JP2000230541A - ゴム被覆ローラ及びその製造方法 - Google Patents

ゴム被覆ローラ及びその製造方法

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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟で硬度のバラツキがないゴム層を有し、
柔軟性、層間密着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐
久性などに優れたゴム被覆ローラ、並びにその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層の
ゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層
(C) が形成されたゴム被覆ローラにおいて、該ゴム層
(B) が、有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)を
含むことを特徴とするゴム被覆ローラ、並びにその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム被覆ローラに
関し、さらに詳しくは、ローラ基材の上に、有機マイク
ロバルーンを含有するゴム層及び耐熱性樹脂層がこの順
に形成されたゴム被覆ローラ、並びにその製造方法に関
する。本発明のゴム被覆ローラは、電子写真複写機や静
電記録装置などの画像形成装置において、例えば、加圧
ローラ、転写ローラ、帯電ローラ、搬送ローラなどとし
て好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式の複写機、
ファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形
成装置においては、一般に、感光体ドラムを一様かつ
均一に帯電する帯電工程、像露光を行って感光体ドラ
ム上に静電潜像を形成する露光工程、静電潜像にトナ
ー(現像剤)を付着させてトナー像(可視像)を形成す
る現像工程、感光体ドラム上のトナー像を転写紙やO
HPシートなどの転写材上に転写する転写工程、転写
材上の未定着のトナー像を定着する定着工程によって、
画像を形成している。
【0003】このような画像形成装置において、装置の
各部には、例えば、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ロー
ラ、帯電ローラ、転写ローラなどの各種ローラ部材が配
置されており、各工程での機能を分担している。これら
のローラ部材には、耐熱性、離型性(オフセット防止
性)、表面平滑性、耐久性などに優れており、かつ、適
度の弾力性を有することが要求されている。
【0004】従来より、これらのローラ部材としては、
ローラ基材の芯金上にゴム層を形成し、さらに該ゴム層
の上にフッ素樹脂層を形成したものが汎用されている。
このような構造のローラ部材は、ゴム層により適度の弾
力性が付与され、かつ、フッ素樹脂層により離型性が付
与されている。最近では、定着ローラとして、芯金に代
えて、耐熱性樹脂チューブや金属チューブをローラ基材
として用いたエンドレスベルト状のローラ部材も開発さ
れている。
【0005】従来、上記のごとき構造のローラ部材を製
造する方法としては、(1) アルミニウム製芯金上にシリ
コーンゴムなどのゴム層を形成し、そのゴム層の上にフ
ッ素樹脂チューブを被せ、加熱収縮させて被覆する方
法、(2) アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなどの
ゴム層を形成し、該ゴム層上に液状フッ素樹脂塗料を塗
布し、焼成して、フッ素樹脂層を形成する方法、(3) 金
型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し、乾燥後焼
成して、筒壁内面にフッ素樹脂の筒状硬化薄膜を形成さ
せ、次いで、該硬化薄膜の内面にエッチング処理を施し
た後、筒壁の軸心にローラ芯金を挿入すると共に、硬化
薄膜と芯金との間に液状シリコーンゴムを圧入し、シリ
コーンゴムの熱加硫を行う方法、などが知られている。
【0006】しかしながら、前記(1) の方法は、フッ素
樹脂チューブの加熱収縮時にシワが発生しやすいこと、
フッ素樹脂層の厚みを薄くすることができないことなど
の問題があった。前記(2) の方法は、高融点のフッ素樹
脂の焼成温度がゴム層の耐熱温度を越えるためゴム層が
劣化しやすいこと、ゴム層とフッ素樹脂層との間の接着
性が充分ではないこと、ゴム層及びフッ素樹脂層の両方
の研磨工程が必要であることなどの問題があった。
【0007】近年の複写の高速化や画像のフルカラー化
に対応するため、ローラ部材に充分な柔軟性を付与した
り、加圧ローラに断熱性を付与して省エネルギーに寄与
することなどが求められている。そのために、ゴム層を
発泡ゴム層とした場合、前記(1) 及び(2) の方法では、
形成した発泡ゴム層の寸法を整えるための研削が困難で
ある。これに加えて、(1) の方法では、発泡ゴム層上で
フッ素樹脂チューブを加熱収縮させる時に、表面が波打
ってしまい、平滑性が損なわれる。前記(2) の方法で
は、フッ素樹脂塗料が発泡ゴム層表面の発泡による凹凸
に入り込み、膜厚が均一にならない、などの問題があっ
た。
【0008】前記(3) の方法では、ゴム層は、液状シリ
コーンゴムから形成されるため、充分に柔軟にすること
が困難である。また、(3) の方法では、最外層は、フッ
素樹脂層に限られており、しかも、液状フッ素樹脂塗料
を使用することが必須となっている。液状フッ素樹脂塗
料には、界面活性剤などの種々の添加剤が含まれてい
る。そのため、金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を
塗布し、乾燥後、焼成すると、液状フッ素樹脂塗料中に
含まれている界面活性剤などの成分が焼成時に炭化し
て、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する。この方法により
得られた被覆ローラを定着ローラとして使用すると、表
面のフッ素樹脂層に不純物が残存しているため、トナー
の離型性が悪く、画像にオフセット現象を生じる原因に
なる。したがって、この被覆ローラは、ローラ部材とし
ての用途に制限があった。さらに、この方法では、ロー
ラ部材の製造工程において、フッ素樹脂硬化薄膜中に残
存する不純物のため、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が筒壁
内面に強く付着し、その結果、金型からローラを脱型す
る際に、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が破れたり、シワが
発生して表面平滑性が損なわれるという問題があった。
【0009】また、これら(1) 乃至(3) の方法に共通す
る問題としては、ゴム層を柔らかくするために発泡ゴム
層とする場合、発泡剤を配合したゴム材料を熱加硫時に
発泡させるため、ローラの長手方向及び周方向に発泡度
のバラツキが生じやすく、その結果、発泡ゴム層の部分
部分で微妙に硬度が異なってしまうという問題があっ
た。画像形成装置において、ゴム層に硬度分布のあるロ
ーラ部材を使用すると、定着性、紙送り性、転写性、帯
電性などに不具合を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
で硬度のバラツキがないゴム層を有し、柔軟性、層間密
着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性などに優れ
たゴム被覆ローラを提供することにある。また、本発明
の目的は、断熱性に優れ、柔軟で、表面が平滑であり、
例えば、画像形成装置における加圧ローラとして使用し
た場合に、定着性及び耐久性に優れ、高温での長期間の
使用にも耐えるゴム被覆ローラを提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、ローラ基材上にゴム
層が形成され、最外層には耐熱性樹脂層が形成されたゴ
ム被覆ローラの製造方法において、ゴム層の劣化、耐熱
性樹脂層の破れやシワの発生などの問題を引き起こすこ
とがなく、しかも、柔軟で硬度のバラツキがなく、熱伝
導率が低くて断熱性に優れるゴム層を形成することがで
きるゴム被覆ローラの製造方法を提供することにある。
【0012】本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、有機マイクロバルーン
を含有するゴム材料を用いてゴム層を形成することによ
り、発泡ゴムに匹敵する柔軟性を有し、しかも、硬度分
布のないゴム層を有するゴム被覆ローラが得られること
を見いだした。有機マイクロバルーンとして、耐熱性の
高分子材料から形成された耐熱性有機マイクロバルーン
を用いると、高温での耐久性が特に優れたゴム被覆ロー
ラを得ることができる。
【0013】本発明のゴム被覆ローラは、円筒状金型の
内面に耐熱性樹脂材料を塗布して、耐熱性樹脂層を形成
し、次いで、円筒状金型の軸心にローラ基材を挿入した
後、ローラ基材と耐熱性樹脂層との間の隙間に、有機マ
イクロバルーンを含有するゴム材料を注入し、加硫する
ことにより製造することができる。耐熱性樹脂層とゴム
層との間の密着性を向上させるなどの目的で、所望によ
り、中間層を配置することができる。耐熱性樹脂層は、
フッ素樹脂粉体、ポリイミド樹脂などの広範な耐熱性樹
脂により形成することができる。本発明は、これらの知
見に基づいて、完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ローラ
基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成さ
れ、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム
被覆ローラにおいて、該ゴム層(B) が、有機マイクロバ
ルーンを含有するゴム層(B1)を含むことを特徴とするゴ
ム被覆ローラが提供される。
【0015】また、本発明によれば、ローラ基材(A) 上
に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最
外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラの
製造方法において、 1.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗布して、耐
熱性樹脂層(C) を形成する工程、 2.所望により、該耐熱性樹脂層(C) の上に、フッ素樹
脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の
融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂を含有する
耐熱性ゴム層(B2)を形成する工程、 3.円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工
程、及び 4.ローラ基材(A) と耐熱性樹脂層(C) または耐熱性ゴ
ム層(B2)との間の隙間に、有機マイクロバルーンを含有
するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、有機マイク
ロバルーンを含有するゴム層(B1)を形成する工程、を含
むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法が提供さ
れる。
【0016】
【発明の実施の形態】ゴム被覆ローラ 図1は、本発明のゴム被覆ローラの層構成の一例を示す
断面図である。本発明のゴム被覆ローラは、基本的に
は、図1に示すように、ローラ基材1の上に、有機マイ
クロバルーンを含有するゴム層2が形成され、該ゴム層
2の上に、耐熱性樹脂層3が形成された層構成を有して
いる。
【0017】図2は、本発明のゴム被覆ローラの層構成
の他の一例を示す断面図である。このゴム被覆ローラ
は、ローラ基材1の上に、有機マイクロバルーンを含有
するゴム層2が形成され、該ゴム層2の上に、フッ素樹
脂を含有する耐熱性ゴム層4が形成され、さらに、該耐
熱性ゴム層4の上に、耐熱性樹脂層3が形成された層構
成を有している。この層構成は、特に、最外層の耐熱性
樹脂層3がフッ素樹脂層である場合に、耐熱性ゴム層4
がフッ素樹脂層3とゴム層2との間の層間密着性を高め
るため好ましい。
【0018】有機マイクロバルーンを含有するゴム層2
の厚みは、通常、100μm〜5mm、好ましくは0.
1〜3mmである。耐熱性樹脂層3の厚みは、通常、
0.1〜150μm、好ましくは1〜100μmであ
る。フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層4の厚みは、通
常、30〜200μm、好ましくは50〜150μmで
ある。ゴム被覆ローラの長さ、外径などは、ローラ部材
の用途に適合するように、適宜定めることができる。
【0019】ゴム被覆ローラの製造方法 図3は、本発明のゴム被覆ローラの製造工程を示す説明
図である。第1工程では、円筒状金型の内面に耐熱性樹
脂材料を塗布して、耐熱性樹脂層(C) を形成する。すな
わち、図3(a)に示すように、円筒状金型31の内面
に耐熱性樹脂材料を塗布して、耐熱性樹脂層32を形成
する。耐熱性樹脂材料として、例えば、フッ素樹脂粉体
を使用する場合には、円筒状金型31の内面にフッ素樹
脂粉体を塗装し、焼成して、フッ素樹脂被膜を形成す
る。耐熱性樹脂材料として、ポリイミドワニスを使用す
る場合には、円筒状金型31の内面にポリイミドワニス
を塗布し、乾燥させた後、加熱処理してイミド化させ
て、ポリイミド樹脂被膜を形成する。熱可塑性樹脂の場
合には、その溶液を塗布し、乾燥して熱可塑性樹脂被膜
を形成する。耐熱性樹脂層を形成した後、ゴム層との密
着性を高めるため、必要に応じて、耐熱性樹脂層表面の
活性化処理を行ったり、接着剤の塗布を行う。
【0020】第2工程では、所望により、耐熱性樹脂層
(C) の上に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗
布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、
フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を形成する。こ
の第2工程は、図面を省略している。第3工程では、円
筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する。図3
(b)に示すように、円筒状金型31の中空内に、ロー
ラ基材33を挿入する。ローラ基材の表面には、接着剤
を塗布しておいてもよい。円筒状金型の中心とローラ基
材の中心が一致するようにセットする。すなわち、両者
の軸心を合わせる。図3には、ローラ基材として芯金を
用いる場合を示したが、ローラ基材は、耐熱性樹脂や金
属から形成されたチューブであってもよく、その場合、
チューブ内に支持体を挿入して、成形操作中、該チュー
ブが変形しないように固定させておくことが好ましい。
【0021】第4工程では、ローラ基材(A) と耐熱性樹
脂層(C) または耐熱性ゴム層(B2)との間の隙間に、有機
マイクロバルーンを含有するゴム材料を注入し、次い
で、加硫して、有機マイクロバルーンを含有するゴム層
(B1)を形成する。具体的には、図3(c)に示すよう
に、耐熱性樹脂層32とローラ基材33との間の隙間
に、未加硫のゴム材料34を注入し、加硫して、加硫ゴ
ム層を形成する。未加硫ゴム材料としては、有機マイク
ロバルーンを含有するゴム材料を使用する。加硫条件
は、使用するゴムの種類に応じて選択される。液状シリ
コーンゴムの場合には、熱加硫を行う。ゴム材料の注入
には、インジェクション、押し出しなどの適当な方法を
採用することができる。ゴム材料の注入や加硫に際し、
通常は、円筒状金型の一端または両端を密封する。
【0022】図3(d)に示すように、ゴム材料の加硫
後、耐熱性樹脂層及びゴム層とともに、ローラ基材を円
筒状金型31から引き抜く。かくして、図3(e)に示
すように、ローラ基材33上にゴム層と耐熱性樹脂層と
がこの順に形成されたゴム被覆ローラ35が得られる。
有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)と耐熱性樹
脂層(C) との中間に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム
層(B2)を形成する場合には、図3(a)に示す第1工程
の後、第2工程として、耐熱性樹脂層32の表面に、フ
ッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素
樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、耐熱性樹脂層と
融着した耐熱性ゴム層を形成する。次いで、図3(b)
〜(e)に示す各工程を実施する。この方法では、第1
工程の後、耐熱性樹脂層表面のエッチング処理などの活
性化処理工程を省略しても、耐熱性ゴム層(B2)を介し
て、耐熱性樹脂層と有機マイクロバルーンを含有するゴ
ム層(B1)との間の密着性を充分に高めることが可能であ
る。
【0023】円筒状金型 本発明で使用する円筒状金型は、鉄、ステンレス、アル
ミニウムなどの金属製であることが好ましいが、フッ素
樹脂の焼成温度やポリイミド前駆体のポリイミド化時の
熱処理温度に耐える耐熱性を持つものであれば、これら
に限定されるものではない。円筒状金型の内面に良好な
離型性を持たせることが、最終工程で、耐熱性樹脂層及
び加硫ゴム層と共にローラ基材を円筒状金型から引き抜
く(脱型する)のを容易にする上で好ましい。円筒状金
型内面に離型性を持たせるには、平滑化処理を行うこと
が好ましい。
【0024】円筒状金型内面を平滑化処理するには、例
えば、アルミニウム製の場合には、引き抜き材を使用し
たり、その他の材質であれば、クロムメッキ、ニッケル
メッキなどの表面処理を行う方法がある。平滑化処理に
より、円筒状金型内面の表面粗さ(Rz)を20μm以
下とすることが好ましい。ホーニング処理等により、R
zで5μm以下とすることがより好ましい。円筒状金型
内面の平滑化処理により、脱型が容易になることに加え
て、表面平滑性に優れた耐熱性樹脂層を形成することが
できる。
【0025】円筒状金型の長さは、所定のローラ部材の
ゴム被覆部の長さであり、その内径は、実質的にローラ
基材の外径とゴム層の厚みの和により規定される。円筒
状金型の厚みは、フッ素樹脂の焼成時、ポリイミド前駆
体のイミド化時、ゴムの加硫時などにおける熱伝導を考
慮して、適宜決定されるが、通常、1〜10mm程度で
あることが好ましい。ただし、好ましい厚みは、材質に
よって選択される。なお、円筒状金型の外形は、必ずし
も円筒状である必要はなく、筒状の内面を有するもので
あればよい。
【0026】耐熱性樹脂 本発明で使用する耐熱性樹脂とは、連続使用の耐熱性1
50℃以上、定着ローラや加圧ローラなどの高温雰囲気
下で使用される場合を想定すると、より好ましくは20
0℃以上の高度に耐熱性を有する合成樹脂である。この
ような耐熱性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリベンズイミダ
ゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂、ビスマレイミド樹脂などを挙げる
ことができる。
【0027】本発明で使用するフッ素樹脂としては、例
えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン
/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン
/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを挙げる
ことができる。
【0028】これらのフッ素樹脂は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて使用することができ
る。ゴム被覆ローラを定着ローラや加圧ローラとして用
いる場合には、これらのフッ素樹脂の中でも、耐熱性の
観点からPTFE及びPFAが好ましい。溶融流動性が
あり、かつ、表面平滑性に優れたフッ素樹脂被膜が得ら
れ易いことから、PFAがより好ましい。フッ素樹脂
は、液状フッ素樹脂塗料として使用することができる
が、成形性や離型性を高める上で、粉体の形状(粉体塗
料)で使用することが好ましい。フッ素樹脂粉体の平均
粒子径は、特に限定されないが、粉体塗装法により均一
な厚みの薄い被膜を形成する上で、10μm以下である
ことが好ましい。その下限は、通常1μm程度である。
特に、平均粒子径10μm以下のPFA粉体を用いるこ
とが好ましい。
【0029】フッ素樹脂粉体を塗装するには、汎用の各
種粉体塗装法を採用することができるが、それらの中で
も、粉体を帯電させて塗布する静電塗装法(静電粉体吹
き付け法)を用いることが、円筒状金型の内面に、均一
で、よく締まった塗着粉体層を形成する上で好ましい。
円筒状金型の内面に粉体塗装法によりフッ素樹脂塗膜を
形成した後、常法に従って、フッ素樹脂を焼成する。焼
成後のフッ素樹脂被膜の厚みは、通常、0.1〜150
μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜
40μm程度である。ゴム層の柔軟性を充分に生かすに
は、この厚みを20μm以下にすることができる。
【0030】フッ素樹脂粉体を粉体塗装することによ
り、液状フッ素樹脂塗料の場合のように、塗料中にフッ
素樹脂粒子を分散させるための界面活性剤が配合されて
いるといったことがなく、純粋なフッ素樹脂の被膜が形
成できる。これによって、焼成後に炭化した不純物がフ
ッ素樹脂被膜中に残存することがないので、表面平滑性
及びトナー離型性に優れたフッ素樹脂層を形成すること
ができる。ポリイミド層を形成する場合には、ポリイミ
ドワニスを塗布し、乾燥後、加熱して脱水・閉環(イミ
ド化)させる。耐熱性樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、
その溶液を塗布し、乾燥させる。その他の耐熱性樹脂層
の厚みも、フッ素樹脂層の場合と同様である。
【0031】フッ素樹脂層等の耐熱性樹脂層とゴム層と
の間の密着力を向上させるために、円筒状金型内面に形
成した耐熱性樹脂被膜の活性化処理を行うことが好まし
い。耐熱性樹脂被膜の活性化処理法としては、UVラン
プ、エキシマランプなどによる紫外線照射、コロナ放
電、プラズマ処理、電子線照射、イオン照射、レーザー
照射などの照射による物理的処理;金属ナトリウムによ
る化学的処理;処理液による湿式エッチング処理;など
が挙げられる。これらの活性化処理によって、例えば、
フッ素樹脂被膜の表面からフッ素原子が引き抜かれた
り、耐熱性樹脂被膜の表面が親水化されたりするので、
ゴム層との間の密着力が高まる。また、耐熱性樹脂層表
面には、ゴム層の材質に適した接着剤を塗布することが
できる。
【0032】ローラ基材 本発明で使用するローラ基材は、ローラ状芯金またはチ
ューブである。したがって、本発明のゴム被覆ローラ
は、ローラ基材としてチューブを用いて得られるエンド
レスベルト状のローラ部材(例えば、定着ベルト、搬送
ベルト、帯電ベルト、除電ベルトなど)を包含する。芯
金としては、一般に、熱伝導性の良好なアルミニウム、
アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどの金属;アルミ
ナ、炭化ケイ素などのセラミックス;などから形成され
た筒状体や円柱等が用いられる。
【0033】チューブとしては、耐熱性樹脂チューブや
金属チューブが用いられる。耐熱性樹脂チューブの材質
としては、熱容量が小さく、使用時にヒータ等の加熱に
より素早く昇温するものが好ましく、一般に、融点、熱
変形温度、熱分解温度などの耐熱温度が250℃以上の
合成樹脂が使用される。その具体例としては、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテル
ケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリベン
ズイミダゾール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の
中でも、耐熱性及び耐久性が優れる点で、熱硬化性のポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンズイミ
ダゾール樹脂が好ましく、ポリイミド樹脂が特に好まし
い。金属チューブの材質としては、鉄、ニッケル、これ
らの合金などが挙げられる。ゴム被覆ローラを定着ロー
ラとして使用する場合などで、電磁誘導加熱方式を採用
してゴム被覆ローラを加熱する場合は、金属チューブの
材質として、鉄、ニッケル、これらの合金、フェライト
系ステンレスなどが好ましい。定着ローラのように、ロ
ーラ部材全体を効率よく加熱する必要がある場合には、
電磁誘導加熱が可能なニッケルチューブを用いることが
特に好ましい。
【0034】ローラ基材の厚み、長さなどは、通常のも
のが採用され、特に限定されない。例えば、ローラ基材
の長さは、転写紙などの転写材の大きさに応じて適宜定
められる。なお、本発明の製造方法の各工程において、
ローラ基材としてチューブを用いる場合には、形状を保
持するために、例えば、ステンレス製の棒や筒などの支
持体をチューブの内部に挿入して使用することができ
る。また、ローラ基材の表面には、ゴムの材質に適した
接着剤を塗布することができる。
【0035】有機マイクロバルーンを含有するゴム材料 (ゴム材料)有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B
1)に使用されるゴム材料としては、通常、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴムなどの耐熱性に優れたゴムが用いられ
る。耐熱性ゴムとは、ゴム被覆ローラを例えば定着ロー
ラや加圧ローラとして使用した場合、定着温度での連続
使用に耐える程度の耐熱性を有するものをいう。耐熱性
ゴムとしては、耐熱性が特に優れている点で、ミラブル
または液状のシリコーンゴム、フッ素ゴム、またはこれ
らの混合物が好ましい。具体的には、ジメチルシリコー
ンゴム、フルオロシリコーンゴム、メチルフェニルシリ
コーンゴム、ビニルシリコーンゴムなどのシリコーンゴ
ム;フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−
プロピレンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオ
ロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴ
ム、フルオロポリエーテルなどのフッ素ゴム;などが挙
げられる。これらの中でも、金型内に注入しやすい液状
シリコーンゴムを用いることが好ましい。これらのゴム
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0036】(有機マイクロバルーン)本発明では、ゴ
ム層に柔軟性を付与するため、ゴム層に有機マイクロバ
ルーンを含有させる。ゴム被覆ローラを断熱性を必要と
するローラ部材として使用する場合には、有機マイクロ
バルーンは、柔軟性に加えて、断熱性を付与する役割を
も果たすことができる。本発明で使用する有機マイクロ
バルーンとは、中空マイクロスフィア(Microsp
ere)の一種であり、例えば、フェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンなど
の熱可塑性樹脂;ゴムなどの有機高分子材料から形成さ
れた中空の球状微粒子である。有機マイクロバルーンの
大きさは、通常、数μm〜数百μm、多くの場合5〜2
00μm程度である。
【0037】ゴム被覆ローラを画像形成装置における加
圧ローラのような高温で連続的または長期間使用する用
途に適用する場合には、有機マイクロバルーンとして、
耐熱性に優れた有機高分子材料から形成された耐熱性有
機マイクロバルーンを用いることが好ましい。耐熱性有
機マイクロバルーンとしては、180℃以上の熱分解開
始温度を有する有機高分子材料から形成された中空の球
状微粒子が好ましい。ここで、熱分解開始温度とは、T
GAで測定し、室温から20℃/分の昇温速度で昇温し
た時に、熱重量減少が5%を越える温度を指す。熱可塑
性樹脂からなる有機マイクロバルーンは、融点付近の温
度で柔らかくなり、中空の形状を保てなくなることがあ
るので、耐熱性有機マイクロバルーンとしては、フェノ
ール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる有機マイクロバル
ーンが好ましい。
【0038】このような有機マイクロバルーンは、特別
に調製してもよいが、市販品を好適に使用することがで
きる。有機マイクロバルーンは、球状であるため、ゴム
材料に充填した場合、応力の異方性を生じることがな
く、その結果、硬度や断熱性にバラツキのないゴム層を
形成することができる。有機マイクロバルーンは、ゴム
の加硫時に膨張したり、破裂しない方が好ましいが、破
裂したとしても、気泡として残れば、一定の柔軟性や断
熱性をゴム層に付与することができる。
【0039】ゴム材料中の有機マイクロバルーンの割合
は、通常、5〜60体積%、好ましくは10〜50体積
%、より好ましくは15〜45体積%である。有機マイ
クロバルーンは、球形であり、体積に対する表面積の割
合が小さいため、ゴム材料中に高充填しても、流動性を
良好に保持することができる。有機マイクロバルーンの
割合が過小であると、ゴム層に柔軟性及び/または断熱
性を充分に付与することが難しく、過大であると、ゴム
材料の粘度が大きくなり過ぎたり、ゴム層の強度が低下
するおそれが生じる。
【0040】(ゴム層(B1))柔軟性の観点から、有機マ
イクロバルーンを含有するゴム層(B1)の硬度は、アスカ
ーC(高分子計器)硬度で、20度以下であることが好
ましい。硬度の下限は、通常、5度、多くの場合10度
程度である。本発明のゴム被覆ローラを加圧ローラとし
て使用する場合は、加圧ローラが転写材から熱を奪う
と、トナーが充分に溶融せずに、定着性が低下するた
め、断熱性に優れることが望ましい。そのために、有機
マイクロバルーンを含有するゴム層の熱伝導率は、0.
5×10-3cal/cm・sec・℃以下であることが
好ましく、1×10-4cal/cm・sec・℃以下で
あることがより好ましい。熱伝導率の下限は、通常、
0.1×10-4cal/cm・sec・℃程度である。
ゴム層の硬度や熱伝導率は、有機マイクロバルーンの配
合割合やゴム材料の種類などによって調整することがで
きる。
【0041】ゴム材料には、所望により、カーボンブラ
ック、マイカ、酸化チタンなどの無機充填材や、天然樹
脂などの有機充填材を配合することができる。充填材の
配合割合は、ゴム100重量部に対して、通常100重
量部以下、好ましくは80重量部以下である。ゴム層の
厚みは、用途や設置する機械装置の構造、目標とする弾
性、用いる材料の硬度等を勘案して適宜設置されるが、
通常100μm〜5mm、好ましくは0.1〜3mm程
度である。
【0042】フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料 耐熱性樹脂層(C) (特にフッ素樹脂層)とゴム層(B1)と
の間の密着性を高めるために、両者の中間に、フッ素樹
脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を設けることができる。
円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した後、フッ
素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹
脂の融点以上の温度で加熱処理することにより、耐熱性
ゴム層を形成する。加熱処理により、耐熱性ゴム層(B2)
をフッ素樹脂層などの耐熱性樹脂層(C) と融着させるこ
とができる。
【0043】耐熱性ゴム材料としては、短時間であって
も、フッ素樹脂の融点に相当する高温に耐えられるシリ
コーンゴムやフッ素ゴムが好ましいが、耐熱性の点から
フッ素ゴムが特に好ましい。耐熱性ゴム材料に含有させ
るフッ素樹脂の種類は、特に限定されず、前述の如き各
種フッ素樹脂を使用することができる。耐熱性ゴム材料
に含有させるフッ素樹脂は、低温で溶融するフッ素樹脂
であることが、耐熱性ゴム材料の熱処理温度を低くする
ことができるので好ましい。低温で溶融するフッ素樹脂
としては、融点が305℃以下のフッ素樹脂が好まし
く、融点305℃以下のPFAが特に好ましい。耐熱性
ゴム材料中のフッ素樹脂の含有量は、特に限定されない
が、最外層のフッ素樹脂被膜との融着性の点から、耐熱
性ゴム材料100重量部に対して、5重量部以上が好ま
しく、耐熱性ゴム層の柔軟性の点から50重量部以下が
好ましい。
【0044】作用 本発明では、有機マイクロバルーンを配合したゴム層(B
1)をローラ基材上に設けることにより、所望の硬度及び
熱伝導率を有し、かつ、場所による硬度や熱伝導率のバ
ラツキのないゴム被覆ローラを得ることができる。この
ゴム層(B1)の上に、直接またはフッ素樹脂を含有する耐
熱性ゴム層(B2)を介して、フッ素樹脂被膜などの耐熱性
樹脂層(C) を形成することにより、離型性、耐熱性に優
れるゴム被覆ローラを得ることができる。
【0045】また、円筒状金型の内面に耐熱性樹脂被膜
を形成し、次に、筒壁の軸心にローラ基材を挿入し、ロ
ーラ基材と耐熱性樹脂被膜との間に、有機マイクロバル
ーンを含有するゴム材料を注入して熱加硫を行うと、耐
熱性樹脂被膜の表面が平滑で離型性にも優れるものにな
り、ゴム層表面を研削する必要もない。さらに、円筒状
金型の内面を平滑化処理しておくことにより、耐熱性樹
脂層の表面をさらに平滑にすることができる。
【0046】フッ素樹脂被膜の形成方法として、円筒状
金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成して、フッ
素樹脂被膜を形成すると、フッ素樹脂ワニスなどの液状
塗料を用いた場合に比較して、界面活性剤などの不純物
が被膜中に残留せず、離型性に優れた表面が得られる。
従来の技術において、PFAチューブを用いる場合に
は、厚みが50μm以上になり、ゴム層の柔らかさを充
分に生かせない場合があった。これに対して、本発明で
は、所望により、フッ素樹脂被膜などの耐熱性樹脂層の
厚みを20μm以下にまで薄くすることができるため、
ゴム層の柔らかさを充分に生かすことができる。したが
って、本発明のゴム被覆ローラは、高度の柔軟性が要求
される用途に適用することが可能である。
【0047】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
についてより具体的に説明する。なお、ここでは、加圧
ローラとしての実験結果を示すが、本発明のゴム被覆ロ
ーラは、加圧ローラの用途に限定されるものではない。
【0048】[実施例1]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、その面(表面粗さ20μm以下)に、ポリイミド
ワニス(宇部興産社製、UワニスS)を塗布し、乾燥し
て溶剤を揮散させた後、350℃で60分間熱処理して
ポリイミド被膜(厚み約20μm)を形成した。このポ
リイミド被膜の内面に、シリコーン系接着剤(東レダウ
コーニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布
して、風乾した。外径20mmφ、長さ300mmのア
ルミニウム製芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接
着剤を塗布・乾燥させた後、ポリイミド被膜を形成した
円筒状金型の中空内に、両者の軸心が一致するように挿
入した。円筒状金型内面のポリイミド被膜と芯金との間
の隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE13
80)にサランマイクロスフィア(ダウ社製)を20体
積%配合したゴム材料を流し込み、160℃で15分間
加熱してゴムを熱加硫した。その後、脱型して、ゴム被
覆ローラを得た。得られたゴム被覆ローラは、表面に被
膜のシワや破れがなく、表面の波打ち・凹凸もなかっ
た。このようにして得られたゴム被覆ローラを加圧ロー
ラとして、定着ユニットにセットした。加圧ローラに対
向して配置する定着ローラには、アルミニウム製芯金
に、厚み2mmのシリコーンゴム層と厚み20μmのフ
ッ素樹脂層とをこの順に積層したローラ部材を用いた。
ハロゲンランプヒータで、定着ローラのフッ素樹脂層の
表面温度が180℃になるように昇温した。キャノン製
複写機を使用して4色のカラートナー(C、M、Y、
B)によって未定着画像が形成された複写紙を定着ユニ
ットに通し、ニップ幅3mmで加圧して1万枚連続定着
したところ、1000枚までオフセットのない良好な定
着画像が得られた。1000枚以降、わずかにローラ表
面にトナーが固着し、ローラに汚れが発生したが、定着
画像に乱れが見られるようなオフセット現象は発生しな
かった。
【0049】[実施例2]実施例1において、ゴム材料
として、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE138
0)にサランマイクロスフィア(ダウ社製)を30体積
%配合したゴム材料を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、ゴム被覆ローラを作製した。得られたゴム被
覆ローラを用いて、実施例1と同様に1万枚連続定着試
験を行ったところ、2000枚までオフセットのない良
好な定着画像が得られた。2000枚以降、わずかにロ
ーラ表面にトナーが固着し、ローラに汚れが発生した
が、定着画像に乱れが見られるようなオフセット現象は
発生しなかった。
【0050】[実施例3]実施例1において、ゴム材料
として、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE138
0)にサランマイクロスフィア(ダウ社製)を40体積
%配合したゴム材料を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、ゴム被覆ローラを作製した。得られたゴム被
覆ローラのゴム層の硬度は、アスカーCで16度であ
り、熱伝導率は、0.5×10-3cal/cm・sec
・℃であった。このゴム被覆ローラを用いて、実施例1
と同様に1万枚連続定着試験を行ったところ、3000
枚までオフセットのない良好な定着画像が得られた。3
000枚以降、わずかにローラ表面にトナーが固着し、
ローラに汚れが発生したが、定着画像に乱れが見られる
ようなオフセット現象は発生しなかった。
【0051】[実施例4]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、その面(表面粗さ20μm以下)に、PFA塗料
(ダイキン社製、AD−2CR)を塗布し、100℃で
20分間乾燥後、380℃で30分間熱処理して、フッ
素樹脂被膜(厚み約20μm)を形成した。このフッ素
樹脂被膜の内面に、テトラエッチ液(潤工社製)を塗布
し、水洗してエッチング処理を行った。フッ素樹脂被膜
のエッチング処理面に、シリコーン系接着剤(東レダウ
コーニング社製、DY39−012を塗布して風乾し
た。外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製
芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布・
乾燥させた後、フッ素樹脂被膜を形成した円筒状金型の
中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。円筒
状金型内面のフッ素樹脂被膜と芯金との間の隙間に、液
状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)にサラ
ンマイクロスフィア(ダウ社製)を40体積%配合した
ゴム材料を流し込み、160℃で15分間加熱してゴム
を熱加硫した。その後、脱型して、ゴム被覆ローラを得
た。得られたゴム被覆ローラは、表面に被膜のシワや破
れがなく、表面の波打ち・凹凸もなかった。このゴム被
覆ローラを用いて、実施例1と同様に1万枚連続定着試
験を行ったところ、5000枚までオフセットのない良
好な定着画像が得られた。5000枚以降、わずかにロ
ーラ表面にトナーが固着し、ローラに汚れが発生した
が、定着画像に乱れが見られるようなオフセット現象は
発生しなかった。
【0052】[実施例5]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、その面(表面粗さ20μm以下)に、PFA粉体
(デュポン社製、MP−102)を粉体塗装し、380
℃で30分間熱処理して、フッ素樹脂被膜を形成した。
以下、実施例4と同様にして、ゴム被覆ローラを作製し
た。このゴム被覆ローラを用いて、実施例1と同様にし
て1万枚連続定着試験を行ったところ、1万枚の複写の
終了までオフセット現象は発生せず、良好な定着画像が
得られた。
【0053】[実施例6]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、その面(表面粗さ20μm以下)に、PFAフッ
素樹脂粉体(デュポン社製、MP−102)を粉体塗装
し、380℃で30分間熱処理して、フッ素樹脂被膜を
形成した。このフッ素樹脂被膜の内面に、フッ素ゴムラ
テックス(ダイキン社製、ダイエルGLS213)に融
点302℃のPFA(ダイキン社製、ACX31)をゴ
ムの固形分100重量部に対して10重量部配合した塗
料を塗布し、100℃で乾燥後、320℃で10分間熱
処理して、フッ素樹脂被膜と融着させた。このゴム層の
内面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニングシリ
コーン社製、、DY39−012)を塗布して、風乾し
た。以下、実施例4と同様にして、ゴム被覆ローラを作
製した。このゴム被覆ローラを用いて、実施例1と同様
に1万枚連続定着試験を行ったところ、1万枚の複写の
終了までオフセット現象は発生せず、定着画像が得られ
た。
【0054】[比較例1]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、次いで、シリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金
を円筒状金型の中心と芯金の中心が一致するようにセッ
トした。この円筒状金型と芯金との間の隙間に液状シリ
コーンゴム(信越化学社製、KE1380)に重炭酸ナ
トリウム5重量部を配合したゴムを流し込み、160℃
で15分間熱処理してゴムを加硫した後、脱型した。得
られた発泡ゴム層の表面を研削して、表面の凹凸を整え
た。研削した発泡ゴム層の表面に、PTFE塗料(ダイ
キン社製、EK4300)を塗布し、100℃で20分
間乾燥後、380℃で10分間熱処理してフッ素樹脂被
膜を形成した。その結果、元々発泡によるゴム層表面の
凹凸が大きいことに加え、熱処理によってゴムが劣化し
て収縮し、表面に激しい凹凸が発生した。このようにし
て得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして定着ユニ
ットにセットし、定着ローラには、芯金に厚み2mmの
シリコーンゴム層と厚み20μmのフッ素樹脂層とを順
に積層したローラ部材を用い、ハロゲンランプヒータで
定着ローラのフッ素樹脂表面温度が180℃になるよう
に昇温した。キャノン製複写機を使用し、4色のカラー
トナー(C、M、Y、B)によって未定着画像を形成し
た複写紙を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧
して連続定着したところ、表面の凹凸が激しく、1枚目
から画像が大きく乱れるとともに、色に濃淡に激しいバ
ラツキが生じ、良好な画像が得られなかった。
【0055】[比較例2]比較例1と同様にして、アル
ミニウム製芯金上に発泡ゴム層を形成し、得られた発泡
ゴム層の表面を研削して、表面の凹凸を整えた。この発
泡ゴム層の表面にPFA収縮チューブ(グンゼ社製)を
被覆し、熱収縮させた。その結果、元々発泡によるゴム
層表面の凹凸が大きいため、この凹凸がフッ素樹脂層の
表面に反映され、表面に凹凸が発生した。得られたゴム
被覆ローラを加圧ローラとして用いて、比較例1と同様
に連続定着試験を行ったところ、加圧ローラ表面の凹凸
が激しく、1枚目から画像が大きく乱れるとともに、色
に濃淡に激しいバラツキが生じて、良好な画像が得られ
なかった。
【0056】[比較例3]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面に、PTFE
塗料(ダイキン社製、EK4300)を塗布し、100
℃で20分間乾燥後、380℃で30分間熱処理してフ
ッ素樹脂被膜を形成した。このフッ素樹脂被膜の内面に
テトラエッチ液(潤工業社製)を塗布し、水洗して、エ
ッチング処理を行った。このエッチング処理したフッ素
樹脂被膜の内面に、シリコーン系接着剤(東レダウコー
ニング社製、DY39−012)を塗布して、風乾し
た。外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製
芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布・
乾燥させた後、フッ素樹脂被膜を形成した円筒状金型の
中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。円筒
状金型内面のフッ素樹脂被膜と芯金との間の隙間に液状
シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)を流し込
み、160℃で15分間熱処理してゴムを加硫した後、
脱型した。得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして
用いて、比較例1と同様に連続定着試験を行ったとこ
ろ、ゴム層の柔軟性が不足しているため、トナーが充分
に溶融せず、1枚目から良好な画像が得られなかった。
【0057】[実施例7]内径24mmφ、長さ300
mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッ
キし、その面に、ポリイミドワニス(宇部興産社製、U
ワニスS)を塗布し、乾燥して溶剤を揮散させた後、3
50℃で60分間熱処理してポリイミド被膜(厚み約2
0μm)を形成した。このポリイミド被膜の内面に、シ
リコーン系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社
製、DY39−012)を塗布して、風乾した。外径2
0mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面
に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた
後、ポリイミド被膜を形成した円筒状金型の中空内に、
両者の軸心が一致するように挿入した。円筒状金型内面
のポリイミド被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコー
ンゴム(信越化学製、KE1380)にフェノールマイ
クロバルーン(ユニオンカーバイド社製、BJO−08
40)を20体積%配合したゴム材料を流し込み、16
0℃で15分間加熱してゴムを熱加硫した。その後、脱
型して、ゴム被覆ローラを得た。得られたゴム被覆ロー
ラは、表面に被膜のシワや破れがなく、表面の波打ち・
凹凸もなかった。このようにして得られたゴム被覆ロー
ラを加圧ローラとして、定着ユニットにセットした。加
圧ローラに対向して配置する定着ローラには、アルミニ
ウム製芯金に、厚み2mmのシリコーンゴム層と厚み2
0μmのフッ素樹脂層とをこの順に積層したローラ部材
を用いた。ハロゲンランプヒータで、定着ローラのフッ
素樹脂層の表面温度が190℃になるように昇温した。
キャノン製複写機を使用して4色のカラートナー(C、
M、Y、B)によって未定着画像が形成された複写紙を
定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して1万枚
連続定着したところ、1000枚までオフセットのない
良好な定着画像が得られた。1000枚以降、わずかに
ローラ表面にトナーが固着し、ローラに汚れが発生した
が、定着画像に乱れが見られるようなオフセット現象は
発生しなかった。
【0058】[実施例8]実施例7において、ゴム材料
として、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE138
0)にフェノールマイクロバルーン(ユニオンカーバイ
ド社製、BJO−0840)を30体積%配合したゴム
材料を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、ゴム
被覆ローラを作製した。このゴムの硬度は、アスカーC
で20度であった。このゴム被覆ローラを用いて、実施
例7と同様に1万枚連続定着試験を行ったところ、20
00枚まではオフセットのない良好な定着画像が得られ
た。2000枚以降、わずかにローラ表面にトナーが固
着し、ローラに汚れが発生したが、定着画像に乱れが見
られるようなオフセット現象は発生しなかった。
【0059】[実施例9]実施例7において、ゴム材料
として、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE138
0)にフェノールマイクロバルーン(ユニオンカーバイ
ド社製、BJO−0840)を40体積%配合したゴム
材料を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、ゴム
被覆ローラを作製した。このゴムの硬度は、アスカーC
で16度であり、熱伝導率は、0.5×10-4cal/
cm・sec・℃であった。このようにして得られたゴ
ム被覆ローラを用いて、実施例7と同様に1万枚連続定
着試験を行ったところ、3000枚までオフセットのな
い良好な定着画像が得られた。3000枚以降、わずか
にローラ表面にトナーが固着し、ローラに汚れが発生し
たが、定着画像に乱れが見られるようなオフセット現象
は発生しなかった。
【0060】[実施例10]内径24mmφ、長さ30
0mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメ
ッキし、その面にPFA塗料(ダイキン社製、AD−2
CR)を塗布して、100℃で20分間乾燥した後、3
80℃で30分間熱処理して、フッ素樹脂被膜(厚み約
20μm)を形成した。このフッ素樹脂被膜の内面にテ
トラエッチ液(潤工社製)を塗布し、水洗してエッチン
グ処理を行った。フッ素樹脂被膜のエッチング処理面
に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニング社製、D
Y39−012を塗布して風乾した。外径20mmφ、
長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面に、前記と
同じシリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた後、フッ素
樹脂被膜を形成した円筒状金型の中空内に、両者の軸心
が一致するように挿入した。円筒状金型内面のフッ素樹
脂被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(信
越化学製、KE1380)にフェノールマイクロバルー
ン(ユニオンカーバイド社製、BJO−0840)を4
0体積%配合したゴム材料を流し込み、160℃で15
分間加熱してゴムを熱加硫した。その後、脱型して、ゴ
ム被覆ローラを得た。得られたゴム被覆ローラは、表面
に被膜のシワや破れがなく、表面の波打ち・凹凸もなか
った。このゴム被覆ローラを用いて、実施例7と同様に
1万枚連続定着試験を行ったところ、5000枚までオ
フセットのない良好な定着画像が得られた。5000枚
以降、わずかにローラ表面にトナーが固着し、ローラに
汚れが発生したが、定着画像に乱れが見られるようなオ
フセット現象は発生しなかった。
【0061】[実施例11]内径24mmφ、長さ30
0mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメ
ッキし、その面に、PFA粉体(デュポン社製、MP−
102)を粉体塗装し、380℃で30分間熱処理し
て、フッ素樹脂被膜を形成した。以下、実施例10と同
様にして、ゴム被覆ローラを作製した。このゴム被覆ロ
ーラを用いて、実施例7と同様に1万枚連続定着試験を
行ったところ、1万枚の複写の終了までオフセット現象
は発生せず、良好な定着画像が得られた。
【0062】[実施例12]内径24mmφ、長さ30
0mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメ
ッキし、その面にPFAフッ素樹脂粉体(デュポン社
製、MP−102)を粉体塗装し、380℃で30分間
熱処理して、フッ素樹脂被膜を形成した。このフッ素樹
脂被膜の内面に、フッ素ゴムラテックス(ダイキン社
製、ダイエルGLS213)に融点302℃のPFA
(ダイキン社製、ACX31)をゴムの固形分100重
量部に対して10重量部配合した塗料を塗布し、100
℃で乾燥後、320℃で10分間熱処理して、フッ素樹
脂被膜と融着させた。このゴム層の内面に、シリコーン
系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製、、DY
39−012)を塗布して、風乾した。以下、実施例1
0と同様にして、ゴム被覆ローラを作製した。このゴム
被覆ローラを用いて、実施例7と同様に1万枚連続定着
試験を行ったところ、1万枚の複写の終了までオフセッ
ト現象は発生せず、定着画像が得られた。
【0063】[実施例13]実施例1において、定着ロ
ーラのフッ素樹脂の表面温度を180℃から190℃に
変えて定着試験を行った。1万枚連続定着したところ、
100枚までオフセットのない良好な定着画像が得られ
た。100枚以降、わずかにローラ表面にトナーが固着
し、ローラに汚れが発生したが、定着画像に乱れが見ら
れるようなオフセット現象は発生しなかった。また、1
00枚の複写以降、マイクロバルーン(サランマイクロ
スフィア)が潰れたことにより、ローラがわずかに変形
した。このため、定着画像にわずかに濃淡が見られた。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、柔軟で硬度のバラツキ
がないゴム層を有し、柔軟性、層間密着性、耐熱性、離
型性、表面平滑性、耐久性などに優れたゴム被覆ローラ
が提供される。また、本発明によれば、断熱性に優れ、
柔軟で、表面が平滑であり、例えば、画像形成装置にお
ける加圧ローラとして使用した場合に、定着性及び耐久
性に優れ、高温での長期間の使用にも耐えるゴム被覆ロ
ーラが提供される。さらに、本発明によれば、ローラ基
材上にゴム層が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層
が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、ゴム
層の劣化、耐熱性樹脂層の破れやシワの発生などの問題
を引き起こすことがなく、しかも、柔軟で硬度のバラツ
キがないゴム層を形成することができるゴム被覆ローラ
の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム被覆ローラの一例の層構成を示す
断面略図である。
【図2】本発明のゴム被覆ローラの他の一例の層構成を
示す断面略図である。
【図3】本発明のゴム被覆ローラの一例の製造方法を示
す工程図である。
【符号の説明】 1:ローラ基材 2:有機マイクロバルーンを含有するゴム層 3:耐熱性樹脂層 4:フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層 31:円筒状金型 32:耐熱性樹脂層 33:ローラ基材 34:未加硫ゴム材料 35:ゴム被覆ローラ (a)〜(e):工程順を示す符号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 103 G03G 15/20 103 (72)発明者 滝口 敏彦 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 宮本 昌宏 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内 (72)発明者 上村 広美 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内 (72)発明者 加藤 千明 大阪府泉南郡熊取町大字野田950番地 住 友電気工業株式会社熊取製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層の
    ゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層
    (C) が形成されたゴム被覆ローラにおいて、該ゴム層
    (B) が、有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)を
    含むことを特徴とするゴム被覆ローラ。
  2. 【請求項2】 有機マイクロバルーンを含有するゴム層
    (B1)の硬度が、アスカーCで20度以下である請求項1
    記載のゴム被覆ローラ。
  3. 【請求項3】 有機マイクロバルーンを含有するゴム層
    (B1)の熱伝導率が、0.5×10-3cal/cm・se
    c・℃以下である請求項1または2に記載のゴム被覆ロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 有機マイクロバルーンを含有するゴム層
    (B1)と耐熱性樹脂層(C) との間に、フッ素樹脂を含有す
    る耐熱性ゴム層(B2)が更に形成されている請求項1ない
    し3のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  5. 【請求項5】 有機マイクロバルーンが、熱可塑性樹
    脂、熱硬化性樹脂、及びゴムから選ばれる有機高分子材
    料により形成された中空の球状微粒子である請求項1な
    いし4のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  6. 【請求項6】 有機高分子材料が、180℃上の熱分解
    開始温度を有する熱硬化性樹脂である請求項5記載のゴ
    ム被覆ローラ。
  7. 【請求項7】 耐熱性樹脂層(C) が、フッ素樹脂層また
    はポリイミド樹脂層である請求項1ないし6のいずれか
    1項に記載のゴム被覆ローラ。
  8. 【請求項8】 ローラ基材(A) が、芯金、耐熱性樹脂チ
    ューブ、または金属チューブである請求項1ないし7の
    いずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  9. 【請求項9】 ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層の
    ゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層
    (C) が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、 1.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗布して、耐
    熱性樹脂層(C) を形成する工程、 2.所望により、該耐熱性樹脂層(C) の上に、フッ素樹
    脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の
    融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂を含有する
    耐熱性ゴム層(B2)を形成する工程、 3.円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工
    程、及び 4.ローラ基材(A) と耐熱性樹脂層(C) または耐熱性ゴ
    ム層(B2)との間の隙間に、有機マイクロバルーンを含有
    するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、有機マイク
    ロバルーンを含有するゴム層(B1)を形成する工程、を含
    むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法。
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