JP3833401B2 - フッ素樹脂被覆ローラの製造方法 - Google Patents

フッ素樹脂被覆ローラの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素樹脂被覆ローラの製造方法に関し、さらに詳しくは、ローラ基材上にゴム層が形成され、表面にはフッ素樹脂被覆層が形成されたフッ素樹脂被覆ローラの製造方法に関する。本発明の製造方法により得られるフッ素樹脂被覆ローラは、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置において、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラなどとして好適である。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式や静電記録方式の複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形成装置においては、一般に、▲1▼感光体ドラムを一様かつ均一に帯電する帯電工程、▲2▼像露光を行って感光体ドラム上に静電潜像を形成する露光工程、▲3▼静電潜像にトナー(現像剤)を付着させてトナー像(可視像)を形成する現像工程、▲4▼感光体ドラム上のトナー像を転写紙などの転写材上に転写する転写工程、▲5▼転写材上の未定着のトナー像を定着する定着工程によって、画像を形成している。
【0003】
このような画像形成装置において、装置の各部には、例えば、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ローラ、帯電ローラ、転写ローラなどの各種ローラ部材が配置されており、各工程での機能を分担している。これらのローラ部材には、耐熱性、離型性(オフセット防止性)、表面平滑性、耐久性などに優れており、かつ、適度の弾力性を有することが要求されている。
従来より、これらのローラ部材としては、芯金上にゴム層を形成し、さらに該ゴム層の上にフッ素樹脂層を形成したフッ素樹脂被覆ローラが汎用されている。このような構造のローラ部材は、ゴム層により適度の弾力性が付与され、フッ素樹脂層により離型性が付与されている。最近では、定着ローラとして、芯金に代えて、耐熱性樹脂チューブや金属チューブなどのチューブを用いたエンドレスベルト状のローラ部材も開発されている。
【0004】
従来、上記のごとき構造のローラ部材を製造する方法としては、
(1)アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなどのゴム層を形成し、そのゴム層の上にフッ素樹脂チューブを被せ、加熱収縮させて被覆する方法、
(2)アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなどのゴム層を形成し、そのゴム層の上に液状フッ素樹脂塗料を塗布し焼成してフッ素樹脂層を形成する方法、
(3)金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し乾燥後焼成して、筒壁内面にフッ素樹脂の筒状硬化薄膜を形成させ、次いで、該硬化薄膜の内面にエッチング処理を施した後、筒壁の軸心にローラ芯金を挿入すると共に、硬化薄膜と芯金との間に液状シリコーンゴムを圧入し、シリコーンゴムの熱加硫を行う方法、
などが知られている。
【0005】
しかしながら、前記(1)の方法は、フッ素樹脂チューブの加熱収縮時にシワが発生しやすいこと、フッ素樹脂層の厚みを薄くすることができないことなどの問題があった。前記(2)の方法は、高融点のフッ素樹脂の焼成温度がゴム層の耐熱温度を越えるためゴム層が劣化しやすいこと、ゴム層とフッ素樹脂層との間の接着性が充分ではないこと、ゴム層及びフッ素樹脂層の両方の研磨工程が必要であることなどの問題があった。
【0006】
前記(3)の方法では、液状フッ素樹脂塗料を使用することが必須であるが、液状フッ素樹脂塗料には、界面活性剤などの種々の添加剤が含まれている。そのため、円筒状金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し乾燥後焼成すると、液状フッ素樹脂塗料中に含まれている界面活性剤などの成分が焼成時に炭化し、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する。したがって、前記(3)の方法により得られた定着ローラは、表面のフッ素樹脂層に不純物が残存しているため、トナーの離型性が悪く、画像にオフセット現象を生じる原因になる。さらに、前記(3)の方法では、ローラ部材の製造工程において、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する不純物のため、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が筒壁内面に強く付着し、その結果、金型から定着ローラを脱型する際に、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が破れたり、シワが発生して表面平滑性が損なわれるという問題があった。
【0007】
一方、基材上にシリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂層とがこの順に積層されているフッ素樹脂被覆ローラを用いて、高速での定着を実施した場合、フッ素樹脂層にしわが発生することがある。この対策のため、特公平6−100876号公報及び特開平10−91024号公報では、弾性層とフッ素樹脂層との間に、ゴムと樹脂との混合物からなる中間層を設けることが提案されている。
しかしながら、これらの公報の実施例に開示されているように、芯金上に予めシリコーンゴム弾性層を設け、その上にゴムと樹脂の混合物からなる中間層を設け、さらに、その上にフッ素樹脂層を設ける方法を採用すると、フッ素樹脂層の形成工程において、フッ素樹脂をその融点以上の高温で焼成するときに、下層の中間層やシリコーンゴム弾性層が劣化してしまう。フッ素樹脂の焼成温度や焼成時間などの焼成条件を緩和すると、フッ素樹脂が十分に焼成されないため、フッ素樹脂層の強度が低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゴム層の劣化やフッ素樹脂層の破れ、シワの発生を引き起こすことがなく、層間接着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性などに優れたフッ素樹脂被覆ローラを製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の如き諸特性に優れたフッ素樹脂被覆ローラを安価に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉末を粉体塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成した後、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入し、フッ素樹脂被膜とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫する方法に想到した。
【0009】
本発明の方法によれば、焼成により炭化して不純物となる界面活性剤などの成分を含まないフッ素樹脂粉体を使用するため、フッ素樹脂層の離型性や表面平滑性が損なわれることがない。従来、この技術分野において、フッ素樹脂被膜の形成には、液状フッ素樹脂塗料の使用が必要であると考えられていたので、粉体塗装法により高品質のフッ素樹脂被膜を形成することができ、しかも層間密着性に優れたフッ素樹脂被覆ローラが得られることは、予期し得ないことであった。本発明の方法によれば、フッ素樹脂被膜の焼成工程の後に、ゴム層の形成を行うため、ゴム層の熱劣化を生じることがなく、ゴム層の研磨工程も不要である。本発明の製造方法において、円筒状金型内面を平滑化処理しておくことにより、脱型が容易で、かつ、フッ素樹脂層の研磨工程も不要となる。
【0010】
上記の製造方法では、フッ素樹脂層とゴム層との間の接着力を向上させるために、円筒状金型内面に形成したフッ素樹脂被膜をエッチング処理することが望ましい。ところが、このエッチング処理工程は、煩雑であり、コスト高にもつながる。層間接着力を低下させることなく、このエッチング処理工程を省略することができるならば、前記諸特性に優れたフッ素樹脂被覆ローラを安価に製造することが可能となる。
【0011】
そこで、本発明者らは、さらに研究を行った結果、円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した後、該フッ素樹脂被膜の表面に、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成することにより、フッ素樹脂層表面をエッチング処理することなく、フッ素樹脂層とゴム層との間に十分な接着力を付与できることを見いだした。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かくして、以下の第一発明及び第二発明が提供される。
1.(1)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(2)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、(3)フッ素樹脂被膜とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ローラの製造方法。
2.(A)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(B)該フッ素樹脂被膜の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成し、(C)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、(D)耐熱性ゴム層とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ローラの製造方法。
第二発明は、第一発明において、工程(1)と工程(2)との間に、耐熱性ゴム層を形成する工程が付加された構成を有している。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する円筒状金型は、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製であることが好ましいが、フッ素樹脂の焼成温度に耐える耐熱性を持つものであれば、これらに限定されるものではない。この円筒状金型の内面に良好な離型性を持たせることが、最終工程で、フッ素樹脂層及び加硫ゴム層と共にローラ基材を円筒状金型から引き抜く(脱型する)ことを容易にする上で好ましい。円筒状金型の内面に離型性を持たせるには、平滑化処理を行うことが好ましい。円筒状金型の内面を平滑化処理するには、例えば、アルミニウム製の場合には、引き抜き材を使用したり、その他の材質であれば、クロムメッキ、ニッケルメッキなどの表面処理を行う方法がある。平滑化処理により、円筒状金型の内面の表面粗さ(Rz)を20μm以下とすることが好ましい。より好ましくいは、ホーニング処理などによりRzで5μm以下とすることがよい。円筒状金型内面を平滑化処理により、脱型が容易になることに加えて、表面平滑性に優れたフッ素樹脂層を形成することができる。
【0014】
円筒状金型の大きさは、長さが所定の定着ローラ(定着ベルトを含む)などのローラ部材の長さであり、内径は、実質的にローラ基材の外径とゴム層の厚みの和により規定される。円筒状金型の厚みは、フッ素樹脂の焼成時及びゴムの加硫時の熱伝導を考慮して、適宜決定されるが、通常、1〜10mm程度であることが好ましい。ただし、好ましい厚みは、材質によって選択される。
本発明で使用するフッ素樹脂粉体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの粉体を挙げることができる。
【0015】
これらのフッ素樹脂粉体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。フッ素樹脂被覆ローラを定着ローラとして用いる場合には、これらのフッ素樹脂粉体の中でも、耐熱性の観点から、PTFE粉体及びPFA粉体が好ましい。また、溶融流動性があり、かつ、表面平滑性に優れたフッ素樹脂被膜が得られ易いことから、PFA粉体がより好ましい。フッ素樹脂粉体の平均粒子径は、特に限定されないが、粉体塗装法により均一な厚みの薄い被膜を形成する上で、10μm以下であることが好ましい。その下限は、通常1μm程度である。特に、平均粒子径10μm以下のPFA粉体を用いることが好ましい。
【0016】
フッ素樹脂粉体を塗装するには、汎用の各種粉体塗装法を採用することができるが、それらの中でも、粉体を帯電させて塗布する静電塗装法(静電粉体吹き付け法)を用いることが、円筒状金型の内面に、均一で、よく締まった塗着粉体層を形成する上で好ましい。円筒状金型の内面に粉体塗装法によりフッ素樹脂塗膜を形成した後、常法に従って、フッ素樹脂を焼成する。焼成後のフッ素樹脂被膜の厚みは、通常、0.1〜150μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜60μm程度である。
フッ素樹脂粉体は、液状フッ素樹脂塗料の場合のように液中にフッ素樹脂粒子を分散させるための界面活性剤が配合されているといったことがないため、これを粉体塗装することにより、純粋なフッ素樹脂の被膜が形成できる。これによって、焼成後に炭化した不純物がフッ素樹脂被膜中に残存することがないので、表面平滑性及びトナー離型性に優れたフッ素樹脂層を形成することができる。
【0017】
第一発明では、フッ素樹脂層とゴム層との間の接着力を向上させるために、円筒状金型内面に形成したフッ素樹脂被膜の表面処理を行うことが好ましい。フッ素樹脂被膜の表面処理法としては、UVランプ、エキシマランプなどによる紫外線照射、コロナ放電、プラズマ処理、電子線照射、イオン照射、レーザー照射などの照射による物理的処理;金属ナトリウムによる化学的処理;処理液による湿式エッチング処理;などが挙げられる。これらの表面処理によって、フッ素樹脂被膜の表面からフッ素原子が引き抜かれたり、表面が親水化されたりするので、ゴム層との間の接着力が高まる。また、フッ素樹脂被膜の表面には、ゴム層の材質に適した接着剤を塗布することができる。
【0018】
第二発明では、フッ素樹脂層とゴム層とを接着させるために、中間層として、フッ素樹脂を含有した耐熱性ゴム層を設ける。円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した後、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理することにより、耐熱性ゴム層を形成し、同時に、該耐熱性ゴム層をフッ素樹脂層と融着させる。この耐熱性ゴム層の厚みは、耐久性及び接着性を考慮して、50〜200μmの範囲であることが好ましい。
耐熱性ゴム層を形成するゴム材料としては、短時間であってもフッ素樹脂の融点に相当する高温に耐えることができるシリコーンゴム及びフッ素ゴムが好ましく、耐熱性の点からフッ素ゴムが特に好ましい。
【0019】
耐熱性ゴム材料に含有されるフッ素樹脂は、特に限定されないが、比較的低温で溶融するフッ素樹脂が、耐熱性ゴム材料の熱加硫温度を低くすることができるため好ましい。フッ素樹脂の中でも、融点が305℃以下の熱溶融性フッ素樹脂が好ましく、より具体的には、PFA、FEPなどの熱溶融性フッ素樹脂が好ましい。
耐熱性ゴム材料中のフッ素樹脂の含有量は、特に限定されないが、外層のフッ素樹脂被膜との融着性の点から、耐熱性ゴム材料100重量部に対して、5重量部以上が好ましく、耐熱性ゴム層の柔軟性の点から、50重量部以下であることが好ましい。
【0020】
本発明で使用するローラ基材は、ローラ状芯金またはチューブである。したがって、本発明のフッ素樹脂被覆ローラは、ローラ基材としてチューブを用いて得られるエンドレスベルト状のローラ部材(例えば、定着ベルト、搬送ベルト、帯電ベルトなど)を包含する。ローラ状芯金としては、一般に、熱伝導性の良好なアルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどの金属;アルミナ、炭化ケイ素などのセラミックス;などから形成された筒状体が用いられる。チューブとしては、耐熱性樹脂チューブや金属チューブが用いられる。
【0021】
耐熱性樹脂チューブの材質としては、熱容量が小さく、使用時にヒータの加熱により素早く昇温するものが好ましく、一般に、融点、熱変形温度、熱分解温度などの耐熱温度が250℃以上の合成樹脂が使用され、その具体例としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び耐久性の観点から、熱硬化性樹脂のポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾールが好ましく、ポリイミドが特に好ましい。金属チューブの材質としては、例えば、鉄、ニッケル、これらの合金などが挙げられる。電磁誘導加熱方式を採用する場合は、鉄、ニッケル、これらの合金、フェライト系ステンレスなどが好ましい。定着ローラのように、ローラ部材全体を効率よく加熱する必要がある場合には、電磁誘導加熱が可能なニッケルチューブを用いることが特に好ましい。
【0022】
ローラ基材の厚み、長さなどは、通常のものが採用され、特に限定されない。例えば、ローラ基材の長さは、転写紙などの転写材の大きさに応じて適宜定められる。本発明の各工程において、ローラ基材としてチューブを用いる場合には、形状を保持するために、例えば、ステンレス製の棒や筒などの支持体をチューブの内部に挿入して使用することができる。また、ローラ基材の表面には、ゴム層との間の接着力を高めるために、ゴムの材質に適した接着剤を塗布することができる。
【0023】
ゴム層に使用されるゴム材料としては、通常、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムが用いられる。耐熱性ゴムとは、例えば、定着ローラに使用した場合、定着温度での連続使用に耐える程度の耐熱性を有するものをいう。耐熱性ゴムとしては、耐熱性が特に優れている点で、ミラブルまたは液状のシリコーンゴム、フッ素ゴム、またはこれらの混合物が好ましい。具体的には、ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、ビニルシリコーンゴムなどのシリコーンゴム;フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテルなどのフッ素ゴム;などが挙げられる。これらの中でも、金型内に注入しやすい液状シリコーンゴムを用いることが好ましい。
【0024】
これらのゴム材料は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ゴム材料には、所望により、カーボンブラック、マイカ、酸化チタンなどの無機充填材や、天然樹脂などの有機充填材を配合することができる。充填材の配合割合は、ゴム100重量部に対して、通常100重量部以下、好ましくは80重量部以下である。ゴム層の厚みは、用途や設置する機械装置の構造、目標とする弾性、用いる材料の硬度等を勘案して適宜設置されるが、通常100μm〜5mm、好ましくは0.1〜3mm程度である。
【0025】
第一発明の製造方法の概要を図1に示す。
(a)円筒状金型1の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜2を形成する。次いで、ゴム層との接着性を高めるため、必要に応じて、フッ素樹脂被膜2の表面処理を行ったり、接着剤の塗布を行う。
(b)円筒状金型1の中空内に、ローラ基材3を挿入する。ローラ基材の表面には、接着剤を塗布しておいてもよい。円筒状金型の中心とローラ基材の中心が一致するようにセットする。すなわち、両者の軸心を合わせる。図1には、ローラ基材として芯金を用いる場合を示したが、チューブであってもよく、その場合には、チューブ内に支持体を挿入して、該チューブを固定させることができる。
【0026】
(c)フッ素樹脂被膜2とローラ基材3との間の隙間に未加硫ゴム4を注入し、加硫して加硫ゴム層を形成する。加硫条件は、使用するゴムの種類に応じて選択される。液状シリコーンゴムの場合には、熱加硫を行う。ゴムの注入には、インジェクション、押し出しなどの適当な方法を採用することができる。なお、図示していないが、ゴムの注入や加硫に際し、通常は、円筒状金型の一端または両端を密封する。
(d)ゴムの加硫後、フッ素樹脂被膜及び加硫ゴム層と共に、ローラ基材を円筒状金型1から引き抜く。
(e)かくして、ローラ基材3上にゴム層とフッ素樹脂層とがこの順に形成されたフッ素樹脂被覆ローラ5が得られる。
【0027】
第二発明では、前記工程(a)の後、フッ素樹脂被膜2の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成する。次いで、工程(b)〜(e)を実施する。この方法では、前記工程(a)の後、フッ素樹脂被膜のエッチング処理などの表面処理工程を省略しても、耐熱性ゴム層を介して、フッ素樹脂被膜とゴム層との間の接着力を十分に確保することが可能である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げてより具体的に説明する。
【0029】
[実施例1]
内径24mmφ、長さ300mmのステンレス製の円筒の内面をクロムメッキし、その面(表面粗さ20μm以下)に平均粒子径7μmのPFA粉体(旭硝子製、TW−3507)を静電塗装法により粉体塗装し、380℃で30分間熱処理してフッ素樹脂被膜(厚み50μm)を形成した。次いで、フッ素樹脂被膜の内面に表面処理液(潤工社製、テトラエッチ液)を塗布し、水洗してエッチング処理した。この表面処理したフッ素樹脂被膜の内面に、シリコーン系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布して風乾した。
外表面に前記と同じシリコーン系接着剤を塗布し乾燥させた外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金を、円筒状金型の中心と芯金の中心が一致するようにセットした。この円筒金型のフッ素樹脂被膜と芯金との隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃で15分間熱処理して、ゴムを熱加硫させ硬化させた。その後、脱型して、フッ素樹脂被覆ローラを得た。
このようにして得られたフッ素樹脂被覆ローラを定着ローラとして、定着ユニットにセットし、定着ローラ内腔に配置したハロゲンランプヒータでフッ素樹脂層の表面温度が180℃になるように昇温した。キャノン製の電子写真複写機の4色のカラートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して定着したところ、オフセットのない良好な定着画像が得られた。
【0030】
[比較例1]
内径24mmφ、長さ300mmのステンレス製の円筒状金型の内面にクロムメッキし、その面に液状PTFE塗料(ダイキン製、EK4300)を塗布し、100℃で20分間乾燥後、380℃で30分間熱処理してフッ素樹脂被膜を形成した。フッ素樹脂被膜の内面にシリコーン系接着剤(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布して風乾した。
外表面に前記と同じシリコーン系接着剤を塗布し乾燥させた外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金を、円筒状金型の中心と芯金の中心が一致するようにセットした。この円筒金型のフッ素樹脂被膜と芯金との隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃で15分間熱処理して、ゴムを熱加硫させ硬化させた。その後、脱型して、フッ素樹脂被覆ローラを得た。フッ素樹脂被覆ローラを円筒状金型から脱型した際に、フッ素樹脂被膜の一部が円筒状金型の内面に付着し、被膜の一部が破れるとともに、シワが発生した。
このようにして得られたフッ素樹脂被覆ローラを定着ローラとして、定着ユニットにセットし、定着ローラ内腔に配置したハロゲンランプヒータでフッ素樹脂層の表面温度が180℃になるように昇温した。キャノン製の電子写真複写機の4色のカラートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して定着したところ、フッ素樹脂被膜が破れたり、シワが入った部分で画像に乱れが発生し、また、トナー離型性が悪く、オフセットが発生した。
【0031】
[実施例2]
内径24mmφ、長さ300mmのアルミニウム製の円筒の内面をクロムメッキし、そのメッキ面にPFAフッ素樹脂粉体(MP−102、デュポン製)を粉体塗装し、380℃で30分熱処理して、フッ素樹脂被膜(厚み30μm)を形成した。
このフッ素樹脂被膜の表面に、フッ素ゴムラテックス(ダイエルGLS−213、ダイキン製)に融点302℃のPFA(ACX31、ダイキン製)を、ゴム100重量部に対して、10重量部配合した塗料を塗布し、100℃で乾燥後、320℃で10分間熱処理して、形成された耐熱性ゴム層(厚み70μm)を外層のフッ素樹脂層と融着させた。
この耐熱性ゴム層の表面に、シリコーン系接着剤(DY39−012、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布して、風乾した。円筒内に、同じシリコーン系接着剤を塗布・乾燥させた外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金を、円筒の中心と芯金の中心が一致するようにしてセットした。この円筒と芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(KE1380、信越化学製)を流し込み、160℃で15分熱処理してゴムを硬化させた。その後、フッ素樹脂を筒から脱型しローラを得た。
このローラを定着ユニットにセットし、ハロゲンランプヒータでフッ素樹脂表面温度が180℃になるように昇温した。
キャノン製複写機の4色カラートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して1万枚連続定着したところ、オフセットのない良好な定着画像が得られた。
【0032】
[比較例2]
外径20mmφ、長さ300mmのアルミニウム製芯金にシリコーン系接着剤(DY39−012,東レダウコーニング社製)を塗布して、風乾した。この芯金上に液状シリコーンゴム(KE1380、信越化学製)を用いてシリコーンゴム層(厚み2000μm)を形成した。
このシリコーンゴム層上にプライマー処理を施し、フッ素ゴムラテックス(ダイエルGLS−213、ダイキン製)に融点302℃のPFA(ACX31、ダイキン製)をゴム100重量部に対して10重量部配合した塗料を塗布し、100℃で乾燥後、250℃で30分間熱処理して硬化させた(厚み70μm)。
さらに、その上に、PFAフッ素樹脂粉体(MP−102、デュポン製)を粉体塗装し、380℃で30分熱処理してフッ素樹脂被膜(厚み30μm)を形成した。
このローラを定着ユニットにセットし、ハロゲンランプヒータでフッ素樹脂表面温度が180℃になるように昇温した。
キャノン製複写機の4色カラートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して連続定着したところ、5000枚でフッ素樹脂層が摩耗して、画像むらが生じ、同時にシリコーンゴムが凝集破壊した。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴム層の劣化やフッ素樹脂層の破れ、シワの発生を引き起こすことがなく、層間接着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性などに優れたフッ素樹脂被覆ローラを製造することができる。また、本発明によれば、これらの諸特性に優れたフッ素樹脂被覆ローラを安価に製造することができる。本発明のフッ素樹脂被覆ローラは、電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置において、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラなどとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ素樹脂被覆ローラの一例の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1:円筒状金型
2:フッ素樹脂被膜
3:ローラ基材
4:未加硫ゴム
5:フッ素樹脂被覆ローラ
(a)〜(e):工程順を示す符号

Claims (7)

  1. (1)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(2)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、(3)フッ素樹脂被膜とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ローラの製造方法。
  2. (A)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(B)該フッ素樹脂被膜の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成し、(C)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、(D)耐熱性ゴム層とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ローラの製造方法。
  3. ローラ基材が、ローラ状芯金、耐熱性樹脂チューブまたは金属チューブである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. ゴム材料が、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムである請求項1または2に記載の製造方法。
  5. フッ素樹脂粉体が、平均粒子径10μm以下のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)粉体である請求項1または2に記載の製造方法。
  6. フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料が、フッ素樹脂として融点が305℃以下の熱溶融性フッ素樹脂を含有するものである請求項2記載の製造方法。
  7. 耐熱性ゴム材料が、フッ素ゴムである請求項2または6に記載の製造方法。
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