JP2002194219A - 型取り材 - Google Patents
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Abstract
となく、機械的強度と複製品の離型性に優れ、型取りを
繰り返しても硬さの変化や表面の荒れが少なく、型取り
回数を多くできる、特に透明樹脂やプロトタイプなど、
高度の離型性を要する型取りに適した型取り材を提供す
る。 【構成】 (A)脂肪族不飽和炭化水素基を有する直鎖
状ポリオルガノシロキサン、(B)ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサン、(C)白金化合物および(D)
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ラザンで表面処理された煙霧質シリカを含むことを特徴
とする型取り材。
Description
に関し、さらに詳しくは、ゴム状に硬化して、試作モデ
ルの成形、すなわちプロトタイプ成形など、高度の離型
性を要する型取りに用いられ、複製品であるウレタン樹
脂やエポキシ樹脂などの成形品の離型性が優れ、型取り
回数が著しく改良された型取り材に関する。
型の全周囲もしくは表面の一部に、未硬化状態で流動性
を有し、原型の全表面または一部の表面に、注型または
塗布のような方法で接触させ、その状態で硬化させて、
樹脂などによる複製品の製造に供する型を形成する未硬
化状態の材料をいう。
熱性、耐寒性、電気特性などを生かして、いろいろな分
野で広く利用されている。特に、その離型性の良いこと
から、型取り材として用いられてきた。電子機器、事務
機、家庭電器、自動車部品などの分野で、商品開発段階
や商品見本作成などの際に用いるプロトタイプ成形が、
その費用や所要期間の改善に効果的であることに着目さ
れ、特に作業性の点で、付加反応型の液状シリコーンゴ
ムが多用されるようになってきた。
り材として好ましい成形特性を有するが、プロトタイプ
の成形に用いるウレタン樹脂やエポキシ樹脂の機械的特
性が改良されるにつれて、シリコーンゴム型からの離型
性が悪くなる傾向が見られる。
ストを低減する傾向がいっそう強まったことにより、型
取り回数や作業性などについて、大幅な見直しと改善が
求められている。
材の付加反応に関与するベースポリマー、架橋剤および
触媒の系と、配合剤との両面からのアプローチがなされ
ている。前者としては、たとえば特開昭58−1935
7号公報に開示されているように、低分子ポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサンを除去した架橋剤を配合する
方法が例示され、また後者としては、特開昭58−22
5152号公報のように、非反応性シリコーンオイルを
配合する方法が例示されている。しかしながら、前者だ
けでは、本発明に課せられた高い要求水準に対しては十
分な結果が得られず、後者では架橋にあずからないシリ
コーンオイルを大量に配合するために、シリコーンゴム
型の機械的強度の低下を招きやすく、またオイルが滲出
するために複製品が汚損するので、特に透明樹脂の成形
に用いるときなど、用途によっては好ましくない。ま
た、特開昭50−66533号公報には、縮合反応型の
液状シリコーンゴム組成物に非反応性シリコーンオイル
と酸化チタンとを配合することにより、離型性が向上す
ることが開示されているが、この場合、併用する他の充
填剤の種類と量が限定されるという問題がある。
3/2単位(T単位、式中、Rはケイ素原子に結合した、
非置換または置換の1価の炭化水素基を表す)またはS
iO 2単位(Q単位)のような分岐基を有し、ケイ素原
子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水素基を有する分
岐状ポリオルガノシロキサンを直鎖状ポリオルガノシロ
キすることにより、硬化して得られるシリコーンゴム型
の硬さを増すとともに、引張強さ、引裂強さのような機
械的性質を向上させることが行われている。このような
分岐状ポリオルガノシロキサンの例として、任意の比率
のR3SiO1/2単位(M単位)とQ単位からなるビニル
基含有MQ型ポリオルガノシロキサン、上記M単位とQ
単位のほかにR2SiO単位(D単位)および/または
T単位からなるビニル基含有MDQ型、MTQ型または
MDTQ型ポリオルガノシロキサンが挙げられる。しか
しながら、このような分岐状ポリオルガノシロキサン
は、制御よく合成することが困難なうえに、これを配合
した型取り材から得られるシリコーンゴム型は、上記の
機械的性質は向上するものの、十分な伸びが得られない
ので、逆テーパ型の離型には適さない。さらに、最近の
ように複雑な型による繰返し離型が要請されると、高温
における離型操作を繰返すうちに、分岐状ポリオルガノ
シロキサンが樹脂化して、型が硬くなり、また型の表面
が荒れて、光沢が落ちるばかりでなく、得られた樹脂成
形体の表面も荒れるという問題がある。
応型によって硬化するポリオルガノシロキサン組成物の
充填剤として、ヘキサメチルジシラザンによって再度の
表面処理を行ったシリカを用いると、得られたシリコー
ンゴム型は、機械的強度に優れ、離型耐久性に優れてい
ることが開示されている。しかしながら、この方法で
は、型取り材として十分な引裂強さが得られないばかり
でなく、特にエポキシ樹脂の注型に用いる場合には、型
取り材として必要な硬さを得るためには、ベースポリマ
ーとして、直鎖状ポリオルガノシロキサンに分岐状ポリ
オルガノシロキサンを併用しなければならず、前述のよ
うに、離型を繰返し行うことによる、硬さ変化や表面の
荒れを生じるという問題が残っている。
応によって硬化する型取り用シリコーンゴム組成物の充
填剤の一部として、平均粒径0.1〜10μmの酸化チ
タンを用いると、複製品を汚損することなく、機械的強
さと離型性に優れた型取り材が得られることが開示され
ている。該組成物から得られるシリコーンゴム型は、酸
化チタンによって着色されるので、内部の複製品の状態
を観察することが可能な、透明なゴム型が得られない。
の対策として、型に外部離型剤を頻繁に塗布することも
行われている。しかし、この方法は作業を煩雑にするば
かりでなく、得られた複製品の表面に離型剤が移行し
て、該複製品に塗装またはメッキを施す際に、有機溶媒
による洗浄を必要とするため、作業環境の悪化や公害を
招くおそれがあり、その予防策を講ずる必要がある。さ
らに、透明性が必要な樹脂の成形に用いる場合には、樹
脂への移行によってその透明性を損ねることがある。
能のウレタン樹脂やエポキシ樹脂を用いて複製品を製造
する際に、複製品を汚損することがなく、機械的強度と
複製品の離型性に優れ、型取りを繰り返しても硬さの変
化や表面の荒れが少なく、型取り回数を多くできる、特
に透明樹脂やプロトタイプなど、高度の離型性を要する
型取りに適した型取り材を提供することである。
題を解決するために検討を重ねた結果、ベースポリマー
として直鎖状のポリオルガノシロキサンのみを用い、か
つ充填剤として、特定のシラザン化合物で表面処理され
た煙霧質シリカを用いることにより、硬化後の型からの
複製品の離型性能が著しく向上するとともに、型取りを
反覆しても硬さの変化が少なく、耐久性に優れたシリコ
ーンゴム型が得られ、本発明の目的を達成しうることを
見出して、本発明を完成するに至った。
素基を1分子中に2個以上有するポリオルガノシロキサ
ン 100重量部; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を、1分子中に3
個以上有するか、(A)のケイ素原子に結合した1価の
脂肪族不飽和炭化水素基の数が3個以上の場合には、2
個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対
して、ケイ素原子に結合した水素原子の数が0.5〜5
個となるような量; (C)白金化合物 (A)に対して白金原子換算1〜1
00重量ppm;および (D)1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザンで表面処理された煙霧質シリカ 5〜50
重量部 を含み、かつケイ素原子に結合した1価の脂肪族不飽和
炭化水素基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンを含
有しないことを特徴とする。
ガノシロキサンは、本発明において、型取り材のベース
ポリマーとなる成分である。この(A)成分は、ケイ素
原子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水素基を1分子
中に2個以上有する直鎖状のものであり、(B)成分と
の付加反応により網状構造を形成する。
ビニル、アリル、1−ブテニル、1−ヘキセニルなどが
例示されるが、合成が容易で、また硬化前の組成物の流
動性や、硬化後の組成物の耐熱性を損ねないという点か
ら、ビニル基が最も好ましい。
機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどの
アルキル基;フェニルなどのアリール基;ベンジル、2
−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなどのアラル
キル基;クロロメチル、クロロフェニル、2−シアノエ
チル、3,3,3−トリフルオロプロピルなどの置換炭
化水素基が例示される。これらのうち、合成が容易であ
って、機械的強度および硬化前の流動性などの特性のバ
ランスが優れているという点から、メチル基が最も好ま
しい。
ルガノシロキサン(A)の分子鎖の末端または途中のい
ずれに存在してもよく、その双方に存在してもよいが、
硬化後の組成物に優れた機械的性質を与えるためには、
少なくともその両末端に存在していることが好ましい。
容易で、硬化性および得られたシリコーンゴム型の機械
的性質および離型性が優れていることから、ケイ素原子
に結合した有機基がメチル基とビニル基の組合せである
直鎖状ポリメチルビニルシロキサンが好ましい。このよ
うなポリメチルビニルシロキサンとしては、式: MvDm xMv、MvDm xDv yMv、MmDm xDv yMmまたはM
mDm xDv yMv (式中、単位MおよびDは、前述のとおりであり、上付
きサフィックスmは、Rがすべてメチル基であるシロキ
サン単位を表し、vは、Rの1個がビニル基で残余がメ
チル基であるシロキサン単位を表し、xおよびyは1以
上の整数であり、Dm xDv yは、単にシロキサン単位の数
を示すもので、ブロック共重合体を意味しない)で示さ
れるシロキサン単位から構成されるものが例示され、1
種を用いても、2種以上を併用しても差支えない。
が、硬化前の組成物が良好な流動性および作業性を有
し、硬化後の組成物が適度の弾性を有するには、25℃
における粘度が0.3〜500Pa・s{300〜500,
000cP}のものが好ましく、1〜100Pa・s{1,0
00〜100,000cP}のものが特に好ましい。
して、ケイ素原子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水
素基を有する分岐状ポリオルガノシロキサン、すなわち
分子中に前述のT単位および/またはQ単位を有するポ
リオルガノシロキサンを含有しないことである。このこ
とによって、本発明の型取り材から得られるシリコーン
ゴム型は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂のような、未硬
化状態で官能基を有し、かつ硬化反応によって発熱する
樹脂による型取り操作を反覆しても、このような分岐状
ポリオルガノシロキサンの樹脂化に伴う硬さの上昇や、
表面の荒れが少ないという顕著な効果がもたらされる。
ガノハイドロジェンシロキサンは、分子中に含まれるヒ
ドロシリル基が(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化
水素基への付加反応を行うことにより、(A)成分の架
橋剤として機能するものであり、硬化物を網状化するた
めに、該付加反応に関与する、ケイ素原子に結合した水
素原子を少なくとも3個有している。ただし、(A)成
分のケイ素原子に結合した1価の脂肪族不飽和炭化水素
基の数が1分子中に3個以上の場合は、ケイ素原子に結
合した水素原子を2個以上有している。
機基としては、前述の(A)成分における1価の不飽和
脂肪族炭化水素基以外の有機基と同様のものが例示さ
れ、それらの中でも、合成が容易な点から、メチル基が
最も好ましい。
鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、ま
た、これらの混合物を用いてもよいが、直鎖状のものが
好ましい。
が、同一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合した
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンは合成が困難な
ので、3個以上のシロキサン単位からなることが好まし
く、取扱いが容易で、貯蔵中および硬化反応のために加
熱する際に揮発しないことから、25℃における粘度が
10〜200mm2/s{10〜200cSt}であることがさ
らに好ましい。
Dm xD′zM′およびM′Dm xM′ (式中、単位MおよびD、上付きサフィックスmならび
に単位数xは、それぞれ前述のとおりであり、M′は
(CH3)2HSiO1/2単位を表し、D′は(CH3)H
SiO単位を表し、zは1以上の整数であり、Dm xD′
zは単にシロキサン単位の数を示すもので、ブロック共
重合体を意味しない)で示されるシロキサン単位から構
成されるものが例示され、1種を用いても、2種以上を
併用しても差支えない。
価の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して(B)成分中
のケイ素原子に結合した水素原子が0.5〜5個、好ま
しくは1〜3個となるような量である。上記の水素原子
の存在比が0.5未満となるような量では、硬化が完全
に終了しないため、組成物を硬化して得られる型が粘着
性を帯び、原型からシリコーンゴム型を成形する場合の
離型性、また型取りして得られる複製品の該シリコーン
ゴム型に対する離型性が低下する。逆に、該存在比が5
を越えるような量の場合は、硬化の際に発泡が起こりや
すく、それが原型とシリコーンゴム型の界面およびシリ
コーンゴム型と型取りして得られる複製品の界面にたま
って、表面状態の良くない型や複製品を与えるのみなら
ず、得られたシリコーンゴム型が脆くなり、樹脂の注型
回数の低下、すなわち型取り寿命の低下をもたらした
り、型の機械的強度が低下したりする。
物は、(A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基と
(B)成分中のヒドロシリル基との間の付加反応を促進
させるための触媒であり、常温付近において硬化反応の
触媒能が良好であるという点で優れている。
白金酸とアルコールを反応させて得られる錯体、白金−
オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−
ケトン錯体、白金−アルデヒド錯体などが例示される。
の溶解性や、触媒活性が良好な点から、塩化白金酸とア
ルコールを反応させて得られる錯体および白金−ビニル
シロキサン錯体などが好ましい。
し、白金原子換算で1〜100ppm 、好ましくは2〜5
0ppm である。1ppm 未満の場合は、硬化速度が遅く、
硬化が完全に終了しないため、シリコーンゴム型が粘着
性を帯びて、原型からのシリコーンゴム型の離型性およ
びシリコーンゴム型からの複製品の離型性が低下する。
100ppmを越えると、硬化速度が過度に早まるために
各成分を配合した後の作業性が損なわれ、また不経済で
もある。
煙霧質シリカは、(A)成分の一部として分岐状ポリオ
ルガノシロキサンを用いなくても、本発明の型取り材を
硬化して得られるシリコーンゴム型に、充分な硬さ、特
にプロトタイプなど、大形の成形品を得る場合でも型の
変形を起こさない、JISタイプAデュロメータによる
約40の硬さ、および引裂強さのような機械的強度を付
与する充填剤である。
500m2/gのものが一般的であり、ゴム型に優れた機械
的性質と透明性を与えることから、180〜500m2/g
のものが好ましい。煙霧質シリカは、表面処理しない状
態では、表面に水酸基が存在している。これを1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンで
処理したものを用いることによって、(A)成分として
分岐状ポリオルガノシロキサンを用いなくても、シリコ
ーンゴム型として十分な硬さと機械的性質を与える。そ
れゆえ、前述のように、樹脂、特にエポキシ樹脂による
複製品の成形を繰り返しても、硬さの変化が少なく、表
面が荒れることが少ないゴム型が得られる。このような
効果は、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメ
チルジシラザンで処理された煙霧質シリカによって特異
的に得られるものであり、疎水化のために用いられる他
の表面処理剤、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルクロロシランなどによって処理された煙霧質シリカ
によっては得られない。
ラメチルジシラザンによる煙霧質シリカの表面処理は、
煙霧質シリカに直接行ってもよく、煙霧質シリカを、あ
らかじめヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシ
ラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメ
チルシクロトリシロキサンなどで表面処理したものに対
して行ってもよい。
る。すなわち、煙霧質シリカを反応容器に入れ、攪拌し
ながら常圧または減圧下に100〜170℃に加熱し、
過剰量の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメ
チルジシラザン蒸気を送気してシリカ表面の水酸基と反
応させた後、乾燥窒素ガスを送気して、副生したアンモ
ニアと未反応の該シラザンを除去する乾式法;煙霧質シ
リカを炭化水素中に分散させ、攪拌しながら1,3−ジ
ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンを添
加して、必要に応じて加熱しながら攪拌して反応させ、
静置して、沈降した処理煙霧質シリカを分別し、乾燥す
る湿式法;(A)成分に煙霧質シリカを混合した系に、
1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ラザンを配合し、161℃以下の温度で2〜6時間加熱
混練して、該シラザンをシリカ表面の水酸基と反応さ
せ、必要に応じて減圧にして副生物を除去する工程内処
理法などが例示される。また、これらの方法で表面処理
を行う場合、反応を促進するために、少量の水を添加し
てもよい。
重量部に対して5〜50重量部であり、15〜30重量
部が好ましく、20〜25重量部がさらに好ましい。5
重量部未満では、硬化して得られるゴム型が充分な硬さ
を得ることができず、大きな型では自重でたわむことが
ある。一方、50重量部を越えると、硬くなって、樹脂
の脱型が困難になる。
明の特徴を妨げない範囲で、他の成分を配合することが
できる。例えば(D)成分以外の充填剤として、煙霧質
シリカ、溶融シリカ、粉砕石英、けいそう土などのシリ
カ系粉末や、それらをポリオルガノシロキサン、ヘキサ
メチルジシラザンなど、通常のケイ素化合物で表面処理
したもの;また炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラックなど
を配合することができる。これらのうち煙霧質シリカ以
外は、透明性を損ねるので、ゴム型の透明性を必要とす
る場合には、注意が必要である。
化時間を長くして作業性を改善するために、アセチレン
化合物、マレイン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌラ
ート、ニトリル化合物または有機過酸化物のような硬化
遅延剤を配合してもよい。
燃性付与剤、チキソトロピー性付与剤、防菌剤、防バイ
剤、接着性付与剤などを配合してもよい。
分、および必要に応じて配合される他の成分を、万能混
練機、ニーダーなどの混合手段によって均一に混練する
ことにより、調製することができる。通常は、(B)成
分を含む成分群と(C)成分を含む成分群とをそれぞれ
別個に調製して保存しておき、使用直前に両成分を均一
に混合してから使用するが、硬化遅延剤の存在下に全成
分を同一容器内に保存することも可能である。
た場合は、均一に混合して脱泡し、また単一容器に保存
した場合はそのまま押し出して、原型を包むように、も
しくは原型の表面の一部に、注型または塗布して硬化さ
せることにより、シリコーンゴム型を作製する。硬化は
室温ないし60℃程度の若干の加温でも可能であるが、
条件に応じて150℃までの加熱により、硬化を促進さ
せてもよい。硬化後、ゴム型を原型から外して、成形用
樹脂を注型し、それぞれの樹脂に応じた硬化温度で硬化
させ、脱型して、複製品を得ることができる。
をさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例
によって限定されるものではない。以下の実施例および
比較例において、部は重量部を表し、粘度は25℃にお
ける値を示す。
ンは、次のとおりである。 A−1:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、
中間単位がジメチルシロキシ単位である、粘度5Pa・s
{5,000cP}の直鎖状ポリメチルビニルシロキサ
ン; A−2:トリメチルシロキシ単位、ジメチルビニルシロ
キシ単位およびSiO単位を、モル比5:1:8で含有
する、分岐状ポリメチルビニルシロキサン; B−1:両末端がジメチルハイドロジェンシロキサンで
封鎖され、中間に平均12個のジメチルシロキシ単位、
および平均9個のメチルハイドロジェンシロキシ単位を
有する直鎖状ポリメチルハイドロジェンシロキサン。
比較例に用いたシリカは、次のとおりである。 S−1:あらかじめヘキサメチルジシラザンで処理され
た、比表面積300m2/gの煙霧質シリカ; S−2:比表面積300m2/gの煙霧質シリカ。
常温で混練しつつ、1,3−ジビニル−1,1,3,3
−テトラメチルジシラザン0.05部および水0.05
部を添加し、4時間混練して、S−1と該シラザンを反
応させるとともに、S−1を均一に分散させた。つい
で、減圧して、副生アンモニアと未反応の該シラザンを
除去した後、放冷して、混練しつつB−1を3.1部加
え、さらに塩化白金酸のイソプロパノール1重量%溶液
を、白金原子としてA−1に対して15ppm になるよう
に添加して混練して、本発明の型取り材を調製した。こ
の型取り材の見掛粘度は30Pa・s{30,000cP}で
あった。
包むように、原型に接して、硬さを測定する部位の厚さ
が12mmになるように、上記の型取り材を注入して、2
5℃で24時間放置し、ついで60℃に2時間加熱して
硬化させ、原型を外して、シリコーンゴム型を得た。上
記部位の硬さを、JIS K6251に準拠して測定し
た。また、ハンディ光度計グロスチェッカIG−310
((株)堀場製作所商品名)を用いてASTM D52
3に準じた方法で表面光沢度を測定した。
エポキシ樹脂CEP−5(二包装型、国際ケミカル
(株)商品名)を注型して2時間かけて硬化させた。硬
化反応による発熱で、かなりの温度上昇が認められた。
硬化後、脱型して、エポキシ樹脂成形品を得た。これを
10回繰り返した後の、シリコーンゴム型の硬さと表面
光沢度を測定して、その変化を評価した。
り、実施例および比較例の型取り材を調製した。ただ
し、A−2を用いる比較例1および3においては、A−
2をあらかじめA−1に溶解させて用いた。これらの型
取り材を用いて、実施例1と同様の複製品作成試験を行
った。その結果を、実施例1の結果とともに表1にまと
めた。
と併用した比較例1および3で得られたシリコーンゴム
型は、エポキシ樹脂を10回注型した後の硬さ変化が大
きく、成形品の脱型が次第に困難になった。そのうえ、
型表面の光沢度が減少し、得られた成形品もまた、注型
回数を重ねるにつれて表面が荒いものになった。一方、
ヘキサメチルジシラザンで表面処理した煙霧質シリカを
用いた比較例2で得られたシリコーンゴム型は、必要な
硬さが得られなかった。これに対して実施例1および2
で得られたシリコーンゴム型は、10回の注型を繰り返
した後も、硬さおよび表面光沢度がほとんど変わらず、
成形品の外観と透明性も良好であった。
例2で得られた型取り材を金型に注入し、前述と同様の
条件で硬化させて、厚さ2mmのシートを得た。これか
ら、それぞれJIS K6252により、クレセント形
試験片を作製して、引裂強さを測定した。その結果、比
較例2の試験片が8N/mm[kgf/cm]の引裂強さしか得られ
なかったのに対して、実施例1の試験片は、20N/mm[k
gf/cm]の引裂強さを示した。
性を示し、機械的特性が改善され、樹脂に対して優れた
型取り耐久性を示すシリコーンゴム型が得られる型取り
材が提供される。本発明の型取り材から得られるシリコ
ーンゴム型は、型取りを繰り返しても、樹脂化する成分
がないので硬さの変化が少なく、また表面が荒れて、そ
のために成形品の外観や透明性を損なうこともないの
で、ゴム型の耐久性が大きい。さらに、型取りの際に外
部離型剤を塗布する必要がなく、離型性を向上させるた
めに非反応性シリコーンオイルを配合する必要もないの
で、その樹脂への移行による樹脂の汚損や、移行に伴う
表面の荒れがない。したがって、透明エポキシ樹脂成形
品のように、透明性や表面の平滑性が必要な樹脂成形品
の製造に、特に好適である。
は、上記の利点を生かして、透明樹脂の成形、およびプ
ロトタイプ成形のような、高度の離型性を要する型取り
の分野で、特に有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ケイ素原子に結合した1価の脂肪
族不飽和炭化水素基を1分子中に2個以上有する直鎖状
ポリオルガノシロキサン 100重量部; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を、1分子中に3
個以上有するか、(A)のケイ素原子に結合した1価の
脂肪族不飽和炭化水素基の数が1分子中に3個以上の場
合は、2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサン (A)成分中の1価の脂肪族不飽和炭化水素基
1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原子の数が
0.5〜5個となるような量; (C)白金化合物 (A)に対して白金原子換算1〜1
00重量ppm;および (D)1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシラザンで表面処理された煙霧質シリカ 5〜50
重量部を含み、かつケイ素原子に結合した1価の脂肪族
不飽和炭化水素基を有する分岐状ポリオルガノシロキサ
ンを含有しないことを特徴とする型取り材。 - 【請求項2】 (A)が、ポリメチルビニルシロキサン
である、請求項1記載の型取り材。 - 【請求項3】 透明樹脂の成形に用いる、請求項1また
は2記載の型取り材。
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