JPH10186923A - 定着用回転体 - Google Patents
定着用回転体Info
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- JPH10186923A JPH10186923A JP9157395A JP15739597A JPH10186923A JP H10186923 A JPH10186923 A JP H10186923A JP 9157395 A JP9157395 A JP 9157395A JP 15739597 A JP15739597 A JP 15739597A JP H10186923 A JPH10186923 A JP H10186923A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pfa
- particles
- fluororesin
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- Fixing For Electrophotography (AREA)
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Abstract
対応することができる優れた離型性と耐摩耗性を備えた
定着用ローラや定着用ベルトなどの定着用回転体を提供
すること。 【解決手段】 基体上に、所望によりゴム層を介して、
フッ素樹脂層を形成してなる定着用回転体において、フ
ッ素樹脂層が、平均粒子径5μm以上で分子量65万以
上のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA)粒子を含有するフッ素
樹脂材料により形成されていることを特徴とする定着用
回転体。
Description
どの画像形成装置において、転写紙などの転写材上のト
ナーを定着する定着工程で用いられる定着用ローラや定
着用ベルトなどの定着用回転体に関し、更に詳しくは、
表面にフッ素樹脂層が配置された離型性と耐摩耗性に優
れた定着用回転体に関する。
プリンター、ファクシミリなどの画像形成装置において
は、一般に、感光体ドラムを一様かつ均一に帯電する
帯電工程、像露光を行って感光体ドラム上に静電潜像
を形成する露光工程、静電潜像にトナー(現像剤)を
付着させてトナー画像(可視像)を形成する現像工程、
感光体ドラム上のトナー像を転写紙などの転写材上に
転写する転写工程、転写材上のトナー像を定着する定
着工程によって、画像を形成している。定着工程の後、
感光体ドラム上に残留したトナーを清掃するクリーニン
グ工程を設けてもよい。
種々の方式を用いて、トナー画像を転写材上に定着して
いるが、通常は、熱源を内蔵した定着用ローラと加圧用
ローラとの間に転写材を通過させて、転写材上のトナー
を加熱溶融して定着させている。具体的には、図1に示
すように、中空ローラ状基体の外周面をゴムや樹脂で被
覆してなる定着用ローラ1と加圧用ローラ5とを圧接さ
せ、両ローラ間に、トナー画像3が形成された転写材4
を通過させて、トナーを加熱溶融させることにより、ト
ナー画像を転写材上に定着させている。トナーの加熱
は、定着用ローラ1の内部に配置した加熱用ヒーター2
により行っている。
テンレスなどの金属製のローラ状基体(芯金)の外周面
に、オフセット防止のため、直接またはゴム層を介し
て、フッ素樹脂層が形成された構造のローラが汎用され
ている(例えば、特開昭57−89785号公報)。フ
ッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)などが使用されている。フッ素樹脂層は、通常、こ
れらのフッ素樹脂を含有する分散液(フッ素樹脂塗料)
を塗布し、焼成することにより形成したり、あるいはチ
ューブ状のフッ素樹脂成形物を基体上にかぶせ、熱融着
することにより形成している。定着用ローラの表面に弾
力性を持たせるために、ゴム層を形成することがある。
ゴム層を形成するゴム材料としては、フッ素ゴムやシリ
コーンゴムなどの耐熱性ゴムが用いられている。
ーラは、一般に、離型性及び耐摩耗性が良好であり、ロ
ーラ表面のトナーによる汚染が防止され、定着性にも優
れている。ところが、近年、複写の高速化や画像のフル
カラー化に伴い、トナーの低融点化が要求され、トナー
成分が変更されてきた。その結果、従来のフッ素樹脂層
が形成された定着用ローラでは、離型性が不充分でオフ
セット現象が多発したり、あるいは耐摩耗性が不充分
で、耐久性に問題が生じるようになってきた。
般に、熱可塑性樹脂中に着色剤、帯電制御剤、オフセッ
ト防止剤などを均一に分散させた着色微粒子であり、定
着工程において、加熱・加圧されることにより、転写材
上に熱融着し固定される。複写の高速化の要求にこたえ
るには、トナー同士のブロッキングを防止しつつ、トナ
ーの低融点化を図り、定着工程で速やかに加熱溶融させ
る必要がある。また、画像をフルカラー化するには、定
着工程において、各色のトナー粒子を均一に溶融して混
色する必要があり、やはりトナーの低融点化が求められ
る。しかし、トナーが低融点化されると、定着用ローラ
表面に付着しやすくなり、オフセット現象が発生しやす
くなる。また、複写の高速化により、定着用ローラへの
負荷が高まり、フッ素樹脂層が摩耗しやすくなる。その
結果、PTFE層を設けた定着用ローラでは、離型性が
不充分でオフセット現象が多発するようになってきた。
また、従来のPFA層を設けた定着用ローラでは、摩耗
量が多くなり、耐摩耗性に劣ることがわかってきた。
定着ローラとして、(1)平均粒子径5〜75μmのP
FA粒子を静電塗装した層を有する定着用ローラ(特公
昭62−10429号公報)、(2)平均粒子径5μm
以上のPFA粒子と平均粒子径1μm以下のPFA粒子
とが液状分散媒体中に分散されたフッ素樹脂塗料を塗布
・焼成した層を有する定着用ローラ(特公平4−168
170号公報)が知られている。しかしながら、これら
の先行文献に具体的に開示されているPFA粒子は、い
ずれも分子量が50万以下の低分子量物であり、本発明
者らの検討結果によれば、PFA層の耐摩耗性が充分で
はない。
ーラの代わりに、定着用ベルトを用いた定着装置が提案
され、使用されてきている。定着用ベルトとしては、ポ
リイミドなどの耐熱性樹脂や金属からなるチューブ状基
体の外周面に、オフセット防止のため、直接またはゴム
層を介して、フッ素樹脂層を形成した構造のエンドレス
ベルトが用いられている。定着用ベルトを用いた定着方
式では、図2に示すように、定着用ベルト6に加圧用ロ
ーラ8を圧接させ、この圧接部における定着用ベルトの
内側には、加熱用ヒーター7を密着させて配置し、そし
て、両者間にトナー画像3が形成された転写材4を通過
させ、定着用ベルト6を介して加熱用ヒーター7により
トナーを加熱溶融させて、トナー画像を転写材上に定着
させている。この方式では、薄い定着用ベルト6を介す
るだけで、加熱用ヒーター7により、実質上直接的にト
ナーを加熱するため、電源投入時の待ち時間がほぼゼロ
になり、しかも、圧接部だけの加熱ですむため、消費電
力も少ないという利点がある。チューブ状基体として、
鉄、ニッケル、フェライト系ステンレスなどからなる金
属チューブを使用すると、電磁誘導加熱方式の採用も可
能である。
写の高速化やトナーの低融点化によって、フッ素樹脂層
として、PTFE層を設けた定着用ベルトでは、離型性
が不充分でオフセット現象が多発し、また、従来のPF
A層を設けた定着用ベルトでは、摩耗量が多くなり、耐
摩耗性が低下するという問題があった。
の高速化や画像のフルカラー化に充分に対応することが
できる優れた離型性と耐摩耗性を備えた定着用ローラや
定着用ベルトなどの定着用回転体を提供することにあ
る。本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するた
めに鋭意研究した結果、ローラ状またはチューブ状の基
体上に、所望によりゴム層を介して、フッ素樹脂層を形
成してなる定着用回転体において、フッ素樹脂として、
平均粒子径5μm以上で分子量65万以上のPFA粒子
を単独で、あるいは平均粒子径の小さなPFA粒子と組
み合わせて使用し、フッ素樹脂層を形成することによ
り、従来のPTFE層を設けた定着用回転体に比べて離
型性に優れ、しかも、従来のPFA層を設けた定着用回
転体に比べて耐摩耗性に優れた定着用回転体の得られる
ことを見いだした。
以上で分子量65万以上のPFA粒子(A)20〜80
重量%と、平均粒子径1μm以下のPFA粒子(B)8
0〜20重量%とを液状媒体中に分散したフッ素樹脂塗
料を基体上に、所望によりゴム層を介して、塗布・焼成
して形成されたものであることが、厚みが均一で欠陥の
ない塗膜を形成する上で好ましい。本発明は、これらの
知見に基づいて完成するに至ったものである。
に、所望によりゴム層を介して、フッ素樹脂層を形成し
てなる定着用回転体において、フッ素樹脂層が、平均粒
子径5μm以上で分子量65万以上のテトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)粒子を含有するフッ素樹脂材料により形成さ
れていることを特徴とする定着用回転体が提供される。
しい態様が提供される。 1.フッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂材料が、平均粒
子径5μm以上で分子量65万以上のPFA粒子(A)
20〜80重量%と、平均粒子径1μm以下のPFA粒
子(B)80〜20重量%とを含むフッ素樹脂組成物で
ある前記の定着用回転体。 2.フッ素樹脂層が、PFA粒子(A)及びPFA粒子
(B)を液状媒体中に分散したフッ素樹脂塗料を塗布
し、焼成して形成されたものである前記の定着用回転
体。 3.基体が、ローラ状基体である前記の定着用回転体。 4.基体が、耐熱性樹脂または金属からなるチューブ状
基体である前記の定着用回転体。
(A)は、平均粒子径が5μm以上、好ましくは5〜7
5μm、より好ましくは5〜30μmの比較的大粒子径
の粉体である。このような大粒子径のPFA粒子は、一
般に静電塗装用に用いられる樹脂粉末である。PFA粒
子(A)の平均粒子径が5μm以上であることにより、
静電塗装が可能であることに加えて、湿式塗料とした場
合に、数μmから数十μm程度までの任意の膜厚に容易
に制御することができる。
上、好ましくは65〜150万、より好ましくは70〜
100万である。PFA粒子(A)の分子量が65万以
上と大きいことによって、フッ素樹脂層の耐摩耗性が顕
著に改善される。なお、本発明において、PFAの分子
量は、ASTM D3307に従ってメルトフローレー
ト(MFR)を測定し、既知の「分子量とMFRとの関
係」から算出した重量平均分子量である。
は顔料、ガラス、炭化ケイ素、金属(アルミニウム、ス
テンレスなど)等の微粉体からなる充填材との混合物を
用いて、基体の外周面に静電塗装することにより、塗膜
を形成することができる。すなわち、PFA粒子(A)
またはそれと充填材との混合物を帯電させ、吹きつけ等
により芯金外面に塗装し、次いで、加熱融着させること
により、塗膜を形成することができる。
ない塗膜を形成するには、PFA粒子(A)を湿式塗料
として用いることが好ましい。一般に、PFA粒子を水
などの液状媒体中に界面活性剤を用いて分散させた湿式
塗料は、平均粒子径が1μm以下のPFA粒子を用いて
いるため、粒子間の凝集力が弱く、欠陥の少ない塗膜を
得ることが困難であり、特に、1回の製膜工程で20μ
m以上の厚みの塗膜を形成しようとすると、クラックを
生じたり、基体上ではじかれて凹状の欠陥を生じやす
い。これに対して、静電塗装に使用される大粒子径のP
FA粒子は、良好な膜形成性を有しており、1回の製膜
工程で膜厚が大きく欠陥のない塗膜を形成することがで
きる。しかし、大粒子径のPFA粒子を液状媒体中に分
散した塗料は、粒子間の凝集力が強いため、短時間で沈
降し、簡単な攪拌等では容易に再分散できない不可逆凝
集を引き起こす。
塗料とするのではなく、粒子間凝集力が弱い平均粒子径
が1μm以下のPFA粒子(B)と組み合わせて、湿式
塗料とすることが好ましい。PFA粒子(A)を小粒子
径のPFA粒子(B)と組み合わせて液状分散媒体中に
分散させることにより、良好な膜形成性と膜厚制御性を
保持しつつ、沈殿しても不可逆凝集を起こすことなく、
容易に再分散可能な湿式塗料を得ることができる。
径5μm以上で分子量65万以上のPFA粒子(A)2
0〜80重量%と平均粒子径1μm以下のPFA粒子
(B)80〜20重量%とを含むフッ素樹脂組成物を用
いることが好ましい。より具体的には、上記割合のPF
A粒子(A)及び(B)を液状媒体中に分散したフッ素
樹脂塗料を用いて塗膜を形成することが好ましい。耐摩
耗性と膜形成性の観点からは、PFA粒子(A)の割合
は、より好ましくは50〜80重量%、最も好ましくは
60〜80重量%であり、PFA粒子(B)の割合は、
これに対応して、より好ましくは20〜50重量%、最
も好ましくは20〜40重量%である。PFA粒子
(B)の割合が小さすぎると、再分散性が低下する。
が、所望により有機溶媒を用いてもよく、あるいは、塗
布後の乾燥を容易にするために、水とアルコール等の有
機溶媒との混合物を用いることもできる。PFA粒子を
液状媒体中に分散させるために、界面活性剤を使用する
ことが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系界面
活性剤及びノニオン系界面活性剤が好ましい。これらの
界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて使用することができる。これらの中でも、ノ
ニオン系界面活性剤が特に好ましい。界面活性剤の使用
量は特に限定されないが、通常は、これらのPFA粒子
を液状媒体中に均一に分散し得る量比で用いられる。P
FA粒子(A)及び(B)を含有する湿式塗料を調製す
る手順は、特に限定されないが、界面活性剤を混合した
液状媒体にPFA粒子(A)を分散させた分散液を調製
し、これとPFA粒子(B)を含有する分散液とを混合
する方法が好ましい。
せ、あるいは着色するために、顔料や充填材などの各種
添加剤を配合することができる。具体的には、着色のた
めの顔料、例えば、カーボンブラック、チタン白、マイ
カ、酸化チタンや酸化鉄等が被覆された着色マイカ、そ
の他の無機顔料を添加することができる。また、基材へ
の接着助剤として、ポリアミドイミド(PAI)、ポリ
イミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)等の
エンジニアリングプラスチックス、有機金属錯体など各
種の接着剤を添加することができる。非水系溶媒を液状
媒体として用いる場合には、シランカップリング剤等を
接着助剤として用いることもできる。
熱伝導性の良好なアルミニウムやアルミニウム合金、
鉄、ステンレス等の金属;アルミナ、炭化ケイ素等のセ
ラミックス;などから形成された円筒状基体が用いられ
る。定着用ベルトの場合には、耐熱性樹脂や金属から形
成されたチューブ状基体が用いられる、耐熱性樹脂チュ
ーブの材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。これら
の中でも耐熱性及び耐久性の観点から、ポリイミドが特
に好ましい。金属チューブの材質としては、アルミニウ
ム、鉄、ニッケル、これらの合金などが挙げられる。電
磁誘導加熱方式を採用する場合は、鉄、ニッケル、これ
らの合金、及びフェライト系ステンレスが好ましい。基
体の厚み、外径、長さなどは、通常のものが使用され、
特に限定されない。例えば、基体の長さは、転写紙など
の転写材の大きさに応じて適宜定めることができる。
は、最外層(表面層)に設けられるが、基体の外周面に
直接設けてもよく、あるいは弾力性を付与するために、
ゴム層を介して設けてもよい。ゴム層の材質としては、
例えば、メチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコー
ンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フッ化シリコ
ーンゴム等のシリコーンゴム;フッ化ビニリデン系ゴ
ム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラ
フルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル
ゴム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテ
ル等のフッ素ゴムを挙げることができる。これらは、そ
れぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。また、ゴム層は、1層だけではなく、
所望により2層以上形成することができる。ゴム層の厚
みは、一般には、100μm〜3mmの範囲内であり、
好ましくは0.1〜1mm、より好ましくは0.15〜
0.5mm程度である。これよりも厚いゴム層を形成し
てから、研削により必要な膜厚に調整してもよい。
することができる。無機充填材としては、例えば、カー
ボンブラック、タルク、マイカ、カオリン、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化クロム、炭酸カルシウム、ケイ酸カル
シウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム、リン酸マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホ
ウ素、窒化チタン、二硫化モリブデン、ハイドロタルサ
イト、金属粉等が挙げられる。また、有機充填剤とし
て、天然樹脂や合成樹脂(PAI、PI、PESなど)
を加えてもよい。充填材の配合割合は、ゴム100重量
部に対して、100重量部以下、好ましくは80重量部
以下である。
ては、(1)基体の外周面をサンドプラスト、電気化学
的エッチング、化学的エッチング等で粗面化処理を行
い、その上に、所望によりプライマーを塗布した後、P
FA粒子を含有する湿式塗料をスプレー塗装法等により
塗布し、乾燥させた後、焼成する方法、(2)基体の外
周面の粗面化処理を行い、その上に、必要に応じて耐熱
性接着剤を塗布した後、ゴムを被覆して加硫し、次い
で、所望により必要形状に成形(例えば、逆クラウン状
に研削)してから、その上にPFA粒子を含有する湿式
塗料をスプレー塗装法等により塗布し、乾燥させた後、
焼成する方法などが挙げられる。湿式塗装法にかえて、
PFA粒子(A)を含む樹脂粉体を静電塗装することも
できる。PFA層の厚みは、必要に応じて適宜定めるこ
とができるが、通常、0.1〜50μm、好ましくは5
〜30μmである。PFA層の厚みが大きすぎると、熱
伝導性が低下する。PFA層の厚みが小さすぎると、長
期の使用により摩耗して耐久性が損なわれる。
ついてより具体的に説明する。
約70万(ASTM D3307に従って測定したMF
Rの値、4〜6g/minより算出)のPFA粒子(旭
硝子社製TW5507)55gを、水526g及び界面
活性剤(三洋化成社製オクタポール80)50gを混合
してなる液状媒体中に分散させ、これに平均粒子径0.
4μmのPFA球状粒子47重量%、界面活性剤6重量
%、及び水47重量%からなるPFA分散液(ダイキン
工業社製AD−2−CR)50gを加え、充分に混合し
てフッ素樹脂塗料を調製した。塗料の組成を表1に示
す。アルミニウム製の外径30mmφ、肉厚2mmのロ
ーラの表面を切削加工により2μmの表面粗さに仕上
げ、洗浄した後、約10μmの厚さでプライマー(ダイ
キン社製タフコートTCW−8808)を塗布し、次い
で、半乾燥状態でフッ素樹脂塗料を塗布した。これを
250℃で10分間乾燥後、350℃で20分間の焼成
を行い、厚み30μmのPFA層で被覆された定着用ロ
ーラを得た。得られた定着用ローラは、離型性及び耐摩
耗性に優れたものであった。
7に代えて、平均粒子径約7μm、分子量約90万(A
STM D3307に従って測定したMFRの値、1〜
3g/minより算出)のPFA粒子(旭硝子社製TW
6507)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
フッ素樹脂塗料を調製し、定着用ローラを作製した。
塗料の組成を表1に示す。得られた定着用ローラは、離
型性及び耐摩耗性に優れたものであった。
7に代えて、平均粒子径約20μm、分子量約50万の
PFA粒子(三井・デュポン社製MP−102)を用い
たこと以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂塗料
を調製し、定着用ローラを作製した。塗料の組成を表1
に示す。得られた定着用ローラは、離型性には優れてい
るものの、耐摩耗性に劣るものであった。
均粒子径0.2μmのPTFE分散液(ダイキン社製E
K−4300)を使用して、実施例1と同様にして定着
用ローラを作製した。得られた定着用ローラは、離型性
に劣るものであった。塗料の組成を表1に示す。
NP−4335の定着ユニットに上記各実施例及び比較
例で得られた各定着ローラをセットして、10万枚のコ
ピーを行い、定着ローラ表面へのトナーの付着量を評価
した。このとき、A4用紙に幅2mmで1cm角の格子
模様を描いた紙をコピーした。トナーの付着量を観察
し、次の3段階で離型性を評価した。結果を表2に示
す。 ○:トナーの付着が殆ど観察されない。 △:トナーが少量付着している。 ×:トナーが多量に付着している。
施例1〜2、比較例1)は、PTFE層を形成した定着
用ローラ(比較例2)に比べて、離型性に優れているこ
とが分かる。
ウムローラにシリコーンゴムを貼り合わせて加硫したゴ
ムローラ(径50mmφ、ロール長320mm)のゴム
層を研削し、厚さを0.2mmとした後、その表面を#
320のサンドペーパーで粗面化した。この上に、実施
例1〜2、及び比較例1で調製した各フッ素樹脂塗料
〜をそれぞれ塗布し、焼成して、厚み20μmのPF
A層を形成した定着用ローラを作製した。このようにし
て得られた各定着用ローラをキャノン社製複写機の定着
ユニットにセットして、コピーを繰り返し、コピー用紙
を何枚もこの定着用ローラと加圧用ローラとの間に通す
ことにより、定着用ローラのPFA層の摩耗の程度を調
査した。ゴム層が露出したコピー枚数を表3に示す。
(実施例3〜4)、従来の低分子量PFAを用いた場合
(比較例3)に比べて、耐摩耗性及び耐久性が顕著に優
れた定着用ローラの得られることが分かる。
製UワニスS)を、常法に従って円筒状金型を用いて、
チューブ状に成形し、ポリイミドチューブ(厚み50μ
m、外径27.6mm、長さ23cm)を作成した。こ
のポリイミドチューブの外周面に、実施例1で用いたの
と同じフッ素樹脂塗料を塗布し、250℃で10分間
乾燥後、350℃で20分間の焼成を行い、厚み30μ
mのPFA層で被覆された定着用ベルトを得た。得られ
た定着用ベルトは、離型製及び耐摩耗性に優れたもので
あった。
実施例2で用いたのと同じフッ素樹脂塗料を用いたこ
と以外は、実施例5と同様にして定着用ベルトを作製し
た。得られた定着用ベルトは、離型製及び耐摩耗性に優
れたものであった。
比較例1で用いたのと同じフッ素樹脂塗料を用いたこ
と以外は、実施例5と同様にして定着用ベルトを作製し
た。得られた定着用ベルトは、離型性には優れているも
のの、耐摩耗性に劣るものであった。
比較例2で用いたのと同じフッ素樹脂塗料を用いたこ
と以外は、実施例5と同様にして定着用ベルトを作成し
た。得られた定着用ベルトは、離型性に劣るものであっ
た。
LBPA404Eの定着ユニットに実施例5〜6及び比
較4〜5例で得られた各定着用ベルトをセットして、1
0万枚のコピーを行い、定着用ベルト表面へのトナーの
付着量を評価した。このとき、A4用紙に幅2mmで1
cm角の格子模様を描いた紙をコピーした。トナーの付
着量を観察し、次の3段階で離型性を評価した。結果を
表4に示す。 ○:トナーの付着が殆ど観察されない。 △:トナーが少量付着している。 ×:トナーが多量に付着している。
施例5〜6、比較例4)は、PTFE層を形成した定着
用ベルト(比較例5)に比べて、離型性に優れているこ
とが分かる。
ニス(宇部興産製UワニスS)をチューブ状に成形して
ポリイミドチューブを作製し、これにシリコーンゴムを
貼り合わせて加硫したゴム被覆チューブ(外径28m
m、チューブ長23cm)を作製した。このゴム層表面
を、#320のサンドペーパーで粗面化した。この上
に、フッ素樹脂塗料〜をそれぞれ塗布し、焼成し
て、厚み20μmのPFA層を形成した定着用ベルトを
作製した。このようにして得られた各定着用ベルトを、
キャノン社製LBPの定着ユニットにセットし、コピー
を繰り返し、コピー用紙を何枚もこの定着用ベルトと加
圧用ローラとの間に通すことにより、各定着用ベルトの
PFA層の摩耗の程度を調査した。ゴム層が露出したコ
ピー枚数を表5に示す。
(実施例7〜8)、従来の低分子量PFAを用いた場合
(比較例6)に比べて、耐摩耗性及び耐久性が顕著に優
れた定着用ベルトの得られることが分かる。
フルカラー化に充分に対応することができる優れた離型
性と耐摩耗性を備えた定着用ローラや定着用ベルトなど
の定着用回転体が提供される。
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体上に、所望によりゴム層を介して、
フッ素樹脂層を形成してなる定着用回転体において、フ
ッ素樹脂層が、平均粒子径5μm以上で分子量65万以
上のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体(PFA)粒子を含有するフッ素
樹脂材料により形成されていることを特徴とする定着用
回転体。 - 【請求項2】 フッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂材料
が、平均粒子径5μm以上で分子量65万以上のPFA
粒子(A)20〜80重量%と、平均粒子径1μm以下
のPFA粒子(B)80〜20重量%とを含むフッ素樹
脂組成物である請求項1記載の定着用回転体。 - 【請求項3】 フッ素樹脂層が、PFA粒子(A)及び
PFA粒子(B)を液状媒体中に分散したフッ素樹脂塗
料を塗布し、焼成して形成されたものである請求項2記
載の定着用回転体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9157395A JPH10186923A (ja) | 1996-10-28 | 1997-05-29 | 定着用回転体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30369296 | 1996-10-28 | ||
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