JP4831341B2 - 弾性チューブ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性チューブ及びその製造方法に関し、特に、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性が良好であり、耐久性を有する液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料とした、外観に偏肉、パーティングラインがなく、強度的にも優れた、気体、薬品・溶剤等の搬送用配管部材、工業用配管部材等、幅広い用途に用いられる弾性チューブ、及びその製造方法に関するものである。
シリコーンゴムは、一般に、耐薬品性、耐熱性に優れていると共に、成形が比較的容易であることから、耐油性及び耐スチーム性共に劣るポリ塩化ビニルに代わって、医療用カテーテル、工業用等、多方面にシリコーンゴム製チューブ成形品が使用されている。しかしながら、シリコーンゴム製チューブには、炭化水素系溶液、ケトン系溶液などの溶液の浸透、吸着が見られるなど不都合があった。
一般のシリコーンゴムは耐油性に劣り、特に、炭化水素系のガソリン等燃料油に対する膨潤が激しい上、膨潤に伴って強度が低下するので、それらの環境下では使用することができなかった。そこで、耐薬品性及び耐燃料性に優れたフッ素樹脂製チューブが開発されたが、フッ素樹脂製チューブは可撓性が少なく、硬く、柔軟性に欠けるため、取り扱い性に問題があった。またフッ素ゴムチューブにおいては成形性が困難であると共に、熱時強度、極性溶剤、アミン性溶剤、耐スチーム性に対し強度が不足する等の問題があった。
更に、成形法においては、二つ割金型を用いた場合、成形物外観にパーティングラインを有するため、強度、寸法精度、バリ取り等の問題があった。
また、シリコーンゴム系のチューブに関しては、シリコーンゴムから発生する低分子シロキサンが薬品、溶剤等により抽出されることがあり、搬送液体を汚染するいわゆるシロキサントラブルが発生してしまい、用途は限定されてしまう。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開平02−308841号公報 特開平07−256780号公報 特開2000−290430号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の耐溶剤性、耐薬品性に優れた特性により、薬液、極性溶剤を含む全ての炭化水素系溶剤に対し安定で、薬液、炭化水素系溶剤での膨潤、浸透、吸着が見られず、またチューブからの溶出物による汚染が少ない、クリーンな状態の液体搬送が可能であると共に、可撓性、柔軟性に優れ、偏肉、パーティングラインがなく、強度的にも優れた弾性チューブ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、充填補強剤としてシリカを含有するパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料とし、特定の注型用金型で成形したパーティングラインのない寸法精度の良いチューブ構造にすることで、薬液、極性溶剤を含む全ての炭化水素系溶剤に対し安定で、薬液、炭化水素系溶剤での膨潤、浸透、吸着が見られず、またチューブからの溶出物による汚染が少ない、クリーンな液体搬送が可能であると共に、可撓性、柔軟性に優れ、強度的にも優れた弾性チューブが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記弾性チューブ及びその製造方法を提供する。
〔1〕円筒状注型金型本体内に丸棒状中子を挿入することにより断面円形リング状のキャビティが形成された注型金型の上記キャビティに、
(A)下記一般式(1)
Figure 0004831341
[式中、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR−Y’−(Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基であり、Rは上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
(B)補強性フィラー、及び
(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤:前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
を含有してなる液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を、注入、成形、硬化してなることを特徴とする外観にパーティングラインのない弾性チューブ。
〔2〕円筒状注型金型本体内に丸棒状中子を挿入することにより断面円形リング状のキャビティが形成された注型金型の上記キャビティに、
(A)下記一般式(1)
Figure 0004831341
[式中、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR−Y’−(Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基であり、Rは上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
(B)補強性フィラー、及び
(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤:前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
を含有してなる液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を注入、成形、硬化することを特徴とする外観にパーティングラインのない弾性チューブの製造方法。
この場合、上記円筒状注型金型本体内の中子にテンションを掛けた状態で含フッ素ゴム組成物を注入、成形、硬化することが好ましい。
なお、上記液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の架橋サイトが、Si−CH=CH2であり、架橋システムが付加反応架橋もしくはパーオキサイド架橋であることが好ましい。
本発明の弾性チューブは、耐溶剤性に優れるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料とすることで、耐溶剤性に優れ、搬送溶剤に低分子成分の溶出もなく、肉厚が均一でパーティングラインがないために耐久性に優れる特性を有するので、電気電子をはじめとしたクリーンな溶剤、薬液等の液体搬送を必要とする幅広い分野で使用することができ、その工業的な利用価値が大きい。
本発明の弾性チューブは、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料とし、後述する注型金型を用いて型成形することにより得ることができる。
本発明に係るパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物は、好ましくは架橋性パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物が用いられ、この場合、この含フッ素ゴム組成物の架橋サイトがSi−CH=CH2であり、架橋システムが付加反応架橋もしくはパーオキサイド架橋であるものが好ましい。
本発明に使用される架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物とは、特許第2990646号公報、特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報、特開2003−201401号公報等により詳しく記載されているものであり、商品名SIFELシリーズ(信越化学工業(株))として一般的に入手可能なものである。
上記パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を詳細に説明すると、
(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフロロアルキレン構造又は二価のパーフロロポリエーテル構造を有するパーフロロ化合物、
(B)補強性フィラー、及び
(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
からなるものが好適である。
特に重要なのが(A)成分のポリマーであり、(A)成分が、下記一般式(1)で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物であることが好ましい。
Figure 0004831341
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(Z)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)
Figure 0004831341
(o,m又はp位)で示される基)
で表される基であり、Rは上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
(B)成分の補強性フィラーとしては、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、粉砕シリカ、炭酸カルシウム、珪藻土、カーボンブラック、各種金属酸化物粉末等を挙げることができ、また、これらを各種表面処理剤で処理したものであってもよい。この中で、機械的強度の向上の点から、特にヒュームドシリカが好ましく、更に、分散性の向上の点から、ヒュームドシリカをシラン系表面処理剤で処理したものが好ましい。
(B)成分の補強性フィラーの添加量としては、(A)成分100質量部に対して、1〜200質量部が好ましい。特に、機械的特性の安定の点から5〜100質量部が好ましい。補強性フィラーの添加量が少なすぎると機械的強度が低下する場合があり、多すぎると流動性が低下し、エアー混入等、成形性で不具合が生じる場合がある。
(C)成分は、(A)成分のポリマーを硬化させる架橋剤であり、(i)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤、もしくは(ii)パーオキサイド架橋剤に大別できる。
(C)成分の付加反応可能な架橋剤を用いて付加反応を行う場合は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を少なくとも2個有する有機ケイ素化合物が必要であり、(A)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性の観点から、1分子中に1個以上のフッ素含有基を有するものが好ましい。
更に、付加反応架橋を行う場合、(A)成分中のアルケニル基とヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒が必要であり、このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
(C)成分として有機過酸化物を使用する場合、該有機過酸化物は、通常過酸化物硬化型ゴム組成物を硬化させるために使用されているものを特に制約なく使用することができ、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらは1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分の添加量は、(A)成分のポリマーを硬化させるのに十分量であればよく、通常、付加架橋の場合はヒドロシリル基/アルケニル基のモル比率が0.5〜2.0、更に好ましくは0.8〜1.5であり、また、上記ヒドロシリル化反応触媒の使用量は、(A)成分に対し白金族金属質量換算で0.1〜1,000ppmであることが好ましい。有機過酸化物を使用する場合は、(A)成分のポリマー100質量部に対して0.01〜5質量部配合することが好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部を配合する。
上記液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の回転粘度計による25℃の粘度は1〜10,000Pa・sの範囲が好ましく、より好ましくは10〜5,000Pa・sの範囲である。粘度が1Pa・s未満の場合には弾性チューブの強度が低下する場合があり、10,000Pa・sを超えると成形が困難となる場合がある。
次に、上記のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を成形・硬化して得られる本発明の弾性チューブについて、図を用いて説明する。図1は本発明の弾性チューブ形状の一例を示す概略斜視図であり、図2はその概略断面図である。本発明の弾性チューブは、上記パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の硬化物よりなり、パーティングラインがないことを特徴とするものである。
本発明の弾性チューブの形状、寸法は特に限定されないが、内径がφ5mm以下、特にφ3mm以下、またφ1mm以上であることが好ましく、肉厚が1〜9mm、特に2〜6mmであることが好ましい。
また、本発明の弾性チューブは、偏肉が0.1mm以下、特に0.05mm以下であることが好ましい。
このような弾性チューブは、図3に示すような注型金型1を用いて成形することができる。この金型は、円筒状注型金型本体2内に丸棒状中子3を挿入することにより、断面円形リング状のキャビティ4が形成されたものである。また、図3において、5,6は上記中子3の固定部であり、7は中子引っ張り機構部であり、下側中子固定部5と上側中子固定部6とで中子3を保持、固定すると共に、材料注入、成形、硬化時に中子3を下側中子固定部5にしっかり固定すると共に、中子引っ張り機構部7にて中子3を強く引っ張り、テンションを与えて、材料注入時の材料からの圧力によって中子3がしなることなく、全体的にも局所的にも偏心が生じることがなく、円筒状注型金型本体2内の中心に中子3を維持するものである。これにより、偏肉のない弾性チューブを成形することができる。なお、8は材料注入口、9はエアー排出口である。
弾性チューブの成形法としては、前記パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料注入口8より注入し、これによりキャビティ4内のエアーがエアー排出口9より排除され、型内に材料が満たされた後、注入口8及び排出口9を閉じ、オーブン中で加熱処理する。加熱処理後、オーブンより取り出し、冷却して金型内より成形物を取り出し、成形を完了させる。
本発明においては、上記円筒状注型金型本体2内の中子3にテンションを掛けることにより、上述したとおり、材料(組成物)注入時の材料圧力で中子3がしなることがないという効果が得られるため、偏肉のない弾性チューブが得られる。
なお、上記材料(組成物)は、通常0kgf/cm2より大きく、特に0kgf/cm2より大きく100kgf/cm2以下の圧力でキャビティ内に注入される。一方、中子には、0kgf/cm2より大きく10,000kgf/cm2以下、特に1kgf/cm2〜1,000kgf/cm2のテンションを掛けて中子を図3において上方に強く引っ張ることが好ましい。
オーブン中での加熱処理条件としては、150〜200℃、特に180〜200℃にて30分〜90分間、特に40分〜60分間とすることが好ましい。また、冷却条件としては、室温放置、水冷、空冷等いずれの手段で冷却してもよい。
また、成形に際しては、成形物と金型の離型性を向上させるために離型剤を使用しても差し支えない。
このようにして得られた弾性チューブは、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴムで成形された、パーティングラインがなく、偏肉は0.1mm以下で、溶剤、外部応力等に耐えうる強度を有するものであり、チューブの太さにかかわらず、同等な耐薬品性、耐溶剤性のものが得られる。
本発明の弾性チューブは、種々の用途に利用することができる。即ち、柔軟性、耐油性、耐薬品性、耐熱性を要求される部品、具体的には燃料搬送用配管や医療用カテーテル、プリンター用インク搬送配管部材、工作機械切削油配管部材など幅広く使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で用いられるゴム材料及び製造装置
(パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム材料)
・含フッ素ゴム組成物(I):SIFEL3400(A/B)(信越化学工業(株)製、液状2液タイプ組成物標準配合):付加反応架橋、(I)架橋サイトSi−CH=CH2
・含フッ素ゴム組成物(II):SIFEL3155(信越化学工業(株)製、液状1液タイプ組成物標準配合):付加反応架橋、(II)架橋サイトSi−CH=CH2
(シリコーンゴム組成物)
・シリコーンゴム組成物(I):KE1950−40(A/B)(信越化学工業(株)製、液状2液タイプ組成物標準配合)
・シリコーンゴム組成物(II):KE1935(A/B)(信越化学工業(株)製液状2液タイプ組成物標準配合)
(硬化用装置)
・高温硬化が可能な加熱用オーブン
(金型)
チューブとして外径φ5mm、内径φ2mm、肉厚1.5mm、長さ200mmのチューブ成形用に設計した金型本体及び外径φ2mm、長さ300mmの中子を使用。
[実施例1]
図1に示す構造の成形品を得るために図3に示す金型を使用し、下記の工程で製造を行った。
加熱されていない金型本体内のチューブ内径成形用中子を、10kgf/cm2の引っ張りテンションを掛けた状態で固定した後、材料注入口より含フッ素ゴム組成物;SIFEL3400(A/B)(信越化学工業(株)製、液状2液タイプ組成物標準配合)材料を圧力2kgf/cm2で注入し、エアー排出口よりその液状材料の吐出が見られた後、材料の注入を完了させ、ついで金型の材料注入口、エアー排出口を閉じた状態で200℃に設定されたオーブン中で40分間加熱架橋させた。冷却後、金型よりチューブ成形物を取り出し、200℃、4時間のポストキュアーを行い、本発明の弾性チューブを得た。
[実施例2]
実施例1と同様、加熱されていない金型本体内のチューブ内径成形用中子を、10kgf/cm2の引っ張りテンションを掛けた状態で固定した後、材料注入口より含フッ素ゴム組成物;SIFEL3155(信越化学工業(株)製、液状1液タイプ組成物標準配合)材料を圧力2kgf/cm2で注入し、エアー排出口よりその液状材料の吐出が見られた後、材料の注入を完了させ、ついで金型の材料注入口、エアー排出口を閉じた状態で200℃に設定されたオーブン中で40分間加熱架橋させた。冷却後、金型よりチューブ成形物を取り出し、200℃、4時間のポストキュアーを行い、本発明の弾性チューブを得た。
[比較例1]
図4に示す加熱されていない二つ割の金型内に、チューブ内径成形用中子にテンションを掛けない状態で固定した後、含フッ素ゴム組成物;SIFEL3155(信越化学工業(株)製、液状1液タイプ組成物標準配合)材料を仕込み、プレス成型にてプレス温度150℃、プレス圧力50kgf/cm2、プレス時間20分で加熱架橋させた。その後、金型よりチューブ成形物を取り出し、200℃、4時間のポストキュアーを行い、パーティングラインを有する弾性チューブを得た。
なお、図4において、11は上型、12は下型、13は割部、14は中子である。
[比較例2]
図3に示す金型を使用し、下記の工程で製造を行った。
加熱されていない金型本体内のチューブ内径成形用中子を、10kgf/cm2の引っ張りテンションを掛けた状態で固定した後、材料注入口より実施例2で使用したSIFEL3400と同等な硬度を有するシリコーンゴム組成物;KE−1950−40(A/B)(信越化学工業(株)製、液状2液タイプ)材料を圧力2kgf/cm2で注入し、エアー排出口よりその液状材料の吐出が見られた後、材料の注入を完了させ、金型の材料注入口、エアー排出口を閉じた状態で200℃に設定されたオーブン中で40分間加熱架橋させた。冷却後、金型よりチューブ成形物を取り出し、200℃、2時間のポストキュアーを行い、シリコーン製弾性チューブを得た。
[比較例3]
図3に示す金型を使用し、下記の工程で製造を行った。
加熱されていない金型本体内のチューブ内径成形用中子を、10kgf/cm2の引っ張りテンションを掛けた状態で固定した後、材料注入口より実施例2で使用したSIFEL3155と同等な硬度を有するシリコーンゴム組成物;KE−1935(A/B)(信越化学工業(株)製、液状2液タイプ)材料を圧力2kgf/cm2で注入し、エアー排出口よりその液状材料の吐出が見られた後、材料の注入を完了させ、金型の材料注入口、エアー排出口を閉じた状態で200℃に設定されたオーブン中で40分間加熱架橋させた。冷却後、金型よりチューブ成形物を取り出し、200℃、2時間のポストキュアーを行い、シリコーン製弾性チューブを得た。
[チューブへの溶液の浸透性評価方法]
実施例2、比較例1の含フッ素ゴム組成物、及び比較例2,3のシリコーンゴム組成物で得られたチューブ内を染料(オイルブルー(II)Nオリエント化学(株)製)で着色されたトルエンで満たし、室温にて1日間放置後、チューブ内面の着色状態を観察した。
無し:着色溶液の浸透による変色がほとんどない。
有り:着色溶液の浸透でチューブに変色が見られる。
[耐溶剤性評価方法]
実施例1,2、比較例1の含フッ素ゴム組成物、及び比較例2,3のシリコーンゴム組成物で得られたチューブについて、炭化水素系溶剤のガソリン、トルエン、ケトン系溶剤のアセトン、エステル系溶剤の酢酸エチルに3日間浸漬させたのち、下記計算式により体積変化率を測定し、表1にまとめた。
(体積変化率計算式)−−JIS K6301に準拠
Figure 0004831341
[チューブ偏肉の評価方法]
実施例1,2及び比較例1〜3で得られたチューブ断面について対角する4箇所の肉厚を測定し、その肉厚の最大値、最小値、及び肉厚差を表1にまとめた。
測定個所:
図2に示すチューブ断面について対角する4箇所
測定機:
Peacock〔(株)尾崎製作所製〕ダイアルパイプゲージ
[ゴム物性の評価]
上記実施例、比較例で得られたゴム硬化物のゴム物性をJIS K6249に準拠して測定し、結果を表1にまとめた。
Figure 0004831341
これらの結果、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を材料とし、円筒状注型金型を用いて型成形した本発明による弾性チューブは、溶剤の浸透がなく、搬送薬品溶剤に対し汚染が少なく、耐溶剤性に優れると共に、チューブ肉厚形状が均一で外観にパーティングラインのないことより、耐久性においても優れることがわかる。
一方、比較例に示したように、シリコーンゴムでは、肉厚が均一であっても、チューブへの溶剤の浸透、体積変化率が大きいため、耐久性に劣り、また搬送溶剤への汚染があることがわかる。
本発明の弾性チューブ形状の一例を示す概略斜視図である。 本発明の弾性チューブ形状の一例を示す概略断面図である。 本発明の弾性チューブ成形に用いる液状用金型構造の一例を示す概略図である。 本発明の比較例1で用いた成形後のチューブにパーティングラインを有する二つ割金型を示す概略図である。
符号の説明
1 注型金型
2 円筒状注型金型本体
3 中子
4 キャビティ
5 中子固定部
6 中子固定部
7 中子引っ張り機構部
8 材料注入口
9 エアー排出口

Claims (5)

  1. 円筒状注型金型本体内に丸棒状中子を挿入することにより断面円形リング状のキャビティが形成された注型金型の上記キャビティに、
    (A)下記一般式(1)
    Figure 0004831341
    [式中、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
    Figure 0004831341
    (o,m又はp位)で示される基)
    で表される基、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR−Y’−(Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)
    Figure 0004831341
    (o,m又はp位)で示される基)
    で表される基であり、Rは上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
    で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
    (B)補強性フィラー、及び
    (C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤:前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
    を含有してなる液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を、注入、成形、硬化してなることを特徴とする外観にパーティングラインのない弾性チューブ。
  2. 上記液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の架橋サイトが、Si−CH=CH2であり、架橋システムが付加反応架橋もしくはパーオキサイド架橋であることを特徴とする請求項1記載の弾性チューブ。
  3. 円筒状注型金型本体内に丸棒状中子を挿入することにより断面円形リング状のキャビティが形成された注型金型の上記キャビティに、
    (A)下記一般式(1)
    Figure 0004831341
    [式中、Xは−CH 2 −、−CH 2 O−、−CH 2 OCH 2 −又は−Y−NR−CO−(Yは−CH 2 −又は下記構造式(Z)
    Figure 0004831341
    (o,m又はp位)で示される基)
    で表される基、Rは水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH 2 −、−OCH 2 −、−CH 2 OCH 2 −又は−CO−NR−Y’−(Y’は−CH 2 −又は下記構造式(Z’)
    Figure 0004831341
    (o,m又はp位)で示される基)
    で表される基であり、Rは上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
    で表される直鎖状フルオロポリエーテル化合物、
    (B)補強性フィラー、及び
    (C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤:前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
    を含有してなる液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を注入、成形、硬化することを特徴とする外観にパーティングラインのない弾性チューブの製造方法。
  4. 上記円筒状注型金型本体内の中子にテンションを掛けた状態で含フッ素ゴム組成物を注入、成形、硬化することを特徴とする請求項記載の弾性チューブの製造方法。
  5. 上記液状パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物の架橋サイトが、Si−CH=CH2であり、架橋システムが付加反応架橋もしくはパーオキサイド架橋であることを特徴とする請求項又は記載の弾性チューブの製造方法。
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