JP2000321908A - 定着部材、定着装置及び画像形成方法 - Google Patents
定着部材、定着装置及び画像形成方法Info
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- JP2000321908A JP2000321908A JP12975099A JP12975099A JP2000321908A JP 2000321908 A JP2000321908 A JP 2000321908A JP 12975099 A JP12975099 A JP 12975099A JP 12975099 A JP12975099 A JP 12975099A JP 2000321908 A JP2000321908 A JP 2000321908A
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- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 離型性、耐久性に優れ、かつ均一定着を可能
にして高画質のフルカラー画像の形成に適した定着用部
材、定着装置及び画像形成方法を提供しようとするもの
である。 【解決手段】 担体上に高分子組成物層を備えた電子写
真用定着部材に関し、前記定着部材の少なくとも最外層
は溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層から
なり、かつ前記最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’
が120〜200℃で1.40×10-3〜3.00×1
0-2GPaの範囲にあることを特徴とする電子写真用定
着部材、定着装置及び画像形成方法である。
にして高画質のフルカラー画像の形成に適した定着用部
材、定着装置及び画像形成方法を提供しようとするもの
である。 【解決手段】 担体上に高分子組成物層を備えた電子写
真用定着部材に関し、前記定着部材の少なくとも最外層
は溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層から
なり、かつ前記最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’
が120〜200℃で1.40×10-3〜3.00×1
0-2GPaの範囲にあることを特徴とする電子写真用定
着部材、定着装置及び画像形成方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写装置、プリンターその他の画像形成装置の定着装置に
用いられるロール状やベルト状の定着部材、前記定着部
材を用いた定着装置、及び画像形成方法に関するもので
ある。
写装置、プリンターその他の画像形成装置の定着装置に
用いられるロール状やベルト状の定着部材、前記定着部
材を用いた定着装置、及び画像形成方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写装置やプリンター等
の種々の画像形成装置においては、用紙等の転写体上に
形成されたトナー像を固定するための定着工程を経る。
定着工程では、ランプ等の発熱体内蔵の定着用ロールと
加圧用ロールとを備えた定着装置に前記転写体を通し、
前記ロールで加熱加圧してトナーを転写体に融着し、ト
ナー像を固定する方法が採られている。
の種々の画像形成装置においては、用紙等の転写体上に
形成されたトナー像を固定するための定着工程を経る。
定着工程では、ランプ等の発熱体内蔵の定着用ロールと
加圧用ロールとを備えた定着装置に前記転写体を通し、
前記ロールで加熱加圧してトナーを転写体に融着し、ト
ナー像を固定する方法が採られている。
【0003】図3は従来の熱ロール定着装置の概念図で
ある。この装置は加熱定着ロール1と加圧ロール11を
対向配置してなる定着ニップを有する。加熱定着ロール
1はアルミニウム、鉄などの円筒状の中空芯金2の表面
に、離型性に優れた耐熱性含フッ素エラストマーや耐熱
性フッ素樹脂からなる最外層4が被覆されている。最外
層4にはフッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロエチレン
とパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(P
FA)などの含フッ素高分子が用いられる。そして、加
熱ロール1はハロゲンランプ等の発熱体21を内蔵して
ヒートロール機能を果たしている。
ある。この装置は加熱定着ロール1と加圧ロール11を
対向配置してなる定着ニップを有する。加熱定着ロール
1はアルミニウム、鉄などの円筒状の中空芯金2の表面
に、離型性に優れた耐熱性含フッ素エラストマーや耐熱
性フッ素樹脂からなる最外層4が被覆されている。最外
層4にはフッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)や、テトラフルオロエチレン
とパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(P
FA)などの含フッ素高分子が用いられる。そして、加
熱ロール1はハロゲンランプ等の発熱体21を内蔵して
ヒートロール機能を果たしている。
【0004】また、加圧ロール11は加熱定着ロール1
と基本的に同じ構造を有しており、中空芯金12の表面
に最外層14を被覆したものである。そして、加熱定着
ロール1と加圧ロール11は、ばね等で互いに張力が加
えられて定着ニップを形成している。なお、加熱定着ロ
ール1には発熱体21が付設されている。また、図中、
27はインレットシュートと、28はアウトレットシュ
ートであり、29は加熱定着ロール1の表面に離型剤を
塗布する離型剤塗布装置である。
と基本的に同じ構造を有しており、中空芯金12の表面
に最外層14を被覆したものである。そして、加熱定着
ロール1と加圧ロール11は、ばね等で互いに張力が加
えられて定着ニップを形成している。なお、加熱定着ロ
ール1には発熱体21が付設されている。また、図中、
27はインレットシュートと、28はアウトレットシュ
ートであり、29は加熱定着ロール1の表面に離型剤を
塗布する離型剤塗布装置である。
【0005】この熱ロール定着装置では、表面に未定着
トナー像32を保持する転写用紙31が、加熱定着ロー
ル1と加圧ロール11からなる定着ニップに搬送され、
定着ニップで加熱圧接されて転写用紙31にトナー像を
定着した後、アウトレットシュート28を経て回収され
る。
トナー像32を保持する転写用紙31が、加熱定着ロー
ル1と加圧ロール11からなる定着ニップに搬送され、
定着ニップで加熱圧接されて転写用紙31にトナー像を
定着した後、アウトレットシュート28を経て回収され
る。
【0006】前記最外層は、加熱定着ロールの担体表面
を保護し、かつ溶融したトナーを付着しないようにする
のがその役目である。一般に加熱定着時に、溶融したト
ナーの一部が前記最外層に付着して転写用紙上のトナー
像を乱すホットオフセット現象や、溶融したトナーによ
り転写用紙が加熱定着ロールに巻き付く現象を起こすこ
とがある。このホットオフセットや巻き付きを防止する
ことは何よりも重要なことである。
を保護し、かつ溶融したトナーを付着しないようにする
のがその役目である。一般に加熱定着時に、溶融したト
ナーの一部が前記最外層に付着して転写用紙上のトナー
像を乱すホットオフセット現象や、溶融したトナーによ
り転写用紙が加熱定着ロールに巻き付く現象を起こすこ
とがある。このホットオフセットや巻き付きを防止する
ことは何よりも重要なことである。
【0007】また、加熱定着ロールは、複写装置等の始
動時に約200℃の高温に加熱され、停止時には室温ま
で冷却される。この加熱冷却サイクルに耐えることも要
求される。さらに、加熱定着ロールの最外層は、対向配
置された加圧部材と圧接した状態にあるだけでなく、転
写用紙との摩擦にも耐え、さらに、転写用紙の巻きつき
を防止する目的で分離爪が常時近接しているため、機械
的ストレスに対する耐久性も要求される。
動時に約200℃の高温に加熱され、停止時には室温ま
で冷却される。この加熱冷却サイクルに耐えることも要
求される。さらに、加熱定着ロールの最外層は、対向配
置された加圧部材と圧接した状態にあるだけでなく、転
写用紙との摩擦にも耐え、さらに、転写用紙の巻きつき
を防止する目的で分離爪が常時近接しているため、機械
的ストレスに対する耐久性も要求される。
【0008】定着の目的は、トナーを転写用紙に固定す
ることにあるが、同時にトナーを発色させて可視画像を
形成することにもある。一般の白黒画像では発色に関す
る問題はほとんどないが、フルカラー画像で特に高い画
質を得るためには、発色の問題が非常に重要である。フ
ルカラー複写機の画像形成方法は、シアン、マゼンタ、
イエロー及び黒の4種のトナーを用い、各色のトナー像
を順次重ねて形成した後、加熱溶融して2次色さらには
3次色の色再現を行ってフルカラー画像を構成する。そ
の際、例えば2種類のトナーの重ね合わせによって2次
色を得る場合、実際に得られる2次色との色差はトナー
層の光の透過性によって決定される。即ち、トナー層内
部に空隙等が存在すると光散乱を招くし、トナー像表面
に凹凸が存在すると乱反射を生じて発色が妨げられる。
ることにあるが、同時にトナーを発色させて可視画像を
形成することにもある。一般の白黒画像では発色に関す
る問題はほとんどないが、フルカラー画像で特に高い画
質を得るためには、発色の問題が非常に重要である。フ
ルカラー複写機の画像形成方法は、シアン、マゼンタ、
イエロー及び黒の4種のトナーを用い、各色のトナー像
を順次重ねて形成した後、加熱溶融して2次色さらには
3次色の色再現を行ってフルカラー画像を構成する。そ
の際、例えば2種類のトナーの重ね合わせによって2次
色を得る場合、実際に得られる2次色との色差はトナー
層の光の透過性によって決定される。即ち、トナー層内
部に空隙等が存在すると光散乱を招くし、トナー像表面
に凹凸が存在すると乱反射を生じて発色が妨げられる。
【0009】それ故、定着時にはトナーが均一に溶融さ
れ定着されることが重要である。均一な定着には、定着
装置の定着部材がトナーの凹凸に確実に接触できるよう
に弾性を備えている必要がある。この弾性は、担体上に
耐熱性エラストマーの弾性層を被覆した上に、耐熱性樹
脂の最外層を被覆するか、最外層に耐熱性エラストマー
を配合して前記の弾性を確保する方法がある。
れ定着されることが重要である。均一な定着には、定着
装置の定着部材がトナーの凹凸に確実に接触できるよう
に弾性を備えている必要がある。この弾性は、担体上に
耐熱性エラストマーの弾性層を被覆した上に、耐熱性樹
脂の最外層を被覆するか、最外層に耐熱性エラストマー
を配合して前記の弾性を確保する方法がある。
【0010】このように、電子写真方式の画像形成装
置、特に画質が重視されるフルカラー複写機において
は、離型性、耐熱性、及び機械的耐久性の点から、定着
部材の最外層の材料は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、
フッ素樹脂等のシリコーン系高分子材料、フッ素系の耐
熱性エラストマーもしくは耐熱性樹脂などに限定され
る。しかし、実際にはそれぞれの定着部材の材料毎にい
くつかの問題点がある。
置、特に画質が重視されるフルカラー複写機において
は、離型性、耐熱性、及び機械的耐久性の点から、定着
部材の最外層の材料は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、
フッ素樹脂等のシリコーン系高分子材料、フッ素系の耐
熱性エラストマーもしくは耐熱性樹脂などに限定され
る。しかし、実際にはそれぞれの定着部材の材料毎にい
くつかの問題点がある。
【0011】まず、フッ素ゴムには次のような問題があ
る。フッ素ゴムは架橋剤を添加し加熱することで主鎖を
架橋してゴム化するが、未反応の官能基や架橋剤がゴム
中に残存し、その結果表面エネルギーが高くなる。最外
層にこの種のフッ素ゴムを使用すると、表面エネルギー
が高いためにトナーに対する離型性を確保することがで
きなくなる。そこで、未定着トナー像に直接圧接する側
の加熱定着ロールの表面にシリコンオイルなどの離型剤
を供給し、未定着トナー像と定着ロール表面との間に離
型剤層を形成してトナー像の剥離を容易にする方法が採
用されている。
る。フッ素ゴムは架橋剤を添加し加熱することで主鎖を
架橋してゴム化するが、未反応の官能基や架橋剤がゴム
中に残存し、その結果表面エネルギーが高くなる。最外
層にこの種のフッ素ゴムを使用すると、表面エネルギー
が高いためにトナーに対する離型性を確保することがで
きなくなる。そこで、未定着トナー像に直接圧接する側
の加熱定着ロールの表面にシリコンオイルなどの離型剤
を供給し、未定着トナー像と定着ロール表面との間に離
型剤層を形成してトナー像の剥離を容易にする方法が採
用されている。
【0012】しかし、離型剤は定着時にトナー像を担持
する転写体に付着する。その結果、用紙やOHPフィル
ム等の転写体表面がべとつき、テープ類を付着できない
といった問題や、離型剤の供給装置を定着装置に付設す
る必要があるため、定着装置の小型化や低コスト化に逆
行するといった問題がある。そこで、定着部材の最外層
は、摩擦に対する耐久性を確保しつつ、定着部材に供給
される離型剤の量を少量にするか、ほとんど使用しない
ような状態でトナーに対する離型性を確保することが重
要な課題となる。
する転写体に付着する。その結果、用紙やOHPフィル
ム等の転写体表面がべとつき、テープ類を付着できない
といった問題や、離型剤の供給装置を定着装置に付設す
る必要があるため、定着装置の小型化や低コスト化に逆
行するといった問題がある。そこで、定着部材の最外層
は、摩擦に対する耐久性を確保しつつ、定着部材に供給
される離型剤の量を少量にするか、ほとんど使用しない
ような状態でトナーに対する離型性を確保することが重
要な課題となる。
【0013】シリコーンゴムには次のような問題があ
る。定着部材の使用開始当初は、シリコーンゴム中に含
まれるフリーオイルが定着部材の最外層表面に染み出す
ので、離型剤を塗布する必要はない。しかし、使用する
につれてフリーオイルの染み出しがなくなり、離型性が
急激に低下する。他方、シリコーンゴム製の定着部材の
最外層に離型剤を供給すると、シリコーンゴムが膨潤し
て強度が低下するといった別の問題が生ずる。そして、
摩擦に対する耐久性も一般にフッ素ゴムよりも劣る。
る。定着部材の使用開始当初は、シリコーンゴム中に含
まれるフリーオイルが定着部材の最外層表面に染み出す
ので、離型剤を塗布する必要はない。しかし、使用する
につれてフリーオイルの染み出しがなくなり、離型性が
急激に低下する。他方、シリコーンゴム製の定着部材の
最外層に離型剤を供給すると、シリコーンゴムが膨潤し
て強度が低下するといった別の問題が生ずる。そして、
摩擦に対する耐久性も一般にフッ素ゴムよりも劣る。
【0014】また、フッ素樹脂には次のような問題があ
る。フッ素樹脂は、表面エネルギーが低く反応性の官能
基を有していないので離型性が良好であり、離型剤をほ
とんど塗布する必要がない。また、フッ素樹脂は機械的
強度に優れ、耐久性も一般的に良好である。しかし、フ
ッ素樹脂そのものは剛性が著しく高いので、仮に定着部
材の担体と最外層との間に弾性層が介在させても、フッ
素樹脂製の最外層の表面がトナー像の凹凸に応じて十分
に変形することができず、最外層をトナー像に均一に接
触させることが難しくなる。その結果、トナーが加熱定
着工程で溶融される前に潰され、トナー像を均一に定着
できないという問題が発生する。これは高画質適性を損
なう要因となる。
る。フッ素樹脂は、表面エネルギーが低く反応性の官能
基を有していないので離型性が良好であり、離型剤をほ
とんど塗布する必要がない。また、フッ素樹脂は機械的
強度に優れ、耐久性も一般的に良好である。しかし、フ
ッ素樹脂そのものは剛性が著しく高いので、仮に定着部
材の担体と最外層との間に弾性層が介在させても、フッ
素樹脂製の最外層の表面がトナー像の凹凸に応じて十分
に変形することができず、最外層をトナー像に均一に接
触させることが難しくなる。その結果、トナーが加熱定
着工程で溶融される前に潰され、トナー像を均一に定着
できないという問題が発生する。これは高画質適性を損
なう要因となる。
【0015】そこで、前記の材料の長所を生かすべく、
フッ素樹脂とフッ素ゴム、フッ素樹脂とシリコーンゴ
ム、あるいはフッ素ゴムとシリコーンゴムなどを複合化
して使用する定着部材が提案されている。例えば、フ
ッ素樹脂とフッ素ゴムの混合物を被覆して焼成する方法
(特開昭58−2864号公報、特開昭58−5770
号公報、特開昭58−27175号公報、特開昭61−
84671号公報、特開昭61−89845号公報、特
開昭63−112674号公報、特公平6−34131
号公報、特公平6−80472号公報、特公平6−72
89号公報、特公平6−100876号公報)や、フ
ッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを被覆する方法
(特開平6−250553号公報)、フッ素樹脂又は
フッ素ゴムをシリコーンゴムにブレンドする方法(特開
昭60−176073号公報)等が挙げられる。
フッ素樹脂とフッ素ゴム、フッ素樹脂とシリコーンゴ
ム、あるいはフッ素ゴムとシリコーンゴムなどを複合化
して使用する定着部材が提案されている。例えば、フ
ッ素樹脂とフッ素ゴムの混合物を被覆して焼成する方法
(特開昭58−2864号公報、特開昭58−5770
号公報、特開昭58−27175号公報、特開昭61−
84671号公報、特開昭61−89845号公報、特
開昭63−112674号公報、特公平6−34131
号公報、特公平6−80472号公報、特公平6−72
89号公報、特公平6−100876号公報)や、フ
ッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを被覆する方法
(特開平6−250553号公報)、フッ素樹脂又は
フッ素ゴムをシリコーンゴムにブレンドする方法(特開
昭60−176073号公報)等が挙げられる。
【0016】しかし、フッ素樹脂とフッ素ゴムの混合
物を焼成する方法は、焼成時にフッ素樹脂が溶融する3
00℃〜400℃程度の高温で加熱する必要があるが、
その加熱により、定着部材の担体と最外層の間に設けた
シリコーンゴムなどの弾性層が熱劣化し、所望の弾性を
失うという問題が発生する。また、フッ素ゴム中にフ
ッ素樹脂微粒子を分散させる方法は、転写用紙などとの
摩擦により定着部材の最外層からフッ素樹脂微粒子が脱
落し、最外層が所定の性能を維持できなくなる。さら
に、フッ素樹脂又はフッ素ゴムをシリコーンゴムにブ
レンドする方法は、フッ素樹脂又はフッ素ゴムとシリコ
ーンゴムの相容性が悪く、相分離を来すおそれがある。
物を焼成する方法は、焼成時にフッ素樹脂が溶融する3
00℃〜400℃程度の高温で加熱する必要があるが、
その加熱により、定着部材の担体と最外層の間に設けた
シリコーンゴムなどの弾性層が熱劣化し、所望の弾性を
失うという問題が発生する。また、フッ素ゴム中にフ
ッ素樹脂微粒子を分散させる方法は、転写用紙などとの
摩擦により定着部材の最外層からフッ素樹脂微粒子が脱
落し、最外層が所定の性能を維持できなくなる。さら
に、フッ素樹脂又はフッ素ゴムをシリコーンゴムにブ
レンドする方法は、フッ素樹脂又はフッ素ゴムとシリコ
ーンゴムの相容性が悪く、相分離を来すおそれがある。
【0017】以上のように、従来技術では、定着部材へ
の離型剤の供給量を減らすか、ほとんど使用しない状態
で、トナーの離型性、定着部材の安定維持性及びフルカ
ラーの高画質適性を全て満たすことは困難であった。
の離型剤の供給量を減らすか、ほとんど使用しない状態
で、トナーの離型性、定着部材の安定維持性及びフルカ
ラーの高画質適性を全て満たすことは困難であった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題を解消し、定着部材への離型剤の供給量を減
らした状況においてもトナーに対する離型性に優れ、
定着部材の最外層が磨耗に強く耐久性に優れ、未定着
トナー像を均一に定着でき、定着後の画像表面の平滑性
が高く、高画質のフルカラー画像の形成を可能にする定
着用部材と、その定着用部材を用いた定着装置及び画像
形成方法を提供しようとするものである。
記の問題を解消し、定着部材への離型剤の供給量を減
らした状況においてもトナーに対する離型性に優れ、
定着部材の最外層が磨耗に強く耐久性に優れ、未定着
トナー像を均一に定着でき、定着後の画像表面の平滑性
が高く、高画質のフルカラー画像の形成を可能にする定
着用部材と、その定着用部材を用いた定着装置及び画像
形成方法を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の手段を採
用することにより、上記課題の解決に成功した。 (1) 担体上に高分子組成物層を備えた電子写真用定着部
材において、前記定着部材の少なくとも最外層は溶媒可
溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層からなり、か
つ、前記最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’が12
0〜200℃で1.40×10-3〜3.00×10-2G
Paの範囲にあることを特徴とする電子写真用定着部
材。
用することにより、上記課題の解決に成功した。 (1) 担体上に高分子組成物層を備えた電子写真用定着部
材において、前記定着部材の少なくとも最外層は溶媒可
溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層からなり、か
つ、前記最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’が12
0〜200℃で1.40×10-3〜3.00×10-2G
Paの範囲にあることを特徴とする電子写真用定着部
材。
【0020】(2) 前記フッ素樹脂は、主鎖として含フッ
素脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーであるこ
とを特徴とする前記(1) 記載の電子写真用定着部材。 (3) 前記フッ素樹脂は、メチレン基を分子内に有するモ
ノマーとフッ素化されたモノマーを共重合したフルオロ
ポリマーであることを特徴とする前記(1) 記載の電子写
真用定着部材。 (4) 前記フッ素樹脂は、含フッ素エラストマーの主鎖
に、結晶性含フッ素セグメントをグラフト重合してなる
フルオロポリマーであることを特徴とする前記(1) 記載
の電子写真用定着部材。
素脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーであるこ
とを特徴とする前記(1) 記載の電子写真用定着部材。 (3) 前記フッ素樹脂は、メチレン基を分子内に有するモ
ノマーとフッ素化されたモノマーを共重合したフルオロ
ポリマーであることを特徴とする前記(1) 記載の電子写
真用定着部材。 (4) 前記フッ素樹脂は、含フッ素エラストマーの主鎖
に、結晶性含フッ素セグメントをグラフト重合してなる
フルオロポリマーであることを特徴とする前記(1) 記載
の電子写真用定着部材。
【0021】(5) 前記最外層は、前記フッ素樹脂を架橋
して形成されてなることを特徴とする前記(1) 〜(4) の
いずれか1つに記載の電子写真用定着部材。 (6) 前記最外層は、無機充填剤を配合して形成されてな
ることを特徴とする前記(1) 〜(4) のいずれか1つに記
載の電子写真用定着部材。 (7) 前記無機充填剤の含有量は、前記高分子組成物に対
して0.1〜50重量%の範囲にあることを特徴とする
前記(6) 記載の電子写真用定着部材。
して形成されてなることを特徴とする前記(1) 〜(4) の
いずれか1つに記載の電子写真用定着部材。 (6) 前記最外層は、無機充填剤を配合して形成されてな
ることを特徴とする前記(1) 〜(4) のいずれか1つに記
載の電子写真用定着部材。 (7) 前記無機充填剤の含有量は、前記高分子組成物に対
して0.1〜50重量%の範囲にあることを特徴とする
前記(6) 記載の電子写真用定着部材。
【0022】(8) 前記担体は、金属製、ガラス製若しく
はセラミック製の円筒ロール体、又は、耐熱性樹脂製若
しくは金属製のエンドレスベルト体であることを特徴と
する前記(1) 〜(7) のいずれか1つに記載の電子写真用
定着部材。 (9) 前記担体と前記最外層との間に弾性体層を介在させ
たことを特徴とする前記(1) 〜(8) のいずれか1つに記
載の電子写真用定着部材。 (10)前記弾性体層は、シリコーンゴム、フルオロシリコ
ーンゴム及び含フッ素ゴムの群から選択された1種以上
のエラストマーで構成されてなることを特徴とする前記
(9) 記載の電子写真用定着部材。 (11)前記最外層は、前記フッ素樹脂に溶媒可溶な含フッ
素エラストマーを配合してなることを特徴とする前記
(1) 〜(10)のいずれか1つに記載の電子写真用定着部
材。
はセラミック製の円筒ロール体、又は、耐熱性樹脂製若
しくは金属製のエンドレスベルト体であることを特徴と
する前記(1) 〜(7) のいずれか1つに記載の電子写真用
定着部材。 (9) 前記担体と前記最外層との間に弾性体層を介在させ
たことを特徴とする前記(1) 〜(8) のいずれか1つに記
載の電子写真用定着部材。 (10)前記弾性体層は、シリコーンゴム、フルオロシリコ
ーンゴム及び含フッ素ゴムの群から選択された1種以上
のエラストマーで構成されてなることを特徴とする前記
(9) 記載の電子写真用定着部材。 (11)前記最外層は、前記フッ素樹脂に溶媒可溶な含フッ
素エラストマーを配合してなることを特徴とする前記
(1) 〜(10)のいずれか1つに記載の電子写真用定着部
材。
【0023】(12)定着部材と加圧部材を対向配置して定
着ニップを構成し、未定着トナー画像を有する転写体を
前記定着ニップに移送する手段を備えた電子写真方式の
画像形成方法に用いる定着装置において、前記定着部材
が、前記(1) 〜(11)のいずれか1つに記載の定着部材で
あることを特徴とする定着装置。 (13)前記定着ニップをロール状定着部材とロール状加圧
部材で構成し、前記ロール状定着部材及び/又は前記ロ
ール状加圧部材の担体と最外層との間に弾性体層を介在
させたことを特徴とする前記(12)記載の定着装置。
着ニップを構成し、未定着トナー画像を有する転写体を
前記定着ニップに移送する手段を備えた電子写真方式の
画像形成方法に用いる定着装置において、前記定着部材
が、前記(1) 〜(11)のいずれか1つに記載の定着部材で
あることを特徴とする定着装置。 (13)前記定着ニップをロール状定着部材とロール状加圧
部材で構成し、前記ロール状定着部材及び/又は前記ロ
ール状加圧部材の担体と最外層との間に弾性体層を介在
させたことを特徴とする前記(12)記載の定着装置。
【0024】(14)前記定着ニップをベルト状定着部材と
ロール状加圧部材で構成し、前記ベルト状定着部材及び
/又は前記ロール状加圧部材の担体と最外層との間に弾
性体層を介在させたことを特徴とする前記(12)記載の定
着装置。 (15)前記ベルト状定着部材の内側に加圧部材を配置して
前記ロール状加圧部材に圧接させたことを特徴とする前
記(14)記載の定着装置。 (16)前記ベルト状定着部材は、前記フッ素樹脂に溶媒可
溶な含フッ素エラストマーを配合してなる最外層を前記
担体上に直接形成したことを特徴とする前記(14)又は(1
5)記載の定着装置。 (17)前記定着部材及び/又は加圧部材に加熱源を付設し
たことを特徴とする前記(12)〜(16)のいずれか1つに記
載の定着装置。
ロール状加圧部材で構成し、前記ベルト状定着部材及び
/又は前記ロール状加圧部材の担体と最外層との間に弾
性体層を介在させたことを特徴とする前記(12)記載の定
着装置。 (15)前記ベルト状定着部材の内側に加圧部材を配置して
前記ロール状加圧部材に圧接させたことを特徴とする前
記(14)記載の定着装置。 (16)前記ベルト状定着部材は、前記フッ素樹脂に溶媒可
溶な含フッ素エラストマーを配合してなる最外層を前記
担体上に直接形成したことを特徴とする前記(14)又は(1
5)記載の定着装置。 (17)前記定着部材及び/又は加圧部材に加熱源を付設し
たことを特徴とする前記(12)〜(16)のいずれか1つに記
載の定着装置。
【0025】(18)潜像保持体上に潜像を形成する工程、
前記潜像を現像剤を用いて現像するトナー像の形成工
程、前記トナー像を転写体に転写する工程、前記トナー
像を転写体上に定着する工程を含む画像形成方法におい
て、前記定着工程で前記(12)〜(17)のいずれか1つに記
載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
前記潜像を現像剤を用いて現像するトナー像の形成工
程、前記トナー像を転写体に転写する工程、前記トナー
像を転写体上に定着する工程を含む画像形成方法におい
て、前記定着工程で前記(12)〜(17)のいずれか1つに記
載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0026】本発明は、担体に高分子組成物層を備えた
電子写真用定着部材であって、その最外層は少なくとも
溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層からな
り、前記高分子組成物の貯蔵弾性率E’は、定着部材の
使用温度である120〜200℃において1.40×1
0-3〜3.00×10-2GPaの範囲に調整することに
より、離型剤の供給量が少ない状態か供給しない状態に
おいても、トナーの離型性が優れ、定着部材の最外層の
耐久性が良好で、かつフルカラー画像への高画質適性を
備えた定着部材の提供を可能にした。
電子写真用定着部材であって、その最外層は少なくとも
溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層からな
り、前記高分子組成物の貯蔵弾性率E’は、定着部材の
使用温度である120〜200℃において1.40×1
0-3〜3.00×10-2GPaの範囲に調整することに
より、離型剤の供給量が少ない状態か供給しない状態に
おいても、トナーの離型性が優れ、定着部材の最外層の
耐久性が良好で、かつフルカラー画像への高画質適性を
備えた定着部材の提供を可能にした。
【0027】フッ素樹脂は一般的に溶媒に不溶である。
定着部材の最外層にフッ素樹脂を被覆する従来法には次
のものがある。即ち、フッ素樹脂粉末を担体上に静電
塗装で付着した後、加熱溶融して被膜を形成する方法、
フッ素樹脂分散液(ディスパージョン)を担体上にコ
ートした後、溶融焼成する方法、予め成型したフッ素
樹脂チューブを担体表面に加熱圧着する方法などがあ
る。
定着部材の最外層にフッ素樹脂を被覆する従来法には次
のものがある。即ち、フッ素樹脂粉末を担体上に静電
塗装で付着した後、加熱溶融して被膜を形成する方法、
フッ素樹脂分散液(ディスパージョン)を担体上にコ
ートした後、溶融焼成する方法、予め成型したフッ素
樹脂チューブを担体表面に加熱圧着する方法などがあ
る。
【0028】これらの被覆方法のうち、粉末静電塗装
法や樹脂分散液コート法は、均質で平滑度の高い50
μm以下の薄膜を得ることは困難であるのに対して、本
発明では、溶媒可溶なフッ素樹脂を用いることにより、
担体上に液状で塗布して成膜することが可能になり、前
記薄膜を得ることが容易になった。また、フッ素樹脂
チューブの加熱圧着法は、均質で平滑度の高い50μm
以下の薄膜を被覆することは可能であるが、この方法で
得たフッ素樹脂薄膜は、剛性が著しく高く変形がしにく
い。担体上に弾性体層を介在させれば、マクロな凹凸に
対して変形できるが、トナーの凹凸のようなミクロの凹
凸に対して確実に追従して変形させることができず、ト
ナーに対する均一な接触を行うことはできない。
法や樹脂分散液コート法は、均質で平滑度の高い50
μm以下の薄膜を得ることは困難であるのに対して、本
発明では、溶媒可溶なフッ素樹脂を用いることにより、
担体上に液状で塗布して成膜することが可能になり、前
記薄膜を得ることが容易になった。また、フッ素樹脂
チューブの加熱圧着法は、均質で平滑度の高い50μm
以下の薄膜を被覆することは可能であるが、この方法で
得たフッ素樹脂薄膜は、剛性が著しく高く変形がしにく
い。担体上に弾性体層を介在させれば、マクロな凹凸に
対して変形できるが、トナーの凹凸のようなミクロの凹
凸に対して確実に追従して変形させることができず、ト
ナーに対する均一な接触を行うことはできない。
【0029】そこで、本発明者等は、最外層に適した強
度を有し、かつトナー像に均一に接触するような弾性を
備えた定着部材について鋭意検討した結果、定着部材
は、定着温度域の120〜200℃において動的粘弾性
測定法で測定した最外層の貯蔵弾性率が特定の値を有す
るときに、前記の特性を得ることができることを見いだ
した。貯蔵弾性率とは、物質の弾性を示す指標で、定着
部材のように荷重が印加と解放が繰り返すような動的な
外部刺激に対しての弾性の度合いを表す。貯蔵弾性性率
が大きいほど物質の弾性が高まるが、最外層の貯蔵弾性
率が3.00×10-2GPaを超えると、担体と最外層
との間に弾性体層を介在させても、トナー像の凹凸に応
じて変形させることができず、トナーが溶融する前にト
ナーを押し潰し、定着画像の乱れを招く。また、貯蔵弾
性性率が小さいほど物質の弾性が低下して軟質な材料と
なり、最外層の貯蔵弾性率が1.40×10-3GPaを
下回ると、定着部材が受ける圧接のストレスなどに耐え
られる強度を確保できなくなる。
度を有し、かつトナー像に均一に接触するような弾性を
備えた定着部材について鋭意検討した結果、定着部材
は、定着温度域の120〜200℃において動的粘弾性
測定法で測定した最外層の貯蔵弾性率が特定の値を有す
るときに、前記の特性を得ることができることを見いだ
した。貯蔵弾性率とは、物質の弾性を示す指標で、定着
部材のように荷重が印加と解放が繰り返すような動的な
外部刺激に対しての弾性の度合いを表す。貯蔵弾性性率
が大きいほど物質の弾性が高まるが、最外層の貯蔵弾性
率が3.00×10-2GPaを超えると、担体と最外層
との間に弾性体層を介在させても、トナー像の凹凸に応
じて変形させることができず、トナーが溶融する前にト
ナーを押し潰し、定着画像の乱れを招く。また、貯蔵弾
性性率が小さいほど物質の弾性が低下して軟質な材料と
なり、最外層の貯蔵弾性率が1.40×10-3GPaを
下回ると、定着部材が受ける圧接のストレスなどに耐え
られる強度を確保できなくなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。担体は、無機材料や金属材料を基材
とするものでも良く、また耐熱性樹脂を基材とするもの
でもよい。具体的には、熱伝導性の良好なアルミニウ
ム、銅、ニッケル等の金属、ステンレスやニッケル合金
等の合金、もしくはセラミックス、ガラス等が挙げられ
る。また、耐熱性樹脂としては、ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポ
リエーテル等の耐熱性樹脂が挙げられる。耐熱性樹脂を
基材とする場合、充填材として金属やSiO2 、TiO
2 、Al2 O3 、MgO、CaO、Fe2 O3 等の無機
酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)等の
無機材料の微粒子を耐熱性樹脂に添加してもよい。これ
らの充填材の含有量は0.1〜50重量%の範囲が好ま
しく、1〜30重量%の範囲がより好ましい。また、充
填材の粒径は5μm以下が望ましい。これより大きな粗
大粒子は耐熱性樹脂から脱落しやすい。
て詳細に説明する。担体は、無機材料や金属材料を基材
とするものでも良く、また耐熱性樹脂を基材とするもの
でもよい。具体的には、熱伝導性の良好なアルミニウ
ム、銅、ニッケル等の金属、ステンレスやニッケル合金
等の合金、もしくはセラミックス、ガラス等が挙げられ
る。また、耐熱性樹脂としては、ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポ
リエーテル等の耐熱性樹脂が挙げられる。耐熱性樹脂を
基材とする場合、充填材として金属やSiO2 、TiO
2 、Al2 O3 、MgO、CaO、Fe2 O3 等の無機
酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホウ素)等の
無機材料の微粒子を耐熱性樹脂に添加してもよい。これ
らの充填材の含有量は0.1〜50重量%の範囲が好ま
しく、1〜30重量%の範囲がより好ましい。また、充
填材の粒径は5μm以下が望ましい。これより大きな粗
大粒子は耐熱性樹脂から脱落しやすい。
【0031】定着部材は円筒ロール、エンドレスベルト
などの形状を有し、円筒ロール状定着部材には担体とし
て金属、セラミックス、ガラスなどで作られた中空ロー
ルが使用され、ベルト状定着用部材には担体としてNi
電鋳シートやポリイミドフィルムなどの金属製又は耐熱
性樹脂製のベルトが使用されるが、これらに限定される
ものではない。担体表面に弾性体層を形成するときに
は、弾性体層を強固に接着させるために担体に表面処理
を施すことが望ましい。例えば、金属の場合、有機溶剤
等を用いた脱脂処理ならびにサンドブラスト等による粗
面化処理を行い、さらにプライマーを塗布することがで
きる。
などの形状を有し、円筒ロール状定着部材には担体とし
て金属、セラミックス、ガラスなどで作られた中空ロー
ルが使用され、ベルト状定着用部材には担体としてNi
電鋳シートやポリイミドフィルムなどの金属製又は耐熱
性樹脂製のベルトが使用されるが、これらに限定される
ものではない。担体表面に弾性体層を形成するときに
は、弾性体層を強固に接着させるために担体に表面処理
を施すことが望ましい。例えば、金属の場合、有機溶剤
等を用いた脱脂処理ならびにサンドブラスト等による粗
面化処理を行い、さらにプライマーを塗布することがで
きる。
【0032】担体と最外層との間に介在させる弾性体層
は、定着時の加熱に耐えられる耐熱性エラストマーで構
成される。耐熱性エラストマーとしてはフッ素ゴム、シ
リコーンゴムなどが挙げられるが、シリコーンゴムが望
ましい。また、溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子
組成物からなる最外層との接着性を向上させるために、
プライマーを弾性体層上に塗布しても構わない。
は、定着時の加熱に耐えられる耐熱性エラストマーで構
成される。耐熱性エラストマーとしてはフッ素ゴム、シ
リコーンゴムなどが挙げられるが、シリコーンゴムが望
ましい。また、溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子
組成物からなる最外層との接着性を向上させるために、
プライマーを弾性体層上に塗布しても構わない。
【0033】次に、最外層に用いる溶媒可溶なフッ素樹
脂を含有する高分子組成物について説明する。この高分
子組成物は、貯蔵弾性率E’が定着温度域の120〜2
00℃において1.40×10-3〜3.00×10-2G
Paの範囲にあるように溶媒可溶なフッ素樹脂を使用す
る必要がある。
脂を含有する高分子組成物について説明する。この高分
子組成物は、貯蔵弾性率E’が定着温度域の120〜2
00℃において1.40×10-3〜3.00×10-2G
Paの範囲にあるように溶媒可溶なフッ素樹脂を使用す
る必要がある。
【0034】最外層の貯蔵弾性率E’の測定は、高分子
組成物フィルムの動的粘性試験装置(レオバイブロンD
DV−01FP/25F、エー・アンド・デイ社製)を
用いて行った。測定は、昇温速度2℃/min、加振周
波数0.1〜10Hzで引っ張り試験を行う。加振周波
数は、実際に定着装置が繰り返し受ける圧接と解放のサ
イクルを考慮して上記の範囲で測定した。試験片の形状
は長さ15mm、幅4mm、厚み30μmのものを使用
し、プリロード荷重は2.0gf、振幅変位は80μm
で測定した。
組成物フィルムの動的粘性試験装置(レオバイブロンD
DV−01FP/25F、エー・アンド・デイ社製)を
用いて行った。測定は、昇温速度2℃/min、加振周
波数0.1〜10Hzで引っ張り試験を行う。加振周波
数は、実際に定着装置が繰り返し受ける圧接と解放のサ
イクルを考慮して上記の範囲で測定した。試験片の形状
は長さ15mm、幅4mm、厚み30μmのものを使用
し、プリロード荷重は2.0gf、振幅変位は80μm
で測定した。
【0035】本発明における溶媒可溶なフッ素樹脂と
は、有機溶媒に0.5重量%以上溶解するものを意味
し、この溶解性を有するものであればその種類を問わな
い。フッ素樹脂の数平均分子量は特に限定されるもので
はないが、1,000〜1,000,000、好ましく
は10,000〜300,000の範囲のものが適当で
ある。
は、有機溶媒に0.5重量%以上溶解するものを意味
し、この溶解性を有するものであればその種類を問わな
い。フッ素樹脂の数平均分子量は特に限定されるもので
はないが、1,000〜1,000,000、好ましく
は10,000〜300,000の範囲のものが適当で
ある。
【0036】上記の溶媒可溶なフッ素樹脂を例示すると
次のとおりである。 (a)主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパーフルオ
ロポリマー。 (b)メチレン基(−CH2 −)を分子内に有するモノ
マーと高度にフッ素化されたモノマーを用いて共重合し
たフルオロポリマー。 (c)含フッ素エラストマーと同様の構成からなる主鎖
に結晶性の含フッ素セグメントをグラフト重合させたフ
ルオロポリマー。
次のとおりである。 (a)主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパーフルオ
ロポリマー。 (b)メチレン基(−CH2 −)を分子内に有するモノ
マーと高度にフッ素化されたモノマーを用いて共重合し
たフルオロポリマー。 (c)含フッ素エラストマーと同様の構成からなる主鎖
に結晶性の含フッ素セグメントをグラフト重合させたフ
ルオロポリマー。
【0037】(a)のパーフルオロポリマーとしては、
2つ以上の二重結合を有するパーフルオロモノマーを環
化重合させて得られるもの、又は予め環状構造を有する
モノマーを重合して得られるもので、例えば下記の一般
式(1)や(2)で表されるものである。具体的にサイ
トップ(商標名、旭硝子社製)が挙げられる。
2つ以上の二重結合を有するパーフルオロモノマーを環
化重合させて得られるもの、又は予め環状構造を有する
モノマーを重合して得られるもので、例えば下記の一般
式(1)や(2)で表されるものである。具体的にサイ
トップ(商標名、旭硝子社製)が挙げられる。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】(a)のフッ素樹脂を溶解する溶媒は、特
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタンなどの含
フッ素脂肪族炭化水素、パーフルオロシクロヘキサン
などの含フッ素脂環式炭化水素、パーフルオロトリブ
チルアミン、パーフルオロペンチルアミンなどの含フッ
素アルキルアミン類、パーフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)などの含フッ素エーテル、パーフル
オロベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素などが好適
である。また、溶媒可溶な性質を損なわない限り、共重
合成分としてテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキ
サフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロアルキ
ルビニルエーテルなどのパーフルオロビニルモノマーと
共重合させたポリマーでも構わない。但し、本発明の内
容はこれらに限定されるものではない。
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタンなどの含
フッ素脂肪族炭化水素、パーフルオロシクロヘキサン
などの含フッ素脂環式炭化水素、パーフルオロトリブ
チルアミン、パーフルオロペンチルアミンなどの含フッ
素アルキルアミン類、パーフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)などの含フッ素エーテル、パーフル
オロベンゼンなどの含フッ素芳香族炭化水素などが好適
である。また、溶媒可溶な性質を損なわない限り、共重
合成分としてテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキ
サフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロアルキ
ルビニルエーテルなどのパーフルオロビニルモノマーと
共重合させたポリマーでも構わない。但し、本発明の内
容はこれらに限定されるものではない。
【0041】(b)のフルオロポリマーとしては、メチ
レン基(−CH2 −)を分子内に有するモノマーとして
ビニリデンフルオライド(VDF)、エチレン、プロピ
レン等に基づくモノマーの中から少なくとも一種と、高
度にフッ素化されたモノマーとしてテトラフルオロエチ
レン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロ
ロトリフルオロエチレン等に基づくモノマーの中から少
なくとも一種とを共重合して得る共重合体である。具体
的にはTHV(商標名、3M社製)が挙げられる。これ
らのモノマーは、含フッ素エラストマー、一般にフッ素
ゴムといわれる高分子弾性体と同種のものであるが、含
フッ素エラストマーに対して共重合の組成と比率を異な
るものに調整することにより、機械的強度が含フッ素エ
ラストマーの2〜3倍向上させたものである。
レン基(−CH2 −)を分子内に有するモノマーとして
ビニリデンフルオライド(VDF)、エチレン、プロピ
レン等に基づくモノマーの中から少なくとも一種と、高
度にフッ素化されたモノマーとしてテトラフルオロエチ
レン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロ
ロトリフルオロエチレン等に基づくモノマーの中から少
なくとも一種とを共重合して得る共重合体である。具体
的にはTHV(商標名、3M社製)が挙げられる。これ
らのモノマーは、含フッ素エラストマー、一般にフッ素
ゴムといわれる高分子弾性体と同種のものであるが、含
フッ素エラストマーに対して共重合の組成と比率を異な
るものに調整することにより、機械的強度が含フッ素エ
ラストマーの2〜3倍向上させたものである。
【0042】(b)のフッ素樹脂を溶解する溶媒は、特
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
2−ブタノン(メチルエチルケトン)、4−メチル−2
−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、及び酢酸3−メチルブチル
(酢酸イソアミル)、1−アセトキシ−2−エトキシエ
タン(酢酸2−エトキシエチル、エチルセロソルブアセ
テート)などのエステル類が好適である。但し、本発明
の内容はこれらに限定されるものではない。
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
2−ブタノン(メチルエチルケトン)、4−メチル−2
−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、及び酢酸3−メチルブチル
(酢酸イソアミル)、1−アセトキシ−2−エトキシエ
タン(酢酸2−エトキシエチル、エチルセロソルブアセ
テート)などのエステル類が好適である。但し、本発明
の内容はこれらに限定されるものではない。
【0043】(c)のフルオロポリマーとしては、メチ
レン基(−CH2 −)を分子内に有するモノマーとして
ビニリデンフルオライド(VDF)、エチレン、プロピ
レン等に基づくモノマーの中から少なくとも一種と、高
度にフッ素化されたモノマーとしてテトラフルオロエチ
レン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロ
ロトリフルオロエチレン等に基づくモノマーの中から少
なくとも一種とを共重合して得られる含フッ素エラスト
マー主鎖に、フッ素化されたモノマーとしてTFE、H
FP、VDF、パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)などを重合させた結晶性含フッ素セグメントをグラ
フト重合することによって得られ、フッ素樹脂とフッ素
ゴムの特性を兼ね備えることから(b)のフルオロポリ
マーと同様に機械的特性に優れる。具体的にはセフラル
ソフト(商標名、セントラル硝子社製)が挙げられる。
レン基(−CH2 −)を分子内に有するモノマーとして
ビニリデンフルオライド(VDF)、エチレン、プロピ
レン等に基づくモノマーの中から少なくとも一種と、高
度にフッ素化されたモノマーとしてテトラフルオロエチ
レン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HF
P)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、クロ
ロトリフルオロエチレン等に基づくモノマーの中から少
なくとも一種とを共重合して得られる含フッ素エラスト
マー主鎖に、フッ素化されたモノマーとしてTFE、H
FP、VDF、パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)などを重合させた結晶性含フッ素セグメントをグラ
フト重合することによって得られ、フッ素樹脂とフッ素
ゴムの特性を兼ね備えることから(b)のフルオロポリ
マーと同様に機械的特性に優れる。具体的にはセフラル
ソフト(商標名、セントラル硝子社製)が挙げられる。
【0044】(c)のフッ素樹脂を溶解する溶媒は、特
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
2−ブタノン(メチルエチルケトン)、4−メチル−2
−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、酢酸3−メチルブチル(酢酸
イソアミル)、1−アセトキシ−2−エトキシエタン
(酢酸2−エトキシエチル、エチルセロソルブアセテー
ト)などのエステル類、N,N’−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、及びテトラヒドロフラン(THF)
などが好適である。但し、本発明の内容はこれらに限定
されるものではない。
に限定されるものではないが、例えば溶解性の点で、
2−ブタノン(メチルエチルケトン)、4−メチル−2
−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、酢酸3−メチルブチル(酢酸
イソアミル)、1−アセトキシ−2−エトキシエタン
(酢酸2−エトキシエチル、エチルセロソルブアセテー
ト)などのエステル類、N,N’−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、及びテトラヒドロフラン(THF)
などが好適である。但し、本発明の内容はこれらに限定
されるものではない。
【0045】これら溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する組
成物は、単独で使用するか、含フッ素エラストマーとの
混合物として使用される。特に、(b)及び(c)のフ
ルオロポリマーは含フッ素エラストマーとの相溶性に優
れているところから、該フッ素樹脂の有する機械的特性
を損ねない範囲で混合して用いてもよい。但し、担体も
しくは担体上の弾性体層の上に成膜してマトリックスを
形成する組成物の貯蔵弾性率E’は120〜200℃に
おいて1.40×10-3〜3.00×10-2GPaの範
囲にあることが必須である。また、該フッ素樹脂の優れ
た機械的特性を生かすために、溶媒可溶なフッ素樹脂と
含フッ素エラストマーの混合比は10:90〜100:
0の範囲が好ましい。含フッ素エラストマーの種類は、
特に限定されるものではないが、耐熱性及び離型性とい
った定着部材に必要な特性を満たすという理由で、VD
F−HFP二元系共重合体や、VDF−HFP−TFE
三元系共重合体が望ましい。
成物は、単独で使用するか、含フッ素エラストマーとの
混合物として使用される。特に、(b)及び(c)のフ
ルオロポリマーは含フッ素エラストマーとの相溶性に優
れているところから、該フッ素樹脂の有する機械的特性
を損ねない範囲で混合して用いてもよい。但し、担体も
しくは担体上の弾性体層の上に成膜してマトリックスを
形成する組成物の貯蔵弾性率E’は120〜200℃に
おいて1.40×10-3〜3.00×10-2GPaの範
囲にあることが必須である。また、該フッ素樹脂の優れ
た機械的特性を生かすために、溶媒可溶なフッ素樹脂と
含フッ素エラストマーの混合比は10:90〜100:
0の範囲が好ましい。含フッ素エラストマーの種類は、
特に限定されるものではないが、耐熱性及び離型性とい
った定着部材に必要な特性を満たすという理由で、VD
F−HFP二元系共重合体や、VDF−HFP−TFE
三元系共重合体が望ましい。
【0046】本発明における溶媒可溶なフッ素樹脂を含
有する高分子組成物は、溶液もしくはディスパージョン
塗料として担体もしくは担体上の弾性体層の上に塗布
し、乾燥して溶剤や分散媒を除去し、マトリックスの被
膜を形成して最外層を得る。溶剤を用いた塗布方法は、
有機溶剤に上記含フッ素高分子組成物を溶解して溶液を
調整し、これをスプレー法やディップ法で担体などに塗
布する。また、ディスパージョン塗料を用いる塗布方法
は、上記含フッ素高分子組成物を界面活性剤等の分散剤
に懸濁分散させてディスパージョン塗料を調整し、これ
を担体などにスプレー法等で塗布する方法が挙げられ
る。
有する高分子組成物は、溶液もしくはディスパージョン
塗料として担体もしくは担体上の弾性体層の上に塗布
し、乾燥して溶剤や分散媒を除去し、マトリックスの被
膜を形成して最外層を得る。溶剤を用いた塗布方法は、
有機溶剤に上記含フッ素高分子組成物を溶解して溶液を
調整し、これをスプレー法やディップ法で担体などに塗
布する。また、ディスパージョン塗料を用いる塗布方法
は、上記含フッ素高分子組成物を界面活性剤等の分散剤
に懸濁分散させてディスパージョン塗料を調整し、これ
を担体などにスプレー法等で塗布する方法が挙げられ
る。
【0047】また、上記の含フッ素高分子組成物の溶解
性及び分散性を損ねない限り、上記のフッ素樹脂の溶媒
と、その他の有機溶媒を混合して使用してもよい。フッ
素樹脂の濃度は0.5〜50重量%の範囲が好ましい
が、成膜性の点から1〜30重量%の範囲が特に好まし
い。乾燥は、大気下、もしくは窒素、アルゴン等の不活
性ガス雰囲気下で、風乾等の自然乾燥もしくは加熱乾燥
を行う。
性及び分散性を損ねない限り、上記のフッ素樹脂の溶媒
と、その他の有機溶媒を混合して使用してもよい。フッ
素樹脂の濃度は0.5〜50重量%の範囲が好ましい
が、成膜性の点から1〜30重量%の範囲が特に好まし
い。乾燥は、大気下、もしくは窒素、アルゴン等の不活
性ガス雰囲気下で、風乾等の自然乾燥もしくは加熱乾燥
を行う。
【0048】上記の含フッ素高分子組成物は、塗布、乾
燥の工程のみで上記の貯蔵弾性率の条件を満たすもので
あればそのまま使用してもよいが、定着装置の高温域で
軟化せずに弾性を維持するために、架橋反応によってマ
トリックスを形成して最外層を形成することが好まし
い。架橋方法は特に限定されるものでなく、例えばアミ
ン系化合物を用いた架橋、ポリオール化合物を用いた架
橋、有機過酸化物を用いた架橋、シラン化合物を用いた
架橋、放射線照射による架橋などが挙げられる。上記含
フッ素高分子組成物に含まれる溶媒可溶なフッ素樹脂の
種類に適した方法を採用することが好ましい。
燥の工程のみで上記の貯蔵弾性率の条件を満たすもので
あればそのまま使用してもよいが、定着装置の高温域で
軟化せずに弾性を維持するために、架橋反応によってマ
トリックスを形成して最外層を形成することが好まし
い。架橋方法は特に限定されるものでなく、例えばアミ
ン系化合物を用いた架橋、ポリオール化合物を用いた架
橋、有機過酸化物を用いた架橋、シラン化合物を用いた
架橋、放射線照射による架橋などが挙げられる。上記含
フッ素高分子組成物に含まれる溶媒可溶なフッ素樹脂の
種類に適した方法を採用することが好ましい。
【0049】例えば溶媒可溶なフッ素樹脂が(a)の主
鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマ
ーである場合、特開平9−59469に記載されている
ように、ポリマー主鎖に反応性官能基を導入し、官能基
とアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を用いた架
橋方法が挙げられる。また、該フッ素樹脂が(b)や
(c)のフルオロポリマーである場合、トリアリルイソ
シアヌレート(TAIC)、トリアリルイシアヌレート
(TAC)、エチレングリコールジメタクリレート(E
DMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(TMPTA)、ジビニルベンゼン、N,N’−ヘキサ
メチレンビスメタクリルアミドなどに代表されるような
ビニル基、アリール基等のポリマーラジカルと反応する
部位を2ケ所以上有する多官能不飽和化合物からなる架
橋助剤を添加し、放射線照射によって架橋を行う方法が
挙げられる。
鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマ
ーである場合、特開平9−59469に記載されている
ように、ポリマー主鎖に反応性官能基を導入し、官能基
とアルコキシシラン類の部分加水分解縮合物を用いた架
橋方法が挙げられる。また、該フッ素樹脂が(b)や
(c)のフルオロポリマーである場合、トリアリルイソ
シアヌレート(TAIC)、トリアリルイシアヌレート
(TAC)、エチレングリコールジメタクリレート(E
DMA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート
(TMPTA)、ジビニルベンゼン、N,N’−ヘキサ
メチレンビスメタクリルアミドなどに代表されるような
ビニル基、アリール基等のポリマーラジカルと反応する
部位を2ケ所以上有する多官能不飽和化合物からなる架
橋助剤を添加し、放射線照射によって架橋を行う方法が
挙げられる。
【0050】また、本発明の定着部材の最外層を構成す
る溶媒可溶な含フッ素高分子組成物には、無機充填剤、
着色剤、可塑剤、老化防止剤等の一般的な樹脂やゴムに
添加する無機もしくは有機の添加剤を配合することがで
きる。無機充填剤は、含フッ素高分子組成物の強度や熱
伝導性を向上する目的で配合される。具体的にはSiO
2 、TiO2 、Al2 O3 、MgO、CaO、Fe2O
3 等の無機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホ
ウ素)、ケイ酸塩等が挙げられる。
る溶媒可溶な含フッ素高分子組成物には、無機充填剤、
着色剤、可塑剤、老化防止剤等の一般的な樹脂やゴムに
添加する無機もしくは有機の添加剤を配合することがで
きる。無機充填剤は、含フッ素高分子組成物の強度や熱
伝導性を向上する目的で配合される。具体的にはSiO
2 、TiO2 、Al2 O3 、MgO、CaO、Fe2O
3 等の無機酸化物、SiC(炭化珪素)、BN(窒化ホ
ウ素)、ケイ酸塩等が挙げられる。
【0051】これらの無機充填剤の平均粒径は5μm以
下に設定するのが望ましい。平均粒径が5μmより大き
い粗大粒子は、最外層から脱落しやすく、また定着部材
表面の平滑性を損ねる恐れがある。これら無機充填剤
は、含フッ素高分子組成物100重量部に対して0.1
〜50重量部、好ましくは1.0〜30重量部の割合で
配合される。0.1重量部未満では上記の効果を発現す
ることができず、50重量部より多く配合すると、混練
作業が著しく困難なものとなり、かつ、トナーに対する
離型性も損ね、添加効果を失うことになる。また、その
他の添加剤は、架橋反応を促進させる触媒として機能す
る無機化合物及び有機化合物、着色剤、可塑剤、老化防
止剤等と併せて使用することも可能である。しかし、こ
れらの添加剤はトナーに対する表面の離型性を損なわな
い範囲で使用することが重要である。
下に設定するのが望ましい。平均粒径が5μmより大き
い粗大粒子は、最外層から脱落しやすく、また定着部材
表面の平滑性を損ねる恐れがある。これら無機充填剤
は、含フッ素高分子組成物100重量部に対して0.1
〜50重量部、好ましくは1.0〜30重量部の割合で
配合される。0.1重量部未満では上記の効果を発現す
ることができず、50重量部より多く配合すると、混練
作業が著しく困難なものとなり、かつ、トナーに対する
離型性も損ね、添加効果を失うことになる。また、その
他の添加剤は、架橋反応を促進させる触媒として機能す
る無機化合物及び有機化合物、着色剤、可塑剤、老化防
止剤等と併せて使用することも可能である。しかし、こ
れらの添加剤はトナーに対する表面の離型性を損なわな
い範囲で使用することが重要である。
【0052】本発明の定着装置は、転写体上のトナー像
を加熱加圧して定着する装置であり、定着部材と加圧部
材を対向配置して形成した定着ニップに、未定着トナー
像を載せた転写体を導入し、トナーを加熱溶融し、加圧
して転写体にトナー像を固定するものである。定着部材
の形状はロール状でも、ベルト状でもよい。また、定着
部材及び/又は加圧部材の内側には加熱源を付設するこ
とが好ましい。
を加熱加圧して定着する装置であり、定着部材と加圧部
材を対向配置して形成した定着ニップに、未定着トナー
像を載せた転写体を導入し、トナーを加熱溶融し、加圧
して転写体にトナー像を固定するものである。定着部材
の形状はロール状でも、ベルト状でもよい。また、定着
部材及び/又は加圧部材の内側には加熱源を付設するこ
とが好ましい。
【0053】図1は、加熱定着ロール方式の定着装置の
概念図である。加熱定着ロール1は中空芯金2の上に弾
性体層3と最外層4を順次積層したもので、加圧ロール
11も中空芯金12の上に弾性体層13と最外層14順
次積層したもので基本的な構造は加熱定着ロール1と同
じである。図1の装置では、加熱定着ロール1の弾性体
層3の厚みが加圧ロール11の弾性体層13より厚い点
でのみ相違する。加熱源21、26は加熱定着ロール
1、加圧ロール11の両方に付設しているが、必要に応
じて一方を省略してもよい。そして、加熱定着ロール1
と加圧ロール11からなる定着ニップには圧力が印加さ
れており、未定着トナー像32を有する用紙31は定着
ニップに移送されて加熱加圧定着される。
概念図である。加熱定着ロール1は中空芯金2の上に弾
性体層3と最外層4を順次積層したもので、加圧ロール
11も中空芯金12の上に弾性体層13と最外層14順
次積層したもので基本的な構造は加熱定着ロール1と同
じである。図1の装置では、加熱定着ロール1の弾性体
層3の厚みが加圧ロール11の弾性体層13より厚い点
でのみ相違する。加熱源21、26は加熱定着ロール
1、加圧ロール11の両方に付設しているが、必要に応
じて一方を省略してもよい。そして、加熱定着ロール1
と加圧ロール11からなる定着ニップには圧力が印加さ
れており、未定着トナー像32を有する用紙31は定着
ニップに移送されて加熱加圧定着される。
【0054】図2は、加熱定着ベルト方式の定着装置の
概念図である。(A)は定着装置の全体図を示し、
(B)は加熱定着ベルトの要部拡大断面図を示す。この
加熱ベルト方式の定着装置では、ベルト駆動ロール24
と2つのベルト搬送用ロール25とが回転可能に架設さ
れ、ベルト駆動ロール24は回転駆動源に連動してい
る。また、加熱定着ベルト6は、加圧部材23により加
圧ロール11に圧接するように配置されている。また、
加圧ロール11に対抗する位置には、ヒーター22が配
置され、加熱定着ベルト6の加熱源となっている。加熱
定着ベルト6は(B)にみるように、耐熱性シート7の
上に弾性体層8と最外層9を順次積層したものである。
また、加圧ロール11は図1の加熱定着ロール方式の定
着装置と同じ構造を有してなる。この加熱定着ベルト方
式の定着装置においては、加熱ベルト6と加圧ロール1
1との間に圧力を印加することにより、未定着トナー像
32は用紙31に加熱加圧定着される。なお、加熱定着
ベルト6は、最外層9に耐熱性含フッ素エラストマーを
配合したり、耐熱性シート7の材料などの選択により、
ベルト全体が所定の弾性を備えているときには、弾性体
層8を省略してもよい。また、加圧ロール1のヒーター
26は場合によって省略してもよい。
概念図である。(A)は定着装置の全体図を示し、
(B)は加熱定着ベルトの要部拡大断面図を示す。この
加熱ベルト方式の定着装置では、ベルト駆動ロール24
と2つのベルト搬送用ロール25とが回転可能に架設さ
れ、ベルト駆動ロール24は回転駆動源に連動してい
る。また、加熱定着ベルト6は、加圧部材23により加
圧ロール11に圧接するように配置されている。また、
加圧ロール11に対抗する位置には、ヒーター22が配
置され、加熱定着ベルト6の加熱源となっている。加熱
定着ベルト6は(B)にみるように、耐熱性シート7の
上に弾性体層8と最外層9を順次積層したものである。
また、加圧ロール11は図1の加熱定着ロール方式の定
着装置と同じ構造を有してなる。この加熱定着ベルト方
式の定着装置においては、加熱ベルト6と加圧ロール1
1との間に圧力を印加することにより、未定着トナー像
32は用紙31に加熱加圧定着される。なお、加熱定着
ベルト6は、最外層9に耐熱性含フッ素エラストマーを
配合したり、耐熱性シート7の材料などの選択により、
ベルト全体が所定の弾性を備えているときには、弾性体
層8を省略してもよい。また、加圧ロール1のヒーター
26は場合によって省略してもよい。
【0055】本発明の画像形成方法は、潜像保持体上に
潜像を形成する工程、前記潜像を現像剤を用いて現像す
るトナー像の形成工程、前記トナー像を転写体に転写す
る工程、前記トナー像を転写体上に定着する工程を有
し、最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’が120〜
200℃において1.40×10-3〜3.00×10-2
GPaの範囲内にある定着用部材を用ることにより、平
滑性に優れた高い画質の定着画像、特にフルカラー定着
画像を安定して形成することが可能になった。画像形成
の手順自体は一般的な工程であり、例えば、特開昭56
−40868号公報や特開昭49−91231号公報等
に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、複
写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の
画像形成装置に広く適用できるものである。
潜像を形成する工程、前記潜像を現像剤を用いて現像す
るトナー像の形成工程、前記トナー像を転写体に転写す
る工程、前記トナー像を転写体上に定着する工程を有
し、最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率E’が120〜
200℃において1.40×10-3〜3.00×10-2
GPaの範囲内にある定着用部材を用ることにより、平
滑性に優れた高い画質の定着画像、特にフルカラー定着
画像を安定して形成することが可能になった。画像形成
の手順自体は一般的な工程であり、例えば、特開昭56
−40868号公報や特開昭49−91231号公報等
に記載されている。なお、本発明の画像形成方法は、複
写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の
画像形成装置に広く適用できるものである。
【0056】
(含フッ素高分子組成物溶液の調製)溶媒に可溶なフッ
素樹脂として、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパ
ーフルオロポリマー(旭硝子社製、サイトップ(商標
名)CTL809M)を用意した。また、前記パーフル
オロポリマーを架橋するためのアルコキシシラン類部分
加水分解縮合物は、テトラメトキシシラン及びパーフル
オロオクチルエチルトリメトキシシラン[CF3(CF2)7CH2C
H2Si(OCH3)3]をモル比2:1の割合で、溶媒2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロパノール[CF3CF2CH2OH] 中に溶解
し、さらに硝酸と水を加えた後に室温で72時間反応さ
せて得た。得られた反応液はイオン交換樹脂塔に通して
硝酸を除去し、部分加水分解縮合物溶液を得た。
素樹脂として、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するパ
ーフルオロポリマー(旭硝子社製、サイトップ(商標
名)CTL809M)を用意した。また、前記パーフル
オロポリマーを架橋するためのアルコキシシラン類部分
加水分解縮合物は、テトラメトキシシラン及びパーフル
オロオクチルエチルトリメトキシシラン[CF3(CF2)7CH2C
H2Si(OCH3)3]をモル比2:1の割合で、溶媒2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロパノール[CF3CF2CH2OH] 中に溶解
し、さらに硝酸と水を加えた後に室温で72時間反応さ
せて得た。得られた反応液はイオン交換樹脂塔に通して
硝酸を除去し、部分加水分解縮合物溶液を得た。
【0057】上記のパーフルオロポリマーと部分加水分
解縮合物溶液に架橋剤のアミノフェニルトリメトキシシ
ランを添加し、パーフルオロブチルアミンと2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロパノールを体積比98:2で混合し
た溶媒にポリマー濃度が6重量%となるように、下記の
割合で溶解して、含フッ素高分子組成物溶液を調製し
た。 フッ素樹脂(サイトップCTL809M:樹脂換算分) 100重量部 アルコキシシラン類部分加水分解物溶液 70重量部 アミノフェニルトリメトキシシラン 7重量部
解縮合物溶液に架橋剤のアミノフェニルトリメトキシシ
ランを添加し、パーフルオロブチルアミンと2,2,3,3,3-
ペンタフルオロプロパノールを体積比98:2で混合し
た溶媒にポリマー濃度が6重量%となるように、下記の
割合で溶解して、含フッ素高分子組成物溶液を調製し
た。 フッ素樹脂(サイトップCTL809M:樹脂換算分) 100重量部 アルコキシシラン類部分加水分解物溶液 70重量部 アミノフェニルトリメトキシシラン 7重量部
【0058】(加熱定着ロールの作製)図1の加熱定着
ロールを作製した。担体として外径50mmφのアルミ
ニウム製中空芯金2を用い、硬度55度の高熱伝導性シ
リコーンゴムを3mmの厚さで中空芯金2の上に被覆し
て弾性体層3を形成した。次いで、弾性体層3のシリコ
ーンゴムと含フッ素高分子組成物との接着性を高めるた
めに接着用プライマーを塗布した後、前記含フッ素高分
子組成物溶液を刷毛で均一に塗布した。その後、120
℃で30分間乾燥し、さらに250℃で1時間加熱して
架橋反応を行い、最外層4を形成して加熱定着ロール1
を得た。なお、架橋後の最外層4の膜厚は20μmであ
った。
ロールを作製した。担体として外径50mmφのアルミ
ニウム製中空芯金2を用い、硬度55度の高熱伝導性シ
リコーンゴムを3mmの厚さで中空芯金2の上に被覆し
て弾性体層3を形成した。次いで、弾性体層3のシリコ
ーンゴムと含フッ素高分子組成物との接着性を高めるた
めに接着用プライマーを塗布した後、前記含フッ素高分
子組成物溶液を刷毛で均一に塗布した。その後、120
℃で30分間乾燥し、さらに250℃で1時間加熱して
架橋反応を行い、最外層4を形成して加熱定着ロール1
を得た。なお、架橋後の最外層4の膜厚は20μmであ
った。
【0059】(加圧ロールの作製)図1の加圧ロールを
作製した。担体として外径50mmφのアルミニウム製
中空芯金12を用い、硬度55度の高熱伝導性シリコー
ンゴムを1mmの厚さで中空芯金12の上に被覆して弾
性体層13を形成した。その後、加熱定着ロール1と同
様にして最外層14を形成し、加圧ロール11を得た。
作製した。担体として外径50mmφのアルミニウム製
中空芯金12を用い、硬度55度の高熱伝導性シリコー
ンゴムを1mmの厚さで中空芯金12の上に被覆して弾
性体層13を形成した。その後、加熱定着ロール1と同
様にして最外層14を形成し、加圧ロール11を得た。
【0060】(最外層の貯蔵弾性率の測定)加熱定着ロ
ール1の作製において、接着用プライマーの塗布を省略
した以外は加熱定着ロール1と同様の方法で貯蔵弾性率
測定用ロールを作製した。そして、このロールの最外層
(膜厚は20μm)を剥離し、長さ15mm、幅4mm
の大きさにカットして測定用サンプルを得た。このサン
プルを動的粘弾性測定装置「レオバイブロンDDV−0
1FP/25F」(エー・アンド・デイ社製)を用いて
貯蔵弾性率E’を測定した。測定条件は次の通りであ
る。 温度範囲:25〜200℃ 昇温速度:2℃/min 加振周波数:10Hz プリロード荷重:2.0gf 振幅変位:80μm 結果は図4に示すとおりであった。即ち、120〜20
0℃における貯蔵弾性率E’は1.40×10-3〜3.
00×10-2GPaの範囲内にあり、最小値は200℃
において5.85×10-3GPa、最大値は120℃に
おいて1.30×10-2GPaであった。
ール1の作製において、接着用プライマーの塗布を省略
した以外は加熱定着ロール1と同様の方法で貯蔵弾性率
測定用ロールを作製した。そして、このロールの最外層
(膜厚は20μm)を剥離し、長さ15mm、幅4mm
の大きさにカットして測定用サンプルを得た。このサン
プルを動的粘弾性測定装置「レオバイブロンDDV−0
1FP/25F」(エー・アンド・デイ社製)を用いて
貯蔵弾性率E’を測定した。測定条件は次の通りであ
る。 温度範囲:25〜200℃ 昇温速度:2℃/min 加振周波数:10Hz プリロード荷重:2.0gf 振幅変位:80μm 結果は図4に示すとおりであった。即ち、120〜20
0℃における貯蔵弾性率E’は1.40×10-3〜3.
00×10-2GPaの範囲内にあり、最小値は200℃
において5.85×10-3GPa、最大値は120℃に
おいて1.30×10-2GPaであった。
【0061】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
は、図1に示すように配置して富士ゼロック社製A colo
r 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を用い
て連続複写を行った。定着画像の平滑性評価はグロスメ
ーター(村上色彩技術研究所製、GM−26D)を用
い、定着画像サンプルへの入射光は75°とした。測定
条件は次のとおりである。 トナー:富士ゼロックス社製A color 931/936 用シアン
トナー トナー画像 :ソリッド像(20cm×5cm) トナー量 :1mg/cm2 用紙:富士ゼロックス社製カラー用J紙 搬送速度:160mm/sec 離型剤オイル量 : 1μリットル/A4用紙1枚 試験の結果は、加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥
離が容易であり、定着画像は平滑性が高く鮮明であっ
た。定着温度は125〜170℃の範囲であった。画像
の発色性は、グロス値が40を越え、グロスむらのない
優れたものであった。また、画像の乱れ、定着ロール上
へのオフセット、磨耗は、複写枚数が18万枚を越える
まで見られなかった。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
は、図1に示すように配置して富士ゼロック社製A colo
r 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を用い
て連続複写を行った。定着画像の平滑性評価はグロスメ
ーター(村上色彩技術研究所製、GM−26D)を用
い、定着画像サンプルへの入射光は75°とした。測定
条件は次のとおりである。 トナー:富士ゼロックス社製A color 931/936 用シアン
トナー トナー画像 :ソリッド像(20cm×5cm) トナー量 :1mg/cm2 用紙:富士ゼロックス社製カラー用J紙 搬送速度:160mm/sec 離型剤オイル量 : 1μリットル/A4用紙1枚 試験の結果は、加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥
離が容易であり、定着画像は平滑性が高く鮮明であっ
た。定着温度は125〜170℃の範囲であった。画像
の発色性は、グロス値が40を越え、グロスむらのない
優れたものであった。また、画像の乱れ、定着ロール上
へのオフセット、磨耗は、複写枚数が18万枚を越える
まで見られなかった。
【0062】〔実施例2〕 (含フッ素高分子組成物溶液の調製)溶媒に可溶なフッ
素樹脂として、メチレン基(−CH2 −)を分子内に有
するモノマーと、高度にフッ素化されたモノマーを用い
て共重合したフルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)を用い、トリアリルイソシアヌレート
架橋助剤(日本化成社製、商品名:TAIC)を下記の
割合で配合して二本ロールで混練した。 フッ素樹脂(THV200G) 100重量部 架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート) 2重量部 2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体積比
1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%とな
るように前記混合物を溶解させ、含フッ素高分子組成物
溶液を調製した。
素樹脂として、メチレン基(−CH2 −)を分子内に有
するモノマーと、高度にフッ素化されたモノマーを用い
て共重合したフルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)を用い、トリアリルイソシアヌレート
架橋助剤(日本化成社製、商品名:TAIC)を下記の
割合で配合して二本ロールで混練した。 フッ素樹脂(THV200G) 100重量部 架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート) 2重量部 2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体積比
1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%とな
るように前記混合物を溶解させ、含フッ素高分子組成物
溶液を調製した。
【0063】(加熱定着ロールの作製)実施例1と同様
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例2の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は30μmであった。
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例2の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は30μmであった。
【0064】(加圧ロールの作製)担体として外径50
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例2の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例2の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
【0065】(最外層の貯蔵弾性率の測定)実施例1の
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例2の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.45
×10-3GPa、最大値は120℃において1.90×
10-3GPaであった。
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例2の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.45
×10-3GPa、最大値は120℃において1.90×
10-3GPaであった。
【0066】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が17万枚を越えるまで見られな
かった。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が17万枚を越えるまで見られな
かった。
【0067】〔実施例3〕 (含フッ素高分子組成物溶液の調製)溶媒可溶なフッ素
樹脂として、含フッ素エラストマーと同様の構成からな
る主鎖に結晶性の含フッ素セグメントをグラフト重合さ
せたフルオロポリマー(セントラル硝子社製、セフラル
ソフト(商標名)G120)を用い、トリアリルイソシ
アヌレート架橋助剤(日本化成社製、商品名:TAI
C)を下記の割合で配合して二本ロールで混練した。 フッ素樹脂(セフラルソフトG120) 100重量部 架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート) 2重量部 2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体積比
1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%とな
るように前記混合物を溶解させ、含フッ素高分子組成物
溶液を調製した。
樹脂として、含フッ素エラストマーと同様の構成からな
る主鎖に結晶性の含フッ素セグメントをグラフト重合さ
せたフルオロポリマー(セントラル硝子社製、セフラル
ソフト(商標名)G120)を用い、トリアリルイソシ
アヌレート架橋助剤(日本化成社製、商品名:TAI
C)を下記の割合で配合して二本ロールで混練した。 フッ素樹脂(セフラルソフトG120) 100重量部 架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート) 2重量部 2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体積比
1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%とな
るように前記混合物を溶解させ、含フッ素高分子組成物
溶液を調製した。
【0068】(加熱定着ロールの作製)実施例1と同様
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例3の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は30μmであった。
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例3の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は30μmであった。
【0069】(加圧ロールの作製)担体として外径50
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例3の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例3の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
【0070】(最外層の貯蔵弾性率の測定)実施例3の
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例3の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において3.04
×10-3GPa、最大値は120℃において4.07×
10-3GPaであった。
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例3の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において3.04
×10-3GPa、最大値は120℃において4.07×
10-3GPaであった。
【0071】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が21万枚を越えるまで見られな
かった。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が21万枚を越えるまで見られな
かった。
【0072】〔実施例4〕 (含フッ素高分子組成物溶液の調製)溶媒に可溶なフッ
素樹脂として、メチレン基(−CH2 −)を分子内に有
するモノマーと、高度にフッ素化されたモノマーを用い
て共重合したフルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)を用い、含フッ素エラストマーとして
VDF−HFP−TFE三元系共重合体の生ゴムを配合
して含フッ素高分子組成物溶液を調製した。まず、上記
生ゴム100重量部にトリアリルイソシアヌレート架橋
助剤(日本化成社製、商品名:TAIC)4重量部を添
加して二本ロールで混練した。この混練物104重量
部、及び上記フルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)100重量部を、2−ブタノンと4−
メチル−2−ペンタノンを体積比1:1で混合した溶媒
にポリマー濃度が20重量%となるように溶解させ、含
フッ素高分子組成物溶液を調製した。
素樹脂として、メチレン基(−CH2 −)を分子内に有
するモノマーと、高度にフッ素化されたモノマーを用い
て共重合したフルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)を用い、含フッ素エラストマーとして
VDF−HFP−TFE三元系共重合体の生ゴムを配合
して含フッ素高分子組成物溶液を調製した。まず、上記
生ゴム100重量部にトリアリルイソシアヌレート架橋
助剤(日本化成社製、商品名:TAIC)4重量部を添
加して二本ロールで混練した。この混練物104重量
部、及び上記フルオロポリマー(3M社製、THV(商
標名)200G)100重量部を、2−ブタノンと4−
メチル−2−ペンタノンを体積比1:1で混合した溶媒
にポリマー濃度が20重量%となるように溶解させ、含
フッ素高分子組成物溶液を調製した。
【0073】(加熱定着ロールの作製)実施例1と同様
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例4の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は35μmであった。
に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性体層3
を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した。その
後、実施例4の含フッ素高分子組成物溶液中に浸漬させ
てディップ法で均一に塗布した。塗布後、25℃で24
時間乾燥し、窒素雰囲気の下で加速電圧200kV、吸
収線量10Mradの条件で電子線を照射して架橋反応
を行い、最外層4を形成して加熱ロール1を得た。架橋
後の最外層の膜厚は35μmであった。
【0074】(加圧ロールの作製)担体として外径50
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例4の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
mmφのアルミニウム製中空芯金12を用い、硬度55
度の高熱伝導性シリコーンゴムを1mmの厚さで中空芯
金12の上に被覆して弾性体層13を形成した。その
後、実施例4の加熱定着ロール1と同様にして最外層1
4を形成し、加圧ロール11を得た。
【0075】(最外層の貯蔵弾性率の測定)実施例4の
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例4の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は35μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.85
×10-3GPa、最大値は120℃において2.30×
10-3GPaであった。
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例4の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は35μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.85
×10-3GPa、最大値は120℃において2.30×
10-3GPaであった。
【0076】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜175℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が19万枚を越えるまで見られな
かった。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
加熱定着ロールからの定着後の用紙の剥離が容易であ
り、定着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は
125〜175℃の範囲であった。画像の発色性は、グ
ロス値が40を越え、グロスむらのない優れたものであ
った。また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセッ
ト、磨耗は、複写枚数が19万枚を越えるまで見られな
かった。
【0077】〔実施例5〕 (含フッ素高分子組成物溶液)実施例1の含フッ素高分
子組成物溶液を使用した。 (加熱定着ベルトの作製)図2の加熱定着ベルトを作製
した。担体として、厚さ0.2mmのポリイミド製シー
ト7を用い、硬度30度のシリコーンゴムを0.1mm
の厚さで被覆して弾性層8を形成した。次いで、弾性層
8のシリコーンゴムと最外層9の含フッ素高分子組成物
との接着用プライマーを弾性層8の上に塗布した後、実
施例1の含フッ素高分子組成物溶液を刷毛により均一に
塗布した。その後、120℃で30分間乾燥し、250
℃で1時間加熱して架橋反応を行い、最外層4を形成し
て加熱定着ベルト6を得た。なお架橋後の最外層の膜厚
は20μmであった。 (加圧ロール)実施例1で作製した加圧ロール11を使用
した。
子組成物溶液を使用した。 (加熱定着ベルトの作製)図2の加熱定着ベルトを作製
した。担体として、厚さ0.2mmのポリイミド製シー
ト7を用い、硬度30度のシリコーンゴムを0.1mm
の厚さで被覆して弾性層8を形成した。次いで、弾性層
8のシリコーンゴムと最外層9の含フッ素高分子組成物
との接着用プライマーを弾性層8の上に塗布した後、実
施例1の含フッ素高分子組成物溶液を刷毛により均一に
塗布した。その後、120℃で30分間乾燥し、250
℃で1時間加熱して架橋反応を行い、最外層4を形成し
て加熱定着ベルト6を得た。なお架橋後の最外層の膜厚
は20μmであった。 (加圧ロール)実施例1で作製した加圧ロール11を使用
した。
【0078】(最外層の貯蔵弾性率の測定)実施例5の
加熱定着ベルト6の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例5の加熱定着ベルト6と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ベルトを作製し、実施例1
と同様にベルトの最外層(膜厚は20μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において5.85
×10-3GPa、最大値は120℃において1.30×
10-2GPaであった。
加熱定着ベルト6の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例5の加熱定着ベルト6と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ベルトを作製し、実施例1
と同様にベルトの最外層(膜厚は20μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において5.85
×10-3GPa、最大値は120℃において1.30×
10-2GPaであった。
【0079】(加熱定着ベルト及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱定着ベルト6と加圧ロール
11は、図2に示すように配置して富士ゼロック社製A
color 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を
用いて実施例1と同様に評価試験を行ったところ、加熱
定着ベルトからの定着後の用紙の剥離が容易であり、定
着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は125
〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グロス値
が40を越え、グロスむらのない優れたものであった。
また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗
は、複写枚数が15万枚を越えるまで見られなかった。
験)このようにして得た加熱定着ベルト6と加圧ロール
11は、図2に示すように配置して富士ゼロック社製A
color 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を
用いて実施例1と同様に評価試験を行ったところ、加熱
定着ベルトからの定着後の用紙の剥離が容易であり、定
着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は125
〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グロス値
が40を越え、グロスむらのない優れたものであった。
また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗
は、複写枚数が15万枚を越えるまで見られなかった。
【0080】〔実施例6〕 (含フッ素高分子組成物溶液)実施例2の含フッ素高分
子組成物溶液を使用した。 (加熱定着ベルトの作製)実施例5と同様に、担体のポ
リイミド製シート7の上に弾性層8を形成し、さらに接
着用プライマーを塗布した。その後、実施例2の含フッ
素高分子組成物溶液中に浸漬させてディップ法で均一に
塗布した。塗布後、25℃で24時間乾燥し、窒素雰囲
気の下で加速電圧200kV、吸収線量10Mradの
条件で電子線を照射して架橋反応を行い、最外層9を形
成して加熱定着ベルト6を得た。架橋後の最外層の膜厚
は30μmであった。 (加圧ロール)実施例2で作製した加圧ロール11を使用
した。
子組成物溶液を使用した。 (加熱定着ベルトの作製)実施例5と同様に、担体のポ
リイミド製シート7の上に弾性層8を形成し、さらに接
着用プライマーを塗布した。その後、実施例2の含フッ
素高分子組成物溶液中に浸漬させてディップ法で均一に
塗布した。塗布後、25℃で24時間乾燥し、窒素雰囲
気の下で加速電圧200kV、吸収線量10Mradの
条件で電子線を照射して架橋反応を行い、最外層9を形
成して加熱定着ベルト6を得た。架橋後の最外層の膜厚
は30μmであった。 (加圧ロール)実施例2で作製した加圧ロール11を使用
した。
【0081】(最外層の貯蔵弾性率の測定)実施例6の
加熱定着ベルト6の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例6の加熱定着ベルト6と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ベルトを作製し、実施例1
と同様にベルトの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.45
×10-3GPa、最大値は120℃において1.90×
10-3GPaであった。
加熱定着ベルト6の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は実施例6の加熱定着ベルト6と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ベルトを作製し、実施例1
と同様にベルトの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定した。結果は図4に示す
とおりであった。即ち、120〜200℃における貯蔵
弾性率E’は1.40×10-3〜3.00×10-2GP
aの範囲内にあり、最小値は200℃において1.45
×10-3GPa、最大値は120℃において1.90×
10-3GPaであった。
【0082】(加熱定着ベルト及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱定着ベルト6と加圧ロール
11は、図2に示すように配置して富士ゼロック社製A
color 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を
用いて実施例1と同様に評価試験を行ったところ、加熱
定着ベルトからの定着後の用紙の剥離が容易であり、定
着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は125
〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グロス値
が40を越え、グロスむらのない優れたものであった。
また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗
は、複写枚数が12万枚を越えるまで見られなかった。
験)このようにして得た加熱定着ベルト6と加圧ロール
11は、図2に示すように配置して富士ゼロック社製A
color 931 を改造した複写機に装着した。この複写機を
用いて実施例1と同様に評価試験を行ったところ、加熱
定着ベルトからの定着後の用紙の剥離が容易であり、定
着画像は平滑性が高く鮮明であった。定着温度は125
〜170℃の範囲であった。画像の発色性は、グロス値
が40を越え、グロスむらのない優れたものであった。
また、画像の乱れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗
は、複写枚数が12万枚を越えるまで見られなかった。
【0083】(比較例1) (加熱定着ロールの作製)予め、膜厚30μmのテトラ
フルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテ
ルの共重合体(PFA)製チューブを用意し、その内側
接着面に対して脱フッ化処理を施した。他方、実施例1
と同様に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性
体層3を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した
後、上記のPFA製チューブで被覆し、加熱収縮処理を
施して最外層4を有する加熱ロール1を得た。
フルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテ
ルの共重合体(PFA)製チューブを用意し、その内側
接着面に対して脱フッ化処理を施した。他方、実施例1
と同様に、担体のアルミニウム製中空芯金2の上に弾性
体層3を形成し、さらに接着用プライマーを塗布した
後、上記のPFA製チューブで被覆し、加熱収縮処理を
施して最外層4を有する加熱ロール1を得た。
【0084】(加圧ロールの作製)比較例1の加熱定着
ロールの作製において、膜厚50μmのPFA製チュー
ブを使用した以外は比較例1と同様にしてロールを作製
し、加圧ロール11とした。
ロールの作製において、膜厚50μmのPFA製チュー
ブを使用した以外は比較例1と同様にしてロールを作製
し、加圧ロール11とした。
【0085】(最外層の貯蔵弾性率の測定)被覆に用い
たPFA製チューブから実施例1と同じ大きさのサンプ
ルを採取して実施例1と同様の条件で貯蔵弾性率E’を
測定した。結果は図4に示すとおりであった。即ち、1
20〜200℃における貯蔵弾性率E’は1.40×1
0-3〜3.00×10-2GPaを超え、最小値は200
℃において5.19×10-2GPaであった。
たPFA製チューブから実施例1と同じ大きさのサンプ
ルを採取して実施例1と同様の条件で貯蔵弾性率E’を
測定した。結果は図4に示すとおりであった。即ち、1
20〜200℃における貯蔵弾性率E’は1.40×1
0-3〜3.00×10-2GPaを超え、最小値は200
℃において5.19×10-2GPaであった。
【0086】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
グロス値が40を越える定着温度は115〜170℃の
範囲で、複写枚数が25万枚を超えるまでは画像の乱
れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗は見られなかっ
たが、定着後の画像を観察すると微小なグロス(光沢)
むらが生じていた。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
について、実施例1と同様に評価試験を行ったところ、
グロス値が40を越える定着温度は115〜170℃の
範囲で、複写枚数が25万枚を超えるまでは画像の乱
れ、定着ロール上へのオフセット、磨耗は見られなかっ
たが、定着後の画像を観察すると微小なグロス(光沢)
むらが生じていた。
【0087】〔比較例2〕 (含フッ素高分子組成物溶液の作製)実施例1と同様
に、溶媒に可溶なフッ素樹脂として、主鎖に含フッ素脂
肪族環構造を有するパーフルオロポリマー(旭硝子社
製、サイトップ(商標名)CTL809M)を用いた
が、架橋剤の役割を持つアルコキシシラン類部分加水分
解縮合物を省略し、パーフルオロブチルアミンと2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロパノールを体積比で98:1で
混合した溶媒に、上記のパーフルオロポリマー濃度が6
重量%となるように溶解して含フッ素高分子組成物溶液
を調製した。
に、溶媒に可溶なフッ素樹脂として、主鎖に含フッ素脂
肪族環構造を有するパーフルオロポリマー(旭硝子社
製、サイトップ(商標名)CTL809M)を用いた
が、架橋剤の役割を持つアルコキシシラン類部分加水分
解縮合物を省略し、パーフルオロブチルアミンと2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロパノールを体積比で98:1で
混合した溶媒に、上記のパーフルオロポリマー濃度が6
重量%となるように溶解して含フッ素高分子組成物溶液
を調製した。
【0088】(加熱定着ロールの作製)実施例1の加熱
定着ロールの作製において、実施例1の含フッ素高分子
組成物の代わりに比較例2の含フッ素高分子組成物溶液
を用いた以外は、実施例1と同様に最外層4を形成して
加熱定着ロール1を得た。なお、架橋後の最外層4の膜
厚は20μmであった。なお、弾性体層の厚みは3mm
であった。
定着ロールの作製において、実施例1の含フッ素高分子
組成物の代わりに比較例2の含フッ素高分子組成物溶液
を用いた以外は、実施例1と同様に最外層4を形成して
加熱定着ロール1を得た。なお、架橋後の最外層4の膜
厚は20μmであった。なお、弾性体層の厚みは3mm
であった。
【0089】(加圧ロールの作製)実施例1の加圧ロー
ルの作製において、実施例1の含フッ素高分子組成物の
代わりに比較例2の含フッ素高分子組成物溶液を用いた
以外は、実施例1と同様に最外層4を形成して加圧ロー
ル11を得た。なお、弾性体層の厚みは1mmであっ
た。
ルの作製において、実施例1の含フッ素高分子組成物の
代わりに比較例2の含フッ素高分子組成物溶液を用いた
以外は、実施例1と同様に最外層4を形成して加圧ロー
ル11を得た。なお、弾性体層の厚みは1mmであっ
た。
【0090】(最外層の貯蔵弾性率の測定)比較例2の
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は比較例2の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は20μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定したところ、100℃を
超えると貯蔵弾性率E’が急激に低下した。軟化したサ
ンプル膜は130℃で疲労して切断された。
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は比較例2の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は20μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で貯蔵弾性率E’を測定したところ、100℃を
超えると貯蔵弾性率E’が急激に低下した。軟化したサ
ンプル膜は130℃で疲労して切断された。
【0091】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
を図1に示すように構成し、複写装置(富士ゼロックス
社製、A color 931)を改造してこれらを装着した。この
装置で連続して複写を行い、実施例1と同様の条件で評
価試験を行った。その結果、ロール表面を光学顕微鏡で
100倍に拡大して観察すると、ロール同士の圧接によ
って表面に皺が生じていた。また、初期には、画像の乱
れや定着ロール上へのオフセットや摩耗は見られなかっ
たが、枚数を経るにつれて次第に画像の乱れや定着ロー
ル上へのオフセットが観察された。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
を図1に示すように構成し、複写装置(富士ゼロックス
社製、A color 931)を改造してこれらを装着した。この
装置で連続して複写を行い、実施例1と同様の条件で評
価試験を行った。その結果、ロール表面を光学顕微鏡で
100倍に拡大して観察すると、ロール同士の圧接によ
って表面に皺が生じていた。また、初期には、画像の乱
れや定着ロール上へのオフセットや摩耗は見られなかっ
たが、枚数を経るにつれて次第に画像の乱れや定着ロー
ル上へのオフセットが観察された。
【0092】〔比較例3〕 (含フッ素高分子組成物溶液の作製)実施例2と同様
に、溶媒に可溶なフッ素樹脂として、メチレン基(−C
H2 −)を分子内に有するモノマーと、高度にフッ素化
されたモノマーを用いて共重合したフルオロポリマー
(3M社製、THV(商標名)200G)を用いたが、
トリアリルイソシアヌレート架橋助剤(日本化成社製、
商品名:TAIC)を省略し、上記フルオロポリマーの
みを、2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体
積比1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%
となるように溶解させ、含フッ素高分子組成物溶液を調
製した。
に、溶媒に可溶なフッ素樹脂として、メチレン基(−C
H2 −)を分子内に有するモノマーと、高度にフッ素化
されたモノマーを用いて共重合したフルオロポリマー
(3M社製、THV(商標名)200G)を用いたが、
トリアリルイソシアヌレート架橋助剤(日本化成社製、
商品名:TAIC)を省略し、上記フルオロポリマーの
みを、2−ブタノンと4−メチル−2−ペンタノンを体
積比1:1で混合した溶媒にポリマー濃度が20重量%
となるように溶解させ、含フッ素高分子組成物溶液を調
製した。
【0093】(加熱定着ロールの作製)実施例2の加熱
定着ロールの作製において、実施例2の含フッ素高分子
組成物の代わりに比較例3の含フッ素高分子組成物溶液
を用いた以外は、実施例2と同様に最外層4を形成して
加熱定着ロール1を得た。なお、架橋後の最外層4の膜
厚は30μmであった。なお、弾性体層の厚みは3mm
とした。
定着ロールの作製において、実施例2の含フッ素高分子
組成物の代わりに比較例3の含フッ素高分子組成物溶液
を用いた以外は、実施例2と同様に最外層4を形成して
加熱定着ロール1を得た。なお、架橋後の最外層4の膜
厚は30μmであった。なお、弾性体層の厚みは3mm
とした。
【0094】(加圧ロールの作製)実施例2の加圧ロー
ルの作製において、実施例2の含フッ素高分子組成物の
代わりに比較例3の含フッ素高分子組成物溶液を用いた
以外は、実施例2と同様に最外層4を形成して加圧ロー
ル11を得た。なお、弾性体層の厚みは1mmとした。
ルの作製において、実施例2の含フッ素高分子組成物の
代わりに比較例3の含フッ素高分子組成物溶液を用いた
以外は、実施例2と同様に最外層4を形成して加圧ロー
ル11を得た。なお、弾性体層の厚みは1mmとした。
【0095】(最外層の貯蔵弾性率の測定)比較例3の
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は比較例3の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で120〜200℃における貯蔵弾性率E’を測
定したところ、図4に示すように、最大値が120℃に
おいて1.35×10-3GPaと本発明の範囲を下回っ
ていた。
加熱定着ロール1の作製において、接着用プライマーの
塗布を省略した以外は比較例3の加熱定着ロール1と同
様の方法で貯蔵弾性率測定用ロールを作製し、実施例1
と同様にロールの最外層(膜厚は30μm)を剥離して
測定用サンプルを得た。このサンプルを実施例1と同様
の条件で120〜200℃における貯蔵弾性率E’を測
定したところ、図4に示すように、最大値が120℃に
おいて1.35×10-3GPaと本発明の範囲を下回っ
ていた。
【0096】(加熱定着ロール及び加圧ロールの評価試
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
を図1に示すように構成し、複写装置(富士ゼロックス
社製、A color 931)を改造してこれらを装着した。この
装置で連続して複写を行い、実施例1と同様の条件で評
価試験を行った。その結果、ロール表面を光学顕微鏡で
100倍に拡大して観察すると、ロール同士の圧接によ
って表面に皺が生じていた。また、複写枚数が5万枚を
超えたところで画像の乱れ、オフセット及び摩耗が観察
された。
験)このようにして得た加熱ロール1と加圧ロール11
を図1に示すように構成し、複写装置(富士ゼロックス
社製、A color 931)を改造してこれらを装着した。この
装置で連続して複写を行い、実施例1と同様の条件で評
価試験を行った。その結果、ロール表面を光学顕微鏡で
100倍に拡大して観察すると、ロール同士の圧接によ
って表面に皺が生じていた。また、複写枚数が5万枚を
超えたところで画像の乱れ、オフセット及び摩耗が観察
された。
【0097】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を備えた定着部材
を採用することにより、トナーに対する離型性に富み、
磨耗に強く耐久性に優れ、未定着トナー像を均一に定着
でき、定着後の画像表面の平滑性が優れ、高画質フルカ
ラー画像の形成を可能にした。その結果、電子写真方式
を用いた複写装置、プリンターなどの画像形成装置等の
定着装置に本発明の定着部材を適用するときには、トナ
ーのオフセット防止や用紙などの巻き付き防止、定着装
置の維持性の向上、及び鮮やかなフルカラー画像の提供
を可能とした。また、離型剤の使用量が抑えられるの
で、定着像のべとつきや画像担持体へのテープの付着性
が改善されるだけでなく、定着装置の小型化や低コスト
化を可能にした。
を採用することにより、トナーに対する離型性に富み、
磨耗に強く耐久性に優れ、未定着トナー像を均一に定着
でき、定着後の画像表面の平滑性が優れ、高画質フルカ
ラー画像の形成を可能にした。その結果、電子写真方式
を用いた複写装置、プリンターなどの画像形成装置等の
定着装置に本発明の定着部材を適用するときには、トナ
ーのオフセット防止や用紙などの巻き付き防止、定着装
置の維持性の向上、及び鮮やかなフルカラー画像の提供
を可能とした。また、離型剤の使用量が抑えられるの
で、定着像のべとつきや画像担持体へのテープの付着性
が改善されるだけでなく、定着装置の小型化や低コスト
化を可能にした。
【図1】本発明にかかるロール状加熱定着部材とロール
状加圧部材を用いた定着装置の概念図である。
状加圧部材を用いた定着装置の概念図である。
【図2】(A)は本発明にかかるベルト状加熱定着部材
とロール状加圧部材を用いた定着装置の概念図であり、
(B)はベルト状加熱定着部材の断面拡大図である。
とロール状加圧部材を用いた定着装置の概念図であり、
(B)はベルト状加熱定着部材の断面拡大図である。
【図3】従来のロール状加熱定着部材とロール状加圧部
材を用いた定着装置の概念図である。
材を用いた定着装置の概念図である。
【図4】実施例及び比較例で用いた定着部材の最外層の
貯蔵弾性率E’を示すグラフである。
貯蔵弾性率E’を示すグラフである。
1 加熱定着ロール、2 中空芯金、3 弾性体層、4
最外層、6 加熱定着ベルト、7 耐熱性シート、8
弾性体層、9 最外層、11 加圧ロール、12 加
熱定着ロール、13 弾性体層、14 最外層、15
フッ素樹脂製フィルム、21 ヒーター、22 ヒータ
ー、23 加圧パッド、24 ベルト駆動ロール、25
ベルト搬送ロール、26 ヒーター、27 インレッ
トシュート、28 アウトレットシュート、29 離型
剤塗布装置、31 用紙、32トナー像、101 用
紙、102 トナー像、103 最外層、104 鏡面
アルミニウム板
最外層、6 加熱定着ベルト、7 耐熱性シート、8
弾性体層、9 最外層、11 加圧ロール、12 加
熱定着ロール、13 弾性体層、14 最外層、15
フッ素樹脂製フィルム、21 ヒーター、22 ヒータ
ー、23 加圧パッド、24 ベルト駆動ロール、25
ベルト搬送ロール、26 ヒーター、27 インレッ
トシュート、28 アウトレットシュート、29 離型
剤塗布装置、31 用紙、32トナー像、101 用
紙、102 トナー像、103 最外層、104 鏡面
アルミニウム板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 25/20 B32B 25/20 27/00 101 27/00 101 27/30 27/30 D C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 27/12 C08L 27/12 27/22 27/22 F16C 13/00 F16C 13/00 A E (72)発明者 藤田 徹也 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA16 AA23 BB00 BB03 BB05 BB06 3J103 AA02 AA14 BA03 FA07 FA12 FA15 FA30 GA02 GA52 GA57 GA58 GA66 HA03 HA12 HA43 HA51 HA53 4F100 AA00B AB01A AB10 AD00A AG00A AK01B AK17B AK17C AK52C AL05B AL09C AN02C AR00C AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CA23B DA11A DA16A EJ05B GB48 JB08B JK07B JK07C JK09 JK15 YY00B 4J002 BD121 BD131 BD141 BD151 BD161 BD171 BN031 DE076 DE086 DE116 DE136 DE146 DJ006 DJ016 DJ036 DK006 FD020 FD030 FD090 GH00 GQ00 HA05
Claims (18)
- 【請求項1】 担体上に高分子組成物層を備えた電子写
真用定着部材において、前記定着部材の少なくとも最外
層は溶媒可溶なフッ素樹脂を含有する高分子組成物層か
らなり、かつ前記最外層の高分子組成物の貯蔵弾性率
E’が120〜200℃で1.40×10-3〜3.00
×10-2GPaの範囲にあることを特徴とする電子写真
用定着部材。 - 【請求項2】 前記フッ素樹脂は、主鎖として含フッ素
脂肪族環構造を有するパーフルオロポリマーであること
を特徴とする請求項1記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項3】 前記フッ素樹脂は、メチレン基を分子内
に有するモノマーとフッ素化されたモノマーを共重合し
たフルオロポリマーであることを特徴とする請求項1記
載の電子写真用定着部材。 - 【請求項4】 前記フッ素樹脂は、含フッ素エラストマ
ーの主鎖に、結晶性含フッ素セグメントをグラフト重合
してなるフルオロポリマーであることを特徴とする請求
項1記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項5】 前記最外層は、前記フッ素樹脂を架橋し
て形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1項に記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項6】 前記最外層は、無機充填剤を配合して形
成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項に記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項7】 前記無機充填剤の含有量は、前記高分子
組成物に対して0.1〜50重量%の範囲にあることを
特徴とする請求項6記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項8】 前記担体は、金属製、ガラス製若しくは
セラミック製の円筒ロール体、又は、耐熱性樹脂製若し
くは金属製のエンドレスベルト体であることを特徴とす
る請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真用定着
部材。 - 【請求項9】 前記担体と前記最外層との間に弾性体層
を介在させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか
1項に記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項10】 前記弾性体層は、シリコーンゴム、フ
ルオロシリコーンゴム及び含フッ素ゴムの群から選択さ
れた1種以上のエラストマーで構成されてなることを特
徴とする請求項9記載の電子写真用定着部材。 - 【請求項11】 前記最外層は、前記フッ素樹脂に溶媒
可溶な含フッ素エラストマーを配合してなることを特徴
とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真
用定着部材。 - 【請求項12】 定着部材と加圧部材を対向配置して定
着ニップを構成し、未定着トナー画像を有する転写体を
前記定着ニップに移送する手段を備えた電子写真方式の
画像形成方法に用いる定着装置において、前記定着部材
が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の定着部材で
あることを特徴とする定着装置。 - 【請求項13】 前記定着ニップをロール状定着部材と
ロール状加圧部材で構成し、前記ロール状定着部材及び
/又は前記ロール状加圧部材の担体と最外層との間に弾
性体層を介在させたことを特徴とする請求項12記載の
定着装置。 - 【請求項14】 前記定着ニップをベルト状定着部材と
ロール状加圧部材で構成し、前記ベルト状定着部材及び
/又は前記ロール状加圧部材の担体と最外層との間に弾
性体層を介在させたことを特徴とする請求項12記載の
定着装置。 - 【請求項15】 前記ベルト状定着部材の内側に加圧部
材を配置して前記ロール状加圧部材に圧接させたことを
特徴とする請求項14記載の定着装置。 - 【請求項16】 前記ベルト状定着部材は、前記フッ素
樹脂に溶媒可溶な含フッ素エラストマーを配合してなる
最外層を前記担体上に直接形成したことを特徴とする請
求項14又は15記載の定着装置。 - 【請求項17】 前記定着部材及び/又は加圧部材に加
熱源を付設したことを特徴とする請求項12〜16のい
ずれか1項に記載の定着装置。 - 【請求項18】 潜像保持体上に潜像を形成する工程、
前記潜像を現像剤を用いて現像するトナー像の形成工
程、前記トナー像を転写体に転写する工程、前記トナー
像を転写体上に定着する工程を含む画像形成方法におい
て、前記定着工程で請求項12〜17のいずれか1項に
記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12975099A JP2000321908A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | 定着部材、定着装置及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12975099A JP2000321908A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | 定着部材、定着装置及び画像形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000321908A true JP2000321908A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15017284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12975099A Pending JP2000321908A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | 定着部材、定着装置及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000321908A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6361829B1 (en) * | 2000-06-30 | 2002-03-26 | Jiann H. Chen | Method of coating fuser member with thermoplastic containing zinc oxide and aminosiloxane |
JP2003015452A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-17 | Ricoh Co Ltd | 定着装置及び該定着装置を有するカラー画像形成装置 |
JP2006326583A (ja) * | 2005-05-23 | 2006-12-07 | Xerox Corp | フッ素化界面活性剤を用いたフルオロエラストマーフューザ部材をコーティングするためのプロセス |
JP2013020025A (ja) * | 2011-07-08 | 2013-01-31 | Daikin Ind Ltd | 定着用ロール及び定着用ベルト |
US9501013B2 (en) | 2012-05-08 | 2016-11-22 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Heating member and fusing apparatus including the same |
JP2020076922A (ja) * | 2018-11-09 | 2020-05-21 | コニカミノルタ株式会社 | 定着ベルト 定着装置 画像形成装置 画像形成方法 |
-
1999
- 1999-05-11 JP JP12975099A patent/JP2000321908A/ja active Pending
Cited By (6)
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