JP4398059B2 - ゴム被覆ローラ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム被覆ローラに関し、さらに詳しくは、ローラ基材の上に、有機マイクロバルーンを含有するゴム層及び耐熱性樹脂層が形成されたゴム被覆ローラ、及びその製造方法に関する。本発明のゴム被覆ローラは、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置において、例えば、加圧ローラ、転写ローラ、帯電ローラ、搬送ローラなどとして好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形成装置においては、一般に、1)感光体ドラムを一様かつ均一に帯電する帯電工程、2)像露光を行って感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光工程、3)静電潜像にトナー(現像剤)を付着させてトナー像(可視像)を形成する現像工程、4)感光体ドラム上のトナー像を転写紙やOHPシートなどの転写材上に転写する転写工程、5)転写材上の未定着のトナー像を定着する定着工程によって、画像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置において、装置の各部には、例えば、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ローラ、帯電ローラ、転写ローラなどの各種ローラ部材が配置されており、各工程での機能を分担している。これらのローラ部材には、耐熱性、離型性(オフセット防止性)、表面平滑性、耐久性などに優れており、かつ、適度の弾力性を有することが要求されている。
【0004】
従来より、これらのローラ部材としては、ローラ基材の芯金上にゴム層を形成し、さらに該ゴム層の上にフッ素樹脂層を形成したものが汎用されている。このような構造のローラ部材は、ゴム層により適度の弾力性が付与され、かつ、フッ素樹脂層により離型性が付与されている。最近では、定着ローラとして、芯金に代えて、耐熱性樹脂チューブや金属チューブをローラ基材として用いたエンドレスベルト状のローラ部材も開発されている。
【0005】
従来、上記のごとき構造のローラ部材を製造する方法としては、
(1)アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなどのゴム層を形成し、そのゴム層の上にフッ素樹脂チューブを被せ、加熱収縮させて被覆する方法、
(2)アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなどのゴム層を形成し、該ゴム層上に液状フッ素樹脂塗料を塗布し、焼成して、フッ素樹脂層を形成する方法、
(3)金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し、乾燥後焼成して、筒壁内面にフッ素樹脂の筒状硬化薄膜を形成させ、次いで、該硬化薄膜の内面にエッチング処理を施した後、筒壁の軸心にローラ芯金を挿入すると共に、硬化薄膜と芯金との間に液状シリコーンゴムを圧入し、シリコーンゴムの熱加硫を行う方法、などが知られている。
【0006】
しかしながら、前記(1)の方法は、フッ素樹脂チューブの加熱収縮時にシワが発生しやすいこと、フッ素樹脂層の厚みを薄くすることができないことなどの問題があった。前記(2)の方法は、高融点のフッ素樹脂の焼成温度がゴム層の耐熱温度を越えるためゴム層が劣化しやすいこと、ゴム層とフッ素樹脂層との間の接着性が充分ではないこと、ゴム層及びフッ素樹脂層の両方の研磨工程が必要であることなどの問題があった。
【0007】
近年の複写や印字の高速化、フルカラー化などに対応するために、ローラ部材に充分な柔軟性を付与することが求められている。そのために、ゴム層を発泡ゴム層とした場合、前記(1)及び(2)の方法では、形成した発泡ゴム層の寸法を整えるための研削が困難である。これに加えて、(1)の方法では、発泡ゴム層上でフッ素樹脂チューブを加熱収縮させる時に、表面が波打ってしまい、平滑性が損なわれる。(2)の方法では、フッ素樹脂塗料が発泡ゴム層表面の発泡による凹凸に入り込み、膜厚が均一にならない、などの問題があった。
【0008】
前記(3)の方法では、ゴム層は、液状シリコーンゴムから形成されるため、充分に柔軟にすることが困難である。また、(3)の方法では、最外層は、フッ素樹脂層に限られており、しかも、液状フッ素樹脂塗料を使用することが必須となっている。液状フッ素樹脂塗料には、界面活性剤などの種々の添加剤が含まれている。そこで、金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し、乾燥後焼成すると、液状フッ素樹脂塗料中に含まれている界面活性剤などの成分が焼成時に炭化して、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する。この方法により得られた被覆ローラを定着ローラとして使用すると、表面のフッ素樹脂層に不純物が残存しているため、トナーの離型性が悪く、画像にオフセット現象を生じる原因になる。そのため、ローラ部材としての用途に制限があった。さらに、この方法では、ローラ部材の製造工程において、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する不純物のため、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が筒壁内面に強く付着し、その結果、金型からローラを脱型する際に、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が破れたり、シワが発生して表面平滑性が損なわれるという問題があった。
【0009】
また、これら(1)乃至(3)の方法に共通する問題として、ゴム層を柔らかくするために発泡ゴム層とする場合、発泡剤を配合したゴム材料を熱加硫時に発泡させるため、ローラの長手方向及び周方向に発泡度のバラツキが生じやすく、部分部分で微妙に硬度が異なってしまうという問題があった。画像形成装置において、ゴム層に硬度分布のあるローラ部材を使用すると、定着性、紙送り性、転写性、帯電性などに不具合を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、柔軟で硬度のバラツキがないゴム層を有し、柔軟性、層間密着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性、断熱性などに優れたゴム被覆ローラを提供することにある。本発明の他の目的は、ローラ基材上にゴム層が形成され、最外層に耐熱性樹脂層が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、ゴム層の劣化、耐熱性樹脂層の破れやシワの発生などの問題を引き起こすことがなく、しかも柔軟で硬度のバラツキがなく、熱伝導率が低くて断熱性に優れるゴム層が形成されたゴム被覆ローラの製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究した結果、有機マイクロバルーンを含有するゴム材料を用いてゴム層を形成することにより、発泡ゴムに匹敵する柔軟性を有し、しかも硬度分布のないゴム層を有するゴム被覆ローラの得られることを見いだし、先に特許出願を行った(特願平11−166482号)。
【0012】
その後さらに研究を進めたところ、ゴム層に、有機マイクロバルーンと共に、遊離塩素、遊離酸、または遊離塩基を捕捉することができる物質(捕捉剤)を含有させたところ、耐久性が顕著に改善されたゴム被覆ローラの得られることを見いだした。有機マイクロバルーンを含有するゴム層を備えたゴム被覆ローラを、例えば、電子写真方式の画像形成装置における加圧ローラや定着ローラとして使用すると、定着温度が高温であるため、有機マイクロバルーンから塩化水素などの塩素化合物、酸、塩基などが遊離し、それによって、ゴム層の破壊が進み、ゴム被覆ローラの耐久性が損なわれると推定される。
【0013】
これに対して、ゴム層に、有機マイクロバルーンと共に、遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有させると、遊離塩素、遊離酸、遊離塩基などによる攻撃からゴム層を守ることができ、高温での耐久性に優れたゴム被覆ローラを得ることができる。これらの捕捉剤は、予め有機マイクロバルーンに被覆処理して使用することもできる。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラにおいて、少なくとも一層のゴム層(B) が、(1) 有機マイクロバルーン、並びに(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有するゴム層(B1)を含むことを特徴とするゴム被覆ローラが提供される。
【0015】
また、本発明によれば、ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、
1.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する工程1;
円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工程2;並びに
ローラ基材(A) と耐熱性樹脂層(C)との間の隙間に、(1) 有機マイクロバルーンと、(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、ゴム層(B1)を形成する工程3;
を含むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、
I.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する工程I;
II.該耐熱性樹脂層(C) の上に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を形成する工程II;
III.該円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工程III;並びに
IV.該ローラ基材(A) と該耐熱性ゴム層(B2)との間の隙間に、(1) 有機マイクロバルーンと、(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤とを含有するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、ゴム層(B1)を形成する工程IV;
を含むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
ゴム被覆ローラ
図1は、本発明のゴム被覆ローラの層構成の一例を示す断面図である。本発明のゴム被覆ローラは、基本的には、図1に示すように、ローラ基材1の上に、有機マイクロバルーンを含有するゴム層2が形成され、該ゴム層2の上に、耐熱性樹脂層3が形成された層構成を有している。ゴム層2は、有機マイクロバルーンと共に、遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有している。
【0017】
図2は、本発明のゴム被覆ローラの層構成の他の一例を示す断面図である。このゴム被覆ローラは、ローラ基材1の上に、有機マイクロバルーンを含有するゴム層2が形成され、該ゴム層2の上に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層4が形成され、さらに、該耐熱性ゴム層4の上に、耐熱性樹脂層3が形成された層構成を有している。この層構成は、特に、最外層の耐熱性樹脂層3がフッ素樹脂層である場合に、耐熱性ゴム層4がフッ素樹脂層3とゴム層2との間の層間密着性を高めるため好ましい。ゴム層2は、有機マイクロバルーンと共に、少なくとも一種の捕捉剤を含有している。
【0018】
有機マイクロバルーンを含有するゴム層2の厚みは、通常、100μm〜5mm、好ましくは0.1〜3mmである。耐熱性樹脂層3の厚みは、通常、0.1〜150μm、好ましくは1〜100μmである。フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層4の厚みは、通常、30〜200μm、好ましくは50〜150μmである。ゴム被覆ローラの長さ、外径などは、ローラ部材の用途に適合するように、適宜定めることができる。
【0019】
ゴム被覆ローラの製造方法
図3は、本発明のゴム被覆ローラの製造工程を示す説明図である。第1工程(工程1または工程I)では、円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する。すなわち、図3(a)に示すように、円筒状金型31の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層32を形成する。耐熱性樹脂材料として、例えば、フッ素樹脂粉体を使用する場合には、円筒状金型31の内面にフッ素樹脂粉体を静電塗装などにより塗装し、焼成して、フッ素樹脂被膜を形成する。耐熱性樹脂材料として、ポリイミドワニスを使用する場合には、円筒状金型31の内面にポリイミドワニスを塗布し、乾燥させた後、加熱処理してイミド化させて、ポリイミド樹脂被膜を形成する。耐熱性樹脂材料が熱可塑性樹脂の場合には、その溶液を塗布し、乾燥して被膜を形成する。耐熱性樹脂層を形成した後、ゴム層との密着性を高めるため、必要に応じて、耐熱性樹脂層表面の活性化処理を行ったり、接着剤の塗布を行うことができる。
【0020】
第2工程(工程II)では、所望により、該耐熱性樹脂層(C) の上に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を形成する。この第2工程は、図面を省略している。
【0021】
第3工程(工程2または工程III)では、円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する。図3(b)に示すように、円筒状金型31の中空内にローラ基材33を挿入する。ローラ基材の表面には、接着剤を塗布しておいてもよい。円筒状金型の中心とローラ基材の中心が一致するようにセットする。すなわち、両者の軸心を合わせる。図3には、ローラ基材として芯金を用いる場合を示したが、ローラ基材は、チューブであってもよく、その場合には、チューブ内に支持体を挿入して、成形操作中、該チューブを固定させておくことが好ましい。
【0022】
第4工程(工程3または工程IV)では、ローラ基材(A) と耐熱性樹脂層(C) または耐熱性ゴム層(B2)との間の隙間に、有機マイクロバルーンと少なくとも一種の捕捉剤を含有するゴム材料を注入し、加硫して、ゴム層(B1)を形成する。具体的には、図3(c)に示すように、耐熱性樹脂層32とローラ基材33との間の隙間に、未加硫のゴム材料34を注入し、加硫して、加硫ゴム層を形成する。本発明では、未加硫ゴム材料として、有機マイクロバルーンと捕捉剤とを含有するゴム材料を使用する。加硫条件は、使用するゴムの種類に応じて選択される。液状シリコーンゴムの場合には、熱加硫を行う。ゴム材料の注入には、インジェクション、押し出しなどの適当な方法を採用することができる。ゴム材料の注入や加硫に際し、通常は、円筒状金型の一端または両端を密封する。
【0023】
図3(d)に示すように、ゴム材料の加硫後、耐熱性樹脂層とゴム層と共に、ローラ基材を円筒状金型31から引き抜くと、図3(e)に示すように、ローラ基材33上にゴム層と耐熱性樹脂層とがこの順に形成されたゴム被覆ローラ35が得られる。
【0024】
有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)と耐熱性樹脂層(C) との中間に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を形成する場合には、図3(a)に示す第1工程の後、第2工程として、耐熱性樹脂層32の表面に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、耐熱性樹脂層(C) と融着した耐熱性ゴム層(B2)を形成する。次いで、図3(b)〜(e)に示す各工程を実施する。この方法によれば、第1工程後、耐熱性樹脂層(C) 表面のエッチング処理などの活性化処理工程を省略しても、耐熱性ゴム層(B2)を介して、耐熱性樹脂層(C) と有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)との間の密着性を充分に高めることが可能である。
【0025】
円筒状金型
本発明で使用する円筒状金型は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製であることが好ましいが、フッ素樹脂の焼成温度やポリイミド前駆体のポリイミド化時の熱処理温度に耐える耐熱性を持つものであれば、これらに限定されるものではない。円筒状金型の内面に良好な離型性を持たせることが、最終工程で、耐熱性樹脂層及び加硫ゴム層と共にローラ基材を円筒状金型から引き抜く(脱型する)のを容易にする上で好ましい。円筒状金型内面に離型性を持たせるには、平滑化処理を行うことが好ましい。
【0026】
円筒状金型内面を平滑化処理するには、例えば、アルミニウム製の場合には、引き抜き材を使用したり、その他の材質であれば、クロムメッキ、ニッケルメッキなどの表面処理を行う方法がある。平滑化処理により、円筒状金型内面の表面粗さ(Rz)を20μm以下とすることが好ましい。ホーニング処理等により、Rzで5μm以下とすることがより好ましい。円筒状金型内面の平滑化処理により、脱型が容易になることに加えて、表面平滑性に優れた耐熱性樹脂層を形成することができる。
【0027】
円筒状金型の長さは、所定のローラ部材のゴム被覆部の長さであり、その内径は、実質的にローラ基材の外径とゴム層の厚みの和により規定される。円筒状金型の厚みは、フッ素樹脂の焼成時、ポリイミド前駆体のイミド化時、ゴムの加硫時などにおける熱伝導を考慮して、適宜決定されるが、通常、1〜10mm程度であることが好ましい。ただし、好ましい厚みは、材質によって選択される。なお、円筒状金型の外形は、必ずしも円筒状である必要はなく、筒状の内面を有するものであればよい。
【0028】
耐熱性樹脂
本発明で使用する耐熱性樹脂とは、連続使用の耐熱性150℃以上、定着ローラや加圧ローラなどの高温雰囲気下で使用される場合を想定すると、より好ましくは200℃以上の高度に耐熱性を有する合成樹脂である。このような耐熱性樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ビスマレイミド樹脂などを挙げることができる。
【0029】
本発明で使用するフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを挙げることができる。
【0030】
これらのフッ素樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ゴム被覆ローラを定着ローラや加圧ローラとして用いる場合には、これらのフッ素樹脂の中でも、耐熱性の観点からPTFE及びPFAが好ましい。溶融流動性があり、かつ、表面平滑性に優れたフッ素樹脂被膜が得られ易いことから、PFAがより好ましい。フッ素樹脂は、液状フッ素樹脂塗料として使用することができるが、成形性や離型性を高める上で、粉体の形状(粉体塗料)で使用することが好ましい。フッ素樹脂粉体の平均粒子径は、特に限定されないが、粉体塗装法により均一な厚みの薄い被膜を形成する上で、10μm以下であることが好ましい。その下限は、通常1μm程度である。特に、平均粒子径10μm以下のPFA粉体を用いることが好ましい。
【0031】
フッ素樹脂粉体を塗装するには、汎用の各種粉体塗装法を採用することができるが、それらの中でも、粉体を帯電させて塗布する静電塗装法(静電粉体吹き付け法)を用いることが、円筒状金型の内面に、均一で、よく締まった塗着粉体層を形成する上で好ましい。円筒状金型の内面に粉体塗装法によりフッ素樹脂塗膜を形成した後、常法に従って、フッ素樹脂を焼成する。焼成後のフッ素樹脂被膜の厚みは、通常、0.1〜150μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜40μm程度である。ゴム層の柔軟性を充分に生かすには、この厚みを20μm以下にすることができる。
【0032】
フッ素樹脂粉体を粉体塗装することにより、液状フッ素樹脂塗料の場合のように、塗料中にフッ素樹脂粒子を分散させるための界面活性剤が配合されているといったことがなく、純粋なフッ素樹脂の被膜が形成できる。これによって、焼成後に炭化した不純物がフッ素樹脂被膜中に残存することがないので、表面平滑性及びトナー離型性に優れたフッ素樹脂層を形成することができる。ポリイミド層を形成する場合には、ポリイミドワニスを塗布し、乾燥後、加熱して脱水・閉環(イミド化)させる。耐熱性樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、その溶液を塗布し、乾燥させる。その他の耐熱性樹脂層の厚みも、フッ素樹脂層の場合とほぼ同様である。
【0033】
フッ素樹脂層等の耐熱性樹脂層とゴム層との間の密着力を向上させるために、円筒状金型内面に形成した耐熱性樹脂被膜の活性化処理を行うことが好ましい。耐熱性樹脂被膜の活性化処理法としては、UVランプ、エキシマランプなどによる紫外線照射、コロナ放電、プラズマ処理、電子線照射、イオン照射、レーザー照射などの照射による物理的処理;金属ナトリウムによる化学的処理;処理液による湿式エッチング処理;などが挙げられる。これらの活性化処理によって、例えば、フッ素樹脂被膜の表面からフッ素原子が引き抜かれたり、耐熱性樹脂被膜の表面が親水化されたりするので、ゴム層との間の密着力が高まる。また、耐熱性樹脂層表面には、ゴム層の材質に適した接着剤を塗布することができる。
【0034】
ローラ基材
本発明で使用するローラ基材は、ローラ状芯金またはチューブである。したがって、本発明のゴム被覆ローラは、ローラ基材としてチューブを用いて得られるエンドレスベルト状のローラ部材(例えば、定着ベルト、搬送ベルト、帯電ベルト、除電ベルトなど)を包含する。芯金としては、一般に、熱伝導性の良好なアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどの金属;アルミナ、炭化ケイ素などのセラミックス;などから形成された筒状体が用いられる。
【0035】
チューブとしては、耐熱性樹脂チューブや金属チューブが用いられる。耐熱性樹脂チューブの材質としては、熱容量が小さく、使用時にヒータ等の加熱により素早く昇温するものが好ましく、一般に、融点、熱変形温度、熱分解温度などの耐熱温度が250℃以上の合成樹脂が使用される。その具体例としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、耐熱性及び耐久性が優れる点で、熱硬化性のポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂が好ましく、ポリイミド樹脂が特に好ましい。金属チューブの材質としては、鉄、ニッケル、これらの合金などが挙げられる。ゴム被覆ローラを定着ローラとして使用する場合などで、電磁誘導加熱方式を採用してゴム被覆ローラを加熱する場合は、金属チューブの材質として、鉄、ニッケル、これらの合金、フェライト系ステンレスなどが好ましい。定着ローラのように、ローラ部材全体を効率よく加熱する必要がある場合には、電磁誘導加熱が可能なニッケルチューブを用いることが特に好ましい。
【0036】
ローラ基材の厚み、長さなどは、通常のものが採用され、特に限定されない。例えば、ローラ基材の長さは、転写紙などの転写材の大きさに応じて適宜定められる。なお、本発明の製造方法の各工程において、ローラ基材としてチューブを用いる場合には、形状を保持するために、例えば、ステンレス製の棒や筒などの支持体をチューブの内部に挿入して使用することができる。また、ローラ基材の表面には、ゴムの材質に適した接着剤を塗布することができる。
【0037】
有機マイクロバルーンを含有するゴム材料
(ゴム材料)
有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)に使用されるゴム材料としては、通常、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性に優れたゴムが用いられる。耐熱性ゴムとは、ゴム被覆ローラを例えば定着ローラや加圧ローラとして使用した場合、定着温度での連続使用に耐える程度の耐熱性を有するものをいう。耐熱性ゴムとしては、耐熱性が特に優れている点で、ミラブルまたは液状のシリコーンゴム、フッ素ゴム、またはこれらの混合物が好ましい。具体的には、ジメチルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、ビニルシリコーンゴムなどのシリコーンゴム;フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテルなどのフッ素ゴム;などが挙げられる。これらの中でも、金型内に注入しやすい液状シリコーンゴムを用いることが好ましい。これらのゴムは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
(有機マイクロバルーン)
本発明では、ゴム層に柔軟性を付与するため、ゴム層に有機マイクロバルーンを含有させる。ゴム被覆ローラを断熱性を必要とするローラ部材として使用する場合には、有機マイクロバルーンは、柔軟性に加えて、断熱性を付与する役割をも果たすことができる。本発明で使用する有機マイクロバルーンとは、中空マイクロスフィア(Microspere)の一種であり、例えば、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂;ゴムなどの有機高分子材料から形成された中空の球状微粒子である。有機マイクロバルーンの大きさは、通常、数μm〜数百μm、多くの場合5〜200μm程度である。
【0039】
ゴム被覆ローラを画像形成装置における加圧ローラのような高温で連続的または長期間使用する用途に適用する場合には、有機マイクロバルーンとして、耐熱性に優れた有機高分子材料から形成された耐熱性有機マイクロバルーンを用いることが好ましい。耐熱性有機マイクロバルーンとしては、180℃以上の熱分解開始温度を有する有機高分子材料から形成された中空の球状微粒子が好ましい。ここで、熱分解開始温度とは、TAGで測定し、室温から20℃/分の昇温速度で昇温した時に、熱重量減少が5%を越える温度を指す。熱可塑性樹脂からなる有機マイクロバルーンは、融点付近の温度で柔らかくなり、中空の形状を保てなくなることがあるので、高度の耐熱性が要求される分野では、耐熱性有機マイクロバルーンとして、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる有機マイクロバルーンが好ましい。
【0040】
このような有機マイクロバルーンは、特別に調製してもよいが、市販品を好適に使用することができる。有機マイクロバルーンは、球状であるため、ゴム材料に充填した場合、応力の異方性を生じることがなく、その結果、硬度や断熱性にバラツキのないゴム層を形成することができる。有機マイクロバルーンは、ゴム加硫時に膨脹したり、破裂しない方が好ましいが、破裂したとしても、気泡として残れば、一定の柔軟性や断熱性をゴム層に付与することができる。
【0041】
ゴム材料中の有機マイクロバルーンの割合は、通常、5〜60体積%、好ましくは10〜50体積%、より好ましくは15〜45体積%である。多くの場合、40〜50体積%で特に良好な結果を得ることができる。有機マイクロバルーンは、球形であり、体積に対する表面積の割合が小さいため、ゴム材料中に高充填しても、流動性を良好に保持することができる。有機マイクロバルーンの割合が過小であると、ゴム材料の粘度が大きくなり過ぎたり、ゴム層の強度が低下するおそれが生じる。
【0042】
(捕捉剤)
本発明では、ゴム層(B1)に、有機マイクロバルーンと共に、遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有させる。有機マイクロバルーンの多くは、加熱により塩化水素などの塩素化合物、酸、塩基などを微量放出する。これによるゴム層の劣化を防ぐために、遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、遊離塩基捕捉剤などの捕捉剤を配合し、発生する塩素化合物、酸、塩基などを捕捉することが好ましい。特にゴム層が有機マイクロバルーンを40体積%以上含有する場合に、捕捉剤による捕捉効果が大きい。
【0043】
これらの捕捉剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石けん;ハイドロタルサイトなどの無機酸塩;ブチルすずジラウレートなどの有機すず化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール;などが挙げられる。これらの捕捉剤は、ゴム材料100重量部に対して、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。これらの捕捉剤は、予め有機マイクロバルーンの表面に被覆してもよい。捕捉剤を有機マイクロバルーンの表面に被覆するには、有機マイクロバルーンと捕捉剤を混合して、有機マイクロバルーンの表面処理を行うなどの方法がある。有機バルーンの充填量を40体積%以上に上げる場合には、捕捉剤として、エチレングリコールやグリセリンなどの多価アルコールを用いることが好ましい。
【0044】
(ゴム層(B1))
柔軟性の観点から、有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)の硬度は、アスカーC(高分子計器)硬度で、20度以下であることが好ましい。硬度の下限は、通常、5度、多くの場合10度程度である。本発明のゴム被覆ローラを定着装置の加圧ローラとして使用する場合は、加圧ローラが転写材から熱を奪うと、トナーが充分に溶融せずに、定着性が低下するため、断熱性に優れることが望ましい。そのために、有機マイクロバルーンを含有するゴム層(B1)の熱伝導率は、通常、1×10-3cal/cm・sec・℃以下、好ましくは5×10-4cal/cm・sec・℃以下、より好ましくは4×10-4cal/cm・sec・℃以下、特に好ましくは3×10-4cal/cm・sec・℃以下である。熱伝導率の下限は、通常、1×10-4cal/cm・sec・℃程度である。ゴム層の硬度や熱伝導率は、有機マイクロバルーンの配合割合やゴム材料の種類などによって調整することができる。
【0045】
ゴム材料には、所望により、カーボンブラック、マイカ、酸化チタンなどの無機充填材や、天然樹脂などの有機充填材を配合することができる。充填材の配合割合は、ゴム100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは80重量部以下である。ゴム層(B1)の厚みは、用途や設置する機械装置の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度等を勘案して適宜設置されるが、通常100μm〜5mm、好ましくは0.1〜3mm程度である。
【0046】
フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料
耐熱性樹脂層(C) (特にフッ素樹脂層)とゴム層(B1)との間の密着性を高めるために、両者の中間にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を設けることができる。円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した後、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理することにより、耐熱性ゴム層(B2)を形成する。加熱処理により、耐熱性ゴム層(B2)をフッ素樹脂層と融着させることができる。
【0047】
耐熱性ゴム材料としては、短時間であっても、フッ素樹脂の融点に相当する高温に耐えられるシリコーンゴムやフッ素ゴムが好ましいが、耐熱性の点からフッ素ゴムが特に好ましい。耐熱性ゴム材料に含有させるフッ素樹脂の種類は、特に限定されず、前記の如き各種フッ素樹脂を使用することができる。耐熱性ゴム材料に含有させるフッ素樹脂は、低温で溶融するフッ素樹脂であることが、耐熱性ゴム材料の熱処理温度を低くすることができるので好ましい。低温で溶融するフッ素樹脂としては、融点が305℃以下のフッ素樹脂が好ましく、融点305℃以下のPFAが特に好ましい。耐熱性ゴム材料中のフッ素樹脂の含有量は、特に限定されないが、最外層のフッ素樹脂被膜との融着性の点から、耐熱性ゴム材料100重量部に対して、5重量部以上が好ましく、耐熱性ゴム層の柔軟性の点から50重量部以下が好ましい。
【0048】
作用
本発明では、有機マイクロバルーンを配合したゴム層(B1)をローラ基材上に設けることにより、所望の硬度及び熱伝導率を有し、かつ、場所による硬度や熱伝導率のバラツキのないゴム被覆ローラを得ることができる。このゴム層(B1)の表面にフッ素樹脂被膜などの耐熱性樹脂層(C) を形成することにより、離型性、耐熱性に優れるゴム被覆ローラを得ることができる。さらに、有機マイクロバルーンと前記捕捉剤とを併用することにより、高温環境下で有機マイクロバルーンから発生する微量の遊離塩素、遊離酸、遊離塩基などを捕捉し、それによって、ゴム被覆ローラの高温での耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0049】
また、円筒状金型の内面に耐熱性樹脂被膜を形成し、次に、筒壁の軸心にローラ基材を挿入し、ローラ基材と耐熱性樹脂被膜との間に、有機マイクロバルーンを含有するゴム材料を注入して熱加硫を行うと、耐熱性樹脂被膜の表面が平滑で離型性にも優れるものになり、ゴム層表面を研削する必要もない。さらに、円筒状金型の内面を平滑化処理しておくことにより、耐熱性樹脂層の表面をさらに平滑にすることができる。
【0050】
フッ素樹脂の被膜形成方法として、円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成して、フッ素樹脂被膜を形成すると、フッ素樹脂ワニスなどの液状塗料を用いる場合に比較して、界面活性剤などの不純物が被膜中に残留せず、離型性に優れた表面が得られる。従来の技術において、PFAチューブを用いる場合には、厚みが50μm以上になり、ゴム層の柔らかさを充分に生かせない場合があった。これに対して、本発明では、所望により、フッ素樹脂被膜などの耐熱性樹脂層の厚みを20μm以下にまで薄くすることができるため、ゴム層の柔らかさを充分に生かすことができる。したがって、本発明のゴム被覆ローラは、高度の柔軟性が要求される用途に適用することが可能である。
【0051】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、ここでは、加圧ローラとしての実験結果を示すが、本発明のゴム被覆ローラは、加圧ローラの用途に限定されるものではない。
【0052】
[実施例1]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッキし、その面(表面粗さ20μm以下)に、フッ素樹脂粉体(デュポン社製、MP102;PFA粉体)を静電塗装し、380℃で30分間熱処理して、フッ素樹脂被膜(厚み約20μm)を形成した。このフッ素樹脂被膜の内面に、エッチング液(潤工社製、テトラエッチ液)を塗布し、水洗してエッチング処理を行った。エッチング処理面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布して、風乾した。
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布し乾燥させた後、内面にフッ素樹脂被膜を形成した円筒状金型の中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。
【0053】
円筒状金型内面のフッ素樹脂被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)100重量部に塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン(松本油脂製薬製)20体積%とステアリン酸カルシウム5重量部を配合したゴム材料を流し込み、160℃で15分間加熱して熱加硫した。その後、脱型し、200℃で4時間熱処理して、ゴム被覆ローラを得た。得られたゴム被覆ローラは、表面に被膜のシワや破れがなく、表面の波打ちや凹凸もなかった。
【0054】
このようにして得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして、定着ユニットにセットした。加圧ローラに対向して配置する定着ローラには、アルミニウム製芯金に、厚み2mmのシリコーンゴム層と厚み20μmのフッ素樹脂層とをこの順に積層したローラ部材を用いた。ハロゲンランプヒータで、定着ローラのフッ素樹脂層の表面温度が180℃になるように昇温した。
【0055】
キャノン製電子写真複写機により4色のカラートナー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のトナー)を用いて未定着画像が形成された複写紙を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して5万枚連続定着したところ、5万枚終了までオフセットのない良好な定着画像が得られた。定着枚数3万枚以降、加圧ローラの外径に減少傾向がみられたが、紙送り速度に変動が生じることは無く、定着画像に乱れが生じることも無かった。また、5万枚連続定着後、ゴム層が劣化して破壊することは無かった。5万枚連続定着後、加圧ローラの外径減少率は、0.5%であった。なお、加圧ローラの外径の減少率が1%を越えると、紙送り速度に変動が生じる。7000枚通紙時点で、ローラ汚れの発生が見られた。結果を表1に示す。
【0056】
[実施例2]
実施例1において、予めステアリン酸カルシウムで表面処理した塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例3]
実施例1において、ステアリン酸カルシウムに代えて、グリセリンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0058】
[実施例4]
実施例2において、ステアリン酸カルシウムで表面処理した塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンに代えて、グリセリンを用いて表面処理した塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例5]
実施例3において、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンの割合を20体積%から40体積%に変えたこと以外は、実施例3と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0060】
[実施例6]
実施例5において、グリセリンの配合量を5重量部から8重量部に変えたこと以外は、実施例5と同様にして、ゴム被覆ローラを製造し、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0061】
[実施例7]
実施例3において、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンの割合を20体積%から50体積%に増大させ、かつ、グリセリンの配合量を5重量部から10重量部に変えたこと以外は、実施例3と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0062】
[実施例8]
実施例6において、グリセリンに代えてエチレングリコールを用いたこと以外は、実施例6と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0063】
[実施例9]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッキし、その面(表面粗さ20μm以下)に、ポリイミドワニス(宇部興産社製、UワニスS)を塗布し、乾燥して溶剤を揮散させた後、350℃で60分間熱処理してポリイミド被膜(厚み20μm)を形成した。このポリイミド被膜の内面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布して、風乾した。
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布し乾燥させた後、ポリイミド被膜を形成した円筒状金型の中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。
【0064】
円筒状金型内面のポリイミド被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)100重量部に塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン(松本油脂製薬製)40体積%とグリセリン10重量部を配合したゴム材料を流し込み、160℃で15分間加熱して熱加硫した。その後、脱型し、200℃で4時間熱処理して、ゴム被覆ローラを得た。得られたゴム被覆ローラは、表面に被膜のシワや破れがなく、表面の波打ちや凹凸もなかった。このようにして得られたゴム被覆ローラを用いて、実施例1と同様にして、定着試験を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
Figure 0004398059
【0066】
(脚注)
(a)塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン
(b)ステアリン酸カルシウムで被覆した塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン
(c)グリセリンで被覆した塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン
【0067】
[比較例1]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッキし、次いで、シリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金を円筒状金型の中心と芯金の中心が一致するようにセットした。この円筒状金型と芯金との間の隙間に液状シリコーンゴム(信越化学社製、KE1380)に重炭酸ナトリウム5重量部を配合したゴムを流し込み、160℃で15分間熱処理してゴムを加硫した後、脱型した。得られた発泡ゴム層の表面を研削して、表面の凹凸を整えた。
研削した発泡ゴム層の表面に、PTFE塗料(ダイキン社製、EK4300)を塗布し、100℃で20分間乾燥後、380℃で10分間熱処理してフッ素樹脂被膜を形成した。その結果、元々発泡によるゴム層表面の凹凸が大きいことに加え、熱処理によってゴムが劣化して収縮し、表面に激しい凹凸が発生した。
【0068】
このようにして得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして定着ユニットにセットし、定着ローラには、芯金に厚み2mmのシリコーンゴム層と厚み20μmのフッ素樹脂層とを順に積層したローラ部材を用い、ハロゲンランプヒータで定着ローラのフッ素樹脂表面温度が180℃になるように昇温した。キャノン製電子写真複写機を用いて4色のカラートナーによって未定着画像を形成した複写紙を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して連続定着したところ、表面の凹凸が激しく、1枚目から画像が大きく乱れるとともに、色に濃淡に激しいバラツキが生じ、良好な画像が得られなかった。結果を表2に示す。
【0069】
[比較例2]
比較例1と同様にして、アルミニウム製芯金上に発泡ゴム層を形成し、得られた発泡ゴム層の表面を研削して、表面の凹凸を整えた。この発泡ゴム層の表面にPFA収縮チューブ(グンゼ社製)を被覆し、熱収縮させた。その結果、元々発泡によるゴム層表面の凹凸が大きいため、この凹凸がフッ素樹脂層の表面に反映され、表面に凹凸が発生した。得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして用いて、比較例1と同様に連続定着試験を行ったところ、加圧ローラ表面の凹凸が激しく、1枚目から画像が大きく乱れるとともに、色に濃淡に激しいバラツキが生じて、良好な画像が得られなかった。結果を表2に示す。
【0070】
[比較例3]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面に、PTFE塗料(ダイキン社製、EK4300)を塗布し、100℃で20分間乾燥後、380℃で30分間熱処理してフッ素樹脂被膜を形成した。このフッ素樹脂被膜の内面にテトラエッチ液(潤工業社製)を塗布し、水洗して、エッチング処理を行った。このエッチング処理したフッ素樹脂被膜の内面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニング社製、DY39−012)を塗布して、風乾した。
【0071】
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた後、フッ素樹脂被膜を形成した円筒状金型の中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。円筒状金型内面のフッ素樹脂被膜と芯金との間の隙間に液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃で15分間熱処理してゴムを加硫した後、脱型した。得られたゴム被覆ローラを加圧ローラとして用いて、比較例1と同様に連続定着試験を行ったところ、ゴム層の柔軟性が不足しているため、トナーが充分に溶融せず、1枚目から良好な画像が得られなかった。結果を表2に示す。
【0072】
[比較例4]
実施例9において、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンの割合を40体積%から20体積%に変え、かつ、グリセリンを配合しなかったこと以外は、実施例9と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。1000枚の連続通紙でローラ汚れの発生がみられ、1.2万枚でオフセットが発生し、3万枚でゴム層の破壊が発生した。結果を表2に示す。
【0073】
[比較例5]
実施例9において、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーンの割合を40体積%から30体積%に変え、かつ、グリセリンを配合しなかったこと以外は、実施例9と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表2に示す。
【0074】
[比較例6]
実施例9において、グリセリンを配合しなかったこと以外は、実施例9と同様にして、ゴム被覆ローラを製造して、定着試験を行った。結果を表2に示す。
【0075】
[比較例7]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒状金型の内面をクロムメッキし、その面(表面粗さ20μm以下)にPFA塗料(ダイキン社製、AD−2CR)を塗布し、100℃で20分間乾燥後、380℃で30分間熱処理して、フッ素樹脂被膜(厚み20μm)を形成した。このフッ素樹脂被膜の内面に、テトラエッチ液(潤工社製)を塗布し、水洗してエッチング処理を行った。フッ素樹脂被膜のエッチング諸裏面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニング社製、DY39−012を塗布して風乾した。
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金の表面に、前記と同じシリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた後、フッ素樹脂被膜を形成した円筒状金型の中空内に、両者の軸心が一致するように挿入した。
【0076】
円筒状金型内面のポリイミド被膜と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)に塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン(松本油脂製薬製)40体積%を配合したゴム材料を流し込み、160℃で15分間加熱してゴムを熱加硫した。その後、脱型して、ゴム被覆ローラを得た。得られたゴム被覆ローラは、表面に被膜のシワや破れがなく、表面の波打ちや凹凸もなかった。このゴム被覆ローラを用いて、実施例1と同様に定着試験を行った。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
Figure 0004398059
【0078】
(脚注)
(a)塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体マイクロバルーン
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟で硬度のバラツキがないゴム層を有し、柔軟性、層間密着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性、断熱性などに優れたゴム被覆ローラが提供される。また、本発明によれば、ローラ基材上にゴム層が形成され、最外層に耐熱性樹脂層が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、ゴム層の劣化、耐熱性樹脂層の破れやシワの発生などの問題を引き起こすことがなく、しかも柔軟で硬度のバラツキがなく、熱伝導率が低くて断熱性に優れるゴム層が形成されたゴム被覆ローラの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム被覆ローラの一例の層構成を示す断面略図である。
【図2】本発明のゴム被覆ローラの他の一例の層構成を示す断面略図である。
【図3】本発明のゴム被覆ローラの一例の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1:ローラ基材
2:有機マイクロバルーンを含有するゴム層
3:耐熱性樹脂層
4:フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層
31:円筒状金型
32:耐熱性樹脂層
33:ローラ基材
34:未加硫ゴム材料
35:ゴム被覆ローラ
(a)〜(e):工程順を示す符号

Claims (11)

  1. ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラにおいて、少なくとも一層のゴム層(B) が、(1) 有機マイクロバルーン、並びに(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有するゴム層(B1)を含むことを特徴とするゴム被覆ローラ。
  2. ゴム層(B1)が、有機マイクロバルーンと少なくとも一種の捕捉剤とを、少なくとも一種の捕捉剤により表面処理された有機マイクロバルーンとして含有する請求項1記載のゴム被覆ローラ。
  3. 少なくとも一種の捕捉剤が、金属石けん、無機酸塩、有機すず化合物、及び多価アルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である請求項1または2に記載のゴム被覆ローラ。
  4. ゴム層(B1)が、有機マイクロバルーンを5〜60体積%の割合で含有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  5. ゴム層(B1)の熱伝導率が、5×10-4cal/cm・sec・℃以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  6. 耐熱性樹脂層(C) が、フッ素樹脂層またはポリイミド樹脂層である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  7. ローラ基材(A) が、芯金、耐熱性樹脂チューブ、または金属チューブである請求項1ないし6のいずれか1項に記載のゴム被覆ローラ。
  8. ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、
    1.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する工程1;
    円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工程2;並びに
    ローラ基材(A) と耐熱性樹脂層(C)との間の隙間に、(1) 有機マイクロバルーンと、(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤を含有するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、ゴム層(B1)を形成する工程3;
    を含むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法。
  9. ローラ基材(A) 上に、少なくとも一層のゴム層(B) が形成され、かつ、最外層に耐熱性樹脂層(C) が形成されたゴム被覆ローラの製造方法において、
    I.円筒状金型の内面に耐熱性樹脂材料を塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する工程I;
    II.該耐熱性樹脂層(C) の上に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム層(B2)を形成する工程II;
    III.該円筒状金型の中空内にローラ基材(A) を挿入する工程III;並びに
    IV.該ローラ基材(A) と該耐熱性ゴム層(B2)との間の隙間に、(1) 有機マイクロバルーンと、(2) 遊離塩素捕捉剤、遊離酸捕捉剤、及び遊離塩基捕捉剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の捕捉剤とを含有するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、ゴム層(B1)を形成する工程IV;
    を含むことを特徴とするゴム被覆ローラの製造方法。
  10. 前記ゴム層(B1)を形成する工程3または工程IVにおいて、少なくとも一種の捕捉剤により表面処理された有機マイクロバルーンを含有するゴム材料を注入し、次いで、加硫して、ゴム層(B1)を形成する請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 前記耐熱性樹脂層(C) を形成する工程1または工程Iにおいて、円筒状金型の内面に粉体の耐熱性樹脂材料を静電塗装して、耐熱性樹脂層(C) を形成する請求項8乃至10のいずれか1項に記載の製造方法。
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