JP2000167947A - フッ素樹脂被覆ローラの製造方法 - Google Patents
フッ素樹脂被覆ローラの製造方法Info
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Abstract
発生を引き起こすことがなく、層間接着性、耐熱性、離
型性、表面平滑性、耐久性などに優れたフッ素樹脂被覆
ローラの製造方法を提供すること。 【解決手段】 円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗
装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、次いで、円筒
状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、フッ素樹脂
被膜とローラ基材との間の隙間にゴム材料を注入し、加
硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ローラの製造方
法。円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した後、
該フッ素樹脂被膜の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性
ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加
熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を
形成する工程を配置する前記製造方法。
Description
ーラの製造方法に関し、さらに詳しくは、ローラ基材上
にゴム層が形成され、表面にはフッ素樹脂被覆層が形成
されたフッ素樹脂被覆ローラの製造方法に関する。本発
明の製造方法により得られるフッ素樹脂被覆ローラは、
電子写真複写機や静電記録装置などの画像形成装置にお
いて、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ローラ、帯電ロー
ラ、転写ローラ、現像ローラなどとして好適である。
ファクシミリ、レーザービームプリンターなどの画像形
成装置においては、一般に、感光体ドラムを一様かつ
均一に帯電する帯電工程、像露光を行って感光体ドラ
ム上に静電潜像を形成する露光工程、静電潜像にトナ
ー(現像剤)を付着させてトナー像(可視像)を形成す
る現像工程、感光体ドラム上のトナー像を転写紙など
の転写材上に転写する転写工程、転写材上の未定着の
トナー像を定着する定着工程によって、画像を形成して
いる。
各部には、例えば、定着ローラ、加圧ローラ、搬送ロー
ラ、帯電ローラ、転写ローラなどの各種ローラ部材が配
置されており、各工程での機能を分担している。これら
のローラ部材には、耐熱性、離型性(オフセット防止
性)、表面平滑性、耐久性などに優れており、かつ、適
度の弾力性を有することが要求されている。従来より、
これらのローラ部材としては、芯金上にゴム層を形成
し、さらに該ゴム層の上にフッ素樹脂層を形成したフッ
素樹脂被覆ローラが汎用されている。このような構造の
ローラ部材は、ゴム層により適度の弾力性が付与され、
フッ素樹脂層により離型性が付与されている。最近で
は、定着ローラとして、芯金に代えて、耐熱性樹脂チュ
ーブや金属チューブなどのチューブを用いたエンドレス
ベルト状のローラ部材も開発されている。
造する方法としては、(1)アルミニウム製芯金上にシ
リコーンゴムなどのゴム層を形成し、そのゴム層の上に
フッ素樹脂チューブを被せ、加熱収縮させて被覆する方
法、(2)アルミニウム製芯金上にシリコーンゴムなど
のゴム層を形成し、そのゴム層の上に液状フッ素樹脂塗
料を塗布し焼成してフッ素樹脂層を形成する方法、
(3)金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料を塗布し乾
燥後焼成して、筒壁内面にフッ素樹脂の筒状硬化薄膜を
形成させ、次いで、該硬化薄膜の内面にエッチング処理
を施した後、筒壁の軸心にローラ芯金を挿入すると共
に、硬化薄膜と芯金との間に液状シリコーンゴムを圧入
し、シリコーンゴムの熱加硫を行う方法、などが知られ
ている。
素樹脂チューブの加熱収縮時にシワが発生しやすいこ
と、フッ素樹脂層の厚みを薄くすることができないこと
などの問題があった。前記(2)の方法は、高融点のフ
ッ素樹脂の焼成温度がゴム層の耐熱温度を越えるためゴ
ム層が劣化しやすいこと、ゴム層とフッ素樹脂層との間
の接着性が充分ではないこと、ゴム層及びフッ素樹脂層
の両方の研磨工程が必要であることなどの問題があっ
た。
料を使用することが必須であるが、液状フッ素樹脂塗料
には、界面活性剤などの種々の添加剤が含まれている。
そのため、円筒状金型の筒壁内面に液状フッ素樹脂塗料
を塗布し乾燥後焼成すると、液状フッ素樹脂塗料中に含
まれている界面活性剤などの成分が焼成時に炭化し、フ
ッ素樹脂硬化薄膜中に残存する。したがって、前記
(3)の方法により得られた定着ローラは、表面のフッ
素樹脂層に不純物が残存しているため、トナーの離型性
が悪く、画像にオフセット現象を生じる原因になる。さ
らに、前記(3)の方法では、ローラ部材の製造工程に
おいて、フッ素樹脂硬化薄膜中に残存する不純物のた
め、フッ素樹脂硬化薄膜の一部が筒壁内面に強く付着
し、その結果、金型から定着ローラを脱型する際に、フ
ッ素樹脂硬化薄膜の一部が破れたり、シワが発生して表
面平滑性が損なわれるという問題があった。
ッ素樹脂層とがこの順に積層されているフッ素樹脂被覆
ローラを用いて、高速での定着を実施した場合、フッ素
樹脂層にしわが発生することがある。この対策のため、
特公平6−100876号公報及び特開平10−910
24号公報では、弾性層とフッ素樹脂層との間に、ゴム
と樹脂との混合物からなる中間層を設けることが提案さ
れている。しかしながら、これらの公報の実施例に開示
されているように、芯金上に予めシリコーンゴム弾性層
を設け、その上にゴムと樹脂の混合物からなる中間層を
設け、さらに、その上にフッ素樹脂層を設ける方法を採
用すると、フッ素樹脂層の形成工程において、フッ素樹
脂をその融点以上の高温で焼成するときに、下層の中間
層やシリコーンゴム弾性層が劣化してしまう。フッ素樹
脂の焼成温度や焼成時間などの焼成条件を緩和すると、
フッ素樹脂が十分に焼成されないため、フッ素樹脂層の
強度が低下する。
層の劣化やフッ素樹脂層の破れ、シワの発生を引き起こ
すことがなく、層間接着性、耐熱性、離型性、表面平滑
性、耐久性などに優れたフッ素樹脂被覆ローラを製造す
る方法を提供することにある。本発明の他の目的は、前
記の如き諸特性に優れたフッ素樹脂被覆ローラを安価に
製造する方法を提供することにある。本発明者らは、前
記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結
果、円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉末を粉体塗装し、
焼成してフッ素樹脂被膜を形成した後、円筒状金型の中
空内にローラ基材を挿入し、フッ素樹脂被膜とローラ基
材との間の隙間にゴム材料を注入し、加硫する方法に想
到した。
て不純物となる界面活性剤などの成分を含まないフッ素
樹脂粉体を使用するため、フッ素樹脂層の離型性や表面
平滑性が損なわれることがない。従来、この技術分野に
おいて、フッ素樹脂被膜の形成には、液状フッ素樹脂塗
料の使用が必要であると考えられていたので、粉体塗装
法により高品質のフッ素樹脂被膜を形成することがで
き、しかも層間密着性に優れたフッ素樹脂被覆ローラが
得られることは、予期し得ないことであった。本発明の
方法によれば、フッ素樹脂被膜の焼成工程の後に、ゴム
層の形成を行うため、ゴム層の熱劣化を生じることがな
く、ゴム層の研磨工程も不要である。本発明の製造方法
において、円筒状金型内面を平滑化処理しておくことに
より、脱型が容易で、かつ、フッ素樹脂層の研磨工程も
不要となる。
層との間の接着力を向上させるために、円筒状金型内面
に形成したフッ素樹脂被膜をエッチング処理することが
望ましい。ところが、このエッチング処理工程は、煩雑
であり、コスト高にもつながる。層間接着力を低下させ
ることなく、このエッチング処理工程を省略することが
できるならば、前記諸特性に優れたフッ素樹脂被覆ロー
ラを安価に製造することが可能となる。
た結果、円筒状金型の内面にフッ素樹脂被膜を形成した
後、該フッ素樹脂被膜の表面に、フッ素樹脂を含有する
耐熱性ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温
度で加熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴ
ム層を形成することにより、フッ素樹脂層表面をエッチ
ング処理することなく、フッ素樹脂層とゴム層との間に
十分な接着力を付与できることを見いだした。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
明及び第二発明が提供される。 1.(1)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装
し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(2)次いで、
円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した後、(3)
フッ素樹脂被膜とローラ基材との間の隙間にゴム材料を
注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹脂被覆ロー
ラの製造方法。 2.(A)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉体を塗装
し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(B)該フッ素
樹脂被膜の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料
を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処理し
て、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成し、
(C)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入
した後、(D)耐熱性ゴム層とローラ基材との間の隙間
にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素
樹脂被覆ローラの製造方法。第二発明は、第一発明にお
いて、工程(1)と工程(2)との間に、耐熱性ゴム層
を形成する工程が付加された構成を有している。
鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製であること
が好ましいが、フッ素樹脂の焼成温度に耐える耐熱性を
持つものであれば、これらに限定されるものではない。
この円筒状金型の内面に良好な離型性を持たせること
が、最終工程で、フッ素樹脂層及び加硫ゴム層と共にロ
ーラ基材を円筒状金型から引き抜く(脱型する)ことを
容易にする上で好ましい。円筒状金型の内面に離型性を
持たせるには、平滑化処理を行うことが好ましい。円筒
状金型の内面を平滑化処理するには、例えば、アルミニ
ウム製の場合には、引き抜き材を使用したり、その他の
材質であれば、クロムメッキ、ニッケルメッキなどの表
面処理を行う方法がある。平滑化処理により、円筒状金
型の内面の表面粗さ(Rz)を20μm以下とすること
が好ましい。より好ましくいは、ホーニング処理などに
よりRzで5μm以下とすることがよい。円筒状金型内
面を平滑化処理により、脱型が容易になることに加え
て、表面平滑性に優れたフッ素樹脂層を形成することが
できる。
ローラ(定着ベルトを含む)などのローラ部材の長さで
あり、内径は、実質的にローラ基材の外径とゴム層の厚
みの和により規定される。円筒状金型の厚みは、フッ素
樹脂の焼成時及びゴムの加硫時の熱伝導を考慮して、適
宜決定されるが、通常、1〜10mm程度であることが
好ましい。ただし、好ましい厚みは、材質によって選択
される。本発明で使用するフッ素樹脂粉体としては、例
えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン
/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリ
クロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン
/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの粉体を
挙げることができる。
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。フッ素樹脂被覆ローラを定着ローラとして用いる
場合には、これらのフッ素樹脂粉体の中でも、耐熱性の
観点から、PTFE粉体及びPFA粉体が好ましい。ま
た、溶融流動性があり、かつ、表面平滑性に優れたフッ
素樹脂被膜が得られ易いことから、PFA粉体がより好
ましい。フッ素樹脂粉体の平均粒子径は、特に限定され
ないが、粉体塗装法により均一な厚みの薄い被膜を形成
する上で、10μm以下であることが好ましい。その下
限は、通常1μm程度である。特に、平均粒子径10μ
m以下のPFA粉体を用いることが好ましい。
種粉体塗装法を採用することができるが、それらの中で
も、粉体を帯電させて塗布する静電塗装法(静電粉体吹
き付け法)を用いることが、円筒状金型の内面に、均一
で、よく締まった塗着粉体層を形成する上で好ましい。
円筒状金型の内面に粉体塗装法によりフッ素樹脂塗膜を
形成した後、常法に従って、フッ素樹脂を焼成する。焼
成後のフッ素樹脂被膜の厚みは、通常、0.1〜150
μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜
60μm程度である。フッ素樹脂粉体は、液状フッ素樹
脂塗料の場合のように液中にフッ素樹脂粒子を分散させ
るための界面活性剤が配合されているといったことがな
いため、これを粉体塗装することにより、純粋なフッ素
樹脂の被膜が形成できる。これによって、焼成後に炭化
した不純物がフッ素樹脂被膜中に残存することがないの
で、表面平滑性及びトナー離型性に優れたフッ素樹脂層
を形成することができる。
間の接着力を向上させるために、円筒状金型内面に形成
したフッ素樹脂被膜の表面処理を行うことが好ましい。
フッ素樹脂被膜の表面処理法としては、UVランプ、エ
キシマランプなどによる紫外線照射、コロナ放電、プラ
ズマ処理、電子線照射、イオン照射、レーザー照射など
の照射による物理的処理;金属ナトリウムによる化学的
処理;処理液による湿式エッチング処理;などが挙げら
れる。これらの表面処理によって、フッ素樹脂被膜の表
面からフッ素原子が引き抜かれたり、表面が親水化され
たりするので、ゴム層との間の接着力が高まる。また、
フッ素樹脂被膜の表面には、ゴム層の材質に適した接着
剤を塗布することができる。
接着させるために、中間層として、フッ素樹脂を含有し
た耐熱性ゴム層を設ける。円筒状金型の内面にフッ素樹
脂被膜を形成した後、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム
材料を塗布し、フッ素樹脂の融点以上の温度で熱処理す
ることにより、耐熱性ゴム層を形成し、同時に、該耐熱
性ゴム層をフッ素樹脂層と融着させる。この耐熱性ゴム
層の厚みは、耐久性及び接着性を考慮して、50〜20
0μmの範囲であることが好ましい。耐熱性ゴム層を形
成するゴム材料としては、短時間であってもフッ素樹脂
の融点に相当する高温に耐えることができるシリコーン
ゴム及びフッ素ゴムが好ましく、耐熱性の点からフッ素
ゴムが特に好ましい。
は、特に限定されないが、比較的低温で溶融するフッ素
樹脂が、耐熱性ゴム材料の熱加硫温度を低くすることが
できるため好ましい。フッ素樹脂の中でも、融点が30
5℃以下の熱溶融性フッ素樹脂が好ましく、より具体的
には、PFA、FEPなどの熱溶融性フッ素樹脂が好ま
しい。耐熱性ゴム材料中のフッ素樹脂の含有量は、特に
限定されないが、外層のフッ素樹脂被膜との融着性の点
から、耐熱性ゴム材料100重量部に対して、5重量部
以上が好ましく、耐熱性ゴム層の柔軟性の点から、50
重量部以下であることが好ましい。
芯金またはチューブである。したがって、本発明のフッ
素樹脂被覆ローラは、ローラ基材としてチューブを用い
て得られるエンドレスベルト状のローラ部材(例えば、
定着ベルト、搬送ベルト、帯電ベルトなど)を包含す
る。ローラ状芯金としては、一般に、熱伝導性の良好な
アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなど
の金属;アルミナ、炭化ケイ素などのセラミックス;な
どから形成された筒状体が用いられる。チューブとして
は、耐熱性樹脂チューブや金属チューブが用いられる。
量が小さく、使用時にヒータの加熱により素早く昇温す
るものが好ましく、一般に、融点、熱変形温度、熱分解
温度などの耐熱温度が250℃以上の合成樹脂が使用さ
れ、その具体例としては、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスル
フィド、ポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。こ
れらの中でも、耐熱性及び耐久性の観点から、熱硬化性
樹脂のポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミ
ダゾールが好ましく、ポリイミドが特に好ましい。金属
チューブの材質としては、例えば、鉄、ニッケル、これ
らの合金などが挙げられる。電磁誘導加熱方式を採用す
る場合は、鉄、ニッケル、これらの合金、フェライト系
ステンレスなどが好ましい。定着ローラのように、ロー
ラ部材全体を効率よく加熱する必要がある場合には、電
磁誘導加熱が可能なニッケルチューブを用いることが特
に好ましい。
のが採用され、特に限定されない。例えば、ローラ基材
の長さは、転写紙などの転写材の大きさに応じて適宜定
められる。本発明の各工程において、ローラ基材として
チューブを用いる場合には、形状を保持するために、例
えば、ステンレス製の棒や筒などの支持体をチューブの
内部に挿入して使用することができる。また、ローラ基
材の表面には、ゴム層との間の接着力を高めるために、
ゴムの材質に適した接着剤を塗布することができる。
常、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムが用
いられる。耐熱性ゴムとは、例えば、定着ローラに使用
した場合、定着温度での連続使用に耐える程度の耐熱性
を有するものをいう。耐熱性ゴムとしては、耐熱性が特
に優れている点で、ミラブルまたは液状のシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、またはこれらの混合物が好ましい。具
体的には、ジメチルシリコーンゴム、フロロシリコーン
ゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、ビニルシリコー
ンゴムなどのシリコーンゴム;フッ化ビニリデンゴム、
テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテルゴ
ム、ホスファゼン系フッ素ゴム、フルオロポリエーテル
などのフッ素ゴム;などが挙げられる。これらの中で
も、金型内に注入しやすい液状シリコーンゴムを用いる
ことが好ましい。
るいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ゴム材料には、所望により、カーボンブラック、マイ
カ、酸化チタンなどの無機充填材や、天然樹脂などの有
機充填材を配合することができる。充填材の配合割合
は、ゴム100重量部に対して、通常100重量部以
下、好ましくは80重量部以下である。ゴム層の厚み
は、用途や設置する機械装置の構造、目標とする弾性、
用いる材料の硬度等を勘案して適宜設置されるが、通常
100μm〜5mm、好ましくは0.1〜3mm程度で
ある。
焼成してフッ素樹脂被膜2を形成する。次いで、ゴム層
との接着性を高めるため、必要に応じて、フッ素樹脂被
膜2の表面処理を行ったり、接着剤の塗布を行う。 (b)円筒状金型1の中空内に、ローラ基材3を挿入す
る。ローラ基材の表面には、接着剤を塗布しておいても
よい。円筒状金型の中心とローラ基材の中心が一致する
ようにセットする。すなわち、両者の軸心を合わせる。
図1には、ローラ基材として芯金を用いる場合を示した
が、チューブであってもよく、その場合には、チューブ
内に支持体を挿入して、該チューブを固定させることが
できる。
の間の隙間に未加硫ゴム4を注入し、加硫して加硫ゴム
層を形成する。加硫条件は、使用するゴムの種類に応じ
て選択される。液状シリコーンゴムの場合には、熱加硫
を行う。ゴムの注入には、インジェクション、押し出し
などの適当な方法を採用することができる。なお、図示
していないが、ゴムの注入や加硫に際し、通常は、円筒
状金型の一端または両端を密封する。 (d)ゴムの加硫後、フッ素樹脂被膜及び加硫ゴム層と
共に、ローラ基材を円筒状金型1から引き抜く。 (e)かくして、ローラ基材3上にゴム層とフッ素樹脂
層とがこの順に形成されたフッ素樹脂被覆ローラ5が得
られる。
素樹脂被膜2の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム
材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加熱処
理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を形成
する。次いで、工程(b)〜(e)を実施する。この方
法では、前記工程(a)の後、フッ素樹脂被膜のエッチ
ング処理などの表面処理工程を省略しても、耐熱性ゴム
層を介して、フッ素樹脂被膜とゴム層との間の接着力を
十分に確保することが可能である。
挙げてより具体的に説明する。
mmのステンレス製の円筒の内面をクロムメッキし、そ
の面(表面粗さ20μm以下)に平均粒子径7μmのP
FA粉体(旭硝子製、TW−3507)を静電塗装法に
より粉体塗装し、380℃で30分間熱処理してフッ素
樹脂被膜(厚み50μm)を形成した。次いで、フッ素
樹脂被膜の内面に表面処理液(潤工社製、テトラエッチ
液)を塗布し、水洗してエッチング処理した。この表面
処理したフッ素樹脂被膜の内面に、シリコーン系接着剤
(東レダウコーニングシリコーン社製、DY39−01
2)を塗布して風乾した。外表面に前記と同じシリコー
ン系接着剤を塗布し乾燥させた外径20mmφ、長さ3
00mmのアルミニウム製芯金を、円筒状金型の中心と
芯金の中心が一致するようにセットした。この円筒金型
のフッ素樹脂被膜と芯金との隙間に、液状シリコーンゴ
ム(信越化学製、KE1380)を流し込み、160℃
で15分間熱処理して、ゴムを熱加硫させ硬化させた。
その後、脱型して、フッ素樹脂被覆ローラを得た。この
ようにして得られたフッ素樹脂被覆ローラを定着ローラ
として、定着ユニットにセットし、定着ローラ内腔に配
置したハロゲンランプヒータでフッ素樹脂層の表面温度
が180℃になるように昇温した。キャノン製の電子写
真複写機の4色のカラートナー(C、M、Y、B)によ
って形成された未定着画像を定着ユニットに通し、ニッ
プ幅3mmで加圧して定着したところ、オフセットのな
い良好な定着画像が得られた。
mmのステンレス製の円筒状金型の内面にクロムメッキ
し、その面に液状PTFE塗料(ダイキン製、EK43
00)を塗布し、100℃で20分間乾燥後、380℃
で30分間熱処理してフッ素樹脂被膜を形成した。フッ
素樹脂被膜の内面にシリコーン系接着剤(東レダウコー
ニングシリコーン社製、DY39−012)を塗布して
風乾した。外表面に前記と同じシリコーン系接着剤を塗
布し乾燥させた外径20mmφ、長さ300mmのアル
ミニウム製芯金を、円筒状金型の中心と芯金の中心が一
致するようにセットした。この円筒金型のフッ素樹脂被
膜と芯金との隙間に、液状シリコーンゴム(信越化学
製、KE1380)を流し込み、160℃で15分間熱
処理して、ゴムを熱加硫させ硬化させた。その後、脱型
して、フッ素樹脂被覆ローラを得た。フッ素樹脂被覆ロ
ーラを円筒状金型から脱型した際に、フッ素樹脂被膜の
一部が円筒状金型の内面に付着し、被膜の一部が破れる
とともに、シワが発生した。このようにして得られたフ
ッ素樹脂被覆ローラを定着ローラとして、定着ユニット
にセットし、定着ローラ内腔に配置したハロゲンランプ
ヒータでフッ素樹脂層の表面温度が180℃になるよう
に昇温した。キャノン製の電子写真複写機の4色のカラ
ートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定着
画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して
定着したところ、フッ素樹脂被膜が破れたり、シワが入
った部分で画像に乱れが発生し、また、トナー離型性が
悪く、オフセットが発生した。
mmのアルミニウム製の円筒の内面をクロムメッキし、
そのメッキ面にPFAフッ素樹脂粉体(MP−102、
デュポン製)を粉体塗装し、380℃で30分熱処理し
て、フッ素樹脂被膜(厚み30μm)を形成した。この
フッ素樹脂被膜の表面に、フッ素ゴムラテックス(ダイ
エルGLS−213、ダイキン製)に融点302℃のP
FA(ACX31、ダイキン製)を、ゴム100重量部
に対して、10重量部配合した塗料を塗布し、100℃
で乾燥後、320℃で10分間熱処理して、形成された
耐熱性ゴム層(厚み70μm)を外層のフッ素樹脂層と
融着させた。この耐熱性ゴム層の表面に、シリコーン系
接着剤(DY39−012、東レダウコーニングシリコ
ーン社製)を塗布して、風乾した。円筒内に、同じシリ
コーン系接着剤を塗布・乾燥させた外径20mmφ、長
さ300mmのアルミニウム製芯金を、円筒の中心と芯
金の中心が一致するようにしてセットした。この円筒と
芯金との間の隙間に、液状シリコーンゴム(KE138
0、信越化学製)を流し込み、160℃で15分熱処理
してゴムを硬化させた。その後、フッ素樹脂を筒から脱
型しローラを得た。このローラを定着ユニットにセット
し、ハロゲンランプヒータでフッ素樹脂表面温度が18
0℃になるように昇温した。キャノン製複写機の4色カ
ラートナー(C、M、Y、B)によって形成された未定
着画像を定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧し
て1万枚連続定着したところ、オフセットのない良好な
定着画像が得られた。
mmのアルミニウム製芯金にシリコーン系接着剤(DY
39−012,東レダウコーニング社製)を塗布して、
風乾した。この芯金上に液状シリコーンゴム(KE13
80、信越化学製)を用いてシリコーンゴム層(厚み2
000μm)を形成した。このシリコーンゴム層上にプ
ライマー処理を施し、フッ素ゴムラテックス(ダイエル
GLS−213、ダイキン製)に融点302℃のPFA
(ACX31、ダイキン製)をゴム100重量部に対し
て10重量部配合した塗料を塗布し、100℃で乾燥
後、250℃で30分間熱処理して硬化させた(厚み7
0μm)。さらに、その上に、PFAフッ素樹脂粉体
(MP−102、デュポン製)を粉体塗装し、380℃
で30分熱処理してフッ素樹脂被膜(厚み30μm)を
形成した。このローラを定着ユニットにセットし、ハロ
ゲンランプヒータでフッ素樹脂表面温度が180℃にな
るように昇温した。キャノン製複写機の4色カラートナ
ー(C、M、Y、B)によって形成された未定着画像を
定着ユニットに通し、ニップ幅3mmで加圧して連続定
着したところ、5000枚でフッ素樹脂層が摩耗して、
画像むらが生じ、同時にシリコーンゴムが凝集破壊し
た。
樹脂層の破れ、シワの発生を引き起こすことがなく、層
間接着性、耐熱性、離型性、表面平滑性、耐久性などに
優れたフッ素樹脂被覆ローラを製造することができる。
また、本発明によれば、これらの諸特性に優れたフッ素
樹脂被覆ローラを安価に製造することができる。本発明
のフッ素樹脂被覆ローラは、電子写真複写機や静電記録
装置などの画像形成装置において、定着ローラ、加圧ロ
ーラ、搬送ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、現像ロー
ラなどとして好適である。
法を示す工程図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 (1)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉
体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(2)
次いで、円筒状金型の中空内にローラ基材を挿入した
後、(3)フッ素樹脂被膜とローラ基材との間の隙間に
ゴム材料を注入し、加硫することを特徴とするフッ素樹
脂被覆ローラの製造方法。 - 【請求項2】 (A)円筒状金型の内面にフッ素樹脂粉
体を塗装し、焼成してフッ素樹脂被膜を形成し、(B)
該フッ素樹脂被膜の表面にフッ素樹脂を含有する耐熱性
ゴム材料を塗布し、該フッ素樹脂の融点以上の温度で加
熱処理して、フッ素樹脂被膜と融着した耐熱性ゴム層を
形成し、(C)次いで、円筒状金型の中空内にローラ基
材を挿入した後、(D)耐熱性ゴム層とローラ基材との
間の隙間にゴム材料を注入し、加硫することを特徴とす
るフッ素樹脂被覆ローラの製造方法。 - 【請求項3】 ローラ基材が、ローラ状芯金、耐熱性樹
脂チューブまたは金属チューブである請求項1または2
に記載の製造方法。 - 【請求項4】 ゴム材料が、シリコーンゴムまたはフッ
素ゴムである請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項5】 フッ素樹脂粉体が、平均粒子径10μm
以下のテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)粉体である請求項1
または2に記載の製造方法。 - 【請求項6】 フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴム材料
が、フッ素樹脂として融点が305℃以下の熱溶融性フ
ッ素樹脂を含有するものである請求項2記載の製造方
法。 - 【請求項7】 耐熱性ゴム材料が、フッ素ゴムである請
求項2または6に記載の製造方法。
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JP29600998 | 1998-10-02 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007147909A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Fuji Xerox Co Ltd | 円筒状薄膜弾性体の製造方法 |
JP2009154461A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Sumitomo Electric Fine Polymer Inc | Oa機器用ローラーの製造方法及びoa機器用ローラー |
-
1998
- 1998-11-06 JP JP31579998A patent/JP3833401B2/ja not_active Expired - Fee Related
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