JP2007079085A - 画像形成装置 - Google Patents

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恒心 杉山
Shigeru Emoto
茂 江本
Shinko Watanabe
真弘 渡邊
Masahide Yamada
雅英 山田
Akinori Saito
彰法 斉藤
Masahiro Oki
正啓 大木
Ryuta Inoue
竜太 井上
Shinichi Wakamatsu
慎一 若松
Takayuki Yoshii
孝之 吉井
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Abstract

【課題】 定着装置により離型性を担保できるので、トナーの表面ワックス量をさらに少なくすることができ、長期の使用において、感光体やキャリアなど他部材へのワックスの移行を抑制し、現像剤および装置の耐久性や寿命を向上させること。
【解決手段】 少なくとも定着媒体上のトナーを加圧定着する定着装置を有する画像形成装置において、前記定着装置は、表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素樹脂を複数以上含んでなり、前記トナーは少なくともC−H、C−C結合以外の結合を分子鎖中に含んでなるワックスを含有し、前記トナーの表面ワックス量が2〜5重量%であることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規定着方法並びに定着装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体である感光体の表面に放電によって電荷を与える帯電工程と、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、感光体表面に形成された静電潜像の極性と逆の極性を有するトナーを供給して現像する現像工程とを経て感光体上にトナー像が形成される。感光体上に形成されたトナー像は、その後、一旦中間転写体に転写され、中間転写体から紙等の記録部材に転写されるか、あるいは感光体から記録部材に直接転写される転写工程を経て、転写された記録部材上のトナー像に熱と圧をかけて定着させる定着工程によって記録部材上に固定される。
定着工程では、内部にヒータを有するローラ状あるいはベルト状の一対の定着部材により、記録部材を挟み込んで、トナーを加熱溶融すると共に圧力をかけて記録部材上に定着させる。このとき、加熱温度が高すぎると、トナーが過剰に溶融し、定着部材に融着する問題(ホットオフセット)が発生する。また、加熱温度が低すぎるとトナーが十分に溶融せず定着が不十分になる問題が発生する。省エネルギー化、画像形成装置の小型化の観点から、よりホットオフセット発生温度が高く(耐ホットオフセット性)、かつ定着温度が低い(低温定着性)トナーが求められている。また、トナーが保管中及び装置の雰囲気温度下でブロッキングしないこと(耐ブロッキング性)が必要である。
とりわけフルカラー複写機、フルカラープリンターにおいては、その画像の光沢性および混色性が必要なことから、トナーはより低溶融粘度であることが必要であり、シャープメルト性のポリエステル系のトナーバインダが用いられている。このようなトナーでは、ホットオフセットの発生が起こりやすいことから、従来からフルカラー用の機器では、定着部材にシリコーンオイルなどを塗布することが行われている。しかしながら、定着部材にシリコーンオイルを塗布するためには、オイルタンク、オイル塗布装置、これオイルを供給するためのオイル供給装置等が必要であり、装置が複雑、大型となる。また、定着部材の劣化をも引き起こし、一定期間毎のメンテナンスが必要とされる。さらに、コピー紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等にオイルが付着することが不可避であり、とりわけOHPにおいては付着オイルによる色調の悪化の問題がある。
そこで、定着部材にオイル塗布することなくトナーの融着を防ぐために、トナーをワックスに添加する方法が一般的に用いられている。しかしながら、その離型効果はワックスのバインダ中での分散状態によって大きく左右される。
特許文献1には、トナー粒子の表面から0.3μmまでの深さ領域に存在するワックスの量を規定したトナーが記載されている。ワックスはトナー表面近傍に存在した方が離型性に効果を発揮すると考えられているが、同時にトナーの均一な帯電を阻害したり、ワックスが凝集性を示してトナーの流動性を悪化させるという不具合が生じる。そのため、トナー表面近傍のワックス量を最適な範囲に制御し、離型性と帯電性・流動性の双方を同時に満足させている。
しかしながら、長期の使用において、感光体やキャリアなど他部材へのワックスの移行を抑制するには充分ではなく、現像剤および装置の耐久性や寿命を満足させるものではなかった。
(定着部材)
一方、従来より離型性の高い定着装置が提案されており、例えば特許文献2の定着装置は、ベルト曲率の小さい定着ローラと加熱ローラに張架されて、加熱ローラによって加熱されながら無端移動する定着ベルトを備え、記録部材上のトナー像に定着ベルトを圧接させて、記録部材上のトナー像を加熱定着している。ニップ部の出口近傍における定着ベルトの曲率半径を局所的に小さくすることで、記録部材のコシを有効に活用でき、分離爪の設置やオイルの塗布を行うことなく、トナーのオフセットを抑制し、記録部材と定着部材を分離することができるとしている。この定着ベルトは、一般的にポリイミド等の耐熱性樹脂や金属の基体、耐熱性を有するゴム、エラストマーからなる弾性層、フッ素樹脂からなる離型層(最外層)の3層構造となっている。上記フッ素樹脂からなる離型層は、押し出し成形によって形成されたフッ素樹脂チューブを上記弾性層に被覆した後、フッ素樹脂を加熱溶融(以下、焼成)して形成している。また、弾性層にフッ素樹脂粒子をスプレーなどで塗布した後、フッ素樹脂を焼成して離型層を形成している。このように、離型層をフッ素樹脂で形成することで、離型性、耐熱性に優れた定着ベルトとすることができる。しかしながら、上記フッ素樹脂は、屈曲性に乏しいため、ベルト曲率の小さい定着ローラと加熱ローラに張架されて長時間使用すると、離型層にクラックが生じてしまい、十分なベルト耐久性を得ることができなかった。
このような問題を解決するために、種々の提案がされている。例えば、特許文献3には、上記離型層を溶融度(MFR:メルトフローレート)3以下のフッ素樹脂にして、長時間使用してもクラックの発生しない定着ベルトとするものが記載されている。しかし、MFRが小さい低溶融度タイプのフッ素樹脂は、溶融時の流動性に乏しいため、焼成時に融けたフッ素樹脂が流れず、表面に凹凸のある平滑性の悪い定着ベルトとなってしまうという不具合があった。このような表面の平滑性の悪い定着ベルトを用いて画像定着を行うと、記録部材の定着画像に光沢ムラが発生し、画像の劣化を引き起こすという問題がある。
WO2004/066031号国際公開明細書 特開2002−268436号公報 特開2003−167462号公報
従来から離型性を向上させるためにトナー表面ワックス量を制御してきたが、離型性を確保できてもワックスの他部剤への移行及び現像剤の劣化を抑制できるレベルには至っていないので、本発明においてはさらに表面ワックスを減らすことを志向する。
また、MFRが異なる複数のフッ素樹脂を使用することにより、耐屈曲性と表面平滑性の両方に優れる定着部材が得られることが本発明において判明した。
耐屈曲性が高いと、曲率半径の小さい定着ベルトに使用できるので、離型性を向上させることができる。さらに長期間使用しても、離型層にクラックが生じることがない。すなわち、離型性と耐久性を同時に満足させることができる。
従来は耐屈曲性に優れる定着部材は表面平滑性に劣るというトレードオフの関係があったが、本発明の定着部材は、表面平滑性にも優れ、光沢ムラのない、優れた画像をも得ることができる。
従って、本発明の目的は、上記定着装置により離型性を担保できるので、トナーの表面ワックス量をさらに少なくすることができ、長期の使用において、感光体やキャリアなど他部材へのワックスの移行を抑制し、現像剤および装置の耐久性や寿命を向上させることができる。
即ち、上記課題は本発明の(1)「少なくとも定着媒体上のトナーを加圧定着する定着装置を有する画像形成装置において、前記定着装置は、表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素樹脂を複数以上含んでなり、前記トナーは少なくともC−H、C−C結合以外の結合を分子鎖中に含んでなるワックスを含有し、前記トナーの表面ワックス量が2〜5重量%であることを特徴とする画像形成装置」、
(2)「前記定着装置は、少なくとも1つ以上の曲率を有する部分を有し、前記曲率のうち最も小さい曲率の曲率半径が、2〜5mmであることを特徴とする前記第(1)項に記載の画像形成装置」、
(3)「前記最も曲率半径の小さい曲率は、定着装置の回転方向における定着ニップ下流で最も近接した位置に配置されることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成装置」、
(4)「定着媒体と定着装置の離型が、前記定着ニップ下流で最も近接した位置で行われることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(5)「前記定着装置は、少なくとも2つ以上のローラ部材とベルト部材により構成され、前記ベルト表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素樹脂を複数以上含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)の何れかに記載の画像形成装置」、
(6)「前記ワックスは、カルナバワックス、ライスワックス、モンタン系ワックス、エステルワックスのいずれか、もしくはこれらのいずれかの組み合わせであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(7)「前記トナーは、ワックスの含有量が全トナーの5〜10重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(8)「前記トナーの結着樹脂は、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(9)「前記ポリエステル樹脂は、少なくとも非架橋成分と架橋成分を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の画像形成装置」、
(10)「前記トナーは、水系で造粒され、ポリエステル樹脂よりなる少なくとも非架橋成分と架橋成分を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項の何れかに記載の画像形成装置。」により達成される。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、離型性を担保できて、トナーの表面ワックス量をさらに少なくすることができ、長期の使用において、感光体やキャリアなど他部材へのワックスの移行を抑制し、現像剤および装置の耐久性や寿命を向上させることができ、定着温度の上限下限の幅を持たせることができ、ホットオフセットを生じ難く、画像の汚染を生じ難く、ベルト耐久性に優れ、良好な画質の画像を得ることができる優れた定着方法及び定着装置が提供されるという極めて優れた効果を奏するものである。
(定着装置)
以下、本発明に係る画像形成装置の一例を図1に示す。
この画像形成装置は、記録媒体としての転写紙(P)を搬送する搬送ベルト(20)に沿って、その移動方向の上流側から順に、複数個の画像形成ユニット(10Y),(10M),(10C),(10Bk)が配列された所謂タンデム型の画像形成装置である。このタンデム型の画像形成装置の移動体である搬送ベルト(20)の駆動装置として、特定構成の移動体駆動装置を用いることができる。
この画像形成装置における各画像形成ユニットは、周知の電子写真プロセスにより、(10Y)がイエロー、(10M)がマゼンタ、(10C)がシアン、(10Bk)が黒の画像を順次形成するように構成されている。なお、これらの各画像形成ユニットは、形成する画像の色が異なるだけで、それぞれ共通した内部構成を有している。そこで、各画像形成ユニットの構成は、図1に示すように、それぞれに共通の構成要素を示す符号の末尾にY、M、C、Bkの文字を付して、各画像形成ユニットを区別することとする。そして、以下の説明では、主に画像形成ユニット(10Y)の構成について示し、この画像形成ユニット(10Y)の構成を示すことで、他の画像形成ユニットの構成も示したものとする。
図1において、搬送ベルト(20)は、無端状のエンドレスベルトで構成されている。この搬送ベルト(20)は、駆動回転される駆動ローラ(7)と、従動回転される従動ローラ(8)とによって回転自在に張架されており、駆動ローラ(7)の回転により矢印の向きに回転する。搬送ベルト(20)の下方には、転写紙束が収納された給紙トレイ(50)が配設されている。給紙トレイ(50)に収納された転写紙束のうち、最上位置にある転写紙(P)は、画像形成時に送り出され、ガイドローラ対(30)(30)を経て、静電吸着により搬送ベルト(20)の外周面に吸着される。この搬送ベルト(20)の外周面に吸着された転写紙(P)は、まず、搬送ベルト(20)の回転方向の最上流側に配置された画像形成ユニット(10Y)に搬送される。
この画像形成ユニット(10Y)は、像担持体としての感光体ドラム(1Y)、感光体ドラム(1Y)の周囲に配置された帯電器(2Y)、露光器(3Y)、現像器(4Y)、感光体クリーナ(6Y)などから構成されている。
上記露光器(3Y)は、レーザスキャナからなり、レーザ光源からのレーザ光をポリゴンミラーで反射させ、fθレンズや偏向ミラー等を用いた光学系を介してレーザ光を出射するように構成されている。
上記感光体ドラム(1Y)の周面は、画像形成に際し、暗中にて上記帯電器(2Y)により一様に帯電される。その後、この帯電された感光体ドラム(1Y)の周面に、上記露光器(3Y)からのイエロー画像に対応した画像光からなるレーザ光が露光される。この露光により、感光体ドラム(1Y)の周面に、イエロー画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、上記現像器(4Y)から供給されるイエロートナーにより可視像化される。これにより、感光体ドラム(1Y)上にイエロートナー像が形成される。
このイエロートナー像は、感光体ドラム(1Y)と搬送ベルト(20)上の転写紙(P)とが接する転写位置で、搬送ベルト(20)を挟んで感光体ドラム(1Y)に対向配置された転写器(5Y)により転写紙(P)上に転写される。この転写により、転写紙(P)上にイエロートナー像が形成される。この転写を終えた感光体ドラム(1Y)は、その周面に残留した不要なトナーが上記感光体クリーナ(6Y)により除去されて、次の画像形成に備えられる。
このようにして、画像形成ユニット(1Y)でイエロー色のトナー像を転写された転写紙(P)は、搬送ベルト(20)によって次の画像形成ユニット(10M)に搬送される。この画像形成ユニット(10M)では、画像形成ユニット(10Y)場合と同様のプロセスにより感光体ドラム(1M)上にマゼンタトナー像が形成される。このマゼンタトナー像は、感光体ドラム(1M)と搬送ベルト(20上)の転写紙(P)とが接する転写位置で、転写器(5M)により転写紙(P)上のイエロートナー像に重ね合わせて転写される。
このイエロートナー像及びマゼンタトナー像を転写された転写紙(P)は、搬送ベルト(20)によって次の画像形成ユニット(10C)に搬送される。この画像形成ユニット(10C)では、画像形成ユニット(10Y),(10M)の場合と同様のプロセスにより感光体ドラム(1C)上にシアントナー像が形成される。このシアントナー像は、感光体ドラム(1C)と搬送ベルト(20)上の転写紙(P)とが接する転写位置で、転写器(5C)により転写紙(P)上のイエロートナー像及びマゼンタトナー像に重ね合わせて転写される。
このイエロー、マゼンタ、及びシアンの各色のトナー像を転写された転写紙(P)は、搬送ベルト(20)によって次の画像形成ユニット(10Bk)に搬送される。この画像形成ユニット(10Bk)では、画像形成ユニット(10Y),(10M),(10C)の場合と同様にして感光体ドラム(1Bk)上に黒トナー像が形成される。この黒トナー像は、感光体ドラム(1Bk)と搬送ベルト(20)上の転写紙(P)とが接する転写位置で、転写器(5Bk)により転写紙(P)上の各色のトナー像に重ね合わせて転写される。
これにより、転写紙(P)上に、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の各色のトナー像が合成されたフルカラーのカラー画像が形成される。そして、このフルカラーの合成画像が形成された転写紙(P)は、画像形成ユニット(10Bk)を通過した後、搬送ベルト(20)から剥離されて定着装置(40)にて定着された後、排紙される。
図2は、ベルト方式の定着装置(40)の説明図である。図2に示されているように、この定着装置(40)は、加熱ローラ(44)と定着ローラ(41)とによって回転可能に設けた定着ベルト(45)を備えている。定着ローラ(41)は、金属製の芯金の外周に耐熱性のスポンジゴム層を有している。加熱ローラ(44)は、金属製の芯金にハロゲンランプ(46)等の加熱手段を内蔵しており、この輻射熱によって定着ベルト(45)を内側から加熱している。また、加熱ローラ(44)と対向する位置には、温度センサ素子であるサーミスタ(49)を配置し、定着ベルト(45)の中央部に接触して定着ベルト(45)の表面温度を検知する。加熱ローラ(44)は制御設定温度が設定されており、サーミスタ(49)の温度検知に基づき、その設定温度になるように図示されていない温度制御装置によってハロゲンランプ(46)の点灯を制御する。また、定着ベルト(45)を介して定着ローラ(41)に接するように設けた加圧ローラ(42)を備えている。加圧ローラ(42)は、バネ(43)によって定着ローラ(45)を加圧している。また、加圧ローラ(42)は、図示しない駆動手段によって回転しており、これにより、定着ローラ(41)が従動回転するようになっている。定着ベルトの移動方向に対して加圧ローラ(42)が接触する定着ニップより上流側に、定着ベルト(45)の中央部付近に接触するテンションローラ(47)が設けられている。このテンションローラ(47)は、バネ(48)によって図中左側に加圧され、これにより、定着ベルト(45)にテンションが付与されている。なお、この実施形態においては、駆動手段を加圧ローラ(42)に設けているが、定着ローラ(41)に設け、加圧ローラ(42)を従動回転させてもよい。また、加圧ローラ(42)と定着ローラをギヤで噛み合わせ、加圧ローラ(42)と定着ローラ(41)両方に駆動手段の駆動力をギヤを介して伝達するようにして、加圧ローラ(42)と定着ローラ(41)両方を回転駆動させても良い。
このようなベルト方式の定着装置(40)は、加熱ローラ(44)で加熱された定着ベルト(45)と加圧ローラ(42)との間に転写紙を通過させて、転写紙(P)の上に付着しているトナーを定着ベルト(45)の熱により軟化させつつ加圧ローラ(42)で加圧して転写紙上に定着させる。
このとき、定着ローラ(41)と加圧ローラ(42)により形成されるニップ部の、出口形状における定着ローラ(41)の曲率半径をできるだけ小さくすることが好ましい。好ましくは、2〜5mmである。曲率半径が小さい場合には、転写紙はニップ部から出てきたところで大きく曲げられることになるため、トナーのオフセットや、記録紙の定着ベルトへの巻き付きを発生することなく、記録紙のコシにより分離することが容易になる。定着ローラ(41)の曲率半径を小さくする手段としては、例えば、加圧ローラ(42)よりも定着ローラ(41)の表面硬度を低くして、加圧ローラ(42)が定着ローラ(41)に食い込んだ上に凸型のニップ形状を形成させればよい。
図3は、定着ベルト(45)の断面図である。図3に示すように、ポリイミドなどの耐熱性樹脂からなる円筒状のフィルム基体(451)の外周に、プライマーを介してシリコーンゴムからなる弾性層(452)を有している。さらに弾性層(452)の外周にプライマーを介してフッ素樹脂からなる層厚20μm以上の離型層(453)を有している。基体(451)は、耐熱性と機械的強度を備えた材料であればよく、ポリイミドなどの耐熱性樹脂の他に、例えば、NiやSUSなどの金属でも良い。弾性層(452)は、安定した定着性能を得るため、トナーおよび転写紙に対して熱と圧力を均一に与える材質であれば良く、弾性を有し、断熱性のある材料であれば良い。離型層(453)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)共重合体などの公知のフッ素樹脂あるいはこれらをブレンドした材料を用いることができる。上記のような材質からなる離型層は、弾性層(452)上にプライマーを介して塗布・焼成することで得ることができる。
上記離型層のフッ素樹脂は、MFRの異なる種類のフッ素樹脂からなっている。MFRの大きいフッ素樹脂は、溶融したときの流動性に優れている。このため、弾性層に付着したMFRの大きいフッ素樹脂は、焼成により定着ベルト表面に均一な膜を形成することができ、表面平滑性の高い定着ベルトとすることができる。しかし、MFRの大きいフッ素樹脂は、耐屈曲性に乏しいため、上記定着ローラ(41)と加熱ローラ(44)との張架やテンションローラ(47)の加圧等によって、使用中にクラックが発生しやすい。特に、ベルトの曲率半径の小さい場合において、顕著である。一方、MFRの小さいフッ素樹脂は、耐屈曲性に優れているため、長期間使用してもクラックが発生しにくい。しかし、MFRの小さいフッ素樹脂は、溶融したときの流動性が悪いため、塗布されて弾性層に付着したフッ素樹脂は、焼成時に流動しないため、定着ベルト表面に均一な膜を形成することができない。このため、表面に凹凸のある平滑性の悪い定着ベルトとなってしまう。上記のように離型層のフッ素樹脂をMFRの異なる種類のフッ素樹脂にすることで、離型層のフッ素樹脂のうちMFRが大きいほうのフッ素樹脂は、定着ベルト表面を平滑にし、離型層のフッ素樹脂のうちMFRが小さいほうのフッ素樹脂は、耐屈曲性の良好にする。これにより、耐久性、平滑性のバランスのとれた定着ベルトとすることができる。
また、上記フッ素樹脂のうち、MFRの大きいほうのフッ素樹脂を35〜60重量%配合するのが好ましく、フッ素樹脂のうちMFRの大きいほうのフッ素樹脂とMFRの小さいほうのフッ素樹脂の混合比を1:1にするのがより好ましい。このように、離型層のフッ素樹脂のMFRの大きいほうのフッ素樹脂とMFRの小さいほうのフッ素樹脂との割合をほぼ同程度とすることで、耐久性、平滑性のバランスのとれた定着ベルトとすることができる。また、離型層の厚みは、20μm以上とするのが好ましい。離型層の厚みが20μm以下の場合、弾性層に塗布され付着したフッ素樹脂粒子の層が、MFRの小さいフッ素樹脂粒子とMFRの大きいフッ素樹脂粒子とが分散した層が形成されにくくなる。よって、図4(a)に示すように、MFRの大きなフッ素樹脂粒子のみで形成された層や、MFRの小さなフッ素樹脂粒子のみで形成された層が存在するようになる。このような層が形成されたフッ素樹脂粒子を焼成して作成された定着ベルトは、MFRの大きなフッ素樹脂のみで形成された層の部分で耐屈曲性が悪くクラックが発生しやすくなり、MFRの小さなフッ素樹脂のみで形成された層の部分が突出して表面平滑性を損なってしまう。しかし、上記のように層厚を20μm以上とすることで、図4(b)に示すように弾性層に塗布され付着したフッ素樹脂粒子の層は、MFRの大きなフッ素樹脂粒子と、MFRの小さなフッ素樹脂粒子とが充分に分散した層となる。これにより、耐屈曲性、表面平滑性の良好な定着ベルトとすることができる。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくともバインダ樹脂、着色剤、ワックスとを含んで構成されるトナーであって、トナーの表面ワックス量が2〜5重量%であることを特徴とする。表面ワックス量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる。FTIR−ATR法の測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナー粒子の表面から0.3μmの深さ領域における相対的なワックス量を求めることができる。測定方法は以下のとおりである。
まず、試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP-E ; MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして40mmφ(厚さ約2mm)ペレットを作製した。そのトナーペレット表面をFTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER社製Spectrum OneにMulti Scope FTIRユニットを設置したもので、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRで測定した。赤外線の入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回で測定した。
得られたワックス由来のピーク(PWAX)とバインダ樹脂由来のピーク(Presin)との強度比(PWAX/Presin)をトナー粒子表面近傍の相対的なワックス量とした。値は測定場所を変えて4回測定した後の平均値を用いた。
この相対的なワックス量であるピーク強度比(PWAX/Presin)から、トナー表面の絶対的なワックス量を算出するため、以下の方法で検量線を作成した。バインダ樹脂中にワックスを1,3,5,8,10質量%混合し、瑪瑙乳鉢で充分に均一分散させた擬似トナーサンプルをペレットにし、上記トナーと同様の方法でFTIR−ATR法によりピーク強度比(PWAX/Presin)を測定した。擬似トナー中のワックス量は既知であるので、検量線より絶対的なトナー表面ワックス量(質量%)を算出した。
本発明のトナーは、表面ワックス量が2〜5重量%であることが好ましい。表面ワックス量が2重量%未満では、トナー粒子表面近傍のワックス量が少なく、定着時に充分な離型を得ることができない。5重量%以上では、トナー粒子表面近傍のワックス量が多くなり、長期の使用において、感光体やキャリアなど他部剤へのワックスの移行が発生してしまう。
(ワックス)
融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着部材とトナー界面との間で働き、これにより定着部材にオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。
本発明のワックスは、少なくともC−H、C−C結合以外の結合を分子鎖中に含んでなる。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられるが、C−H、C−C結合以外の結合を分子鎖中に含んでいれば、これに限定されない。カルナバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
(結着樹脂)
本発明のトナーの結着樹脂としては、ポリエステルが好適に用いられる。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。このポリエステルを、着色料、ワックス等の他のトナー用原料と共に溶融・混練し、生成物を粉砕、分級する粉砕法により製造することができる。
また好ましくは、水系造粒方法、特に、有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体例えばポリエステル重合体(ポリエステルプレポリマー)、着色剤、離型剤を溶解又は分散させてなる有機液相、又は、これら活性水素基を有する化合物、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤のうち少なくとも1部を含有する組成物を溶解又は分散させてなる有機液相を、水系媒体中で液滴状に分散させ、該活性水素基を有する化合物と、活性水素基と反応可能な部位を有する重合体とを反応(好ましくは伸長反応又は部分架橋反応)させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナーを得る水系反応・造粒法によって、製造することができる。
ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)および(B1)と少量の(B2)の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(トナーの製造方法)
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液(有機液相、油相)を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミ
ド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能なものを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、荷電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。
しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行なっても、安定した画像品質が得られる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
<定着ベルトの製造例1>MFR大+MFR小
製造例1の定着ベルトは次のようにして作製した。ポリイミドからなる厚さ90μmの円筒状のエンドレスフィルム基体の外周に、プライマー(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY39−067)をスプレーコートにて厚さ4μmで成膜し、室温乾燥した。その後、2液付加型液状シリコーンゴム(東レ・ダウコーニングシリコーン社製DY35−2083)を2液混合後、トルエンにて適量希釈した。この溶液をスプレーコートにて厚さ200μmで塗布、120℃10分硬化後、さらに200℃4時間2次硬化して弾性層を形成した。次に、プライマー(三井・デュポンフロロケミカル社製PR−990CL)を4μm厚でスプレーコートした後、150℃30分乾燥した。その後、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−950HP Plus)と、372℃、5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径が0.1μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合した混合ディスパージョンを30μm厚でスプレーコートした。その後340℃で30分間焼成(PFA粒子を融かして)して離型層を形成し、実施例1の定着ベルトを得た。
<定着ベルトの製造例2>MFR小のみ
製造例2の定着ベルトは、製造例1と同様に作成した弾性層上に、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が2[g/10min]で平均粒子径0.1μmのPFAと、平均粒子径が10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合したディスパージョンを用いて離型層を形成し、比較例1の定着ベルトを得た。離型層の厚みなど、その他の条件は、実施例1と同じである。
<定着ベルトの製造例3>MFR大のみ
製造例3の定着ベルトは、製造例1と同様に作成した弾性層上に、372℃,5kgf荷重におけるMFR(測定規格JIS K 7210)が7[g/10min]で平均粒子径0.1μmのPFAと、平均粒子径が10μmのPFA(三井・デュポンフロロケミカル社製PFA−945HP Plus)を1/1で混合したディスパージョンを用いて離型層を形成し、比較例2の定着ベルトを得た。離型層の厚みなど、その他の条件は、実施例1と同じである。
<トナーの製造例1>ベストモード
(有機微粒子エマルジョンの合成)
攪拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
(水相の調製)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物206部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物509部、テレフタル酸200部、無水トリメリット酸41部、アジピン酸44部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間重縮合し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応して[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量3300、重量平均分子量6900、ピーク分子量3800、Tg43℃、酸価24であった。
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間重縮合し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]数平均分子量3400、重量平均分子量11000、ピーク分子量3000、Tg52℃、酸価1、水酸基価52であった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]413部、イソホロンジイソシアネート87部、酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。(ケチミンの合成)
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
(マスターバッチの合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex60:デグサ製)540部、[低分子ポリエステル1]1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(油相の作製)
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス(RN−05:セラリカ野田社製)100部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
(乳化〜脱溶剤)
[顔料・ワックス分散液1]749部、[プレポリマー1]115部、[ケチミン化合物]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000rpmで2分間攪拌した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で7時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
(洗浄〜乾燥)
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
I:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
II:Iの濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
III:IIの濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
IV:IIIの濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。その後、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン1部をヘンシェルミキサーにて混合して[トナー1]を得た。
<トナーの製造例2>表面WAX多い
トナーの製造例1において、油相の作製の工程を以下の条件に変更した以外は製造例1と同様にしてトナーを得た。
(油相の作製)
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス(RN−05:セラリカ野田社製)400部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液2]を得た。
[原料溶解液2]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液2]を得た。[顔料・ワックス分散液2]の固形分濃度は50%であった。
<トナーの製造例3>表面WAX少ない
トナーの製造例1において、油相の作製の工程を以下の条件に変更した以外は製造例1と同様にしてトナーを得た。
(油相の作製)
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバワックス(RN−05:セラリカ野田社製)50部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液3]を得た。
[原料溶解液3]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液3]を得た。[顔料・ワックス分散液3]の固形分濃度は50%であった。
<トナーの製造例4>パラフィン
トナーの製造例1において、油相の作製の工程を以下の条件に変更した以外は製造例1と同様にしてトナーを得た。
(油相の作製)
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(HNP−11:日本精鑞製)100部、酢酸エチル947部を仕込み、攪拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液4]を得た。
[原料溶解液4]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液4]を得た。[顔料・ワックス分散液4]の固形分濃度は50%であった。
製造例1〜3の定着ベルト、および製造例1〜4のトナーを表1のように組み合わせ、上述した定着装置(40)に組み込み、各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
<評価項目>
(定着特性)
リコー製imagio Neo C385を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200及びNBSリコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.8±0.05mg/cm2のトナーが現像されるように調整を行ない、定着装置(40)にて定着ベルトの温度が可変となるように調整を行なって、普通紙でオフセットの発生しない温度を、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
(汚染性)
現像ローラまたは感光体上のトナーフィルミング発生状況の有無を観察した。○がフィルミングがなく、△はスジ上のフィルミングが見られ、×は全体的にフィルミングがある。
(ベルト耐久性)耐屈曲性
300,000枚出力後の離型層のクラックを目視することで評価した。クラックのないものを「○」、異常画像にならないレベルの軽微なクラックのあるものを「△」、異常画像になるレベルのクラックが出たものを「×」とした。
(画質)表面平滑性
画像を出力し、画像の光沢ムラを目視で確認することで評価した。光沢ムラのないものを「○」とし、軽微な光沢ムラが確認されたものを「△」、光沢ムラが顕著に現れたものを「×」とした。
Figure 2007079085
Figure 2007079085
本実施形態の定着部材(定着ベルト)を用いた画像形成装置を示す概略図である。 本実施形態の定着部材(定着ベルト)を用いた定着装置を示す概略図である。 定着部材(定着ベルト)の断面図である。 (a)は、20μm以下の厚みの離型層を形成するときの弾性層に付着するフッ素樹脂粒子の概略説明図である。(b)は、20μm以上の厚みの離型層を形成するときの弾性層に付着するフッ素樹脂粒子の概略説明図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電器
3Y、3M、3C、3Bk 露光器
4Y、4M、4C、4Bk 現像器
5Y、5M、5C、5Bk 転写器
6Y、6M、6C、6Bk 感光体クリーナ
7 駆動ローラ
8 従動ローラ(図1中に記入、回転方向矢印も)
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
20 搬送ベルト
30 ガイドローラ対
40 定着装置
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43 バネ
44 加熱ローラ
45 定着ベルト
46 ハロゲンランプ
47 テンションローラ
48 バネ
49 サーミスタ
50 給紙トレイ
451 フィルム基体
452 弾性層
453 離型層
P 転写紙

Claims (10)

  1. 少なくとも定着媒体上のトナーを加圧定着する定着装置を有する画像形成装置において、前記定着装置は、表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素樹脂を複数以上含んでなり、前記トナーは少なくともC−H、C−C結合以外の結合を分子鎖中に含んでなるワックスを含有し、前記トナーの表面ワックス量が2〜5重量%であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着装置は、少なくとも1つ以上の曲率を有する部分を有し、前記曲率のうち最も小さい曲率の曲率半径が、2〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記最も曲率半径の小さい曲率は、定着装置の回転方向における定着ニップ下流で最も近接した位置に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 定着媒体と定着装置の離型が、前記定着ニップ下流で最も近接した位置で行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記定着装置は、少なくとも2つ以上のローラ部材とベルト部材により構成され、前記ベルト表面部に少なくとも異なるMFRを有するフッ素樹脂を複数以上含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 前記ワックスは、カルナバワックス、ライスワックス、モンタン系ワックス、エステルワックスのいずれか、もしくはこれらのいずれかの組み合わせであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の画像形成装置。
  7. 前記トナーは、ワックスの含有量が全トナーの5〜10重量%であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の画像形成装置。
  8. 前記トナーの結着樹脂は、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像形成装置。
  9. 前記ポリエステル樹脂は、少なくとも非架橋成分と架橋成分を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の画像形成装置。
  10. 前記トナーは、水系で造粒され、ポリエステル樹脂よりなる少なくとも非架橋成分と架橋成分を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の画像形成装置。
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