JP4587152B2 - 加圧ローラ、加熱装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザープリンター、ファクシミリ等、電子写真プロセスを用いる画像形成装置、その加熱定着装置、並びに加熱定着装置に内包される加圧ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱装置は、画像形成装置に用いられる加熱定着装置や、被記録剤を加熱して「つや」などの表面性を改質する像加熱装置、非加熱剤を乾燥やラミネート等の熱処理する装置等として従来より広く用いられている。以下、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置に装備される加熱定着装置を例として、従来技術の加熱装置を説明する。
【0003】
画像形成装置の加熱定着装置は、被記録材(転写シート、静電記録紙、エレクトロファックス紙、印字用紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報に対応した未定着画像(トナー画像)を、被記録材面に永久固着画像として熱定着させるものである。加熱定着装置は、熱ローラ方式やフィルム加熱方式等のように、加熱手段と加圧手段とを対向圧接させて圧接ニップ部(定着ニップ部)を形成し、その圧接ニップ部に画像定着すべき被記録材を導入し挟持搬送させることにより未定着画像を被記録材面に熱圧定着させる接触加熱型の装置が多用されている。以下これらの加熱方式について説明する。
【0004】
(1)熱ローラ定着方式
加熱手段としての加熱ローラ(定着ローラ)と、これに圧接させた加圧手段としての弾性加圧ローラとからなる平行圧接ローラ対を基本構成とする。ローラ対を回転させ、ローラ対の圧接ニップ部に画像定着すべき被記録材を導入して挟持搬送させ、加圧ローラの熱と圧接ニップ部の加圧力によって未定着画像を被記録材面に熱圧定着させるものである。
【0005】
(2)フィルム加熱方式
フィルム加熱方式に関しては特開昭63-313182号公報、特開平2-157878号公報、特開平4-44075〜44083号公報、特開平4-204980〜204984号公報等に提案されている。フィルム加熱方式は、加熱手段として加熱体と耐熱性フィルム(定着フィルム)を有し、加圧手段として弾性加圧ローラを有する。弾性加圧ローラによって耐熱性フィルムを加熱体に圧接させて圧接ニップ部を形成し、圧接ニップ部において耐熱性フィルムを加熱体に密着させて摺動搬送させ、圧接ニップ部における耐熱性フィルムと弾性加圧ローラとの間に画像定着すべき被記録材を導入してこの被記録材を耐熱性フィルムとともに搬送させる。このとき、加熱体から耐熱性フィルムを介して被記録材に付与される熱と、圧接ニップ部における加圧力にて未定着画像が、被記録材面に熱圧定着される。被記録材は圧接ニップ部を通過後に耐熱性フィルムから分離される。フィルム加熱方式の加熱装置においては、耐熱性フィルムとしてエンドレスフィルムを用い、フィルムの回転駆動方式として、フィルム内面側に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら回転駆動させる方式と、フィルムをフィルムガイドにルーズに外かんさせ、加圧手段としての加圧ローラを駆動することでフィルムを加圧ローラに対し従動駆動させる加圧回転駆動方式があるが、部品点数が少なくてすむことから、後者の加圧回転駆動方式が採用されることが多い。
【0006】
このようなフィルム加熱方式の定着装置には、低熱容量のヒータを用いることができるため、熱ローラ定着方式に比べ、ウエイトタイムの短縮(クイックスタート)が可能となる。また、クイックスタートが可能となることにより、非プリント動作時の予熱が必要なくなり、総合的に省電力化を図ることができる。ヒータに代表される加熱手段を低熱容量化するだけでなく、加圧手段を低熱容量化することも省電力化に有効である。
【0007】
ここで用いられる弾性加圧ローラとしては、円柱あるいは円筒芯金上に、シリコーンゴム弾性層あるいはシリコーンスポンジ層を形成し、その外周面に直接あるいは接着層を介してトナー離型層としてのフッ素樹脂層を成膜したものが、多く用いられている。フッ素樹脂層はフッ素樹脂チューブを被覆することにより形成されたものや、フッ素樹脂系塗料を塗工・焼成する工程を経て形成されたものが実用化されている。
【0008】
被記録材の圧接ニップ部における接触面積を確保するため、加圧ローラには十分な弾性が要求され、弾性層は比較的厚く設定されている。
【0009】
また、近年、上記加圧ローラ駆動型のフィルム方式の加熱定着装置に限らず、熱ローラ定着装置、あるいは定着フィルム駆動型の加熱定着装置において、高速化の要望が強く、同時に画像形成装置の小型化が要求されている。
【0010】
また、省電力の為、加熱効率をあげることによりスタンバイ温調を行わない加熱定着装置が増えてきている。このような装置において前記の要求を満たすためには、比較的低圧力で、小径の定着ローラ、加圧ローラを使用せざるを得ず、画像形成装置の被記録材搬送速度が速い場合、被記録材に十分な熱量を供給するためには、定着ローラまたは定着フィルムと加圧ローラの圧接ニップ幅を低圧力で大きくする必要があり、このためにローラ硬度を低下させた加圧ローラの開発が試みられている。
【0011】
例えば、特開平7−271233号公報では、低硬度の定着加圧ローラを提供する目的で、液状シリコーンから形成されたシリコーンゴム層内に、その長さ方向に連続した中空孔を設けた定着用加圧ローラが提案され、さらにシリコーンゴム層上にフッ素樹脂表面層を有する場合、Asker−C型硬度計(9.8N)で測定した表面硬度が60度以下であることが提案されている。
【0012】
また、特開平7−271233号公報では、加圧ローラの弾性層を多孔質シリコーンゴムで形成された硬度35〜50°(Asker−C)なるスポンジ層と該スポンジ層上に被覆したPFAチューブで形成し、ローラ硬度を45〜60°(Asker−C)に設定し、紙しわの発生を防止した定着性良好な加圧ローラが提案されている。
【0013】
従来の多くの加熱定着装置においては、コストダウン等の目的でクリーニング装置を持たないものが多くなってきている。さらに近年の高画質化を目指したトナーの小粒径化もクリーニング手段でのクリーニングを困難なものとし、この傾向に拍車をかけている。
【0014】
一方、紙を長期に保存するために、酸性紙から中性紙への移行が進み、紙の填料として炭酸カルシウムが多く使われるようになってきている。さらには、再生紙などには炭酸カルシウムとタルクといった複数の無機材料を填料として含むものが増加している。しかしながら、このような填料は、加圧ローラ、定着ローラ、定着フィルム等に付着して離型性を低下させるという弊害があり、このため加圧ローラの表面にトナーが堆積して画像上に汚点を生じたり、あるいは紙を周囲に巻き付かせてジャムを形成したりする問題が生じている。
【0015】
上記公報に開示される従来の加圧ローラは、定着性、搬送性を確保するための低硬度化に関するものであり、ローラ表面の紙粉付着現象の解決策とはならないため、従来型の加圧ローラを上記加熱定着装置に使用し、低温環境下に間欠運転条件で運転した場合には、加圧ローラ表面のトナー汚れにより、定着画像の乱れ、紙シワ、加圧ローラへの紙巻き付き等がより多く生じる場合がある。加圧ローラのトナー汚れは、まず転写紙の紙粉がローラ表面に付着し、それが核となって、定着ローラ、定着フィルム側に少量存在するオフセットトナーが加圧ローラ側に移行し蓄積する現象である。加圧ローラに付着するトナーと加圧ローラから剥がれていくトナーとの収支バランスが悪く、付着量が剥離量より多くなるとローラ汚れとなる。
【0016】
剥離するトナー量を増やしてローラ汚れを抑える技術としては、特開平11−34489号公報に開示される方法などがある。トナー付着の要因としては加圧ローラへの紙紛等異物の付着という第1の要因、オフセットトナーという第2の要因、オフセットトナーが加圧ローラに転移するという第3の要因がある。第1の要因であるローラへの紙粉の付着は、加圧ローラの表面層が固く、傷つきやすいほど著しいことがわかっている。
【0017】
ソリッドゴムローラに関して、より表面が傷つきにくく、紙紛が付かない技術としては特開2000−221823、特開2000−305396に開示されるものがある。ソリッドゴムローラを加圧した場合、加圧を受けた部分のゴムは加圧を受けてない領域に広がって体積が変わらないように変形すると考えられる。つまりローラ表層は内部のゴムの広がりに追従しようと伸び方向のストレスを受け、弾性体が自身の体積を変えるために、表層のストレスが少ないスポンジローラに比べて、加圧部では紙紛やトナー粒子により表面が傷つけられやすい。上記公報の技術は内部に空隙を内包しないソリッドゴムローラに関して必要であるといえる。
【0018】
また第2の要因であるオフセットトナーが発生する現象は次のように考えられる。転写紙に付着しているトナーには、静電的に定着ローラや定着フィルム面への吸引力が作用している。この静電吸引力は、例えば、トナーを吸引している転写紙の電荷が定着ローラや定着フィルム面に移行することにより生ずる。加圧ローラ表面が十分に加熱されているときには、定着ローラや定着フィルムからの熱に加えて、加圧ローラからの熱も転写紙を通してトナーを加熱させる。そのためトナーが十分に軟化されており、その粘着力で転写紙側に留まり、定着ローラや定着フィルム面に移るトナー量は少ない。しかし、加圧ローラ表面が十分に加熱されていないときには、加圧ローラ側からの熱が少なく、トナーが十分に軟化されていないため転写紙への粘着力が小さいため、静電吸引力によって、トナーの一部が定着ローラや定着フィルム面にオフセットする。よって上述のように低温環境下で定着器が冷えるまで間隔を空けて通紙する間欠運転がローラ汚れの発生しやすい状態であるといえる。
【0019】
また第3の要因であるオフセットトナーの転移量は、定着ローラや定着フィルム(加熱体)と加圧ローラが接触している延べ面積、加熱体温度、および加圧ローラ温度と相関がある。加熱装置が加熱回転している時の加熱体温度と加圧ローラ温度およびトナー転移の関係を図6に示した。オフセットトナーは加熱体温度がトナーの軟化点温度Tgより高く、加圧ローラ温度がトナーの軟化点Tgより低いときに加熱体側に転移し、この領域を加熱体転移領域として示してある。また加熱体温度がTgより高く、加圧ローラ温度もTgより高くなると加圧ローラ側に転移する性質があることが分かっており、この領域をローラ転移領域として示してある。また加熱体温度、加圧ローラ温度共にTgより低い場合はローラと加熱体の間の転移量は少なく、保持領域としてある。通常のプリント動作では加熱体温度、加圧ローラ温度も常温であるS1から始まり、加熱体温度が目標温度に達するまで加熱が行われ、P1の軌跡を通って、S2の点まで到達する。オフセットトナーは保持領域を過ぎた後は一度加熱体側に移るが、加圧ローラ温度がTg以上になると加圧ローラ側に転移を始める。従来の加圧ローラを使用した場合、加圧ローラ温度が十分立ち上がるまで待ってから被記録材が突入するのでS2の状態にいる時間が長く、加圧ローラへの転移量が多い。被記録材が通紙されると加圧ローラ温度は下がりP2の軌跡を通り、S3の点まで到達する。連続通紙の場合、S2、S3の間を行き交いながら徐々にS2、S3の点が上がっていく軌跡となる。一枚で通紙が終わった場合にはS3で加熱装置の回転が停止し、回転で生じていた加熱体と加圧ローラの温度差が解消される方向に行くため、P3の軌跡のように加圧ローラ温度が若干上がってから下降し、常温まで冷えていく。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来のソリッドローラではローラ温度の上昇が遅いため、ローラ温度がトナーの軟化点温度を超えて定着可能になるまでのウエイトタイムが長く、上述のローラ転移領域にあるときのローラ表面と加熱体が接する延べ面積、すなわちローラ外周の周速度かける回転時間で表される距離が大きくなり、トナーのローラへの転移量が増え、加圧ローラ汚れの要因となっている。
【0021】
また加圧ローラの表層が固い場合、被記録材やトナーと繰り返し接することにより、表層に無数の細かい傷がつき、この細かい傷にトナー粒子が固着し、トナー汚れの起点となりローラ汚れを加速するという問題もあった。
【0022】
本発明は多数の空隙を内包する弾性層を有する加圧ローラにおいて、オフセットトナーの加圧ローラへの転移量と加圧ローラ表面の傷つきやすさの双方をバランスさせ、従来の物より加圧ローラ汚れが一段と発生しにくい加圧ローラおよび、加熱装置、画像形成装置を提供することを目的としたものである。
【0023】
また本発明の他の目的は、本来の定着特性および耐久性を満たすと共に、加圧ローラ表面へのトナーの固着を防止して、画像の汚れやジャムといった問題をも防止できる加圧ローラおよび加熱定着装置を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記事情を鑑みてなされたもので、上記目的は
(1)静電的に形成されたトナー像を担持する記録材を挟持搬送し、該記録材を加熱する加熱装置の加熱体と対向する加圧ローラであって、
芯金と、内部に微小な空隙を多数内包する弾性層と有し、かつ、最外層としてフッ素樹脂及びフッ素ゴムから選ばれる少なくとも一方を含む離型層を有しており、更に、該加圧ローラ表層で計測した熱伝導率をλ[W/mK]、該加圧ローラ表面のマイクロ硬度をHμとすると、
25 ≦ Hμ ≦ 80、
0.03 ≦ λ ≦ 1.0、
かつ、
1/λ ≧ 0.15(Hμ−20)
を満たし、
該弾性層は、中空の球状充填材を含み、該球状充填材が、表面に炭酸カルシウム、タルク、シリカ及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種の無機物を付着させたものであることを特徴とする加圧ローラ。
(2)上記(1)の球状充填材が、塩化ビニリデン樹脂と(メタ)アクリロニトリルとの共重合体からなる樹脂バルーンであることを特徴とする加圧ローラ。
(3)上記弾性層は、シリコーンゴムを母材とし、該母材に上記充填材を分散させてなることを特徴とする加圧ローラ。
(4)上記(1)から(3)の加圧ローラにおいて、最外層に形成される離型層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴムラテックスのいずれかを含有する離型層であることを特徴とする加圧ローラ。
(5)未定着画像を担持した被記録材を加熱するための加熱手段と、この加熱手段に対向して配置され、かつ前記加熱手段に圧接される(1)から(4)のいずれかの加圧ローラを有し、前記加熱手段と前記加圧ローラの圧接ニップ部に前記被記録材を導入して挟持搬送することにより、前記未定着画像を被記録材に加熱定着させるものであることを特徴とする加熱装置。
(6)上記(5)において、加熱手段は回転駆動される、または従動回転する加熱ローラであることを特徴とする加熱装置。
(7)前記(6)の加圧ローラは回転駆動され、前記加熱ローラは前記加圧ローラに対して従動回転することを特徴とする加熱装置。
(8)被記録材に未定着画像を形成担持させる画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に加熱定着させる(5)から(7)のいずれかの加熱装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
によって達成される。
【0025】
(1)は熱的な要因によるトナーの引き付けと、表層の傷つきやすさによるトナーの引き付けをバランスさせることで従来のローラより加圧ローラ汚れが発生しにくいローラを提供するものである。(2)から(6)は熱的な要因によるトナー引き付けを最小限にするローラを提供するものである。(7)は離型性が高く、トナーが付着しにくいローラを提供するものである。(8)から(10)は定着特性および耐久性を満たすと共に、加圧ローラ表面へのトナーの固着を防止した定着装置を提供するものである。(11)は画像の汚れやジャムといった問題をも防止できる画像形成装置を提供するものである
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真を用いた画像形成装置は例えば図9のように構成されている。
【0027】
図9において1は感光ドラム、2は帯電ローラ、3はレーザー露光装置、4は反射ミラー、5は現像スリーブ、6はトナー、7はトナー容器、8は転写ローラ、9は紙等の被記録媒体、10はクリーニングブレード、11は廃トナー容器、12は定着器、13はペーパーカセット、14は給紙ローラ、15は分離パッド、16は高圧電源である。
【0028】
感光ドラム1は矢印の方向に回転し、高圧電源16から給電される帯電装置2によって一様に帯電される。レーザー露光装置3から発せられたレーザー光は反射ミラー4で反射され感光ドラム1へ照射され、感光ドラム1上には静電潜像が形成される。トナー容器7の中にはトナー6が充填されており、現像スリーブ5の回転に伴い、適量のトナーが適度の帯電を受けた後、感光ドラム1上に供給されている。現像スリーブ5上のトナーは感光ドラム1の静電潜像に付着し、潜像が現像されトナー像として可視化される。ペーパーカセット13より給紙ローラ14はタイミングをとって、被記録媒体9を1枚ずつ給紙する。分離パッド15は給紙ローラ14と当接して配置され、その表面の摩擦係数、接地角度、形状は被記録媒体9を1度の給紙毎に1枚のみ送るように調整されている。可視化された感光ドラム1上のトナー像は転写ローラ8により被記録媒体9上に転写される。転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーはクリーニングブレード10により廃トナー容器11に収納され、表面をクリーニングされた感光ドラム1は繰り返し次の画像形成プロセスに入る。またトナー像を乗せた被記録媒体9は加熱装置12によって加熱、加圧を受けトナー像が紙上に永久定着される。
【0029】
このような画像形成装置の加熱装置12の一例として、フィルム加熱装置の一例の断面図を図8に示した。同図において、103は定着フィルム、102は加熱ヒータで、加熱ヒータ102は良熱伝導性基板と通電により発熱する発熱体108を有している。109は発熱体108を保護する発熱体保護層である。加熱ヒータ102の温度制御はCPUがサーミスタ107の検知温度が一定になるように、発熱体108への給電電力をトライアックを介して制御することにより行われる。101は加熱ヒータ102を保持するとともに定着フィルムの回転を案内する横長ステーであり、106は横長ステーを支持するための金属ステーである。また104はフィルムを駆動する駆動ローラを兼ねた加圧ローラであり、鉄、ステンレス等の芯金104aに弾性層104bを設け、最外層にフッ素樹脂などの離型層104cを形成したものである。105は定着入り口ガイドである。そして、加熱ヒータ102と加圧ローラ104との間に形成される定着ニップ部Nに記録材Pを搬送通過させることにより、トナー像Tを加熱・加圧して記録材P上に定着させるようになっている。
【0030】
加圧ローラ104を更に詳細に示した断面図が図1である。前記したように、芯金104a上に弾性層104b、離型層104cを順次設けて加圧ローラ104が構成されているが、本発明では、弾性層104b中に微小な空隙104dを多数内包しているものを使用する。
【0031】
弾性層104bの母材は加熱体からの熱を直接受けるため、耐熱性が高いものが好ましく、高温加硫型シリコーンゴム(HTV)、付加反応硬化型シリコーンゴム(LTV)、縮合反応硬化型シリコーンゴム(RTV)、フッ素ゴム、またはこれらの混合物が良い。具体的には、ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、ビニルシリコーンゴムなどのシリコーンゴム;フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテルなどのフッ素ゴム;などが挙げられる。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
またこの弾性層104bには、その弾性層の熱伝導率が1.0W/m・K以下となるように、例えば中空の球状充填材が混合されて微小な空隙104dを形成している。弾性層の熱伝導率を上記範囲とすることにより、加熱定着装置の作動時に加熱体が加圧ローラに奪われる熱量を小さく抑えることができる。このため既存の熱伝導率が比較的高いソリッドゴムローラと比較して、加圧ローラ表面の昇温速度が速く、加熱装置の立ち上がり時間を短縮することができる。加熱装置の立ち上がり時間を短縮することで省電力化を図ることができる。また立ち上がり時間が短縮できることで加圧ローラ側にトナーが転移している回転距離を小さくすることが可能となり、加圧ローラへのトナーの転移量を少なくすることができるため、より加圧ローラ汚れに対して有利な構成とすることが出来る。弾性層の熱伝導率は0.03〜1.0W/m・Kであることが好ましく、0.05〜0.2W/m・Kであることがより好ましい。
【0033】
このような断熱性を達成する中空球状充填材としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノール樹脂バルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体からなる樹脂バルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなどがある。
【0034】
定着ニップ部の幅を十分確保するためには、上記弾性層の硬度がAsker−C 9.8N荷重で25度〜70度であることが好ましいが、この条件を満たすためには比較的充填材自身が柔らかい塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル等、樹脂製の物が特に好ましい。
【0035】
また中空球状充填材を母材の弾性体に混合するときに充填材の破壊を防ぐ、もしくは充填材の分散性を向上させるために、中空球状充填材の表面に炭酸カルシウム、タルク、シリカ、酸化チタン等の無機物を付着させたものでもよい。また中空部に低融点炭化水素を内包し、使用時に加熱して数十倍の大きさに発泡させるものでも良い。但し、熱伝導率を下げて断熱性を高めるためには、中空球状充填材の分散時もしくは発泡後の真比重が0.01〜0.40、0.02〜0.30であればより好ましい。真比重が0.01より小さいと配合、取り扱いが難しいばかりか、中空球状充填材の耐圧強度が不十分で成形時に破壊してしまう場合があるため好ましくない。また中空球状充填材の粒径は、300μm以下、通常1〜300μm、好ましくは5〜200μm、更に好ましくは10〜100μm程度で、粒径が大きすぎると成形時の射出圧力により中空球状充填材が破壊されてしまう場合があり好ましくない。また中空球状充填材の配合量はシリコーンゴム等の弾性体母材100質量部に対し0.5〜30質量部、好ましくは1.0〜20質量部で、少なすぎると熱伝導率が十分下がらずクイックスタート性が劣る場合があるため好ましくない。また多すぎると均一な配合が困難でかつゴム強度も不十分なものとなってしまう場合がある。また、この中空球状充填材の容積配合率は、上記と同様の理由から、ゴム材料(即ち、中空球状充填材含有弾性材料全体)に対して体積比率で10〜80容量%、特に15〜75容量%であることが好ましい。
【0036】
弾性層104bの最外層に設けられる離型層104cとしては耐熱性、離型性の観点からフッ素樹脂が好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂およびフッ素ゴムラテックスをそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する。また帯電防止、接着性向上などの必要に応じて、カーボンブラック、マイカ、導電性フィラーなどの充填材を離型層材料に含有させることができる。上記離型層は上記フッ素樹脂をチューブ状に押し出し成形し、弾性体の外周にかぶせるように設けても良いし、紛体または溶液に分散されたフッ素樹脂塗料を弾性層にコーティングして設けても構わない。または特開平11−7214号公報に開示されるように、型内に離型層を先立って形成し、弾性体を後から注入することにより弾性体の最外層に離型層を設けても構わない。
【0037】
加圧ローラの表層が固い場合、記録材やトナーと繰り返し接することにより、表層に無数の細かい傷がつく。本発明者らの鋭意検討の結果、この細かい傷にトナー粒子が固着し、トナー汚れの起点となりうることは知られているが、弾性層が同じであれば表層の傷つきやすさがローラの汚れやすさをほぼ支配していることを見出した。また表層の傷つきやすさは表層の材質や厚みによって異なるが、傷つきやすさはマイクロ硬度と高い相関があることも見出した。本発明の加圧ローラは、表層で計測したマイクロ硬度Hμが25〜80度、好ましくは、35〜60度である。また、表層で計測した熱伝導率λが0.03〜1.0W/m・K、好ましくは、0.05〜0.2W/m・Kである。そして、本発明では、これらマイクロ硬度Hμと熱伝導率λが下記式の関係
1/λ≧0.15(Hμ−20)
を満たすように、構成材料を選択して形成するものである。
【0038】
その他のローラの形態としては、発泡スポンジローラが挙げられ、次のように作られる。熱加硫型シリコーンゴム(HTVシリコーンゴム)と呼ばれるオルガノポリシロキサン、補強用充填剤、増量剤、耐熱剤などからなるシリコーンゴム組成物に、加硫剤として各種パーオキサイドと各種発泡剤を加えた原料未加硫ゴムを押し出し機を用いてチューブ状に押し出し、加熱炉を通して加硫、発泡させて、内部に微小な空隙104dを多数形成し、シリコーンゴムスポンジチューブからなる弾性層104bを作る。次に、このシリコーンゴムスポンジチューブ内に接着剤を塗布した芯金104aを挿入して接着させた後、スポンジ表面を研磨してスポンジロールとする。つづいて、このスポンジロール表面に接着剤を塗布し、薄肉のフッ素樹脂製チューブを被覆して離型層104cとし、加圧ローラ104を製作する。
【0039】
また他の方法として原料未加硫ゴムを芯金104aと一緒に押し出し機などを用いて押し出し成型し、芯金の外周に未加硫ゴム層を設ける。次に、内面がメッキ処理された加硫成型用中空パイプを用意し、前記中空パイプの内壁面に離型層104cとなるフッ素樹脂製チューブを装着する。つづいて、このフッ素樹脂製チューブの内側に前述した未加硫ゴムの付いた芯金を装着した後、中空パイプと共に加熱することで、加硫、発泡させ、微小な空隙104dを多数形成すると同時に芯金−スポンジ間の接着、スポンジ−フッ素樹脂製チューブ間の接着を同時に行い加圧ローラ104を製造する。前記シリコーンゴムスポンジ層の原料としては、ビニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジエンポリシロキサン、補強用充填剤、増量剤、耐熱剤、白金化合物を加えた付加反応型シリコーンゴム(ミラブルLTVシリコーンゴム)組成物に各種発泡剤を加えた未加硫原料ゴム、または例えばオルガノハイドロジエンポリシロキサン、シラノール基含有オルガノポリシロキサン、補強用充填剤、触媒を混合することで常温でも脱水素反応し、硬化、発泡する脱水素縮合硬化型シリコーンゴムスポンジなどが挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例における「部」は質量基準を示す。
【0041】
実施例1
付加硬化型液状シリコーンゴム材料(商品名「KE1218」、信越化学工業製)A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部に、松本油脂製薬製マイクロバルーン「F80S」(商品名)を4部、ポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物を得た。
【0042】
アルミ製の直径13mmの芯金が中心部に装着された内径20mmの型内に上記シリコーンゴム組成物を注型し、150℃で1時間一次加硫を行った。型から脱型し、ゴムローラを得た。200℃で4時間2次加硫を行った後、230℃で4時間加熱した。このゴムローラの表層にシリコーンゴム用プライマをスプレー方式で塗布し、乾燥後、厚み45μmのPFAチューブを被覆し、150℃で2時間加熱し、PFAチューブの接着を行い、加圧ローラを得た。このローラのマイクロ硬度は72度であった。
【0043】
マイクロ硬度は高分子計器株式会社製 マイクロ硬度計 MD−1のAタイプを使用し、測定はピークホールドモード、ホールド時間は1秒で行った。
【0044】
図5はローラ表面のマイクロ硬度の測定時の図である。45はマイクロ硬度計のヘッド部であり、架台46に保持されている。測定時には加圧ローラ104にプローブ44が当たるように上下する。ここで測定値が安定するように加圧ローラの頂点付近の面で垂直にプローブが当たるように注意する必要がある。
【0045】
またこのローラの熱伝導率は0.1W/mKであった。熱伝導率の測定は京都電子工業製の迅速熱伝導率計「QTM−500」(商品名)を用い、測定プローブは「PD−11」(型番)を使用した。図4は熱伝導率測定時の図である。43はプローブであり、42がヒートワイヤ、41が熱電対のリード線である。ヒートワイヤ42を発熱させ、その昇温速度を熱電対で検知する仕組みであるため、測定時はヒートワイヤ42全面が加圧ローラ104に当たるように注意しなければならない。またプローブのローラへの押し付け力も均一になるようにする必要があるが、プローブには不図示の加圧バネが内蔵されており、当接圧が一定になるようになっている。
【0046】
この加圧ローラをヒューレットパッカード社のレーザープリンターである「LaserJet4050」(商品名)に用いたところ、従来のローラでファーストプリントタイムが13秒であったものが11秒に短縮することができた。Boise Cascade社製の「X9000」(商品名)紙(坪量80g/m2)を用いて10℃/15%RHの環境において、10分毎に2枚プリントする方法で加圧ローラの汚れを評価した。この紙を用いた理由としては、填料として炭酸カルシウムとタルクの両方が含まれ、加圧ローラ汚れが最も発生しやすい紙の1種であるためである。本実施例の加圧ローラにおいて5000枚を越えても加圧ローラ上へのトナー付着は無く、画像上への汚れも発生しなかった。十分な耐久性を持っていた。
【0047】
比較例1
信越化学工業製付加硬化型液状シリコーンゴム材料「KE1218」A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部を混合し15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物を得た。
【0048】
アルミ製の直径13mmの芯金が中心部に装着された内径20mmの型内に上記のシリコーンゴム組成物を注型し、150℃で1時間一次加硫を行った。型から脱型し、ゴムローラを得た。200℃で4時間2次加硫を行った。このゴムローラの表層にプライマをスプレー方式で塗布し、乾燥後、厚み30μmのPFAチューブを被覆し、150℃で2時間加熱してPFAチューブの接着を行い、加圧ローラを得た。このローラのマイクロ硬度は62度であった。マイクロ硬度は実施例1と同様の方法で測定した。またこのローラの熱伝導率は0.65W/mKであった。熱伝導率の測定は実施例1と同様の方法で行った。この加圧ローラを実施例1と同様にしてファーストプリントタイムを測定したが、13秒より短縮することはできなかった。また実施例1と同様の方法で加圧ローラの汚れを評価した。500枚印字したところローラ表面にはトナーの付着が断続的に発生するようになり、1000枚印字したころには記録紙の表面に汚れが付くようになった。
【0049】
実施例2
信越化学工業製付加硬化型液状シリコーンゴム材料「KE1218」(商品名)A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部に、松本油脂製薬製マイクロバルーン「F85」(商品名)を1部、ポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物を得た。
【0050】
アルミ製の直径13mmの芯金が中心部に装着された内径20mmの型内に上記の組成物を注型し、150℃で1時間一次加硫を行った。型から脱型し、ゴムローラを得た。200℃で4時間2次加硫を行った後、プライマ(ダイキン工業製、商品名「GLP−103SR」)を5μmスプレーコートし、乾燥後、フッ素ゴムラテックス(ダイキン工業製、商品名「GLS213」)を10μmスプレーコートし、乾燥後、300℃で30分焼成を行い、加圧ローラを得た。このローラのマイクロ硬度は49度であった。マイクロ硬度は実施例1と同様の方法で測定した。またこのローラの熱伝導率は0.2W/mKであった。熱伝導率の測定は実施例1と同様の方法で行った。
【0051】
この加圧ローラを、実施例1と同様にしてファーストプリントタイムを評価したところ、12秒に短縮することができた。また実施例1と同様の方法で加圧ローラの汚れを評価したところ、5000枚印字してもローラ表面にはトナーの付着はなく、十分な耐久性を持っていた。
【0052】
実施例3
内径20mmの筒状金型の内面にPFA粉体塗料(デュポン社製 商品名「MP−102」)を塗布し、380℃で30分焼成して、筒状金型の内面に厚さ30μmのPFA層を形成した。次に、フッ素樹脂層の表面をフッ素樹脂表面処理剤(潤工社製、商品名「テトラエッチA」)で処理をした。この表面処理の後、フッ素樹脂層の表面にゴム用接着剤(東レダウコーニング社製、商品名「DY39012」)を塗布した。一方、アルミニウム製で外径13mmの芯金の表面を切削加工により2μmの表面粗さに仕上げ、洗浄した後、その表面に約2μmの厚さでゴム用接着剤(東レダウコーニング社製、商品名「DY39012」)を塗布した。前記筒状金型の中空にローラ状基体を挿入し、これら全体を加硫用金型内に設置した。
【0053】
信越化学工業製付加硬化型液状シリコーンゴム材料「KE1218」(商品名)A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部に、松本油脂製薬製マイクロバルーン「F80S」(商品名)を3部、ポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物を得た。
【0054】
筒状金型のフッ素樹脂層とローラ状基体との空隙に上記シリコーンゴム組成物をインジェクションにより注入し、150℃で1時間1次加硫を行った。加硫後、筒状金型ごと加硫用金型から取り外し、次いで、筒状金型を脱型した。脱型後、230℃の雰囲気で4時間、2次加硫を行い、加圧ローラを完成させた。完成したローラのマイクロ硬度は55度であった。マイクロ硬度は実施例1と同様の方法で測定した。またこのローラの熱伝導率は0.15W/mKであった。熱伝導率の測定は実施例1と同様の方法で行った。
【0055】
この加圧ローラについて実施例1と同様にしてファーストプリントタイムを評価したところ、12秒に短縮することができた。また実施例1と同様の方法で加圧ローラの汚れを評価したところ、5000枚印字してもローラ表面にはトナーの付着はなく、十分な耐久性を持っていた。
【0056】
実施例4
ビニル基含有オルガノポリシロキサン組成物(商品名:「KE904FU」、信越化学工業株式会社製)100部にパーオキサイド(商品名:「C-1」、信越化学工業株式会社製)1.0部、パーオキサイド(商品名:「C-3」、信越化学工業株式会社製)3.0部、アゾビスイソブチロニトリル(発泡剤)1.8部を加え混練加工し、熱加硫型シリコーンゴム原料を調製した。次に、このシリコーンゴム原料を、押し出し機を使ってチューブ状に押し出し、250℃の連続加熱炉で30分間加熱、発泡、加硫させた後、200℃のオーブンで4時間の加熱処理を行い導電性シリコーンスポンジチューブとした。次に外径14mmのアルミニウム芯金の表面をサンドブラスにより荒らし、耐熱金属用プライマを塗布し、乾燥する。芯金は適当な長さに切断されたシリコーンゴムチューブに挿入され、150℃の雰囲気中で10分間接着剤の硬化を行う。芯金上の所定位置からはみだしたシリコーンスポンジを所定端面でカットし、砥石が回転駆動される研磨機によってスポンジローラの外径が20.3mmになるよう研磨する。この状態でのスポンジローラの熱伝導率を計測したところ0.1W/mKであった。
【0057】
研磨加工後のスポンジ表面に熱伝導率約0.92W/mKである縮合反応硬化型(RTV)導電性シリコーンゴム(東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)を厚さ50μm程度にドクターナイフを用いて塗布し乾燥させた。内径が約20.2mmφの加硫成型用中空パイプを用意し、中空パイプの内側に内径が約20.0mmφで肉厚30μmのPFAチューブを装着した。このPFAチューブの内側に導電性シリコーンゴムが塗布された前記約20.3mmφのスポンジロールをセットし、140℃で30分間加熱し高熱伝導シリコーンゴムを硬化させ、室温まで冷却してシリンダーから抜き取り20mmφの加圧ローラとした。
【0058】
完成したローラのマイクロ硬度は65度であった。マイクロ硬度は実施例1と同様の方法で測定した。またこのローラの熱伝導率は0.12W/mKであった。熱伝導率の測定は実施例1と同様の方法で行った。表層と弾性層の間に高熱伝導の導電ゴムがあっても厚みが0.5mm以下であれば、ローラとしての熱伝導率は0.15W/mK以下であった。この加圧ローラをキヤノン製のレーザープリンター「LBP320」(商品名)に用いたところ、ファーストプリントタイムは20秒から16秒に短縮することができた。またこのレーザープリンターにて実施例1と同様の方法で加圧ローラの汚れを評価したところ、5000枚印字してもローラ表面にはトナーの付着はなく、十分な耐久性を持っていた。
【0059】
比較例2、3、4、5
付加硬化型液状シリコーンゴム材料をアルミ製の芯金が中心部に装着された型内に注型し、150℃で1時間一次加硫を行った。型から脱型し、ゴムローラを得た。200℃で4時間2次加硫を行った後、プライマ(ダイキン工業製、商品名「GLP−103SR」)を5μmスプレーコートし、乾燥後、フッ素ゴムラテックス(ダイキン工業製、商品名「GLS213」)を表1に示す厚みでスプレーコートし、表1に示すオーバーコート層を設けた後、乾燥後、300℃で30分焼成を行い、比較例2、3、4、5の加圧ローラを得た。
【0060】
【表1】
【0061】
完成したローラのマイクロ硬度および熱伝導率は表2に示す通りである。これらの加圧ローラを実施例4と同様の方法で加圧ローラの汚れを評価した結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】
実施例1〜4、比較例1〜5の結果、その他の結果をまとめたものを図3に示す。縦軸は熱伝導率λ[W/mK]の逆数であり、値が大きいほど断熱性に優れる。図中○は5000枚プリントしても加圧ローラにトナー汚れの付着が無かったものであり、△はトナー付着が起きたが2000枚以上通紙して初めてトナー付着が認められるもの、×は2000枚未満のプリント枚数でトナー汚れが加圧ローラに付着していたものである。マイクロ硬度が高く、傷つきやすい表層の加圧ローラはローラ汚れが発生しやすい傾向があるが、熱伝導率を低くして断熱効果を高めるとオフセットトナーが加圧ローラに転移するローラ転移領域にいる時間を短くすることが出来るため、加圧ローラ汚れが発生しにくくなる。ローラ表層で計測した熱伝導率をλ[W/mK]、ローラ表層で計測したマイクロ硬度をHμとすると、
1/λ ≧ 0.15(Hμ−20)
であれば、表層への紙粉の付着のしやすさとトナーのローラへの転移量のバランスが良く、加圧ローラ汚れが発生しにくいローラを得ることが出来る。
【0064】
また本発明の加圧ローラの弾性層は表層への傷の付着を減らすために、圧縮性を有する多孔質ゴムが好ましいが、多孔質の形成は上述の方法に限定されない。他の方法として、水、エタノールなどの液体、WAXなどの固体をソリッドゴム中に分散させ、加熱や溶剤による洗浄なのでにより分散物を除去して多孔質を得る方法などももちろん有効である。
【0065】
他の実施形態
上記実施例においてはフィルム加熱方式の加熱装置について本発明の実施形態を説明したが、本発明の加圧ローラの効果はフィルム加熱装置に限らず、熱ローラ方式の加熱装置もしくは電磁誘導加熱方式の定着装置においても有効である。図2に本発明の加圧ローラを使用した熱ローラ方式の加熱装置の断面図を示した。31はアルミ、鉄などの良熱伝導性を有する金属の中空パイプであり、矢示の方向に回転駆動を受ける。32はハロゲンヒータであり、中空パイプの中心に固定されている。ハロゲンヒータは通電によってフィラメントが発熱、発光し、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどで作られる耐熱弾性層33と中空パイプを加熱する。加圧ローラ104は従動回転し、定着ローラと圧接され、圧接部に挿入される記録材Pは加熱、加圧され、記録材上にあるトナー像Tは記録材Pに融着し、永久定着される。
【0066】
また図7に示ようにコア36、コイル37等からなる励磁手段によって磁性部材38に磁力を作用させ、磁性部材38に誘導電流を生じさせて加熱する電磁誘導加熱方式の定着装置の加圧部材として本発明の加圧ローラは好適に応用可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によってオフセットトナーの加圧ローラへの転移量と加圧ローラ表面の傷つきやすさの双方をバランスさせ、従来の物よりローラ汚れが一段と発生しにくい加圧ローラおよび、加熱装置、を提供することができる。また本来の定着特性および耐久性を満たすと共に、加圧ローラ表面へのトナーの固着を防止して、画像の汚れやジャムといった問題をも防止できる加熱定着装置および画像形成装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加圧ローラの断面図である。
【図2】従来及び本発明の熱ローラ方式の加熱装置の断面図である。
【図3】本発明の加圧ローラにおける、熱伝導率の逆数とマイクロ硬度との関係を説明するグラフである。
【図4】本発明の加圧ローラの熱伝導率測定方法を説明する図である。
【図5】本発明の加圧ローラの表面のマイクロ硬度測定方法を説明する図である。
【図6】従来の定着装置の特性を説明する図である。
【図7】本発明の定着装置を説明する断面図である。
【図8】本発明の他の定着装置を説明する断面図である。
【図9】従来及び本発明の画像形成装置を説明する断面図である。
【符号の説明】
101.加熱体支持部材(横長ステー)
102.加熱ヒータ
103.定着フィルム
104.加圧ローラ
104a 芯金
104b 弾性層
104c 離型層
104d 微小な空隙
105.定着入り口ガイド
106.金属ステー
107.サーミスタ
108.発熱体
109.発熱体保護層
N.定着ニップ
P.記録材
T.トナー粒子
Claims (8)
- 静電的に形成されたトナー像を担持する記録材を挟持搬送し、該記録材を加熱する加熱装置の加熱体と対向する加圧ローラであって、
芯金と、内部に微小な空隙を多数内包する弾性層と有し、かつ、最外層としてフッ素樹脂及びフッ素ゴムから選ばれる少なくとも一方を含む離型層を有しており、更に、該加圧ローラ表層で計測した熱伝導率をλ[W/mK]、該加圧ローラ表面のマイクロ硬度をHμとすると、
25 ≦ Hμ ≦ 80、
0.03 ≦ λ ≦ 1.0、
かつ、
1/λ ≧ 0.15(Hμ−20)
を満たし、
該弾性層は、中空の球状充填材を含み、該球状充填材が、表面に炭酸カルシウム、タルク、シリカ及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1種の無機物を付着させたものであることを特徴とする加圧ローラ。 - 前記球状充填材が、塩化ビニリデン樹脂と(メタ)アクリロニトリルとの共重合体からなる樹脂バルーンであることを特徴とする請求項1に記載の加圧ローラ。
- 前記弾性層は、シリコーンゴムを母材とし、該母材に前記充填材を分散させてなることを特徴とする請求項1または2に記載の加圧ローラ。
- 前記加圧ローラの最外層に形成される離型層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴムラテックスのいずれかを含有する離型層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の加圧ローラ。
- 未定着画像を担持した被記録材を加熱するための加熱手段と、この加熱手段に対向して配置され、かつ該加熱手段に圧接される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加圧ローラを有し、該加熱手段と該加圧ローラの圧接ニップ部に該被記録材を導入して挟持搬送することにより、該未定着画像を被記録材に加熱定着させるものであることを特徴とする加熱装置。
- 前記加熱手段は回転駆動される、または従動回転する加熱ローラであることを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
- 前記加圧ローラは回転駆動され、前記加熱ローラは前記加圧ローラに対して従動回転することを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
- 被記録材に未定着画像を形成担持させる画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に加熱定着させる請求項5乃至7のいずれか1項に記載の加熱装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
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