JPH10204224A - 耐熱性エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性エラストマー組成物及びその製造方法

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JPH10204224A
JPH10204224A JP2594897A JP2594897A JPH10204224A JP H10204224 A JPH10204224 A JP H10204224A JP 2594897 A JP2594897 A JP 2594897A JP 2594897 A JP2594897 A JP 2594897A JP H10204224 A JPH10204224 A JP H10204224A
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JP
Japan
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heat
resistant elastomer
toner
fluoroalkylsilane
elastomer composition
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JP2594897A
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Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 定着用ローラまたはベルトにおいて、トナー
離型性に優れた耐熱性エラストマー層を形成することが
できる耐熱性エラストマー組成物、及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 耐熱性エラストマーに、下記式(1) (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
フルオロアルキルシランを含有させたことを特徴とする
耐熱性エラストマー組成物。耐熱性エラストマーに、式
(1)で表されるフルオロアルキルシランを添加した
後、熱処理することを特徴とする耐熱性エラストマー組
成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性エラストマ
ー組成物に関し、さらに詳しくは、電子写真複写機など
の画像形成装置の定着部に用いられる定着用ローラまた
はベルトの耐熱性エラストマー層を形成するための材料
として好適な耐熱性エラストマー組成物とその製造方法
に関する。また、本発明は、基体上に耐熱性エラストマ
ー組成物から形成された層を有するトナー離型性と定着
性に優れた定着用ローラまたはベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機、ファクシミリ、レーザ
ープリンターなどの画像形成装置において、印刷・複写
の最終段階では、転写材(例、転写紙、フィルム)上の
トナー(現像剤)を加熱溶融して定着させている。例え
ば、電子写真複写機では、感光体ドラムなどの潜像担
持体上に像露光を行って静電潜像を形成する工程、静
電潜像にトナーを付着させてトナー画像(可視像)を形
成する工程、転写材上にトナー画像を転写する工程、
及びトナー画像を加熱等により転写材上に定着させる
工程、の各工程を経て複写が行われる。トナーとして
は、一般に着色剤を含有する樹脂粉末が用いられてい
る。
【0003】定着方法としては、定着用ローラを用いた
熱定着方式が一般的である。定着用ローラを用いた熱定
着方式では、中空のロール状芯金の外周面をエラストマ
ーや樹脂で被覆してなる定着用ローラの内部に加熱用ヒ
ーターを配置し、該定着用ローラに加圧用ゴムローラを
圧接させ、両ローラ間にトナー画像が形成された転写材
を通過させてトナーを加熱溶融させることにより、トナ
ー画像を転写材上に定着させている。
【0004】最近では、定着用ベルトを用いた熱定着方
式が採用されてきている。定着ベルトとしては、金属チ
ューブまたは耐熱性樹脂チューブの外周面をエラストマ
ーや樹脂で被覆してなるエンドレスベルトが用いられて
いる。定着用ベルトに加圧用ゴムローラを圧接させ、こ
の圧接部における定着用ベルトの内側には加熱用ヒータ
を密着させ、両者間にトナー画像が形成された転写材を
通過させて、定着用ベルトを介して加熱用ヒーターでト
ナーを加熱溶融させることにより、トナー画像を転写材
上に定着させている。定着用ローラの場合には、電源投
入後、該ローラ表面が所定温度に達するまでの待ち時間
が長い。これに対して、定着用ベルトを用いると、薄い
エンドレスベルトを介するだけで、加熱用ヒーターによ
り実質上直接的にトナーを加熱するため、電源投入時の
待ち時間がほぼゼロになるという利点がある。
【0005】定着用ローラやベルトにおいて、外周面に
被覆するエラストマーまたは樹脂としては、耐熱性とト
ナー離型性に優れた材質のものが用いられている。例え
ば、定着用ローラとして、芯金の外周面にフッ素樹脂層
を形成した構造のもの、芯金の外周面にシリコーンゴム
やフッ素ゴムなどのエラストマー層を形成した構造のも
の、芯金の外周面にエラストマー層を介してフッ素樹脂
層を形成した構造のものなどが知られている(例えば、
特開昭57−89785号公報、特開平1−27787
6号公報、特公平7−46254号公報)。
【0006】ところで、近年、複写の高速化や画像のフ
ルカラー化に伴い、トナーの低融点化が要求されるよう
になり、トナー成分が変更されてきている。また、カラ
ー複写機やレーザープリンターなどでは、赤、黄、青、
黒の4色のカラートナーが用いられているが、これらの
カラートナー画像を定着させるには、単にトナーを加圧
・加熱して溶融定着させる単色トナーの定着の場合とは
異なり、複数種のカラートナーを溶融状態で混色させる
必要があるため、トナーを溶融しやすくし、かつ、定着
用ローラで複数種のカラートナーを包み込むようにして
溶融状態で均一に混合させることが求められている。そ
のため、定着用ローラやベルトには、従来にまして、離
型性と弾力性(ソフト性)に優れていることが要求され
るようになってきている。
【0007】芯金の外周面にフッ素樹脂層が形成された
定着用ローラは、一般に、トナーの離型性に優れてお
り、定着性も良好である。しかし、この定着用ローラ
は、フッ素樹脂層の弾力性が不足しているため、複数種
のカラートナーを包み込むようにして溶融状態で均一に
混合させることが困難であり、満足できる定着を行うこ
とが難しい。芯金の外周面にシリコーンゴム層を形成し
た定着用ローラは、弾力性が良好であるため、カラート
ナーの定着に適している。しかし、シリコーンゴム層
は、トナー離型性が不足しているため、オフセット防止
と定着用ローラ表面の汚染防止の目的で、シリコーンゴ
ム層表面にシリコーンオイルなどの離型オイルを塗布し
ている。ところが、この離型オイルのためにシリコーン
ゴム層が膨潤したり、離型オイルが付着した周囲の部品
が劣化するという問題があった。また、定着温度が20
0℃にも達する高速複写機の場合には、シリコーンゴム
の耐熱性が不足しており、シリコーンゴム層を設けた定
着用ローラでは、適用が困難である。
【0008】フッ素ゴムは、通常、シリコーンゴムより
も耐熱性に優れているため、芯金の外周面にフッ素ゴム
層を形成した定着用ローラは、カラートナーの定着に適
しており、高温で定着させる高速複写機にも適用するこ
とができる。しかし、フッ素ゴム層は、シリコーンゴム
層と同様に、トナー離型性が不十分であるため、離型オ
イルを塗布する必要がある。この場合も、離型オイルが
定着用ローラ以外の部品に付着して劣化させるという問
題がある。
【0009】芯金の外周面にシリコーンゴムやフッ素ゴ
ムなどのエラストマー層を形成し、さらにその外側にフ
ッ素樹脂層を形成した定着用ローラは、トナー離型性に
優れるため、離型オイルを用いないか、あるいは少量の
離型オイルの塗布でトナー離型が可能である。しかし、
表面にフッ素樹脂層を設けることにより、エラストマー
層の弾力性(ソフト性)が低減し、しかも、通紙により
フッ素樹脂層が摩耗するため、複写枚数が多くなるとト
ナー離型性が急激に低下するといった問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、定着
用ローラまたはベルトにおいて、トナー離型性に優れた
耐熱性エラストマー層を形成することができる耐熱性エ
ラストマー組成物、及びその製造方法を提供することに
ある。本発明の他の目的は、基体上に耐熱性エラストマ
ー組成物からなる層を形成したトナー離型性と定着性に
優れた定着用ローラまたはベルトを提供することにあ
る。
【0011】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、基体上に、弾力性とト
ナー離型性を兼ね備えた被覆層を形成すれば、最外層と
してフッ素樹脂層を形成することなく、高速複写機やカ
ラー複写機などの定着部に適用可能な定着用ローラまた
はベルトが得られることに想到した。そして、耐熱性エ
ラストマーにフルオロアルキルシランを含有させた耐熱
性エラストマー組成物により、上記目的を達成できるこ
とを見いだした。
【0012】フルオロアルキルシランを耐熱性エラスト
マーに添加した後、熱処理すれば、フルオロアルキルシ
ランと耐熱性エラストマーとの間、及び/またはフルオ
ロアルキルシラン相互での官能基同士の反応が生じ、そ
の結果、弾力性を保持しつつ優れたトナー離型性を発揮
できる耐熱性エラストマー組成物を製造することができ
る。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、耐熱性
エラストマーに、下記式(1)
【0014】
【化4】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
フルオロアルキルシランを含有させたことを特徴とする
耐熱性エラストマー組成物が提供される。また、本発明
によれば、耐熱性エラストマーに、下記式(1)
【0015】
【化5】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
フルオロアルキルシランを添加した後、熱処理すること
を特徴とする耐熱性エラストマー組成物の製造方法が提
供される。さらに、本発明によれば、基体上に耐熱性エ
ラストマー層が形成された定着用ローラまたはベルトに
おいて、該耐熱性エラストマー層が、耐熱性エラストマ
ーに、下記式(1)
【0016】
【化6】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
フルオロアルキルシランを含有する耐熱性エラストマー
組成物から形成された層であることを特徴とする定着用
ローラまたはベルトが提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で使用する耐熱性エラスト
マーとしては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムな
どが挙げられる。シリコーンゴムとしては、例えば、メ
チルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーン
ゴム、フルオロシリコーンゴムなどが挙げられる。ま
た、シリコーンゴムとしては、高温加硫を行う固形ゴム
のほか、RTV(Room Temperature
Vulcanizing)シリコーンゴムやLTV(L
owTenperature Vulcanizin
g)シリコーンゴムなどの液状またはペースト状のゴム
を挙げることができる。これらの中でも固形ゴムが好ま
しい。
【0018】フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系
ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、テトラフルオロエチ
レン−プロピレン系ゴム、フルオロフォスファゼン系ゴ
ム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエー
テル系(パーフルオロ系)ゴムなどを挙げることができ
る。これらの中でも、耐熱性と低圧縮永久歪みの観点か
らみて、テトラフルオロエチレン−プロピレン−第三モ
ノマー共重合体ゴムなどのポリオール加硫型フッ素ゴム
が特に好ましい。本発明で使用するフルオロアルキルシ
ランは、下記式(1)で表される化合物である。
【0019】
【化7】 式(1)中、nは、0または1〜15の整数であり、好
ましくは0または1〜10の整数であり、より好ましく
は4〜10の整数である。X、Y及びZは、それぞれ独
立に、塩素原子、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ま
たは炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。ただし、
X、Y及びZの内の少なくとも2つは、塩素原子または
アルコキシ基である。アルコキシ基及びアルキル基の炭
素原子数は、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2
である。
【0020】フルオロアルキルシランの具体例として
は、以下の各式で表される化合物を例示することができ
る。 CF3CH2CH2SiCl3 CF3CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF25CH2CH2SiCl3 CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF27CH2CH2SiCl3 CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF27CH2CH2SiCH3Cl2 CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
【0021】フルオロアルキルシランは、無機材料と反
応する塩素原子やアルコキシ基等の加水分解基を持って
いるため、シランカップリング剤と同様の作用を果たす
と共に、フッ素原子の存在により、臨界表面張力が低
く、離型性付与効果を持つものと考えられる。フルオロ
アルキルシランをフッ素ゴム等の耐熱性エラストマーに
配合し、ゴム中で反応させることにより、フルオロアル
キルシランと耐熱性エラストマーとの間で化学反応が生
じて結合する、もしくはフルオロアルキルシラン相互で
の官能基同士の反応によりフルオロアルキルシランポリ
マーの微粒子が生成し、その結果、耐熱性エラストマー
の離型性が向上するものと推定される。
【0022】耐熱性エラストマーにフルオロアルキルシ
ランを添加した後、熱処理すると、前記の反応が促進さ
れる。熱処理条件は、熱処理温度が通常40〜120
℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜
90℃、熱処理時間が通常1〜100時間、好ましくは
5〜80時間、より好ましくは10〜60時間である。
熱処理温度が高すぎると耐熱性エラストマーの早期加硫
が起こりやすくなり、低すぎると官能基の反応に長時間
を要することになり、いずれも好ましくない。前記範囲
内で熱処理温度を高くすると、熱処理時間を短くするこ
とができる。官能基の反応を促進させるために、ジブチ
ル錫ジラウレートなどの触媒を添加してもよい。
【0023】耐熱性エラストマーとフルオロアルキルシ
ランとの混合、あるいは混合後の熱処理により、耐熱性
エラストマー中には、平均粒径が1μm以下、好ましく
は300nm以下、より好ましくは100nm以下の微
小なフルオロアルキルシランのポリマー粒子が生成し、
これが離型性ポリマー粒子として作用し、耐熱性エラス
トマー組成物からなる層の表面に均一かつ高度の離型性
を付与すると考えることができる。フルオロアルキルシ
ランが含有するフッ素原子の数が多いほど、離型性付与
効果が大きい。フルオロアルキルシランが含有するフッ
素原子の数は、11個以上が好ましく、13個以上がよ
り好ましく17個以上が特に好ましい。
【0024】フルオロアルキルシランの配合割合は、耐
熱性エラストマー100重量部に対して、好ましくは
0.5〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部、
最も好ましくは5〜20重量部である。この配合割合が
少なすぎるとトナー離型性の改善効果が十分ではなく、
多すぎると耐熱性エラストマーの引張強度の低下が著し
くなる。耐熱性エラストマーには、必要に応じて、シリ
カ、アルミナ、ボロンナイトライド、カーボンブラッ
ク、酸化チタンなどの充填剤や、その他のエラストマ
ー、合成樹脂、無機顔料などを配合してもよい。
【0025】耐熱性エラストマー組成物は、例えば、常
法によりプレス加硫してゴムシートに成形することがで
きる。ゴムシートをロール状芯金などの基体上に巻き付
け、2次加硫すれば、耐熱性エラストマー組成物層を形
成することができる。ゴムシートを金属チューブや耐熱
性樹脂チューブの外周に、必要に応じて接着剤層を介し
て、貼り合わせてもよい。定着用ローラの基体として
は、アルミニウムやステンレスなどの金属、またはセラ
ミックスからなる中空のロール状芯金;金属チューブ;
ポリイミドチューブなどの耐熱性樹脂チューブが使用さ
れる。耐熱性エラストマー組成物からなる層の厚みは、
適宜定めることができるが、通常、0.1〜1mm程度
である。基体と耐熱性エラストマー組成物層との間に必
要に応じてプライマー層を設けてもよい。また、耐熱性
エラストマー組成物層の表面を研磨して、厚みや形状を
調整してもよい。
【0026】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。 [実施例1]耐熱性エラストマーとしてポリオール加硫
型のフッ素ゴム(ダイキン社製、DC−1060)10
0重量部に対して、フルオロアルキルシランとして、C
3(CF27CH2CH2Si(OCH33(東芝シリ
コーン社製、TSL8233)1重量部を練り込み、7
0℃で48時間熱処理した。このようにして得られた耐
熱性エラストマー組成物を170℃で30分間プレス加
硫(1次加硫)して、厚さ2mmのゴムシートを作成し
た。このゴムシートを230℃で24時間の条件で2次
加硫してサンプルとした。このサンプルを用いて、下記
の方法によりトナー離型性を評価した。結果を表1に示
す。 (トナー離型性の評価)サンプルのゴムシート上に、黒
色トナー(キャノン社製、NP−6060用トナー)を
乗せ、その上から紙を乗せて、紙とゴムシートとの間に
トナーを挟み込む。これを150℃で10分間熱処理し
た後、紙とゴムシートを剥離して、トナーがいずれの側
についているかを調べ、下記の基準で評価した。 ◎:ゴムシート表面にトナーが融着せず、かつ、ゴムシ
ート表面の汚れなし、 ○:ゴムシート表面にトナーが融着しないが、ゴムシー
ト表面の汚れあり、 ×:ゴムシート表面にトナーが融着している。 (引張強度)JIS K6251にしたがって測定し
た。
【0027】[実施例2〜4]フルオロアルキルシラン
の配合割合を表1に示すように変えたこと以外は、実施
例1と同様にしてゴムシートのサンプルを作成し、同様
に評価した。結果を表1に示す。
【0028】[実施例5]フルオロアルキルシランとし
て、CF3(CF25CH2CH2SiCl3(東芝シリコ
ーン社製、TSL8256)5重量部を用いたこと以外
は、実施例1と同様にしてゴムシートのサンプルを作成
し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0029】[実施例6]フルオロアルキルシランとし
て、CF3 CH2 CH2 SiCl3 (東芝シリコーン社
製、TSL8261)5重量部を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてゴムシートのサンプルを作成し、同
様に評価した。結果を表1に示す。
【0030】[比較例1]ポリオール加硫型のフッ素ゴ
ム(ダイキン社製、DC−1060)を170℃で30
分間プレス加硫(1次加硫)して、厚さ2mmのゴムシ
ートを作成した。このゴムシートを230℃で24時間
の条件で2次加硫してサンプルとした。このサンプルを
用いて、前記の方法によりトナー離型性を評価した。結
果を表1に示す。
【0031】[比較例2]フルオロアルキルシランの配
合割合を0.1重量部に変えたこと以外は、実施例1と
同様にしてゴムシートのサンプルを作成し、同様に評価
した。結果を表1に示す。
【0032】[比較例3]フルオロアルキルシランの配
合割合を30重量部に変えたこと以外は、実施例1と同
様にしてゴムシートのサンプルを作成し、同様に評価し
た。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 脚注 (A):CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
(東芝シリコーン社製、TSL8233) (B):CF3(CF25CH2CH2SiCl3(東芝シ
リコーン社製、TSL8256) (C):CF3CH2CH2SiCl3(東芝シリコーン社
製、TSL8261)
【0034】[実施例7]耐熱性エラストマーとしてポ
リオール加硫型のフッ素ゴム(ダイキン社製、DC−1
060)100重量部に対して、CF3(CF27CH2
CH2Si(OCH33(東芝シリコーン社製、TSL
8233)5重量部を練り込み、70℃で48時間熱処
理した。このようにして得られた耐熱性エラストマー組
成物を170℃で30分間プレス加硫(1次加硫)し
て、厚さ0.3mmのゴムシートを作成した。中空のロ
ール状アルミニウム芯金(外径50mm、ロール長32
0mm)の外周に、上記で得られたゴムシートを貼り合
わせた後、230℃で24時間2次加硫した。その後、
ゴム層を研磨して、厚みを0.2mmとした。このよう
にして得られた定着用ローラを電子写真複写機の定着部
に組み込んで複写試験を行ったところ、優れた離型性を
示し、連続1万枚の複写枚数でオフセットの発生が見ら
れなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、電子写真複写機などの
画像形成装置の定着部に用いられる定着用ローラまたは
ベルトの耐熱性エラストマー層を形成するための材料と
して好適な耐熱性エラストマー組成物とその製造方法が
提供される。また、本発明によれば、基体上に前記耐熱
性エラストマー組成物から形成された層を有するトナー
離型性と定着性に優れた定着用ローラまたはベルトが提
供される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性エラストマーに、下記式(1) 【化1】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
    及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
    5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
    基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
    は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
    フルオロアルキルシランを含有させたことを特徴とする
    耐熱性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 耐熱性エラストマーがフッ素ゴムである
    請求項1記載の耐熱性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 耐熱性エラストマー100重量部に対し
    て、フルオロアルキルシラン0.5〜25重量部を含有
    させた請求項1または2記載の耐熱性エラストマー組成
    物。
  4. 【請求項4】 耐熱性エラストマーに、下記式(1) 【化2】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
    及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
    5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
    基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
    は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
    フルオロアルキルシランを添加した後、熱処理すること
    を特徴とする耐熱性エラストマー組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 基体上に耐熱性エラストマー層が形成さ
    れた定着用ローラまたはベルトにおいて、該耐熱性エラ
    ストマー層が、耐熱性エラストマーに、下記式(1) 【化3】 (式中、nは、0または1〜15の整数を表す。X、Y
    及びZは、それぞれ独立に、塩素原子、炭素原子数1〜
    5のアルコキシ基、または炭素原子数1〜5のアルキル
    基を表す。ただし、X、Y及びZの内の少なくとも2つ
    は、塩素原子またはアルコキシ基である。)で表される
    フルオロアルキルシランを含有する耐熱性エラストマー
    組成物から形成された層であることを特徴とする定着用
    ローラまたはベルト。
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JP (1) JPH10204224A (ja)

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