反応型液状シリコー
ンゴム組成物であるA液と、ビニル基含有ジオルガノポ
リシロキサン及び活性水素含有ジオルガノポリシロキサ
ンの混合物100重量部、乾式微粉末シリカ5重量部、
石英粉20重量部、ベンガラ1重量部から成る粘度60
0ポアズの付加反応型液状シリコーンゴム組成物である
B液を重量比100対100で混合したものを用いる。
【0047】その後、芯金部材11を設置して130℃
に予備加熱しておいた円筒状金型内に、前記未加硫のシ
リコーンゴム組成物を射出成形し、前記温度にて10分
間保持して硬化させる。
【0048】次に、弾性層であるシリコーンゴム層12
aの外周面に中間層としてシリカを5wt%分散してF
EP樹脂を含有させたフッ素ゴムラテックスをスプレー
ガンにて均一に塗布し、前記ラテックス層22bの厚さ
を5μmにて形成する。
【0049】ここで、中間層塗料に無機フィラーを分散
すると、中間層塗料液内でフィラーの沈降が発生する場
合があるが、中間層塗料液の粘度を上げて無機フィラー
の粒子(材質、粒径)に応じて粘度を適正化し、或は中
間層塗料液を撹拌しながらローラに塗布することによ
り、フィラーの沈降を抑えてフィラーが均一に分散した
中間層を塗布することができる。
【0050】その後、200℃に加熱された炉で30分
間焼成することによって、前記ラテックス層22bの上
層側にFEP樹脂がブリードし、1〜3μmのFEP樹
脂層を形成する。そのとき、ラテックス層22bの下層
側にはフッ素ゴム層が形成されており、シリコーンゴム
12aと強固に接着される。
【0051】中間層22bが形成された後に、FEP樹
脂ディスパージョンを同じくスプレーガンにて8μmの
厚さに均一に塗布する。その後、320℃に加熱された
炉で60分焼成することによってFEP樹脂層が形成さ
れ、離型層12cとなる。そのとき、中間層のラテック
ス層22bの上層側にブリードしたFEP樹脂と、表層
のFEP樹脂とが溶融して強固に接着される。
【0052】<結果>上記で作製した中間層無機フィラ
ー有り加圧ローラと、比較例として上記と同様に作製し
た中間層無機フィラー無し加圧ローラを比較した。
【0053】中開展無機フィラー無しのものは、所々に
ヒビが入っており、且つ、表層に穴が多数あり、凹凸が
残っているが、中間層無機フィラー有りのものは表層に
穴が非常に少なく、且つ、中間層5μm、表層8μmと
薄層化してもビビは全く無い平滑な表面性である。
【0054】実際に、画像形成装置の加熱定着装置20
1において、上記2種の加圧ローラを10万枚通紙耐久
したところ、無機フィラー無し加圧ローラは、ローラ上
にトナーが堆積し、転写材にトナーが付着して排出され
たり、加圧ローラに転写材の巻き付きが発生した。
【0055】一方、中間層無機フィラー有り加圧ローラ
は、10万枚通紙耐久においても、ローラ上には殆どト
ナー付着が無く、転写材へのトナー付着もなく、加圧ロ
ーラヘの転写材の巻き付きも発生せず、常に良好な定着
画像を出力することができた。
【0056】又、前記の加圧・加熱された通紙耐久にお
いても、弾性展と表層の接着強度の低下はなく、十分の
接着強度を保持していた。
【0057】本実施の形態では、フッ素樹脂としてFE
P樹脂を用いたが、この他にもフッ素樹脂としてPFA
樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等があり、これらフ
ッ素樹脂を単品又は混合して使用して用いても、それぞ
れの樹脂に適した焼成温度で加熱することによって本実
施の形態と同様の効果が得られる。
【0058】又、本実施の形態では、中間層塗布後、2
00℃に加熱された炉で30分間焼成したが、中間層塗
布後に焼成をしないで表層を塗布し、焼成することによ
っても前記ラテックス層22bの上層側にFEP樹脂が
ブリードし、1〜3μmのFEP樹脂層を形成し、その
とき、ラテックス層12bの下層側にはフッ素ゴム層が
形成されており、シリコーンゴム12aと強固に接着さ
れる。この場合には、焼成工程が省けるためにタクトが
短くなり、コストダウンとなる。
【0059】更に、本実施の形態では、加圧ローラに関
して述べたが、加熱ローラ104の構成に関して適用し
ても効果は同様である。
【0060】<実施の形態2>図1〜図3に基づいて本
発明の実施の形態2について説明する。
【0061】前記実施の形態1では、中間層としてフッ
素樹脂を含有させたフッ素ゴムラテックスを用いた場合
に関して述べたが、本実施の形態では、中間層として官
能基含有含フッ素エチレン性重合体のような化学的活性
を持つ既知の変成フッ素樹脂を用いたローラに関して説
明する。中間層として変成フッ素樹脂を用いた場合にお
いても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0062】本実施の形態は、少なくとも芯金と弾性層
と中間層及び表層から成るローラであって、表層の離型
層をフッ素樹脂、中間層を変成フッ素樹脂にて構成し、
前記中間層に無機フィラーを含有させたことを特徴とす
る。
【0063】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様に、図1の加圧ローラ102で示すように、無機フ
ィラーを0.1〜30wt%分散した中間層22bによ
り、表層12cのフッ素樹脂焼成時においても、図2に
示すように、弾性層12aのゴムから発生する熱分解ガ
ス24を中間層中の前記フィラー23によりブロックす
るために、中間層を通過して表層に達する熱分解ガス量
を減少させることが可能であり、表層の穴を激減させる
ことができる。又、ビビ(クラック)に対しても、前記
無機フィラーによりビビの経路がブロックされるために
ビビが入りにくく、平滑な表層のフッ素樹脂コートが得
られる。
【0064】無機フィラーとしては、フレーク状、球
状、不定形の各種金属(アルミニウム等)、金属酸化物
(酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク等)、セラミックス(アルミナ(Al23 )、窒化
硼(BN)等)、ガラス(ガラスビーズ等)、グラファ
イト、マイカ(雲母)等の各種フィラーを用いても良
い。
【0065】本実施の形態では、中間層に変成フッ素樹
脂を用い、平均粒径:1μmの球状シリカを5wt%中
間層に分散した。
【0066】本実施の形態では、中間層以外の芯金、弾
性層、表層は実施の形態1と同様のものを用いた。
【0067】中間層としての官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体のような化学的活性を持つ既知の変成フッ素
樹脂塗料は、例えば水溶性分散液においては、平均粒子
径0.01〜1.0μmの前記重合体の微粒子が水中に
分散された形態の組成物であるのが好ましい。一般にそ
の中に分散安定化のために界面活性剤が配合されていて
も良い。又、水性分散液に粘度調整剤、レベリング剤等
の添加物を入れることもできる。水性分散液の重合体濃
度は通常5〜70%の範囲内で選ばれる。
【0068】次に、官能基含有フッ素エチレン性共重合
体について説明する。
【0069】官能基含有フッ素エチレン性共重合体の官
能基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基及びエポキシ基から選ばれる
少なくとも1種であるが、耐熱性の面でヒドロキシル基
を有するものが最も望ましい。
【0070】この官能基含有含フッ素エチレン性重合体
を構成する成分の1つである前記官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体(a)としては(a−1)式(1): CX2 =CX1 −Rf −Y (1) (式中、Yは−CH2 OH、−COOH、カルボン酸
塩、カルボキシエステル基又はエボキシ基、X及びX1
は同じか又は異なり、水素原子又ははフッ素原子、Rf
は炭素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基、炭素
数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、炭素数1〜
40のエーテル基を含む含フッ素アルキレン基又は炭素
数1〜40のエーテル結合を含む含フッ素オキシアルキ
レン基を表す)で示される官能基含有含フッ素エチレン
性単量体であるのが好ましい。
【0071】又、官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)の具体例としては、式(3): CF2 =CF−Rf 3−Y (3) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 3は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基又はORf 4(Rf 4は炭
素数1〜40の2価の含フッ素アルキレン基又は炭素数
1〜40のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレ
ン基)を表わす]、式(4): CF2 =CFCF2 −ORf 5−Y (4) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 5は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基又は炭素数1〜39の
エーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレン基を表わ
す]、式(5): CH2 =CFCF2 −Rf 6−Y (5) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 6は炭素数1〜3
9の2価の含フッ素アルキレン基又はORf 7(Rf 7は炭
素数1〜39の2価の含フッ素アルキレン基又は炭素数
1〜39のエーテル結合を含む2価の含フッ素アルキレ
ン基)を表わす]又は式(6): CH2 =CH−Rf 8−Y (6) [式中、Yは式(1)のYと同じ、Rf 8は炭素数1〜4
0の2価の含フッ素アルキレン基]で示されるもの等が
挙げられる。
【0072】式(3)〜式(6)の官能基含有含フッ素
エチレン性単量体が、官能基を有さない含フッ素エチレ
ン性単量体(b)との共重合性が比較的良好な点で、
又、共重合して得られた重合体の耐熱性を著しく低下さ
せない理由で好ましい。
【0073】これらの中でも、官能基を有さない含フッ
素エチレン性単量体(b)との共重合性や、得られた重
合体の耐熱性の面より式(3)、式(5)の化合物が好
ましく、特に式(5)の化合物が好ましい。
【0074】式(3)で示される官能基含有含フッ素エ
チレン性単量体として、更に詳しくは、
【0075】
【化1】 等が例示される。
【0076】式(4)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0077】
【化2】 等が例示される。
【0078】式(5)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0079】
【化3】 等が例示される。
【0080】式(6)で示される官能基含有含フッ素単
量体としては、
【0081】
【化4】 等が例示される。
【0082】その他、
【0083】
【化5】 等も挙げられる。
【0084】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と共重合する官能基を含有しない含フッ素エチレ
ン性単量体(b)は公知の単量体より適宜選択すること
ができ、優れた防汚性に加えて耐候性、非粘着性、耐熱
性、耐薬品性、低摩擦性を重合体に与える。
【0085】具体的な含フッ素エチレン性単量体(b)
としては、テトラフルオロエチレン、式(2):CF2
=CF−Rf 1[Rf 1はCF3 又はORf 2(Rf 2は炭素数
1〜5のパーフルオロアルキル基)を表わす]、クロロ
トリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、フッ
化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、
【0086】
【化6】CH2 =CF−(CF2n −X2 、CH2
CF−(CF2n −X2 (式中、X2 は水素原子、塩素原子又はフッ素原子から
選ばれる。nは1〜5の整数)等が挙げられる。
【0087】又、官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)と前記官能基を有さない含フッ素エチレン性単量
体(b)に加えて、防汚性や耐熱性、非粘着性を低下さ
せない範囲でフッ素原子を有さないエチレン性単量体を
共重合しても良い。この場合、フッ素原子を有さないエ
チレン性単量体は、耐熱性を低下させないためにも炭素
数5以下のエチレン性単量体から選ぶことが好ましく、
具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン等が挙げられる。
【0088】本発明において用いられる官能基含有含フ
ッ素エチレン性重合体中の官能基含有含フッ素エチレン
性単量体(a)の含有率は、重合体中の単量体の全量の
0.05〜30モル%である。官能基含有含フッ素エチ
レン性単量体(a)の含有率は、好ましくは0.05〜
20モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%であ
る。
【0089】官能基含有含フッ素エチレン性単量体
(a)の含有率が0.05%未満であると、基材の表面
との接着性が充分得られにくく、温度変化等により剥離
等を起こし易い。又、30モル%を超えると耐熱性を低
下させ、高温での焼成時又は高温での使用時に接着不良
や着色、発泡、ピンホール等が発生し、被覆層の剥離や
熱分解生成物の溶出等を起こし易い。
【0090】本発明で用いる官能基含有含フッ素エチレ
ン性重合体の好ましいものを次に挙げる。
【0091】(I)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)0.05〜30モル%とテトラフルオロエチレ
ン70〜99.95モル%との重合体(I)(反応性P
TFE)。
【0092】(II)官能基含有含フッ素エチレン性単量
体(a)を単量体の全量に対して0.05〜30モル%
含み、更に該単量体(a)を除く単量体の全量に対し
て、テトラフルオロエチレン85〜99.7モル%と前
記式(2): CF2 =CF−Rf 1 (2) [Rf 1はCF3 、ORf 2(Rf 2は炭素数1〜5のパール
オロアルキル基)から選ばれる]で示される単量体0.
3〜15モル%との重合体(II)。例えば官能基を有す
るテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビ
ニルエーテル)共重合体(反応性PFA)又は官能基を
有するテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン重合体(反応性FEP)。
【0093】前記官能基含有含フッ素重合体は前述の官
能基含有含フッ素エチレン性単量体(a)と、官能基を
有さない含フッ素エチレン性単量体(b)とを周知の重
合方法で共重合することによって得ることができる。そ
の中でも主としてラジカル共重合による方法が用いられ
る。即ち、重合を開始するには、ラジカル的に進行する
ものであれば手段は何ら制限されないが、例えば有機、
無機ラジカル重合開始剤、熱、光或は電離放射線等によ
って開始される。
【0094】重合の種類も溶液重合、バルク重合、懸濁
重合、乳化重合等を用いることができる。又、分子量
は、重合に用いるモノマーの濃度、重合開始剤の濃度、
連鎖移動剤の濃度、温度によって制御される。生成する
共重合体の組成は、仕込みモノマーの組成によって制御
可能である。
【0095】本実施の形態では、反応性FEPを用い
た。
【0096】下記はローラ(芯金、弾性層、中間層、表
層)の構成例である。
【0097】<芯金> アルミニウム:φ12mm <弾性層> シリコーンゴム(LTV)、ソリッド、JIS硬度18
°、ゴム厚み:4mm、ローラ外径:φ20mm <中間層>ヒドロキシル基を含むテトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン重合体(反応性FEP)
を塗料化したもの。溶媒は、水:ディスパージョン。平
均フッ素樹脂粒径は0.1μm、中間層厚みは5μm。
【0098】<中間層分散フィラー> 球状シリカ(平均粒径:1μm、5wt%) <表層> FEPディスパージョン(ND1)、平均フッ素樹脂粒
径:0.2μm、表層厚みは8μm。
【0099】図1において、11は金属製のφ12mm
の芯金部材であり、円柱状に形成されている。本実施の
形態においては、芯金11上に弾性層12a、中間層1
2b、離型層12cの3層から成るゴム及び樹脂層12
を設ける。
【0100】先ず、該芯金部材11の上にはφ20mm
(肉厚6mm)のシリコーンゴム層12aを形成する。
弾性層であるシリコーンゴム層12aは以下の材料及び
方法より形成する。
【0101】先ず、材料は、ビニル基含有ジオルガノポ
リシロキサン100重量部、乾式微粉末シリカ5重量
部、石英粉20重量部、ベンガラ1重量部及び白金系触
媒から成る粘度900ポアズの付加反応型液状シリコー
ンゴム組成物であるA液と、ビニル基含有ジオルガノポ
リシロキサン及び活性水素含有ジオルガノポリシロキサ
ンの混合物100重量部、乾式微粉末シリカ5重量部、
石英粉20重量部、ベンガラ1重量部から成る粘度60
0ポアズの付加反応型液状シリコーンゴム組成物である
B液を重量比100対100で混合したものを用いる。
【0102】その後、芯金部材11を設置して130℃
に予備加熱しておいた円筒状金型内に、前記未加硫のシ
リコーンゴム組成物を射出成形し、前記温度にて10分
間保持して硬化させる。
【0103】次に、弾性層であるシリコーンゴム層12
aの外周面に、中間層としてシリカを5wt%分散した
上記の変成フッ素樹脂塗料をスプレーガンにて均一に塗
布し、中間層12bの厚さを5μmにて形成する。
【0104】ここで、中間層塗料に無機フィラーを分散
すると、中間層塗料液内でフィラーの沈降が発生する場
合があるが、中間層塗料液の粘度を上げてフィラーの粒
子(材質、粒径)に応じて粘度を適正化し、或は中間層
塗料液を撹拌しながら塗布することにより、フィラーの
沈降を抑えてフィラーが均一に分散した中間層を塗布す
ることができる。
【0105】その後、300℃に加熱された炉で30分
間焼成することによって、中間層22bの変成フッ素樹
脂と弾性層12aのシリコーンゴムは化学的に結合する
ことによって中間層12bと弾性層12aが強固に接着
される。
【0106】中間層12bが形成された後に、FEP樹
脂ディスパージョンを同じくスプレーガンにて8μmの
厚さに均一に塗布する。その後、320℃に加熱された
炉で60分焼成することによってFEP樹脂展が形成さ
れ離型層12cとなる。そのとき、中間層の変成フッ素
樹脂層22bと表層12cのフッ素樹脂は溶融時に界面
が消失し、中間層の変成フッ素樹脂と表層のFEP樹脂
とが強固に接着される。
【0107】<結果>上記で作製した中間層無機フィラ
ー有り加圧ローラと、比較例として上記と同様に作製し
た中間層無機フィラー無し加圧ローラを比較した。
【0108】中間層無機フィラー無しのものは所々にビ
ビが入っており、且つ、表層に穴が多数あって凹凸が残
っているが、中間層無機フィラー有りのものは表層に穴
が非常に少なく、且つ、中間層5μm、表層8μmと薄
層化してもビビは全く無い平滑な表面性である。
【0109】実際に、画像形成装置の加熱定着装置20
1において、上記2種の加圧ローラを10万枚通紙耐久
したところ、無機フィラー無し加圧ローラは、ローラ上
にトナーが堆積し、転写材にトナーが付着して排出され
たり、加圧ローラに転写材の巻き付きが発生した。
【0110】一方、中間層無機フィラー有り加圧ローラ
は、10万枚通紙耐久においても、ローラ上には殆どト
ナー付着がなく、転写材へのトナー付着もなく、加圧ロ
ーラヘの転写材の巻き付きも発生せず、常に良好な定着
画像を出力することができた。
【0111】又、前記の加圧・加熱された通紙耐久にお
いても弾性層と表層の接着強度の低下はなく、十分な接
着強度を保持していた。
【0112】本実施の形態では、表層のフッ素樹脂とし
てFEP樹脂を用いたが、この他にもフッ素樹脂として
PFA樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等があり、こ
れらフッ素樹脂を単品又は混合して使用して用いても、
それぞれの樹脂に適した焼成温度で加熱することによっ
て本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0113】又、本実施の形態では、中間層の変成フッ
素樹脂として反応性FEP樹脂を用いたが、 表層のフッ
素樹脂の種類に応じて、反応性PFA樹脂等を選択して
も本実施の形態と同様の効果が得られる。
【0114】又、本実施の形態では、中開展塗布後、3
00℃に加熱された炉で30分間焼成したが、中間層塗
布後に焼成しないで表層を塗布し、焼成することによっ
ても、中間層12bの変成フッ素樹脂と弾性層12aの
シリコーンゴムは化学的に結合することによって中間層
12bと弾性層12aが強因に接着され、又、中間層1
2bの変成フッ素樹脂と表層12cのフッ素樹脂は溶融
時に界面が消失し、中間層の変成フッ素樹脂と表層のF
EP樹脂とが強固に接着される。この場合には、焼成工
程が省けるためにタクトが短くなり、コストダウンとな
る。
【0115】更に、本実施の形態では、加圧ローラに関
して述べたが、加熱ローラ104の構成に関して適用し
ても効果は同様である。
【0116】<実施の形態3>図4〜図6に基づいて本
発明の実施の形態3について説明する。
【0117】実施の形態1では、中間層に無機フィラー
を分散した構成について述べたが、本実施の形態では、
中間層に無機扁平状フィラーを分散した構成に関して説
明する。
【0118】本実施例の形態は、少なくとも芯金と弾性
層と中間層及び表層から成るローラであって、前記中間
層と表層はフッ素樹脂を含む塗料をコートすることで作
製され、前記中間層に無機扁平伏フィラーを含有させた
ことを特徴とする。
【0119】本実施の形態においては、図4の加圧ロー
ラ102で示すように、無機扁平状フィラー25を中間
層32bに0.1〜30wt%分散することにより、表
層12cのフッ素樹脂焼成時においても、図5に示すよ
うに、弾性層12aのゴムから発生する熱分解ガス24
を中間層中の前記無機扁平状フィラー25によりブロッ
クするために、中間層を通過して表層に達する熱分解ガ
スのほぼ全量を無くすことが可能であり、表層に穴があ
くこともない。
【0120】フィラーが扁平伏のため、熱分解ガス穴に
蓋をするように働き、熱分解ガスがフィラーを擦り抜け
る確率が低くなり、表層に達する熱分解ガスを効率良く
遮断できる。又、ヒビ(クラック)に対しても、前記無
機扁平伏フィラーにより、前記ガスと同様に、ヒビがフ
ィラーを擦り抜ける確率が低くなり、ビビの経路がブロ
ックされるためにヒビが入りにくく、平滑な表層のフッ
素樹脂コートが得られる。
【0121】更に、実施の形態1では、不定形又は球状
フィラーを用いたが、本実施の形態では扁平状フィラー
を用いることにより、中間層に分散させるフィラー量が
少量でも、弾性層から発生する熱分解ガスをより効果的
に遮断できる利点を持ち、低コスト化できる。
【0122】無機扁平状フィラーとしては、扁平状の各
種金属(アルミニウム等)、金属酸化物(酸化ケイ素
(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク等)、セラ
ミックス(アルミナ(Al23 )、窒化硼素(BN)
等)、ガラス(ガラスビーズ等)、グラファイト、マイ
カ(雲母)等の各種フィラーを用いても良い。
【0123】本実施の形態では、中間層にフッ素樹脂粒
子を分散させたゴム(ラテックス)を用い、平均厚み:
0.5μm/平均長径:3μmのチタン系扁平状フィラ
ーを3wt%中間層に分散した。
【0124】下記はローラ(芯金、弾性層、中間層、表
層)の構成例である。
【0125】<芯金> アルミニウム:φ12mm <弾性層> シリコーンゴム(LTV)、ソリッド、JIS硬度18
°、ゴム厚み:4mm、ローラ外径:φ20mm <中間層> FEP樹脂を含有させたフッ素ゴムラテックス、平均F
EP樹脂粒径は0.14m、中間層厚みは5μm。
【0126】<中間層分散フィラー> チタン系扁平状フィラー(平均厚み:0.5μm、平均
長径:3μm、3wt%) <表層> FEPディスパージョン(ND1)、平均FEP樹脂粒
径:0.2μm、表層厚みは8μm。
【0127】図4において、11は金属製のφ12mm
の芯金部材であり、円筒状に形成されている。本実施の
形態においては、芯金上に弾性層12a、中間層32
b、離型層12cの3層から成るゴム及び樹脂層12を
設ける。
【0128】先ず、芯金部材11の上にはφ20mm
(肉厚4mm)のシリコーンゴム層12aを形成する。
弾性層であるシリコーンゴム層12aは以下の材料及び
方法より形成する。
【0129】先ず材料は、ビニル基含有ジオルガノポリ
シロキサン100重量部、乾式微粉末シリカ5重量部、
石英粉20重量部、ベンガラ1重量部及び白金系触媒か
ら成る粘度900ポアズの付加反応型液状シリコーンゴ
ム組成物であるA液と、ビニル基含有ジオルガノポリシ
ロキサン及び活性水素含有ジオルガノポリシロキサンの
混合物100重量部、乾式微粉末シリカ5重量部、石英
粉20重量部、ベンガラ1重量部から成る粘度600ポ
アズの付加反応型液状シリコーンゴム組成物であるB液
を重量比100対100で混合したものを用いる。
【0130】その後、芯金部材11を設置して130℃
に予備加熱しておいた円筒状金型内に、前記未加硫のシ
リコーンゴム組成物を射出成形し、前記温度にて10分
間保持して硬化させる。
【0131】次に、弾性層であるシリコーンゴム層12
aの外周面に中間層としてチタン系扁平状フィラーを3
wt%分散してFEP樹脂を含有させたフッ素ゴムラテ
ックスをスプレーガンにて均一に塗布し、前記ラテック
ス層32bの厚さを5μmにて形成する。
【0132】ここで、中間層に無機扁平状フィラーを分
散すると、中間層塗料液内でフィラーの沈降が発生する
場合があるが、中間層塗料液の粘度を上げて無機扁平状
フィラーの粒子(材質、粒径)に応じて粘度を適正化
し、又は中間層塗料液を撹拌しながら塗布することによ
り、フィラーの沈降を抑えてフィラーが均一に分散した
中間層を塗布することができる。
【0133】その後、200℃に加熱された炉で30分
間焼成することによって、前記ラテックス層32bの上
層側にFEP樹脂がブリードし、1〜3μmのFEP樹
脂層を形成する。そのとき、ラテックス層32bの下層
側にはフッ素ゴム層が形成されており、シリコーンゴム
12aと強固に接着される。
【0134】中間層32bが形成された後に、FEP樹
脂ディスパージョンを同じくスプレーガンにて8μmの
厚さに均一に塗布する。その後、320℃に加熱された
炉で60分焼成することによってFEP樹脂層が形成さ
れて離型層12cとなる。そのとき、中間層のラテック
ス層32bの上層側にブリードしたFEP樹脂と表層の
FEP樹脂とが強固に接着される。
【0135】<結果>上記で作製した中間層無機扁平状
フィラー(チタン系)入り加圧ローラと、比較例として
実施の形態1で作製した中間層無機フィラー(球状シリ
カ)入り加圧ローラを比較した。
【0136】中間層無機フィラー(球状シリカ)入りの
ものは、表層に穴が非常に少なく、且つ、ヒビは全く無
い平滑な表面性である。中間層無機扁平状フィラー(チ
タン系)入りのものは表層に穴は全く無く、且つ、ヒビ
も全く無い平滑な表面性である。
【0137】実際に、画像形成装置の加熱定着装置20
1において、上記2種の加圧ローラを20万枚通紙耐久
したところ、無機フィラー(シリカ)入り加圧ローラ
は、15万枚を過ぎた辺りから数少ない穴に付着したト
ナーが成長し、加圧ローラ上に若干のトナー汚れが見ら
れ、20万枚付近では、転写材に微小なトナー付着が見
られた。
【0138】一方、中間層無機扁平状フィラー(チタン
系)入り加圧ローラは、20万枚通紙耐久においても、
ローラ上には全くトナー付着がなく、綺麗な離型層を維
持したままであり、転写材へのトナー付着もなく、常に
良好な定着画像を出力することができた。尚、両者とも
加圧ローラヘの転写材の巻き付きは発生しなかった。
又、両者とも前記加圧・加熱された通紙耐久においても
弾性層と表層の接着強度の低下はなく、十分の接着強度
を保持していた。
【0139】中間層に、扁平状フィラーを分散すること
によって、より平滑で凹凸の無い表層を形成することが
でき、ローラの耐久性も向上することができた。
【0140】又、本実施の形態では、「フィラーの長径
<中間層厚み」の構成に関して述べたが、図6に示すよ
うに、「フィラーの長径>中間層厚み」の構成の場合に
は、例えば扁平状フィラー25が中間層中において長径
面が中間層32b面と垂直になることがなく、長径面が
中間層32b面と平行になるように配置され、熱分解ガ
スの発生経路をブロックするように配置されるため、フ
ィラー量を更に減量して低コスト化ができ、より効果的
に表層でのガス抜け穴の発生を防止することができる。
【0141】実際に、中間層分散フィラーとして、チタ
ン系扁平状フィラーを平均厚み:0.5μm、平均長
径:8μm、1.5wt%として、フィラー量を上記構
成例の半分とした場合においても、上記構成例と同様
に、表層に穴は全く無く、且つ、ヒビも全く無い平滑な
表面性を得ることができ、20万枚通紙耐久においても
ローラ上には全くトナー付着がなく、綺麗な離型層を維
持したままであり、転写材へのトナー付着もなく、常に
良好な定着画像を出力することができた。
【0142】本実施の形態では、フッ素樹脂としてFE
P樹脂を用いたが、この他にもフッ素樹脂としてPFA
樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等があり、これらフ
ッ素樹脂を単品又は混合して使用して用いても、それぞ
れの樹脂に適した焼成温度で加熱することによって本実
施の形態と同様の効果が得られる。
【0143】又、本実施の形態では、中間層塗布後、2
00℃に加熱された炉で30分間焼成したが、中間層塗
布後に焼成しないで表層を塗布し、焼成することによっ
ても、前記ラテックス層32bの上層側にFEP樹脂が
ブリードし、1〜3μmのFEP樹脂層を形成し、その
とき、ラテックス層32bの下層側にはフッ素ゴム層が
形成されており、シリコーンゴム12aと強固に接着さ
れる。この場合には、焼成工程が省けるため、タクトが
短くなつてコストダウンとなる。
【0144】又、本実施の形態では、加圧ローラに関し
て述べたが、加熱ローラ104の構成に関して適用して
も効果は同様である。
【0145】更に、本実施の形態においても、実施の形
態2の中間層に変成フッ素樹脂を用いた構成と同様に、
中間層に無機扁平状フィラー分散変成フッ素樹脂を適用
した場合でも同様な効果が得られる。
【0146】<実施の形態4>図7及び図8に基づいて
本発明の実施の形態4について説明する。
【0147】本実施の形態においては、前記中間層塗料
中のフッ素樹脂粒子の粒径が中間層に分散する前記無機
フィラー又は無機扁平状フィラーの長径より小さいこと
を特徴とする。
【0148】図7に示すように、「中間層塗料中のフッ
素樹脂粒径<中間層分散フィラー長径」の場合には、中
間層32bとして、無機扁平状フィラー25を分散して
フッ素樹脂40を含有させたフッ素ゴムラテックスを塗
布後、200℃に加熱された炉で30分間焼成すること
によって、フィラー25によってフッ素樹脂40の移動
が妨げられないため、前記中間層であるラテックス層3
2bの上層側にフッ素樹脂40がブリードし、1〜3μ
mのフッ素樹脂層を形成する。そのとき、ラテックス層
32bの下層側にはフッ素ゴム層が形成されており、弾
性層12aのシリコーンゴムと強固に接着される。
【0149】中間層32bが形成された後に、フッ素樹
脂ディスパージョンを同じくスプレーガンにて均一に塗
布する。その後、320℃に加熱された炉で60分焼成
することによってフッ素樹脂層が形成され、表層12c
である離型層となる。そのとき、中間層32bのラテッ
クス層の上層側にブリードしたフッ素樹脂40と表層の
フッ素樹脂とが強固に接着される。
【0150】しかしながら、図8に示すように、「中間
層塗料中のフッ素樹脂粒径>中間層分散フィラー長径」
の場合には、中間層焼成時に、前記中間層であるラテッ
クス層32bの上層側にフッ素樹脂40がブリードする
際、前記フィラー25によってフッ素樹脂40の移動が
妨げられるため、前記中間層であるラテックス層32b
の上層側へのフッ素樹脂40のブリードが阻害されてし
まう。従って、中間層のラテックス層32bの上層側で
のフッ素樹脂40のブリード量が減少し、表層12cの
フッ素樹脂との接着力が低下してしまうこととなる。
【0151】従って、前記中間層塗料中のフッ素樹脂の
粒径が中間層に分散する前記無機フィラー又は無機扁平
状フィラーの長径より小さいことが必要となる。
【0152】例えば実施の形態3において、 中間層の平均FEP樹脂粒径を、実施の形態3と同様
に、チタン系扁平状フィラー(平均厚み:0.5μm、
平均長径:3μm)の長径より小さい0.1μmとした
ローラ 比較例として、中間層の平均FEP樹脂粒径を、実施
の形態3のチタン系扁平状フィラー(平均厚み:0.5
μm、平均長径:3μm)の長径より大きい3.5μm
としたローラ を比較検討したところ、 中間層の平均FEP樹脂粒径:0.1μmとしたロー
ラは、ローラ表面温度:300℃でも中間層と表層の剥
離はなし 中間層の平均FEP樹脂粒径:3.5μmとしたロー
ラは、ローラ表面温度:240℃で中間層と表層の剥離
が発生 という結果となった。
【0153】本実施の形態では、中間層に分散する無機
フィラー又は無機扁平状フイィーの大きさと、中間層塗
料中のフッ素樹脂粒径の関係に関して述べたが、前記中
間層塗料中のフッ素樹脂の粒径が、中間層に分散する前
記無機フィラー又は無機扁平状フィラーの長径より小さ
いことにより、中間層と表層の接着強度を確保すること
が可能となる。
【0154】又、前記は中間層としてフッ素樹脂を含有
させたフッ素ゴムラテックスの場合に関して述べたが、
中間層として変成フッ素樹脂を用いた場合においては、
「中間層塗料中の変成フッ素樹脂粒径く中間層分散フィ
ラー長径」の場合には、中間層塗布後及び中間層焼成後
の中間層表面は凹凸が無く、平滑な表面性を持ち、更に
表層の塗布・焼成後も平滑で穴・ヒビの無い表面を持
つ。
【0155】一方、「中間層塗料中の変成フッ素樹脂粒
径>中間層分散フィラー長径」の場合には、中間層塗布
後及び中間層焼成後の中開展表面は凹凸が残ってしま
い、表層の塗布・焼成後も中間層の凹凸を拾ってしま
い、表面が平滑なローラを得ることができない。
【0156】更に、中間層の変成フッ素樹脂粒径がフィ
ラー長径よりも大きい場合には、中間層又は表層の焼成
時において、弾性展の熱膨張により、中間層においては
変成フッ素樹脂粒子の界面でヒビが入り易く、前記界面
がフィラー長径よりも大きいために、フィラーによりヒ
ビの経路を遮断することができず、中間層及び表層にヒ
ビが入ってしまうこととなる。
【0157】従って、中間層として変成フッ素樹脂を用
いた場合においても、前記中間層塗料中の変成フッ素樹
脂粒子の粒径が、中間層に分散する前記無機フィラー又
は無機扁平状フィラーの長径より小さいことにより、凹
凸やヒビの無い平滑な表面を持つローラを得ることがで
きる。
【0158】<実施の形態5>図9〜図12に基づいて
本発明の実施の形態5について説明する。
【0159】本実施の形態においては、前記表層塗料中
のフッ素樹脂粒子の粒径が、中間層に分散する前記無機
フィラー又は無機扁平状フィラーの長径より小さいこと
を特徴とする。
【0160】例えば実施の形態において、 表層の平均FEP樹脂粒径を、実施の形態3と同様
に、チタン系扁平状フィラー(平均厚み:0.5μm、
平均長径:3μm)の長径より小さい0.2μmとした
ローラ 比較例として、表層の平均FEP樹脂粒径を、実施の
形態3のチタン系扁平状フィラー(平均厚み:0.5μ
m、平均長径:3μm)の長径より大きい3.5μmと
したローラ を比較したところ、 表層の平均FEP樹脂粒径:0.2μmとしたローラ
は、ローラ表面温度:300℃でも中間層と表層の剥離
はなし 表層の平均FEP樹脂粒径:3.5μmとしたローラ
は、ローラ表面温度:280℃で中間層と表層の剥離が
発生 という結果となった。
【0161】これは、「表層のフッ素樹脂粒径>フィ
ラー長径」とした場合には、表層12cの焼成前を図9
に示すように、フィラー25が中間層32bから突き出
た場合に、フッ素樹脂50が中間層32bから突き出た
フィラー25の隙間に入り込むことができないため、表
層12cの焼成後を図10に示すように、表層12cの
焼成後においても中間層から突き出たフィラーの隙間に
空気層が残存してしまう。そのために、中間層32bと
表層12cとの接着力が減少してしまう。更には、中間
層表面のフィラーや空気層による凹凸に応じて、表層の
表面が凹凸になってしまう。
【0162】これに対し、「表層のフッ素樹脂粒径<
フィラー長径」とした場合には、表層12cの焼成前を
図11に示すように、フィラー25が中間層32bから
突き出た場合でも、フッ素樹脂50が中間層32bから
突き出たフィラー25の隙間に入り込むことができるた
め、表層12cの焼成後を図12に示すように、中間層
32bと表層12cとの間に空気層が残存しない。従っ
て、中間層32bと表層12cとの接着力が低下するこ
ともない。更に、この場合には、中間層表面のフィラー
による凹凸があっても、表層の表面は平滑となる。
【0163】本実施の形態では、中間層に分散する前記
無機フィラー又は無機扁平状フィラーの大きさと表層塗
料中のフッ素樹脂粒径の関係に関して述べたが、前記表
層塗料中のフッ素樹脂の粒径が中間層に分散する無機フ
ィラー又は無機扁平状フィラーの長径より小さいことに
より、中間層と表層の接着強度と表層の凹凸が無い平滑
性とを確保することが可能となる。
【0164】更に、中間層表面のフィラーによる凹凸が
あっても、表層の表面性を平坦且つ平滑とするために
は、表層のフッ素樹脂の粒径が1μm以下であることが
望ましい。これは、表層のフッ素樹脂の粒径が小さい
程、表層表面が平滑になるためである。
【0165】又、最近、解像度の向上、画質の向上を目
的に、トナー平均粒径が6μm程度と小さくなっている
ため、トナー粒径としては約2μm〜10μm程度の分
布を持つため、トナー粒径より表層のフッ素樹脂粒径を
小さくすることにより、フッ素樹脂粒子間の凹凸の周期
をトナー粒径より小さくすることにより、表層のフッ素
樹脂の微小な凹凸にトナーが入り込まないようにするこ
とによって、ローラにトナーが付着することを防止する
ためである。
【0166】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、少なくとも芯金と弾性層と中間層と表層から成
るローラを、前記中間層と表層をフッ素樹脂を含む塗料
をコートすることによって作製し、前記中間層に無機フ
ィラーを分散して構成したため、中間層と表層の接着強
度が高く、表層の穴、荒れ、ヒビ、汚染等を防止し、均
一で平滑な表層を持ち、耐久性に優れた(耐久でもトナ
ーが付着しない)ローラとこれを用いた加熱定着装置を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1,2に係る加圧ローラの
概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1,2における弾性層から
の熱分解ガスをフィラーにより遮断(ブロック)する状
態を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1,2との比較を行う従来
の弾性層からの熱分解ガス発生を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係る加圧ローラの概略
図である。
【図5】本発明の実施の形態3における弾性層からの熱
分解ガスをフィラーにより遮断(ブロック)する状態を
示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態3の改良形態における弾性
層からの熱分解ガスをフィラーにより遮断(ブロック)
する状態を示す概略図である。
【図7】本発明の実施の形態4における中間層のフッ素
樹脂粒子のブリード形態を示す概略図である。
【図8】本発明の実施の形態4との比較を行う中間層の
フッ素樹脂粒子のブリード形態を示す概略図である。
【図9】本発明の実施の形態5との比較を行う表層塗料
塗布後の表層のフッ素樹脂形態を示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態5との比較を行う表層焼
成後の表層のフッ素樹脂形態を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態5における表層塗料塗布
後の表層のフッ素樹脂形態を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態5における表層焼成後の
表層のフッ素樹脂形態を示す概略図である。
【図13】従来の加圧ローラの一例を示す概略図であ
る。
【図14】従来の加熱ローラの一例を示す概略図であ
る。
【図15】従来の画像形成装置における加熱定着装置の
一例である熱ローラ定着装置を示す概略図である。
【図16】従来の画像形成装置における加熱定着装置の
一例であるフィルム定着装置を示す概略図である。
【符号の説明】
11 芯金 12a 弾性層 12b 中間層 12c 表層 21 中空芯金 22b 中間層(無機フィラー分散) 23 無機フィラー 24 熱分解ガス 25 無機扁平フィラー 32b 中間層(無機扁平状フィラー分散) 25 無機扁平状フィラー 40 中間層のフッ素樹脂粒子 50 表層のフッ素樹脂粒子 60 空気層 P 転写材 T トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA09 AA26 BB03 BB05 BB08 BB13 BB14 BB15 BB17 BB26 BB29 BB30 BB31 2H071 BA43 DA12 3J103 AA02 AA14 AA33 AA51 BA03 BA41 EA02 EA11 FA12 GA02 GA57 GA58 GA60 HA04 HA43 HA54

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芯金と弾性層と中間層と表層
    から成るローラであって、前記中間層と表層をフッ素樹
    脂を含む塗料をコートすることによって作製し、前記中
    間層に無機フィラーを分散して構成されることを特徴と
    するローラ。
  2. 【請求項2】 前記中間層に扁平状フィラーを分散した
    ことを特徴とする請求項1記載のローラ。
  3. 【請求項3】 加圧ローラであることを特徴とする請求
    項1又は2記載のローラ。
  4. 【請求項4】 加熱ローラであることを特徴とする請求
    項1又は2記載のローラ。
  5. 【請求項5】 前記中間層が少なくともフッ素樹脂を含
    有させたゴム(ラテックス)であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のローラ。
  6. 【請求項6】 前記中間層が変成フッ素樹脂であること
    を特徴とする請求項1又は2記載のローラ。
  7. 【請求項7】 前記中間層塗料中のフッ素樹脂粒子の粒
    径が前記中間層塗料中のフィラーの長径より小さいこと
    を特徴とする請求項1又は2記載のローラ。
  8. 【請求項8】 前記表層塗料中のフッ素樹脂粒子の粒径
    が前記中間層塗料中のフィラーの長径より小さいことを
    特徴とする請求項1又は2記載のローラ。
  9. 【請求項9】 前記表層塗料中のフッ素樹脂粒子の粒径
    が1μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のローラ。
  10. 【請求項10】 前記中開展塗料中のフィラーの長径が
    中間層厚みより大きいことを特徴とする請求項1又は2
    記載のローラ。
  11. 【請求項11】 定着部にて未定着画像を担持した転写
    材を挟持搬送し、加熱源を内包する一対の回転体を圧接
    するように配設され、未定着画像を転写材に永久定着さ
    せる加熱定着装置において、 前記一対の回転体のうち少なくとも一方の回転体として
    請求項1〜10の何れか1つに記載のローラを具備する
    ことを特徴とする加熱定着装置。
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